トップ :: H 電気 :: H05 他に分類されない電気技術




【発明の名称】 複数ユニット同時引出し防止機構および複数ユニット同時引出し防止装置
【発明者】 【氏名】中山 高也

【要約】 【課題】ラック転倒防止と、ラック転倒防止用のスタビライザーを不要又は小さなスタビライザーとすることのできる、複数ユニット同時引き出し防止機構および複数ユニット同時引き出し装置を提供する。

【構成】ラックにスライドレール等により摺動可能に支持されるユニットの側面に、4つの溝を有する側面板と、ユニットの高さとほぼ同じ長さで、回転および上下方向に摺動自在に支持され3つの突起を有するストッパーとを備え、このストッパーの突起とユニット側面板の溝とが嵌合することにより、複数のユニットを同時に引き出すことを阻止するように構成した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラックに引出し可能に支持されたユニットに、複数の溝を有する側面板と、ユニットの高さとほぼ同じ長さで、回転および上下方向に摺動自在に支持され、複数の突起を有するストッパーを備え、前記側面板の溝と前記ストッパーとの嵌合状態に応じ、複数のユニットの同時引出しを阻止するユニット同時引出し防止機構。
【請求項2】
ラックに垂直方向に多段積み状態に、且つ水平方向に引出し可能に支持された複数のユニットと、
前記ユニットの側面にリング状カナグで、回転および上下方向に摺動可能に支持され、ラックに搭載されているユニットと同数、多段積み状態でユニットの側面に設けられ、円柱状の軸を有する単体ストッパーからなる複数のストッパーと、
前記ユニットの側面に設けられ、複数の溝を有する側面板と
を有し、
前記単体のストッパーは、
同一高さ位置に相互にほぼ直角方向に、且つストッパー軸面に対して水平面方向に伸びる2つの突起A、Cと、前記突起の上位の、ユニットの高さとほぼ同じ寸法の位置に、1つの突起Bとを有するものであり、
前記側面板には、ユニットの引出し方向に沿って連続した鉛直部と水平部と傾斜部からなる溝Aと、前記突起の径と嵌合する半円状の溝Bと、
側面板の上部のラック後面の位置と、側面板の下部のラック前面の位置とに、それぞれ設けられた引出し方向に長い長方形状の溝C、Dと、
が設けられ、
前記ユニットを引き出す動作と連動して、ストッパーの突起Aが前記溝Aの傾斜方向に沿って移動/上昇することに伴い、軸が回転/上昇して、該ユニットより上部に搭載されているユニットの溝Aの垂直部分に嵌合して引き出しを阻止するように働くと共に、該ユニットに対応する突起Cが溝Cの位置にくることにより、該ユニットはさらに引出し可能となり、
複数のユニットを同時に引き出そうとした場合の上部のユニットでは、ストッパーの突起Bが前記溝Bに入り込むことにより、それ以上の引出しが阻止され、
既に引き出されたユニットの下部のユニットを引き出そうとした場合には、突起Cが側面板の溝のない部分に当たりストッパーが回転できないため、それ以上の引出しが阻止される、
ことを特徴とする複数ユニット同時引出し防止装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスクアレイ装置をはじめとする、装置内にスライドレール等により引き出すユニットを有する電子機器装置に係わり、ユニットを複数個同時に引き出せないような構造に関する。
【背景技術】
【0002】
ラック構造の電子装置においては、ラックに複数の電子機器のユニットを搭載し、保守その他の利便性から、スライドレール等により各ユニットを引き出せる構造が一般的である。図1は、このようなラック構造の一般的電子装置の外観図である。図1において、1はラック、2はユニット、3はスタビライザー、4はスライドレールである。図1(a)はラック構造の電子装置の外観図、図1(b)は、ラック1に搭載されているユニット2をスライドレール4により手前に引き出した状態を示す外観図であり、転倒を防止するためのスタビライザー3が床面に接する形で最下部に設けられている。図1(c)は、複数のユニット2を同時に引き出した場合に転倒の恐れが生じることを示す外観図であり、特に上部の複数ユニット2を同時に引き出した場合には、かなり大きなスタビライザー3を設けても不安定となり、わずかな衝撃でも転倒しかねない。
【0003】
そこで、各ユニット2を引き出した場合に、ラック1自体が転倒することを防止するために、従来のストッパー構造でも、一つずつ引き出し他のユニット2を引き出せない構造をとっている。例えば、特許文献1では、ユニットの側面に設けたスリットにロックピンを係合させて、ロックピン付きの軸の上下動でロックする構造が開示されている。
【0004】
しかし、この特許文献1では、全く同時に複数個を引き出そうとした場合には、該複数のスリットにおいて、傾斜部から水平部にスライドすることが可能であるため、複数ユニットの引出し防止が働かない構造であり、複数個を全く同時に引き出そうとした場合でも有効なストッパー構造のものはなかった。
【特許文献1】実開昭58−049477号公報(第1−2頁、第1−5図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明はラック転倒防止を意図として、ラックに搭載されたユニットを複数個同時には引き出せないような構造にし、併せてラック転倒防止用のスタビライザーを不要又は小さなスタビライザーとする構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によるラック転倒防止構造では、ラックにスライドレール等により摺動可能に支持されるユニットの側面に、4つの溝を有する側面板と、ユニットの高さとほぼ同じ長さで、回転および上下方向に摺動自在に支持され3つの突起を有するストッパーとを備え、このストッパーの突起とユニット側面板の溝とが嵌合することにより、複数のユニットを同時に引き出すことを阻止するように構成する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によるラック転倒防止構造では、簡単なストッパー構造で複数のユニットを同時に引き出すことを阻止できるので、ユニット引出し時のラック転倒の懸念は無用であり、また小さなスタビラーザーで十分であるため、設置面積も少なくてすむ。更に、ストッパーが壊れた場合、該当部分のストッパー単体だけを交換すればよく、修理が簡単である、といった効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
ラックの転倒防止のためラックに搭載されたユニットを複数個同時には引き出せない構造にするという目的を、ユニットの側面に設けた3つの突起を有する回転可能なストッパーと側面板に設けた4つの溝との組合せにより、同時引出しを阻止する構造を実現した。
(実施例)
図2は本発明の1実施例のユニット斜視図であり、スライドレール4とストッパー構造を側面に設けた、4個の引き出し可能ユニット2の外観を示すものである。図3は本発明の1実施例のユニット収納状態を示す側面図であり、例として2個のユニット2をラック1に搭載して収納し、引き出していない状態を示すもので、図2、図3において5はストッパー、6は側面板、7〜9はそれぞれストッパー5に設けられた突起A,B,Cで、10はストッパー5の軸である。
【0009】
次に図4、図5によりストッパー5の構造を説明する。図4は本発明の複数のストッパーの外観図、図5はストッパー単体の外観図である。図5において、11はストッパーの軸10を担持するリング状の支持カナグ、12はストッパー5の上下の面である。突起A−7、突起B−8は、軸10に対してほぼ同じ角度位置に設けられ、突起C−9は突起A−7に対して、ほぼ90度の角度の位置に設けられている。このような7〜11の部材から構成されるストッパー5単体が、ラック1に搭載されるユニット数と同数、組み合わされて、図4に示す複数のストッパーとなっており、各ストッパー単体はリング状の上下2個の支持カナグ11により、後述するユニットの側面部に取り付けられ、且つ、各ストッパーは上下の面12により他の上下のストッパーと単純に重ね合わされている状態で、回転及び上下方向に摺動自在に支持されている。
【0010】
次にユニット側の構造詳細を図6、図7により説明する。図6は本発明のユニット詳細の斜視図、図7は本発明のユニット詳細の側面図である。図6、図7において、13はユニット2のスライドレール4の下部の側面板6に設けられた溝A、14は側面板6に設けられた溝B、15は側面板6の上部のラック奥方向に設けられた溝C、16は6の下部のラック手前方向に設けられた溝Dである。また、溝A−13の左右の最上位の位置はほぼ同じ高さであり、また同図の溝A−13の右側の最下点を17とし、溝A−13の左側上部のほぼ同じ高さの側面板6の溝のない側面部分を18とする。図1〜図7、及び以下の図面において、同一部品には同一符号を付し、説明は省略する。
【0011】
このようなストッパー構造とユニットに設けられた溝の構造により、図8の1個のユニットを引き出した状態1の説明図、及び図9の1個のユニットを引き出した状態2の説明図により、他のユニットの引き出しができなくなる仕組みを説明する。図8(a)では、例として4個のユニットの下から2番目のユニットを引き出した場合の斜視図であり、ストッパーと溝の関係を示す拡大図を左側の図8(b)の円で囲った部分に示す。図8において、ストッパーの突起A−7はユニットを引き出さない状態では、図6、図7の溝A−13の右側の最下点17の位置にあり、引き出されたユニットにおいては、突起Aがユニットの溝に沿って最下点17から左側の上方向に移動することにより、該ストッパーが上方向に移動する。このため、該ユニットより上部に搭載されているユニットにおいて、突起A−7が、それぞれのユニットの溝Aの17の位置から、そのまま真上に押し上げられるため、突起A−7と溝A−13が嵌合状態になってストッパーとして機能するため、該ユニットの上部に搭載されているユニット2は全て、引き出せなくなる構造となっている。
【0012】
図8の状態から、さらに該ユニットを引き出した場合、図9の1個のユニットを引き出した状態2の説明図に示すように、ユニットの引き出しに伴ってストッパーA−7が約90度右回転し、軸10が右回転しながらストッパーC−9は溝C−15の位置に入るが、その左側にはストッパーC−9と当接する構造はないため、さらにユニット2を引き出すことができる。
【0013】
図10は、本発明の並んだ2個のユニットを同時に引き出した状態の説明図であり、同図において下位の2個のユニットを引き出そうとする場合、それより上部に搭載されているユニットは先に説明した通り、突起A−7が溝A−13に入り込んだため、引き出すことができない。次に最下位のユニットを引き出そうとして、溝A−13と突起A−7の嵌合により、最下位に対応するストッパーの軸は持ち上げられ、その上位のユニットもほぼ同時に引き出されているため、最下位のストッパーの突起B−8が、その上位のユニットの側面板の溝B−14に入り込むことにより、これ以上引き出すことができなくなる。また、同時にこのために軸10もこれ以上回転できないため、同一ストッパーに属する突起A−7により最下位のユニットもこれ以上引き出すことができなくなり、2つのユニットをほぼ同時に引き出そうとしても、わずかに引き出されるだけでそれ以上引き出されることはない。溝B−14の幅を大きめにすれば、完全に同時ではなく、ほぼ同時であっても同じように機能させることができる。また、すでに説明した通り、それより上部に搭載されているユニットは、突起A−7が溝A−13に入り込んだため、引き出すことはできない。
【0014】
図11、図12は、離れた2個のユニットを同時に引き出した状態を説明するものである。図11の離れた2個のユニットを同時に引き出した状態1の説明図では、最下位と下から3番目のお互いに離れたユニットをほぼ同時に引き出そうとした場合、引き出していない2番目、4番目のユニットは、溝A−13に突起A−7が入りこんで引き出すことが出来ないのは図10の説明と同様である。ほぼ同時に引き出そうとした3番目のユニットは溝B−14に突起B−8が入りこんでそれ以上引き出すことはできないが、図12の離れた2個のユニットを同時に引き出した状態2の説明図に示すように、最下位のユニットはさらに引き出すと、ストッパー軸10が回転して溝C−15の位置に突起C−9がくるため、図示していないがスライドレール4のストップ機能等による所定の位置まで、さらに引き出すことができる。
【0015】
図13は上の1個のユニットがすでに引き出された状態で、下の別のユニットを引き出すケースである。上のユニットが引き出されているため、突起Bは側面板の下面に当たるため、下位のユニットではこれ以上ストッパーが上に行かない。そこで、下位のユニット、同図では下から2番目のユニット、を引き出そうとした場合、突起Aは上がることができず、このため、突起C−9が側面板6の溝のない側面部18に当たり、ストッパーが回転できず突起A−7と突起C−9が側面板6に対してロック状態として働くため、ユニット2を引き出すことができない。
【0016】
図14は本発明のストッパー交換の説明図であり、本発明ではストッパー5が壊れた場合でも、複数のストッパーは単体のストッパー毎に分かれているため、全体を交換する必要が無い。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】ラック構造の一般的電子装置の外観図
【図2】本発明の1実施例のユニット斜視図
【図3】本発明の1実施例のユニット収納状態を示す側面図
【図4】本発明の複数のストッパーの外観図
【図5】本発明のストッパー単体の外観図
【図6】本発明のユニット詳細の斜視図
【図7】本発明のユニット詳細の側面図
【図8】本発明の1個のユニットを引き出した状態1の説明図
【図9】本発明の1個のユニットを引き出した状態2の説明図
【図10】本発明の並んだ2個のユニットを同時に引き出した状態の説明図
【図11】本発明の離れた2個のユニットを同時に引き出した状態1の説明図
【図12】本発明の離れた2個のユニットを同時に引き出した状態2の説明図
【図13】本発明の上の1個のユニットが既に引き出された状態で、下の別のユニットを引き出すケース
【図14】本発明のストッパー交換の説明図
【符号の説明】
【0018】
1 ラック
2 ユニット
3 スタビライザー
4 スライドレール
5 ストッパー
6 側面板
7 突起A
8 突起B
9 突起C
10 軸
11 リング
12 ストッパーの上下の面
13 溝A
14 溝B
15 溝C
16 溝D
17 最下点
18 溝のない側面部
【出願人】 【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
【出願日】 平成18年6月21日(2006.6.21)
【代理人】 【識別番号】100108187
【弁理士】
【氏名又は名称】横山 淳一


【公開番号】 特開2008−4709(P2008−4709A)
【公開日】 平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願番号】 特願2006−171929(P2006−171929)