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【発明の名称】 部材支持方法
【発明者】 【氏名】梶山 正行

【氏名】瀬野 眞透

【氏名】淡野 正

【要約】 【課題】基板等の部材に対して部品の実装等の作業が行われる際、部材の支持される面の凹凸形状に依存することなく、これら作業を精度よく確実に行わせるための部材支持方法を提供すること。

【構成】部材をサポートピンにより支持する部材支持方法であって、支持体を、支持体が部材を支持する方向である支持方向に移動させることで支持体を部材に当接させる当接ステップ(S1)と、当接ステップにおいて移動された支持体が部材に当接した状態で、支持体の位置を固定することで、支持体の支持方向に平行な双方向への移動を制限する固定ステップ(S2)とを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
部材を支持体により支持する部材支持方法であって、
前記支持体を、前記支持体が前記部材を支持する方向である支持方向に移動させて、前記支持体を前記部材に当接させる当接ステップと、
前記当接ステップにおいて、前記支持体が前記部材に当接された状態で、前記支持体の位置を固定することで前記支持体の前記支持方向に平行な双方向への移動を制限する固定ステップと
を含む部材支持方法。
【請求項2】
前記当接ステップでは、前記部材の支持される面と対向する位置に設けられた複数の支持体を前記支持方向に移動させて、前記複数の支持体それぞれの端部を前記部材に当接させ、
前記固定ステップでは、前記複数の支持体それぞれの端部が、前記部材に当接し、前記部材の支持される面の凹凸に従った位置にある状態で、前記複数の支持体それぞれの位置を固定する
請求項1記載の部材支持方法。
【請求項3】
前記当接ステップでは、前記複数の支持体を摺動可能に保持する保持体を前記支持方向に移動させることで前記複数の支持体を同時に移動させ、前記複数の支持体それぞれの端部が前記部材に当接した状態で、前記保持体の移動を停止し、
前記保持体に保持されている複数の支持体のそれぞれは、自身の端部が前記部材に当接した後に、前記保持体が前記支持方向に移動した場合、前記保持体に対して前記支持方向と反対方向に摺動しながら前記保持体に保持され、
前記保持体は、前記複数の支持体それぞれの位置を固定する固定手段を有し、
前記固定ステップでは、前記当接ステップにおいて前記部材に当接された前記複数の支持体が、前記保持体に対して静止している状態で、前記固定手段によって前記複数の支持体それぞれの位置が固定される
請求項2記載の部材支持方法。
【請求項4】
さらに、前記部材の大きさに関する情報を取得する取得ステップと、
前記取得ステップにおいて取得された前記部材の大きさに関する情報に基づき、複数の支持体の中から、前記部材の支持される面と対向する位置に設けられた複数の支持体を選択する選択ステップとを含み、
前記当接ステップでは、前記選択ステップにおいて選択された前記複数の支持体を前記支持方向に移動させる
請求項2記載の部材支持方法。
【請求項5】
前記部材は、前記支持体の上方に位置し、
前記支持方向は、下から上へ向けた方向であり、
前記当接ステップでは、前記支持体を上方に上昇させることで前記支持体を前記部材に当接させ、
前記固定ステップでは、前記支持体の位置を固定することで前記支持体の上下方向の移動を制限する
請求項1記載の部材支持方法。
【請求項6】
前記固定ステップでは、前記支持体の一部と接する電気粘性流体に所定の電圧を印加することで生ずる前記支持体の一部と前記電気粘性流体との間の摩擦抵抗により、前記支持体の位置を固定する
請求項1記載の部材支持方法。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の部材支持方法によって支持されている部材である基板に部品を実装する部品実装方法であって、
前記固定ステップにおいて前記支持体の位置が固定された状態で、前記基板を挟んで前記支持体とは反対側から前記基板に部品を実装する実装ステップを含む
部品実装方法。
【請求項8】
請求項4記載の部材支持方法によって支持されている部材である基板に部品を実装する部品実装方法であって、
前記固定ステップにおいて前記支持体の位置が固定された状態で、前記基板を挟んで前記支持体とは反対側から前記基板に部品を実装する実装ステップを含み、
前記基板は、搬送レールにより搬送されてくるものであり、
前記取得ステップでは、前記部材の大きさに関する情報として、前記搬送レールの幅に関する幅情報を取得する
部品実装方法。
【請求項9】
前記基板は、フレキシブル基板またはリジッドフレキ基板である
請求項7または8に記載の部品実装方法。
【請求項10】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の部材支持方法によって支持されている部材である基板に導電性ペーストを印刷する印刷方法であって、
前記固定ステップにおいて前記支持体の位置が固定された状態で、前記基板を挟んで前記支持体とは反対側から前記基板に導電性ペーストを印刷する印刷ステップを含む
印刷方法。
【請求項11】
前記基板は、フレキシブル基板またはリジッドフレキ基板である
請求項10記載の印刷方法。
【請求項12】
部材を支持体により支持する部材支持装置であって、
前記支持体を、前記支持体が前記部材を支持する方向である支持方向に移動させて、前記支持体を前記部材に当接させる当接手段と、
前記当接手段により前記支持体が前記部材に当接された状態で、前記支持体の位置を固定することで前記支持体の前記支持方向に平行な双方向への移動を制限する固定手段と
を備える部材支持装置。
【請求項13】
前記当接手段は、前記部材の支持される面と対向する位置に設けられた複数の支持体を前記支持方向に移動させて、前記複数の支持体それぞれの端部を前記部材に当接させ、
前記固定手段は、前記複数の支持体それぞれの端部が、前記部材に当接し、前記部材の支持される面の凹凸に従った位置にある状態で、前記複数の支持体それぞれの位置を固定する
請求項12記載の部材支持装置。
【請求項14】
前記部材支持装置は、さらに、前記複数の支持体を摺動可能に保持する保持体を備え、
前記保持体は、前記固定手段を有し、
前記当接手段は、前記保持体を前記支持方向に移動させることで前記複数の支持体を同時に移動させ、前記複数の支持体それぞれの端部が前記部材に当接した状態で、前記保持体の移動を停止し、
前記保持体に保持されている複数の支持体のそれぞれは、自身の端部が前記部材に当接した後に、前記保持体が前記支持方向に移動した場合、前記保持体に対して前記支持方向と反対方向に摺動しながら前記保持体に保持され、
前記固定手段は、前記当接手段により前記部材に当接された前記複数の支持体が、前記保持体に対して静止している状態で、前記複数の支持体それぞれの位置を固定する
請求項13記載の部材支持装置。
【請求項15】
さらに、
前記部材の大きさに関する情報を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された前記部材の大きさに関する情報に基づき、複数の支持体の中から、前記部材の支持される面と対向する位置に設けられた複数の支持体を選択する選択手段とを備え、
前記当接手段は、前記選択手段により選択された前記複数の支持体を移動させる
請求項13記載の部材支持装置。
【請求項16】
請求項12〜15のいずれか1項に記載の部材支持装置を備え、前記部材である基板に部品を実装する部品実装機であって、
前記固定手段により前記支持体の位置が固定された状態で、前記基板を挟んで前記支持体とは反対側から前記基板に部品を実装する実装手段を備える
部品実装機。
【請求項17】
請求項15記載の部材支持装置を備え、前記部材である基板に部品を実装する部品実装機であって、
前記部材支持装置が前記基板を支持可能な位置に、前記基板を搬送する搬送レールと、
前記固定手段により前記支持体の位置が固定された状態で、前記基板を挟んで前記支持体とは反対側から前記基板に部品を実装する実装手段とを備え、
前記取得手段は、前記部材の大きさに関する情報として、前記搬送レールの幅に関する情報である幅情報を取得する
部品実装機。
【請求項18】
請求項12〜15のいずれか1項に記載の部材支持装置を備え、前記部材である基板に導電性ペーストを印刷する印刷機であって、
前記固定手段により前記支持体の位置が固定された状態で、前記基板を挟んで前記支持体とは反対側から前記基板に前記導電性ペーストを印刷する印刷手段を備える
印刷機。
【請求項19】
部材を支持体により支持する部材支持装置を制御するためプログラムであって、
前記部材支持装置は、前記支持体を前記部材に当接させる当接手段と、前記支持体の位置を固定する固定手段とを備え、
前記プログラムは、
前記当接手段に、前記支持体を、前記支持体が前記部材を支持する方向である支持方向に移動させて、前記支持体を前記部材に当接させる当接ステップと、
前記当接手段により前記支持体が前記部材に当接された状態で、固定手段に前記支持体の位置を固定させることで前記支持体の前記支持方向に平行な双方向への移動を制限させる固定ステップと
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、工業製品を構成する部材に部品の実装等の作業を行う際に部材を支持する部材支持方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子機器等の工業製品の製造工程には、工業製品を構成するプリント基板(以下、単に「基板」という。)等の部材に部品の実装や液剤の塗布等を行う工程が数多く含まれている。また、このような部材は、これら作業が行われる際に支持される面に凹凸がある場合も多い。
【0003】
そのため、これらの作業を精度よく確実に行うためには、作業対象の部材を、支持側の凹凸に対応した形態で支持する必要がある。
【0004】
例えば、部品を基板に実装する部品実装機においては、様々な形状および大きさの基板に精度よく確実に部品を実装することが求められている。
【0005】
また、部品実装の対象となる基板は、平面形状および大きさがそれぞれ異なるだけではなく、部品を実装する面の裏面に既に部品が実装されている場合がある。このような場合、単なる平面で基板を下から支持することができない。
【0006】
そのため、このように基板の支持される面、つまり裏面に部品が実装されていることなどにより、裏面の凹凸形状の異なる各種基板に対応して基板を安定的に支持するための方法および装置に関する技術も開示されている。
【0007】
以下、図面を参照しながら、裏面の凹凸形状の異なる各種基板に対応して基板を支持するための従来の技術について説明する。
【0008】
図29は、従来の第1の基板支持装置の概要を示す図である。
図29に示す基板支持装置は、搬送レール15により搬送されてくる基板20を直接支持するサポートピン30と、サポートピン30を上下に駆動させるアクチュエータ31とを備えている。サポートピン30およびアクチュエータ31が設置された台は上下駆動部32により上下に駆動される。
【0009】
また、サポートピンデータ34aが記憶された記憶装置34を備えている。サポートピンデータ34aとは、基板20の形状や基板20の裏面の部品20aの有無に応じて上昇させるべきサポートピン30を特定する情報である。
【0010】
アクチュエータ切替コントローラ33は、サポートピンデータ34aに基づく指示をアクチュエータ31に与えることで、基板20の直下かつ上方に部品20aが存在しない位置のサポートピン30のみを一定の高さまで上昇させることができる。
【0011】
図29において、“1”が付されたアクチュエータ31はオンの状態であり、“0”が付されたアクチュエータ31はオフの状態であることを示している。
【0012】
つまり、従来の第1の基板支持装置は、図29に示すように、真上に部品20aが存在しないアクチュエータ31のみをオンにし、そのアクチュエータ31上のサポートピン30を上昇させる構成になっている。
【0013】
これにより、基板の裏面に部品が実装されている場合であっても、当該基板を支持することができる。
【0014】
また、ばねの弾性を利用して基板を支持する装置についての技術も開示されている(例えば、特許文献2参照)。
【0015】
図30は、従来の第2の基板支持装置の概要を示す図である。
図30に示す基板支持装置は、基板20を支持するピストン40と、ピストン40に上方向の付勢力を与えるばね41と、ピストン40の移動に対するダンパーの役目を果たす粘性流体が充填されたシリンダ42とを備えている。
【0016】
また、これらピストン40等は、基板20を支持する際、図30の右図に示すように、上下駆動部44により上に上昇される。これにより、部品20aに当接する右側のピストン40はばね41が縮むことにより沈み込み、部品20aを介して基板20を支持する。また、部品20aが存在しない部分に位置する左側のピストン40は、基板20に直接当接し支持することになる。
【0017】
このように、30に示す基板支持装置は、ばね41の弾性を利用し、基板の裏面に部品が実装されている場合であっても、その部品の下から基板を支持することができる。
【0018】
また、電圧の印加によって粘性をミリ秒単位で可逆的に変化させられる流体である電気粘性流体を利用して基板を支持する装置についての技術も開示されている(例えば、特許文献3参照)。
【0019】
図31は、従来の第3の基板支持装置の概要を示す図である。
図31に示す基板支持装置は、弾性膜51に覆われた電気粘性流体52により基板20を下から支持する装置である。弾性膜51に覆われた電気粘性流体52は容器50に収められている。また、弾性膜51内には2つの電極が設置され、電源部54により電気粘性流体52に電圧が印加される構成になっている。
【0020】
基板20に上から部品が実装される際、図31の右図に示すように、容器50は上下駆動部55によって上昇される。また、弾性膜51が基板20の裏面の凹凸形状に応じて変形した状態で、電源部54のスイッチがオンにされ、電気粘性流体52に所定の電圧が印加される。電気粘性流体52は所定の電圧が印加されることで、半個体状態に変質する。
【0021】
これにより、基板の裏面に部品が実装されている場合であっても、その裏面の凹凸形状に応じて基板を支持することができる。
【特許文献1】特許第2769368号公報
【特許文献2】特開平7−183700号公報
【特許文献3】特開2003−069295号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
しかしながら、上記従来の第1の基板支持装置により基板を支持する場合、裏面に実装された部品の大きさおよび位置等により異なる基板の種類ごとに、上昇させるべきサポートピン30を特定する情報をサポートピンデータ34aとして記憶させる必要がある。
【0023】
つまり、扱う基板の種類が増加するに従い、サポートピンデータ34aのサイズも大きくなり、その管理が煩雑になるという問題がある。
【0024】
また、上昇されるサポートピン30の移動距離はすべて同じである。そのため、本来は平面状態であるべき基板が、環境等の原因で歪んでいる場合、基板に当接するサポートピン30のみが、基板を支えることになる。また、基板の裏面に多くの部品が実装されている場合も、少数のサポートピン30で基板を支持することになる。
【0025】
これらの場合、基板の安定を損なうだけでなく、接触しているサポートピン30に大きな負荷がかかるという問題を有している。
【0026】
さらに、サポートピン30の磨耗が進んだ場合であっても、上昇されるサポートピン30の上端の、磨耗による到達位置の低下は補正できないという問題がある。これによっても、基板の安定が損なわれ、また、各サポートピン30に掛かる負荷に偏りが生じることとなる。
【0027】
また、上記従来の第2の基板支持装置により基板を支持する場合、ピストン40が、ばね41による付勢力で基板を押し続けることになり、基板が変形する可能性がある。そこで、弾性係数の低いばね、つまり、反発力の弱いばねを使用することも考えられるが、この場合、基板の支持力が低下することになる。つまり、基板の上方からの部品実装による力に抗する支持力を基板に与えるという本来の目的を達成し得ない状態になる。
【0028】
また、図30に示すように、基板20の裏面に部品20aが実装されている場合、部品20aの下に位置する右側のピストン40のばね41は、基板と直接接している左側のピストン40のばね41よりも縮められることとなる。つまり、右側のピストン40の方が左側のピストン40よりも大きな力で基板を押すこととなる。
【0029】
従って、基板の裏面から上方に向けて働く複数の力の大きさが、大きく異なる場合もある。そのため、基板が歪んでしまうことや、部品の実装中に基板が所定の位置からずれてしまうということも考えられる。
【0030】
また、基板の裏面に部品が存在しない場合であっても、基板の厚さが厚くなると、基板を押す力が大きくなり、基板が薄くなると、基板を押す力が小さくなることになる。つまり、基板の厚みにより、基板に対する支持力が異なるという問題もある。
【0031】
また、上記従来の第3の基板支持装置により基板を支持する場合、支持対象の基板の裏面の部品の有無により、電極間のギャップ長が変わることになる。これにより、印加電圧が一定でも電気粘性流体の粘度が変わってしまうこととなる。つまり、基板の裏面の部品の有無により基板を支える力が変わるという問題がある。
【0032】
また、基板に切り欠き部や裏面に部品が存在することによる凹凸がある場合、図31に示すように、その外形に合わせて電気粘性流体52を内包する弾性膜51が変形する。また、その状態で、電気粘性流体52に電圧が印加され電気粘性流体52が半固体化される。
【0033】
つまり、基板の裏面に実装されている部品に色々な方向から均一ではない力が掛かることになり、例えば、基板の変形や部品の位置ずれ等が発生する可能性がある。
【0034】
このように、これら上記従来の基板支持装置においては、基板の裏面に部品が実装されている場合など、支持対象の部材の支持側に凹凸がある場合、安定的に支持できない場合が存在する。また、基板に不要な力を与えることにより、基板および基板に実装済みの部品に対して損傷を与える可能性がある。
【0035】
本発明は、これらの上記従来の課題を考慮し、基板等の部材に対して部品の実装等の作業が行われる際、部材の支持される面の凹凸形状に依存することなく、これら作業を精度よく確実に行わせるための部材支持方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0036】
上記目的を達成するために、本発明の部材支持方法は、部材を支持体により支持する部材支持方法であって、前記支持体を、前記支持体が前記部材を支持する方向である支持方向に移動させて、前記支持体を前記部材に当接させる当接ステップと、前記当接ステップにおいて、前記支持体が前記部材に当接された状態で、前記支持体の位置を固定することで前記支持体の前記支持方向に平行な双方向への移動を制限する固定ステップとを含む。
【0037】
このように、本発明の部材支持方法は、部材の方向に移動させた支持体の位置を、支持体が部材に当接した状態で固定する。これにより、支持体は支持方向に平行な双方向への移動を制限される。
【0038】
つまり、支持体が移動を開始した後に、支持体の位置を、支持体が部材に当接した位置に固定することができる。従って、例えば、部材の支持される面に凹凸がある場合とない場合とでは、支持体が部材に当接したときの、支持体の支持方向における位置が異なることがある。しかしながら、本発明の部材支持方法によれば、支持体が部材に当接したときの、支持体の支持方向における位置に関係なく、部材に不要な力を与えることがなく、かつ、支持側と反対側から部材に加えられる力に抗して部材を支持することができる。
【0039】
また、前記当接ステップでは、前記部材の支持される面と対向する位置に設けられた複数の支持体を前記支持方向に移動させて、前記複数の支持体それぞれの端部を前記部材に当接させ、前記固定ステップでは、前記複数の支持体それぞれの端部が、前記部材に当接し、前記部材の支持される面の凹凸に従った位置にある状態で、前記複数の支持体それぞれの位置を固定するとしてもよい。
【0040】
これにより、例えば、支持対象の部材の大小に関係なく、各支持体は、部材の支持される面の凹凸に従った位置で部材を支持することができる。つまり、様々な大きさの部材を安定的に支持することができる。
【0041】
また、前記当接ステップでは、前記複数の支持体を摺動可能に保持する保持体を前記支持方向に移動させることで前記複数の支持体を同時に移動させ、前記複数の支持体それぞれの端部が前記部材に当接した状態で、前記保持体の移動を停止し、前記保持体に保持されている複数の支持体のそれぞれは、自身の端部が前記部材に当接した後に、前記保持体が前記支持方向に移動した場合、前記保持体に対して前記支持方向と反対方向に摺動しながら前記保持体に保持され、前記保持体は、前記複数の支持体それぞれの位置を固定する固定手段を有し、前記固定ステップでは、前記当接ステップにおいて前記部材に当接された前記複数の支持体が、前記保持体に対して静止している状態で、前記固定手段によって前記複数の支持体それぞれの位置が固定されるとしてもよい。
【0042】
これにより、当接手段は、保持体を移動させることで、複数の支持体を一括して移動させることができる。また、ある支持体が部材に当接した後でも、他の支持体が部材に当接するために保持体は移動を継続することになる。しかし、個々の支持体は、保持体に対して支持方向と反対方向に摺動することができる。つまり、個々の支持体は、保持体に対してずれながら移動することができる。そのため、部材に当接している支持体は、部材に当接した後に保持体が支持方向に移動した場合であっても、部材に不要な力を与えることがない。
【0043】
また、部材の支持される面に凹凸がある場合であっても、複数の支持体の端部は、それぞれの移動方向上に存在する部材表面に当接し、その後、固定手段により移動を制限される。これにより、部材を安定的に支持することができる。
【0044】
また、さらに、前記部材の大きさに関する情報を取得する取得ステップと、前記取得ステップにおいて取得された前記部材の大きさに関する情報に基づき、複数の支持体の中から、前記部材の支持される面と対向する位置に設けられた複数の支持体を選択する選択ステップとを含み、前記当接ステップでは、前記選択ステップにおいて選択された前記複数の支持体を前記支持方向に移動させるとしてもよい。
【0045】
これにより、例えば、部材を支持する際に、部材を搬送する搬送レール等の他の物体が部材に近接して存在する場合に、当該他の物体に支持体を接触させることを防ぐことができる。
【0046】
また、前記部材は、前記支持体の上方に位置し、前記支持方向は、下から上へ向けた方向であり、前記当接ステップでは、前記支持体を上方に上昇させることで前記端部を前記部材に当接させ、前記固定ステップでは、前記支持体の位置を固定することで前記支持体の上下方向の移動を制限するとしてもよい。
【0047】
これにより、裏側に凹凸がある部材に対し上方から作業を行う機器において、本発明の部材支持方法を採用することにより、作業対象である部材を安定的に支持することができる。
【0048】
また、前記固定ステップでは、前記支持体の一部と接する電気粘性流体に所定の電圧を印加することで生ずる前記支持体の一部と前記電気粘性流体との間の摩擦抵抗により、前記支持体の位置を固定するとしてもよい。
【0049】
これにより、電気的に支持体の位置を固定することができる。つまり、機械的に支持体の位置を固定する場合と比較すると、例えば、支持体の位置の固定のための機構をコンパクトにすることができる。
【0050】
また、本発明の部品実装方法は、本発明の部材支持方法により支持されている基板に部品を実装する方法として実現される。また、本発明の印刷方法は、本発明の部材支持方法により支持されている基板に導電性ペーストを印刷する方法として実現される。
【0051】
これら、部品実装方法および印刷方法は、本発明の部材支持方法を採用しているため、作業対象の基板の裏面に部品が実装されている場合など、基板の裏面に凹凸がある場合であっても、基板を安定的に支持することができる。そのため、基板に対して部品の実装または導電性ペーストの印刷を精度よく確実に行うことができる。
【0052】
また、本発明の部品実装方法において、前記固定ステップにおいて前記支持体の位置が固定された状態で、前記基板を挟んで前記支持体とは反対側から前記基板に部品を実装する実装ステップを含み、前記基板は、搬送レールにより搬送されてくるものであり、前記取得ステップでは、前記部材の大きさに関する情報として、前記搬送レールの幅に関する幅情報を取得するとしてもよい。
【0053】
つまり、幅情報に応じて、移動させる支持体を複数の支持体の中から選択することができる。これにより、例えば、搬送レールに支持体が接触することを防ぐことができる。また、この幅情報を利用して移動させる支持体を選択する手法は、上述の印刷方法に包含させることもできる。
【0054】
本発明の部品実装方法および印刷方法において、前記基板は、フレキシブル基板またはリジッドフレキ基板であるとしてもよい。
【0055】
つまり、本発明は、柔軟性のある材料を用いたフレキシブル基板、および、部品を搭載するリジッド部と折り曲げ可能なフレックス部を持つ多層板であるリジットフレキ基板を支持対象とすることができる。
【0056】
このような、全部または一部に柔軟性を有する基板を支持する際、不用意に基板に力を与えると基板および基板に実装されている部品に損傷を与え易い。しかしながら、本発明の部材支持方法は、基板に支持体を当接させた後、支持体の移動を制限する。つまり、支持体は基板に付勢力を与えず、かつ、基板対する部品実装等の作業の際に基板に掛けられる力に抗することができる。
【0057】
また、本発明は、本発明の部材支持方法の特徴的なステップを実行する構成部を備える部材支持装置として実現することができる。また、この部材支持装置を備える部品実装機および印刷機として実現することができる。
【0058】
さらに、本発明は、本発明の部材支持方法における特徴的なステップを含むプログラムとして実現したり、そのプログラムが格納されたCD−ROM等の記憶媒体として実現したり、集積回路として実現することもできる。プログラムは、通信ネットワーク等の伝送媒体を介して流通させることもできる。
【発明の効果】
【0059】
本発明は、部品の実装や液剤の塗布などの作業の対象となる部材を支持する際、不要な力を与えることなく、安定的に支持することができる。
【0060】
従って、本発明は、基板等の部材に対して部品の実装等の作業が行われる際、部材の支持される面の凹凸形状に依存することなく、これら作業を精度よく確実に行わせるための部材支持方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0061】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0062】
(実施の形態1)
まず、図1〜図5を用いて、実施の形態1の基板支持装置1の構成を説明する。
【0063】
図1は、実施の形態1の基板支持装置1の概観を示す概観図である。
図1に示す基板支持装置1は、本発明の部材支持装置の一例であり、部品実装機内に、基板を支持する装置として備えられている。基板支持装置1は、搬送レール15により搬送されてくる基板20を下方から支持することができる。
【0064】
基板支持装置1を備える部品実装機では、基板20が基板支持装置1により下方から支持されることにより、基板20の上方から部品を実装することができる。基板20は、裏面に部品が実装されている場合はその部品も含み、本発明の本発明の部材支持方法における部材の一例である。
【0065】
なお、図1に示すように、基板20の搬送方向と平行な方向をX軸方向とし、昇降軸4と平行な方向、つまり、基板の支持方向と平行な方向をZ軸方向とし、X軸方向およびZ軸方向と垂直な方向をY軸方向とする。
【0066】
基板支持装置1は、サポートピン3と、昇降軸4と、固定部1aと、軸保持体6と、駆動部7と、基台8とを備える。また、固定部1aはパッキン5で上面および下面を覆われている。
【0067】
サポートピン3は、基板20を、直接、または、基板20の裏面に実装されている部品を介して支持する構成部である。
【0068】
昇降軸4は駆動部7とサポートピン3とを接続する構成部である。サポートピン3と昇降軸4とにより、本発明の部材支持方法における支持体が実現される。
【0069】
なお、本実施の形態において、サポートピン3と昇降軸4は20組存在し、また、各組に対応してそれぞれ20個の駆動部7と固定部1aとが存在している。また、20組のサポートピン3と昇降軸4の一部または全部の組は、基板20が搬送されてきた場合、基板20の裏面と対向する位置に設けられている。
【0070】
駆動部7は、サポートピン3を支持方向に移動させてサポートピン3を基板20または基板20の裏面に実装されている部品に当接させる構成部である。また、駆動部7は基台8に固定されている。
【0071】
なお、駆動部7は、本発明の部材支持方法における当接ステップの実行を実現する構成部の一例である。本実施の形態において、駆動部7は、具体的にはエアシリンダである。
【0072】
また、サポートピン3を上方へ移動させる距離は、サポートピン3の初期位置における上端と基板20の裏面との距離と同じかまたは僅かにその距離より長い距離である。
【0073】
つまり、サポートピン3の上方への移動距離として、サポートピン3の上端が基板20の裏面と当接し、かつ、基板20に実質的な損傷を与えることのない距離が決定されている。
【0074】
軸保持体6は、昇降軸4を摺動可能に保持する構成部であり、基台8と所定の距離をおいて平行に基台8または部品実装機に固定されている。
【0075】
また、軸保持体6は固定部1aを有している。昇降軸4は、固定部1aにより固定されていない間は、軸保持体6に対して摺動が可能である。
【0076】
固定部1aは、サポートピン3が基板20に当接した状態で、昇降軸4の位置を固定することで昇降軸4の上下方向への移動を制限する構成部である。固定部1aの詳細については図3を用いて後述する。
【0077】
基台8は、基板支持装置1の基礎となる台である。基台8は部品実装機に固定されており、部品実装機内での相対的な位置は一定である。
【0078】
図2は、基板支持装置1をY軸方向から見た場合の側面図である。また、基板支持装置1をX軸方向から見た場合も同様の図になる。
【0079】
つまり、基台8と軸保持体6とは平行であり、各昇降軸4は基台8と軸保持体6とに垂直に存在している。
【0080】
図3は、固定部1aの構成の概要を示す図である。
図3に示すように、固定部1aは、電気粘性流体(以下、「ER流体」という。ERはElectro−Rheologicalの略である。)10と、ER流体10を固定部1a内に封じ込めるパッキン5と、2つの電極11とを有している。
【0081】
また、駆動部7と昇降軸4とはアクチュエータ1bを構成し、アクチュエータ1bと、固定部1aと、昇降軸4と、サポートピン3とは、支持部1cを構成する。つまり、基板支持装置1は、20個の支持部1cを備えていることになる。
【0082】
各固定部1aが有する2つの電極11は、固定用電源部12に接続され、固定用電源部12のスイッチがオンにされると、ER流体10に電圧が印加される。
【0083】
ER流体10は、上述のように電圧の印加によって粘性をミリ秒単位で可逆的に変化させられる流体である。
【0084】
つまり、ER流体10に所定の電圧を印加し、粘度を増加させることにより、昇降軸4とER流体10との間の摩擦抵抗を増加させることができる。
【0085】
昇降軸4は、増加した摩擦抵抗により固定部1aに実質的に固定される。つまり、昇降軸の位置が、当該固定が行われたときの位置に固定される。これにより昇降軸4およびサポートピン3の上下方向の移動が制限される。また、粘度は可逆的に変化するため、電圧の印加を止めると、摩擦抵抗が減少し、昇降軸4は、軸保持体6に対して摺動可能となる。
【0086】
図4は、固定用電源部12のスイッチのオンおよびオフと、ER流体10および昇降軸4の間の摩擦抵抗との関係を示す図である。なお、図においてスイッチを「SW」と記載している。他の図においても同じである。
【0087】
図4に示すように、固定用電源部12のスイッチがオンの状態では、摩擦抵抗の値は高く、スイッチをオフにすると摩擦抵抗の値は低くなる。
【0088】
なお、ER流体10および昇降軸4の間の摩擦抵抗の値がどの程度高くなるか、すなわち、ER流体10の粘度がどの程度増加するかは、印加する電圧の大きさにより異なる。
【0089】
そのため、駆動部7の昇降軸4およびサポートピン3に対する押上げ力、および、支持対象の基板が上方から受ける力に抗して昇降軸4の位置を固定できる粘度まで増加させる電圧が、固定用電源部12がER流体10に印加する電圧として決定されればよい。
【0090】
ER流体は、電界の印加で粘性が大きく変化する流体であり、誘電体微粒子を絶縁油に分散させた分散系と、液晶や誘電性液体からなる均一系に大別される。電界を印加した際の粘性変化挙動は、前者がビンガム流動、後者がニュートン流動を示すが、本発明の固定具には、両流体とも使用できる。
【0091】
ER流体は、1から2KV/mmの電界印加で通常1000〜3000Paの剪断応力を増加させる。これは電極面積1平方cm当り10から30gの力の発生を意味する。本発明の場合は、例えば、直径5mmのロッドがER流体が充填された内径5mm、長さ3cmの円筒電極部を通過する際に、1〜2KV/mmの電界印加で受ける抵抗の増分は(0.4x3.14x3)(cm2)x(10から30)(g/cm2)=37〜110(g)と計算され、実際にもそれに近い抵抗増分を示す。
【0092】
また、固定部1aにより昇降軸4の位置が固定された後は、基板は上下方向の移動を制限されたサポートピン3により支持される。つまり、駆動部7の押上げ力は、サポートピン3が支持する基板に上方から与えられる力に抗する必要はない。
【0093】
従って、駆動部7は、サポートピン3の上端が基板の裏面に当接するまで昇降軸4およびサポートピン3を押し上げるだけの押上げ力を発すればよい。そのため、押上げ力により基板および基板の裏面に実装されている部品を傷めることがない。
【0094】
また、全ての固定部1aは、固定用電源部12による通電が可能に固定用電源部12と接続されており、固定用電源部12のスイッチがオンにされると、全ての固定部1aにおいてそれぞれの昇降軸4の位置が固定される。また、固定用電源部12のスイッチがオフにされると、それぞれの昇降軸4が軸保持体6に対して摺動可能となる。
【0095】
図5は、基板支持装置1の機能的な構成を示す機能ブロック図である。
図5に示すように、各支持部1cの動作は、制御部1dにより制御される。制御部1dは、中央演算装置(CPU)、記憶装置、および情報の入出力を行うインターフェース等を有するコンピュータにより実現することができる。
【0096】
制御部1dは、具体的には、図3に示した固定用電源部12のスイッチのオンおよびオフを制御することで、固定部1aの動作を制御する。また、駆動部7の制御、つまり、アクチュエータ1bによるサポートピン3の押上および降下を制御する。
【0097】
次に、図6〜図9を用いて実施の形態1の基板支持装置1の動作について説明する。
図6は、基板支持装置1が基板を支持する際の動作の概要を示すフロー図である。
【0098】
図6のフロー図に示すように、基板支持装置1は、全てのサポートピン3を上昇させる(S1)。具体的には、制御部1dが全ての駆動部7を作動させ、各駆動部7により昇降軸4を介してサポートピン3が上昇される。
【0099】
全てのサポートピン3が上昇し、それぞれの上端が基板に当接した状態で昇降軸4の位置を固定する(S2)。具体的には、全てのサポートピン3の上端が基板または基板の裏面に実装されている部品に当接した状態で、制御部1dが固定用電源部12のスイッチをオンする。これにより、全ての固定部1aのER流体10に電圧が印加され、全ての昇降軸4の位置が固定される。
【0100】
なお、制御部1dが固定用電源部12のスイッチをオンするタイミングは、本実施の形態においては、駆動部7を作動させてから2秒前後である。つまり、この時間の間に、全てのサポートピン3の上端が基板または基板の裏面に実装されている部品に当接している状態になることを意味する。
【0101】
また、制御部1dが、全ての駆動部7が押し上げ動作を終えたこと、またはすべての昇降軸4の上昇が止まったことを検出して、固定用電源部12のスイッチをオンにしてもよい。
【0102】
つまり、全てのサポートピン3の上端が基板または基板の裏面に実装されている部品に当接した状態で、各昇降軸4の位置を固定するのであれば、その固定は、所定の時間の経過を契機として行ってもよく、また、構成要素の状態の変化を契機として行ってもよい。
【0103】
図7は、図6のフロー図に示す動作の流れを図示した動作概要図である。
図7に示すように、(1)サポートピン3が上昇される前は、固定用電源部12のスイッチはオフである。(2)駆動部7によりサポートピン3が上昇され、サポートピン3が基板20の裏面または部品20aに当接した状態で、固定用電源部12にスイッチがオンにされる。これにより、昇降軸4の位置は固定部1aによって固定される。つまり、基板20は、サポートピン3によって支持される。
【0104】
本来、駆動部7は、少なくとも基板20にサポートピン3の先端が当接する位置まで昇降軸4およびサポートピン3を上昇させる押上げ力を発する。そのため、図7に示すように、サポートピン3の真上に部品20aが存在する場合、このままの状態では、部品20aには、継続的に押上げ力が与えられることとなる。
【0105】
しかしながら、上述のように、駆動部7が発する押上げ力は、昇降軸4およびサポートピン3を、サポートピン3の上端が基板20に直接当接するまで押し上げる程度の力である。
【0106】
さらに、サポートピン3の上端が部品20aに当接した後は、固定部1aにより昇降軸4の位置が固定される。つまり、駆動部7が押上げ力を発し続けている状態であっても、その押上げ力が部品20aおよび基板20に継続して与えられることはない。
【0107】
従って、不要な力を部品20aおよび基板20に与えることにより、部品20aおよび基板20を損傷させるようなことはない。
【0108】
図8は、基板支持装置1が基板を支持している状態を示す図である。図8(A)は、裏面に部品が実装されていない基板を支持している状態を示す図であり、図8(B)は、裏面に部品が実装されている基板を支持している状態を示す図である。
【0109】
図8(A)に示すように、基板支持装置1が、裏面に部品が実装されていない基板20を支持している場合、複数のサポートピン3の上端は、基板20の裏面の平面に従った位置にあり、基板20をXY平面に平行に保つことができる。
【0110】
また、図8(B)に示すように、基板支持装置1が裏面に部品20aが実装されている基板20を支持している場合であっても、複数のサポートピン3の上端は、基板20の裏面の凹凸に従った位置にあり、基板20をXY平面に平行に保つことができる。
【0111】
基板支持装置1は、このように、基板20の裏面がどのような凹凸形状であっても、基板20がXY平面に平行な状態、つまり、正常な姿勢を保つように安定的に基板20を支持することができる。
【0112】
また、このようにして支持している基板20の上面に部品が実装されると、制御部1dの制御により駆動部7は全ての昇降軸4を下降させる。その後、次の基板が基板支持装置1上に搬送されてくると、全ての昇降軸4を上昇させる。
【0113】
図9は、基板支持装置1が、搬送されてくる基板を、順次支持する様子を示す図である。
【0114】
また、図9は、裏面に部品が実装されている基板20の後に、部品が実装されている位置が基板20とは異なる基板22が搬送されて来る場合を示している。
【0115】
図9に示すように、(1)複数のサポートピン3の上端が、基板20の裏面に当接し、基板20の裏面の凹凸に従った位置にある状態で、固定用電源部12のスイッチがオンにされる。つまり、基板20は安定的に支持される状態になる。この状態で、基板20の上方から部品実装機が備える装着ヘッドにより部品が実装される。
【0116】
(2)固定用電源部12のスイッチはオフにされ、全てのサポートピン3は初期位置に戻される。また、部品が実装された基板20はX軸方向に搬送される。
【0117】
(3)次の基板22が基板支持装置1上に搬送され、(4)複数のサポートピン3の上端が、基板22の裏面に当接し、基板22の裏面の凹凸に従った位置にある状態で、固定用電源部12のスイッチがオンにされる。つまり、基板22は安定的に支持される状態になる。この状態で、基板22の上方から部品実装機が備える装着ヘッドにより部品が実装される。
【0118】
このように、基板支持装置1は、基板の裏面の凹凸形状が異なる基板を順次支持する場合であっても、それぞれの形状に応じて的確に基板を支持することができる。
【0119】
また、それぞれの基板の裏面の凹凸形状についての情報を予め記憶しておく必要がなく、駆動部7は、所定の押上げ力で昇降軸4およびサポートピン3を上昇させるだけである。
【0120】
また、全てのサポートピン3の上端が基板または基板の裏面に実装されている部品に当接した後は、固定部1aによって昇降軸4の位置が固定されることにより、サポートピン3の静止位置も固定される。そのため、各サポートピン3は、基板に不要な力を与え続けることがなく、かつ、基板の上から受ける力に抗することができる。
【0121】
また、基板の裏面に部品が実装されていない場合であっても、基板が歪んでいる場合など、基板の裏面が平面ではない場合がある。しかし、このような場合においても、複数のサポートピン3の上端が、当該裏面の歪んだ形状に従った位置にある状態で各昇降軸4の位置が固定され、基板を安定的に支持することができる。
【0122】
つまり、基板支持装置1は、基板の裏面が平面であっても、凹凸があるものであっても基板が正常な姿勢を保つように基板を支持することができ、かつ、基板および部品を傷めることや正規の位置からずれさせるようなことがない。
【0123】
また、基板の大きさが、複数のサポートピン3で支持できる範囲より小さい場合、基板を支持しないサポートピン3も駆動部7によって上昇されることになる。しかし、基板に当接しているサポートピン3により、当該基板が正常な姿勢を保つように支持されることに影響はない。
【0124】
このように、本実施の形態の基板支持装置1は、基板に対して部品の実装が行われる際、基板の支持される面の凹凸形状に依存することなく、部品の実装を精度よく確実に行わせることができる。
【0125】
なお、本実施の形態において、全ての固定部1aは、固定用電源部12による通電が可能に固定用電源部12と接続されているとした。
【0126】
図10は、本実施の形態の軸保持体6をZ軸方向から見た概観図である。
図10に示すように、本実施の形態においては、軸保持体6に複数の固定部1aが並び、これらは、1つの固定用電源部12による通電が可能である。
【0127】
つまり、固定用電源部12のスイッチがオンになると、全ての固定部1aは各昇降軸4の位置を固定する。また、固定用電源部12のスイッチがオフになると、全ての固定部1aは各昇降軸4の固定を解き摺動可能にする。
【0128】
しかしながら、各固定部1aの動作を個別に制御してもよい。また、この制御に、支持対象の基板の大きさに関する情報を利用してもよい。
【0129】
例えば、部品実装機において、部品実装の対象となる基板の大きさが変わると、基板を搬送する搬送レール15の幅が変更される。そこで、基板の大きさに関する情報として、この変更後の搬送レール15の幅に関する情報を利用し、各固定部1aの動作を個別に制御してもよい。
【0130】
なお、「搬送レールの幅」という場合、搬送レール15のY軸方向の幅のことを指す。また、「基板の幅」という場合もこれに順ずる。
【0131】
図11は、部品実装機において搬送レールの幅が変更される様子を示す図である。図11(A)は変更前の状態を示し、図11(B)は変更後の状態を示している。
【0132】
搬送レール15は、可動レール15aと固定レール15bとから構成されており、可動レール15aがY軸方向に移動することで、搬送レール15の幅を変更することができる。
【0133】
例えば、基板20を搬送する場合は、図11(A)に示す幅を保った状態で基板20を搬送する。その後、基板20と大きさの異なる基板23を搬送する場合、搬送レール15の幅は、基板23の大きさに対応し、図11(B)に示す幅に変更され、基板23が搬送される。
【0134】
この搬送レール15の幅の変更は、部品実装機の動作を制御するプログラムが実行されることにより行われる。つまり、部品実装機は搬送レール15の幅に関する情報(以下、「幅情報」という。)を有している。幅情報とは、例えば、「幅:100mm」、「可動レール位置:Y=280」等である。
【0135】
従って、基板支持装置1は、この幅情報を部品実装機から取得することで、その幅情報に応じた各固定部1aの動作の制御を行うことができる。
【0136】
具体的には、X軸方向に平行に並んだ固定部1aを1つのグループとする。さらに、固定用電源部12による各グループに対する通電のオンおよびオフを切り換えるスイッチを設ける。
【0137】
図12は、複数の固定部1aに対しグループごとに通電を行うための配線の一例を示す図である。
【0138】
図12に示すように、X軸方向に平行に並んでいる固定部1aを1つのグループとし、A〜Dのグループに分ける。さらに、A〜Dのグループのそれぞれに対し、通電のオンおよびオフを切り換えるための配線を行い、各グループに対応するスイッチを設ける。A〜Dのグループに対応するスイッチをそれぞれSW−a、SW−b、SW−c、SW−dとする。
【0139】
図13は、基板支持装置1が、搬送レール15の幅に応じて、固定部1aの動作を制御する様子を示す図である。
【0140】
例えば、実装対象の基板の種類が変更されるために、可動レール15aが移動し、搬送レール15の幅が図13の左上図に示す幅に変更されたと想定する。
【0141】
この場合、制御部1dは、この変更に関連する幅情報を部品実装機から取得し、上昇させる複数のサポートピン3を選択する。
【0142】
具体的には、Aグループに対応するサポートピン3は基板を支持する必要がない。そのため、まずSW−aをオンにし、Aグループに対応する昇降軸4の位置を各固定部1aに固定させる。この状態で全ての駆動部7を作動させる。
【0143】
これにより、図13に示すように、Aグループ以外のB〜Cのグループに対応するサポートピン3のみが上昇する。つまり、基板支持装置1は、取得した幅情報に基づき、支持対象の基板の裏面と対向する位置に設けられた複数のサポートピン3を含む複数のサポートピン3を選択する。さらに、選択した複数のサポートピン3を上方へ移動させることができる。
【0144】
制御部1dは、上昇した全てのサポートピン3の上端が、基板または基板の裏面に実装されている部品に当接した状態で、SW−b、SW−c、およびSW−dをオンにする。これにより、上昇したサポートピン3は固定され、基板が正常な姿勢を保つように基板を支持することができる。
【0145】
このように、基板支持装置1は、搬送レール15の幅に関する情報を用いて基板の支持に必要なサポートピン3を選択し、上昇させることができる。なお、この動作において、制御部1dにより、本発明の部材支持方法における取得ステップおよび選択ステップの各動作が実現されている。
【0146】
こうすることで、例えば、可動レール15aの下部に何らかの機構部が存在し、その機構部にサポートピン3を接触させたくない場合、可動レール15a直下のサポートピン3を上昇させないことができる。
【0147】
なお、部品実装機が、部品実装の対象である基板の大きさを特定する情報を有している場合、基板支持装置1は、搬送レール15の幅ではなく、基板の大きさを特定する情報を部品実装機から取得してもよい。
【0148】
基板の大きさを特定できれば、どのグループに対応するサポートピン3を上昇させればよいかの判断は可能である。そのため、このように、基板の大きさを特定する情報を部品実装機から取得し、利用することでも、上述のようなグループ単位でのサポートピンの上昇の制御が可能となる。
【0149】
また、基板支持装置1は、基板のY軸方向の幅に応じて基板の支持に必要なサポートピン3を選択し上昇させることに換えて、または加えて、基板のX軸方向の幅に応じて各固定部1aの動作を制御し、基板の支持に必要なサポートピン3を選択し上昇させてもよい。
【0150】
この場合、Y軸方向に沿って分けられた固定部1aのグループに対応したグループごとの通電のためのスイッチ、または、個々の固定部1aに対応した通電のためのスイッチを備えればよい。また、制御部1dが、この制御に必要な情報を、例えば部品実装機から取得し、これら複数のスイッチを制御すればよい。
【0151】
ここで、本実施の形態の基板支持装置1は、基板の裏面に部品が実装されていても、また、その部品の配置がどのようなものであっても、その裏面の凹凸形状に応じて基板を支持することができる。
【0152】
そのため、基板支持装置1が、例えば、基板のX軸方向およびY軸方向の幅の両方を考慮して、基板の支持に必要なサポートピン3のみを上昇させる場合、従来の第1の基板支持装置とは異なり、基板の裏面のどの部分に部品が配置されているかについての情報は不要である。
【0153】
そのため、基板の支持に必要なサポートピン3のみを上昇させるための情報を記憶する場合、基板のX軸方向およびY軸方向の幅を示す情報のみを記憶すればよい。つまり、従来の第1の基板支持装置より、記憶し管理する情報量は少ないものとなる。
【0154】
また、基板の裏面の部品の有無に関わらず、基板の直下に存在する全てのサポートピン3を上昇させ、基板を支持させるため、従来の第1の基板支持装置より安定した支持を行うことができる。
【0155】
また、各固定部1aの動作を制御するのではなく、各駆動部7の動作を制御してもよい。例えば、図13に示す例の場合、制御部1dは、B〜Dグループに対応する駆動部7のみを作動させる。こうすることによっても、基板の支持に必要ではないAグループに対応するサポートピン3を上昇させないことができる。
【0156】
また、本実施の形態において、軸保持体6は基台8と所定の距離をおいて平行に基台8または部品実装機に固定されている。つまり、軸保持体6は、基台8に対して移動する必要がなく、軸保持体6と基台8とを一体化することもできる。
【0157】
図14は、軸保持体6と基台8とを一体化した場合の構成を示す図である。
図14に示すように、駆動部7を軸保持体6に埋め込むように設置する。また、軸保持体6を部品実装機内の所定の位置に固定する。つまり、図14に示す軸保持体6は、図3に示す軸保持体6および基台8の機能を兼ね備えたものになる。
【0158】
こうすることで、例えば、基板支持装置1をコンパクト化することができる。
また、固定部1aはER流体10を有しており、ER流体10に電圧を印加するために、ER流体10内に2つの電極11が設置されている。
【0159】
しかし、電極11を他の場所に設置しても良い。例えば、昇降軸4の少なくとも側面が金属である場合、2つの電極11のうちの1つの電極11を昇降軸4に接触させることで昇降軸4をER流体10に電圧を印加するための電極として使用してもよい。
【0160】
図15は、昇降軸4を電極として使用する場合の構成を示す図である。
図15に示すように、例えば、固定用電源部12の負極側に接続された電極を昇降軸4に接触する状態に置く。この構成であっても、固定用電源部12のスイッチがオンにされると、ER流体10に電圧が印加される。
【0161】
また、サポートピン3について、その素材は特に限定されるものではなく、ゴム、金属、およびプラスティック等の素材で作成可能である。要するに、支持対象となる部材を支持できる素材および形状であればよい。
【0162】
また、切欠きのある基板を支持する場合、サポートピン3の上端がその切欠きに入り、基板が正常な姿勢を保つように支持することができないことも考えられる。
【0163】
このような状態を防ぐためには、サポートピン3の上端を切欠きに入らない大きさにすればよい。
【0164】
図16は、基板の切欠きの幅とサポートピン3の上端の幅とを示す図である。
図16(A)に示すように、基板支持装置1が支持する基板に切欠きがあり、その幅が“T”であると想定する。また、図16(B)に示すように、サポートピン3の上端の幅が“W”であると想定する。なお、サポートピン3は全体として円錐台形状である。つまり、上端の端面は直径“W”の円形である。
【0165】
このような場合、“T<W”であれば、サポートピン3の上端が切欠きに入ることがなく、基板が正常な姿勢を保つように基板を支持することができる。
【0166】
また、本実施の形態において、固定部1aはER流体10を利用して昇降軸4の位置を固定するとした。しかしながら、別の手段で昇降軸4の位置を固定してもよい。
【0167】
例えば、磁場を印加することで粘度が増加する磁気粘性流体を利用して昇降軸4の位置を固定してもよい。また、機械的に昇降軸4の位置を固定してもよく、例えば、ゴムで昇降軸を挟み込む機構により昇降軸4の位置を固定してもよい。
【0168】
つまり、駆動部7の押上げ力、および、支持対象の基板が上方から受ける力に抗して昇降軸4の位置を実質的に固定できれば、昇降軸4の位置を固定する機構または仕組みは特定のものに限定されることはない。
【0169】
また、駆動部7はエアシリンダでなくてもよく、例えば、モータで昇降軸4およびサポートピン3を押し上げる機構であってもよい。つまり、駆動部7は、昇降軸4およびサポートピン3を、サポートピン3の上端が基板に当接するまで上昇させることができればよい。
【0170】
また、サポートピン3と昇降軸4とは別体でなくてもよい。例えば、昇降軸4の上端部分がサポートピン3の役目をしてもよい。または、サポートピン3が駆動部7により直接押上げられてもよい。
【0171】
また、基板支持装置1は、サポートピン3と昇降軸4とを20組備えていなくてもよい。1組以上のサポートピン3と昇降軸4とを備えていればよい。
【0172】
図1に示すように、基板支持装置1が部品実装機に備えられる場合、支持対象の基板は搬送レールによりX軸方向に平行な両辺が支えられる。
【0173】
そのため、例えば、支持対象の基板が小さい場合などには、部材を支持するサポートピン3と昇降軸4とが1組あれば、基板が正常な姿勢を保つように基板を支持することが可能な場合も考えられる。つまり、このよう場合は、サポートピン3と昇降軸4とが1組あればよい。
【0174】
また、基板支持装置1が支持する基板は、特定の種類に限定されるものではない。例えば、絶縁体基材に柔軟性のない材料を用いたリジッド基板でもよく、柔軟性のある材料を用いたフレキシブル基板でもよい。さらに、部品を搭載するリジッド部と折り曲げ可能なフレックス部を持つ多層板であるリジットフレキ基板でもよい。
【0175】
ここで、基板支持装置1において、支持対象の基板がフレキシブル基板またはリジットフレキ基板のように、全部または一部に柔軟性を有する基板である場合を想定する。
【0176】
この場合、例えば、サポートピン3の上端の到達する最大高さを、基板の裏面の存在する位置から数ミクロン程度上までにすること、および、サポートピン3の移動加速度を低くすることなどの調整を行うことで、このような力に弱い基板であっても、サポートピン3が当該基板および当該部品を実質的に傷めることはない。
【0177】
また、サポートピン3の上端が基板または基板の裏面に実装されている部品に当接した後は、サポートピン3を押上げていた昇降軸4の位置が固定される。そのため、不要な力をこのような柔軟性を有する基板、つまりは、変形し易い基板に与えることがない。
【0178】
このように、基板支持装置1は、従来の第2の基板支持装置のように、基板をばねの弾性力で押し続けるようなことがないため、このような変形し易い基板を支持する場合であっても、基板が正常な姿勢を保つように基板を支持することができる。
【0179】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2として、実施の形態1とは異なり、1つの駆動部が軸保持体を上昇させることにより、複数のサポートピン3を同時に上昇させる形態の基板支持装置について説明する。
【0180】
まず、図17〜図20を用いて、実施の形態2の基板支持装置2の構成を説明する。
図17は、本発明の実施の形態2の基板支持装置2の概観を示す概観図である。
【0181】
図17に示す基板支持装置2は、本発明の部材支持装置の別の一例であり、基板支持装置1と同じく、部品実装機に備えられている。また、搬送レール15により搬送されてくる基板20を下方から支持することができる。
【0182】
図17に示すように、基板支持装置2は、サポートピン3と、昇降軸4と、固定部2aと、軸保持体6と、駆動部7aと、基台8とを備える。
【0183】
固定部2aは実施の形態1の固定部1aと同じく、ER流体により昇降軸4の位置を固定する構成部であり、パッキン5で上面および下面を覆われている。
【0184】
また、基板支持装置2は、基板支持装置1と同じく、20組のサポートピン3と昇降軸4とを備えているが、各組に対応する駆動部は有しておらず、1つの駆動部7aを有している。
【0185】
また、軸保持体6には、各昇降軸4に対応する固定部2aを有している。これら全ての固定部2aは、基板支持装置1における固定部1aと同じく、固定用電源部12による通電が可能に固定用電源部12と接続されている。
【0186】
駆動部7aは基台8に固定されており、軸保持体6を移動させることで摺動可能に保持している昇降軸4を移動させ、複数のサポートピン3の上端を基板に当接させることができる。駆動部7aは、本発明の部材支持方法における当接ステップの実行を実現する構成部の別の一例である。本実施の形態において、駆動部7aは、具体的にはエアシリンダである。
【0187】
基板支持装置2の基板の支持に係る基本的な動作の流れは、図6に示す基板支持装置1の動作の流れと同じである。すなわち、サポートピン3を上昇させ(S1)。サポートピン3の上端が基板または基板の裏面に実装されている部品に当接した状態で、昇降軸4の位置を固定する(S2)。
【0188】
しかし、基板支持装置2は、軸保持体6を上昇させることにより、軸保持体6に摺動可能に保持されている昇降軸4を上昇させる。つまり、軸保持体6を上昇させることによりサポートピン3を上昇させる構成になっている。
【0189】
図18は、基板支持装置2をY軸方向から見た場合の側面図である。
図18に示すように、駆動部7aは、軸保持体6を下から押し上げることにより、軸保持体6を上昇させることができる。
【0190】
また、昇降軸4は、昇降軸4と、電圧が印加されていない状態のER流体およびパッキン5との間の摩擦抵抗により、軸保持体6の上下方向の移動に伴って移動する。
【0191】
なお、この摩擦抵抗は、昇降軸4およびサポートピン3が自重で軸保持体6から抜け落ちない程度の力である。つまり、この程度の摩擦抵抗が発揮されるように、パッキン5の素材およびER流体の種類等が決定される。
【0192】
また、図25を用いて後述するように、昇降軸4の位置を固定する際よりも低い電圧をER流体に印加することにより、ER流体と昇降軸4との間にこの程度の摩擦抵抗が生じるようにしてもよい。
【0193】
図19は、固定部2aの構成の概要を示す図である。
図3に示すように、固定部2aは、実施の形態1の固定部1aと同じく、ER流体10と、ER流体10の固定部2a内に封じ込めるパッキン5と、2つの電極11とを有している。
【0194】
また、固定部2aは、固定部1aと同じく、固定用電源部12から電圧を印加されることにより、昇降軸4の位置を固定することができる。
【0195】
図20は、基板支持装置2の機能的な構成を示す機能ブロック図である。
図20に示すように、基板支持装置2は、駆動部7aおよび固定部2aを制御する制御部2bを備えている。制御部2bは、具体的には、駆動部7aに対し、軸保持体6を上昇および下降させるための制御を行う。
【0196】
また、複数の固定部2aに対し、昇降軸4の位置の固定および固定を解除するための制御を行う。なお、図20には、図示の簡略化のため、1つの固定部2aのみ記載している。
【0197】
次に、図21〜図23を用いて、実施の形態2の基板支持装置2の動作について説明する。
【0198】
図21は、基板支持装置2が基板を支持する際の動作の概要を示す概要図である。
図21に示すように、(1)基板20が基板支持装置2上に搬送されてくる。この状態では、固定用電源部12のスイッチはオフである。
【0199】
(2)固定用電源部12のスイッチがオフのまま、駆動部7aは軸保持体6を上昇させる。この上昇に伴い、サポートピン3も上昇し、サポートピン3の上端は基板20または基板20の裏面に実装されている部品20aに当接する。
【0200】
ここで、図21に示すように、基板20の裏面に部品20aが実装されている場合、基板20の裏面は凹凸形状になる。つまり、複数のサポートピン3が同時に基板20または部品20aに当接することはない。そのため、駆動部7aは、あるサポートピン3が部品20aに当接しても、他のサポートピン3が基板20または他の部品に当接するまで、軸保持体6を上昇させる必要がある。
【0201】
このような場合であっても、昇降軸4は、軸保持体6に摺動可能に保持されているため部品20aに当接しているサポートピン3の下の昇降軸4は、軸保持体6に保持されたまま軸保持体6に対して下向きに、つまり、支持方向とは反対方向に摺動することができる。すなわち、基板支持装置2における相対位置を維持しつつ、軸保持体6との相対位置を変化させることができる。
【0202】
また、軸保持体6と昇降軸4との間にはたらく摩擦抵抗は、昇降軸4およびサポートピン3が自重で軸保持体6から抜け落ちない程度の力である。
【0203】
そのため、あるサポートピン3の上端が部品20aに当接した状態で、軸保持体6の上昇が継続された場合であっても、そのサポートピン3が部品20aに過大な力を掛けることがない。
【0204】
(3)サポートピン3の上端が、基板20または部品20aに当接した状態で、駆動部7aは、軸保持体6の上昇を停止する、また、制御部2bの制御により、固定用電源部12のスイッチがオンにされ、昇降軸が固定部2aにより固定される。
【0205】
なお、制御部2bが固定用電源部12のスイッチをオンするタイミングは、実施の形態1と同じく、駆動部7aを作動させてから2秒前後である。つまり、この時間の間に、基板20の直下にある複数のサポートピン3の上端が基板または基板の裏面に実装されている部品に当接することを意味する。
【0206】
また、制御部2bが、駆動部7aが押し上げ動作を終えたこと、または、上端が基板または部品に当接している複数のサポートピン3の下の昇降軸4が、軸保持体6に対して静止していることを検出して、固定用電源部12のスイッチをオンにしてもよい。
【0207】
つまり、上端が基板または部品に当接している複数のサポートピン3の下の昇降軸4が、軸保持体6に対して静止している状態であるときに各昇降軸4の位置を固定するのであれば、その固定は、所定の時間の経過を契機として行ってもよく、また、構成要素の状態の変化を契機として行ってもよい。
【0208】
図22は、基板支持装置2が基板を支持している状態を示す図である。図22(A)は、裏面に部品が実装されていない基板を支持している状態を示す図であり、図22(B)は、裏面に部品が実装されている基板を支持している状態を示す図である。
【0209】
図22(A)に示すように、基板支持装置2が、裏面に部品が実装されていない基板20を支持している場合、複数のサポートピン3の上端は、基板20の裏面の平面に従った位置にあり、基板20をXY平面に平行に保つことができる。
【0210】
また、図22(B)に示すように、基板支持装置2が裏面に部品20aが実装されている基板20を支持している場合であっても、複数のサポートピン3の上端は、基板20の裏面の凹凸に従った位置にあり、基板20をXY平面に平行に保つことができる。
【0211】
つまり基板支持装置2は、基板支持装置1と同じく、基板20の裏面がどのような形状であっても、基板20が正常な姿勢を保つように基板20を支持することができる。
【0212】
図23は、基板支持装置2が、搬送されてくる基板を、順次支持する様子を示す図である。
【0213】
また、図23は、裏面に部品が実装されている基板20の後に、部品が実装されている位置が基板20とは異なる基板22が搬送されて来る場合を示している。
【0214】
図23に示すように、(1)複数のサポートピン3の上端が、基板20の裏面に当接し、基板20の裏面の凹凸に従った位置にある状態で、固定用電源部12のスイッチがオンにされる。つまり、基板20は安定的に支持される状態になる。この状態で、基板20の上方から部品実装機が備える装着ヘッドにより部品が実装される。
【0215】
(2)固定用電源部12のスイッチはオフにされ、軸保持体6は初期位置に戻される。また、部品が実装された基板20はX軸方向に搬送される。
【0216】
(3)次の基板22が基板支持装置2上に搬送され、(4)複数のサポートピン3の上端が、基板22の裏面に当接し、基板22の裏面の凹凸に従った位置にある状態で、固定用電源部12のスイッチがオンにされる。つまり、基板22は安定的に支持される状態となる。この状態で、基板22の上方から部品実装機が備える装着ヘッドにより部品が実装される。
【0217】
このように、基板支持装置2は、基板支持装置1と同じく、基板の裏面の凹凸形状が異なる基板を順次支持する場合であっても、それぞれの形状に応じて的確に基板を支持することができる。
【0218】
また、それぞれの基板の裏面の凹凸形状についての情報を予め記憶しておく必要がなく、駆動部7aは、所定の押上げ力で軸保持体6を上昇させるだけである。
【0219】
また、全てのサポートピン3の上端が基板または基板の裏面に実装されている部品に当接した後は、固定部2aによって昇降軸4の位置が固定されることにより、サポートピン3の静止位置も固定される。そのため、各サポートピン3は、基板に不要な力を与えることがなく、かつ、基板の上から受ける力に抗することができる。
【0220】
つまり、基板支持装置1は、基板が正常な姿勢を保つように基板を支持することができ、かつ、基板および部品を傷めることや正規の位置からずれさせるようなことがない。
【0221】
また、基板の大きさが、複数のサポートピン3で支持できる範囲より小さい場合であっても、基板支持装置1と同じく、基板に当接しているサポートピン3により、当該基板が正常な姿勢を保つように支持されることに影響はない。
【0222】
このように、本実施の形態の基板支持装置2は、基板に対して部品の実装が行われる際、基板の支持される面の凹凸形状に依存することなく、部品の実装を精度よく確実に行わせることができる。
【0223】
なお、基板支持装置2においても基板支持装置1と同じく、昇降軸4をER流体10に電圧を印加するための電極として使用してもよい。
【0224】
図24は、実施の形態2において、昇降軸4を電極として使用する場合の構成を示す図である。なお、昇降軸4の少なくとも側面は金属であると想定する。
【0225】
図24に示すように、例えば、固定用電源部12の負極側に接続された電極を昇降軸4に接触する状態に置く。この構成であっても、固定用電源部12のスイッチがオンにされると、ER流体10に電圧が印加される。
【0226】
また、基板支持装置2においても、基板支持装置1と同じく、部品実装機から受け取る情報を利用し、各固定部2aの動作を個別に制御してもよい。
【0227】
例えば、固定部2aに通電しない場合の、軸保持体6と昇降軸4との間の摩擦抵抗を、昇降軸4およびサポートピン3が自重で軸保持体6から抜け落ちる程度に低下させる。このようにすることは、パッキン5の素材および粘性流体の種類の選択により可能である。
【0228】
さらに、ER流体10に電圧を印可するか否かではなく、ER流体10に印加する電圧を3段階にする。例えば、電圧を“0”、“V1”および“V2”(“V1<V2”)という3つの値のいずれかに設定できるようにする。
【0229】
以下、固定用電源部12のスイッチおよび通電の状態について、固定用電源部12が固定部2aに印加する電圧が“0”の場合を、「オフ」とし、当該電圧が“V1”の場合を「オン1」とし、当該電圧が“V2”の場合を「オン2」とする。
【0230】
ここで、ER流体10の粘性は、印加される電圧の大きさと正の相関関係がある。つまり、印加される電圧が大きいほど、粘性が増加し、ER流体10と昇降軸4との間の摩擦抵抗は大きくなる。
【0231】
図25は、固定用電源部12のスイッチの3段階の状態と、ER流体10および昇降軸4の間の摩擦抵抗との関係を示す図である。
【0232】
図25に示すように、スイッチの状態がオフ、オン1、オン2と変わると、ER流体10に印加される電圧が増すため、ER流体10の粘性が増加する。そのため、ER流体10と昇降軸4との間の摩擦抵抗も大きくなる。
【0233】
また、スイッチがオフの場合の摩擦抵抗値“R0”は、昇降軸4およびサポートピン3が自重で軸保持体6から抜け落ちる程度の摩擦抵抗値である。従って、スイッチがオフの場合、軸保持体6が上昇しても昇降軸4は上昇しないことになる。
【0234】
スイッチがオン1の場合の摩擦抵抗値“R1”は、昇降軸4およびサポートピン3が自重では軸保持体6から抜け落ちない程度の摩擦抵抗値である。従って、スイッチがオン1の場合、軸保持体6の上昇に伴い昇降軸4も上昇することになる。
【0235】
スイッチがオン2の場合の摩擦抵抗値“R2”は、基板の上から受ける力に抗して昇降軸4の位置を固定することが可能な摩擦抵抗値である。
【0236】
固定用電源部12のスイッチの各状態における摩擦抵抗値が上述のような値である場合、基板の支持に必要なサポートピン3を選択して上昇させることが可能である。
【0237】
具体的には、基板の支持に必要なサポートピン3に対応する固定部2aについては、スイッチをオン1にし、基板の支持に不要なサポートピン3に対応する固定部2aについては、スイッチをオフにして、軸保持体6を上昇させる。
【0238】
この動作は、例えば、図26に示す配線図のように、各固定部2aをグループ分けして、グループごとに上記3つの通電状態を切り換えるスイッチを設けることによっても実現される。
【0239】
図26は、複数の固定部2aに対し、グループごとに3つの通電状態を切り換えるための配線の一例を示す図である。
【0240】
図26に示すように、X軸方向に平行に並んでいる固定部2aを1つのグループとし、A〜Dのグループに分ける。さらに、A〜Dのグループのそれぞれに対し、通電のオフ、オン1、およびオン2を切り換えるための配線を行い、各グループに対応するスイッチを設ける。A〜Dのグループに対応するスイッチをそれぞれSW−a、SW−b、SW−c、およびSW−dとする。
【0241】
この配線により、複数の固定部2aは、グループごとに軸保持体6とともに上昇させるか否かを切り替えることができる。
【0242】
具体的には、図26のように、X軸方向に平行に並んでいる固定部2aを1つのグループとした場合、支持対象の基板のY軸方向の幅に応じて、基板の裏面と対向する位置に設けられたサポートピン3をグループ単位で選択し、上昇させることができる。
【0243】
また、図11〜図13を用いて述べたように、部品実装機は、搬送レール15の幅情報を有しており、基板支持装置2は、この幅情報を部品実装機から取得することで、その幅情報に応じて、グループ単位で固定部2aの動作の制御を行うことができる。
【0244】
図27は、基板支持装置2が、搬送レール15の幅に応じて、固定部2aの動作を制御する様子を示す図である。
【0245】
図27に示すように、(1)可動レール15aが移動することでレール幅が狭まり、幅の狭い基板20が搬送されてくる。基板支持装置2の制御部2bは幅情報を部品実装機から取得し、取得した幅情報に基づきB〜Dグループを選択する。つまり、Aグループに対応するSW−aをオフにし、それ以外のSW−b、SW−c、およびSW−dをオン1にする。
【0246】
(2)駆動部7aにより軸保持体6が上昇される。この上昇の際、SW−aはオフであり、Aグループに対応する昇降軸4は上昇しない。つまり、Aグループに対応するサポートピン3は上昇しない。また、B〜Dグループに対応するサポートピン3は上昇する。
【0247】
(3)上昇した各サポートピン3の上端は、基板20の裏面の凹凸に従った位置にある。この状態で、制御部2bが、SW−b、SW−c、およびSW−dをオン2にする。つまり、B〜Dグループの各固定部2aは、それぞれの昇降軸4の位置を固定する。これにより、基板20は安定的に支持される。
【0248】
このように、基板支持装置2は、取得した幅情報に基づき、支持対象の基板の裏面と対向する位置に設けられた複数のサポートピン3を含む複数のサポートピン3を選択する。さらに、選択した複数のサポートピン3を上方へ移動させることができる。なお、この動作において、制御部2bにより、本発明の部材支持方法における取得ステップおよび選択ステップの各動作が実現されている。
【0249】
こうすることで、実施の形態1の基板支持装置1が、基板の支持に必要なサポートピン3を選択し上昇させる場合と同じく、例えば可動レール15aの下部に何らかの機構部が存在する場合、その機構部にサポートピン3が接触することを防ぐことができる。
【0250】
また、基板支持装置2は、基板支持装置1と同じく、搬送レール15の幅ではなく、基板の大きさを特定する情報を部品実装機から取得し、各固定部2aの動作の制御に利用してもよい。また、基板のY軸方向の幅に応じて基板の保持に必要なサポートピン3を選択し上昇させることに換えて、または加えて、基板のX軸方向の幅に応じて各固定部1aの動作を制御し、基板の支持に必要なサポートピン3を選択し上昇させてもよい。
【0251】
また、サポートピン3についても、実施の形態1と同じく、その素材および形状は特定のものに限定されるものではない。また、図16を用いて述べたように、切欠きのある基板を支持するために、サポートピン3の先端を切欠きに入らない大きさにしてもよい。
【0252】
また、固定部2aは、ER流体10を利用して昇降軸4の位置を固定するのではなく、磁気粘性流体を利用して昇降軸4の位置を固定してもよい。また、機械的に昇降軸4の位置を固定してもよい。
【0253】
また、駆動部7aはエアシリンダでなくてもよく、昇降軸4およびサポートピン3を、サポートピン3の上端が基板に当接するまで上昇させることができる機構であればよい。
【0254】
また、サポートピン3と昇降軸4とは別体でなくてもよい。基板を支持できる形状、大きさ、および素材で製作されたものであればよい。
【0255】
また、基板支持装置2は、サポートピン3と昇降軸4とを20組備えていなくてもよい。1組以上のサポートピン3と昇降軸4とを備えていればよい。サポートピン3と昇降軸4とが1組以上あれば、上述のように、部材が正常な姿勢を保つように支持することが可能な場合が存在するためである。
【0256】
また、基板支持装置2においても、基板支持装置1と同じく、支持する基板は、リジッド基板、フレキシブル基板およびリジットフレキ基板のいずれであってもよい。
【0257】
基板支持装置2の支持対象の基板が、フレキシブル基板またはリジットフレキ基板のように、柔軟性を有する基板である場合、基板支持装置1と同様の調整を行えばよい。
【0258】
具体的には、サポートピン3の上端の到達する最大高さの調整と、サポートピン3の移動加速度の調整である。
【0259】
さらに、基板支持装置2においては、軸保持体6が上昇する際、昇降軸4は摺動可能に軸保持体6に保持されている。従って、この保持力を、サポートピン3が取り付けられた昇降軸4が軸保持体6から自重では抜け落ちない限度にまで下げることで、基板または基板の裏面に実装されている部品にサポートピン3の上端が当接した場合、昇降軸4は軸保持体6に対して摺動し易くなる。
【0260】
そのため、当接時の当該基板および当該部品に与える力を極力小さくすることができる。なお、上記保持力は、実験等で最適なものを求めればよい。
【0261】
また、実施の形態1および2として、部品実装機に1つの基板支持装置1または2が備えられている場合について説明した。しかしながら、複数の基板支持装置1または2が部品実装機に備えられていてもよい。
【0262】
例えば、基板支持装置1または2を、20組より少ない組のサポートピン3と昇降軸4とを備えた基板支持ユニットとして、複数を部品実装機に組み込めるようにする。こうすることで、当該部品実装機は、ユニットの数を変えることで、大きな基板から小さな基板まで、様々な大きさの基板を部品実装の対象とすることができる。
【0263】
図28は、ユニット化された複数の基板支持装置の、部品実装機における配置例を示す図である。
【0264】
図28(A)は、6つの基板支持ユニットが配置された状態を示し、図28(B)は、4つの基板支持ユニットが配置された状態を示す。
【0265】
また、図28(A)および図28(B)において、基板支持ユニット101は、実施の形態1の基板支持装置1をユニット化したものである。また、基板支持ユニット102は、実施の形態2の基板支持装置2をユニット化したものである。つまり、基板支持装置1であっても基板支持装置2であっても、ユニット化することができる。
【0266】
図28(A)では、ユニット番号[1]〜[6]の6つの基板支持ユニット101(102)が並べられており、この6つの基板支持ユニット101(102)で基板を支持することができる。
【0267】
ここで、部品実装機の部品実装の対象となる基板の大きさが小さくなる場合、例えば、図28(B)に示すように、ユニット番号[1]および[6]の2つの基板支持ユニット101(102)を取り出す。
【0268】
また、これから搬送する基板の大きさに合わせ、図28(B)に示す位置に可動レール15aが移動する。これにより、ユニット番号[2]〜[5]の4つの基板支持ユニット101(102)で、搬送レール15により搬送されてくる基板を支持することができる。
【0269】
このように、基板支持装置1または2をユニット化した場合、例えば、これらユニットの規格に準じた複数の部品実装機間で、基板支持ユニットの共有が可能となる。また、ユニット単位での修理等のメンテナンスが可能となるなど、時間的および経済的なメリットが生ずる。
【0270】
また、本発明の実施の形態1および2として、部品実装機において基板を支持する基板支持装置について説明した。しかしながら、本発明は、その他の装置における部材の支持方法および支持装置としても適用可能である。
【0271】
例えば、本発明は、基板にはんだペースト等の導電性ペーストを塗布するスクリーン印刷機における、基板の支持方法および支持装置に適用可能である。
【0272】
スクリーン印刷機において、基板に導電性ペーストが塗布される際、塗布箇所以外をマスクされた基板の上を、スキージが導電性ペーストを基板に塗りこむように移動していく。つまり、基板は上方からスキージにより力を受ける。
【0273】
従って、スクリーン印刷機において基板をしっかりと支持することは重要なことである。また、基板の裏面に部品が実装されている場合、つまり、基板の裏面が凹凸形状である場合もあるため、本発明の部材支持方法および部材支持装置を、スクリーン印刷機における基板の支持方法および支持装置として用いることは有用である。
【0274】
また、本発明は、例えば、支持される面に凹凸のある金属、木材等に対する研磨、切削、および部品取り付け等の作業時に、これら金属等を支持する支持方法および支持装置としても有用である。
【0275】
本発明の部材支持方法および部材支持装置は、部材に何らかの作業が施される際に、部材の、作業が施される側とはおおよそ反対側から支持体を当接させ、支持体が当接した状態でその支持体の位置を固定する方法および装置である。
【0276】
従って、本発明は、基板支持装置1および2のように、支持対象の部材が、裏面に部品が未実装の基板、および、裏面に1以上の部品が実装済みの基板である場合に限られず、工業製品を構成する様々な部材に対する各種作業時における部材支持方法および部材支持装置として実施できる。
【0277】
また、その支持方向も、基板支持装置1および2のように、下から上に向けての支持方向である必要はない。例えば、ある部材の右側面に力をかけながら部品を取り付ける場合、その部材を支持する方向は左から右に向けての方向になる。この場合は、部材の左側から支持体を部材に当接させ、当接した状態で支持体の位置を固定すればよい。
【0278】
要するに、上述のように、支持対象の部材がどのような素材であるか、作業が施される側と反対側がどのような凹凸形状である等に関わらず、また、その支持方向がどの方向であるかに関わらず、本発明の実施は可能であり、かつ、支持対象の部材が正常な姿勢を保つように支持することができる。
【0279】
具体的には、支持対象となる部材の大きさや重量、作業時に係る力の大きさ等に応じて、支持体の大きさ、形状、硬度、個数、および配置、並びに、支持体の位置を固定する際の固定力等を決定すればよい。
【0280】
このように、本発明は、部材の素材および支持方向等に関係なく、部材を支持する方法および装置として実施可能であり、かつ、部材に対する作業を精度よく確実に行わせることができる。
【産業上の利用可能性】
【0281】
本発明は、部材に作業が施される際の部材を支持する方法および装置に適用できる。特に、半導体素子等の部品を基板に実装する部品実装機、および、はんだペースト等の導電性ペーストを基板に印刷するスクリーン印刷機における部品支持方法および部品支持装置としてとして有用である。
【図面の簡単な説明】
【0282】
【図1】実施の形態1の基板支持装置の概観を示す概観図である。
【図2】実施の形態1の基板支持装置をY軸方向から見た場合の側面図である。
【図3】実施の形態1の固定部の構成の概要を示す図である。
【図4】固定用電源部のスイッチのオンおよびオフと、ER流体および昇降軸の間の摩擦抵抗との関係を示す図である。
【図5】実施の形態1の基板支持装置の機能的な構成を示す機能ブロック図である。
【図6】実施の形態1の基板支持装置が基板を支持する際の動作の概要を示すフロー図である。
【図7】図6のフロー図に示す動作の流れを図示した動作概要図である。
【図8】(A)は、実施の形態1の基板支持装置が、裏面に部品が実装されていない基板を支持している状態を示す図であり、(B)は、実施の形態1の基板支持装置が、裏面に部品が実装されている基板を支持している状態を示す図である。
【図9】実施の形態1の基板支持装置が、搬送されてくる基板を、順次支持する様子を示す図である。
【図10】実施の形態1の軸保持体をZ軸方向から見た概観図である。
【図11】(A)は、部品実装機において搬送レールの幅が変更される前の状態を示す図であり、(B)は、部品実装機において搬送レールの幅が変更された後の状態を示す図である。
【図12】実施の形態1において複数の固定部に対しグループごとに通電を行うための配線の一例を示す図である。
【図13】実施の形態1の基板支持装置が、搬送レールの幅に応じて、固定部の動作を制御する様子を示す図である。
【図14】実施の形態1において軸保持体と基台とを一体化した場合の構成を示す図である。
【図15】実施の形態1において昇降軸を電極として使用する場合の構成を示す図である。
【図16】基板の切欠きの幅とサポートピンの上端の幅とを示す図である。
【図17】実施の形態2の基板支持装置の概観を示す概観図である。
【図18】実施の形態2の基板支持装置をY軸方向から見た場合の側面図である。
【図19】実施の形態2の固定部の構成の概要を示す図である。
【図20】実施の形態2の基板支持装置の機能的な構成を示す機能ブロック図である。
【図21】実施の形態2の基板支持装置が基板を支持する際の動作の概要を示す概要図である。
【図22】(A)は、実施の形態2の基板支持装置が裏面に部品が実装されていない基板を支持している状態を示す図であり、(B)は、実施の形態2の基板支持装置が裏面に部品が実装されている基板を支持している状態を示す図である。
【図23】実施の形態2の基板支持装置が、搬送されてくる基板を、順次支持する様子を示す図である。
【図24】実施の形態2において、昇降軸を電極として使用する場合の構成を示す図である。
【図25】固定用電源部のスイッチの3段階の状態と、ER流体および昇降軸の間の摩擦抵抗との関係を示す図である。
【図26】複数の固定部に対し、グループごとに3つの通電状態を切り換えるための配線の一例を示す図である。
【図27】実施の形態2の基板支持装置が、搬送レールの幅に応じて、固定部2aの動作を制御する様子を示す図である。
【図28】(A)は、6つの基板支持ユニットが配置された状態を示す図であり、(B)は、4つの基板支持ユニットが配置された状態を示す図である。
【図29】従来の第1の基板支持装置の概要を示す図である。
【図30】従来の第2の基板支持装置の概要を示す図である。
【図31】従来の第3の基板支持装置の概要を示す図である。
【符号の説明】
【0283】
1、2 基板支持装置
1a、2a 固定部
1b アクチュエータ
1c 支持部
1d、2b 制御部
3 サポートピン
4 昇降軸
5 パッキン
6 軸保持体
7、7a 駆動部
8 基台
10 ER流体
11 電極
12 固定用電源部
15 搬送レール
15a 可動レール
15b 固定レール
101 基板支持ユニット
102 基板支持ユニット
【出願人】 【識別番号】000005821
【氏名又は名称】松下電器産業株式会社
【出願日】 平成18年6月26日(2006.6.26)
【代理人】 【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守


【公開番号】 特開2008−4856(P2008−4856A)
【公開日】 平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願番号】 特願2006−174805(P2006−174805)