トップ :: H 電気 :: H05 他に分類されない電気技術




【発明の名称】 誘導加熱調理器
【発明者】 【氏名】関根 加津典

【氏名】須永 隆司

【氏名】文屋 潤

【氏名】西 健一郎

【氏名】櫻井 治夫

【氏名】川村 武志

【氏名】茂呂 政行

【要約】 【課題】本体背面側から吸気を行うことによる不都合を解消し、吸気側と排気側とで空気の流れの短絡がなく、冷却効率の良い、しかも設置性の良い誘導加熱調理器を提供する。

【構成】本体1内部を冷却する冷却風の吸気口2を本体背面側に有し、前記冷却風の排気口5を本体1上面に有する誘導加熱調理器であって、前記吸気口2を有する吸気口面3が本体背面を本体1の幅全体にわたってほぼ一様に窪ませた構成とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体内部を冷却する冷却風の吸気口を本体背面側に有し、前記冷却風の排気口を本体上面に有する誘導加熱調理器であって、
前記吸気口を有する吸気口面が本体背面を本体の幅全体にわたってほぼ一様に窪ませて構成されていることを特徴とする誘導加熱調理器。
【請求項2】
前記本体背面は、上部背面とこの上部背面より窪んだ位置にある下部背面とを有し、前記吸気口面は少なくとも前記下部背面として構成され、前記上部背面と前記下部背面とが傾斜面で接続されていることを特徴とする請求項1記載の誘導加熱調理器。
【請求項3】
前記傾斜面にも吸気口を設けたことを特徴とする請求項2記載の誘導加熱調理器。
【請求項4】
前記傾斜面の内側が本体内部を冷却する冷却風路の一部となっていることを特徴とする請求項2または3記載の誘導加熱調理器。
【請求項5】
前記本体背面は電源コードの屈曲半径よりも大きな窪み部を有し、前記窪み部の内側に前記電源コードの導出口を設けたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の誘導加熱調理器。
【請求項6】
前記電源コードの導出口を前記窪み部の傾斜面に設けたことを特徴とする請求項5記載の誘導加熱調理器。
【請求項7】
前記本体背面は、本体に対して着脱可能な背面プレートで構成され、前記背面プレートの固定を、上部は後方側へ突出部のないフラットな取付構造とし、下部の窪み部は締着構造とすることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の誘導加熱調理器。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、キッチン組み込み型またはキッチン据え置き型として使用される誘導加熱調理器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の誘導加熱調理器として、本体の上面後部に吸気口と排気口を設け、本体内部には吸気専用ファンと排気専用ファンを設け、吸気口より吸引した冷却風により加熱コイルや加熱コイルを駆動する制御基板等を冷却するものがあった(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開平11−354264号公報(第2−3頁、図1、図6)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記のような冷却構造では、吸気口と排気口とが同一の本体上面に設けられているため、吸気側と排気側とで空気の流れが短絡する可能性があり、本体内部の冷却が低下するおそれがあった。また、最近の誘導加熱調理器は一段と高出力化が図られる傾向にあり、それに伴い発熱量も増加する。その対策として冷却ファンの大型化や個数の増加はスペースの問題やコスト面での問題等があり、限界がある。したがって、可能な限り冷却ファンを大型化することなく、またファン設置数を増やすことなく、効率の良い冷却構造とすることが望まれる。
本発明は、本体背面側から吸気を行うものであり、このような冷却構造に関する特許文献等は見当たらなかった。しかし、本体背面側から吸気を行うようにすると、誘導加熱調理器をキッチンの壁面に密接した場合に吸気を行いにくいという問題があり、また壁面との隙間にごみなどが入るという問題があった。
【0005】
本発明は、上記のような課題に鑑み、本体背面側から吸気を行うことによる不都合を解消し、吸気側と排気側とで空気の流れの短絡がなく、冷却効率の良い、しかも設置性の良い誘導加熱調理器を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するため、本発明に係る誘導加熱調理器は、本体内部を冷却する冷却風の吸気口を本体背面側に有し、前記冷却風の排気口を本体上面に有する誘導加熱調理器であって、前記吸気口を有する吸気口面が本体背面を本体の幅全体にわたってほぼ一様に窪ませて構成されていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0007】
このように構成することにより、吸気口と排気口とは同一面になく異なる面にあるため、吸気側と排気側とで空気の流れが短絡するようなことは生じない。また、吸気口を有する吸気口面が本体背面を本体の幅全体にわたってほぼ一様に窪ませて構成されているので、キッチン側の壁面に誘導加熱調理器を密接させても吸気を確保できる。したがって、本発明によれば、誘導加熱調理器の冷却効率が向上し、かつ設置性が良いという効果がある。また、誘導加熱調理器の高出力化にも十分に対応できるものとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
実施の形態1.
図1、図2は本発明の実施の形態1におけるキッチン据え置き型の誘導加熱調理器を示すもので、図1はその誘導加熱調理器の概略斜視図、図2は概略側面図である。
【0009】
この誘導加熱調理器は、箱型に形成された本体1と、本体背面側に設けられた、本体1の内部を冷却する冷却風の吸気口2と、本体上面の後部に設けられた冷却風の排気口5と、本体内部に設けられた冷却ファン6とを備え、さらにトッププレート(図示せず)上に載置された被調理用鍋(図示せず)を誘導加熱で加熱するとともに、冷却ファン6からの冷却風により冷却される複数の加熱コイル7と加熱コイル7を駆動する制御基板(図示せず)等を備えている。なお、トッププレートを固定支持する本体1の上面プレート11は取り外し可能に構成されている。
【0010】
本体1の背面は本体1の幅全体にわたってほぼ一様に窪ませた形状に形成されており、その窪み部8に冷却風を取り入れる吸気口2が設けられている。
この窪み部8を形成する本体1の背面は、上部背面13aと、上部背面13aより窪んだ位置にある下部背面13bと、これら上部背面13aと下部背面13bとを接続する連結面13cとから構成されており、上記吸気口2を有する吸気口面3は下部背面13bとして構成されている。図中、21は加熱コイル7及び魚焼きなどに使用するグリル部22の加熱具合を調節する操作パネルである。
【0011】
次に、この誘導加熱調理器による調理時の冷却作用について説明する。冷却風は、冷却ファン6を回転させることによって吸気口2から本体内部に取り込まれる。本体内部に取り込まれた冷却風は、図1に矢印で示すように流れて、制御基板(図示せず)を冷却し、また加熱コイル7の組立体を支持するコイルユニット支持プレート(図示せず)に設けられた吹出口17よりコイルユニット支持プレートと上面プレート11との間に吹き出し、両プレート間の隙間を通って複数の加熱コイル7を冷却したのち、上面プレート11に設けられた排気口5より外部へ排出される。
【0012】
本実施の形態1によれば、吸気口2を有する吸気口面3が本体背面を本体1の幅全体にわたってほぼ一様に窪ませて構成されているので、窪み部8が空気の導入路となり、冷却風は本体1の側方から吸気口2へ取り込まれる。したがって、図2に示すように、キッチンの流し台100や壁面101に密接させて誘導加熱調理器を設置した場合でも吸気口2が塞がれることなく吸気を行うことができる。また、排気口5は本体1の上面に設けられているので、吸気口2と排気口5とは同一面ではなく異なる面に設けてあるため、空気の流れが吸気側と排気側とで短絡するようなことは生じない。したがって、誘導加熱調理器の冷却効率が向上するという効果がある。誘導加熱調理器の高出力化にも十分に対応することが可能である。
また、誘導加熱調理器を隙間をあけずに壁面等に密接して設置することで、設置性がよく、隙間にごみなどが入らず設置できるという利点がある。
【0013】
実施の形態2.
次に、本発明をキッチン組み込み型の誘導加熱調理器として適用した場合を示す。図3は実施の形態2における誘導加熱調理器の概略斜視図で、図4はその設置状態を示す概略側面図である。
本実施の形態2の誘導加熱調理器は、流し台100の取付穴102に挿入して本体1を保持するための天板20を設けた点、及び本体1の背面における前記連結面13cを傾斜面とした点以外は前述の実施の形態1と同じである。したがって、同一の構成要素には同一符号を付して説明は省略する。なお、連結面13cは実施の形態1と同様に水平面としても良いが、傾斜面とする方が好ましい。
【0014】
本実施の形態2では、本体1の背面における連結面13cが排気口5に対して上向きの傾斜面となっているので、排気をスムーズに行うことができる。そのため、圧力損失を低減でき、騒音も低減できる効果がある。また、本体1は重量があるためそれを設置する際、連結面13cの傾斜面が案内面となり取付穴102への挿入が容易になるとともに、キッチン面を傷つけることなく設置することができる。
【0015】
実施の形態3.
図5は本発明の実施の形態3における誘導加熱調理器の概略側面図である。
本実施の形態3では、実施の形態2と同様に、本体1の背面における連結面13cを傾斜面とするものである。すなわち、吸気口2を有する吸気口面3を少なくとも下部背面13bとして構成し、上部背面13aと下部背面13bとを傾斜面13cで接続する構成である。さらにまた、この傾斜面13cにも別に吸気口4を設けるものである。その他の構成は実施の形態1と同様である。
【0016】
本実施の形態3の傾斜面13cは、実施の形態2と同様の作用効果がある。また、傾斜面13cにも別に吸気口4を設けることにより、吸気口の面積を大きくとることができるため、圧力損失を低減することができる。
【0017】
実施の形態4.
図6は本発明の実施の形態4における誘導加熱調理器の概略側面断面図である。
本実施の形態4では、傾斜面13cの内側を本体1内部を冷却する冷却風路の一部として構成するものである。
本体1の上面後部から排出される排気に対して、傾斜面13cを冷却風路の一部として構成することでスムーズな風路を形成することができ、圧力損失を低減することができる。また、冷却ファン6により本体下部に導入された冷却風が、制御基板を冷却した後に、Uターンして本体上部の各部材(加熱コイル等)を冷却する。その結果、本体内全域を冷却することができる。
【0018】
実施の形態5.
図7は本発明の実施の形態5における誘導加熱調理器の概略上面図、図8は概略側面図である。
本実施の形態5は、吸気口面3を窪ませて形成される前記窪み部8を利用して誘導加熱調理器の電源コード18を引き出す構成とするものである。すなわち、図7に示すように、窪み部8を電源コード18の屈曲半径Rよりも大きく形成し(R>L)、この窪み部8の内側に電源コード18の導出口19を設けるものである。
【0019】
誘導加熱調理器の電源コード18は直径が10mm以上と大きいため、上記のように窪み部8を電源コード18の屈曲半径Rよりも大きく形成することで、電源コード18を無理に曲げることなく窪み部8内に収めることができる。そのため、誘導加熱調理器をキッチン側の壁面101に対して隙間をあけることなく密接して設置することができる。
【0020】
また、図9に示すように、電源コード18の導出口19を傾斜面13cに設けることもできる。この場合は、電源コード18の直径が10mm以上と大きいため、導出口19の向きとコンセントの位置が問題となるが、傾斜面13cに設けることで電源コード18を窪み部8内に収めることができるため、上記同様に誘導加熱調理器をキッチン側の壁面101に対して隙間をあけることなく密接して設置することができる。
また、電源コード18は傾斜面13cに対して下向きに引き出されるため、水分が電源コード18を伝わって本体内部に侵入するのを防ぐことができる。
【0021】
また、図10、図11に示すように、電源コード18のプラグ51をコンセント52に差し込んだ状態の長さよりも窪み部8の深さLを大きくした場合は、直径の大きい電源コード18をゆるやかに曲げることができるため、電源コード18全体を窪み部8内に収めることができる。特に、窪み部8の深さLは、コンセント52にプラグ51を差し込んだ状態より大きいので、本体設置の省スペースを図ることができる。
【0022】
実施の形態6.
図10は本発明の実施の形態6における誘導加熱調理器の背面プレートを取り外した状態を背面側から見た概略斜視図、図11は概略側面図である。
本実施の形態6は、背面プレート14を本体1に対して着脱可能に構成するものである。但し、背面プレート14の固定を、上部(上部背面13a)は後方側へ突出部のないフラットな取付構造とし、下部の窪み部8は締着構造とする。例えば、背面プレート14の上部は皿ネジ等を用いた締着構造とするか、もしくは図10に示すように、本体背面側に設けた係合穴15に、背面プレート14の上端部に突設した係合片16を係合させる係合構造とする。背面プレート14の下部は窪みが設けられているため、一般的なネジ頭を持つネジ25により締着する。
【0023】
本実施の形態6によれば、本体1の最背面は後方側へ突出部のないフラットな取付構造となっているため、上記同様に誘導加熱調理器をキッチン側の壁面101に対して隙間をあけることなく密接して設置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の実施の形態1における誘導加熱調理器の概要を示す斜視図である。
【図2】図1の概略側面図である。
【図3】本発明の実施の形態2における誘導加熱調理器の概略側面図である。
【図4】図3の概略側面図である。
【図5】本発明の実施の形態3における誘導加熱調理器の概略斜視図である。
【図6】本発明の実施の形態4における誘導加熱調理器の概略側面断面図である。
【図7】本発明の実施の形態5における誘導加熱調理器の概略上面図である。
【図8】図7の概略側面図である。
【図9】本発明の実施の形態5における誘導加熱調理器の概略側面図である。
【図10】本発明の実施の形態5における誘導加熱調理器の概略上面図である。
【図11】図10の概略側面図である。
【図12】本発明の実施の形態6における誘導加熱調理器の背面プレートを取り外した状態を示す背面側の概略斜視図である。
【図13】図12の概略側面図である。
【符号の説明】
【0025】
1 本体、2 吸気口、3 吸気口面、4 吸気口、5 排気口、6 冷却ファン、7 加熱コイル、8 窪み部、9 制御基板、11 上面プレート、13a 上部背面、13b 下部背面、13c 連結面(傾斜面)、14 背面プレート、17 吹出口、18 電源コード、19 導出口、20 天板。
【出願人】 【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
【識別番号】000176866
【氏名又は名称】三菱電機ホーム機器株式会社
【出願日】 平成18年9月15日(2006.9.15)
【代理人】 【識別番号】100085198
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 久夫

【識別番号】100098604
【弁理士】
【氏名又は名称】安島 清

【識別番号】100061273
【弁理士】
【氏名又は名称】佐々木 宗治

【識別番号】100070563
【弁理士】
【氏名又は名称】大村 昇

【識別番号】100087620
【弁理士】
【氏名又は名称】高梨 範夫


【公開番号】 特開2008−71697(P2008−71697A)
【公開日】 平成20年3月27日(2008.3.27)
【出願番号】 特願2006−251233(P2006−251233)