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【発明の名称】 段取データ群作成方法
【発明者】 【氏名】安井 義博

【要約】 【課題】それぞれ電子回路部品の回路基板への装着を行う複数の装着ユニットの共同により、1枚の回路基板への電子回路部品の装着を行って電子回路を組み立てる電子回路部品装着システムにおける部品供給具の段取変え工数を低減する。

【構成】1列に並ぶ複数の装着モジュールを含む電子回路部品装着システムにおける複数種類の電子回路の組立作業の開始に先立ち、それら電子回路の生産計画に基づいて電子回路毎に複数の装着モジュールの各装着ヘッドの種類の組合わせをスループットが最大となるように決定し(S2)、全部の電子回路についてのヘッド種類組合わせに基づいて電子回路毎に各装着モジュールに電子回路部品を割り当てる(S4)。割当はサイクルタイムの短縮を優先させつつ、テープフィーダの搭載回数および取外し回数が可及的に少なくて済むように行い、生産時に電子回路の種類が変わる際の段取替え工数が低減され、生産性が向上する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々装着ヘッドの構成および複数の部品供給具の配置を変更可能な複数の装着ユニットを含む電子回路部品装着システムにより、複数種類の回路基板にそれぞれ複数の電子回路部品を装着して複数種類の電子回路を組み立て、生産するに際し、前記複数種類の電子回路の生産順序を含む生産計画に基づいて、少なくとも前記複数の装着ユニットの各々に対する装着ヘッドの構成を表すデータと複数の部品供給具の配置を表すデータとを含む段取データの、前記電子回路部品装着システムに対する群である段取データ群を作成する段取データ群作成方法であって、
前記複数種類の電子回路の組立作業開始に先立ち、それら複数種類の電子回路の組立作業開始後に、前記複数の装着ユニットの各々における装着ヘッドの構成変更を許容することを条件として、前記電子回路部品装着システムにおける前記部品供給具の搭載と取外しとの少なくとも一方の回数が可及的に少なくなる前記段取データ群を作成することを特徴とする段取データ群作成方法。
【請求項2】
前記段取データ群の作成が、
前記複数種類の電子回路の各々に対して、前記電子回路部品装着システムにおける電子回路の種類毎のスループットが可及的に大きくなる条件で決定された前記複数の装着ユニットにおける前記装着ヘッドの構成の、前記電子回路部品装着システムにおける組合わせであるヘッド構成組合わせをそれぞれ取得するヘッド構成組合わせ取得と、
取得された複数のヘッド構成組合わせの各々により装着可能であることを条件に、前記複数の装着ユニットの各々における前記複数の部品供給具の配置を、前記複数種類の電子回路の組立作業開始後に前記電子回路部品装着システムにおける前記部品供給具の搭載と取外しとの少なくとも一方の回数が可及的に少なくて済み、かつ、各装着ユニットにおける前記複数種類の電子回路の組立作業に要する時間が可及的に短くなる配置に決定することにより、前記複数の装着ユニットの各々に対する前記段取データを作成する第1案作成と
を含むことを特徴とする請求項1に記載の段取データ群作成方法。
【請求項3】
前記第1案作成が、前記複数の部品供給具の各々が搭載されるべき装着ユニットを、前記ヘッド構成組合わせにより装着可能であることを条件に、前記複数種類の電子回路の組立作業開始後に前記部品供給具の搭載と取外しとの少なくとも一方の回数が可及的に少なくて済む装着ユニットに決定する搭載ユニット決定を含み、その搭載ユニット決定により搭載が決定された部品供給具の各装着ユニットにおける配置を、各装着ユニットにおける前記複数種類の電子回路の組立作業に要する時間が可及的に短くなる配置に決定することにより、前記第1案を作成するものであることを特徴とする請求項2に記載の段取データ群作成方法。
【請求項4】
前記搭載ユニット決定が、前記複数種類の電子回路の各々に対するヘッド構成組合わせを含むヘッド構成組合わせ群により装着可能であることを条件に、前記複数の装着ユニットのうち各電子回路部品を供給する各部品供給具を搭載可能なすべての装着ユニットのリストを作成する搭載可能ユニット決定を含み、その搭載可能ユニット決定により決定された搭載可能な装着ユニットの数が少ない部品供給具から順に搭載ユニットを決定するとともに、その決定に際して、前記複数種類の電子回路の組立作業開始後に前記部品供給具の搭載と取外しとの少なくとも一方の回数が可及的に少なくて済む搭載ユニットに決定するものであることを特徴とする請求項3に記載の段取データ群作成方法。
【請求項5】
前記段取データの群の作成が、さらに、前記第1案に基づいて前記複数種類の電子回路の各々の組立てを行うことを想定した場合に、前記複数の装着ユニットの各々における1
枚の電子回路に対する所要時間が可及的に均一になるように、それら複数の装着ユニット間における前記複数の部品供給具の配分を変更して前記段取データ群の第2案を得る第2案作成を含むことを特徴とする請求項2ないし4のいずれかに記載の段取データ群作成方法。
【請求項6】
前記複数種類の装着ヘッドのうちの1つ以上が複数種類の電子回路部品を装着可能なものであり、かつ、前記複数種類の装着ヘッドの2つ以上のものの2つずつの装着ヘッドの装着可能な電子回路部品の種類の範囲が互いに異なるが一部において互いに重なり合っており、前記ヘッド構成組合わせ取得と前記第1案作成との少なくとも一方が、1種類の電子回路部品が2種類の装着ヘッド構成により装着可能であることを利用するものであることを特徴とする請求項2ないし5のいずれかに記載の段取データ群作成方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、それぞれ電子回路部品の回路基板への装着を行う複数の装着ユニットの共同により、1枚の回路基板への電子回路部品の装着を行って電子回路を組み立てる電子回路部品装着システムにおける装着ヘッドの構成および部品供給具の配置のデータを含む段取データ群の作成方法に関するものであり、特に、部品供給具の段取替え工数の低減に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の電子回路部品装着システムは、例えば、下記の特許文献1に記載されている。特許文献1に記載の電子回路部品装着システムの複数の装着ユニットはそれぞれ、部品供給部,回路基板保持部および部品装着部を備え、部品供給部の複数のフィーダの各々から供給される複数種類の電子回路部品を、部品装着部の装着ヘッドが保持し、回路基板保持部に順次保持される回路基板の各々に装着する。装着ヘッドは、装着ヘッドを保持して移動させるヘッド移動装置に対して取付け,取外し可能に構成され、回路基板に装着される電子回路部品の種類に応じた装着ヘッドがヘッド移動装置に取り付けられ、装着に使用される。電子回路部品装着システムにおいては、電子回路が組み立てられる回路基板の種類が変わる際に、複数の装着ユニットの各々において段取替えが行われる。例えば、フィーダの交換,装着ヘッドの交換,回路基板保持部における回路基板の保持幅の変更,装着ヘッドの部品保持具の交換等が行われるのである。電子回路部品の装着能率の向上のためには、段取替えに要する時間は短いことが望ましく、特許文献1に記載の電子回路部品装着システムにおいては、部品供給部における段取替え工数を低減させることにより、段取替え時間の短縮が図られている。例えば、現に部品供給部に搭載されているフィーダをすべて搭載したままとし、次に生産される種類の電子回路を組み立てるための電子回路部品であって、部品供給部に搭載されていない電子回路部品を保持したフィーダを空いているフィーダ搭載箇所に搭載し、フィーダを追加するのである。あるいは現に部品供給部に搭載されているフィーダのうち、次の電子回路の生産にも必要な電子回路部品を保持したフィーダは搭載したままとし、生産に不要な電子回路部品を保持したフィーダを外し、次の生産に必要であって現にない電子回路部品を保持したフィーダを空いた搭載個所に搭載する。
【特許文献1】特開2004−172500公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1に記載の電子回路部品装着システムにおいては、未だ段取替えに時間を要する問題がある。フィーダの追加による段取替え時にはフィーダの搭載作業が必要であり、フィーダの交換による段取替え時にはフィーダの取外し作業および搭載作業が必要であり、段取替えに時間がかかるのである。特に、複数の装着ユニットがそれぞれコンパクトに構成される場合、隣接するフィーダ搭載箇所の間隔が狭いため、フィーダの取外し,搭載作業がやり難く、時間がかかり、段取替え時間が長くなるのである。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、それぞれ電子回路部品の回路基板への装着を行う複数の装着ユニットの共同により、1枚の回路基板への電子回路部品の装着を行って電子回路を組み立てる電子回路部品装着システムにおける部品供給具の段取替え工数の低減を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記の課題は、各々装着ヘッドの構成および複数の部品供給具の配置を変更可能な複数の装着ユニットを含む電子回路部品装着システムにより、複数種類の回路基板にそれぞれ複数の電子回路部品を装着して複数種類の電子回路を組み立て、生産するに際し、前記複数種類の電子回路の生産順序を含む生産計画に基づいて、少なくとも前記複数の装着ユニットの各々に対する装着ヘッドの構成を表すデータと複数の部品供給具の配置を表すデータとを含む段取データの、前記電子回路部品装着システムに対する群である段取データ群を作成する段取データ群作成方法を、複数種類の電子回路の組立作業開始に先立ち、それら複数種類の電子回路の組立作業開始後に、複数の装着ユニットの各々における装着ヘッドの構成変更を許容することを条件として、電子回路部品装着システムにおける部品供給具の搭載と取外しとの少なくとも一方の回数が可及的に少なくなる段取データ群を作成する方法とすることにより解決される。
【0005】
上記装着ヘッドの構成変更は、各装着ヘッドにより装着可能な電子回路部品の種類の変更を伴うものであり、例えば、複数種類の装着ヘッドの交換や、装着ヘッドの1つ以上の部品保持具の少なくとも1つの交換を含む。
部品供給具は、同種の電子回路部品を複数収容し、それら電子回路部品を順次供給可能なものであればよく、電子回路部品を保持したテープを送ることにより電子回路部品を順次供給するテープフィーダ、互いに独立した複数の電子回路部品を順次供給するスティックやバルクフィーダ、さらには、複数の電子回路部品を平面的に並べて収容し、順次供給するトレイ等を含む。段取替え工数の低減の観点からは、単に部品供給具を搭載箇所から外す必要はなく、単に部品供給具を搭載するのみであれば、複数種類の電子回路の生産開始当初から搭載しておけばよく、部品供給具の搭載位置の変更や部品供給具の交換は1回ずつの取外しおよび搭載を伴う。したがって、搭載と取外しとの少なくとも一方の回数が可及的に少なくなれば、段取替え工数が低減され、段取替え工数を数える場合、搭載回数を数えてもよく、取外し回数を数えてもよく、搭載と取外しとの両方の回数を数えてもよい。
なお、ここにおいて「可及的に少なくなる」とは、「理論的に最も少なくなる」の意味を含むが、必ずしもそれには限定されず、「実際上、できる限り少なくなるようにされた」といい得る程度の段取データ群であれば、「可及的に少なくなる」に含まれるものとする。さらに具体的には、部品供給具の搭載と取外しとの少なくとも一方の回数を可及的に少なくするために満たすべき条件が予め定められており、それら条件を満たすものであれば、「部品供給具の搭載と取外しとの少なくとも一方の回数が可及的に少なくなる段取データ群」と言い得るものとする。さらに付言すれば、上記予め定められた条件を増せば、段取データ群の作成には相当の時間を要し、時間をかけるほどより理想的な段取データ群が得られる傾向がある一方、実際上は、段取データ群の作成に許容される時間に限りがあることが多い。したがって、実際上は、許容時間内において上記予め定められた条件を可及的に満たす段取データ群を求め、それを使用せざるを得ないことが多く、その場合に求められた段取データ群も、「電子回路部品装着システムにおける部品供給具の搭載と取外しとの少なくとも一方の回数が可及的に少なくなる段取データ群」であるものとする。
以下の「可及的」も同様とする。
さらに、複数の装着ユニットの各々において複数種類の電子回路の各々について作成される装着ヘッド構成を表すデータおよび部品供給具の配置を表すデータを段取データと考えることもでき、1つの装着ユニットについて複数種類の電子回路の組立のためにそれぞれ作成される装着ヘッド構成を表すデータおよび部品供給具の配置を表すデータを合わせて段取データと考えることもできる。前者の場合、装着ユニットの数に電子回路の数を掛けた数の段取データがあり、後者の場合、装着ユニットの数だけ段取データがあることとなる。
段取データは、電子回路を組み立てる仕事であるジョブを行うためのデータであり、段取データが複数の装着ユニットの各々における複数種類の電子回路の組立のための各データを含むと考える場合、段取データは複数ジョブ用データと称すべきものになる。
また、装着ユニットにおいて電子回路部品の回路基板への装着を実行するために必要なデータであって、装着される電子回路部品に関する情報,装着座標に関する情報および装着順序等に関する情報は、部品供給具の配置に関する情報と共に、複数の装着ユニットの各々において組み立てられる複数種類の電子回路のそれぞれについて必要な情報であり、本明細書においてはこの情報のデータを装着データと称することとする。
【発明の効果】
【0006】
複数の装着ユニットの各々における装着ヘッドの構成変更を許容すれば、装着ユニットの装着ヘッド構成を、電子回路の種類に応じて、より電子回路の組立に適した構成とすることができる。装着ユニットについて装着ヘッドの構成が決まれば、部品供給具を搭載可能な装着ユニットが決まるのであるが、段取データは装着作業開始に先立って作成され、複数種類の電子回路の組立について作成されるため、複数種類の電子回路の各組立のために決められた複数の装着ヘッド構成を考慮しつつ部品供給具の配置を決めることができ、部品供給具の搭載と取外しとの少なくとも一方の回数を可及的に少なくすることができる。例えば、1つの装着ユニットにおいて、複数種類の電子回路のうち、先の電子回路の組立作業に用いられる装着ヘッド構成が、後に組み立てられる電子回路を構成する電子回路部品の装着に不適切あるいは装着が不可能な構成であっても、後の電子回路の組立作業時には変更され、後に生産される電子回路を構成する電子回路部品の装着に適したあるいは装着が可能な構成となることが予めわかるため、後の電子回路生産のための電子回路部品を供給する部品供給具を、先の電子回路の生産時に予め搭載しておくことができ、その装着ユニットにおいては、後の電子回路組立時の段取替えが装着ヘッド構成の変更のみで済み、面倒な部品供給具の取外しおよび搭載を行わずに済む。
装着ヘッドの構成変更は、装着ヘッドの交換による場合にも、部品保持具の交換による場合にも、部品供給具の搭載作業および取外し作業に比較して容易であり、それらが自動的に行われる場合には特に容易であり、本発明に係る段取データ群作成方法により作成された段取データに従って段取替えを行えば、部品供給具の段取替え工数が少なくて済み、段取替えに要する時間が短縮され、電子回路部品装着システムの生産性が向上する効果が得られる。
なお、段取データを作成する場合、部品供給具を搭載する位置まで決めることは不可欠ではなく、複数の装着ユニットの各々について部品供給具の配分のみが決められてもよい。この場合、段取データのうち、部品供給具の配置を表すデータは配分を表すデータであることとなる。
【発明の態様】
【0007】
以下に、本願において特許請求が可能と認識されている発明(以下、「請求可能発明」という場合がある。請求可能発明は、少なくとも、請求の範囲に記載された発明である「本発明」ないし「本願発明」を含むが、本願発明の下位概念発明や、本願発明の上位概念あるいは別概念の発明を含むこともある。)の態様をいくつか例示し、それらについて説明する。各態様は請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、あくまでも請求可能発明の理解を容易にするためであり、請求可能発明を構成する構成要素の組み合わせを、以下の各項に記載されたものに限定する趣旨ではない。つまり、請求可能発明は、各項に付随する記載,実施例の記載等を参酌して解釈されるべきであり、その解釈に従う限りにおいて、各項の態様にさらに他の構成要素を付加した態様も、また、各項の態様から構成要素を削除した態様も、請求可能発明の一態様となり得るのである。
【0008】
なお、以下の各項において、(1)項が請求項1に相当し、(2)項が請求項2に、(3)項が請求項3に、(4)項が請求項4に、(7)項が請求項5に、(8)項が請求項6にそれぞれ相当する。
【0009】
(1)各々装着ヘッドの構成および複数の部品供給具の配置を変更可能な複数の装着ユニットを含む電子回路部品装着システムにより、複数種類の回路基板にそれぞれ複数の電子回路部品を装着して複数種類の電子回路を組み立て、生産するに際し、前記複数種類の電子回路の生産順序を含む生産計画に基づいて、少なくとも前記複数の装着ユニットの各々に対する装着ヘッドの構成を表すデータと複数の部品供給具の配置を表すデータとを含む段取データの、前記電子回路部品装着システムに対する群である段取データ群を作成する段取データ群作成方法であって、
前記複数種類の電子回路の組立作業開始に先立ち、それら複数種類の電子回路の組立作業開始後に、前記複数の装着ユニットの各々における装着ヘッドの構成変更を許容することを条件として、前記電子回路部品装着システムにおける前記部品供給具の搭載と取外しとの少なくとも一方の回数が可及的に少なくなる前記段取データ群を作成する段取データ群作成方法。
(2)前記段取データ群の作成が、
前記複数種類の電子回路の各々に対して、前記電子回路部品装着システムにおける電子回路の種類毎のスループットが可及的に大きくなる条件で決定された前記複数の装着ユニットにおける前記装着ヘッドの構成の、前記電子回路部品装着システムにおける組合わせであるヘッド構成組合わせをそれぞれ取得するヘッド構成組合わせ取得と、
取得された複数のヘッド構成組合わせの各々により装着可能であることを条件に、前記複数の装着ユニットの各々における前記複数の部品供給具の配置を、前記複数種類の電子回路の組立作業開始後に前記電子回路部品装着システムにおける前記部品供給具の搭載と取外しとの少なくとも一方の回数が可及的に少なくて済み、かつ、各装着ユニットにおける前記複数種類の電子回路の組立作業に要する時間が可及的に短くなる配置に決定することにより、前記複数の装着ユニットの各々に対する前記段取データを作成する第1案作成と
を含む(1)項に記載の段取データ群作成方法。
スループットは、例えば、電子回路部品装着システムにおいて単位時間当たりに装着し得る電子回路部品の数や、単位時間当たりに生産し得る回路基板の数により表される。
ヘッド構成組合わせは、例えば、複数種類の電子回路の各々に対する段取データ群であって、それら電子回路の種類毎のスループットが可及的に大きくなる条件で作成されたものに含まれるヘッド構成組合わせを取り出すことにより取得できる。その際、複数種類の電子回路の各々に対する段取データ群は、過去に作成されて格納されているものを読み出しても、新たに作成してもよい。いずれにしても、ヘッド構成組合わせを取得するために使用される上記段取データ群を、段取データ群の第1案と称することもでき、その場合には本項において「第1案」と称されているものは「第2案」と称すべきものとなり、後述の(7)項における「第2案」は「第3案」と称すべきものとなる。
装着ユニットにおける装着ヘッドの構成が決まれば、その装着ユニットにおいて装着可能な電子回路部品の種類が決まり、部品供給具の配置を決めることができる。この際、装着ヘッド構成が、スループットが可及的に大きくなる条件で決定されていれば、それに従って部品供給具の配置が決められることにより、大きいスループットを得ることが可能である。また、部品供給具の配置は、その搭載と取外しとの少なくとも一方の回数が可及的に少なくて済むように決められるため、段取替え時間の短縮により作業能率の向上を図ることができる。しかし、例えば、1つの装着ユニットに搭載される部品供給具が多くなったり、電子回路部品の供給数が多くなれば、その装着ユニットにおける電子回路の組立作業に要する時間が長くなり、電子回路部品装着システム全体としての装着サイクルタイムが長くなり、スループットが小さくなる。
それに対し、本項に記載の段取データ群作成方法によれば、部品供給具の配置は更に、装着ユニットにおける電子回路の組立作業に要する時間が可及的に短くなる配置に決定され、複数の装着ユニットの各々への部品供給具の配分が、各装着ユニットにおける電子回路の組立作業に要する時間が可及的に均等になるように行われるとともに、各装着ユニットにおける部品供給具の搭載位置が組立作業時間が可及的に短くなる位置に決められる。装着ユニットにおける複数種類の電子回路の組立作業に要する時間は、部品供給具と、部品供給具により供給される電子回路部品の回路基板における装着位置との距離が短いほど短くなるのであり、それを考慮して部品供給具の配置が決められ、スループットの向上が図られる。
本項に記載の段取データ群作成方法においては、「電子回路部品装着システムにおける部品供給具の搭載と取外しとの少なくとも一方の回数を可及的に少なくする」段取データの作成に、「各装着ユニットにおける複数種類の電子回路の組立作業に要する時間が可及的に短くなる」という条件が付けられるのであり、段取データ群は、その条件を満たす限りにおいて部品供給具の搭載と取外しとの少なくとも一方の回数が可及的に少ないデータであることとなる。
(3)前記第1案作成が、前記複数の部品供給具の各々が搭載されるべき装着ユニットを、前記ヘッド構成組合わせにより装着可能であることを条件に、前記複数種類の電子回路の組立作業開始後に前記部品供給具の搭載と取外しとの少なくとも一方の回数が可及的に少なくて済む装着ユニットに決定する搭載ユニット決定を含み、その搭載ユニット決定により搭載が決定された部品供給具の各装着ユニットにおける配置を、各装着ユニットにおける前記複数種類の電子回路の組立作業に要する時間が可及的に短くなる配置に決定することにより、前記第1案を作成するものである(2)項に記載の段取データ群作成方法。
装着ヘッド構成組合わせが得られても部品供給具を搭載する装着ユニットが一義的に決まらない場合、搭載ユニットを決定することが必要となる。例えば、部品供給具により供給される電子回路部品を装着可能な装着ヘッド構成を有する装着ユニットが複数ある場合、部品供給具をいずれの装着ユニットに搭載するかが決められ、各装着ユニットにおける部品供給具の配置が決められる。
(4)前記搭載ユニット決定が、前記複数種類の電子回路の各々に対するヘッド構成組合わせを含むヘッド構成組合わせ群により装着可能であることを条件に、前記複数の装着ユニットのうち各電子回路部品を供給する各部品供給具を搭載可能なすべての装着ユニットのリストを作成する搭載可能ユニット決定を含み、その搭載可能ユニット決定により決定された搭載可能な装着ユニットの数が少ない部品供給具から順に搭載ユニットを決定するとともに、その決定に際して、前記複数種類の電子回路の組立作業開始後に前記部品供給具の搭載と取外しとの少なくとも一方の回数が可及的に少なくて済む搭載ユニットに決定するものである(3)項に記載の段取データ群作成方法。
搭載可能な装着ユニットの数が少ない部品供給具の方が、多い部品供給具より、搭載される装着ユニットが限定されるため、先に搭載ユニットを決定することにより、複数種類の電子回路の組立作業開始後に部品供給具の搭載と取外しとの少なくとも一方の回数が可及的に少なくて済む装着ユニットを搭載ユニットに決定することが容易になる。
(5)前記搭載ユニット決定において、前記複数種類の電子回路のうち多くの種類の電子回路の組立作業用として搭載可能な装着ユニットを、少ない種類の電子回路の組立作業用として搭載可能な装着ユニットより優先して搭載ユニットに決定する(3)項または(4)項に記載の段取データ群作成方法。
同種の電子回路部品が複数種類の電子回路の組立においてそれぞれ回路基板に装着される場合、同じ装着ユニットにおいて供給されれば、電子回路の種類が変わる際に部品供給具の取外しおよび搭載が不要であり、多くの種類の電子回路の組立作業用として搭載可能な装着ユニットを優先的に搭載ユニットに決定すれば部品供給具の取外しおよび搭載が不要になる確率が高くなる。したがって本項の特徴によれば部品供給具の搭載と取外しとの少なくとも一方の回数が可及的に少ない段取データが得られる。
装着ユニットにおいて同種の電子回路部品が回路基板に装着される複数種類の電子回路の組立のためのヘッド構成は、全部同じでもよく、少なくとも一部が異なっていてもよい。実施例において説明するように、1種類の電子回路部品を装着可能なヘッド構成が複数ある場合、複数種類の電子回路の組立のためのヘッド構成が、複数のヘッド構成のいずれかであれば、互いに異なっていても、本項に記載の段取データ群作成方法の効果を得ることができる場合があるのである。
(6)前記搭載ユニット決定が、既に各装着ユニットに搭載されることが決定されている部品供給具により供給される電子回路部品を各装着ユニットにより装着するために必要な時間の和である積算装着所要時間が前記複数の装着ユニット間において可及的に均一になることを条件として行われる(3)項ないし(5)項のいずれかに記載の段取データ群作成方法。
例えば、ある種類の電子回路部品を供給する部品供給具を搭載可能な装着ユニットが複数存在する場合に、それら複数の装着ユニットのうちで、既に搭載されることが決定されている部品供給具により供給される電子回路部品の積算装着所要時間が小さい装着ユニットを積算装着所要時間が大きい装着ユニットより優先して、その部品供給具の搭載ユニットに決定される場合が一例であり、その場合、積算装着所要時間が最小である装着ユニットが搭載ユニットに決定されるのが原則であるが、他の条件との組合わせによっては積算装着所要時間が2番目,3番目等に小さい装着ユニットが搭載ユニットに決定される場合も、本項の一態様と考えることとする。
(7)前記段取データの群の作成が、さらに、前記第1案に基づいて前記複数種類の電子回路の各々の組立てを行うことを想定した場合に、前記複数の装着ユニットの各々における1枚の電子回路に対する所要時間が可及的に均一になるように、それら複数の装着ユニット間における前記複数の部品供給具の配分を変更して前記段取データ群の第2案を得る第2案作成を含む(2)項ないし(6)項のいずれかに記載の段取データ群作成方法。
複数の装着ユニットの各々における1枚の電子回路に対する所要時間にばらつきがあれば、所要時間が最も長い装着ユニットの装着サイクルタイムが、その電子回路を生産する場合の電子回路部品装着システム全体の装着サイクルタイムとなる。複数の装着ユニットが一斉に装着を開始した場合に、最後に電子回路部品の装着を終わる装着ユニットにおける装着サイクルタイムが電子回路部品装着システム全体の装着サイクルタイムを規定することになるのである。そのため、所要時間を可及的に均一化した方が電子回路部品装着システムの装着サイクルタイムを短縮し、スループットを大きくすることができる。
第1案も複数の装着ユニット間のサイクルタイムがほぼ均一になるように作成されるのが普通であるが、部品供給具の配置が、各装着ユニットにおける前記複数種類の電子回路の組立作業に要する時間が可及的に短くなる配置に決定された後の所要時間が不均一になることがあり、この不均一を可及的に小さくして第2案を作成すれば、電子回路部品装着システムの装着サイクルタイムを短縮し、スループットを大きくすることができる。
(8)前記複数種類の装着ヘッドのうちの1つ以上が複数種類の電子回路部品を装着可能なものであり、かつ、前記複数種類の装着ヘッドの2つ以上のものの2つずつの装着ヘッドの装着可能な電子回路部品の種類の範囲が互いに異なるが一部において互いに重なり合っており、前記ヘッド構成組合わせ取得と前記第1案作成との少なくとも一方が、1種類の電子回路部品が2種類の装着ヘッド構成により装着可能であることを利用するものである(2)項ないし(7)項のいずれかに記載の段取データ群作成方法。
「複数種類の装着ヘッドのうちの1つ以上が複数種類の電子回路部品を装着可能なものであり、かつ、複数種類の装着ヘッドの2つ以上のものの2つずつの装着ヘッドの装着可能な電子回路部品の種類の範囲が互いに異なるが一部において互いに重なり合う」には、複数種類の電子回路部品が装着可能な装着ヘッドは1つであり、その他の装着ヘッドが装着可能な電子回路部品の種類は1種類である態様が含まれる。この場合、装着可能な電子回路部品の種類が1種類である装着ヘッドにより装着される電子回路部品の種類と、装着可能な電子回路部品の種類が複数である装着ヘッドにより装着される複数種類の電子回路部品のうちの1つとが同じであれば、複数種類の電子回路部品を装着可能な装着ヘッドについては一部において重なり、1種類の電子回路部品を装着可能な装着ヘッドについては全部が重なり、「2つずつの装着ヘッドの装着可能な電子回路部品の種類の範囲が互いに異なるが一部において互いに重なり合う」特殊な場合であると考えるのである。
本項の段取データ群作成方法においては、実施例においてさらに具体的に説明するように、2つずつの装着ヘッドの装着可能範囲の重なり合いが、ヘッド構成組合わせ取得と前記第1案作成との少なくとも一方において利用される。
例えば、装着能率の高い装着ヘッドの種類が同じである電子回路部品が複数種類あり、それらのうち部品供給具の配分が、後に行われる電子回路の組立て用に決められる電子回路部品については、その電子回路部品にとって装着能率が最高である種類の装着ヘッドを有する装着ユニットに部品供給具を配分することが、部品供給具の脱着を行わない限り不可能である場合や、装着数が多い電子回路部品を供給する部品供給具であるため、同じ電子回路部品を供給する部品供給具を複数搭載することが望ましいのであるが、その電子回路部品が後に組み立てられる電子回路用であるため、先に組み立てられる電子回路用の別の電子回路部品であって、装着能率が最高である装着ヘッドの種類が同じである電子回路部品の配分により、所望の数の部品供給具全部を、装着能率が最高である装着ヘッドが割り当てられた装着ユニットに搭載することが、部品供給具の脱着を行わない限り不可能である場合等に有効なのである。
本項の特徴により、ヘッド構成組合わせ取得においては、例えば、ヘッド構成組合わせが取り得る組合わせの種類が増え、よりスループットの大きい組合わせが得られる可能性が高くなる。また、第1案作成においては、2種類の装着ヘッド構成により装着可能な電子回路部品について、それを供給する部品供給具を配置することができる装着ユニットが増え、部品供給具の搭載と取外しとの少なくとも一方の回数を可及的に少なくする配置が得られる可能性が高くなる。
(9)前記第1案が、各装着ヘッド構成が原則としてそれぞれ装着可能な複数種類の電子回路部品のうち最も能率よく装着作業を行い得る電子回路部品の装着に使用されるが、前記電子回路部品装着システムにおける前記部品供給具の搭載と取外しとの少なくとも一方の回数を可及的に少なくするために必要である場合に、前記最も能率よく装着可能な電子回路部品以外の電子回路部品の装着にも使用されるものとして作成される(8)項に記載の段取データ群作成方法。
電子回路部品装着システムにおける部品供給具の搭載と取外しとの少なくとも一方の回数を可及的に少なくするために必要である場合には必ず、装着ヘッド構成が、最も能率よく装着可能な電子回路部品以外の電子回路部品の装着にも使用される段取データ群が作成されるようにしてもよく、さらに、例えば、装着ヘッド構成が最適のものではなくなることによる所要時間の延長が部品供給具の取外しや搭載に要する時間に比較して短い等の他の付加的条件が満たされた場合に、最適ではない装着ヘッド構成が使用される段取データ群が作成されるようにしてもよい。上記他の付加的条件が満たされない場合には、例えば、部品供給具の取外しおよび搭載が行われることにより、最適な装着ヘッド構成が使用されるようにされる。
(10)(1)項ないし(9)項のいずれかに記載の方法をコンピュータによって実施するためのプログラムである段取データ群作成プログラム。
(11)(10)項の段取データ群作成プログラムがコンピュータにより読取可能に記録された記録媒体。
記録媒体は、例えば、ROMカセット等コンピュータに着脱可能な着脱式記録媒体,コンピュータに設けられた読取装置により読み取り可能な磁気テープ,磁気ディスク,光磁気ディスク,光ディスク等の読取式記録媒体とされる。
【実施例】
【0010】
以下、請求可能発明の実施例を、図を参照しつつ詳しく説明する。なお、請求可能発明は、下記実施例の他、上記〔発明の態様〕の項に記載された態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変更を施した態様で実施することができる。
【0011】
図1に、一実施例である段取データ群作成方法が実施される電子回路部品装着システムの1例が図示されている。本電子回路部品装着システムは、システムベース10上に直列に並べられた複数の装着ユニットとしての装着モジュール12を含み、これら装着モジュール12の各々において1枚の回路基板14への電子回路部品の装着が分担して行われる。本電子回路部品装着システムにおいて複数の装着モジュール12は水平面上に、直列に1列に並べられており、その並び方向をX軸方向と称する。
【0012】
複数の装着モジュール12はそれぞれ、互いに同一の構造を有し、図2に1つについて示すように、回路基板搬送部20,部品供給部22,回路基板保持部24,部品装着部26および装着制御装置28(図3参照)を備えてモジュール化された装置であり、システムベース10から容易に分離可能な構造とされ、各々入れ替えて配置することも可能である。回路基板搬送部20は、例えば、ベルトコンベヤを備え、回路基板14をX軸方向に平行な方向に搬送する。回路基板保持部24は回路基板搬送部20と共に設けられ、例えば、回路基板14の縁部をクランプするクランプ装置と、複数の支持ピンを含み、回路基板14を下方から支持する基板支持装置とを備えている。回路基板保持部が回路基板搬送部を含むと考えることもでき、回路基板搬送部が回路基板保持部を含むと考えることもできる。
【0013】
部品供給部22は、回路基板保持部24に対して、水平面内において基板搬送方向と直角な方向であるY軸方向の一方の側に設けられ、例えば、部品供給具の一種である部品供給フィーダとしてのテープフィーダ30を複数含む。テープフィーダ30は、部品保持テープに同種の電子回路部品を複数収容し、部品保持テープをテープ送り装置によって送ることにより電子回路部品を順次、部品供給箇所に位置決めし、供給する。テープフィーダ30は、ユニット本体としてのモジュール本体32に設けられたフィーダ支持台(図示省略)に着脱可能に取り付けられる。フィーダ支持台は、複数のフィーダ支持部を備えている。複数のフィーダ支持部はそれぞれ、例えば、スロットを有するものとされ、X軸方向に並んで設けられ、複数のテープフィーダ30はそれぞれ作業者によりフィーダ支持部に搭載,取外しされ、その配置が変更可能である。フィーダ支持台およびフィーダ支持部は、例えば、特開2006−86483号公報に記載のフィーダ支持台およびフィーダ支持部と同様に構成されており、図示および説明は省略する。
【0014】
部品装着部26は、装着ヘッド40および装着ヘッド移動装置42を含む。装着ヘッド移動装置42は、装着ヘッド40をX軸方向およびY軸方向に移動させ、回路基板保持部24に保持された回路基板14に平行な一平面であって水平面内の任意の位置へ移動させる。装着ヘッド40は保持具保持部たるノズル保持部を備え、電子回路部品を負圧により吸着し、保持する部品保持具としての吸着ノズル44を保持し、複数のテープフィーダ30の各々から供給される電子回路部品を保持して搬送し、回路基板14に装着する。装着ヘッド40には、保持可能な吸着ノズル44の数を異にする複数種類の装着ヘッドがあり、装着ヘッド移動装置42の可動部材に着脱可能に取り付けられる。装着モジュール12において装着ヘッド40の種類が変更可能であり、装着ヘッド40を可動部材に取付け,取外しする構成は、例えば、特開2004−221518公報に記載されており、図示および説明は省略する。本電子回路部品装着システムにおいて装着ヘッド40の取付け,取外しは、作業者により行われる。
【0015】
複数種類の装着ヘッド40はそれぞれ、少なくとも1つのノズル保持部を備え、各ノズル保持部において吸着ノズル44を着脱可能に保持する。吸着ノズル44を複数保持する装着ヘッド40は、それら複数の吸着ノズル44がそれぞれテープフィーダ30から電子回路部品を取り出し、それら電子回路部品をまとめて回路基板保持部24へ搬送し、回路基板14に順次装着することができる。そのため、保持し得る吸着ノズル44の数が多い装着ヘッド40ほど、同じ数の電子回路部品を装着するために部品供給部22と回路基板保持部24との間を往復する回数が少なくて済み、装着能率が高い。一方、保持し得る吸着ノズル44の数が少ない装着ヘッド40は、保持する吸着ノズル44の種類に制限が少なく、保持し得る吸着ノズル44の種類が多い。吸着ノズル44は、例えば、吸着管の直径,形状等により種類を異にし、電子回路部品の種類に応じて使い分けられ、保持し得る吸着ノズル44の数が少ない装着ヘッド40ほど、装着し得る電子回路部品の種類が多く、汎用性が高い。以下の説明においては、吸着ノズル44の保持数がそれぞれ12個,8個,4個,1個である4種類の装着ヘッド40が電子回路部品の装着に用いられるものとする。また、保持し得る吸着ノズル44の数によって装着ヘッド40を区別し、ノズル保持数がそれぞれ12個,8個,4個,1個である装着ヘッド40を装着ヘッドH12,H08,H04,H01と称する。これら4種類の装着ヘッド40はそれぞれ、複数種類の吸着ノズル44を選択的に保持することができるものとされている。特に、装着ヘッドH01は、全部の種類の吸着ノズル44を選択的に保持することができ、全部の種類の電子回路部品を回路基板14に装着することができる。また、各装着ヘッド40が保持し得る吸着ノズル44の種類は一部が重複し、さらに、一種類の吸着ノズル44は複数種類の電子回路部品を吸着することができ、一部の吸着ノズル44同士、例えば、吸着管の直径が近い複数種類の吸着ノズル44同士で、吸着し得る電子回路部品の種類が一部重複している。したがって、4種類の装着ヘッド40がそれぞれ装着し得る電子回路部品の種類は相当重複している。
【0016】
モジュール本体32にはまた、図2に示すように、部品供給部22と回路基板保持部24との間の部分に部品撮像システム50およびノズル収納装置52が設けられている。ノズル収納装置52は、詳細な図示および説明は省略するが、特開2004−311599公報に記載のノズル収納装置と同様に、作業者により交換可能に構成されている。また、ノズル収納装置52,ノズル保持部および吸着ノズル44は、ノズル保持部が保持した吸着ノズル44のノズル収納装置52への収納およびノズル収納装置52に収納された吸着ノズル44のノズル保持部による保持が自動的に行われるように構成されている。この構成は、特開2004−311599公報に記載されており、図示および説明を省略する。さらに、図示は省略するが、装着ヘッド40と共にマーク撮像システムが設けられている。
【0017】
前記装着制御装置28は、コンピュータを主体とするものであり、装着モジュール12を構成する各種アクチュエータを制御するとともに、図3に示すように、ホストコンピュータ60に接続されている。ホストコンピュータ60には、本電子回路部品装着システムを構成する全部の装着モジュール12の各装着制御装置28が接続されており、ホストコンピュータ60は、それら装着制御装置28との間においてデータ,情報等のやり取り等を行うとともに、全部の装着モジュール12を統括制御する。ホストコンピュータ60には、読取装置62が接続されている。読取装置62は、例えば、読取式の記録媒体64、例えば、光磁気ディスクに記録されたデータを読み取る装置とされる。
【0018】
以上のように構成された電子回路部品装着システムにより、複数種類の回路基板14にそれぞれ複数の電子回路部品が装着され、複数種類の電子回路が組み立てられ、生産される。電子回路の種類が異なれば、回路基板14に装着される電子回路部品の種類の少なくとも一部は異なるのが普通であり、複数の装着モジュール12においてそれぞれ、生産する電子回路の種類が変わる毎に、生産に不要な電子回路部品を供給するテープフィーダ30を取り外し、生産に必要な電子回路部品を供給するテープフィーダ30を搭載してもよいが、隣接するテープフィーダの間隔は広くなく、作業者によるテープフィーダ30のフィーダ支持台に対する搭載,取外し作業はあまり容易ではない。特に、本電子回路部品装着システムのように複数の装着モジュール12が直列に1列に並べられる場合、各装着モジュール12の幅ができるだけ小さくされて、所要設置スペースの節減が図られるとともに、回路基板14の搬送距離が短くされ、搬送時間の短縮によりスループットの向上が図られるのであるが、隣接するフィーダ支持部の間隔が狭く、テープフィーダ30の着脱作業がやり難い。そのため、段取替えが行われるとき、テープフィーダ30の搭載,取外しの数をできるだけ少なくし、段取替えに要する時間を短縮して生産性の向上を図ることが望ましい。
【0019】
また、本電子回路部品装着システムにおいては、装着モジュール12毎に装着ヘッド40の交換が可能であるため、電子回路の種類に応じて、より装着能率が高い装着ヘッド40によって電子回路部品の装着が行われるようにすることにより、スループットを大きくすることが可能である。さらに、前述のように、装着し得る電子回路部品の種類の一部が重複する複数種類の吸着ノズル44があり、1種類の電子回路部品を2種類の装着ヘッド40により装着可能であることもあり、その利用により、段取替え時におけるテープフィーダ30の搭載,取外しの数を少なくすることも可能である。
【0020】
そのため、複数種類の電子回路の組立作業開始に先立ち、電子回路の種類毎のスループットが可及的に大きくなり、かつ、複数種類の電子回路の組立開始後にテープフィーダ30の搭載回数および取外し回数が可及的に少なくて済み、各装着モジュール12における複数種類の電子回路の組立作業に要する時間が可及的に短くなるように、複数の装着モジュール12の各々に対する装着ヘッド40の種類を表すデータと、複数のテープフィーダ30の配置を表すデータとを含む段取データが作成され、それら段取データの電子回路部品装着システムに対する群である段取データ群が作成される。
【0021】
この段取データ群の作成を説明する。
段取データ群は、ホストコンピュータ60において、図4に示す段取データ群作成プログラムが実行されて作成される。段取データ群作成プログラムは、記録媒体64に記録されており、記録媒体64が読取装置62にセットされ、メインルーチンを含むプログラムデータが読み取られてホストコンピュータ60に入力され、RAMのプログラムメモリに記憶される。プログラムデータは、ホストコンピュータ60以外のコンピュータから供給されてもよく、ホストコンピュータ60において作成されてプログラムメモリに記憶させられていてもよい。
【0022】
段取データ群作成プログラムのステップ1(以後、S1と略記する。他のステップについても同じ。)において、複数種類の電子回路の生産順序を含む生産計画が読み出される。生産計画の1例を図5に示す。この生産計画は、第1〜第8の8台の装着モジュール12に、共同して1枚の回路基板14に対する電子回路部品の装着を行わせ、順次4種類の電子回路を組み立てるための計画である。JOBは電子回路を組み立てる仕事であり、JOBに付された番号は生産順序を表す。生産計画は、例えば、段取データ群作成プログラムと同様に記録媒体に記憶させられ、読取装置62による記録媒体のデータの読取りによりホストコンピュータ60のRAMに記憶させられる。生産計画は、オペレータによってホストコンピュータ60に入力されてもよく、ホストコンピュータ60以外のコンピュータから供給されてもよい。
【0023】
次いでS2が実行され、4種類のJOB毎に8台の装着モジュール12においてそれぞれ使用される装着ヘッド40の種類が決定され、4種類の電子回路の各々に対して、8台の装着モジュール12における装着ヘッド40の種類の組合わせが作成される。その場合、4種類のJOBの各々について順次装着ヘッド40の種類の組合わせが作成されるのであるが、現に組合わせが作成されているJOB、つまりその時点で着目されているJOBを着目JOBと称し、同様に、複数の装着モジュール12や電子回路部品のうち、その時点で着目されている装着モジュール12や電子回路部品をそれぞれ着目装着モジュール,着目電子回路部品と称することとする。
装着ヘッド40の種類の決定は、8台の装着モジュール12において採用可能な装着ヘッド40の組合わせの各々についてスループットを算出し、スループットが最大である組合わせを探すことにより行われる。装着ヘッド40の種類の組合わせの中には、装着すべき電子回路部品のすべては装着できないものもあり、スループットはすべての電子回路部品の装着が可能な組合わせについて算出される。
【0024】
スループットは、例えば、単位時間当たりにおける回路基板14の生産枚数により表され、生産枚数が多いほどスループットが大きく、装着モジュール12における1枚の回路基板14への電子回路部品の装着に要する時間(サイクルタイム)が短いほど大きくなる。そのため、例えば、8台の装着モジュール12の各々について、設定された装着ヘッド40の種類および配分された電子回路部品の数に基づいてサイクルタイムが算出されるとともに、8つのサイクルタイムのうちで最長のサイクルタイムが、その装着ヘッド40の組合わせにおけるスループットに対応する値(スループットを決める値)とされる。装着ヘッド40の種類に応じて、電子回路部品1個の装着に要する平均的な時間が予め設定され、サイクルタイムの算出に使用される。
【0025】
装着ヘッド40の種類の設定は、JOB1を例に取れば、図6に示すように、まず、電子回路部品1個の装着に要する時間である装着タクトは大きいが、すべての電子回路部品を装着し得る装着ヘッド40(装着ヘッドH01)を、全部の装着モジュール12に割り当ててスループットを算出し、順に装着タクトの小さい装着ヘッド40に変更することにより行われる。なお、最大ノズル保持数が小さい装着ヘッド40ほど装着タクトが大きい。また、装着ヘッドH01は、全部の種類の吸着ノズル44を選択的に保持することができ、JOB1〜4においてそれぞれ回路基板14に装着されるべき全部の種類の電子回路部品を装着することができるものである。そのため、まず、全部の装着モジュール12に装着ヘッドH01が割り当てられ、スループットが算出されるのである。
【0026】
次に、装着タクトが装着ヘッドH01の次に大きい装着ヘッドH04を装着モジュール12に割り当ててスループットが算出される。装着ヘッドH01と装着ヘッドH04とを組み合わせ、その場合のスループットが算出されるのであり、装着ヘッドH04の数を1つずつ増やし、各組合わせ毎にスループットが算出される。この場合、電子回路部品のうち、装着ヘッドH04による装着が可能な電子回路部品があれば、その電子回路部品を供給するテープフィーダ30は、装着ヘッドH04が割り当てられた装着モジュール12に配分され、装着ヘッドH04による装着が不可能な電子回路部品を供給するテープフィーダ30は、装着ヘッドH01が割り当てられた装着モジュール12に配分される。また、装着ヘッド40の種類が同じである複数の装着モジュール12については、電子回路部品の装着数ができる限り均等となるようにテープフィーダ30が配分される。装着モジュール12に割り当てられた装着ヘッド40の種類および数によっては、電子回路部品の装着が不可能な場合も生ずる。
【0027】
また、装着可能な電子回路部品の種類の範囲は互いに異なるが一部において互いに重なり合う2つずつの装着ヘッド40があり、1種類の電子回路部品が2種類の装着ヘッド40により装着可能であれば、それを利用して装着ヘッド40の組合わせが作られる。電子回路部品の装着が、それを装着可能な複数種類の装着ヘッド40のうち、最も能率が高い装着ヘッド40のみにより行われる装着ヘッド40の組合わせの他、装着能率が低い装着ヘッド40により装着が行われる装着ヘッド40の組合わせも作られるのである。
【0028】
そのため、例えば、装着ヘッドH08,H04により装着可能な電子回路部品Xがある場合、その電子回路部品Xが必ず装着能率が高い方の装着ヘッドH08により装着されなければならないとすれば、図7に示す装着ヘッド40の種類の組合わせでは装着ヘッドH08の数が不足し、テープフィーダ30の配分が不可能な組合わせとなるのであるが、装着ヘッドH04による電子回路部品Xの装着が許容されれば、電子回路部品Xを装着可能な装着モジュール12の数が増え、図7に示す装着ヘッド40の組合わせも電子回路部品Xを供給するテープフィーダ30の配分が可能な装着ヘッド組合わせとなり得る。装着ヘッド40の種類の組合わせの自由度が高くなるのである。図7に示す装着ヘッド40の種類の組合わせでは、電子回路部品Xの一部が、装着能率が低い装着ヘッドH04により装着されるが、装着サイクルタイムが長くなるとは限らない。例えば、図7に示す装着ヘッド40の種類の組合わせに対して、装着ヘッド40がH08である装着モジュール12の数を1つ増やして全部で3つとし、装着ヘッド40がH04である装着モジュール12の数を1つ減らして全部で1つとした装着ヘッド40の種類の組合わせでは、電子回路部品Xを供給する全部のテープフィーダ30を装着ヘッド40がH08である装着モジュール12に配分し、電子回路部品Xの全部を装着ヘッドH08により装着することができるが、装着ヘッド40がH04である装着モジュール12の数が減るため、装着ヘッド40がH04である装着モジュール12における電子回路部品の装着数が特に多くなることがあれば、その装着モジュール12の装着サイクルタイムが他の装着モジュール12より長くなって、電子回路部品装着システムのスループットが小さくなる。そのため、装着ヘッド40の種類の組合わせを図7に示す組合わせとし、電子回路部品Xの一部を装着ヘッド40がH04である装着モジュール12において装着することとした方が、8台の装着モジュール12の各装着サイクルタイムが均一化され、大きいスループットが得られる可能性があるのである。
【0029】
このように8台の装着モジュール12について組み合わせる装着ヘッド40の種類および数を順次変更し、装着可能な組合わせについてスループットが算出される。
JOB1の場合、すなわち着目JOBがJOB1である場合、装着ヘッド40が、第1〜第5装着モジュール12ではH12、第6装着モジュール12ではH04、第7,第8装着モジュール12ではH01である組合わせがスループットが最大の組合わせであったとする。JOB2,JOB3およびJOB4についてもJOB1と同様に、8台の装着モジュール12について組み合わせる装着ヘッド40の種類および数を順次変更し、最大のスループットが得られる組合わせが探される。4つのJOB1〜4の各々について得られる装着ヘッド40の種類(ヘッド構成)の組合わせたるヘッド種類組合わせの集合がヘッド種類組合わせ群であり、JOB1〜4について得られたヘッド種類組合わせ群が図8のものであったとする。
【0030】
JOB1〜4についてそれぞれ、スループットが最大である装着ヘッド40の種類の組合わせが得られた状態では、当然、各JOB毎に、第1〜第8装着モジュール12の各々において装着される電子回路部品の種類も決まっている。しかし、ここでは一旦、電子回路部品の種類の配分である部品配分情報はクリアされる。この配分は、テープフィーダ30の段取替えの工数を考慮した配分ではないからである。そのため、この時点では、第1〜第8装着モジュール12においてそれぞれ使用される装着ヘッド40の種類のみが決まった状態となる。
【0031】
次にS3が実行され、全JOB、すなわちJOB1〜4において装着される全部の種類の電子回路部品の各々について、それを供給するテープフィーダ30を搭載可能なすべての装着モジュール12が探され、搭載可能モジュールのリストが作成される。このリストは、電子回路部品が、S2において作成されたヘッド種類組合わせ群により装着可能であることを条件として作成される。
なお、S2までの説明は、各種の装着ヘッド40は複数種類の吸着ノズル44を保持可能であることを前提として行って来た。実際の電子回路部品装着システムがそのように構成されているからである。しかし、S3以降は単純化して理解を容易にするために、それぞれの種類の装着ヘッド40には1種類の吸着ノズル44のみが保持される場合を想定し、その1種類の吸着ノズル44により複数種類の電子回路部品を吸着可能であると仮定して説明を行う。
この単純化はそれほど不自然なものではない。電子回路部品装着システムにおける装着ヘッド40の組合わせが前述のようにして求められる場合には、各種の電子回路部品がそれぞれできる限り能率よく装着されるように各装着ヘッド40が決定されるため、実際に決定された装着ヘッド40の組合わせにおいては、装着ヘッドH08やH12によって装着可能である小形の電子回路部品が、吸着ヘッドH01によって装着されるように、装着ヘッド40の種類が決定されることはなく、せいぜいH04の装着ヘッド40によって装着されるように決定されるのみであり、それも例外的なことである。同様に、1種類の装着ヘッド40にはできる限り多種類の電子回路部品を装着し得る吸着ノズル44が装着されるため、それぞれの種類の装着ヘッド40に保持させられる吸着ノズル44の種類もほぼ1種類に決まって来る。したがって、例外的な場合を除けば、それぞれの種類の装着ヘッド40には1種類の吸着ノズル44のみが保持され、その1種類の吸着ノズル44により複数種類の電子回路部品が吸着されることとなるので、上記単純化の結果は多くの場合に実際の結果と一致するのであり、上記単純化は妥当であることになるのである。
【0032】
本電子回路部品装着システムにおいては、実際は、装着ヘッド40とノズル収納装置52との間において吸着ノズル44の交換が行われてもよく、装着ヘッド40の交換に合わせて作業者がノズル収納装置52を交換してもよいのであるが、上記仮定の下では、吸着ノズル44を複数保持する装着ヘッド40の各々において複数の吸着ノズル44の種類は同じであり、複数種類の装着ヘッド40はそれぞれ、1種類ずつの吸着ノズル44を保持した状態で装着モジュール12に取り付けられることになる。
【0033】
以下、上記単純化を前提とし、S3以降のリストの作成等を説明する。この単純化を前提とすれば、図5に示す生産計画におけるように、例えば、部品Aは、装着ヘッドH01およびH04により装着可能であることになる。また、部品AはJOB1〜3においてそれぞれ回路基板14に装着される部品であるため、図8から明らかなように、部品Aを供給するテープフィーダ30は、第5〜第8の4つの装着モジュール12に配分することができることになる。これら装着モジュール12は、JOB1〜3の少なくとも1つについて、電子回路部品の装着に装着ヘッドH04またはH01が使用されるからである。また、部品Bは、装着ヘッドH12により装着可能であり、JOB1〜3においてそれぞれ回路基板14に装着される電子回路部品であるため、部品Bを供給するテープフィーダ30は第1〜第5の5つの装着モジュール12に配分することができる。第1〜第5装着モジュール12においてはそれぞれ、JOB1〜3の少なくとも1つについて装着ヘッド40の種類がH12であるからである。
【0034】
このように搭載可能モジュールのリストの作成において、電子回路部品を装着可能な装着ヘッド40が複数種類あり、1種類の電子回路部品が複数種類の装着ヘッド40により装着可能であることが利用される場合、電子回路部品の装着能率が低い装着ヘッド40が割り当てられた装着モジュール12も搭載可能モジュールとされる。それにより、搭載可能モジュールの数が増え、また、1つの搭載可能モジュールにおいて、装着ヘッド40の種類が、搭載可能モジュールのリストが作成される各電子回路部品の装着が可能な種類であるJOBの数が増える。また、S3のリスト作成においては、一部のJOBについて使用される装着ヘッド40の種類が、搭載可能モジュールが探される着目電子回路部品を装着不可能な種類である装着モジュール12も、残りのJOBについて使用される装着ヘッド40がその着目電子回路部品を装着可能な種類であれば搭載可能モジュールとされ、その点においても搭載可能モジュールが増える。このリスト作成は、一部あるいは全JOB部品装着可能型のリスト作成である。このように複数種類の電子回路部品の各々について、それを装着可能な装着ヘッド40の種類に基づいて、電子回路部品を供給するテープフィーダ30を配分可能な装着モジュール12が探され、作成されたリストの一部を図9に示す。
【0035】
次にS4が実行され、電子回路部品の種類毎に、テープフィーダ30を搭載する装着モジュール12が決定される。この搭載モジュールの決定は、本実施例においては、生産順序と同様にJOB1から順に行われ、着目JOB、例えば、JOB1において回路基板14に装着される複数種類の電子回路部品は1種類ずつ順に、すなわち着目電子回路部品が順次8台の装着モジュール12のいずれかに割り当てられ、各着目電子回路部品を供給するテープフィーダ30を搭載する装着モジュール12が決められる。JOB毎に8台の装着モジュール12の各々について装着に使用される装着ヘッド40の種類は先に決められており、決められたヘッド種類組合わせに合わせてテープフィーダ30の配分が決められ、各電子回路部品が、装着ヘッド40の種類が各電子回路部品を装着可能な種類である装着モジュール12に割り当てられるのである。また、8台の装着モジュール12の各サイクルタイムができる限り均等になるように割当てが行われる。なお、1種類の電子回路部品の数が多く、その電子回路部品の装着に長時間を要し、それがために1つの装着モジュール12のサイクルタイムが他より長くなることがあり、それを回避するために1種類の電子回路部品を複数のテープフィーダ30から供給させ、それら複数のテープフィーダ30を複数の装着モジュール12に分けて割り当てることが行われることもある。
【0036】
電子回路部品の8台の装着モジュール12への割当ては、サイクルタイムを短くすることを最も優先させつつ、一連のJOBの開始後、テープフィーダ30の搭載および取外しの回数が可及的に少なくて済むように決められる。そのため、S3において作成されたリストが使用され、テープフィーダ30を搭載可能な装着モジュール12の数が少ない電子回路部品について優先してテープフィーダ30の搭載モジュール12が決められる。また、搭載可能な装着モジュール12が複数あり、それら装着モジュール12の各々について決められた装着ヘッド40の種類が異なる場合、原則として、装着能率の高い方の装着ヘッド40、すなわち吸着ノズル44の保持数が多い方の装着ヘッド40を有する装着モジュール12が搭載モジュール12に決められる(原則Aとする)。なお、複数種類の電子回路部品について、それらを供給するテープフィーダ30を搭載可能な装着モジュールの数が同じである場合には、予め定められた規則に従って搭載モジュールの決定順序が決められる。例えば、装着数の多い電子回路部品について先に搭載モジュールが決められ、複数のJOBにおいて回路基板14に装着される電子回路部品であれば、各JOBにおける回路基板14への装着数の和が多い電子回路部品が優先される。
【0037】
さらに、複数種類のJOBにおいて回路基板14に装着される電子回路部品については、それらJOBのそれぞれについて決められた装着ヘッド40の種類が同じであるJOBの数が多い装着モジュールが優先して搭載モジュールに決められる(原則Bとする)。JOBの種類が変わるとき、テープフィーダ30を配置する装着モジュール12を変えずに済み、テープフィーダ30の搭載および取外しの回数を可及的に少なくすることができるからである。この場合の装着ヘッド40の種類は、原則として、その電子回路部品を最も高い能率で装着可能な種類とされる。搭載モジュールの決定の初期段階、例えばJOB1については、各テープフィーダ30をいずれの装着モジュール12にも搭載できる場合が多いため、上記原則通りに搭載モジュールが決められることが多い。
【0038】
部品Aと部品Bとを例にとれば、部品Aの方がテープフィーダ30の搭載可能モジュール数が少ないため、部品Aについて先にテープフィーダ30を搭載する装着モジュール12が決定される。部品Aは、装着ヘッドH01およびH04により装着可能であり、第5〜第8装着モジュール12が搭載可能モジュールとして優先されるが、装着ヘッドH04の方が装着能率が高いため、JOB1〜3の少なくとも1つに装着ヘッドH04が割り当てられた装着モジュールである第5〜第7装着モジュール12が優先され、JOB1に着目すれば、装着ヘッドH04が割り当てられた装着モジュールである第6装着モジュール12が優先して搭載モジュールとされる(原則A)。また、部品AはJOB2,3においても回路基板14に装着されるため、JOB2,3においても装着ヘッド40が部品Aを装着できる種類のものであって、JOB1の場合と同様に装着能率が高いものである装着モジュール12が優先され、第6装着モジュール12が部品Aを供給するテープフィーダ30の搭載モジュール12に決定される(原則B)。部品Bは装着ヘッドH12により装着可能であって、JOB1〜3において回路基板14に装着されるため、第1〜第3装着モジュール12のいずれかが、部品Bを供給するテープフィーダ30の搭載モジュールに決定される。
【0039】
電子回路部品を供給するテープフィーダ30の搭載可能モジュールが複数あり、上記原則A,Bの通りに搭載モジュールを決められない場合には、複数の搭載可能モジュールのうち、原則にかなった搭載可能モジュール以外の搭載可能モジュールの中から搭載モジュールを決めることができる。原則にかなわない搭載可能モジュールが複数ある場合、予め定められた規則に従って搭載モジュールが決められる。例えば、部品Aの場合、原則にかなっている第6装着モジュール12が搭載モジュールに決められない場合には、第7,第5,第8装着モジュール12の順で搭載モジュールに決められるのであり、これは、装着能率優先型の搭載モジュール決定である。第7装着モジュール12は、JOB1に関して装着能率の高い装着ヘッドH04の代わりに装着能率の低い装着ヘッドH01を使用する必要がある以外は原則通りであるため、他の装着モジュール12に優先して搭載モジュールに決定される。また、第5装着モジュール12は、JOB2,3において装着ヘッドH04が使用されるが、第8装着モジュール12においてはJOB1〜3のいずれのJOBにおいても装着ヘッドH04が使用されないため、装着能率の高い装着ヘッドH04により電子回路部品の装着が行われる第5装着モジュール12が第8装着モジュール12に優先される。すなわち、ある電子回路部品について、その電子回路の組立に使用される装着ヘッド40の種類が同じであるJOBの数が同じであり、そのJOBの数が、予定されている生産計画においてその電子回路部品が回路基板14に装着される全JOBのうちの一部である搭載可能モジュールが複数ある場合、残りのJOBについて決められた装着ヘッド40の種類が、その電子回路部品を装着可能な別の種類である装着モジュール12が、電子回路部品を装着不可能な種類である装着モジュール12より優先して搭載モジュールとされるのである。
【0040】
上記のように、第5装着モジュール12が搭載モジュールに決められた場合、JOB1については、第6〜第8装着モジュール12のいずれかに部品Aを供給するテープフィーダ30が搭載される。その際、第6〜第8装着モジュール12のうち、装着ヘッド40がH04であって、装着能率が高い第6装着モジュール12が優先される。
【0041】
なお、段取替え工数の低減を優先して搭載モジュールが決められるようにしてもよい。その場合、着目JOBについて使用される装着ヘッド40の種類が着目電子回路部品を装着するために最も能率の良い種類ではなくても、その着目電子回路部品を装着可能な種類であるJOB数の多い装着モジュール12が、着目JOBについて使用される装着ヘッド40の種類が電子回路部品を装着不可能な種類である装着モジュール12より優先して搭載モジュールとされることがある。例えば、部品Aの場合、原則にかなっている第6装着モジュール12が搭載モジュールに決められない場合に、第7,第8,第5装着モジュール12の順で搭載モジュールが決められる。これは、段取替え工数低減優先型搭載モジュール決定である。リストの作成,使用により、テープフィーダ30の搭載モジュールの決定時に、電子回路部品の各々についてテープフィーダ30を搭載可能な装着モジュール12やその数が迅速にわかり、搭載モジュールの決定が容易である。複数のJOBにおいて回路基板14に装着される電子回路部品については、それら複数のJOBにわたって、その電子回路部品を供給するテープフィーダ30を搭載可能な装着モジュール12が探され、リストが作成されるため、そのようなテープフィーダ30についても搭載モジュールの決定が容易である。
【0042】
8台の装着モジュール12の各々において電子回路部品が1種類、割り当てられる毎に、その電子回路部品の装着に要するサイクルタイムが演算され、図10に示すように、装着モジュール12毎に加算され、積算装着所要時間が求められる。電子回路部品の種類毎のサイクルタイムは、前記S2のサイクルタイムと同様に、装着ヘッド40の種類毎に設定された電子回路部品1個の装着に要する平均的な時間に、割り当てられた1種類の電子回路部品の装着数を掛けることにより算出される。
【0043】
このように装着モジュール12の各々において電子回路部品の種類毎にサイクルタイムが算出され、加算されることにより、テープフィーダ30の搭載ユニットを決定する際、その決定時点における8台の装着モジュール12の各積算装着所要時間がわかる。そのため、例えば、搭載可能モジュールが複数ある場合、積算装着所要時間が短い搭載可能モジュールを搭載ユニットに決定することにより、8台の各装着モジュール12におけるサイクルタイムの均一化を図りつつ、電子回路部品の割当てを決定することができる。
【0044】
このようにしてJOB1について8台の装着モジュール12にそれぞれ電子回路部品が割り当てられ、全部の電子回路部品の割当てが終了し、各装着モジュール12において最後に割り当てられた電子回路部品の装着のためのサイクルタイムが算出され、積み上げられたならば、各装着モジュール12の最終の積算装着所要時間が比較される。この最終の積算装着所要時間は、装着モジュール12毎の、1枚の回路基板14に対する電子回路部品の装着に要するサイクルタイムである。そして、それらのばらつきが大きいのであれば、可及的に均一になるように各装着モジュール12間においてテープフィーダ30の配分が変更される。フィーダ配分の変更によるサイクルタイムの均一化の方法は公知であり、説明は省略する。
【0045】
次に、JOB2についてテープフィーダ30の搭載モジュール12が決定される。この際、JOB1において回路基板14に装着される電子回路部品と共通の電子回路部品があれば、その電子回路部品についてはJOB1において決定された搭載モジュール12が優先される。その他はJOB1の場合と同様に決定される。
【0046】
JOB3,4についてもJOB2と同様にテープフィーダ30を搭載する装着モジュール12が決められる。そして、JOB4において第6装着モジュール12の装着ヘッド40はH01であり、例えば、JOB4において装着される電子回路部品であって、装着ヘッドH01により装着可能な電子回路部品があり、その電子回路部品を供給するテープフィーダ30を、部品A等、JOB1〜3において回路基板14に装着される電子回路部品を供給するテープフィーダ30と共に第6装着モジュール12に搭載することができるのであれば、第6装着モジュール12が、そのJOB4において装着ヘッドH01により装着可能な電子回路部品を供給するテープフィーダ30の搭載モジュールに決定され、そのテープフィーダ30が部品A等を供給するテープフィーダ30と共に最初から第6装着モジュール12に搭載される。それにより、JOB3が終了し、JOB4を実行するための段取替えが行われるとき、第6装着モジュール12においてはテープフィーダ30の取外しおよび搭載が不要になる。このように決定されたテープフィーダ30の搭載モジュール12の例の一部を図11に示す。
【0047】
なお、「テープフィーダ30の交換なし」という条件の下で、全部の電子回路部品についてテープフィーダ30を配分できるとは限らない。4種類のJOB1〜4について、生産順にJOB1からテープフィーダ30を配分する装着モジュール12が決められるため、各装着モジュール12のサイクルタイムが短いことが優先されつつ、JOB間においてテープフィーダ30の搭載および取付けの回数が可及的に少なくなるように配分が決められる際、JOB1については、8台の装着モジュール12のいずれについても未だ多くのテープフィーダ30が配分されてはいない状態で搭載モジュールが決定され、自由度が高いのに対し、後のJOBについては、テープフィーダ30の搭載モジュールの決定時に、各装着モジュール12において既に相当のテープフィーダ30の配分が決められており、後のJOBになるほど配分の自由度が低くなるからである。その場合、サイクルタイムの短縮が最優先されるのであれば、生産される電子回路の種類が変わるときにテープフィーダ30の交換が必要になるとしても、電子回路部品を最も能率良く装着することができる装着ヘッド40を有する装着モジュール12が搭載モジュールに決められることになる。したがってこの場合には、組み立てられる電子回路の種類が変わる際に、テープフィーダ30を交換する段取替えが多くなる。
【0048】
それに対し、テープフィーダ30の搭載回数および取外し回数を可及的に少なくすることが優先されるのであれば、複数種類の装着ヘッド40により装着可能な電子回路部品については、装着能率が最高ではない装着ヘッド40が割り当てられた装着モジュール12をも対象として搭載モジュールが決められる。それにより、各テープフィーダ30の搭載対象である装着モジュール12が増え、例えば、後に行われるJOBに必要な電子回路部品を供給するテープフィーダ30を、JOB1の開始当初から装着モジュール12に搭載しておいたり、複数種類のJOBにおいて回路基板14に装着される電子回路部品を供給するテープフィーダ30を、それらJOBが行われる間、装着モジュール12に搭載したままにしたりして、段取替え工数を低減させることが可能となる。
【0049】
例えば、JOB4において回路基板14に装着される電子回路部品であって、装着ヘッドH04およびH01により装着可能な電子回路部品Yがある場合、装着ヘッド40がH04である第5装着モジュール12に、その電子回路部品Yを供給するテープフィーダ30を搭載するためには、JOB3の終了後、JOB4の実行のためにテープフィーダ30の交換が必要になる場合があるが、装着ヘッド40がH01である第6〜第8装着モジュール12に電子回路部品Yを供給するテープフィーダ30を搭載することを許容することとし、かつ、実際、他のJOB用に搭載されるテープフィーダ30との関係で、JOB1の開始当初から第6〜第8装着モジュール12の少なくとも1つに搭載が可能であれば、段取替えを行わずに済む。
【0050】
さらに具体的に説明すれば、複数種類の電子回路の組立においてそれぞれ回路基板14に装着される電子回路部品(仮に電子回路部品Zと称する)がある場合、搭載可能モジュールのリストに基づいて、搭載モジュールが原則通りに決められず、複数種類の電子回路の全部について組立に使用される装着ヘッド40の種類が装着能率が最も高いものである装着モジュール12を搭載モジュールとすることができない場合、例えば、使用される装着ヘッド40の種類が能率の低いものであるJOBを含む装着モジュール12が搭載モジュールに決定される。例えば、電子回路部品ZがJOB2〜4において回路基板14に装着され、装着ヘッドH12およびH08により装着可能な電子回路部品であるとすれば、図8に示すように、JOB2〜4について決められた装着ヘッド40がH12である第1装着モジュール12に電子回路部品Zを供給するテープフィーダ30を配分できれば、高い装着能率が得られるとともに、JOB2〜4において段取替えを行わずに済むが、テープフィーダ30の配分がJOB1について決められた後、JOB2について決められる時点では、電子回路部品Zを供給するテープフィーダ30を配分するには第1装着モジュール12が満杯であれば、第2〜第4装着モジュール12が搭載候補モジュールとなる。第2〜第4装着モジュール12はいずれも、JOB2〜4についてそれぞれ割り当てられた装着ヘッド40がH12またはH08であり、電子回路部品Zを供給するテープフィーダ30を第2〜第4装着モジュール12のいずれに配分しても、JOB2〜4が行われる間、段取替えが不要であるが、装着能率の高い装着ヘッドH12が割り当てられたJOB数が多い第2,第3装着モジュール12のいずれかが第4装着モジュール12より優先して搭載モジュール12に決定される。
【0051】
なお、搭載モジュール12の決定を原則通りに行うことができない場合でも、8台の装着モジュール12毎の積算装着所要時間が可及的に均一になることを考慮して割当てが決められる。
また、原則外の搭載モジュール12の決定は、場合によっては、JOB1についてテープフィーダ30の搭載モジュールを決定する場合にも適用可能である。例えば、JOB1の電子回路について作成された装着ヘッド40の種類の組合わせが、一部の電子回路部品については装着能率が低い装着ヘッド40により装着が行われる組合わせである場合もあり得、その場合には装着能率が最高ではない装着ヘッド40が割り当てられた装着モジュール12に配分されるテープフィーダ30が生じるのである。
【0052】
JOB1〜4についてそれぞれテープフィーダ30の配分が決められた後、S5が実行され、4つのJOBの各々について、8台の装着モジュール12の各々においてテープフィーダ30の搭載位置および電子回路部品の装着順序の最適化が行われる。装着モジュール12において装着に要するサイクルタイムが最も短くなり、スループットが最も大きくなるようにテープフィーダ30を搭載するフィーダ支持部および回路基板14への電子回路部品の装着順序が決められるのである。テープフィーダ30を搭載するフィーダ支持部を決めることにより、テープフィーダ30の装着モジュール12における搭載位置が決められ、配置が決められる。
以上の説明から明らかなように、S3,S4およびS5の実行が第1案の作成であり、そのうちS3およびS4の実行が搭載ユニット決定であり、S3の実行が搭載可能ユニット決定である。S5の実行による最適化の手法は既に知られており、詳細な説明は省略するが、前述のように、1つの装着モジュール12に、全部のJOBの開始当初から、後に行われるJOBにおいて電子回路部品を供給するテープフィーダ30が搭載される場合もあることを考慮して最適化が行われる。
【0053】
次いでS6が実行され、最終のバランス調整が行われる。上記最適化の結果、8台の装着モジュール12間でスループットにばらつきがあり、かつ、装着モジュール12間でスループットが均等になるようにバランスの調整が可能である場合に、最終バランス調整が行われるのである。この最終バランス調整の手法は公知であり、説明は省略するが、例えば、装着モジュール12間においてテープフィーダ30の配分を変更することにより行われる。配分の変更後、再度、最適化が行われ、8台の装着モジュール12の各スループットが比較される。
以上の説明から明らかなように、S6の実行が第2案の作成である。第2案の作成において最終バランス調整が行われる場合、第1案作成におけるテープフィーダ30の搭載モジュールの決定は仮決めと考えることができる。
【0054】
上記最終調整により、図12に一部を示すように、4つのJOB毎に8台の装着モジュール12の各々が実行する装着データが完成する。装着データは、電子回路の組立に必要な電子回路部品に関する情報,電子回路部品の装着座標に関する情報,装着順序に関する情報,電子回路部品の供給位置に関する情報等を含む。各装着モジュール12において装着データに従って電子回路部品の回路基板14への装着が行われる。電子回路部品の装着動作は、特開2004−104075公報等に記載されており、説明を省略する。
【0055】
以上のようにして複数種類の電子回路の各々について装着ヘッドの種類を表すデータおよびテープフィーダ30の配置を表すデータを含む段取データが作成されれば、組み立てられる電子回路の種類が変わり、段取替えが行われるとき、テープフィーダ30の搭載回数および取外し回数が可及的に少なくて済む。
仮に、装着モジュールが装着ヘッドの交換を行うことができないものであり、装着ヘッドの種類が決まっている場合に、JOB1〜4を行うための8台の装着モジュールの各々における装着ヘッドの種類が、図13に示すように決められたとする。この場合、例えば、JOB4において装着ヘッドH01により装着される電子回路部品の種類が多く、テープフィーダの数が多い場合、JOB1の電子回路の組み立てに必要な電子回路部品を供給するテープフィーダと共に第8装着モジュールに載せておくことができず、JOB3が終了し、JOB4が行われる際にテープフィーダの交換を行うことが必要となり、第8装着モジュールにおいてテープフィーダの段取替え工数が発生する。
【0056】
それに対し、本電子回路部品装着システムにおけるように、装着モジュール12において装着ヘッド40が交換可能であり、電子回路の種類毎にスループットが可及的に大きくなるように装着ヘッド40の種類の組合わせが決められるとともに、全部のJOB1〜4について予め電子回路部品のテープフィーダ30の搭載モジュールが決められるのであれば、段取替え工数を低減することができる。例えば、図8に示すように、JOB4について装着ヘッドがH01である装着モジュールは3つあり、JOB4において装着ヘッドH01により装着される電子回路部品を供給するテープフィーダ30は第6〜第8装着モジュールに搭載することができるため、その電子回路部品を第6〜第8装着モジュールに分散して搭載することにより、1つの装着モジュール12における搭載数が少なくて済み、JOB1の開始時から、JOB4以外のJOBに必要な電子回路部品を供給するテープフィーダ30と共に第6〜第8装着モジュールに搭載しておくことができる可能性が高くなり、JOB4が行われる際の段取替え工数が低減されるのである。
【0057】
複数種類の電子回路のうち多くの種類の電子回路の組立作業用として搭載可能な装着ユニットを、少ない種類の電子回路の組立作業用として搭載可能な装着ユニットより優先する搭載ユニットの決定は、図14に一部を示す複数種類のJOBについての各装着ヘッド種類組合わせにおいては、次のように行われる。例えば、装着ヘッドH08,H04により装着可能であって、JOB2〜4においてそれぞれ電子回路の組立に使用される電子回路部品Nがあり、この部品Nを供給するテープフィーダ30を搭載可能なモジュールとしてリストに載せられる装着モジュール12は、第(n−1)〜第(n+2)装着モジュール12であるとする。この場合、JOB2〜4のそれぞれについて割り当てられた装着ヘッド40がH08である第(n−1)装着モジュール12に搭載することができれば、段取替えを行わずに済むとともに、装着能率が最高である装着ヘッドH08により装着することができる。しかし、第(n−1)装着モジュール12について先に決められたテープフィーダ30の配分の都合により、電子回路部品Nを供給するテープフィーダ30を第(n−1)装着モジュール12に搭載することができないのであれば、第n〜第(n+2)装着モジュール12が搭載モジュールの候補(決定対象)モジュールとなる。これら候補モジュールのうち、着目JOBであるJOB2について割り当てられた装着ヘッド40が電子回路部品Nにとって装着能率が最高である装着ヘッドH08であり、装着ヘッドH08が割り当てられたJOBの数が多い第n装着モジュール12および第(n+1)装着モジュール12が、装着ヘッドH08が使用されるJOBの数が少ない第(n+2)装着モジュール12より優先して搭載モジュールに決定される。さらに、第n装着モジュール12の方が第(n+1)装着モジュール12より、使用される装着ヘッド40の種類が電子回路部品Nの装着が可能な種類であるJOBの数が多く、第n装着モジュール12が搭載モジュールに決定される。
【0058】
複数のJOBについてそれぞれ、スループットが最大である装着ヘッド構成の組合わせが取得された後、全部のJOBにおいて装着される全部の種類の電子回路部品の各々について、それを供給する各部品供給具を搭載可能なすべての装着ユニットのリストが作成されるとき、その電子回路部品が回路基板に装着されるJOBの全部について、装着ヘッド構成が、その電子回路部品を装着可能な装着ヘッド構成である装着ユニットを、部品供給具を搭載可能な装着ユニットとしてリストが作成されてもよい。このリスト作成は、全JOB部品装着可能型のリスト作成である。このリスト作成が行われる段取データ群作成プログラムは、前記段取データ群作成プログラムと同様に、種々の態様でホストコンピュータに供給される。
【0059】
例えば、4種類のJOB毎に8台の装着モジュール12においてそれぞれ使用される装着ヘッド40の種類が、図15に示すように決定されたとすれば、装着ヘッドH01およびH04により装着可能であり、JOB1〜3においてそれぞれ回路基板14に装着される部品Aについては第7および第8装着モジュール12が搭載可能モジュールとされる。このように搭載可能モジュールのリストが作成された場合、部品Aを供給するテープフィーダを搭載する装着モジュール12が決定されるとき、まず、JOB1〜3において使用される装着ヘッド40の種類が装着能率の高い装着ヘッドH04である第7装着モジュール12が1番目の候補とされ、JOB1〜3において使用される装着ヘッド40の種類が装着能率の低い装着ヘッドH01である第8装着モジュール12が2番目の候補とされる。
【0060】
このように搭載可能モジュールのリストが作成され、搭載モジュールが決定されれば、前述のように、ある電子回路部品が回路基板に装着される少なくとも1つのJOBの少なくとも1つについて、組立に使用される装着ヘッドの種類が、その電子回路部品を装着可能な種類である装着モジュールを搭載可能モジュールとしてリストが作成される場合のように、電子回路部品の装着が行われる複数のJOBの一部において使用される装着ヘッド40の種類が、その電子回路部品を装着不可能な種類である装着モジュールが搭載モジュールに決められることがなくなり、テープフィーダ30の段取替え工数の増加を回避することができる。リストが、前記図9に示すリストの作成と同様に作成され、搭載モジュールが前記装着能率優先型の搭載モジュール決定により決定されれば、例えば、上記部品Aの場合、JOB1について使用される装着ヘッド40の種類がH04である第6装着モジュール12も搭載可能モジュールとしてリストが作成され、第6装着モジュール12は、JOB1,3について割り当てられた装着ヘッド40の種類がH04であり、装着ヘッド40の種類が第8装着モジュール12より能率の高いものであるJOB(JOB1,3)を含むため、第7装着モジュール12を搭載モジュールに決定できない場合、第6装着モジュール12が搭載モジュールとされる。しかし、第6装着モジュール12のJOB2について割り当てられた装着ヘッド40はH08であり、部品Aを装着することができないため、JOB2については、第7あるいは第8装着モジュール12を搭載モジュールとしなければならず、テープフィーダ30の段取替えが必要となる。それに対し、第6装着モジュール12が搭載可能モジュールとされなければ、第7装着モジュール12を搭載モジュールに決定できない場合、第8装着モジュール12が搭載モジュールとされ、テープフィーダ30の段取替えが不要であり、段取替えの効率化を図ることができる。
【0061】
なお、第7装着モジュール12を、部品Aを供給するテープフィーダ30の搭載モジュールとすることができず、第8装着モジュール12を搭載モジュールとする場合、例えば、第8装着モジュール12のJOB3において部品Aを割り当てる際に、第8装着モジュール12のフィーダ支持部に空きがなければ、例外的に、リスト外の装着モジュール中において、JOB3について使用される装着ヘッド40の種類が部品Aを装着可能な種類であり、部品Aを搭載することができる装着モジュールが探される。この場合、JOB3について使用される装着ヘッド40の種類がH04である第6装着モジュール12が、JOB3については部品Aを供給するテープフィーダ30の搭載モジュールとされる。第7装着モジュール12のJOB3において部品Aを割り当てる際に、第7装着モジュール12のフィーダ支持部に空きがなく、第7装着モジュール12を搭載モジュールとすることができない場合、装着能率を高くすることを優先するのであれば、例外的にリスト外の装着モジュール中において搭載可能モジュールを探し、第6装着モジュール12に部品Aを割り当てるようにしてもよい。
【0062】
上記S3以降の説明においては、単純化のために、1種類の装着ヘッド40には1種類の吸着ノズルのみが保持可能と仮定したが、実際には、4種類の装着ヘッドがそれぞれ、本来の装着可能範囲で電子回路部品を装着し得るものとして段取データ群が作成される。この場合、装着ヘッドH01は全種類の吸着ノズルを選択的に保持し、装着ヘッドH04,H08,H12がそれぞれ保持する複数の吸着ノズル44の種類は、同じでもよく、異なっていてもよいものとして、段取データ群が作成される。
なお、上記仮定下の形態、すなわち、現実に1種類の装着ヘッド40は1種類の吸着ノズルのみを保持可能である電子回路部品装着ラインにおいても、本発明の実施例である段取データ群作成方法を実施し得る。
【0063】
さらに付言すれば、上記実施例において複数種類のJOBの各々について予め段取データが作成される際、生産順が先のJOBから部品供給具の配分が決められていたが、これは不可欠ではなく、例えば、生産順が後のJOBから部品供給具の配分が決められてもよい。
【0064】
また、装着ヘッド構成組合わせの取得および第1案の作成が、1種類の電子回路部品は1種類の装着ヘッドにより装着されるものとして行われてもよい。その場合、実際には、1種類の電子回路部品が複数種類の装着ヘッドにより装着可能であれば、それらのうち装着能率が最高である装着ヘッドにより装着されるものとして行われるようにすればよい。
【0065】
さらに、装着ヘッドは、自動的に交換されてもよい。例えば、未だ公開されていないが、本出願人に係る特願2005−75397の明細書および図面に記載されているように、装着ヘッドがヘッド保持部材により吸着によって保持されるように構成し、自動的に交換されるようにするのである。また、吸着ノズルの装着ヘッドに対する取付け,取外しが作業者により手動で行われてもよい。
【0066】
複数の装着ユニットが直列に並べられる場合、必ずしもすべての装着ユニットが1列に並べられている必要はない。例えば、一部において、複数の装着ユニットが並列に並べられ、それら並列の装着ユニットにより並行して装着作業が行われるようにしてもよいのである。1列の部分を複数列の部分に接続する場合には、例えば、振り分けコンベヤ等により回路基板が複数列に振り分けられるようにすればよく、逆の場合には合流コンベヤ等により回路基板が直列の部分に合流させられるようにすればよい。
また、複数の装着ユニットはモジュール化されていることは不可欠ではなく、部品供給部や部品装着部は装着モジュール12と同様に構成されるが、モジュール化されていない装着ユニットでもよく、あるいは、例えば、部品供給部や部品装着部の構造を異にする装着ユニットでもよい。例えば、部品供給部は、複数の部品供給具が移動装置により移動させられて順次部品供給位置に位置決めされ、電子回路部品を供給する構造とされ、部品装着部は、複数の部品保持具が回転体に設けられ、回転体が回転体回転装置によって回転させられることにより、順次、部品保持位置および部品装着位置等に移動させられる構造とされる。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】請求可能発明の一実施例である段取データ群作成方法により段取データ群が作成される電子回路部品装着システムの外観を示す斜視図である。
【図2】上記電子回路部品装着システムを構成する複数の装着モジュールの一部を示す斜視図である。
【図3】上記複数の装着モジュールの各々を制御する装着制御装置およびそれら装着モジュールを統括制御するホストコンピュータを概略的に示すブロック図である。
【図4】上記段取データ群を作成するための段取データ群作成プログラムを表すフローチャートである。
【図5】上記電子回路部品装着システムにおいて実行される生産計画の1例を示す図である。
【図6】上記生産計画に従って生産される電子回路の1つを組み立てるJOB1について、複数の装着モジュールの各々における装着ヘッドの種類の決定を説明する図である。
【図7】上記生産計画に従って生産される電子回路の1つを組み立てるJOB1について、1種類の電子回路部品を2種類の装着ヘッドにより装着可能であることの利用により、複数の装着モジュールの各々における装着ヘッドの種類を決定する場合を説明する図である。
【図8】上記生産計画に従って生産される複数種類の電子回路の各々について決定された複数の装着モジュールの各装着ヘッドの種類の組合わせを示す図である。
【図9】上記生産計画に従った複数種類の電子回路の生産において回路基板に装着される電子回路部品を供給するテープフィーダを配分可能な装着モジュールのリストの一部を示す図である。
【図10】上記JOB1において複数の装着モジュールの各装着ヘッドの種類およびテープフィーダの配分が決定された状態における各装着モジュールのサイクルタイムの算出を説明する図である。
【図11】上記生産計画に従った複数種類の電子回路の生産において回路基板に装着される電子回路部品を供給するテープフィーダが搭載される搭載モジュールの一部を示す図である。
【図12】上記電子回路部品装着システムにおいて実行される4つのJOBの各々について作成された装着データの一部を示す図である。
【図13】従来の方法により決められた複数の装着モジュールの各々の装着ヘッドの組合わせを示す図である。
【図14】別の生産計画に基づく装着ヘッド種類組合わせに対する搭載モジュールの決定を説明する図である。
【図15】別の生産計画に従って生産される複数種類の電子回路の各々について決定された複数の装着モジュールの各装着ヘッドの種類の組合わせを示す図である。
【符号の説明】
【0068】
12:装着モジュール 28:装着制御装置 30:テープフィーダ 40:装着ヘッド 60:ホストコンピュータ
【出願人】 【識別番号】000237271
【氏名又は名称】富士機械製造株式会社
【出願日】 平成18年6月22日(2006.6.22)
【代理人】 【識別番号】100079669
【弁理士】
【氏名又は名称】神戸 典和

【識別番号】100111394
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 光俊


【公開番号】 特開2008−4761(P2008−4761A)
【公開日】 平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願番号】 特願2006−172795(P2006−172795)