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【発明の名称】 誘導加熱調理器
【発明者】 【氏名】野村 智

【要約】 【課題】径の異なる加熱コイルを用いても、コストを高くすることなく、同等の直流電源回路やインバータ回路を使用することのできる誘導加熱調理器を提供する。

【構成】複数の加熱コイル23a〜23cのうち加熱コイル23cを他の加熱コイル23a,23bの径より小径とし、そのうち、小径の加熱コイル23cは密接に巻回されてなる密巻加熱コイルを使用し、大径の加熱コイル23a,23bは径の中央部に巻回された内加熱コイル及び内加熱コイルの外周に間隙を有して巻回された外加熱コイルよりなる分割巻き加熱コイルを使用し、小径及び大径の加熱コイル間のインピーダンスの差を低減させた。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱コイルと共振コンデンサからなる複数の負荷回路と、
該複数の負荷回路にそれぞれ高周波電流を供給し、前記加熱コイルにより被加熱物を誘導加熱させる複数の変換装置とを備え、
前記複数の加熱コイルのうち少なくとも一つの加熱コイルを他の加熱コイルの径より小径或いは大径とし、そのうち、小径の加熱コイルは密接に巻回されてなる密巻加熱コイルを使用し、大径の加熱コイルは径の中央部に巻回された内加熱コイル及び内加熱コイルの外周に間隙を有して巻回された外加熱コイルよりなる分割巻き加熱コイルを使用し、小径及び大径の加熱コイル間のインピーダンスの差を低減させたことを特徴とする誘導加熱調理器。
【請求項2】
前記複数の加熱コイルのうち小径の加熱コイルの巻き数を、大径の加熱コイルの巻き数よりも多くしたことを特徴とする請求項1記載の誘導加熱調理器。
【請求項3】
前記小径の加熱コイル及び大径の加熱コイルのそれぞれの巻き数は、被加熱物の誘導加熱時に、前記小径の加熱コイルのインピーダンス値と前記大径の加熱コイルのインピーダンス値とがほぼ同じになるように定められていることを特徴とする請求項2記載の誘導加熱調理器。
【請求項4】
前記複数の変換装置は、加熱コイルの径によらず同じものが使用されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の誘導加熱調理器。
【請求項5】
前記複数の変換装置をそれぞれ制御する制御手段を備え、
該制御手段は、予め設定火力に応じて無負荷検出の閾値が設定され、前記変換装置に入力される電流値が設定火力に応じた閾値より低いときに高周波電流の供給を停止させることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の誘導加熱調理器。
【請求項6】
前記閾値は、小径の加熱コイル及び大径の加熱コイルに対してそれぞれ設定され、小径の加熱コイルに設定された設定火力毎の閾値が、大径の加熱コイルに設定された設定火力毎の閾値よりも高く設定されていることを特徴とする請求項5記載の誘導加熱調理器。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の加熱コイルを有する誘導加熱調理器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の誘導加熱調理器は、小さい鍋用として小径の加熱コイルと、通常の鍋用として大径の加熱コイルとを備えており、加熱コイルの径に応じて最大出力電力が設定されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2004−186002号公報(第3頁、図1−図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前述した従来の誘導加熱調理器では、加熱コイルの径に応じて最大出力電力が設定されているため、直流電源回路やインバータ回路に使用されている各部品が異なり、回路の共通化や簡素化をすることが難しく、コストが高くなっていた。
【0005】
本発明は、前記のような課題を解決するためになされたもので、径の異なる加熱コイルを用いても、コストを高くすることなく、同等の直流電源回路やインバータ回路を使用することのできる誘導加熱調理器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る誘導加熱調理器は、加熱コイルと共振コンデンサからなる複数の負荷回路と、複数の負荷回路にそれぞれ高周波電流を供給し、加熱コイルにより被加熱物を誘導加熱させる複数の変換装置とを備え、複数の加熱コイルのうち少なくとも一つの加熱コイルを他の加熱コイルの径より小径或いは大径とし、そのうち、小径の加熱コイルは密接に巻回されてなる密巻加熱コイルを使用し、大径の加熱コイルは径の中央部に巻回された内加熱コイル及び内加熱コイルの外周に間隙を有して巻回された外加熱コイルよりなる分割巻き加熱コイルを使用し、小径及び大径の加熱コイル間のインピーダンスの差を低減させたものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明においては、複数の加熱コイルのうち少なくとも一つの加熱コイルを他の加熱コイルの径より小径或いは大径とし、そのうち、小径の加熱コイルは密接に巻回されてなる密巻加熱コイルを使用し、大径の加熱コイルは径の中央部に巻回された内加熱コイル及び内加熱コイルの外周に間隙を有して巻回された外加熱コイルよりなる分割巻き加熱コイルを使用し、小径及び大径の加熱コイル間のインピーダンスの差を低減させたので、加熱コイルの径によらず同等の変換装置を使用することができ、コストの低減を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
実施の形態
図1は本発明の実施の形態を示す誘導加熱調理器の外観斜視図、図2は実施の形態に係る誘導加熱調理器の回路構成を示す図、図3は実施の形態における加熱コイルの形状を示す平面図、図4は加熱コイルと大径鍋、中径鍋及び小径鍋との位置関係を示す側面図、図5は各加熱コイルのインピーダンス値の例を示す図である。
【0009】
図1に示す誘導加熱調理器1は、IHクッキングヒータであり、箱状の筐体2の上部に設けられたトッププレート3に、図示せぬ調理鍋等の被加熱物を載置して加熱調理を行う。トッププレート3は、非磁性材よりなる耐熱ガラスにて形成され、外周に設けられた枠体4によって保持されている。トッププレート3の手前側左右には、大径鍋の載置位置を示す大円の表示部が設けられ、それぞれの下方に加熱コイルを有する右ヒータ加熱部5aと左ヒータ加熱部5bが配置されている。また、トッププレート3に設けられた2つの大円の中間の奧には、小径鍋の載置位置を示す小円の表示部が設けられ、その下方に加熱コイルを有する中央ヒータ加熱部5cが設けられている。筐体2の前面には、調理庫を備えた両面焼きのロースタ6が設けられている。
【0010】
また、トッププレート3の手前側の枠体4には、ロースタ6や各ヒータ加熱部5a〜5cの電源を入/切したり、火力調節等の操作ボタンが配列された上面操作部7aが設置され、筐体2のロースタ6の右側には、本調理器1の電源を入/切するためのメイン操作ボタン、各ヒータ加熱部5a〜5cの入/切と火力調節を行うための回転式操作ボタン等が配列された前面操作部7bが設けられている。トッププレート3の上面操作部7a近傍には、右ヒータ及び左ヒータ加熱部5a,5b、中央ヒータ加熱部5cの火力を表示するための上面表示部8aが配置されており、前面操作部7bには、右ヒータ及び左ヒータ加熱部5a,5b、中央ヒータ加熱部5cや、ロースタ6の使用状況を表示する前面表示部8bが設けられている。
【0011】
次に、実施の形態の誘導加熱調理器において誘導加熱部に関する回路構成について図2及び図3を用いて説明する。
本調理器1は、前述した右ヒータ加熱部5aと左ヒータ加熱部5bに同じ大径の加熱コイル23a,23bが使用され、中央ヒータ加熱部5cに小径の加熱コイル23cが使用されている。大径の加熱コイル23a,23bは、図3(a)に示すように、1本の銅線によって、内加熱コイルと、内加熱コイルの外周に間隙を有して巻回された外加熱コイルとからなっている(以下、「大径分割巻き加熱コイル」という)。小径の加熱コイル23cは、図3(b)に示すように、1本の銅線を密接に巻回して形成されている(以下、「小径密巻き加熱コイル」という)。右ヒータ及び左ヒータ加熱部5a,5bと中央ヒータ加熱部5cには、負荷回路22a,22b,22cを除いて,同じ直流電源回路10a,10b,10cとインバータ回路16a,16b,16cが使用されている。なお、回路構成は,前述の如く同一であるため、右ヒータ加熱部5aについてのみ説明をする。
【0012】
商用電源9に接続される直流電源回路10aは、交流電力を整流する整流ダイオードブリッジ11aとリアクトル12a及び平滑コンデンサ13aとから構成されている。直流電源回路10aの入力側に設けられた入力電流検出部14aは、直流電源回路10aに入力される電流を検出するために設けられ、入力電圧検出部15は、直流電源回路10aに印加される電圧(商用電源9)を検出するために設けられている。これら検出部14a、15によって本調理器1の使用電力が算出される。
【0013】
直流電源回路10aで直流電力に変換された電力はインバータ回路16aに供給される。インバータ回路16aは、直流電源回路10aの正負母線間に直列に接続された2つのスイッチング素子(以下、正母線側スイッチング素子を「上スイッチ17a」、負母線側スイッチング素子を「下スイッチ18a」と呼ぶ)と、そのスイッチング素子とそれぞれ逆並列に接続されたダイオード(正母線側逆並列ダイオードを「上ダイオード19a」、負母線側逆並列ダイオードを「下ダイオード20a」と呼ぶ)によって形成され、上スイッチ17aと下スイッチ18aは、インバータ駆動回路21aからの駆動信号によりオン・オフされる。
【0014】
インバータ駆動回路21aは、上スイッチ17aをオンさせている間は下スイッチ18aをオフにし、上スイッチ17aをオフさせている間は下スイッチ18aをオンにし、これを交互に繰り返すための駆動信号を出力する。負荷回路22aは、大径分割巻き加熱コイル23aと共振コンデンサ24aが直列に接続されて構成され、インバータ回路16aの出力点(上スイッチ17aと下スイッチ18aの接続点)と、直流電源回路10aの負側母線(正側母線でもよい)との間に設けられている。出力電流検出部25aは、負荷回路22aに流れる電流を検出するために設けられている。なお、中央ヒータ加熱部5cの負荷回路22cは、小径密巻き加熱コイル23cと共振コンデンサ24cが直列に接続されてなっている。なお、前述した直流電源回路10a(10b,10c)とインバータ回路16a(16b,16c)とで、本発明の変換装置が構成されている。
【0015】
制御回路26は、本調理器全体を制御するためのもので、動作説明時に詳述するが、変換装置の直流電源回路10a,10b,10cに入力される電流値が設定火力に応じて設定された無負荷検出の閾値より低いときに、インバータ駆動回路21a,21b,21cを介してインバータ回路16a,16b,16cの駆動を停止させる制御手段を有している。
【0016】
次に、加熱コイル及び加熱コイルのインピーダンスについて、図3〜図5を用いて説明する。なお、図3(c)に示す加熱コイルは、1本の銅線を密接に巻回してなる大径密巻き加熱コイルである。加熱コイルの径は、大径分割巻き加熱コイル23a,23bと大径密巻き加熱コイル(図3(c)参照)が同等で、小径密巻き加熱コイル23cが小さい(図3:(a)=(c)>(b))。加熱コイルの巻き数は、3種類の加熱コイルのうちで大径密巻き加熱コイルが最も多く、大径分割巻き加熱コイル23a,23bが最も少ない(図3:(a)<(b)<(c))関係にあるものとする。
【0017】
加熱コイルのインダクタンス(インピーダンス)は、加熱コイルの巻き数が多いほどインダクタンス(インピーダンス)が大きくなり、加熱コイルの径が大きいほど大きくなる。また、加熱コイル上に鍋を載置した場合、加熱コイルに対向する鍋底に誘導渦電流が流れて加熱コイルに流れる電流により生ずる磁束を打ち消すとともに、誘導渦電流による発熱損失が発生するので、加熱コイルのインダクタンス値は小さくなるとともに、抵抗値が大きくなる。図4に示すように、大径分割巻き加熱コイル23a,23bでは、鍋の径が小さくなると、外周部の加熱コイルが鍋底から大きく離れる。一方、小径密巻き加熱コイル23cでは、大径分割巻き加熱コイル23a,23bほど、鍋底と加熱コイル外周部との距離が離れない。従って、大径分割巻き加熱コイル23a,23bでは、鍋径が小さくなると急激に鍋底との磁気結合が小さくなって漏れインダクタンスが急増するのに対して、小径密巻き加熱コイル23cでは、大径分割巻き加熱コイル23a,23bと比較して漏れインダクタンスの増加は緩やかになっている。
【0018】
各加熱コイルにおけるインピーダンス値については、図5に示すように、何れの加熱コイルも、無負荷の場合にインダクタンス値が大で、抵抗値が小さくなっている。また、大きな鍋を載置した場合にはインダクタンス値は小さく、抵抗値が大きくなっている。なお、小径密巻き加熱コイル23cでは、中径鍋を使用したとき加熱コイル全面が鍋底で覆われるので、中径鍋を載置した場合と大径鍋を載置した場合では、鍋と加熱コイルの磁気結合の状態に差異は無く、同等のインダクタンス値、抵抗値となっている。
【0019】
ここで、右ヒータ加熱部5a及び左ヒータ加熱部5bに図3(c)に示す大径密巻き加熱コイルを使用し、中央ヒータ加熱部5cに小径密巻き加熱コイル23c(図3(b))を使用した場合には、大径密巻き加熱コイル(図3(c))のインダクタンス値(インピーダンス値)が小径密巻き加熱コイル23cのインピーダンス値よりも大幅に大きくなるため、大径密巻き加熱コイルに電流が流れ難く、大きな加熱電力を得るためには、インバータ回路に供給する直流電源電圧を昇圧する回路等を付加する必要がある。そこで、大径の加熱コイルとして小径密巻き加熱コイル23cよりも巻き数の少ない大径分割巻き加熱コイル23a,23b(図3(a))を使用して、大径分割巻き加熱コイル23a,23bと小径密巻き加熱コイル23cのインピーダンスの差を低減する構成とした。これにより、大径分割巻き加熱コイル23a,23b用の直流電源回路10a,10bに昇圧回路等を負荷する必要が無く、同等の直流電源回路10a,10b,10cやインバータ回路16a,16b,16cを使用することができるので、低コスト化を図ることができる。
【0020】
次に、制御回路部26による誘導加熱の制御処理について、図6〜図10に基づき説明をする。図6は実施の形態における誘導加熱調理制御処理の動作を示すフローチャート、図7は実施の形態の誘導加熱調理器の動作を示すフローチャート、図8はインバータ回路の上スイッチ及び下スイッチへの駆動信号の例を示す図、図9は導通比制御の駆動信号と加熱出力レベルの関係を示す図、図10は加熱出力レベルと入力電流の無負荷判定閾値との関係を示す図である。なお、図7は右ヒータ加熱部5aの制御処理のフローチャートであるが、左ヒータ加熱部5b及び中央ヒータ加熱部5cの制御処理については、右ヒータ加熱部5aの制御処理と同じであるため、説明を省略する。
【0021】
図6に示すように誘導加熱調理の制御処理では、右ヒータ加熱部5aの制御処理(ステップ1)、左ヒータ加熱部5bの制御処理(ステップ2)、中央ヒータ加熱部5cの制御処理(ステップ3)を順次実行する。ここで、右ヒータ加熱部5aの制御処理に入ったときは、図7に示すフローチャートに基づいて右ヒータ加熱部5aの制御処理を実行する。
制御回路26は、最初に上面操作部7a(又は前面操作部7B)の操作に基づく操作入力を取り込み(ステップ11)、その中に加熱動作の要求が有るか否かを判定する(ステップ12)。加熱要求がある場合には、入力電圧検出部15により検出された入力電圧値と入力電流検出部14aにより検出された入力電流値とから入力電力を算出し、操作入力に含まれる設定火力と比較する(ステップ13)。入力電力の制御は、例えば一定の駆動周波数で、図8に示すように上スイッチ17aと下スイッチ18aの導通時間の比を調整することにより行われる。導通比制御の場合、図9に示すように駆動周期に対して上スイッチ17aの導通時間が50%に近づくほど高出力駆動信号となり(図8(a))、50%から遠ざかるほど低出力駆動信号となる(図8(b))。
【0022】
ステップ13において、入力電力が設定電力より小さいと判断したときは、上スイッチ17aの導通比を増加させ(ステップ14)、入力電力が設定電力より大きいときは上スイッチ17aの導通比を減少させて(ステップ15)、火力調整を行う。次いで、負荷回路22aに流れる電流を出力電流検出部25aを通じて検出し、その検出電流(出力電流)が上スイッチ17a及び下スイッチ18aの保護電流レベルを超えているか否かを判定する(ステップ16)。負荷回路22aの出力電流が保護電流レベル以下のときステップ18に進むが、その出力電流が保護電流レベルを超えていたときは、上スイッチ17aの導通比を減少させる(ステップ17)。
【0023】
その後、入力電流検出部14aにより検出された入力電流と無負荷検出の閾値とを比較する(ステップ18)。検出された入力電流が無負荷検出の閾値以上のときは、右ヒータ加熱部5aの大径分割巻き加熱コイル23a上に鍋が載置されていると判断して、動作状態を上面表示部8a(又は前面表示部8b)に表示する(ステップ20)。また、検出された入力電流が無負荷検出の閾値より小さいときは、その大径分割巻き加熱コイル23a上に鍋が載置されていないと判断して、インバータ駆動回路21aの制御を停止して駆動信号の出力を停止させ(ステップ19)、その状態を上面表示部8a(又は前面表示部8b)に表示する(ステップ20)。また、ステップ12において、操作入力から加熱要求がないと判断したときもステップ19に進んで駆動信号の出力を停止させ、その状態を上面表示部8a(又は前面表示部8b)に表示する(ステップ20)。そして、右ヒータ加熱部5aの制御処理を終了する。
【0024】
ここで、ステップ18の無負荷状態の検出は、図10に示すように、加熱コイルの種類と駆動信号レベルにより定まる入力電流の無負荷検出の閾値により判断する。図4で説明したように、小径鍋を使用した場合、小径密巻き加熱コイル23cでは、その外周部分も鍋底から大径分割巻き加熱コイルの外周部分ほど離れておらず、多少磁気結合しているのに対して、大径分割巻き加熱コイル23a,23bは、外加熱コイルの部分が鍋底から離れて、殆んど磁気結合しない状態となり、漏れインダクタンスが大きくなる。そのため、図5に示すように小径鍋に対するインダクタンス値(インピーダンス値)は、小径密巻き加熱コイル23cと比較して大径分割巻き加熱コイル23a,23bにおいてかなり大きくなり、出力電流は流れ難く、また、入力電流も流れにくい。そこで、図10に示すように、小径密巻き加熱コイル23cの無負荷検出の閾値を大径分割巻き加熱コイル23a,23bの無負荷検出の閾値より大きい値に設定して、異なる径の加熱コイルにおいて、加熱停止する小物負荷の大きさの差を低減することができる。
【0025】
以上のように実施の形態によれば、大径の加熱コイルとして大径分割巻き加熱コイル23a,23bを使用し、小径の加熱コイルとして大径分割巻き加熱コイル23a,23bより巻き数の多い小径密巻き加熱コイル23cを使用して、加熱コイル間のインピーダンスの差を低減させることにより、加熱コイルの径に依らずに同等の直流電源回路10a,10b,10c及びインバータ回路16a,16b,16cを使用することができ、コストを低減することができる。
【0026】
なお、前記の実施の形態では、加熱出力の調整は、上スイッチ17aと下スイッチ18aの導通比制御により行う例を示したが、駆動信号の周波数を制御して加熱出力を調整するようにしてもよい。また、無負荷検出を入力電流検出部14a,14b,14cにより検出された入力電流値を参照するようにしたが、出力電流検出部25a,25b,25cによって検出された出力電流値を用いるようにしてもよい。
【0027】
また、前記の実施の形態では、誘導加熱ヒータとして3つの加熱口を有するものを示したが、誘導加熱口の数は2つでもよく、また、4口以上にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の実施の形態を示す誘導加熱調理器の外観斜視図である。
【図2】実施の形態に係る誘導加熱調理器の回路構成を示す図である。
【図3】実施の形態における加熱コイルの形状を示す平面図である。
【図4】加熱コイルと大径鍋、中径鍋及び小径鍋との位置関係を示す側面図である。
【図5】各加熱コイルのインピーダンス値の例を示す図である。
【図6】実施の形態における誘導加熱調理制御処理の動作を示すフローチャートである。
【図7】実施の形態の誘導加熱調理器の動作を示すフローチャートである。
【図8】インバータ回路の上スイッチ及び下スイッチへの駆動信号の例を示す図である。
【図9】導通比制御の駆動信号と加熱出力レベルの関係を示す図である。
【図10】加熱出力レベルと入力電流の無負荷判定閾値との関係を示す図である。
【符号の説明】
【0029】
5a 右ヒータ加熱部、5b 左ヒータ加熱部、5c 中央ヒータ加熱部、10a,10b,10c 直流電源回路、14a,14b,14c 入力電流検出部、15 入力電圧検出部、16a,16b,16c インバータ回路、21a,21b,21c インバータ駆動回路、23a,23b 大径分割巻き加熱コイル、23c 小径密巻き加熱コイル、24a,24a,24c 共振コンデンサ、25a,25b,25c 出力電流検出部、26 制御回路。
【出願人】 【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
【識別番号】000176866
【氏名又は名称】三菱電機ホーム機器株式会社
【出願日】 平成18年8月18日(2006.8.18)
【代理人】 【識別番号】100085198
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 久夫

【識別番号】100098604
【弁理士】
【氏名又は名称】安島 清

【識別番号】100061273
【弁理士】
【氏名又は名称】佐々木 宗治

【識別番号】100070563
【弁理士】
【氏名又は名称】大村 昇

【識別番号】100087620
【弁理士】
【氏名又は名称】高梨 範夫


【公開番号】 特開2008−47463(P2008−47463A)
【公開日】 平成20年2月28日(2008.2.28)
【出願番号】 特願2006−223114(P2006−223114)