| 【発明の名称】 |
有機エレクトロルミネッセンス発光装置及び有機エレクトロルミネッセンス照明装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】辻 博也
【氏名】宮井 隆雄
【氏名】福井 太郎
【氏名】日野 裕久
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| 【要約】 |
【課題】外部からの水分の遮断性能が高く、長期に亘って有機エレクトロルミネッセンス素子の素子性能の劣化を抑制することができると共に、素子性能の信頼性が高い有機エレクトロルミネッセンス発光装置を提供する。
【構成】透光性基材1、透明導電層2、有機発光層3、陰極層4をこの順に積層して形成される有機エレクトロルミネッセンス素子5。有機発光層3と陰極層4を積層した積層物6を覆うと共に積層物6の周囲において透光性基材1の表面に達するように、積層物6の表面に直接接して形成された光硬化性樹脂封止層7。光硬化性樹脂封止層7の外側に設けられた防湿層8。上記積層物6を囲む位置において防湿層8を透光性基材1及び透明導電層2に接着する熱硬化性樹脂接着層9。これらを具備して有機エレクトロルミネッセンス発光装置を形成する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 透光性基材、透明導電層、有機発光層、陰極層をこの順に積層して形成される有機エレクトロルミネッセンス素子と、有機発光層と陰極層を積層した積層物を覆うと共に積層物の周囲において透光性基材の表面に達するように、積層物の表面に直接接して形成された光硬化性樹脂封止層と、光硬化性樹脂封止層の外側に設けられた防湿層と、上記積層物を囲む位置において防湿層を透光性基材及び透明導電層に接着する熱硬化性樹脂接着層とを具備して成ることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス発光装置。 【請求項2】 光硬化性樹脂封止層の表面の全面を覆うように形成された吸湿剤含有封止層を具備すると共に、この吸湿剤含有封止層を覆うように上記防湿層を形成して成ることを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス発光装置。 【請求項3】 上記積層物の周囲を囲む位置において光硬化性樹脂封止層の外周部を覆うように形成された吸湿剤含有封止層を具備すると共に、この吸湿剤含有封止層を覆うように上記防湿層を形成して成ることを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス発光装置。 【請求項4】 上記吸湿剤含有封止層は、光硬化性樹脂をベースレジンとするものであることを特徴とする請求項2又は3に記載の有機エレクトロルミネッセンス発光装置。 【請求項5】 光硬化性樹脂封止層と防湿層の間に積層される吸湿シートを具備して成ることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス発光装置。 【請求項6】 上記熱硬化性樹脂接着層には電気絶縁性の無機フィラーが15質量%以上含有されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス発光装置。 【請求項7】 上記防湿層は、金属箔、プラスチックからなる基材フィルムに、酸化ケイ素、酸化アルミニウムから選ばれる少なくとも1つの無機酸化物と、窒化ケイ素、窒化アルミニウムから選ばれる少なくとも1つの無機窒化物のうち少なくとも一方を、1層以上積層した積層シート、プラスチックからなる基材フィルムに金属を蒸着した積層シート、から選ばれるものであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス発光装置。 【請求項8】 上記熱硬化性樹脂接着層には吸湿剤が含有されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス発光装置。 【請求項9】 上記吸湿剤は、カルシウム、バリウム、これらの酸化物、シリカゲルから選ばれる少なくとも1種のものであることを特徴とする請求項2乃至8のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス発光装置。 【請求項10】 上記防湿層は、上記積層物の周囲を覆うように端部を屈曲して、透光性基材と接着されていることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス発光装置。 【請求項11】 請求項1乃至10のいずれか1項に記載された有機エレクトロルミネッセンス発光装置と、この有機エレクトロルミネッセンス発光装置の発熱を吸熱する吸熱体と、この吸熱体で吸熱した熱を外部へ放熱する放熱体とを具備して成ることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス照明装置。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、フラットパネルディスプレイ、サイン光源、照明用光源、液晶表示機用バックライト等に用いられる有機エレクトロルミネッセンス発光装置及び有機エレクトロルミネッセンス照明装置に関するものである。 【背景技術】 【0002】 一般に有機エレクトロルミネッセンス発光素子は、ガラスやプラスチックなどの透光性基材、透明電極膜からなる陽極の透明導電層、有機薄膜からなる有機発光層、金属電極からなる陰極層を積層した構造からなるものであり、数V程度の低電圧で高輝度の面発光を示すこと、発光物質の選択により任意の色調での発光が可能であること、等々の理由により、近年精力的に研究が行なわれ、実用化を目指した開発が行なわれている。 【0003】 この有機エレクトロルミネッセンス発光素子からなる有機エレクトロルミネッセンス発光装置は、サイン光源、照明用途、液晶表示機用バックライト、フラットパネルディスプレイ等々に用いることができるが、フラットパネルディスプレイの薄型化、液晶表示機を備える電子機器の小型化や薄型化のため、あるいは形状の自由化等のため、さらに軽量であり、高効率であるものの登場が望まれている。 【0004】 しかし、有機エレクトロルミネッセンス発光装置は、一定期間駆動すると、ダークスポットと呼ばれる非発光部の発生と成長が起こり、発光特性が劣化していくという問題がある。このようなダークスポットが発生する原因としては、水蒸気などの水分及び酸素の影響が最も大きいとされており、特に水分は極めて微量でも大きな影響を及ぼすものとされている。そのため、何らかの方法で有機発光層を封止して水分や酸素の作用を遮蔽する必要がある。 【0005】 この問題を解決する手段が、特許文献1や特許文献2などにおいて開示されている。特許文献1は、透光性基材の上に電極や有機発光層などを積層して発光素子を形成し、この発光素子を覆うように光硬化性樹脂を塗布すると共に、光硬化性樹脂の上に透水性の小さい基板を重ね、そして光照射して光硬化性樹脂を硬化させることによって、光硬化性樹脂層で非透水性基板を接着するようにしたものであり、発光素子を光硬化性樹脂層と非透水性基板で封止するようにしてある。 【0006】 しかしこのものでは、非透水性基板は光硬化性樹脂層で接着されているために、密着性に問題があって両者の界面から水分が浸透するおそれがあり、水分の遮断の効果が十分ではないという問題があった。 【0007】 一方、特許文献2は、透光性基材の上に電極や有機発光層などを積層して発光素子を形成し、この発光素子を覆うようにエポキシ樹脂を塗布すると共に、エポキシ樹脂の上に防湿層を重ね、そしてエポキシ樹脂を硬化させることによって、エポキシ樹脂層で防湿層を接着するようにしたものであり、発光素子をエポキシ樹脂層と防湿層で封止するようにしてある。 【0008】 この特許文献2のものでは、防湿層として不透光性のものを用いる場合、光硬化をさせることができないので、エポキシ樹脂として熱硬化性のものを用いる必要があり、熱硬化性樹脂が硬化する際に、加熱により溶融した樹脂の流動や、樹脂の硬化収縮の影響で、有機発光層や、陰極を形成するアルミニウム蒸着などが破壊されるおそれがあり、素子性能の信頼性や歩留まりが低下するという問題があった。 【特許文献1】特開平5−182759号公報 【特許文献2】特開2004−119317号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0009】 本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、外部からの水分の遮断性能が高く、長期に亘って有機エレクトロルミネッセンス素子の素子性能の劣化を抑制することができると共に、素子性能の信頼性が高い有機エレクトロルミネッセンス発光装置及び有機エレクトロルミネッセンス照明装置を提供することを目的とするものである。 【課題を解決するための手段】 【0010】 本発明の請求項1に係る有機エレクトロルミネッセンス発光装置は、透光性基材1、透明導電層2、有機発光層3、陰極層4をこの順に積層して形成される有機エレクトロルミネッセンス素子5と、有機発光層3と陰極層4を積層した積層物6を覆うと共に積層物6の周囲において透光性基材1の表面に達するように、積層物6の表面に直接接して形成された光硬化性樹脂封止層7と、光硬化性樹脂封止層7の外側に設けられた防湿層8と、上記積層物6を囲む位置において防湿層8を透光性基材1及び透明導電層2に接着する熱硬化性樹脂接着層9とを具備して成ることを特徴とするものである。 【0011】 この発明によれば、光硬化性樹脂封止層7と防湿層8とで有機エレクトロルミネッセンス素子5の有機発光層3を封止することができると共に、熱硬化性樹脂接着層9で防湿層8を密着性高く接着することができ、外部からの水分の遮断性を高く得ることができるものである。また有機発光層3や陰極層4は表面が光硬化性樹脂封止層7で被覆されており、有機発光層3や陰極層4を光硬化性樹脂封止層7で保護することができるものであって、熱硬化性樹脂接着層9の硬化の際の影響で有機発光層3や陰極層4が破壊されることを防ぐことができるものである。そしてこれらにより、長期に亘って有機エレクトロルミネッセンス素子5の素子性能の劣化を抑制することができ、また素子性能の信頼性を高く得ることができるものである。 【0012】 また請求項2の発明は、請求項1において、光硬化性樹脂封止層7の表面の全面を覆うように形成された吸湿剤含有封止層10を具備すると共に、この吸湿剤含有封止層10を覆うように上記防湿層8を形成して成ることを特徴とするものである。 【0013】 この発明によれば、吸湿剤含有封止層10による吸湿によって、外部からの水分をより有効に遮断して有機エレクトロルミネッセンス素子5の素子性能の劣化をより高く抑制することができるものである。 【0014】 また請求項3の発明は、請求項1において、上記積層物6の周囲を囲む位置において光硬化性樹脂封止層7の外周部を覆うように形成された吸湿剤含有封止層10を具備すると共に、この吸湿剤含有封止層10を覆うように上記防湿層8を形成して成ることを特徴とするものである。 【0015】 この発明によれば、吸湿剤含有封止層10による吸湿によって、外部からの水分をより有効に遮断して有機エレクトロルミネッセンス素子5の素子性能の劣化をより高く抑制することができるものである。 【0016】 また請求項4の発明は、請求項2又は3において、上記吸湿剤含有封止層10は、光硬化性樹脂をベースレジンとするものであることを特徴とするものである。 【0017】 この発明によれば、光硬化によって吸湿剤含有封止層10の形成を行なうことができ、作業性を向上することができると共に、有機エレクトロルミネッセンス素子5に対する熱履歴を小さくすることができるものである。 【0018】 また請求項5の発明は、請求項1乃至4のいずれかにおいて、上記光硬化性樹脂封止層7と防湿層8の間に積層される吸湿シート13を具備して成ることを特徴とするものである。 【0019】 この発明によれば、吸湿シート13による吸湿によって、外部からの水分をより有効に遮断して、有機エレクトロルミネッセンス素子5の素子性能の劣化をより高く抑制することができるものである。 【0020】 また請求項6の発明は、請求項1乃至5のいずれかにおいて、上記熱硬化性樹脂接着層9には電気絶縁性の無機フィラーが15質量%以上含有されていることを特徴とするものである。 【0021】 この発明によれば、電気絶縁性の無機フィラーによって透明導電層2と防湿層8との間の電気絶縁性を確保することができるものである。 【0022】 また請求項7の発明は、請求項1乃至6のいずれかにおいて、上記防湿層8は、金属箔、プラスチックからなる基材フィルムに、酸化ケイ素、酸化アルミニウムから選ばれる少なくとも1つの無機酸化物と、窒化ケイ素、窒化アルミニウムから選ばれる少なくとも1つの無機窒化物のうち少なくとも一方を、1層以上積層した積層シート、プラスチックからなる基材フィルムに金属を蒸着した積層シート、から選ばれるものであることを特徴とするものである。 【0023】 この発明によれば、防湿性能の高い防湿層8を薄いシート状物で形成することができ、有機エレクトロルミネッセンス発光装置を薄型でかつ軽量に形成することができるものである。 【0024】 また請求項8の発明は、請求項1乃至7のいずれかにおいて、上記熱硬化性樹脂接着層9には吸湿剤が含有されていることを特徴とするものである。 【0025】 この発明によれば、熱硬化性樹脂接着層9中の吸湿剤による吸湿によって、外部からの水分をより有効に遮断して、有機エレクトロルミネッセンス素子5の素子性能の劣化をより高く抑制することができるものである。 【0026】 また請求項9の発明は、請求項2乃至8のいずれかにおいて、上記吸湿剤は、カルシウム、バリウム、これらの酸化物、シリカゲルから選ばれる少なくとも1種のものであることを特徴とするものである。 【0027】 この発明によれば、吸湿性能の高い吸湿剤によって、外部からの水分をより有効に遮断することができるものである。 【0028】 また請求項10の発明は、請求項1乃至9のいずれかにおいて、上記防湿層8は、上記積層物6の周囲を覆うように端部を屈曲して、透光性基材1と接着されていることを特徴とするものである。 【0029】 この発明によれば、防湿層8と透光性基材1とによって有機発光層3の全体を被覆することができ、また防湿層8と透光性基材1との間の隙間を小さくすることができ、外部からの水分や酸素をより有効に遮断して、有機エレクトロルミネッセンス素子5の素子性能の劣化をより高く抑制することができるものである。 【0030】 本発明の請求項11に係る有機エレクトロルミネッセンス照明装置は、請求項1乃至10のいずれか1項に記載された有機エレクトロルミネッセンス発光装置Aと、この有機エレクトロルミネッセンス発光装置Aの発熱を吸熱する吸熱体11と、この吸熱体11で吸熱した熱を外部へ放熱する放熱体12とを具備して成ることを特徴とするものである。 【0031】 この発明によれば、有機エレクトロルミネッセンス発光装置Aの発熱を放熱しつつ発光させることができるものであり、大面積・高照度で発光させても熱で劣化することを抑制することができ、長寿命な有機エレクトロルミネッセンス照明装置を得ることができるものである。 【発明の効果】 【0032】 本発明によれば、光硬化性樹脂封止層7と防湿層8とで有機エレクトロルミネッセンス素子5の有機発光層3を封止することができると共に、熱硬化性樹脂接着層9で防湿層8を密着性高く接着することができ、外部からの水分の遮断性を高く得ることができるものであり、また有機発光層3や陰極層4は表面が光硬化性樹脂封止層7で被覆されており、有機発光層3や陰極層4を光硬化性樹脂封止層7で保護することができるものであって、熱硬化性樹脂接着層9の硬化の際の影響で有機発光層3や、陰極層4を形成するアルミニウム蒸着などが破壊されることを防ぐことができ、長期に亘って有機エレクトロルミネッセンス素子5の素子性能の劣化を抑制することができると共に、素子性能の信頼性を高めることができるものである。 【発明を実施するための最良の形態】 【0033】 以下、本発明を実施するための最良の形態を説明する。 【0034】 図1は本発明に係る有機エレクトロルミネッセンス発光装置の実施の形態の一例を示すものであり、透光性基材1の表面に陽極となる透明導電層2を積層し、透明導電層2の上に有機発光層3を積層すると共に有機発光層3の上に陰極層4を積層して、有機エレクトロルミネッセンス素子5が形成してある。図1の実施の形態では、透明導電層2によって陽極20と、陽極20と分離された陰極取り出し電極21とが形成されるようにしてあり、陰極層4は陰極取り出し電極21に接続してある。また必要に応じて、有機発光層3と透明導電層2との間にはホール輸送層やホール注入層を、有機発光層3と陰極層4との間には電子輸送層や電子注入層を積層して設けることができる。これらの各部材を形成する材料としては、有機エレクトロルミネッセンス発光素子に従来から使用されている材料を用いることができるものである。この有機エレクトロルミネッセンス素子5にあって、有機発光層3で発光された光は、透光性のガラス板やプラスチック板などで形成される透光性基材1を通して取り出されるものである。 【0035】 そして図1の実施の形態では、有機発光層3と陰極層4からなる積層物6を被覆するように光硬化性樹脂封止層7が形成してある。尚、積層物6は、ホール輸送層、ホール注入層、電子輸送層、電子注入層が設けられている場合には、これらの各層も含むものである。光硬化性樹脂封止層7は有機発光層3や陰極層4の表面に直接接触して被覆する状態で形成されるものであり、また光硬化性樹脂封止層7の外周部は積層物6を囲む位置において透光性基材1の表面に達するようにしてあって、積層物6の全外面を光硬化性樹脂封止層7で被覆するようにしてある。ここで、透明導電層2は透光性基材1の表面の一部に帯状に形成されているものであり、光硬化性樹脂封止層7の外周部は透明導電層2の上面、及び透明導電層2が設けられていない透光性基材1の上面に接着されるようにしてある。 【0036】 光硬化性樹脂封止層7を形成する光硬化性樹脂としては、有機発光層3などの有機膜にダメージを与えること無くUVなどの光を照射して硬化できるものであれば何でもよく、特に限定はされるものではないが、例えば、光カチオン重合性化合物が好適である。この光カチオン重合性化合物としては、分子内に少なくとも1個の光カチオン重合性の官能基を有する化合物であればよく、例えば、分子内に少なくとも1個のエポキシ基、オキセタン基、水酸基、ビニルエーテル基、エピスルフィド基、エチレンイミン基等の光カチオン重合性の官能基を有する化合物などが好適である。例えば、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂などからなる光硬化型接着性樹脂を挙げることができる。特に耐湿性、耐水性に優れ、硬化時の収縮が少ないエポキシ樹脂系の光硬化性樹脂が好ましい。 【0037】 また、光硬化性樹脂封止層7の外側に防湿層8を配置し、熱硬化性樹脂接着層9で光透過性基材1に防湿層8を接着してある。上記のように透明導電層2は透光性基材1の表面の一部に帯状に形成されているものであり、熱硬化性樹脂接着層9は透明導電層2の上面、及び透明導電層2が設けられていない透光性基材1の上面に形成されており、防湿層8が透明導電層2に接触しないようにしてある。また透明導電層2で形成される陽極20や陰極取り出し電極21の一部は熱硬化性樹脂接着層9で被覆されないようにし、陽極20や陰極取り出し電極21の露出する端部に電源を接続することができるようにしてある。図1の実施の形態では、光硬化性樹脂封止層7の全外面に接着剤を塗布して熱硬化させることによって熱硬化性樹脂接着層9を形成し、この熱硬化性樹脂接着層9の外面に防湿層8を貼り付けて積層してある。 【0038】 上記の防湿層8としては、湿気などの水分を遮断する性能が高いものであれば特に限定されることなく各種のものを用いることができ、例えば有機エレクトロルミネッセンス素子の分野で封止のために多用される、ガラス板の片面に掘り込み加工をして積層物6を収容する凹所を形成したものや、SUSなどの金属板をプレス加工して積層物6を収容する凹所を形成したものなどケース状のものを用いることができる。 【0039】 また本発明において、防湿層8としてシート状のものを用いることもできる。防湿層8としてシート状のものを用いることによって、ケース状のものに比べて有機エレクトロルミネッセンス発光装置を薄型・軽量化することができるものである。シート状の防湿層8としては、例えば、金属箔や積層シートを用いることができる。 【0040】 金属箔としては、アルミニウム、銅、ニッケルなどの金属材料や、ステンレス、アルミニウム合金などの合金材料を用いることができるが、柔軟で箔加工性やコストの面で優れ、アルミニウム箔と比較して、熱膨張係数が透光性基材1の材料と近い、電解銅箔が最も好ましい。 【0041】 また積層シートとしては、プラスチックからなる基材フィルムに、酸化ケイ素、酸化アルミニウムの少なくとも一方からなる無機酸化物と、窒化ケイ素、窒化アルミニウムの少なくとも一方からなる無機窒化物のうち、少なくとも一方を蒸着等して1層以上積層した積層シートや、プラスチックからなる基材フィルムに金属を蒸着した積層シートを用いることができるものである。 【0042】 また上記の熱硬化性樹脂接着層9を形成する接着剤としては、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂などからなる、熱硬化型接着性樹脂、2液硬化型接着性樹脂などを用いることができる。特に、耐湿性や耐水性に優れ、硬化時の収縮が少ないエポキシ系熱硬化型接着性樹脂を用いることが好ましい。 【0043】 熱硬化性樹脂接着層9の形成は、接着剤材料の種類などに応じて、ロールコート法、スピンコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法などのコーティング法や印刷法を適宜採用して行うことができるものである。熱硬化性樹脂接着層9の内部の含有水分を除去するために、酸化バリウムや酸化カルシウムなどの乾燥剤を混入することが望ましい。 【0044】 上記のようにして作製される図1の有機エレクトロルミネッセンス発光装置にあって、有機エレクトロルミネッセンス素子5の有機発光層3を、光硬化性樹脂封止層7と防湿層8とで二重に封止することができるものであり、また防湿層8を熱硬化性樹脂接着層9で透光性基材1に密着性高く接着することができるものであり、外部からの水分の遮断性を高く得ることができ、長期に亘って有機エレクトロルミネッセンス素子5の素子性能の劣化を抑制することができるものである。 【0045】 また、有機発光層3や陰極層4の表面の光硬化性樹脂封止層7は、有機発光層3や陰極層4の表面に塗布した光硬化性樹脂を光照射によって短時間で硬化させて形成することができるものであり、加熱して硬化させる場合のような、加熱により溶融した樹脂の流動や、樹脂の硬化収縮の影響で、有機発光層3や、陰極層4を形成するアルミニウム蒸着などが破壊されるようなことはないものである。そして防湿層8を熱硬化性樹脂接着層9で接着するにあたって、熱硬化性樹脂接着剤を塗布して熱硬化させるにあたって、有機発光層3や陰極層4は光硬化性樹脂封止層7で被覆して保護されているものであり、熱硬化性樹脂接着層9の硬化の際の影響で有機発光層3や陰極層4が破壊されることを防ぐことができるものである。このため、有機エレクトロルミネッセンス素子5の素子性能の信頼性を高く得ることができるものである。 【0046】 ここで、防湿層8と、透明導電層2との間の電気絶縁性を確保するために、熱硬化性樹脂接着層9には電気絶縁性の無機フィラーを混入して含有させることが望ましい。無機フィラーの含有量は、無機フィラーの種類によって異なるが、接着剤と無機フィラーの合計100質量部に対して無機フィラーが15質量部以上、つまり15質量%以上の含有量に設定するのが好ましい。有機エレクトロルミネッセンス素子5が2mm×2mm程度の面積の小型素子の場合には、15質量%の絶縁性無機フィラーで絶縁性を確保することが可能であるが、50mm×50mmを超えるような大型の素子5では50質量%以上含有させることによって良好な絶縁性を確保できる。このように電気絶縁性無機フィラーの含有量が15質量%未満であると十分な電気絶縁性の確保が困難であり、無機フィラーの含有量の上限は特に設定されないが、95質量%以下であることが好ましい。接着剤に電気絶縁性無機フィラーが95質量%を超えて含有されると、塗布の作業性が悪くなるので好ましくないものである。 【0047】 電気絶縁性の無機フィラーとしては、熱硬化性樹脂接着層9を形成する樹脂成分の抵抗値よりも大きな抵抗値を持ち、防湿層8と透明導電層2との間の絶縁性が向上できるものであれば、その材質は特に限定されるものではないが、例えば、Al2O3、SiO2、SiC、AlN、BN、MgO又はSi3N4などの無機フィラーを、一種単独であるいは複数種を併用して使用することができる。特に、Al2O3やSiO2からなる無機フィラーは接着剤樹脂と混合させ易いので、これらを用いた場合は、高い配合比率で接着剤樹脂に絶縁性無機フィラーを混合することができ、高い電気絶縁性を得ることができるものである。また、Al2O3、SiC又はAlNからなる無機フィラーを使用すると、熱伝導率が他の無機フィラーと比較して高いので、高熱伝導性の熱硬化性樹脂接着層9を形成することができ、放熱性を向上することができるものである。 【0048】 さらに、熱硬化性樹脂接着層9には吸湿剤を含有させることができる。このように接着層5に吸湿剤を含有させることによって、素子内部に侵入する水分を吸湿剤で吸湿して容易にかつ確実に除去することができるものであり、有機発光層3に水分が作用することによるダークスポットの発生を防止することができ、あるいは発生したダークスポットの成長を抑制することができ、有機発光層3の劣化を抑制する効果を高く得ることができるものである。熱硬化性樹脂接着層9に吸湿剤を含有させるにあたって、吸湿剤の含有量は、特に限定されるものではないが、吸湿剤と接着剤樹脂成分の合計量100質量部対して、吸湿剤5〜80質量部の範囲が好ましく、より好ましくは吸湿剤5〜60質量部の範囲、最も好ましくは吸湿剤5〜50質量部の範囲である。 【0049】 上記の吸湿剤としては、少なくとも水分を吸着する機能を有するものであれば何でも良いが、特に化学的に水分を吸着するとともに、吸湿しても固体状態を維持する化合物が好ましい。このような化合物としては、例えば金属酸化物、金属の無機酸塩・有機酸塩等を挙げることができるが、特にアルカリ土類金属酸化物及び硫酸塩が好ましい。アルカリ土類金属酸化物としては、例えば酸化カルシウム、酸化バリウム、酸化マグネシウム、酸化ストロンチウム等を挙げることができる。硫酸塩としては、例えば硫酸リチウム、硫酸ナトリウム、硫酸ガリウム、硫酸チタン、硫酸ニッケル等を挙げることができる。その他、シリカゲルや、ポリビニルアルコールなど吸湿性を有する有機化合物も用いることができるが、これらに限定されるものではない。これらの中でも、酸化カルシウム、酸化バリウム、シリカゲルなどが特に好ましい。 【0050】 図2は本発明の他の実施の形態を示すものであり、光硬化性樹脂封止層7の全外表面に吸湿剤含有封止層10を被覆して積層するようにしてある。そしてこの吸湿剤含有封止層10を塗布して形成した後に、この上に熱硬化性樹脂接着層9を塗布して形成すると共に熱硬化性樹脂接着層9で防湿層8を接着して、吸湿剤含有封止層10を防湿層8で被覆するようにしてある。その他の構成は図1のものと同じである。 【0051】 このように光硬化性樹脂封止層7の全外表面を吸湿剤含有封止層10で被覆することによって、素子内部に侵入する水分を吸湿剤で吸湿して容易にかつ確実に除去することができるものであり、有機発光層3に水分が作用することによるダークスポットの発生を防止することができ、あるいは発生したダークスポットの成長を抑制することができ、有機発光層3の劣化を抑制する効果を高く得ることができるものである。 【0052】 吸湿剤含有封止層10は、ベースレジンに吸湿剤を含有させ、この吸湿剤含有のベースレジンを光硬化性樹脂封止層7の外面に塗布することによって形成することができる。吸湿剤としては、上記したものを用いることができるものである。吸湿剤含有層10中の吸湿剤の含有量は、特に限定されるものではないが、吸湿剤とベースレジン成分の合計量100質量部に対して、吸湿剤が30質量部以上、つまり30質量%以上に設定するのが好ましい。吸湿剤の含有量の上限は特に設定されないが、塗布の作業性が悪くならないように95質量%未満であることが好ましい。 【0053】 また吸湿剤を含有させるベースレジンとしては、有機エレクトロルミネッセンス素子5に悪影響を与えないものであれば、その材質は特に限定されないが、例えば、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、シリコン系樹脂などからなる光硬化性樹脂を用いることができる。特に耐湿性、耐水性に優れ、硬化時の収縮が少ないエポキシ樹脂系の光硬化性樹脂が好ましい。 【0054】 吸湿剤含有封止層10の形成は、ベースレジンの種類などに応じて、ロールコート法、スピンコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法などのコーティング法や印刷法を適宜採用して行うことできるものである。 【0055】 ここで、有機エレクトロルミネッセンス素子5が2mm×2mm程度の面積の小さい素子であれば、図2のように光硬化性樹脂封止層7の全面に吸湿剤含有封止層10を被覆して光硬化させることができるが、有機エレクトロルミネッセンス素子5が50mm×50mm程度の素子サイズまで大きくなると、光硬化性樹脂封止層7の全面を吸湿剤含有封止層10で覆って光硬化させる際に、素子5に反りが大きく発生し、さらに素子サイズが大きくなると素子5にクラックが入って破壊されるおそれがある。これは、吸湿剤含有封止層10の硬化収縮により内部応力が発生し、また吸湿剤含有封止層10はヤング率が高いためであり、この対策として、硬化収縮を抑え、ヤング率を下げるフィラーを吸湿剤含有封止層10に混入することが好ましく、反りや・素子の破壊を抑えることができるものである。 【0056】 有機エレクトロルミネッセンス素子5のサイズがさらに大型化するときには、図3の実施の形態のように、有機発光層3と陰極層4の積層物6の端面を囲む位置において、光硬化性樹脂封止層7の外周部にのみ吸湿剤含有封止層10を形成することが有効である。吸湿剤含有封止層10は、光硬化性樹脂封止層7と透光性基材1及び透明導電層2の表面との間の界面や、熱硬化性樹脂接着層9と透光性基材1及び透明導電層2の表面との間の界面を覆うように透光性基材1や透明導電層2の表面に密着させて形成されるものである。外部からの水分の主な浸入経路は、熱硬化性樹脂接着層9と透光性基材1及び透明導電層2の間や、光硬化性樹脂封止層7と透光性基材1及び透明導電層2の間の界面であるので、これらの界面の部分に吸湿剤含有封止層10を設けることによって、有機エレクトロルミネッセンス素子5に水分が到達する前に、浸入してきた水分を吸湿剤含有封止層10で捕捉して吸湿除去することができるものである。 【0057】 図4は本発明の他の実施の形態を示すものであり、光硬化性樹脂封止層7の外面に吸湿剤含有封止層10を形成し、この吸湿剤含有封止層10の外面に吸湿シート13を貼った後に、熱硬化性樹脂接着層9を形成して防湿層8を接着することによって、光硬化性樹脂封止層7と防湿層8の間に吸湿シート13を積層するようにしてある。このように吸湿シート13を設けることによって、素子内部に侵入する水分を吸湿シート13で吸湿して容易にかつ確実に除去することができるものであり、有機発光層3に水分が作用することによるダークスポットの発生を防止することができ、あるいは発生したダークスポットの成長を抑制することができ、有機発光層3の劣化を抑制する効果を高く得ることができるものである。なおこの場合、吸湿剤含有封止層10を設けずに、吸湿シート13を積層するようにしてもよい。 【0058】 この吸湿シート8としては、特に限定されるものではないが、上記の吸湿剤を樹脂バインダー成分に混合し、シート状に成形したものを用いることができる。樹脂バインダーとしては、吸湿剤を粉末の形態で含有させることができ、吸湿剤の水分除去作用を妨げず、且つ気体透過性を有する高分子材料からなるものが好適である。このような高分子としては、例えばフッ素系、ポリオレフィン系、ポリアクリル系、ポリアクリロニトリル系、ポリアミド系、ポリエステル系、エポキシ系、ポリカーボネート系等の高分子を挙げることができるが、これに限定されるものではない。 【0059】 図5の実施の形態は、防湿層8として金属箔などの屈曲自在なシート材を用いた例を示すものであり、図3の実施の形態のように光硬化性樹脂封止層7の外面に吸湿剤含有封止層10を形成し、さらに光硬化性樹脂封止層7や吸湿剤含有封止層10の外面、透明導電層2の表面及び透明導電層2が設けられていない透光性基材1の表面に熱硬化性樹脂接着層9を形成し、熱硬化性樹脂接着層9で防湿層8を接着するようにしてある。そして、屈曲自在なシート材で形成される防湿層8の周端部を絞って透光性基材1の側に屈曲させた状態で、防湿層8の全面を熱硬化性樹脂接着層9に接着するようにしてある。このように防湿層8の端部を透光性基材1の側に屈曲した状態で熱硬化性樹脂接着層9に接着することによって、有機発光層3を防湿層8と透光性基材1との間に完全に覆い囲むことができ、また防湿層8と透光性基材1との間の隙間を小さくすることができ、外部からの水分や酸素をより有効に遮断して有機発光層3の劣化をより高く抑制することができるものである。 【0060】 尚、図5の実施の形態は、図3の実施の形態において防湿層8の端部を透光性基材1の側に屈曲した状態で熱硬化性樹脂接着層9に接着するようにしたものを示すが、図1、図2、図4及び後述の図6の各実施の形態においても、同様に、防湿層8の端部を透光性基材1の側に屈曲した状態で接着するようにしてもよいのはいうまでもない。 【0061】 図6の実施の形態は、防湿層8の外面に塗装層22を形成し、有機エレクトロルミネッセンス発光装置の品名などを表示するようにしたものである。その他の構成は図3のものと同じである。塗装層22を形成する塗料やインクとしては、防湿層8との密着性、耐食性、放熱性等を考慮して、任意のものを選択することができる。尚、図1、図2、図4、図5の各実施の形態においても、同様に、防湿層8に塗装層22を形成するようにしてもよいのはいうまでもない。 【0062】 図7は本発明に係る有機エレクトロルミネッセンス照明装置Bの実施の形態の一例を示すものであり、上記の各実施の形態のようにして形成される有機エレクトロルミネッセンス発光装置Aを用い、この有機エレクトロルミネッセンス発光装置Aの防湿層8の外面に発熱を吸熱する吸熱体11を設け、吸熱体11の外面に、吸熱体11で吸熱した熱を外部へ放熱する放熱体12を設けるようにしてある。吸熱体11としては、熱伝導率が高く、防湿層8と密着性の高いものが好ましく、特に限定されるものではないが、シリコンシート、シリコングリース、カーボングラファイトシートなどを用いることができる。また放熱体12としては、アルミニウムや銅の合金を用いたフィン23付の放熱板24や、表面を熱放射率の高い塗料で塗装した金属板などを用いることができるが、これらに限定されるものではない。 【0063】 このように、吸熱体11と放熱体12を備えて有機エレクトロルミネッセンス照明装置Bを形成することによって、有機エレクトロルミネッセンス発光装置Aで発熱した熱を吸熱体11で吸熱して放熱体12で放熱することができるものであり、大面積・高照度で有機エレクトロルミネッセンス発光装置Aを発光させても熱で劣化することを抑制することができ、有機エレクトロルミネッセンス照明装置Bを長寿命に形成することができるものである。 【0064】 尚、図7の実施の形態は、図3の実施の形態の有機エレクトロルミネッセンス発光装置Aを用いて有機エレクトロルミネッセンス照明装置Bを形成するようにしたが、他の実施の形態の有機エレクトロルミネッセンス発光装置Aを用いて、同様に有機エレクトロルミネッセンス照明装置Bを形成することができるのはいうまでもない。 【実施例】 【0065】 次に、本発明を実施例によって具体的に説明する。 【0066】 (実施例1) 50mm×50mm×厚み0.7mmのガラス基板からなる透光性基材1の上に、ITO(インジウム−スズ酸化物)をスパッタ法で150nmの膜厚に形成した後、フォトリソグラフィー法及びウエットエッチング法でITO膜をパターニングして透明導電層2を形成した。このとき図8に示すように、透明導電層2で陽極層20と陰極取り出し電極21とが形成されるようにパターニングを行なった。この透明導電層2を形成した透光性基材1を純水、イソプロピルアルコールで15分間超音波洗浄し、乾燥させた後、さらにUVオゾン洗浄した。 【0067】 次に、この透明導電層2を形成した透光性基材1を真空蒸着装置にセットし、1×10−5Paの減圧下で、陽極20の上に、4,4’−ビス[N−(ナフチル)−N−フェニル−アミノ]ビフェニル(α−NPD)を1〜2Å/sの蒸着速度で400Å厚に蒸着して、ホール輸送層を、トリス(8−ヒドロキシキノリナート)アルミニウム錯体(Alq3)を1〜2Å/sの蒸着速度で400Å厚に蒸着して、有機発光層3と電子輸送層を兼用する層を、この順に形成した。この後、LiFを0.5〜1.0Åの蒸着速度で5Å厚に蒸着し、さらにAlを5Å/sの蒸着速度で1000Åの厚みに蒸着することによって、図8のように有機発光層3の上から陰極取り出し電極21の上にかけて陰極層4を形成し、有機エレクトロルミネッセンス素子5を作製した。 【0068】 そして、この有機エレクトロルミネッセンス素子5を露点−70℃の窒素循環型グローブボックスに移し、UV硬化性エポキシ樹脂封止剤(松下電工株式会社製)を有機発光層3と陰極層4の上に塗布し、UV照射して光硬化させて光硬化性樹脂封止層7を形成した。 【0069】 一方、防湿層8として、36mm×46mm×厚さ1.1mmのガラス板26の片面に、周囲3mmを残して0.5mmの深さでブラスト加工により掘り込んで凹部27を設けて形成した封止キャップ28を用いた。そして封止キャップ28の周囲3mm幅の部分に熱硬化性エポキシ樹脂(松下電工社製)をディスペンサーで塗布し、有機エレクトロルミネッセンス素子5にこの封止キャップ28を被せて治具で固定し、グローブボックスから取り出した。この後、加熱して熱硬化性エポキシ樹脂を硬化させて透光性基材1に熱硬化性樹脂接着層9で封止キャップ23を接着固定することによって、図8のような有機エレクトロルミネッセンス発光装置を得た。 【0070】 (実施例2) 封止キャップ23の凹部27内にダイニック社製の10mm×10mmの吸湿シート13を貼って用い、後は実施例1と同様にして図9のような有機エレクトロルミネッセンス発光装置を得た。 【0071】 (比較例1) 実施例1において、光硬化性樹脂封止層7を形成しないようにした他は、実施例1と同様にして図10のような有機エレクトロルミネッセンス発光装置を得た。 【0072】 (比較例2) 封止キャップ23の凹部27内にダイニック社製の10mm×10mmの吸湿シート13を貼って用い、後は実施例1において、光硬化性樹脂封止層7を形成しないようにした他は、実施例1と同様にして図11のような有機エレクトロルミネッセンス発光装置を得た。 【0073】 上記のようにして作製した実施例1及び比較例1の有機エレクトロルミネッセンス発光装置を、50℃、90%RHの恒温恒湿槽に300時間放置した。また実施例2及び比較例2の有機エレクトロルミネッセンス発光装置を、50℃、90%RHの恒温恒湿槽に2400時間放置した。そして所定時間経過毎の、有機エレクトロルミネッセンス発光装置の発光状態を観察し、有機発光層3の非発光部の増分を顕微鏡で寸法測定した。増分の推移を図12及び図13に示す。 【0074】 図12に示すように、実施例1のものは比較例1より有機発光層3の非発光部の増分が小さくなっており、また図13に示すように、実施例2のものは比較例2より有機発光層3の非発光部の増分が小さくなっており、実施例1,2のものは外部からの水分の遮断性能が高く素子性能の劣化を抑制できることが確認される。 【図面の簡単な説明】 【0075】 【図1】本発明に係る有機エレクトロルミネッセンス発光装置の実施の形態の一例を示す断面図である。 【図2】本発明に係る有機エレクトロルミネッセンス発光装置の実施の形態の他の一例を示す断面図である。 【図3】本発明に係る有機エレクトロルミネッセンス発光装置の実施の形態の他の一例を示す断面図である。 【図4】本発明に係る有機エレクトロルミネッセンス発光装置の実施の形態の他の一例を示す断面図である。 【図5】本発明に係る有機エレクトロルミネッセンス発光装置の実施の形態の他の一例を示す断面図である。 【図6】本発明に係る有機エレクトロルミネッセンス発光装置の実施の形態の他の一例を示す断面図である。 【図7】本発明に係る有機エレクトロルミネッセンス照明装置の実施の形態の一例を示す断面図である。 【図8】実施例1で作製した有機エレクトロルミネッセンス発光装置の断面図である。 【図9】実施例2で作製した有機エレクトロルミネッセンス発光装置の断面図である。 【図10】比較例1で作製した有機エレクトロルミネッセンス発光装置の断面図である。 【図11】比較例2で作製した有機エレクトロルミネッセンス発光装置の断面図である。 【図12】実施例1及び比較例1で作製した有機エレクトロルミネッセンス発光装置の耐湿度性試験での、非発光部の増分の推移を示すグラフである。 【図13】実施例2及び比較例2で作製した有機エレクトロルミネッセンス発光装置の耐湿度性試験での、非発光部の増分の推移を示すグラフである。 【符号の説明】 【0076】 1 透光性基材 2 透明導電層 3 有機発光層 4 陰極層 5 有機エレクトロルミネッセンス素子 6 積層物 7 光硬化性樹脂封止層 8 防湿層 9 熱硬化性樹脂接着層 10 吸湿剤含有封止層 11 吸熱体 12 放熱体 13 吸湿シート
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005832 【氏名又は名称】松下電工株式会社 【識別番号】504265754 【氏名又は名称】財団法人山形県産業技術振興機構
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| 【出願日】 |
平成18年7月26日(2006.7.26) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100087767 【弁理士】 【氏名又は名称】西川 惠清
【識別番号】100085604 【弁理士】 【氏名又は名称】森 厚夫
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| 【公開番号】 |
特開2008−34142(P2008−34142A) |
| 【公開日】 |
平成20年2月14日(2008.2.14) |
| 【出願番号】 |
特願2006−203921(P2006−203921) |
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