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【発明の名称】 誘導加熱調理器
【発明者】 【氏名】橋元 健太郎

【氏名】小笠原 透

【要約】 【課題】中心点付近の磁束密度を大きくし、加熱ムラを回避することができる誘導加熱調理器を得る。

【構成】誘導コイルの下方に配設された複数のフェライトを備えた誘導加熱調理器であって、前記各フェライトは、本体底面の中心点を起点とする放射線を、当該放射線に平行に所定寸法オフセットしてなる直線上に、それぞれ交差しないように配置されており、その中心点側の端部は、やや内側寄りの位置より開始することを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
誘導コイルの下方に配設された複数のフェライトを備えた誘導加熱調理器であって、
前記各フェライトは、
本体底面の中心点を起点とする放射線を、当該放射線に平行に所定寸法オフセットしてなる直線上に、それぞれ交差しないように配置されており、その中心点側の端部は、内側寄りの位置より開始することを特徴とする誘導加熱調理器。
【請求項2】
前記各フェライトは、
本体底面の中心点を起点とする十字状の放射線を、当該放射線に平行に所定寸法オフセットしてなる直線上に、それぞれ交差しないように卍状に配置されたことを特徴とする請求項1に記載の誘導加熱調理器。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、誘導加熱炊飯器等の誘導加熱調理器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図2は、従来の誘導加熱式炊飯器の構成を底面から見た様子を示すものである。
従来の誘導加熱式炊飯器等の誘導加熱調理器においては、例えば図2に示すように、誘導コイル1の下方に、磁気回路を構成し、誘導コイル1から発振する磁束の漏れを抑制するため、及び磁束の分布を調整するために、フェライト3が配置されている。
【0003】
このフェライト3は、誘導コイル1の中心点8を起点として延びる放射線4上に、ある角度をもって配置されるのが一般的な構成である。
このような構成を有する誘導加熱炊飯器として、例えば『炊飯器本体と、前記炊飯器本体の内部に配設される鍋と、前記鍋の底部に配設した第1の誘導加熱コイルと、第1の誘導加熱コイルより外周で、かつ前記鍋底外周コーナー部にほぼ沿って配設した第2の誘導加熱コイルと、前記第1と第2の誘導加熱コイルの下方でかつ両誘導加熱コイルにかけて連続して配設したフェライトとを備え、前記フェライトは前記炊飯器本体の中心より前記炊飯器本体の周面に向かってほぼ等間隔で放射状に配置される誘導加熱炊飯器。』というものがある(特許文献1)。
【0004】
また、この中心点8上に、内釜に当接し、その温度を検知する温度センサーが設けられていることも、一般的な構成である。
このような構成を有する炊飯器として、例えば『鍋と、前記鍋を収容する鍋収容部と、前記鍋収容部の外面に配置した加熱手段と、前記鍋の温度を検出する鍋温度検出手段と、前記加熱手段の外面に配置した電気絶縁物からなる加熱手段カバーと、前記加熱手段カバーの外面に放射状に配置した複数のフェライトコアと、前記フェライトコアの外面に配置した電気絶縁物からなるフェライトカバーとを備え、前記加熱手段カバーと前記フェライトカバーとの間に前記フェライトコアを狭持するとともに、前記鍋収容部と前記フェライトカバーとの間に前記鍋温度検出手段を狭持したことを特徴とする炊飯器。』というものがある(特許文献2)。同文献の『鍋温度検出手段』の配置は、図2の『鍋温度検出センサ13』として示されている。
【特許文献1】特公平7−102172号公報(請求項1)
【特許文献2】特開2000−210192号公報(請求項1、図2、図の説明)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
図2に示すように、内釜を発熱させるための、磁束を発振する誘導コイル1は、加工上の制約からその中心点8付近には空間7が空いてしまう。また、その空間7を極力小さくしても、中心点8付近に内釜の温度を検知するセンサーを配置するので、内釜の中心点8付近に対向する面には、誘導コイルを配置することができなかった。
【0006】
そのため、内釜の中心点8付近の磁束密度は小さく、加熱ムラが生じる原因となっていた。
また、上記問題を解決すべく、中心点8付近に、例えばリング状のフェライトを配置する方法も考えられるが、フェライトの数量が増え、コストが高くなってしまうなどの課題があった。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、従来技術と同じ部品点数で、中心点付近の磁束密度を大きくし、加熱ムラを回避することができる誘導加熱調理器を得ることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る誘導加熱調理器は、
誘導コイルの下方に配設された複数のフェライトを備えた誘導加熱調理器であって、
前記各フェライトは、
本体底面の中心点を起点とする放射線を、当該放射線に平行に所定寸法オフセットしてなる直線上に、それぞれ交差しないように配置されており、その中心点側の端部は、やや内側寄りの位置より開始することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、従来の技術を示す図2のように、フェライト3が炊飯器本体の中心点(内釜及び誘導コイルの中心点でもある)を起点とする放射線4上に配置されるものと比較して、誘導コイル1が配置されない空間7におけるフェライト3の占有面積を増加させることができるとともに、誘導コイル1が配置される範囲についても、フェライトの占有面積を増加させることができる。
したがって、従来の技術においては磁束密度の小さかった中心点8付近の磁束密度を大きくすることができ、加熱ムラを解消することができるとともに、磁束の漏れの抑制に関しても性能の向上を図ることができる。
また、従来の技術と同じフェライト個数で実現できるため、コストが増加することなく上記の効果を奏することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
実施の形態.
図1は、本発明の実施の形態に係る誘導加熱調理器の1例としての電気炊飯器の構成を底面から見た様子を示すものである。
図1の電気炊飯器は、誘導コイル1、コイル台2、フェライト3、図示しない内釜を有する。
誘導コイル1は、内釜を誘導加熱する磁束を発するものであり、コイル台2に支持されて、中心点8を中心として同心円状に配置されている。中心点8付近は、従来技術の説明で述べたとおり、温度センサーを配置するために空間7が設けられている。
フェライト3は、誘導コイル1から発振する磁束の漏れを抑制するため、及び磁束の分布を調整するために、誘導コイル1の下方に配置されている。配置の詳細については後述する。
中心点8は、電気炊飯器を底面から見た場合の本体ないしコイル台2の中心であり、誘導コイル1は中心点8を中心として同心円状に配置されているので、誘導コイル1の中心でもある。
空間7は、中心点8を中心として、所定の半径の円状に設けられており、この部分には誘導コイル1が配置されていない。
【0010】
次に、フェライト3の配置の詳細について、図1を基に説明する。フェライト3の配置は、以下の手順で得られる。
(1)
まず、図1の中心点8を起点として、4本の放射線4を十字状に描く。
(2)
放射線4を、オフセット5だけ平行移動すると、直線6が得られる。4本の放射線をそれぞれ同様にオフセット5だけ平行移動すると、4本で卍状に形成された直線6が得られる。
(3)
4本のフェライト3を、卍を形成する4本の直線6上に、それぞれ交差しないように配置する。
(4)
フェライト3の中心点8側の端部を、やや内側寄りにずらす。ずらした後も、各フェライト3が交差しないようにする。
【0011】
このようにフェライト3を配置すると、中心点8を中心とする円周を4本のフェライト3が取り囲むように配置され、空間7部分にもフェライト3が配置されることになる。
これによって、従来磁束密度が低かった空間7部分も、磁束密度を高めることができ、磁束密度の分布にムラがなくなるので、内釜をムラなく加熱することができ、おいしい調理を行うことができる。
【0012】
フェライト3は、棒状フェライトやこれを組み合わせて配置したものでもよいし、誘導コイル1及びコイル台2の外形にほぼ沿うように配置された、いわゆるJ形フェライトであってもよい。即ち、放射線4をオフセットしてなる直線状に、それぞれ交差しないように配置され、その中心点側の端部が、やや内側寄りの位置より開始するものであればよく、フェライト自体の形状は問わない。
【0013】
また、本実施の形態においては4本のフェライト3を卍状に配置したものについて説明したが、配置の形状はこれに限られるものではなく、例えば放射線4が3本であれば、これらをそれぞれオフセットしてなる直線上にフェライトを交差しないように配置し、中心点8付近を三角形で取り囲むように構成することもできる。
即ち、フェライトは、体底面の中心点を起点とする放射線を、当該放射線に平行に所定寸法オフセットしてなる直線上に、それぞれ交差しないように配置されており、その中心点側の端部は、やや内側寄りの位置より開始するものであればよい。
このような構成をとることにより、フェライトの個数(=放射線4及び直線6の本数)や底面から見た長さが、中心点8を取り囲むようにフェライトを配置できる程度に十分であれば、フェライトの個数がいずれであっても、中心点8付近の磁束密度を同様に高めることができるという効果を奏することができる。
【0014】
なお、本実施の形態においては電気炊飯器を例に説明したが、本発明の対象はこれに限られるものではなく、誘導コイルの下方に配設された複数のフェライトとを備えた誘導加熱調理器全般に適用できるものである。
即ち、フェライトを実施の形態で説明したような構成とする誘導加熱調理器であればよく、適用対象は電気炊飯器に限られるものでない。
【0015】
以上のように、本実施の形態によれば、
誘導コイル1の下方に配設された複数のフェライト3を備え、
前記各フェライト3は、
本体底面の中心点8を起点とする放射線4を、当該放射線に平行に所定寸法(オフセット5)オフセットしてなる直線6上に、それぞれ交差しないように配置されており、その中心点8側の端部は、内側寄りの位置より開始するので、
従来の技術を示す図2のように、フェライト3が炊飯器本体の中心点(内釜及び誘導コイルの中心点でもある)を起点とする放射線4上に配置されるものと比較して、誘導コイル1が配置されない空間7におけるフェライト3の占有面積を増加させることができるとともに、誘導コイル1が配置される範囲についても、フェライトの占有面積を増加させることができる。
したがって、従来の技術においては磁束密度の小さかった中心点8付近の磁束密度を大きくすることができ、加熱ムラを解消することができるとともに、磁束の漏れの抑制に関しても性能の向上を図ることができる。
【0016】
また、前記各フェライト3は、
本体底面の中心点8を起点とする十字状の放射線4を、当該放射線4に平行に所定寸法(オフセット5)オフセットしてなる直線6上に、それぞれ交差しないように卍状に配置されたので、
従来の、フェライト3を4本用いるものと同じ部品点数でも、上記と同様の効果を奏することができる。即ち、コストを高くすることなく、誘導加熱調理器としての調理性能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施の形態に係る誘導加熱調理器の1例としての電気炊飯器の構成を底面から見た様子を示すものである。
【図2】従来の誘導加熱式炊飯器の構成を底面から見た様子を示すものである。
【符号の説明】
【0018】
1 誘導コイル、2 コイル台、3 フェライト、4 放射線、5 放射線4からのオフセット寸法、6 放射線4から寸法5をオフセットした直線、7 空間、8 中心点。
【出願人】 【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
【識別番号】000176866
【氏名又は名称】三菱電機ホーム機器株式会社
【出願日】 平成18年7月7日(2006.7.7)
【代理人】 【識別番号】100085198
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 久夫

【識別番号】100098604
【弁理士】
【氏名又は名称】安島 清

【識別番号】100061273
【弁理士】
【氏名又は名称】佐々木 宗治

【識別番号】100070563
【弁理士】
【氏名又は名称】大村 昇

【識別番号】100087620
【弁理士】
【氏名又は名称】高梨 範夫


【公開番号】 特開2008−16372(P2008−16372A)
【公開日】 平成20年1月24日(2008.1.24)
【出願番号】 特願2006−187934(P2006−187934)