| 【発明の名称】 |
プリント配線基板および回路装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】片岡 龍男
【氏名】明石 芳一
【氏名】井口 裕
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| 【要約】 |
【課題】絶縁抵抗値が変動しにくい2層構成の金属被覆ポリイミドよりなるプリント配線基板の提供すること。
【構成】絶縁フィルムの少なくとも一方の表面に、スパッタリング金属層を介して積層された導電性金属を形成し、該スパッタリング金属層および導電性金属層を、エッチング法により選択的に除去して配線パターンを形成した後、該積層フィルムを、スパッタリング金属層に含有されるNiを溶解可能な第1液で処理し、次いでスパッタリング金属層に含有されるCrを溶解しかつ絶縁フィルムのスパッタリング金属層を除去し得る第2処理液で処理して、該配線パターンが形成されていない絶縁フィルムの表層面に残存するスパッタリング金属を絶縁フィルム表層面と共に除去する。さらに、本発明のプリント配線基板は、配線パターンが形成されていない部分の絶縁フィルムの厚さが、該配線パターンが形成されている絶縁フィルムの厚さよりも1〜100nm薄く形成されている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 絶縁フィルムと、該絶縁フィルムの少なくとも一方の面に形成された配線パターンとを有するプリント配線基板であって、 該絶縁フィルムの配線パターンが形成されていない部分の絶縁フィルムの厚さが、該配線パターンが形成されている絶縁フィルムの厚さよりも1〜100nm薄く形成されていることを特徴とするプリント配線基板。 【請求項2】 上記絶縁フィルムが、ポリイミドフィルムであることを特徴とする請求項第1項記載のプリント配線基板。 【請求項3】 上記絶縁フィルムの表面に、配線パターンが接着剤層を介さずに直接配置されている請求項第1項記載のプリント配線基板。 【請求項4】 上記配線パターンが、絶縁フィルム表面に直接配置されたNiおよび/またはCrを含有するスパッタリング金属層と、該スパッタリング層の表面に配置されたNi、Cr以外の導電性金属からなる導電性金属層とを含む複数種類の金属からなる金属層から形成されていることを特徴とする請求項第1項記載のプリント配線基板。 【請求項5】 上記配線パターンを形成する導電性金属層の表面に選択的にメッキ層を形成することを特徴とする請求項第1項記載のプリント配線基板。 【請求項6】 上記請求項第1項乃至第5項のいずれかの項に記載のプリント配線基板に、電子部品が実装されていることを特徴とする回路装置。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、ポリイミドフィルムの表面に配線パターンが接着剤層を介さず直接形成されているプリント配線基板およびこのプリント配線基板に電子部品が実装された回路装置に関する。さらに詳しくは本発明は、基板となるポリイミドフィルムと、この絶縁基板の表面に形成された金属層とからなる2層構成の基板から形成されるプリント配線基板およびこのプリント配線基板に電子部品が実装された回路装置に関する。 【背景技術】 【0002】 従来からポリイミドフィルムなどの絶縁フィルムの表面に接着剤を用いて銅箔を積層した銅張り積層板を用いて配線基板が製造されている。 上記のような銅張り積層板は、表面に接着剤層が形成された絶縁フィルムに、銅箔を加熱圧着することにより製造される。したがって、このような銅張り積層板を製造する際には、銅箔を単独で取り扱わなければならない。しかしながら、銅箔は薄くなるほど腰が弱くなり、単独で取り扱える銅箔の下限は9〜12μm程度であり、これよりも薄い銅箔を用いる場合には、例えば支持体付の銅箔を用いることが必要になるなど、その取り扱いが非常に煩雑になる。また、絶縁フィルムの表面に接着剤を用いて、上記のような薄い銅箔を貼着した銅張り積層板を使用して配線パターンを形成すると、銅箔を貼着するために使用した接着剤の熱収縮によりプリント配線基板に反り変形が生ずる。特に電子機器の小型軽量化に伴い、プリント配線基板も薄化、軽量化が進んでおり、このようなプリント配線基板には、絶縁フィルム、接着剤および銅箔からなる3層構造の銅張り積層板では対応できなくなりつつある。 【0003】 そこで、こうした3層構造の銅張り積層板に代わって、絶縁フィルム表面に直接金属層を積層した2層構造の積層体が使用されている。このような2層構造の積層体は、ポリイミドフィルムなどのような絶縁フィルムの表面に、無電解メッキ法、蒸着法、スパッタリング法などによりシード層金属を析出させることにより製造される。そして、上記のようにして析出した金属の表面に銅メッキを付着させた後、フォトレジストを塗布し、露光・現像し、次いでエッチングすることにより所望の配線パターンを形成することができる。特に2層構成の積層体は、金属(Cu)層が薄いために形成される配線パターンピッチ幅が30μmに満たないような非常に微細な配線パターンを製造するのに適している。 【0004】 ところで、特許文献1(特開2003-188495号公報)には、ポリイミド樹脂フィルムに乾式製膜法で形成された第1金属層と第1金属層の上にメッキ法で形成された導電性を有する第2金属層とを有する金属被覆ポリイミドフィルムに、エッチング法によってパターンを形成するプリント配線基板の製造方法において、前記エッチング後にエッチング表面を酸化剤による洗浄処理を行うことを特徴とするプリン等配線基板の製造方法の発明が開示されている。また、この特許文献1の実施例5には、ニッケル・クロム合金を厚さ10nmにプラズマ蒸着し、次いでメッキ法で銅を8μmの厚さで析出させた例が示されている。 【0005】 このようにして形成された2層構成の金属被覆ポリイミドフィルムを用いることにより、微細な配線パターンを形成することができるが、基材となるポリイミドフィルム表面に、例えばプラズマ蒸着などにより金属層を析出させると、ポリイミドフィルム表面では、蒸着する金属とポリイミドを形成する成分とが一部化学的に結合することがあり、このような金属はエッチングによっては除去されにくい。したがって、配線パターンが形成されたポリイミドフィルム表面に極微量の金属がポリイミドフィルムと一体化されて含有されることがある。このようにしてポリイミドフィルム表面に残存する金属によって、配線パターン間の絶縁性が低下することがある。また、図7に示されるように、上記のようにして配線パターンを形成した後、電子部品を実装する前に、配線パターンをメッキ処理することがあり、ポリイミドフィルム11の表面には第1金属層15を形成する金属がポリイミドフィルム11を形成する成分と結合して残存することがある。このような残量金属30は、ポリイミドフィルム11の表面に物理的に結合している場合もあるし、ポリイミドフィルムを形成する成分と化学的に結合していることもある。このような残留金属30がポリイミドフィルム11と化学的に結合している場合には、このような金属30をエッチングによって完全に除去することが難しい。 【0006】 ポリイミドフィルム11表面に第1金属層15および第2金属層20からなる配線パターンを形成した後、このような配線パターンは、その表面にメッキ層25を形成して保護することがあり、このようなメッキ層は無電解メッキにより形成することが多い。ポリイミドフィルムに残留する金属30は、このような無電解メッキによる金属析出の際に、金属析出の起点となることが多く、例えば図7に付番31で示されるように、残留金属30に析出した金属31によって、本来電気絶縁性であるポリイミドフィルムの表面の電気絶縁性が損なわれることがある。このような析出した金属31がポリイミドフィルム11表面に析出金属が存在すると、これらの析出金属31を経由する配線パターン間のマイグレーションにより、配線パターン間の電気的絶縁性が損なわれるという問題が生ずることが判った。特にこのようなマイグレーションによって、製造当初の配線パターン間の絶縁抵抗は良好な値を示すが、例えば1000時間以上電圧をかけ続けた後の絶縁抵抗が、電圧を印加する前の値よりも相当低くなる。 【特許文献1】特開2003-188495号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0007】 本発明は、電圧印加後に絶縁抵抗が低下するという、上記のような2層構成の金属被覆ポリイミドフィルムを使用することにより特異的に生ずる2層構成の金属被覆ポリイミドフィルムを用いたプリント配線基板の問題点を解消することを目的とするものである。 【0008】 すなわち、本発明は、2層構成の金属被覆ポリイミドフィルムを用いて、絶縁抵抗値が変動しにくいプリント配線基板を提供することを目的としている。 また、本発明は、上記のようにして形成された絶縁抵抗値が変動しにくいプリント配線基板を提供することを目的としている。 【0009】 さらに、本発明は、上記のようなプリント配線基板に電子部品が実装された回路装置を提供することを目的としている。 【課題を解決するための手段】 【0010】 本発明のプリント配線基板は、ポリイミドフィルムの表面にスパッタリング金属層を介して積層された銅層を、エッチング法により選択的に除去して配線パターンを形成した後、Ni-Crスパッタリング金属層のうち、Niを溶解可能な第1液で処理し、次いでCrを溶解しかつポリイミドを溶解し得る第2処理液で該配線パターンが形成されていないポリイミドフィルムの表層面を、残存するスパッタリング金属と共に除去することを特徴としている。すなわち、本発明のプリント配線基板の製造法は、絶縁フィルムの少なくとも一方の表面に、スパッタリング金属層を介して積層された導電性金属からなる導電性金属層を有する積層フィルムを形成し、該積層フィルムに形成されたスパッタリング金属層および導電性金属層を、エッチング法により選択的に除去して配線パターンを形成した後、該積層フィルムを、スパッタリング金属層に含有されるNiを溶解可能な第1液で処理し、次いでスパッタリング金属層に含有されるCrを溶解しかつ絶縁フィルムのスパッタリング金属層を除去し得る第2処理液で処理して、該配線パターンが形成されていない絶縁フィルムの表層面に残存するスパッタリング金属を絶縁フィルム表層面と共に除去することにより製造できるものである。 【0011】 また、本発明のプリント配線基板は、ポリイミドフィルムと、該ポリイミドフィルムの少なくとも一方の面に形成された配線パターンとを有するプリント配線基板であって、該ポリイミドフィルムの配線パターンが形成されている部分のポリイミドフィルムの厚さが、配線パターンが形成されていない部分よりも1〜100nm厚いことを特徴としている。すなわち、本発明のプリント配線基板は、絶縁フィルムと、該絶縁フィルムの少なくとも一方の面に形成された配線パターンとを有するプリント配線基板であって、該絶縁フィルムの配線パターンが形成されていない部分の絶縁フィルムの厚さが、該配線パターンが形成されている絶縁フィルムの厚さよりも1〜100nm薄く形成されていることを特徴としている。 【0012】 さらに、本発明の回路装置は、上記のプリント配線基板に形成された配線パターンに電子部品が実装されていることを特徴としている。 【発明の効果】 【0013】 本発明のプリント配線基板の製造法では、絶縁フィルムであるポリイミドフィルムの配線パターンが形成されていない部分の表面にポリイミドと一体化されて残存する金属を、絶縁フィルムであるポリイミドフィルムの表面と共に除去しているので、配線パターンが形成されていない部分の絶縁フィルムであるポリイミドフィルム面は、表面から1〜100nm切削されており、このように、絶縁フィルムの表面と共にそこに存在している金属を除去することにより、配線パターン間の絶縁フィルム表面を、この絶縁フィルムが本質的に有している絶縁性にすることができる。 【0014】 このように配線パターンが形成されていない絶縁フィルムであるポリイミドフィルムの表面を除去することにより、絶縁フィルムの表面に結合して存在する金属をほぼ完全に除去することができる。 【0015】 従って、本発明のプリント配線基板の製造法によれば、電圧の印加によっても配線パターン間の抵抗値が変化することを有効に防止することができる。 さらに、本発明の回路装置は、上記のようにプリント配線基板に形成された配線パターン間の電気抵抗値が経時的に安定しているので、本発明の回路装置は長時間安定に使用することができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0016】 次に本発明のプリント配線基板について、製造方法に沿って具体的に説明する。 図1および図2は、本発明のプリント配線基板を製造する工程における基板の断面の例を示す図である。なお、以下に示す図面においては共通する部材には共通する付番を付してある。 【0017】 図1および図2に示すように、本発明のプリント配線基板の製造方法では、絶縁フィルムの少なくとも一方の面に形成された基材金属層12および導電性金属層20からなる金属層が形成されたフィルムを基材フィルムとして使用してこの表面に形成された金属層を選択的にエッチングして配線パターンを形成する。この金属層は、絶縁フィルムの一方の面に形成されていてもよいし、絶縁フィルムの両面に形成されていてもよい。 【0018】 図1(a)および図2(a)に示すように、本発明のプリント配線基板の製造法では、絶縁フィルム11の少なくとも一方の表面に基材金属を析出させて、基材金属層13を形成する。ここで絶縁フィルムとしては、ポリイミドフィルム、ポリイミドアミドフィルム、ポリエステル、ポリフェニレンスルファイド、ポリエーテルイミドおよび液晶ポリマーなどを挙げることができる。特に、本発明では絶縁フィルム基板として、ポリイミドフィルムを使用することが好ましい。ポリイミドフィルムのような絶縁フィルム11は、基材金属層13を形成する際の熱によって変形することが少なく、また、エッチングの際に使用されるエッチング液、あるいは、洗浄の際に使用されるアルカリ溶液などに侵食されることがない程度に耐酸・耐アルカリ性を有し、さらに基材金属層13などを形成する際の加熱によって変形することがない程度の耐熱性を有している。 【0019】 このような絶縁フィルム11は、通常は7〜80μm、好ましくは7〜50μm、特に好ましくは15〜40μmの平均厚さを有している。本発明は、薄い配線基板を形成するのに適しているので、より薄い絶縁フィルムを使用することが好ましい。なお、このような絶縁フィルム11の表面は、下記の基材金属層13の密着性を向上させるために、ヒドラジン・KOH液などを用いた粗化処理、プラズマ処理などが施されていてもよい。 【0020】 このような絶縁フィルム11の表面には、図1(b)および図2(b)に示すように、基材金属層13を形成する。この基材金属層13は、絶縁フィルムであるポリイミドフィルム11の少なくとも一方の面に形成され、この基材金属層13の表面に形成される導電性金属層と絶縁フィルム11との密着性を向上させるものである。 【0021】 このような基材金属層13を形成する金属の例としては、銅、ニッケル、クロム、モリブデン、タングステン、シリコン、パラジウム、チタン、バナジウム、鉄、コバルト、マンガン、アルミニウム、亜鉛、スズおよびタンタルなどを挙げることができる。これらの金属は単独であるいは組み合わせて使用することができる。これらの金属の中でもニッケル、クロムまたはこれらの合金を用いて基材金属層13を形成することが好ましい。このような基材金属層13は、ポリイミドフィルム11の表面に蒸着法、スパッタリング法などの乾式の製膜法を使用して形成することが好ましい。このような基材金属層の厚さは、通常は、1〜100nm、好ましくは2〜50nmの範囲内にある。この基材金属層13は、この層の上に導電性金属層20を安定に形成するためのものであり、基材金属の一部が絶縁フィルム11の表面に物理的に食い込む程度の運動エネルギーを持って絶縁フィルムと衝突することにより形成されたものであることが好ましい。 【0022】 したがって、本発明では、基材金属層13は、上記のような基材金属のスパッタリング層であることが特に好ましい。 上記のように基材金属層13を形成した後、この基材金属層13の表面に導電性金属層20を形成する。この導電性金属層20は、電解メッキ法あるいは無電解メッキ法などのメッキ法により形成することができる。また、この導電性金属層20の平均厚さは、通常は0.5〜40μm、好ましくは1〜18μm、さらに好ましくは2〜12μmの範囲内にある。 【0023】 図2(d)には、上記のようにして、メッキ法により基材金属層13の表面に導電性金属層20が直接形成された対応が示されている。 導電性金属層20は、上記のように基材金属層13の表面に直接形成することもできるし、また、導電性金属層20を形成する金属と同一の金属を、基材金属層13を形成する方法と同様の方法により形成された層を介して形成することもできる。 【0024】 図1(c)には、このような層を形成した態様が示されている。すなわち、上記のような基材金属層13の表面に直接形成される層は、導電性金属層と同一の金属からなり、基材金属層13を形成したのと同じ方法で形成することができる。例えば基材金属層13をニッケルおよびクロムを用いたスパッタリング法で製造した場合には、その基材金属層13の表面に形成される層はスパッタリングにより形成することができる。このときのスパッタリング銅層15の厚さは、通常は10〜2000nm、好ましくは20〜500nmである。 【0025】 また、基材金属層13の平均厚さとスパッタリング銅層15との厚さとの比は、通常は1:20〜1:100、好ましくは1:25〜1:60の範囲内にある。 上記のようにしてスパッタリング銅層15を形成した後、図1(d)に示すように、このスパッタリング銅層15の表面にさらに銅層を形成する。ここでさらに積層される銅層は、図1(d)においては、付番17で示されている。この付番17の銅層は、スパッタリング法、蒸着法などの方法で形成することも可能であるが、電解メッキ法あるいは無電解メッキ法などのメッキ法で形成することが好ましい。すなわち、このメッキ銅層17には、配線パターンを形成するのにある程度の厚さを有していることが必要であり、したがって電解メッキ法あるいは無電解メッキ法などのメッキ法により、効率よく銅を析出させることができる。このようにして形成されるメッキ銅層17の平均厚さは、通常は0.5〜40μm、好ましくは0.5〜17.5μm、さらに好ましくは1.5〜11.5μmの範囲内にあり、また、前述のスパッタリング銅層15とこのメッキ銅層17との合計の厚さは通常は1〜40μm、好ましくは1〜18μm、さらに好ましくは2〜12μmの範囲内にある。なお、ここで形成されるスパッタリング銅層15とメッキ銅層17とは、メッキ銅層17が形成された後は、その断面の構造から両者の境界を見出すのは極めて困難であり、本発明では、特に両者を区別して記載する必要のない場合には、両者を総合して導電性金属層20と記載する。 【0026】 このように導電性金属層20を形成した後、図1(e)、図2(e)に示すように、導電性金属層銅層20の表面に感光性樹脂を塗布し、この感光性樹脂を露光現像して、感光性樹脂からなる所望のパターン22を形成する。ここで使用することができる感光樹脂としては、光が照射されることにより硬化するタイプの感光性樹脂を使用することもできるし、光の照射によって樹脂が軟化するタイプの感光性樹脂を使用することもできる。 【0027】 上記のようにして感光性樹脂を用いて形成されたパターン22をマスキング材として、図1(f)、図2(f)に示すように、導電性金属層20を選択的にエッチングして、所望の配線パターンを形成する。 【0028】 なお、配線パターンの形成の際に感光性樹脂からなる所望のパターン22は、例えばアルカリ洗浄などにより除去される。 ここで使用するエッチング剤は、導電性金属層20を形成する金属である主として銅に対するエッチング剤であり、このような導電性金属エッチング剤の例としては、塩化第2鉄を主成分とするエッチング液、塩化第2銅を主成分とするエッチング液、硫酸+過酸化水素などのエッチング剤である。このような導電性金属に対するエッチング剤は、導電性金属層20を優れた選択性でエッチングして配線パターンを形成することができるものであると共に、この導電性金属層20と絶縁フィルム11との間にある基材金属層13に対してもかなりのエッチング機能を有している。従って、上記のような導電性金属エッチング剤を用いてエッチングを行うと、図1(f)、図2(f)に示されるように、導電性金属層は勿論、基材金属層13に関しても相当エッチングが進み、基材金属層13を、数nm程度の極めて薄い層として絶縁フィルムの表面に残存する程度にまでエッチングをすることができる。 【0029】 本発明では、後述のようにして基材金属層13を所定の処理液で処理する前に、配線パターンを形成する導電性金属層20の表面および付番13で示す基材金属を図1(g)、図2(g)に示すようにエッチングして、表面にある酸化物膜などを除去するマイクロエッチングを行うことが好ましい。 【0030】 このマイクロエッチングには、通常使用するエッチング液を使用可能であり、たとえば、過硫酸カリウム(K2S2O8)溶液、HCl溶液や、上述の配線パターンを形成する際に使用したエッチング液を使用することができる。しかしながら、エッチング液との接触時間が長いと配線パターンを形成する銅の溶出量が多くなり、配線パターン自体がやせ細ってしまうので、このマイクロエッチングにおけるエッチング液と配線パターンとの接触時間は、通常は2〜60秒間、好ましくは10〜45秒間程度である。 【0031】 本発明では、上記のようにして導電性金属層20を選択的にエッチングした後、マイクロエッチングを行い、次いで、図1 (h)に示すように、基材金属層13に含有されるNiを溶解可能な第1液で処理する。さらに、上記Niを溶解可能な第1液で処理した後、基材金属層13に含有されるCrを溶解しかつ絶縁フィルムを溶解し得る第2処理液で配線パターンが形成されていない絶縁フィルムの表層面を処理する。 【0032】 本発明において、Niを溶解可能な第1液の例としては、各濃度5〜15重量%程度の硫酸・塩酸混合液を挙げることができる。 このNiを溶解可能な第1液を用いて処理することにより、基材金属層13に含有される金属の一部を除去する。このNiを溶解可能な第1液を用いた処理においては、処理温度は、通常は30〜55℃、好ましくは35〜45℃で、処理時間は、通常は2〜40秒間、好ましくは2〜30秒間である。 【0033】 このようにしてNiを溶解可能な第1液を用いた処理を行った後、Crを溶解しかつ絶縁フィルムを溶解し得る第2液を用いて処理する。すなわち、このCrを溶解しかつ絶縁フィルムを溶解し得る第2液を用いて処理することにより、基材金属層13に残存する基材金属層13を除去すると共に、この第2液は、絶縁フィルムの表面をも化学研磨することができる。 【0034】 従って、図1(h)、図2(h)、図3および図4に示されるように、この第2液を使用することにより、基材金属層13を除去することができると共に、この第2液は、絶縁フィルム11の表面27から、通常は1〜100nm、好ましくは5〜50nmの深さで絶縁フィルム11を切削(溶解除去)することができる。 【0035】 ここで使用される第2液の例としては、過マンガン酸カリウム・KOH水溶液、重クロム酸カリウム水溶液、および、過マンガン酸ナトリウム+NaOH水溶液を挙げることができる。 本発明において、第2処理液として過マンガン酸カリウム+KOH水溶液を使用する場合、過マンガン酸カリウムの濃度は、通常は10〜60g/リットル、好ましくは25〜55g/リットルであり、KOHの濃度は、好ましくは10〜30g/リットルである。本発明において、上記のような第2液を用いた処理においては、処理温度は、通常は40〜70℃、好ましくは50〜65℃で、処理時間は、通常は10〜60秒間、好ましくは15〜45秒間である。このような条件で処理することにより、配線パターンが形成されていない部分の表面27から付番21で示す深さの絶縁フィルム11は切削される。すなわち、本発明のプリント配線基板では、配線パターンが形成されていない部分の絶縁フィルムの厚さが、該配線パターンが形成されている絶縁フィルムの厚さよりも1〜100nm、好ましくは2〜50nm薄く形成されている。なお、配線パターンの部分は、導電性金属層20によって基材金属層13および絶縁11が保護される。 【0036】 このようにして得られたプリント配線基板の配線パターンは、導電性金属層20からなる配線パターン(導電性金属層20)の下端部28の幅と、基材金属層13の上端部26とが、その断面において、同じ幅かほぼ同じ幅で形成されている。 【0037】 さらに、本発明のプリント配線基板では、絶縁フィルムと、この絶縁フィルムの少なくとも一方の面に形成された配線パターンとを有するプリント配線基板であって、この絶縁フィルムの配線パターンが形成されている部分の絶縁フィルムであるポリイミドフィルムの厚さが、配線パターンが形成されていない部分よりも1〜100nm、好ましくは2〜50nm厚く形成されている。すなわち、図3、図4で示すように、配線パターンが形成されていない部分の絶縁フィルム(ポリイミドフィルム)の表面は、通常は1〜100nm、好ましくは2〜50nmの範囲内深さで切削されており、配線パターンが形成されている部分は、高さ1〜100nm、好ましくは2〜50nmの高さを有する断面台形状の基材基部24が形成されている。 【0038】 このように好適にはマイクロエッチングをした後、第1液、次いで、第2液を用いて処理することにより、配線パターンが形成されていない部分の絶縁フィルムの表面は切削されるので、この部分に仮に基材金属層13を形成する金属が、絶縁フィルムの形成成分と化学的に結合していても、絶縁フィルムの表面と共に除去されるので、この配線パターンが形成されていない絶縁フィルム表面に金属が残留することはない。従って、配線パターンが形成されていない部分の絶縁フィルム表面は、絶縁フィルムが本質的に有している優れた特性が発現する。 【0039】 なお、第2液を用いた処理により、配線パターンを形成している基材金属層13の側部の端表面は、第2液との接触により通常は不働態化されている。 このようにして、第2液による処理が行われた後、実装する電子部品との接合端子となる内部端子および外部の装置と接続するための外部接続端子などが露出するようにソルダーレジスト層が形成され、さらにソルダーレジスト層から露出した内部端子および外部端子の表面を図3に示すようにメッキ層25で被覆する。ここで実施することができるメッキの例として、スズメッキ、金メッキ、ニッケル-金メッキ、ハンダメッキ、鉛フリーハンダメッキを挙げることができる。なお、上記メッキ処理を行う場合、ソルダーレジストを塗布する前に配線パターンに薄いメッキ層を形成し、この薄いメッキ層の上にソルダーレジスト層を形成し、されにソルダーレジスト層から露出している接続端子に再びメッキ処理を施してもよい。こうしたメッキ層の厚さは、メッキの種類によって適宜選択することができるが、無電解Snメッキの場合、メッキ層の合計の厚さを、通常は0.2〜0.8μm、好ましくは0.3〜0.6μmの範囲内の厚さに設定される。 【0040】 このようにしてメッキ層を形成した後、内部接続端子に電子部品を電気的に接続し、さらにこの電子部品を樹脂で被覆することにより、本発明の回路装置を得ることができる。 このように、本発明のプリント配線基板あるいは回路装置は、配線パターンが形成されていない絶縁フィルムの表面に金属が存在しないので、マイグレーションなどによって配線パターン間の電気抵抗値が変動することが著しく少ない。すなわち、本発明のプリント配線基板および回路装置は、マイグレーションなどが生じにくく、長時間電圧を印加し続けた後の絶縁抵抗と、電圧を印加する前の絶縁抵抗との間に実質的な変動が認められず、プリント配線基板として非常に高い信頼性を有する。 【0041】 本発明のプリント配線基板は、配線パターン(あるいはリード)の幅が30μm以下、好適には25〜5μmの幅の配線パターンを有し、またピッチ幅が50μm以下、好適には40〜10μmのピッチ幅を有するプリント配線基板に適している。このようなプリント配線基板には、プリント回路基板(PWB)、TAB(Tape Automated Bonding)テープ、COF(Chip On Film)、CSP(Chip Size Package)、BGA (Ball Grid Array)、μ-BGA(μ-Ball Grid Array)、FPC(Flexible Printed Circuit)などがある。また、上述の説明では、本発明のプリント配線基板は、絶縁フィルムの表面に配線パターンが形成されたものであったが、この配線パターンの一部に電子部品が実装されていてもよい。 【0042】 次の本発明のプリント配線基板およびその方法について、具体的に実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。 なお、以下に記載する実施例および比較例における絶縁抵抗値は全て恒温恒湿槽外における室温での測定値である。 【実施例1】 【0043】 平均厚さ50μmのポリイミドフィルム(宇部興産(株)製、ユーピレックスS)の一方の表面を逆スパッタにより粗化処理した後、以下の条件でニッケル・クロム合金をスパッタリングして平均厚さ40nmのクロム・ニッケル合金層を形成して基材金属層とした。 【0044】 すなわち、スパッタリング条件を、50μm厚ポリイミドフィルムを100℃で3×10-5Paで10分間処理し、脱ガスした後100℃×0.5Paに設定してクロム・ニッケル合金のスパッタリングを行った。 【0045】 上記のようにして形成された基金属層上に、さらに銅を100℃×0.5Paの条件でスパッタして平均厚さ300nmのスパッタリング銅層を形成した。 上記のようにして形成されたスパッタリング銅層の表面に、電気メッキ法により、銅を析出させて厚さ8μmの電解銅層(電気メッキ銅層)を形成した。 【0046】 こうして形成された銅層(導電性金属層)の表面に感光性樹脂を塗布し、露光・現像して、配線ピッチが30μm(ライン幅;15μm、スペース幅;15μm)となるように櫛形電極のパターンを形成し、このパターンをマスキング材として、銅層を、HCl;100g/リットルを含む濃度12%の塩化第2銅エッチング液を用いて30秒間エッチングして配線パターンを製造した。 【0047】 NaOH+Na2CO3溶液で40℃×30秒間処理し、配線パターン上の感光性樹脂で形成されたマスキング材を除去し、次いでマイクロエッチング液としてK2S2O8+H2SO4溶液で30℃×10秒処理し、導電性金属層と基材金属層(Ni-Cr合金)とを酸洗した。 【0048】 次に、Niを溶解可能な第1液である15%HCl+15%H2SO4溶液を用いて、50℃×30秒かけてNi-Cr合金からなる基材金属層のNiを溶解した。さらにCrを溶解しかつポリイミドを溶解し得る第2液として、40g/リットルの過マンガン酸カリウム+20g/リットルのKOH溶液を用いて処理することにより配線パターン間にある金属をその下のポリイミドフィルム50nm厚と共に、溶解除去し、その後、引き続いて水洗した。 【0049】 さらに、内部接続端子および外部接続端子を露出するようにソルダーレジスト層を形成し、他方露出している内部接続端子および外部接続端子に、0.5μm厚のSnメッキを行い加熱して所定の純Sn層を形成した。 【0050】 こうして櫛形電極が形成されたプリント配線基板を85℃85%RHの条件で40Vの電圧を印加して1000時間導通試験(HHBT)を行った。この導通試験は促進試験であり、短絡が生ずるまでの時間が、例えば絶縁抵抗値が1×108Ω未満になるまでの時間が、1000時間に満たないものは、一般的な基板として使用することはできない。得られたプリント配線基板の絶縁信頼試験前の絶縁抵抗は比較例に比較して高く、7×1014Ωであり、絶縁信頼性試験後に測定した絶縁抵抗は8×1014Ωであり、両者の間に電圧を印加したことに伴う絶縁抵抗の実質的な差は認められなかった。 【0051】 結果を表1に示す。 【実施例2】 【0052】 平均厚さ50μmのポリイミドフィルム(宇部興産(株)製、ユーピレックスS)の一方の表面を逆スパッタにより粗化処理した後、以下の条件でニッケル・クロム合金をスパッタリングして平均厚さ40nmのクロム・ニッケル合金層を形成して基材金属層とした。 【0053】 すなわち、スパッタリング条件を、50μm厚ポリイミドフィルムを100℃で3×10-5Paで10分間処理し、脱ガスした後100℃×0.5Paに設定してクロム・ニッケル合金のスパッタリングを行って基材金属層を形成した。 【0054】 上記のようにしてスパッタリングにより形成された基材金属層の表面に、電気メッキ法により、銅を析出させて厚さ8μmの導電性金属層(電気メッキ銅層)を形成した。 こうして形成された導電性金属層の表面に感光性樹脂を塗布し、露光・現像して、配線ピッチが30μm(ライン幅;15μm、スペース幅;15μm)になるように櫛形電極のパターンを形成し、このパターンをマスキング材として、銅層を、HCl;100g/リットルを含む濃度12%の塩化第2銅エッチング液を用いて30秒間エッチングして配線パターンを製造した。 【0055】 NaOH+Na2CO3溶液で40℃×30秒間処理し、配線パターン上の感光性樹脂で形成されたマスキング材を除去し、次いでマイクロエッチング液としてK2S2O8+H2SO4溶液で30℃×10秒処理し、導電性金属層と基材金属層(Ni-Cr合金)とを酸洗した。 【0056】 次に、Niを溶解可能な第1液である15%HCl+15%H2SO4溶液を用いて、50℃×30秒かけてNi-Cr合金からなる基材金属層に含有されるNiを溶解した。さらにCrを溶解しかつポリイミドを溶解し得る第2液として、40g/リットルの過マンガン酸カリウム+20g/リットルのKOH溶液を用いて処理することにより配線パターン間にある金属をその下のポリイミドフィルム50nm厚と共に、溶解除去した。 【0057】 さらに、内部接続端子および外部接続端子を露出するようにソルダーレジスト層を形成し、他方露出している内部接続端子および外部接続端子に、0.5μm厚のSnメッキを行い加熱して所定の純Sn層を形成した。 【0058】 こうして櫛形電極が形成されたプリント配線基板を85℃85%RHの条件で40Vの電圧を印加して1000時間導通試験(HHBT)を行った。絶縁信頼試験前の絶縁抵抗は比較例に比較して高く、7×1014Ωであり、絶縁信頼性試験後に測定した絶縁抵抗は、両者の間に電圧を印加したことに伴う絶縁抵抗の実質的な差は認められなかった。 【0059】 結果を表1に示す。 【実施例3】 【0060】 実施例1において、平均厚さ75μmのポリイミドフィルム(宇部興産(株)製、ユーピレックスS)を使用し、ポリイミドフィルムの一方の表面を逆スパッタにより粗化処理した後、実施例1と同様にして、ニッケル・クロム合金をスパッタリングして平均厚さ30nmのクロム・ニッケル合金層を形成して基材金属層とした。 【0061】 上記のようにして形成された基材金属層上に、実施例1と同様にして、銅をスパッタして平均厚さ200nmのスパッタリング銅層を形成した。 上記のようにして形成されたスパッタリング銅層の表面に、電気メッキ法により、銅を析出させて厚さ8μmの電解銅からなる導電性金属層を形成した。 【0062】 こうして形成された導電性金属の表面に感光性樹脂を塗布し、露光・現像して、配線ピッチが30μmになるように櫛形電極のパターンを形成し、このパターンをマスキング材として、導電性金属層をHCl;100g/リットルを含む濃度12%の塩化第2銅エッチング液を用いて30秒間エッチングして配線パターンを製造した。 【0063】 NaOH+Na2CO3溶液で40℃×30秒間処理し、配線パターン上の感光性樹脂で形成されたマスキング材を除去し、次いでマイクロエッチング液としてHCl溶液を使用して、30℃×10秒処理し、導電性金属層と基材金属層(Ni-Cr合金)とを酸洗した。 【0064】 次に、基材金属層中に含有されるNiを溶解可能な第1液である濃度12%HCl+12%H2SO4溶液を用いて、55℃×20秒間かけてNi-Cr合金からなる基材金属層中に含有されるNiを溶解した。 【0065】 さらに、Crを溶解しかつポリイミドを溶解し得る第2処理液として、40g/リットルのKMnO4+20g/リットルのKOH溶液を用いて65℃で30秒間処理することにより、配線パターン間にあるポリイミドフィルムを30nmの深さで切削した。 【0066】 さらに、内部接続端子および外部接続端子を露出するようにソルダーレジスト層を形成し、他方露出している内部接続端子および外部接続端子に、0.5μm厚のSnメッキを行い加熱して所定の純Sn層を形成した。 【0067】 こうして櫛形電極が形成されたプリント配線基板を85℃85%RHの条件で40Vの電圧を印加して1000時間導通試験(HHBT)を行った。また、絶縁信頼試験前の絶縁抵抗は比較例に比較して高く8×1014Ωであり、絶縁信頼性試験後に測定した絶縁抵抗は1×1014Ωであり、両者の間に電圧を印加したことに伴う絶縁抵抗の実質的な差は認められなかった。 【0068】 結果を表1に示す。 【実施例4】 【0069】 実施例2において、平均厚さ75μmのポリイミドフィルム(宇部興産(株)製、ユーピレックスS)を使用し、ポリイミドフィルムの一方の表面を逆スパッタにより粗化処理した後、実施例1と同様にして、ニッケル・クロム合金をスパッタリングして平均厚さ30nmのクロム・ニッケル合金層を形成して基材金属層とした。 【0070】 上記のようにして形成された基材金属層の表面に、電気メッキ法により、銅を析出させて厚さ8μmの導電性金属層を形成した。 こうして形成された導電性金属層の表面に感光性樹脂を塗布し、露光・現像して、配線ピッチ30μmの櫛形電極のパターンを形成し、このパターンをマスキング材として、導電性金属をHCl;100g/リットルを含む濃度12%の塩化第2銅エッチング液を用いて30秒間エッチングして感光性樹脂で形成したパターンと相似型の配線パターンを製造した。 【0071】 NaOH+Na2CO3溶液で40℃×30秒間処理し、配線パターン上の感光性樹脂で形成されたマスキング材を除去し、次いでマイクロエッチング液としてHCl溶液を使用して、30℃×10秒処理し、導電性金属層と基材金属層(Ni-Cr合金)とを酸洗した。 【0072】 次に、基材金属層に含有されるNiを溶解可能な第1液である濃度12%HCl+12%H2SO4溶液を用いて、55℃×20秒間かけてNi-Cr合金からなる基材金属層中に含有されるNiを溶解した。 【0073】 さらに、基材金属層中に含有されるCrを溶解しかつポリイミドを溶解し得る第2処理液として、40g/リットルのKMnO4+20g/リットルのKOH溶液を用いて65℃で30秒間処理することにより、配線パターン間にあるポリイミドフィルムを30nmの深さで切削した。 【0074】 さらに、内部接続端子および外部接続端子を露出するようにソルダーレジスト層を形成し、他方露出している内部接続端子および外部接続端子に、0.5μm厚のSnメッキを行い加熱して所定の純Sn層を形成した。 【0075】 こうして櫛形電極が形成されたプリント配線基板を85℃85%RHの条件で40Vの電圧を印加して1000時間導通試験(HHBT)を行った。また、絶縁信頼試験前の絶縁抵抗は比較例に比較して高く8×1014Ωであり、絶縁信頼性試験後に測定した絶縁抵抗は3×1014Ωであり、両者の間に電圧を印加したことに伴う絶縁抵抗の実質的な差は認められなかった。 【0076】 結果を表1に示す。 【実施例5】 【0077】 実施例1において、マイクロエッチングを行わなかった以外は同様にしてプリント配線基板を製造した。 こうして櫛形電極が形成されたプリント配線基板を85℃85%RHの条件で40Vの電圧を印加して1000時間導通試験(HHBT)を行った。また、絶縁信頼試験前の絶縁抵抗は比較例に比較して高く4×1014Ωであり、絶縁信頼性試験後に測定した絶縁抵抗は7×1013Ωであり、両者の間に電圧を印加したことに伴う絶縁抵抗の実質的な差は認められなかった。 【0078】 結果を表1に示す。 【実施例6】 【0079】 実施例2において、マイクロエッチングを行わなかった以外は同様にしてプリント配線基板を製造した。 こうして櫛形電極が形成されたプリント配線基板を85℃85%RHの条件で40Vの電圧を印加して1000時間導通試験(HHBT)を行った。また、絶縁信頼試験前の絶縁抵抗は比較例に比較して高く4×1014Ωであり、絶縁信頼性試験後に測定した絶縁抵抗は7×1013Ωであり、両者の間に電圧を印加したことに伴う絶縁抵抗の実質的な差は認められなかった。 【0080】 結果を表1に示す。 〔比較例1〕 厚さ25μmのポリイミドフィルム(東レ・デュポン社製、商品名「カプトン100EN」の片面を、30%ヒドラジン-KOH水溶液中で60秒間処理した。その後、純水で10分間洗浄し室温で乾燥させた。このポリイミドフィルムを、真空蒸着装置に設置し、プラズマ処理後、スパッタリングにてNi・Cr合金を40nm蒸着し、さらに、メッキ法で銅を8μm成膜して金属被覆ポリイミド基板を得た。 【0081】 得られた基板を塩化第2鉄溶液40°Be(ボーメ)を用いて40μmピッチ(ライン幅20μm、スペース幅20μm)の櫛形パターンを形成し、35℃の過マンガン酸カリウム0.5重量%、水酸化カリウム0.5重量%水溶液で洗浄後、水洗、乾燥し、85℃85%RH雰囲気の恒温恒湿槽内で、サンプルに60Vのバイアスをかけて絶縁信頼性試験(HHBT)を行ったところ、保持時間は1000時間以上であり、絶縁信頼性試験開始時の絶縁抵抗は5×1012Ωであったが、1000時間経過後の絶縁抵抗は2×1010Ωに低下しており、長時間電圧を印加することにより経時的に絶縁抵抗の低下が見られた。 〔比較例2〕 実施例1において、平均厚さ50μmのポリイミドフィルム(宇部興産(株)製、ユーピレックスS)を使用し、ポリイミドフィルムの一方の表面を逆スパッタにより粗化処理した後、実施例1と同様にして、ニッケル・クロム合金をスパッタリングして平均厚さ30nmのクロム・ニッケル合金層を形成して基材金属層とした。 【0082】 この基材金属層上に平均厚さ300nmのスパッタリング銅層を形成した。 上記のようにして形成された基材金属層表面に、電気メッキ法により、銅を析出させて厚さ8μmの電解銅層を形成した。 【0083】 こうして形成された銅層の表面に感光性樹脂を塗布し、露光・現像して、配線ピッチが30μmとなるように櫛形電極のパターンを形成し、このパターンをマスキング材として、銅層をHCl;100g/リットルを含む、濃度12%の塩化第2銅エッチング液を用いて30秒間エッチングして配線パターンを製造した。 【0084】 次いで、マイクロエッチングとして、K2S2O4+H2SO4容器を用いて、30℃×10秒間エッチングして銅パターンとニッケル-クロムからなる基材金属層張出部を酸洗いした。 【0085】 さらに、内部接続端子および外部接続端子を露出するようにソルダーレジスト層を形成し、他方露出している内部接続端子および外部接続端子に0.5μm厚のSnメッキを行い加熱して所定の純Sn層を形成した。 【0086】 こうして櫛形電極が形成されたプリント配線基板を85℃85%RHの条件で40Vの電圧を印加して導通試験を行った。絶縁信頼試験前の絶縁抵抗は1×108Ωであったが、10時間後に測定した絶縁抵抗は3×105Ωに低下していた。 【0087】 結果を表1に示す。 【0088】 【表1】
【産業上の利用可能性】 【0089】 上記のように本発明のプリント配線基板の製造方法により得られたプリント配線基板ならびに回路装置は、配線パターン間のポリイミドフィルムの表面に金属が、絶縁フィルムの表面層と共に除去されるので、この配線パターン間の絶縁フィルム上に金属が存在しないので、この部分から金属の析出あるいはマイグレーションなどが生じにくく、形成された配線パターン間で長期間安定した絶縁状態が維持される。 【0090】 また、長時間電圧を印加し続けることによっても配線パターン間の絶縁抵抗は変動せず、経時的に見て電気的に非常に安定したプリント配線基板が得られる。 【図面の簡単な説明】 【0091】 【図1】図1は、本発明のプリント配線基板を製造する工程における基板の断面を示す図である。 【図2】図2は、本発明のプリント配線基板を製造する工程における基板の断面を示す図である。 【図3】図3は、銅層を選択的にエッチングした後、第1液および第2液で処理された配線パターンを形成した際の断面図である。 【図4】図4は、銅層を選択的にエッチングした後、第1液および第2液で処理された配線パターンを形成した際の断面図である。 【図5】図5は、本発明の方法により形成した配線パターンにメッキ層を形成した際の配線パターンの断面図である。 【図6】図6は、本発明の方法により形成した配線パターンにメッキ層を形成した際の配線パターンの断面図である。 【図7】図7は、従来の技術によって製造されるプリント配線基板の断面を示す断面図である。 【符号の説明】 【0092】 11・・・ポリイミドフィルム 13・・・基材金属層(第1金属層、シード層) 15・・・スパッタリング銅層 17・・・メッキ銅層 20・・・銅層 21・・・深さ 22・・・感光性樹脂からなる所望のパターン 24・・・基材基部 26・・・基材金属層の上端部 27・・・絶縁フィルムの表面 28・・・配線パターン(導電性金属層)の下端部
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| 【出願人】 |
【識別番号】000006183 【氏名又は名称】三井金属鉱業株式会社
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| 【出願日】 |
平成19年9月3日(2007.9.3) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100081994 【弁理士】 【氏名又は名称】鈴木 俊一郎
【識別番号】100103218 【弁理士】 【氏名又は名称】牧村 浩次
【識別番号】100107043 【弁理士】 【氏名又は名称】高畑 ちより
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| 【公開番号】 |
特開2008−4960(P2008−4960A) |
| 【公開日】 |
平成20年1月10日(2008.1.10) |
| 【出願番号】 |
特願2007−227959(P2007−227959) |
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