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【発明の名称】 回路基板の製造方法
【発明者】 【氏名】柴田 清司

【氏名】臼井 良輔

【氏名】井上 恭典

【氏名】中里 真弓

【要約】 【課題】金属板の開口部に対する位置合わせ精度を向上させることを可能とする回路基板の製造方法を提供する。

【構成】回路基板にはコア部材として開口部2を有する金属板1が設けられ、その開口部2の上面側(表面側)の端には突起3aを有する。この金属板1の両面側には絶縁層4,5を介して配線パターン7,8がそれぞれ形成される。また、各配線パターンを電気的に接続させるため、開口部2内に設けられた貫通孔6を介して金属板1を貫通し、配線パターン7と配線パターン8とを接続する導体部9が設けられる。さらに、回路基板の上面側にLSIチップ10が半田ボール11を介して直接接続される。ここで、金属板1の上面側に設けられた絶縁層4は、金属板1の開口部2の有無によらずその表面が一様に平坦化され、近傍に開口部2のない平坦部においては膜厚T1であり、突起3aを有する開口部端では膜厚T1よりも薄い膜厚T2となっている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属板にその表裏を貫通する開口部を設け、その表面側の開口部端に沿って突起を形成する第1の工程と、
前記金属板の表面および裏面に絶縁層をそれぞれ形成し、前記開口部内に絶縁層を充填する第2の工程と、
前記金属板の表面側から前記開口部を介して前記絶縁層の表裏を貫通する貫通孔を形成する第3の工程と、
を備え、
前記第2の工程では、前記突起上の前記絶縁層の膜厚を、前記金属板の表面側から前記突起を認識できる厚さに形成し、前記第3の工程では、前記突起を含む前記開口部を目印として前記貫通孔を形成していることを特徴とした回路基板の製造方法。
【請求項2】
前記第2の工程では、前記突起上の絶縁層の膜厚を、前記突起に隣接する前記金属板の平坦部における絶縁層の膜厚に比べて薄く形成している請求項1に記載の回路基板の製造方法。
【請求項3】
金属板にその表裏を貫通する開口部を設け、その表面側の開口部端に少なくとも順テーパ形状を形成する第1の工程と、
前記金属板の表面および裏面に絶縁層をそれぞれ形成し、前記開口部内に絶縁層を充填する第2の工程と、
前記金属板の表面側から前記開口部を介して前記絶縁層の表裏を貫通する貫通孔を形成する第3の工程と、
を備え、
前記第2の工程では、前記開口部端上の前記絶縁層の膜厚を、前記金属板の表面側から前記開口部端を認識できる厚さに形成し、前記第3の工程では、前記開口部端を含む前記開口部を目印として前記貫通孔を形成していることを特徴とした回路基板の製造方法。
【請求項4】
前記第2の工程では、前記金属板上の前記絶縁層の膜厚を、隣接する平坦部と比べて少なくとも開口部端において薄く形成している請求項3に記載の回路基板の製造方法。
【請求項5】
前記順テーパ形状は、前記金属板の裏面側の開口部端から前記金属板の表面側の開口部端に向かって前記開口部の寸法が大きくなるように形成している請求項3または4に記載の回路基板の製造方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、回路基板の製造方法に関し、特に、金属板をコア部に備えた回路基板の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、LSI(Large Scale Integrated Circuit:大規模集積回路)のさらなる高性能化、高機能化にともない、その消費電力は増加の傾向にある。また、電子機器の小型化にともなって、実装基板にも小型化、高密度化、多層化が求められている。このため、回路基板の体積当たりの消費電力(熱密度)は上昇し、その放熱対策の必要性が高まっている。このため、回路基板として高い放熱性を有する金属板が用いられる(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
図8は上記特許文献1に開示された従来の回路基板の構造を概略的に示した断面図である。従来の回路基板(メタルコア基板)は、コア部材としての金属板(金属層)102と、金属板102の表裏を貫通して設けられた開口部(貫通孔)102aと、金属板102の表裏面に絶縁層104を介して設けられた配線パターン114と、開口部102aを介して金属板102を貫通し、表裏面の配線パターン114を電気的に接続させる導体部110とを備える。ここで、絶縁層104は金属板102を中心としてその表裏面から絶縁樹脂シートを真空下または減圧下で熱圧着して形成される。この際、絶縁層104が両面から開口部102aの内部に流動して充填されるとともに、その表面は完全に平坦化される。導体部110は開口部102a内の絶縁層104に貫通孔(スルーホール)104aを設け、この貫通孔104内面に銅めっきを施すことにより形成される。なお、導体部110が設けられた貫通孔104a内はさらに絶縁体112が埋め込まれている。
【0004】
さらに近年では、回路基板の小型化・薄型化が強く求められている。これを実現するため、金属板102に設ける開口部102aや絶縁層104に設ける貫通孔104aなどの加工寸法の微細化を行っていく必要がある。
【特許文献1】特開2003−304063号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、一般に、金属板102の開口部102a内の絶縁層104に貫通孔104aを設ける場合、金属板102を基準として貫通孔104aの位置合わせをしている。具体的には、金属板102の上面側から照射された光によって金属板102の開口部102a部分近傍の像を投影し、その像を金属板102の上面側に設けたCCDカメラ等の撮像手段によって撮影する。そしてこの撮影データをコンピュータに取り込んで金属板102の開口部102aの画像認識を行い、その認識した画像に基づいて位置合わせを行うようにしている。ここで、位置合わせの精度は認識した画像のコントラスト(開口部と開口部近傍の領域とのコントラスト)に依存している。通常、照射された光は金属板で反射し、開口部内は透過するので、開口部内の画像は黒く認識される。
【0006】
しかしながら、黒色は周囲ににじみやすいため開口部102aの輪郭(エッヂ)120がぼやけてしまい、シャープな画像が得られない場合がある。特に開口部102aの寸法を微細化する場合には、輪郭のぼやけが同程度であっても全体に占める割合が大きくなるため、正確に画像認識を行うことが困難となり、貫通孔104aを設ける際の位置合わせ精度が低下してしまう問題が生じる。
【0007】
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、金属板の開口部に対する位置合わせ精度を向上させることを可能とする回路基板の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明に係る回路基板の製造方法は、金属板にその表裏を貫通する開口部を設け、その表面側の開口部端に沿って突起を形成する第1の工程と、金属板の表面および裏面に絶縁層をそれぞれ形成し、開口部内に絶縁層を充填する第2の工程と、金属板の表面側から開口部を介して絶縁層の表裏を貫通する貫通孔を形成する第3の工程と、を備え、第2の工程では、突起上の絶縁層の膜厚を、金属板の表面側から突起を認識できる厚さに形成し、第3の工程では、突起を含む開口部を目印として貫通孔を形成していることを特徴とする。
【0009】
この発明によれば、突起上の絶縁層の膜厚を、金属板の表面側から突起を認識できる厚さに形成しているので、第3の工程において金属板の開口部に対する位置合わせを行う際、金属板の上面側から照射される光が突起(特に突起のテーパ部分)によって乱反射し、その部分では金属板の平坦部とは異なる光強度となる。このため、金属板の開口部端(突起部分)でのコントラストがさらに明確になり、貫通孔を設ける際の位置合わせ精度が向上する。
【0010】
上記構成において、第2の工程では、突起上の絶縁層の膜厚を、突起に隣接する金属板の平坦部における絶縁層の膜厚に比べて薄く形成していることが好ましい。このようにすることで、金属板から反射する光強度が突起と隣接する平坦部とで異なるようになり、突起と隣接する平坦部との間でのコントラストを向上させることができる。さらに、突起上においては絶縁層の膜厚が金属板の平坦部と比べて薄い分だけ金属板から反射する光強度が強くなり、開口部内における黒色の周囲へのにじみを緩和することができる。これらの結果、開口部の輪郭(エッヂ)のコントラストがより明確になり、貫通孔を設ける際の位置合わせ精度が向上する。
【0011】
上記課題を解決するために、本発明に係る別の回路基板の製造方法は、金属板にその表裏を貫通する開口部を設け、その表面側の開口部端に少なくとも順テーパ形状を形成する第1の工程と、金属板の表面および裏面に絶縁層をそれぞれ形成し、開口部内に絶縁層を充填する第2の工程と、金属板の表面側から開口部を介して絶縁層の表裏を貫通する貫通孔を形成する第3の工程と、を備え、第2の工程では、開口部端上の絶縁層の膜厚を、金属板の表面側から開口部端を認識できる厚さに形成し、第3の工程では、開口部端を含む開口部を目印として貫通孔を形成していることを特徴とする。
【0012】
この発明によれば、開口部端上の絶縁層の膜厚を、金属板の表面側から開口部端を認識できる厚さに形成しているので、第3の工程において金属板の開口部に対する位置合わせを行う際、金属板の上面側から照射される光が順テーパ形状を有する開口部端によって乱反射し、その部分では金属板の平坦部とは異なる光強度となる。このため、金属板の開口部端でのコントラストが明確になり、貫通孔を設ける際の位置合わせ精度が向上する。
【0013】
上記構成において、第2の工程では、金属板上の絶縁層の膜厚を、隣接する平坦部と比べて少なくとも開口部端において薄く形成していてもよい。この場合、金属板から反射する光強度が開口部端と隣接する平坦部とで異なるようになり、その間でのコントラストを向上させることができる。さらに、金属板の開口部の端において金属板から反射する光強度が強くなり、開口部内における黒色の周囲へのにじみを緩和することができる。これらの結果、金属板の開口部の端でのコントラストがより明確になり、貫通孔を設ける際の位置合わせ精度が向上する。
【0014】
上記構成において、順テーパ形状は、金属板の裏面側の開口部端から金属板の表面側の
開口部端に向かって開口部の寸法が大きくなるように形成していることを特徴とする。このようにすることで、金属板の上面側から絶縁層が開口部内に充填されやすくなるので、金属板の開口部の端において金属板上の絶縁層の膜厚を平坦部の膜厚と比べて容易に薄くすることができる。この結果、金属板の上面側の開口部の端でのコントラストがさらに明確になり、貫通孔を設ける際の位置合わせ精度を向上させることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、金属板の開口部に対する位置合わせ精度を向上させることを可能とする回路基板の製造方法が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明を具現化した実施形態について図面に基づいて説明する。なお、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0017】
(第1実施形態)
図1は本発明の第1実施形態に係る金属板を備えた回路基板の構成を示す概略断面図である。
【0018】
第1実施形態の回路基板では、コア部材として開口部2を有する金属板1が設けられ、その開口部2の上面側(表面側)の端には突起3aを有し、開口部2の下面側(裏面側)の端にはへたり(丸みを帯びた角部)3bを有している。この金属板1の両面側に絶縁層4,5を介して配線パターン7,8がそれぞれ形成されている。また、各配線パターンを電気的に接続させるため、開口部2内に設けられた貫通孔6を介して金属板1を貫通し、配線パターン7と配線パターン8とを接続する導体部9が設けられている。さらに、回路基板の上面側にLSIチップ10が半田ボール11を介して直接接続されている。なお、金属板1の上面側に設けられた絶縁層4は、金属板1の開口部2の有無によらずその表面が一様に平坦化され、近傍に開口部2のない平坦部においては膜厚T1であり、突起3aを有する開口部端では膜厚T1よりも薄い膜厚T2となっている。
(製造方法)
図2および図3は、図1に示した本発明の第1実施形態に係る回路基板の製造プロセスを説明するための概略断面図である。
【0019】
まず、図2(A)に示すように、約50μm〜約1mm(たとえば、約150μm)の厚みを有する金属板1を用意する。たとえば、この金属板1は、銅からなる下層金属層と、下層金属層上に形成されたFe−Ni系合金(いわゆるインバー合金)からなる中間金属層と、中間金属層上に形成された銅からなる上層金属層とが積層されたクラッド材によって構成される。なお、金属板1は、銅単層であってもよい。
【0020】
図2(B)に示すように、金属板1にレーザ照射またはドリル加工を行うことによって、金属板1の表裏を貫通する開口部2(直径約300μm)を所定の箇所に形成する。これにより、金属板1の開口部2の上面側の端に突起3a(約10μm)を形成し、開口部2の下面側の端にへたり3bを形成する。なお、この突起3aは、金属板1の開口部2の端に沿って設けられるが、突起3aの先端部は均一な高さでなくてもよく、たとえば、櫛状であったり、波状であったりしてもよい。また、突起ごとの形状や高さも同じでなくてもよい。さらに、突起3aは、開口部2に沿って必ずしも一体的な(連続的な)突起として設けられる必要はなく、例えば、独立した複数の突起が開口部2に沿って不連続に設けられていてもよい。
【0021】
図2(C)に示すように、エポキシ樹脂を主成分とする絶縁層4を金属板1の上面側(表面側)から、絶縁層5を金属板1の下面側(裏面側)から真空下または減圧下で熱圧着する。ここで、絶縁層4,5の厚さは、たとえば、75μm程度とする。なお、絶縁層4
,5には約2μm〜10μm程度の直径を有するフィラーが添加されていてもよい。このフィラーとしては、アルミナ(Al)、シリカ(SiO)、窒化アルミニウム(AlN)、窒化シリコン(SiN)、及び窒化ホウ素(BN)などがある。また、フィラーの重量充填率は約60%〜約80%である。
【0022】
図2(D)に示すように、絶縁層4,5を熱圧着することで、金属板1の開口部2内は絶縁層4,5によって完全に埋め込まれる。金属板1の上面側に設けられた絶縁層4および下面側に設けられた絶縁層5は、金属板1の開口部2の有無によらずその表面が一様に平坦化される。この結果、金属板1上の絶縁層4の膜厚は、近傍に開口部2のない平坦部において膜厚T1となり、突起3aを有する開口部端では膜厚T1よりも薄い膜厚T2となる。また、金属板1の絶縁層5の膜厚は平坦部において膜厚T1となっている。
【0023】
次に、図3(A)に示すように、金属板1の開口部2内に埋め込まれた絶縁層4,5に金属板1の上面側(表面側)からレーザ照射またはドリル加工を行うことによって、この絶縁層4,5の表裏を貫通する貫通孔6(直径約150μm)を、開口部2に対応する箇所に形成する。ここで、貫通孔6を形成する際には、金属板1の開口部2の近傍部分の画像認識によって開口部2と貫通孔6との位置合わせを行っている。
【0024】
図3(B)に示すように、無電解めっき法および電解めっき法を用いて、絶縁層4の上面上、貫通孔6の内面上、及び絶縁層5の上面上に銅(Cu)をめっきする。なお、本実施形態では、めっき液中に抑制剤および促進剤を添加することによって、抑制剤を絶縁層4,5の上面上に吸着させるとともに、促進剤を貫通孔6の内面上に吸着させる。これにより、貫通孔6の内面上の銅めっきの厚みを大きくすることができるので、貫通孔6内に銅を埋め込むことができる。その結果、絶縁層4,5上に約35μmの厚みを有する銅からなる配線層7a,8aがそれぞれ形成されるとともに、貫通孔6内に銅からなる導体部9が充填される。
【0025】
図3(C)に示すように、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を用いて配線層7a,8aをそれぞれパターニングする。これにより、上面側の配線パターン7および下面側の配線パターン8を形成する。
【0026】
最後に、図1に示したように、配線パターン7上の所定の箇所にLSIチップ10を、半田ボール11を介して電気的に接続させるように直接搭載し、樹脂層(図示せず)で固定する。
【0027】
これらの工程により、第1実施形態の金属板1を備えた回路基板が製造される。
【0028】
以上説明した第1実施形態の回路基板の製造方法によれば、以下のような効果を得ることができるようになる。
(1)金属板1の上面側(表面側)の開口部端に沿って突起3aを設けたことで、突起3a上の絶縁層4の膜厚を、金属板1の表面側から突起3aを認識できる厚さに形成した場合には、金属板1の上面側から照射される光が突起(特に突起のテーパ部分)3aによって乱反射し、その部分では金属板1の平坦部とは異なる光強度(特に突起のテーパ部分)となる。このため、金属板1の開口部端(突起部分)でのコントラストがさらに明確になり、貫通孔6を設ける際の位置合わせ精度が向上する。
(2)突起3a上の絶縁層4の膜厚を、金属板1の平坦部における絶縁層4の膜厚に比べて薄く形成したことで、金属板1から反射する光強度が突起3aと隣接する平坦部とで異なるようになり、突起3aと隣接する平坦部との間でのコントラストを向上させることができる。さらに、突起3a上において絶縁層4の膜厚が金属板1の平坦部と比べて薄い分だけ金属板1から反射する光強度が強くなり、開口部2内における黒色の周囲へのにじみを緩和することができる。これらの結果、開口部2の輪郭(エッヂ)のコントラストがよ
り明確になり、貫通孔6を設ける際の位置合わせ精度が向上する。
(3)金属板1に開口部2を形成する際に金属板1の表面側の開口部端に沿って突起3aを設けるだけで、金属板1の開口部2の端において絶縁層4の膜厚T2を平坦部の膜厚T1と比べて薄くすることができる。このため、貫通孔6を設ける際の位置合わせ精度を向上させることを可能とする回路基板の製造方法を低コストで提供することができる。
(4)金属板1の上面側(表面側)の開口部端に沿って設けた突起3aによって開口部端でのコントラストが明確になるので、開口部2の寸法を微細化しても貫通孔6を設ける際の位置合わせを行うことができるようになる。この結果、回路基板の小型化を実現することができる。
【0029】
(第2実施形態)
図4は本発明の第2実施形態に係る金属板を備えた回路基板の構成を示す概略断面図である。第1実施形態と異なる箇所は、金属板1aの開口部2aが丸みを帯びた順テーパ形状を有する開口部端3cとなっていること、開口部2aの上方領域において絶縁層4(および配線パターン7)の上面が窪み、その窪みが開口部端3cの上にも及んでいることである。これにより、金属板1上の絶縁層4の膜厚は、近傍に開口部2aのない平坦部において膜厚T1となり、開口部端3cでは膜厚T1よりも薄い膜厚T3となっている。また、絶縁層5に関しても同様である。それ以外については、第1実施形態と同様である。
(製造方法)
図5は、図4に示した本発明の第2実施形態に係る回路基板の主要な製造プロセスを説明するための概略断面図である。
【0030】
図5(A)に示すように、金属板1aを挟み込んで金属板1aと同時に開口される捨基板(図示せず)を用いてドリル加工を行い、さらに薬液処理を行うことによって、金属板1aの表裏を貫通する開口部2a(直径約300μm)を所定の箇所に形成する。これにより、金属板1aの開口部端3cは第1実施形態とは異なり、その部分が突起3aとはならず、表裏面とも丸みを帯びた順テーパ形状となる。
【0031】
図5(B)に示すように、絶縁層4を金属板1aの上面側(表面側)から、絶縁層5を金属板1aの下面側(裏面側)から真空下または減圧下で熱圧着する。ここで、温度や圧力を調整することにより絶縁層4,5の流動性を制御し、金属板1aの開口部2a内を絶縁層4,5によって完全に埋め込むとともに、開口部2aの上面側および下面側に形成される絶縁層4および絶縁層5の表面を窪ませ、この窪みが開口部端3cの上にも及ぶようにする。なお、絶縁層4,5は先の第1実施形態と同じ材料を採用する。絶縁層4,5の厚さは、たとえば、75μm程度であり、窪みの深さ(最深の窪み量)H1は25μm程度である。この結果、金属板1a上の絶縁層4の膜厚は、近傍に開口部2aのない平坦部において膜厚T1となり、開口部端3cでは膜厚T1よりも薄い膜厚T3となる。また、絶縁層5に関しても同様となる。
【0032】
これ以降は第1実施形態の図3(A)以降の工程を経て、第2実施形態の金属板1aを備えた回路基板が製造される。
【0033】
この第2実施形態の回路基板の製造方法によれば、以下のような効果を得ることができるようになる。
(5)金属板1aの上面側(表面側)の開口部2aの端を順テーパ形状(丸みを帯びた開口部端3c)に形成したことで、開口部端上の絶縁層4の膜厚を、金属板1aの表面側から開口部端3cを認識できる厚さに形成した場合には、金属板1aの上面側(表面側)から照射される光が順テーパ形状を有する開口部端3cによって乱反射し、その部分では金属板1aの平坦部とは異なる光強度となる。このため、金属板1aの開口部2aの端(開口部端3c)でのコントラストがさらに明確になり、貫通孔6を設ける際の位置合わせ精度が向上する。
(6)開口部2aの上方領域に形成する絶縁層4の表面を窪ませ、この窪みを開口部端3cの上にも及ぶようにしたことで、開口部2aの端の膜厚T3は平坦部の膜厚T1に比べ薄くなる。このため、貫通孔6を形成するために金属板1aの開口部2aに対する位置合わせを行う際、金属板1aから反射する光強度が開口部端3cと隣接する平坦部(膜厚T1と同じ膜厚)とで異なるようになり、その間でのコントラストを向上させることができる。さらに、開口部2aの端の膜厚T3が平坦部の膜厚T1に比べ薄い分だけ金属板1aからの反射する光強度が強くなり、開口部2a内における黒色の周囲へのにじみを緩和することができる。これらの結果、金属板1aの開口部2aの端(開口部端3c)でのコントラストがさらに明確になり、貫通孔6を設ける際の位置合わせ精度が向上する。
(7)金属板1aの上面側(表面側)の開口部2aの端を順テーパ形状(丸みを帯びた開口部端3c)に形成したことおよび開口部2aの上方領域に形成する絶縁層4の表面を窪ませ、この窪みを開口部端3cの上にも及ぶようにしたことによって、開口部端3cでのコントラストが明確になるので、開口部2aの寸法を微細化しても貫通孔6を設ける際の位置合わせを行うことができるようになる。この結果、回路基板の小型化を実現することができる。
(8)金属板1aの下面側(裏面側)の開口部2aの端を順テーパ形状(丸みを帯びた開口部端3c)に形成したことおよび金属板1aの下面側(裏面側)において金属板1a上の絶縁層5の膜厚を開口部2aの端において平坦部と比べて薄く形成したことで、金属板1aの下面側(裏面側)からも貫通孔6を設ける際の位置合わせを行うことができる。このため、貫通孔6を設ける際、任意の方向から位置合わせおよび貫通孔6の形成を行うことができるようになるので、回路基板の製造コストの低減を図ることが可能となる。
(9)開口部2aの上方領域および下方領域において絶縁層4,5の上面をそれぞれ窪ませたことで、金属板1aの開口部2a内の絶縁層4,5の厚みは窪みがない場合に比べて薄くなるので、貫通孔6の形成時の加工量が少なくなり、加工精度が向上する。このため、貫通孔6の微細化が可能となり、回路基板の小型化を実現することができる。
【0034】
(第3実施形態)
図6は本発明の第3実施形態に係る金属板を備えた回路基板の構成を示す概略断面図である。第1実施形態と異なる箇所は、金属板1bの開口部2bが下面側(裏面側)から上面側(表面側)に向かってその寸法が徐々に広がるように設けられていること(上面側開口寸法A:約450μm/下面側開口寸法B:約300μm)、開口部2bの上方領域において絶縁層4(および配線パターン7)の上面が窪み、その窪みが開口部端3dの上にも及んでいることである。これにより、金属板1b上の絶縁層4の膜厚は、近傍に開口部2bのない平坦部において膜厚T1となり、開口部端3dでは膜厚T1よりも薄い膜厚T4となっている。それ以外については、第1実施形態と同様である。
(製造方法)
図7は、図6に示した本発明の第3実施形態に係る回路基板の主要な製造プロセスを説明するための概略断面図である。
【0035】
図7(A)に示すように、銅板(たとえば、厚さ約150μm)からなる金属板1bの上にレジストパターン(図示せず)を設け、ウェットエッチング処理によって金属板1bを貫通する開口部2b(上面側開口寸法A:約450μm/下面側開口寸法B:約300μm)を所定の箇所に形成する。ここで、ウェットエッチング処理により金属板1bは等方的に除去されるので、開口部2bは下面側(裏面側)から上面側(表面側)に向かってその寸法が徐々に広がっていくようテーパ状に設けられる。なお、上面側の開口部端3dは従来の構造における直角(垂直)よりも角度の緩やかな角部となる。
【0036】
図7(B)に示すように、絶縁層4を金属板1bの上面側(表面側)から、絶縁層5を金属板1bの下面側(裏面側)から真空下または減圧下で熱圧着する。絶縁層4,5は先の第1実施形態と同じ材料を採用する。絶縁層4,5の厚さは、たとえば、75μm程度
とする。これにより、金属板1bの開口部2b内を絶縁層4,5によって完全に埋め込むとともに、開口部2bの上面側に形成される絶縁層4の表面を窪ませ、この窪みが開口部端3dの上にも及ぶようにする。なお、絶縁層4,5を熱圧着する際には、金属板1bに対して垂直方向(上下方向)に加圧するが、金属板1bの開口部2bの上面側がテーパ形状を有しているので、開口部2b内で平行方向の力が生じ、この力によって開口部2b内への絶縁層4の流動が加速される。これにより、開口部2b内への絶縁層の流動は開口部2bの上面側から選択的に起こり、開口部2bの上面側に形成される絶縁層4が選択的に窪むことになる。なお、窪みの深さ(最深の窪み量)H2は45μm程度である。この結果、金属板1b上の絶縁層4の膜厚は、近傍に開口部2bのない平坦部において膜厚T1となり、開口部端3dでは膜厚T1よりも薄い膜厚T4となる。
【0037】
これ以降は第1実施形態の図3(A)以降の工程を経て、第3実施形態の金属板1bを備えた回路基板が製造される。
【0038】
この第3実施形態の回路基板の製造方法によれば、以下のような効果を得ることができるようになる。
(10)金属板1bの下面側(裏面側)の開口部端から金属板の上面側(表面側)の開口部端に向かって開口部2bの寸法が大きくなるように形成したことで、金属板1bの上面側から絶縁層4が開口部2b内に充填されやすくなるので、金属板1bの上面側の開口部2bの端(開口部端3d)において金属板1b上の絶縁層4の膜厚T4を平坦部の膜厚T1と比べてさらに薄くすることができるようになる。この結果、金属板1bの上面側の開口部2bの端(開口部端3d)でのコントラストがさらに明確になり、貫通孔6を設ける際の位置合わせ精度を向上させることができる。
(11)開口部2bの上方領域において絶縁層4の上面を窪ませたことで、金属板1bの開口部2b内の絶縁層4,5の厚みは絶縁層4の窪みがない場合に比べて薄くなるので、貫通孔6の形成時の加工量が少なくなり、加工精度が向上する。このため、貫通孔6の微細化が可能となり、回路基板の小型化を実現することができる。
【0039】
なお、上記実施形態では、LSIチップ10が装着された回路基板に本発明を適用したが、本発明はこれに限らず、LSIチップ以外の回路素子が装着された回路基板にも適用可能である。たとえば、キャパシタや抵抗などの受動素子であってもよい。
【0040】
上記実施形態では、LSIチップ10を搭載した回路基板の例を示したが、本発明はこれに限らず、たとえば、図3(C)にように、LSIチップ10を搭載していない状態の回路基板であってもよい。この場合にも上記効果を享受することができる。
【0041】
上記第1実施形態では、貫通孔6を設ける開口部2においてその開口部端に突起3aを形成した例を示したが、本発明はこれに限らず、たとえば、金属板1に対して、貫通孔6や導体部9を設ける必要のない位置合わせマーク(アライメントマーク)としての開口部を設け、その部分に本発明を適用して位置合わせを行ってもよい。
【0042】
上記第2および第3実施形態では、貫通孔6を設ける開口部2a,2bにおいてその開口端部を順テーパ形状とし、その開口部端の膜厚を平坦部に比べて薄くした例を示したが、本発明はこれに限らず、たとえば、金属板1a,1bに対して、貫通孔6や導体部9を設ける必要のない位置合わせマーク(アライメントマーク)としての開口部を設け、その部分に本発明を適用して位置合わせを行ってもよい。
【0043】
上記第2実施形態では、貫通孔6を設ける開口部2aの上方領域に窪みを設けた例を示したが、本発明はこれに限らず、たとえば、金属板1aの開口部2aの有無によらずその表面が一様に平坦化されていてもよい。この場合には、少なくとも上記(5)の効果を享受することができる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の第1実施形態に係る金属板を備えた回路基板の概略断面図。
【図2】(A)〜(D)図1に示した第1実施形態による回路基板の製造プロセスを説明するための概略断面図。
【図3】(A)〜(C)図1に示した第1実施形態による回路基板の製造プロセスを説明するための概略断面図。
【図4】本発明の第2実施形態に係る金属板を備えた回路基板の概略断面図。
【図5】(A),(B)図4に示した第2実施形態による回路基板の主要な製造プロセスを説明するための概略断面図。
【図6】本発明の第3実施形態に係る金属板を備えた回路基板の概略断面図。
【図7】(A),(B)図4に示した第3実施形態による回路基板の主要な製造プロセスを説明するための概略断面図。
【図8】従来の回路基板の構造を概略的に示した断面図。
【符号の説明】
【0045】
1・・・金属板、2・・・開口部、3a・・・突起、3b・・・へたり(丸みを帯びた角部)、4・・・絶縁層、5・・・絶縁層、6・・・貫通孔、7・・・配線パターン、8・・・配線パターン、9・・・導体部、10・・・LSIチップ、11・・・半田ボール
【出願人】 【識別番号】000001889
【氏名又は名称】三洋電機株式会社
【出願日】 平成18年6月30日(2006.6.30)
【代理人】 【識別番号】100131071
【弁理士】
【氏名又は名称】▲角▼谷 浩


【公開番号】 特開2008−10709(P2008−10709A)
【公開日】 平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願番号】 特願2006−180881(P2006−180881)