| 【発明の名称】 |
電子回路のシールド装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】袴田 芳郎
|
| 【要約】 |
【課題】高い周波数のクロック信号を用いた場合特有の不要輻射によりシールドケース表面から直接輻射されるコモンモードノイズを、簡単な外付け部材により抑制する。
【構成】本発明の電子回路のシールド装置は、高周波のクロックで動作する電子回路を有する電子回路基板をシールドするシールドケース1と、電子回路からの電磁界ノイズに基づいて発生するシールドケース1上の電磁気的不平衡点間を少なくとも電磁気的不平衡点間の距離よりも長いパターンを有する導電部分4により導通すると共に、導電部分4の有する折り返し部分を絶縁部分5により平面状に支持する外付け導電パターンプレート3とを備えたものである。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 高周波のクロックで動作する電子回路を有する電子回路基板をシールドするシールドケースと、 上記シールドケース上の離間した複数の点を各点間の距離よりも長い導電部により導通させる導電部材と を備えたことを特徴とする電子回路のシールド装置。 【請求項2】 上記導電部材は、絶縁部上に形成された導電パターンであることを特徴とする請求項1記載の電子回路のシールド装置。 【請求項3】 上記導電パターンは、折り返し部分を有することを特徴とする請求項2記載の電子回路のシールド装置。 【請求項4】 上記折り返し部分は、平面状の上記絶縁部上に密に繰り返して形成されていることを特徴とする請求項3記載の電子回路のシールド装置。 【請求項5】 上記導電部は、上記シールドケース上の離間した複数の点間の共振周波数が上記高周波のクロック周波数の高調波に重ならないように上記共振周波数の共振点をシフトするように選定されることを特徴とする請求項1記載の電子回路のシールド装置。 【請求項6】 上記導電部は、上記シールドケースの導電率よりも高い導電率となるように選定されることを特徴とする請求項1記載の電子回路のシールド装置。 【請求項7】 上記シールドケースによりシールドされた電子回路基板は、プロジェクタ装置で使用される液晶パネルを駆動するためのものであることを特徴とする請求項1記載の電子回路のシールド装置。
|
【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、電子回路基板をシールドする電子回路のシールド装置に関する。 【背景技術】 【0002】 従来、例えば、表示装置には、画像を表示する液晶パネル等を駆動するための電子回路を搭載した電子回路基板が設けられている。この電子回路は、例えば複数のICチップを含んでおり、所定のクロック信号に基づいて液晶パネルを駆動するための制御信号や液晶パネルに表示する画像信号を生成するものである。 【0003】 このような電子回路のクロック信号は、近年、比較的高い周波数(例えば、10MHz以上)が用いられるようになってきているため、この電子回路を搭載した電子回路基板をシールドケースで覆うことにより、高い周波数のクロック信号に基づく不要輻射を防ぐようにしていた。 【0004】 また、平面ディスプレイパネルを支持するスタンドの支持台にスリットを形成することにより、金属筺体とスタンドとの間で発生する電磁妨害となる特定の周波数に対する共振を抑制する表示装置が提案されていた(特許文献1参照)。 【特許文献1】特開2003−174600号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0005】 しかし、上述した電子回路を搭載した電子回路基板をシールドケースで覆うようにした場合でも、高い周波数のクロック信号特有の不要輻射によりシールドケース表面から直接コモンモードノイズが輻射されることが分かった。そこで、コモンモードノイズを低減する対策として、以下のようなものが考えられる。 【0006】 第1に、シールドケース表面のコモンモードノイズの共振周波数を他の周波数にシフトさせるために、シールドケースの形状を変更することが考えられる。しかし、このシールドケースの形状を変更する対策では、シールドケースを成型するための金型を変更する必要があるため、変更に必要となる期間が長期にわたることとなり、生産直前での変更が難しかった。 【0007】 また、第2に、シールドケースに対するグランド接続を強化することや、各種電源の供給もとの電源部に対するグランド接続を強化することが考えられる。しかし、このシールドケースに対するグランド強化や電源部に対するグランドを強化する対策では、高い周波数のクロック信号を用いた場合には微量電流で輻射が発生するため、グランド接続のために使用する導電性の高い接続部品が必要になり、接続する距離が長い場合には部品が長くなるためこの接続部品から輻射する恐れがある。 【0008】 また、第3に、シールドを施す主な対象となる輻射レベルの大きいICチップ自体に対策を施すことが考えられる。例えば、ICチップ自体を電波吸収体などで覆うようにして対策する場合には、コストアップにつながるという不都合がある。また、シールドケースとICチップとの間の距離を長くするように配置位置を変更する場合には、基板上のパターンを変更する必要があるため、シールドケースの形状を変更する第1の対策と同様に、変更に必要となる期間が長期にわたることとなり、生産直前での変更が難しいという不都合がある。 【0009】 さらに、特許文献1記載の平面ディスプレイパネルを支持するスタンドの支持台にスリットを形成する方法では、スタンドの支持台の共振を抑制することはできるが、シールドケースからの不要輻射を抑制することができない。 【0010】 そこで、本発明は、高い周波数のクロック信号を用いた場合特有の不要輻射によりシールドケース表面から直接輻射されるコモンモードノイズを、簡単な外付け部材により抑制することができる電子回路のシールド装置を提供することを目的とするものである。 【課題を解決するための手段】 【0011】 上記課題を解決し、本発明の目的を達成するため、本発明の電子回路のシールド装置は、高周波のクロックで動作する電子回路を有する電子回路基板をシールドするシールドケースと、上記シールドケース上の離間した複数の点を各点間の距離よりも長い導電部により導通させる導電部材とを備えたものである。 【0012】 本発明においては、シールドケース上の離間した複数の点を、導電部材を導電部により導通させるようにしたので、導通された各点間は短絡状態となり、シールドケース上の電磁気的不平衡点間の電位差が小さくなる。これによりシールドケース表面の電位差に起因するコモンモードノイズの輻射が抑制される。 【0013】 また、導電部の長さは、この導電部により導通させられるシールドケース上の離間した複数の各点間の距離よりも長いので、シールドケースにおける共振周波数が、シールドケース自体の寸法で決定される周波数よりも低いものとなり、シールドケース表面のコモンモードノイズの共振周波数が他の周波数にシフトされる。これにより、問題となる周波数のノイズの高調波成分がシールドケースで共振することがなくなり、不要輻射のレベルが抑えられる。 【発明の効果】 【0014】 本発明によれば、シールドケース表面の電磁気的不平衡点間に発生するコモンモードノイズ電流を低減させることができる。 また、シールドケースの共振周波数が高周波のクロック周波数の高調波に重ならないように共振周波数の共振点をシフトすることにより、各共振周波数の共振点のピークをリミット値以下に分散させることができる。 【0015】 さらに、導電パターンプレートは導電部の有する折り返し部分を密に形成することにより、シールドケースと外部との接続部材に対するシールド効果を奏することができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0016】 以下に、本発明の実施の形態について、適宜、図面を参照しながら詳細に説明する。 図1は、シールドケースと外付け導電パターンプレートを示す図である。図2は、図1のA−A断面図である。 図1に示すシールドケース1は、図2に示すように、高周波のクロック(例えば、約74MHz)で動作する電子回路を有する電子回路基板13をシールドするものである。図1に示すシールドケース1は、図2に示すように、電子回路基板13の部品搭載面側をシールドするトップシールド11と、電子回路基板13の非部品搭載面側をシールドするボトムシールド12とから構成されている。 【0017】 これにより、電子回路基板13は、シールドケース1で覆われることにより全方向のシールドが行われる。なお、シールドケースと外部との電気的接続を行うケーブル類2はシールドケース1に設けられる図示しない開口部から外部に引き出される。 【0018】 しかし、先に述べたように、電子回路を搭載した電子回路基板13をシールドケース1で覆うようにした場合でも、高い周波数のクロック信号特有の不要輻射によりシールドケース表面から直接コモンモードノイズが輻射される。そこで、コモンモードノイズを低減するため、以下の外付け部材をシールドケース1に設けるようにした。 【0019】 シールドケース1に対する外付け部材である導電パターンプレート3は、電子回路からの電磁ノイズに基づいて発生するシールドケース1上の電磁気的不平衡点間を少なくとも電磁気的不平衡点間の距離よりも長いパターンを有する導電部分4により導通すると共に、導電部分4の有する折り返し部分を絶縁部分5により平面状に支持するように構成されている。 【0020】 ここで、導電パターンプレート3の導電部分4のパターンの長さを、電磁気的不平衡点間の距離よりも長いパターンとするのは、電磁気的不平衡点間で発生する共振周波数の共振条件を変えることにより、後述するように、電磁気的不平衡点間で発生する共振周波数の共振点をシフトさせるためである。 【0021】 図3は、電磁気的不平衡点を示す図である。 図3において、電子回路基板13に搭載されているICチップからの電磁ノイズ21が、電磁誘導作用による電磁気的な結合などにより部品搭載面側のシールドケース1上のICチップに近い場所に比較的大きな電磁レベル及び範囲となってPA点のように発生する。 一方で、PA点から離間したPB点においては、相対的に小さな電磁レベル及び範囲となる。このとき、PA点とPB点の間は電磁気的に不平衡な状態となるため、すなわち電位差が生じる状態となるため、シールドケース1上のPA点とPB点の電磁気的不平衡点間でコモンモードノイズ電流が流れ、シールドケース1から不要輻射が発生する。 【0022】 そこで、外付け導電パターンプレート3をシールドケース1上のPA点とPB点の電磁気的不平衡点間にネジ6及びネジ7により装着する。これにより、PA点とPB点の間が短絡状態となり、これらの点の間の電磁気的不平衡点間のインピーダンスを下げることができるため、これらの点の間の電位差が小さくなる。これによりシールドケース1の表面の電位差に起因するコモンモードノイズの輻射が抑制される。 【0023】 また、導電部分4の長さは、この導電部分4により導通させられるシールドケース1上の離間した2点間の距離よりも長いので、シールドケース1における共振周波数が、シールドケース1自体の寸法で決定される周波数よりも低いものとなり、シールドケース1の表面のコモンモードノイズの共振周波数が他の周波数にシフトされる。これにより、問題となる周波数のノイズの高調波成分がシールドケースで共振することがなくなり、不要輻射のレベルが抑えられる。 【0024】 このとき、外付け導電パターンプレート3の導電部分4のパターンは、シールドケース1上のPA点とPB点の電磁気的不平衡点間の共振周波数が電子回路基板13上の高周波のクロック周波数の高調波(λ/2、λ/4、・・・ただし、λはクロック周波数の波長)に重ならないように共振周波数の共振点をシフトするように選定される。具体的には、外付け導電パターンプレート3の導電部分4の長さ、太さを調整することにより、導電部分4のパターンが選定される。 【0025】 また、外付け導電パターンプレート3の導電部分4のパターンは、シールドケース1の導電率よりも高い導電率となるように選定される。例えば、シールドケース1は、比較的導電率が低いが軽量であるアルミニュームを材料として選定したとき、外付け導電パターンプレート3の導電部分4のパターンは、比較的導電率が高い銅を材料として選定する。 これにより、PA点とPB点の電磁気的不平衡点間の電荷が高い導電率の外付け導電パターンプレート3の導電部分4に流れることにより、コモンモードノイズ電流を低減させることができる。 【0026】 図4は、外付け導電パターンプレートの取り付けを示す図である。 図4において、図3に示したシールドケース1のPA点とPB点の電磁気的不平衡点間に外付け導電パターンプレート3を装着する。このとき、シールドケース1の開口部から外部に引き出されるシールドケース1内の電子回路基板13と外部との電気的接続を行うケーブル類2及び外付け基板31を覆うようにシールドケース1の1つの側面側に外付け導電パターンプレート3を装着する。 【0027】 このとき、導電パターンプレート3の導電部分4の有する折り返し部分が密に形成されているので、シールドケース1と外部との電気的接続を行うケーブル類2及び外付け基板31に対するシールド効果を奏することができる。 【0028】 図5は、他の外付け導電パターンプレートの例を示す図である。 図5は、シールドケース1上の電磁気的不平衡点がPA点とPB点の他にPA点とPC点のように複数ある場合の外付け導電パターンプレートの例を示す図である。図5において、図3に示したように、電子回路基板13に搭載されているICチップからの電磁ノイズ21が、電磁誘導作用による電磁気的な結合などにより部品搭載面側のシールドケース1上に比較的大きな電磁レベル及び範囲となってPA点のように発生する。 【0029】 一方で、PA点から離間したPB点においては、相対的に小さな電磁レベル及び範囲となる。このとき、PA点とPB点の間は電磁気的に不平衡な状態となるため、すなわち電位差が生じる状態となるため、シールドケース1上のPA点とPB点の電磁気的不平衡点間でコモンモードノイズ電流が流れ、シールドケース1から不要輻射が発生する。 【0030】 他方で、PA点からPB点とは直角方向に離間したPC点においても、相対的に小さな電磁レベル及び範囲となる場合がある。このとき、PA点とPC点の間は電磁気的に不平衡な状態となるため、シールドケース1上のPA点とPC点の電磁気的不平衡点間でコモンモードノイズ電流が流れ、シールドケース1で不要輻射が発生する。 【0031】 そこで、外付け導電パターンプレート31をシールドケース1上のPB点とPA点との電磁気的不平衡点間及びPA点とPC点との電磁気的不平衡点間にネジ34,ネジ35及びネジ36によりシールドケース1の1つの側面側及び連続する他の側面側にL字状に装着する。これにより、PA点とPB点の電磁気的不平衡点間及びPA点とPC点との電磁気的不平衡点間のインピーダンスをそれぞれ下げることができるため、PA点とPB点の電磁気的不平衡点間及びPA点とPC点との電磁気的不平衡点間で発生する不要輻射を抑制することができる。また、シールドケース1の共振周波数の共振点をそれぞれシフトさせることができ、不要輻射を抑制することができる。ここでは、3点の電磁気的不平衡点の場合のみを示したが、3点以上の複数の場合も同様である。 【0032】 図6は、他の外付け導電パターンプレートの例を示す図である。 図6は、被覆編組線41を折り返し部を有するように固定治具42により平板状に支持しながらシールドケース1の1つの側面に固定する。このとき被覆編組41を図3に示したようにPA点とPB点の電磁気的不平衡点間に装着する。 更に、図3に示されるPA点とPB点を、折り曲げ部を有しない被覆編組線で接続し、中間部分を所定の部位にクランプ等で固定しても、電磁気的不平衡を改善する効果及びシールドケース1の共振周波数をシフトさせることができる。上述した構成によれば、例えば外付け導電パターンプレート3の導電部分4のパターンの選定を行う際には、容易にパターンの変更を可能とすることができる。 【0033】 図7は、シールドケースを用いたプロジェクタ装置の構成を示す図である。なお、図7においては、光学系よりもシールドケース1部分を拡大して図示している。 上述したシールドケース1によりシールドされた電子回路基板13は、R・G・Bの液晶(LCD)パネル56を駆動することによりR・G・Bの液晶(LCD)パネル56に表示される画像を図示しないスクリーンに投影するプロジェクタ装置に適用される。 【0034】 図7において、光源57から発光された光は光路58の中を通ってR・G・Bの液晶(LCD)パネル56で反射する。R・G・Bの液晶(LCD)パネル56には画像が表示されているため、液晶(LCD)パネル56に表示されている画像が反射してクロスダイクロイクプリズム59で合成される。プリズム59で合成された画像は投光部60により拡大されて上方の図示しないスクリーンに投影される。 【0035】 このとき、R・G・Bの液晶(LCD)パネル56にはR・G・Bのフラットケーブル55を介して電子回路基板13からR・G・Bの液晶(LCD)パネル56に画像を表示させるための制御信号及び駆動信号が供給される。電子回路基板13には、主電源から一定の電源電圧を生成するDC−DCコンバータ51、高周波のクロック(例えば、74MHz)で動作すると共に制御を司るコントローラ52、各種データを格納するメモリ53、R・G・Bの各駆動信号及び制御信号を生成するLCDドライブ回路54を有している。 【0036】 この電子回路基板13はシールドケース1によりシールドされている。ここで、電子回路基板13に搭載されている例えばR・G・BのLCDドライブ回路54などの図3に示したICチップからの電磁ノイズ21が、電磁誘導作用による電磁気的な結合などにより部品搭載面側のシールドケース1から不要輻射が発生するおそれがあるが、上述したように、シールドケース1に外付け導電パターンプレートを取り付けることにより、不要輻射を抑制することができる。 【0037】 さらに、プロジェクタ装置の電子回路基板13以外の他の電源やクロック信号の周波数と重ならないように共振周波数の共振点をシフトすることにより、プロジェクタ装置特有の高周波によるノイズを低減させることができる。 【0038】 図8、図9は、周波数シフト前後の不要輻射を示す図である。 図9は、図3に示した外付け導電パターンプレート3をシールドケース1上のPA点とPB点の電磁気的不平衡点間に装着したとき、シールドケース1の共振周波数のシフトによる不要輻射の低減の様子を模式的に示すものである。 【0039】 図8において、外付け導電パターンプレート3を装着しない場合の不要輻射レベルが示されている。図8の例では、高周波のクロックの周波数fclkが約74MHzとされており、この周波数fclkの2倍高調波の周波数f1(148MHz)、3倍高調波の周波数f2(222MHz)、6倍高調波の周波数f3(444MHz)、9倍高調波の周波数f4(666MHz)で、不要輻射レベルのピークが発生している。これは、シールドケース1の寸法で決まる複数の共振周波数と高周波のクロックの特定倍数の高調波の周波数が、一致あるいは近接しているためであると考えられる。図8に示すように、周波数がf1、f2、f3、f4の高調波不要輻射レベルはリミット値61に近いレベルである。このため、各高調波において他の部分かから発生する不要輻射が重なると不要輻射レベルはリミット値61を超えることとなる。 【0040】 そこで、図3に示した外付け導電パターンプレート3をシールドケース1に装着すると、先に述べたように、シールドケース1の共振周波数が、シールドケース1自体の寸法で決まる周波数よりも低くなる。これにより、例えば、シールドケース1の共振周波数がf4からf4´にシフトし、高周波のクロックの9倍高調波がシールドケース1で共振することがなくなり、図9に示されるように、9倍高調波に起因する不要輻射のレベルが低下する。このときシールドケース1が周波数f4´で共振するが、もともと周波数f4´における不要輻射のレベルは低いので、周波数f4´での不要輻射のレベルが上昇したとしてもその上昇量は少ないので、リミット値61との間隔は十分確保することができ、他の不要輻射が重なった場合でもリミット値61を超えることはない。 他の2倍、3倍、6倍の高調波についても、シールドケース1の共振周波数f1、f2、f3が、f1´、f2´、f3´にシフトすることにより、同様に不要輻射のレベルが低下する。 【0041】 図10は、不要輻射の周波数シフトのパターン選定手順を示す図である。 図10において、高周波のクロックで動作する電子回路を有する電子回路基板13をシールドするシールドケース1の全方向の不要輻射を示す遠方磁界を測定する(ステップS1)。具体的には、電磁界測定用のサイト内で例えば図7に示したシールドケース1を用いたプロジェクタ装置を360度回転させて、どの周波数が規定値より何デシベルオーバーしているかという値を測定する。 【0042】 次に、ステップS1の遠方磁界の測定により得られた不要輻射の周波数が、シールドケース1のどの部分の不要輻射であるかを示す近傍磁界を測定する(ステップS2)。具体的には、ステップS1の遠方磁界の測定により得られた不要輻射の周波数は、シールドケース1のどの部分の不要輻射であるかが分からないため、例えば、測定用の受信アンテナをシールドケース1の部分毎に近づけて不要輻射の発生部分を特定し、オシロスコープのプローブにより不要輻射の電磁レベルを測定する。 【0043】 ステップS2の近傍磁界の測定により得られた不要輻射の周波数の発生点のうち、他の点に対して電磁気的不平衡点となっている点を検出する(ステップS3)。具体的には、ステップS2の近傍磁界の測定により得られた不要輻射の周波数の発生部分ごとに、不要輻射の電磁レベルが異なる点を検出し、異なる点を電磁気的不平衡点となっている点として検出する。 なお、電磁気的不平衡点となるか否かの判断は、例えば、コモンモードノイズ電流が問題となる程度の一定の閾値以上の電磁気的不平衡な電磁レベルが存在するか否かで判断される。 【0044】 ステップS3で電磁気的不平衡点が検出されたとき、ターゲットとなる周波数の共振点をシフトする導電部のパターンを選定する(ステップS4)。具体的には、電磁気的不平衡点間の共振周波数が高周波のクロック周波数の高調波に重ならないように、電磁気的不平衡点間を導通する導電部のパターンを選定する。 【0045】 ステップS4の導電部のパターン選定の後に、ステップS2へ戻って近傍磁界の測定を行い、ステップS3でまた電磁気的不平衡点が検出されるときは、ステップS4で他の導電部のパターン選定を行う。このようにして、ステップS3で電磁気的不平衡点が検出されなくなるまで上記ステップS2、ステップS3及びステップS4までの処理及び判断を繰り返し、ステップS3で電磁気的不平衡点が検出されなくなったときは、ステップS4選定された導電部のパターンをシールドケース1上の電磁気的不平衡点間に装着する(ステップS5)。 【0046】 上述した本実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱しない限り、適宜、発明の構成を変更しうることはいうまでもない。 【図面の簡単な説明】 【0047】 【図1】シールドケースと外付け導電パターンプレートを示す図である。 【図2】図1のA−A断面図である。 【図3】電磁気的不平衡点を示す図である。 【図4】外付け導電パターンプレートの取り付けを示す図である。 【図5】他の外付け導電パターンプレートの例を示す図である。 【図6】他の外付け導電パターンプレートの例を示す図である。 【図7】シールドケースを用いたプロジェクタ装置の構成を示す図である。 【図8】周波数シフト前の不要輻射のレベルを示す図である。 【図9】周波数シフト後の不要輻射のレベルを示す図である。 【図10】不要輻射の周波数シフトのパターン選定手順を示す図である。 【符号の説明】 【0048】 1…シールドケース、2…ケーブル類、3、31…外付け導電パターンプレート、4…導電部分、5…絶縁部分、6,7…ネジ、11…トップシールド、12…ボトムシールド、13…電子回路基板、PA,PB,PC…電磁気的不平衡点、21…ICからの電磁界ノイズ、41…ワイヤー(外付け導電パターン)、42…固定治具、51…DC‐DCコンバータ、52…コントローラ、53…メモリ、54…LCDドライブ、55…フラットケーブル、56…LCDパネル、57…光源、58…光路、59…プリズム、60…投光部、fclk…高周波のクロック信号の周波数、f1、f2、f3、f4…高調波の周波数、f1`、f2`、f3`、f4`…シフト後の高調波の周波数
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000002185 【氏名又は名称】ソニー株式会社
|
| 【出願日】 |
平成18年6月30日(2006.6.30) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100122884 【弁理士】 【氏名又は名称】角田 芳末
【識別番号】100133824 【弁理士】 【氏名又は名称】伊藤 仁恭
|
| 【公開番号】 |
特開2008−10796(P2008−10796A) |
| 【公開日】 |
平成20年1月17日(2008.1.17) |
| 【出願番号】 |
特願2006−182573(P2006−182573) |
|