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【発明の名称】 非常用照明装置
【発明者】 【氏名】永井 敏

【氏名】私市 広康

【氏名】山崎 広義

【氏名】大木 ちづる

【要約】 【課題】非常用照明装置のバッテリ点検作業の自動化、省力化を図りメンテナンス性を向上する。

【構成】電源回路13、バッテリ9の充電回路14、ランプ10への電力供給を制御する制御回路15を有するものにおいて、制御回路にバッテリの自動点検プログラムからなる点検シーケンス20を組み込み、点検中においてバッテリ9の電圧を検出するとともに、バッテリ9の異常が検出されると、バッテリ異常が解除されるまで異常をバッテリモニタ4に表示する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
商用電源の交流電圧を直流電圧に変換する電源回路と、
前記電源回路またはバッテリから直流の電力を供給してランプを点灯する点灯手段と、
前記電源回路に接続された前記バッテリを充電する充電手段と、
前記バッテリの状態の点検を開始するための点検スイッチと、
前記点検スイッチのON操作により前記バッテリの状態の自動点検を開始させる制御手段と、
前記点検スイッチが押された後、時間を計時するタイマ手段と、
前記バッテリの異常を表示する表示手段と、
を備え、
前記制御手段は、
前記タイマ手段が時間を計時している間は、前記商用電源を遮断することなく前記電源回路から前記点灯手段への直流の電力供給を停止させて、前記バッテリから前記点灯手段へ直流の電力を供給させ、前記タイマ手段が計時している時間が所定の点検時間を経過すると前記電源回路から前記点灯手段への直流の電力供給を開始する点検シーケンス手段と、
前記バッテリの前記電力供給時の電圧を検出する電圧検出手段と、
前記電圧検出手段の検出する電圧に基づいて前記バッテリの異常の有無を判断する異常判断手段と、
前記異常判断手段により前記バッテリの異常が判断されるとその判断結果を記憶する記憶手段と、
を備えるとともに、
前記タイマ手段が計時している時間に前記異常判断手段で前記バッテリに異常があると判断されたときには、前記点検シーケンス手段による点検シーケンスが終了し前記電源回路による常用点灯になったとき、前記バッテリの異常が解除されるまで前記記憶手段に記憶している判断結果に基づいて前記表示手段に前記バッテリの異常表示を継続させることを特徴とする非常用照明装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記電圧検出手段の検出する電圧に基づいて、前記バッテリが交換されたことを検出するとともに、前記バッテリの異常が解除したと判別するバッテリ交換検出手段を備えることを特徴とする請求項1記載の非常用照明装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記タイマ手段が時間を計時している間に再び前記点検スイッチが押されたことを検出すると、前記点検シーケンス手段の動作を終了して前記電源回路の動作を開始させる判断手段を備えることを特徴とする請求項2記載の非常用照明装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、誘導灯、非常灯などの非常用照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
非常用照明装置は火災等による停電時に照明を確保する目的でランプを点灯(非常点灯)させるものであり、常備されているバッテリ電源の電力で点灯させる。このためバッテリの点検が消防庁告示及び建築基準法で義務づけられている。
【0003】
従来の誘導灯の場合を例にとり、以下に説明する。
図16は従来の誘導灯の外観図であり、同図の(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は側面図である。図において、1は本体、2は表示パネル、3は点検スイッチ用引き輪、4はLED等からなるバッテリモニタ、5は電源コード通し穴、6、7は本体取り付け穴である。
図17はこの誘導灯の内部構成を示す図で、8は点検スイッチ、9はバッテリ、10はランプ、11は端子台、12は点灯装置である。
また、図18は点灯装置12の回路構成図で、13は電源回路、14は充電回路、15は制御回路、16はダイオードOR回路、17はDC−DCコンバータ回路、18はインバータ回路である。
【0004】
図18を参照して説明すると、端子台11には商用電源が接続され、商用電源は電源回路13のIN端子に入力する。電源回路13は商用電源の交流電圧を低電圧の直流電圧に変換し、OUT端子から出力する。トリクル充電回路等からなる充電回路14は電源回路13からの直流電圧によってバッテリ9をトリクル充電するための電流を流す。制御回路15はバッテリモニタ4と点検スイッチ8が接続され、また制御回路15からは電源回路13の動作をON/OFFする制御信号とインバータ回路18の動作をON/OFFする制御信号が出力される。バッテリモニタ4は例えば赤と緑の2色を発光するLED(発光ダイオード)からなり、充電中は緑で発光、異常時には赤で発光する。ダイオードOR回路16は、常用点灯時には電源回路13からの直流出力を、停電や点検などの非常点灯時にはバッテリ9からの直流電圧を、DC−DCコンバータ回路17に伝達する。DC−DCコンバータ回路17は伝達された直流電圧を安定にし出力する。インバータ回路18はDC−DCコンバータ回路17の直流電圧を入力し、高圧交流電圧に変換して出力する。インバータ回路18の出力には冷陰極放電ランプ10が接続され、インバータ回路18から出力する高電圧で放電しランプ10が点灯(常用点灯)する。
【0005】
端子台11に電源が途絶える、即ち停電になると、電源回路13の出力電圧が0Vになり、ダイオードOR回路16はバッテリ9の電圧をDC−DCコンバータ回路17に供給する。DC−DCコンバータ回路17はバッテリ9からの電圧を安定化昇圧してインバータ回路18に入力する。したがって、停電中においてランプ10が点灯するための電力はバッテリ9から賄われる。
【0006】
バッテリ点検はバッテリ9が正常に動作するか否かを確認する作業で、点検者は引き輪3を引き、点検スイッチ8を動作させる。点検スイッチ8がONになると、制御回路15は電源回路13のON/OFF端子にOFF信号を送出して電源回路13の動作を停止させる。電源回路13の動作が停止すれば停電と同様の動作となり、バッテリ9からの電力でランプ10が点灯する。このとき、制御回路15はバッテリ9の電圧を監視し、もしバッテリ9の電圧が規定値以下に低下した場合はインバータ回路18のON/OFF端子にOFF信号を送出してインバータ回路18を停止する。インバータ回路18が停止すればランプ10が消灯する。
【0007】
バッテリ点検は規定では、誘導灯の場合は20分間または60分間、非常灯の場合は30分間、ランプを有効に非常点灯させなければならないことになっている。このように長い時間点灯しなければならないので、点検者は引き輪3に重りをぶら下げて、規定の点検時間ランプ10が有効に非常点灯するか否かをバッテリ電圧の測定などの手段により確認する。
バッテリが寿命末期であれば、この点検時間内でバッテリ電圧が急激に低下し、ランプが消灯するのでバッテリ交換の要否が確認できる。そして、規定の点検時間が終了すれば点検者は重りを引き輪3から外し、したがって点検スイッチ8がOFFとなり、制御回路15は電源回路13のON/OFF端子にON信号を送出して電源回路13の動作停止を解除する。電源回路13が復帰すれば通常状態に戻り、商用電源からの電力でランプ10が点灯する。
【0008】
また、バッテリ点検の終了直後に停電等が発生した場合の対策として、特開昭58−164190号公報がある。この非常用照明装置は、バッテリの充電手段としてトリクル充電回路と急速充電回数の計測手段を持つ急速充電回路を備え、所定のバッテリ放電時間経過後のバッテリ端子電圧が設定値以下になったときにトリクル充電から急速充電に切り換えるようにしたものである。急速充電回数でバッテリの交換時期が分かる。しかし、バッテリ点検及び点検中に対するものではない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
前述したように、バッテリ点検作業は長い時間がかかり、かつ、重りの取り付け、取り外しのため、労力を要するものであった。
本発明の解決すべき課題の第一は、バッテリ点検作業の自動化、省力化を図り、メンテナンス性を向上させることである。
第二は、バッテリ点検中に点検を中止したい場合に備えて必要な対策を講じることである。
第三は、バッテリ点検中(放電中)または充電中にバッテリの寿命、異常等が判明したような場合、それを知らしめることである。
第四は、規定のバッテリ点検時間が経過しなくても十分に高い信頼性で点検結果を予測でき、もってバッテリ点検時間の短縮化を図ることである。
その他の課題は、以下に述べる実施例及び図面の説明から明らかにされる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る非常用照明装置は、商用電源の交流電圧を直流電圧に変換する電源回路と、前記電源回路またはバッテリから直流の電力を供給してランプを点灯する点灯手段と、前記電源回路に接続された前記バッテリを充電する充電手段と、前記バッテリの状態の点検を開始するための点検スイッチと、前記点検スイッチのON操作により前記バッテリの状態の自動点検を開始させる制御手段と、前記点検スイッチが押された後、時間を計時するタイマ手段と、前記バッテリの異常を表示する表示手段と、を備え、
前記制御手段は、
前記タイマ手段が時間を計時している間は、前記商用電源を遮断することなく前記電源回路から前記点灯手段への直流の電力供給を停止させて、前記バッテリから前記点灯手段へ直流の電力を供給させ、前記タイマ手段が計時している時間が所定の点検時間を経過すると前記電源回路から前記点灯手段への直流の電力供給を開始する点検シーケンス手段と、
前記バッテリの前記電力供給時の電圧を検出する電圧検出手段と、
前記電圧検出手段の検出する電圧に基づいて前記バッテリの異常の有無を判断する異常判断手段と、
前記異常判断手段により前記バッテリの異常が判断されるとその判断結果を記憶する記憶手段と、を備えるとともに、
前記タイマ手段が計時している時間に前記異常判断手段で前記バッテリに異常があると判断されたときには、前記点検シーケンス手段による点検シーケンスが終了し前記電源回路による常用点灯になったとき、前記バッテリの異常が解除されるまで前記記憶手段に記憶している判断結果に基づいて前記表示手段に前記バッテリの異常表示を継続させることを特徴とする。
【0011】
このように構成することにより、点検スイッチの短い時間のON操作で自動的に点検シーケンスが動作を開始するので、バッテリ点検の省力化ができ、メンテナンス性が向上する。また、バッテリ放電電圧を検出することにより、バッテリの異常の有無を判断できバッテリ寿命の予測がつくので、点検時間の短縮が可能になる。また、バッテリの異常を早期に知ることができ、バッテリ交換を促すことが可能となる。
【0012】
本発明に係る非常用照明装置は、前記制御手段が、前記電圧検出手段の検出する電圧に基づいて、前記バッテリが交換されたことを検出するとともに、前記バッテリの異常が解除したと判別するバッテリ交換検出手段を備えることを特徴とする。
【0013】
このように構成することにより、バッテリが正しく交換されたことを知ることができ、またバッテリ交換後の取り付け不良などの異常が分かるので、メンテナンス性が向上する。
【0014】
本発明に係る非常用照明装置は、前記制御手段が、前記タイマ手段が時間を計時している間に再び前記点検スイッチが押されたことを検出すると、前記点検シーケンス手段の動作を終了して前記電源回路の動作を開始させる判断手段を備えることを特徴とする。
【0015】
このように構成することにより、点検作業を中止したい場合は、タイマ手段が時間を計時している間に再び点検スイッチを押すことで、規定の点検時間が終わるのを待たずに直ちに点検動作を中止でき、点検作業を省力化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
実施例1.
図1は本発明の実施例1に係る非常用照明装置の制御回路の動作を示すフローチャートである。
本実施例は、図1に示す自動点検プログラムを図18に示す制御回路15に組み込み、バッテリ点検作業の自動化、省力化を図るものである。図1の破線で囲まれた工程が点検シーケンス20を示し、これを実行するためにタイマT1を用いている。タイマT1の設定時間t1は数秒程度に設定されている。また、点検シーケンス20に組み込まれた第2のタイマT2の設定時間t2は法規定で定められた点検時間である。例えば、誘導灯の場合、t2=20分または60分、非常灯の場合、t2=30分である。
【0017】
本実施例の動作を図1に従って説明する。また図16〜図18を参照しながら説明する。
ステップS1において、点検スイッチ8がOFFであれば、ステップS2のタイマT1=0を実行してステップS1に戻る。したがって、ランプ10は電源回路13からの電力供給を受けて点灯している。バッテリ9の充電も行われている。次に、点検者がバッテリ点検を目的として、点検スイッチ8をONにすると、ステップS3でタイマT1が動作を開始し、次のステップS4でタイマT1の経過時間と設定時間t1との大小を比較する。設定時間t1は数秒程度に設定されているので、このとき、いたずらや誤動作で点検スイッチ8を瞬間的にONにしても、ステップS1からステップS2へ移行するだけで点検動作には移行しない。
次に、ステップS4において、タイマT1の経過時間がt1より大きいと判断した場合、すなわち点検者がバッテリ点検の目的で引き輪3を引っ張っていた場合は、ステップS5から点検シーケンス20が開始する。まず、ステップS5で電源回路13の動作を停止する信号を電源回路13のON/OFF端子に入力する。これにより電源回路13の出力電圧が0Vになり、停電状態と同様になり、バッテリ9からの電力でランプ10が点灯する。したがって、バッテリ9は放電状態になり、バッテリ9の電圧が徐々に低下する。次に、ステップS6において、バッテリ9の電圧を監視し、バッテリ9の電圧とバッテリ下限電圧Eとの大小を比較する。バッテリ9の電圧がEより高い場合はステップS7に、低い場合はステップS8に移行する。ステップS8に移行した場合、すなわちバッテリ9の電圧が点検中に急激にE電圧まで低下した場合は、インバータ回路18の動作を停止し、ランプ10を消灯する。ステップS7に移行した場合はタイマT2を動作させ、ステップS9でタイマT2の経過時間と設定時間t2の大小を比較する。設定時間t2はバッテリ点検動作の規定時間に設定される。ステップS9でその点検時間が終了したと判断すると、ステップS10に移行し、そうでない場合はステップS5に戻る。ステップS9において電源回路13をONにし、また点検中にインバータ回路18をOFFにした場合はインバータ回路18をONにする。そして、ステップS1に戻る。
【0018】
このように本実施例は、点検スイッチ8を所定時間t1以上、ONにすることでバッテリ点検動作が自動的に開始し、その後所定時間t2経過後にバッテリ点検動作が自動的に終了する。したがって、本実施例によれば、従来のように引き輪3に重りを取り付けたり取り外したりする作業をしないで済み、制御回路15に組み込まれた自動点検プログラムに従ってバッテリ点検動作が自動的に実行されるので、バッテリ点検作業の自動化、省力化ができ、またいたずらや誤動作によるバッテリの放電を防止できる。
【0019】
実施例2.
実施例1では点検スイッチ8を所定時間t1以上、ONにすることで点検シーケンス20が自動的にスタートするので、本実施例は、バッテリ点検動作中に点検を中止したい場合に点検動作を直ちに解除するようにしたものである。すなわち、再度点検スイッチ8を所定時間t3以上、ONにすることにより点検動作を解除するものである。
【0020】
図2は本実施例の動作を示すフローチャートである。
本実施例の動作を説明する。ステップS11において、点検スイッチ8が所定時間t1、ONになっているかを判断する。これは図1に示すフローチャートのステップS1からステップS4に相当する。点検スイッチ8がONでその状態が所定時間継続している場合はステップS12に移行して点検シーケンスを実行する。これは図1の点検シーケンス20に相当し、ステップS5からステップS10の動作と同様である。
点検動作中は、ステップS13において、点検スイッチ8の状態を監視し、ステップS11と同様に点検スイッチ8が所定時間t3以上、ONであったならばステップS14の点検動作終了を実行する。したがって、点検スイッチ8の2度目のONで、その状態が所定時間t3以上継続していれば点検動作が直ちに終了される。点検終了動作は図1のステップS10に相当し、電源回路13をONにし、またインバータ回路18が停止している場合はインバータ回路18をONにする。そしてステップS11に戻る。
【0021】
本実施例によれば、点検動作中に点検を中止したい場合、例えばバッテリの寿命でランプ消灯が直ぐに発覚した場合などにおいて、規定の点検時間が終わるのを待たずに直ちに点検動作を中止できるので、点検作業が省力化できる。
【0022】
実施例3.
本実施例は、常用点灯中に寿命末期のバッテリであることが判明した場合に、それを表示してバッテリの交換を促すようにしたものである。すなわち、電源回路13の出力電圧または充電回路14のバッテリ充電電流を検出して、バッテリ充電時間を積算し、バッテリ交換時期を表示するものである。
【0023】
図3は本実施例の点灯装置12の内部構成を示す回路図、図4は図3の制御回路15の動作を示すフローチャートである。
図3に示すように、充電回路14の充電電圧または充電電流を制御回路15に入力し監視する。
【0024】
図4に従って本実施例の動作を説明する。
ステップS21において、電源回路13をONにする。電源回路13をONにすることにより充電回路14を介してバッテリ9を充電すると同時に、ダイオードOR回路16、DC−DCコンバータ回路17、インバータ回路18を介してランプ10が点灯される。ステップS22では充電回路14の出力電圧を監視して電源回路13の出力が0VであればステップS27でバッテリモニタ4の赤LEDを点灯させてステップS22を繰り返す。逆に、充電回路14の出力が正常の電圧を出力していれば、ステップS23でバッテリモニタ4の緑LEDを点灯させる。これはバッテリ9が充電中であることを知らせるものであり、電源回路13から電圧が出力されバッテリが接続されている場合は常に低い電流値で充電(トリクル充電)が行われる。そして、ステップS24でタイマT3によりバッテリ9の充電時間を積算する。ステップS25ではタイマT3の積算時間をあらかじめ設定された時間t3と比較し、積算時間がt3より大きい場合はステップS26に、小さい場合はステップS22に移行する。ステップS26に移行したときはバッテリモニタ4の赤LEDを点灯し、ステップS22に戻る。
【0025】
バッテリ充電中において、バッテリ9が寿命末期であれば、タイマT3の積算時間は設定時間t3より長くかかるので、ランプモニタ4の赤点灯表示により、そのバッテリは交換時期にきていることが分かる。したがって、新しいバッテリに交換することにより、点検作業の信頼性が向上し、省力化につながる。
【0026】
なお、本実施例では、タイマT3の積算時間を充電回路14の出力電圧をモニタすることで行っているが、バッテリ9に流れる充電電流をモニタして充電電流が流れていれば、タイマ時間を積算しても同様の効果が得られる。また、電源回路13の出力をモニタしても同様の効果が得られる。
【0027】
実施例4.
本実施例はバッテリ放電電圧の下降率を測定して短時間で点検作業を終了するものである。
図5は図3の制御回路15の動作を示すフローチャート、図6は点検時における点灯時間とバッテリ電圧の低下特性を示す図で、aに示すグラフは正常なバッテリの場合、bに示すグラフは寿命末期のバッテリに対して点検動作を行った場合である。図中、Es はバッテリの過放電防止のために設定された電圧値で、バッテリ電圧がこの値以下になった場合は放電を停止する。tx はバッテリ電圧の下降率の監視をしない期間で、バッテリが正常、異常にかかわらずバッテリの放電開始後所定の初期時間tx が経過するまではバッテリ電圧の下降率は監視しないことにしてある。
【0028】
図5に従って本実施例の動作を説明する。
ステップS31において、点検スイッチ8の状態を監視し、点検スイッチ8がONであればステップS32に、OFFであればステップS33に移行する。ステップS32では点検動作(図1の点検シーケンス20)を行い、ステップS34でバッテリ9の電圧下降率を検出する。電圧下降率は図6に示すようにΔE/t0 で表わされ、単位時間t0 における電圧低下値ΔEでもって表わす。ステップS35ではこの電圧下降率と所定値αとの大小比較を行い、電圧下降率がαより大きい場合はステップS36を実行する。小さい場合はステップS32に戻る。ステップS36ではインバータ回路18にOFF信号を送出してランプ10を消灯する。したがって、従来回路ではバッテリ過放電防止電圧Esに達して初めてバッテリ9の異常を検出されるが(Bに示す点)、本実施例ではAに示す点でランプ10が消灯されるので、早めにバッテリ異常が確認できる。
【0029】
このようにバッテリの故障、寿命等の異常が規定の点検時間中ランプの点灯を継続させずに早期に検出でき、短時間で点検が終了するので、点検時間の短縮が可能である。
【0030】
実施例5.
本実施例は、一定電流でバッテリをトリクル充電し、所定時間経過してもバッテリ充電電圧または充電電流が所定値に達しない場合はバッテリ異常表示を行うものである。
図7は図3の制御回路15の動作を示すフローチャート、図8は充電時間に対するバッテリ電圧特性を示す図である。図中、cは正常なバッテリの電圧特性を示し、dは寿命末期のバッテリの電圧特性を示す。EM は設定電圧、ts はタイマ時間をそれぞれ示す。
【0031】
図7に従って本実施例の動作を説明する。
ステップS41ではバッテリ9が充電されているかを確認する。これは充電回路14の出力電圧または出力電流を検出する。充電回路14は一定電流をバッテリ9に流すように構成される。ステップS41で充電中でない場合はステップS42に、充電中の場合はステップS43に移行する。ステップS42ではタイマ時間を0にする。このタイマT4は数10時間を積算するものである。ステップS43ではバッテリモニタ4に充電表示を行い、更にステップS44で充電時間を積算する。ステップS45では充電時間を積算したタイマT4の積算時間とあらかじめ設定された時間ts との比較を行い、タイマT4が設定時間になればステップS46に、そうでない場合はステップS41に戻る。ステップS46ではバッテリ電圧を検出して、ステップS47において検出したバッテリ電圧EB と設定電圧EM との比較を行い、EB >EM の場合はステップS41に戻り、EB <EM であればステップS48のバッテリ異常表示を実行する。例えば、バッテリ異常表示はバッテリモニタ4の赤LEDを点灯する。
図8を用いて更に動作を説明すれば、グラフcは正常のバッテリを充電した場合で、充電時間ts 時点で設定電圧EM の電圧値を超えているが、寿命末期のバッテリの場合、グラフdに示すように充電時間ts に達していてもバッテリ電圧が設定電圧EM より高くならない。この時点でバッテリ異常の表示を行い、バッテリ交換を促す。
【0032】
本実施例によれば、点検動作をしなくてもバッテリの寿命時期を表示でき、すぐにバッテリ交換が行われるので、メンテナンスが容易となる。
【0033】
実施例6.
本実施例は、非常点灯中または点検中、すなわちバッテリ放電中にバッテリ異常が判明した場合はその後のバッテリ充電中もバッテリ異常を記憶しておき、かつそれを表示し、更にバッテリの交換を検出し、記憶、表示を解除するものである。
図9は図3の制御回路の動作を示すフローチャートである。
【0034】
図9に従って本実施例の動作を説明する。
ステップS51において、バッテリ9の放電状態、すなわち電源回路13の出力電圧を検出する。電源回路13の出力電圧が0Vの場合はバッテリ9からの電力でランプ10が点灯する。バッテリ9が放電中の場合はステップS52、放電中でない、すなわち充電中の場合はステップS56に移行する。ステップS52ではバッテリ9が異常であるかを検出し、異常と判断すればステップS54に移行し、正常であればステップS51に戻る。バッテリ異常はバッテリ9の放電によって降下した電圧値があらかじめ設定された下限電圧値以下になった場合であり、そのときはステップS54でバッテリが異常であることを「バッテリ異常フラグ=1」として記憶する。更に、ステップS55においてバッテリモニタ4を用い、バッテリ異常表示を行う。
【0035】
商用電源が端子台11に印加され、電源回路13が動作し、ランプ10が商用電源からの電力で点灯している場合、バッテリ9は電源回路13から充電回路14を介して充電される。この状態のとき、ステップS53ではバッテリ異常時に記憶されたバッテリ異常フラグの状態を確認し、バッテリ異常フラグが「1」であればステップS57に移行し、バッテリ異常フラグが「0」であればステップS56のバッテリ充電表示を実行する。バッテリ充電表示はバッテリモニタ4を用いる。ステップS53でバッテリ異常フラグが「1」であれば、すなわちバッテリ放電中にバッテリ異常が検出されたならば、ステップS57でバッテリ9が交換されたかを確認する。バッテリ9の交換はバッテリ9の電圧を検出してバッテリ9の電圧が一旦0Vになったことを検出する。バッテリ9が交換されていない場合はステップS55でバッテリ異常表示を継続する。バッテリ9の交換が確認されたならば、ステップS58でバッテリ異常フラグを「0」にし、ステップS56のバッテリ充電表示を実行する。
【0036】
本実施例によれば、停電時(非常時)や点検中などの非常点灯時にバッテリの寿命等を検出した場合に、バッテリ異常を表示し、その後常用点灯になってもバッテリの異常を記憶・表示しているので、停電復帰後や点検終了後においてどの非常用照明装置のバッテリを交換すべきかを知ることができるため、一括してバッテリ交換を行うことができ、メンテナンス性が向上する。
【0037】
実施例7.
本実施例は商用電源の短時間のOFFにより所定時間の間点検動作を行うものである。
図10は点灯装置12の内部構成図で、停電検出回路19が端子台11に接続され、商用電源の有無を検出して制御回路15に出力するようになっている。
図11は図10の制御回路15の動作を示すフローチャートである。
【0038】
図11に従って本実施例の動作を説明する。
ステップS61において、自動点検モードであるかを識別する。自動点検モードは商用電源のON/OFFにより遠隔操作で行い、このOFF操作によって点検動作を行うものである。自動点検モードでない場合はステップS62において停電検出回路19が停電であるか否かを判定する。停電であればステップS63で停電時間を積算し、ステップS64で非常点灯する。非常点灯はバッテリ9からの電力でランプ10を点灯するもので、電源回路13のON/OFF入力にはOFF信号を送出する。電源回路13は停電の場合ON/OFF入力に無関係に出力は0Vであるが、その後に自動点検を行うこともあり、制御回路15は電源回路13にOFF信号を送る。停電でない場合はステップS65において停電時間があらかじめ設定された範囲内、すなわちt1>停電時間>t2であればステップS66で自動点検モードに移行するため、自動点検フラグを「1」にしてステップS64を実行する。点検時間が上記の範囲外であればステップS67で常用点灯を行う。常用点灯は商用電源からの供給電力でランプ10を点灯するもので、制御回路15は電源回路13のON/OFF端子にON信号を送出する。電源回路13の出力電圧はダイオードOR回路16、DC−DCコンバータ回路17、インバータ回路18を経由してランプ10に電力を供給する。
ステップS61において、自動点検モードと判断されれば、すなわち停電時間が所定範囲であり自動点検フラグ=1に設定されていれば、ステップS68で点検時間を積算する。ステップS69ではその点検時間があらかじめ設定された時間t3と比較し、点検時間=t3であればステップS70で自動点検フラグを「0」にして自動点検を終了するようステップS61に戻る。点検時間がt3に達していない場合はステップS64で非常点灯を継続する。
【0039】
本実施例によれば、点検制御線を必要とせず、点検動作を外部電源スイッチをON/OFFすることで遠隔操作することができるので、安価でメンテナンスの容易な装置を提供できる。
【0040】
本実施例では停電検出を商用電源の有無で行っているが、電源回路の出力電圧を検出してもよい。また、所定時間の停電1回で自動点検を行うが、複数回の停電操作を繰り返して、すなわち商用電源の供給、停止を繰り返して自動点検をするような構成でもよく、この場合は実際の停電との識別がより確実となり、停電が頻繁に発生するような環境に適する。
【0041】
実施例8.
本実施例は、商用電源の供給、停止を繰り返して外部から自動点検を設定する場合において、停止時間、供給時間が所定のパターンに一致すれば自動点検を行うようにしたものである。
図12は図10の制御回路15の動作を示すフローチャート、図13は停電検出を示すタイミング図で、(a)は端子台11に印加される商用電源で、斜線部が電源供給状態を示す。(b)は停電検出回路19の検出出力、(c)はランプ10の点灯モードで、常用点灯と非常点灯を示す。
【0042】
図12に従って本実施例の動作を説明する。
ステップS71において、自動点検モードか否かを自動点検フラグで識別する。自動点検モードであればステップS79を、自動点検モードでなければステップS72を実行する。ステップS72では停電検出回路19の検出出力の状態を判断して停電か電源供給があるかを認識する。停電の場合はステップS75に、電源供給がある場合はステップS73に移行する。ステップS73では電源が供給されている時間を計測する。通常は長時間供給されているため、計測時間は最大値(タイマの計測できる限度値)を示すが、しかし、停電後は停電が復帰してから再び停電するまでの時間が計測される。そして、ステップS74で常用点灯になるよう電源回路13などの制御を行う。一方、ステップS71で停電状態を停電検出回路19から入力された場合はステップS75で停電時間を計測し、ステップS76では非常点灯を行う。停電時間は商用電源が途絶えて再び供給されるまでの時間である。ステップS77ではステップS73及びステップS75で計測した時間のパターンがあらかじめ設定されたパターンと一致するかを判定する。図13の(a)に示すタイミング図が電源供給状態を示し、外部から自動点検を設定する場合は、例えば同図に示すように電源の供給と停止を規則正しく、すなわちt1時間の停電後にt2時間の電源供給、同様にt3時間停電、t4時間電源供給、t5時間停電となるよう電源の供給を断続する。(b)は停電検出回路19の検出出力で、(a)の電源供給状態に同期して停電状態を出力する。(c)は同様に電源の供給状態に同期した点灯モードの変化を示すものである。ステップS77でパターンが一致しない場合はステップS71に戻り、一致した場合はステップS78で自動点検フラグを「1」にしてステップS71に戻る。ステップS71で自動点検フラグが「1」であると判定されると、ステップS79を実行する。ステップS79では点検時間を積算し、ステップS80で点検時間があらかじめ設定された時間ts と一致するかを判定し、一致すればステップS82、ステップS83を実行する。ステップS81では非常点灯、すなわちバッテリ9からの電力でランプ10を点灯し、ランプ10が正常に点灯するか否かを点検者が確認する。
【0043】
本実施例は実施例7と同様の効果を奏する。また、本実施例でも停電検出を電源回路の出力電圧で実施してもよい。
【0044】
実施例9.
本実施例は、バッテリの充電電圧または充電電流を検出してバッテリ外れなどの取り付け不良を検出し、異常表示を行うものである。
図14は図3の制御回路15の動作を示すフローチャート、図15はバッテリ9の電圧を検出する端子電圧を充電時間に対応して示す電圧特性図である。
【0045】
図14に従って本実施例の動作を説明する。
ステップS91において、バッテリ9の電圧を検出するが、正確にはバッテリ9を接続する端子電圧を検出する。ステップS92ではこの検出電圧EB と設定値Es の大小比較を行い、EB <Es の場合はステップS93に、EB >Es であればステップS94に移行する。ステップS93ではバッテリモニタ4にバッテリ充電表示、例えば緑LEDを点灯し、ステップS94ではバッテリモニタ4にバッテリ異常表示、例えば赤LEDを点灯する。
【0046】
図15に示すように、何らかの要因でバッテリの充電が不可能になった場合、検出電圧が設定電圧Es を超えた点Aではバッテリ異常を表示する。また、充電電流を検出している場合には充電電流が0になったとき、バッテリ異常を表示する。
【0047】
本実施例によれば、例えばバッテリ交換時にバッテリを接続するコネクタの接続が不十分であったり、接続忘れの場合など、すぐに異常が判明し、メンテナンス性が向上する。
【0048】
以上説明したように、本発明の非常用照明装置は、点検スイッチを短い時間ONにするだけで自動的に点検シーケンスが動作を開始するようになっているので、バッテリ点検の省力化ができ、メンテナンス性が向上する効果がある。
【0049】
バッテリ点検中点検を中止したいときには、点検スイッチを再度所定時間以上ONにすることによって、規定の点検時間が終わるのを待たずに点検シーケンスの動作を中止できるので、バッテリ点検中に寿命等が判明したような場合に好都合である。
【0050】
バッテリ充電中の場合、バッテリ充電時間を計測することでバッテリの正常、異常が分かり、バッテリ異常を表示することで、点検作業をしなくても早期に交換できるので、安全でメンテナンスが容易となる。
【0051】
また、バッテリ放電電圧または放電電流の下降率を検出することにより、バッテリ寿命の予測がつくので、点検時間の短縮が可能になる。
【0052】
また、バッテリ充電電圧または充電電流を検出することにより、バッテリの交換時期を知ることができる。
【0053】
バッテリ点検中に判明した異常を記憶し表示しておくことにより、停電復帰後または点検終了後にどの装置のバッテリが異常かを知ることができ、一括したバッテリ交換が可能になる。
【0054】
また、外部電源スイッチのON/OFF操作でも自動点検ができるので、点検制御線が不要になるため安価にできる。また、このとき停電時間または停電パターンを比較することにより通常の停電と識別することができ、点検作業の省力化が図れる。
【0055】
バッテリ交換後の取り付け不良などが分かる。
【0056】
なお、本発明に使用するランプは冷陰極放電ランプ、熱陰極放電ランプを問わない。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の実施例1の動作を示すフローチャートである。
【図2】本発明の実施例2の動作を示すフローチャートである。
【図3】本発明の実施例3を示す回路構成図である。
【図4】実施例3の動作を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施例4の動作を示すフローチャートである。
【図6】点灯時間に対するバッテリ電圧の低下特性図である。
【図7】本発明の実施例5の動作を示すフローチャートである。
【図8】充電時間に対するバッテリ電圧の特性図である。
【図9】本発明の実施例6の動作を示すフローチャートである。
【図10】本発明の実施例7を示す回路構成図である。
【図11】実施例7の動作を示すフローチャートである。
【図12】本発明の実施例8の動作を示すフローチャートである。
【図13】停電検出を示すタイミング図である。
【図14】本発明の実施例9の動作を示すフローチャートである。
【図15】充電時間に対するバッテリ検出電圧の特性図である。
【図16】従来の誘導灯の外観図である。
【図17】図16の誘導灯の内部構成図である。
【図18】図16の誘導灯の回路構成図である。
【符号の説明】
【0058】
4 バッテリモニタ、8 点検スイッチ、10 ランプ、11 端子台、12 点灯装置、13 電源回路、14 充電回路、15 制御回路、16 ダイオードOR回路、17 DC−DCコンバータ回路、18 インバータ回路、19 停電検出回路、20 点検シーケンス、T1、T2、T3、T4 タイマ。
【出願人】 【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
【識別番号】390014546
【氏名又は名称】三菱電機照明株式会社
【出願日】 平成19年10月19日(2007.10.19)
【代理人】 【識別番号】100085198
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 久夫

【識別番号】100098604
【弁理士】
【氏名又は名称】安島 清

【識別番号】100061273
【弁理士】
【氏名又は名称】佐々木 宗治

【識別番号】100070563
【弁理士】
【氏名又は名称】大村 昇

【識別番号】100087620
【弁理士】
【氏名又は名称】高梨 範夫


【公開番号】 特開2008−34400(P2008−34400A)
【公開日】 平成20年2月14日(2008.2.14)
【出願番号】 特願2007−272231(P2007−272231)