| 【発明の名称】 |
発光装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】青野 伸二郎
【氏名】川村 雅明
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| 【要約】 |
【課題】発光素子から発光する光が透明基板からその前面に出射する発光装置において、その光取り出し効率および発光装置の正面輝度を向上させる。
【構成】発光装置の透明ガラス基板の光出射面は、光出射面の面法線方向に略平行な垂直面と、光出射面に平行な水平面とを含んで成る凹凸構造になっている。例えば、複数の透明な突起部1が光出射面に配列され、その側壁面1aが上記垂直面となり、上端面1bおよび間隙面1cが上記水平面となる。あるいは、複数の凹陥部2が配列して光出射面に形成され、側壁面2aが上記垂直面となり、底面2bおよび間隙面2cが上記水平面となる。そして、同図の下方に配置された発光素子(不図示)から発光する光は、一部であるが上記垂直面により光出射面の面法線方向にコリメートされる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 透明基板と該透明基板上に設けられた発光素子とを有し、前記透明基板側から光を出射する発光装置であって、 前記透明基板の光出射側の面には、前記透明基板主面の面法線の方向に平行な垂直面と前記主面に平行な水平面とを含んで構成された凹凸部が形成されていることを特徴とする発光装置。 【請求項2】 前記発光素子は、透光性導電体からなる第1の電極、少なくとも一層の有機発光層および非透光性導電体からなる第2の電極が前記透明基板上に積層された有機EL素子であることを特徴とする請求項1に記載の発光装置。 【請求項3】 前記凹凸部は、前記透明基板主面に複数の透明な突起部が配列されて成ることを特徴とする請求項1に記載の発光装置。 【請求項4】 前記突起部は、その高さをAとし、その上端面の幅をBとし、その空気との界面における光の臨界角をθcとすると、A/Bが略tan(θc)に等しくなるように形成されていることを特徴とする請求項3に記載の発光装置。 【請求項5】 前記突起部はハニカム構造に配列されていることを特徴とする請求項3又は4に記載の発光装置。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、例えば有機EL(エレクトロルミネセンス)発光装置等の自発光装置に関する。 【背景技術】 【0002】 近年、一対の対向する電極間に有機発光層を含有する有機EL層を挟み、その電極間に電圧を印加し有機EL層に電流を流して発光させる有機EL素子は、その実用化に向けた種々の検討が精力的に進められている。この有機EL素子は、FPD(フラットパネルディスプレイ)のような表示装置、非自発光素子で成る液晶表示装置の面光源バックライトあるいは照明灯のような照明装置に好適な自発光素子である。以下、上記有機EL素子を用いる表示装置および照明装置を総称して有機EL発光装置という。 【0003】 図7は、この有機EL発光装置の一例を示し、その構造の断面図である。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なる。 【0004】 図7に示すように、有機EL発光装置10では、非透湿性材料から成る透明ガラス基板11上に、ITO(インジウム錫酸化物)のような透光性導電体から成る第1の電極12が形成されている。そして、第1の電極12上に正孔輸送層13が例えばα−NPD(4,4’−ビス[N−(2−ナフチル)−N−フェニル−アミノ]ビフェニル)により形成され、この正孔輸送層13に積層して電子輸送性発光層14が例えばAlq3(トリス(8−キノリノラト)アルミニウム錯体)により形成されている。また、上記電子輸送性発光層14に電子注入層15が設けてある。これ等の積層する正孔輸送層13、電子輸送性発光層14および電子注入層15により有機EL層16が構成される。ここで、電子注入層15は、仕事関数の小さい(例えば3eV以下)、アルカリ金属、アルカリ土類金属、これ等金属の合金、上記金属のハロゲン化合物、あるいは、これ等の金属と有機物の混合層により形成される。 【0005】 更に、第1の電極12に対向して例えばAl(アルミニウム)金属のような非透光性導電体から成る第2の電極17が、上記電子注入層15を被覆して有機EL層16上に設けられている。ここで、図を簡明にするために図示していないが、第1の電極12および第2の電極17は、層抵抗の低い電極取り出し配線を通して外部に取り出され、それぞれ電源につながる。そして、例えばUV硬化樹脂18による接合を通して、ガラス製あるいはステンレス製の封止缶19により全体が気密封止されている。 【0006】 上記有機EL発光装置10において、第1の電極12と有機EL層16と第2の電極17により発光素子である有機EL素子が構成され、この発光素子の例えば上記電子輸送性発光層14において発光した光は、透明ガラス基板11の前面側に出射する。ここで、第2の電極17は、上記光を背面側から透明ガラス基板11側に反射する機能を有する。 【0007】 上記有機EL発光装置のような発光装置では、その発光素子から発光した光をその外部である空気中に効率的に取り出すために、透明ガラス基板11の光出射面11aを凹凸構造にすることが種々に提案されている(例えば、特許文献1参照)。これについて、図8を参照して説明する。図8は、図7に示した透明ガラス基板11の領域Pを拡大した斜視図である。図8(a)は通常の平面構造になる場合であり、図8(b)、(c)が、それぞれピラミッドアレイ、マイクロレンズアレイになった凹凸構造の例である。 【0008】 図8(a)に示すように、同図の下方に配置された発光素子(不図示)から発光する光は、屈折率が1.4以上となる透明ガラス基板11から屈折率が1程度のその前面側の空気20中へ出射する。しかし、この光の中で、光出射面11aに対して、その面法線21からの角度が臨界角θc以上になる傾斜入射光22は、いわゆるスネルの法則により全反射光23になり、この全反射光23の一部は、背面の発光素子側に伝搬し多重散乱等を経て最終的に熱として消滅したり、透明ガラス基板11の端部から外部に出射する。このために、図8(a)では、全反射光23により、透明ガラス基板11の前面への光取り出し効率が低下する。 【0009】 そこで、図8(b)のように、光出射面11aをピラミッドの凹凸構造にすると、傾斜入射光22は、光出射面11aから一定角度に傾斜したピラミッドの傾斜面で屈折し、いわゆる散乱出射光24となって空気中に取り出されるようになる。同様に、図8(c)のように、光出射面11aをマイクロレンズの凹凸構造にすると、上記傾斜入射光22は、これ等のレンズのいわゆる集光作用によって、同様に散乱出射光24になり空気中に取り出されるようになる。そして、図8(a)の場合に比べて、光出射面11aでの全反射による光損失が低減し、有機EL発光装置からの光の取り出し効率が向上する。 【特許文献1】特開2004−127746号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0010】 しかしながら、上記ピラミッドあるいはマイクロレンズの凹凸構造にした光出射面11aでは、図8(b)、(c)に示したように、図8(a)の光出射面11aに対して、その面法線21からの角度が零近傍になる垂直入射光25は、上記ピラミッドの傾斜面あるいはマイクロレンズ表面で屈折し、面法線21の方向から傾斜した拡散出射光26になってしまう。このために、有機EL発光装置の透明ガラス基板11の前面側において、上記面法線21方向の正面方向に取り出される光の強度すなわち正面輝度は、図8(b)、(c)に示したような凹凸構造にすることにより必ずしも向上するものではない。逆に、図8(a)の平面構造の場合よりも正面輝度は低下するという問題があった。このような問題は、上記発光素子から発光する光が等方的でなく指向性を帯びるようになると、より顕在化するようになる。 【0011】 上記の問題は、有機EL発光装置の場合の他に、PDP(プラズマディスプレイパネル)、発光ダイオードを発光素子にした発光装置、FED(フィールドエミッションディスプレイ)のような発光装置であっても、全く同様に生じる。 【0012】 本発明は、上述の事情に鑑みてなされたものであって、発光素子から発光する光が、透明基板からその前面に出射する発光装置において、その光取り出し効率が向上すると共に、その発光装置の正面輝度が簡便に向上する発光装置を提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0013】 上記目的を達成するために、本発明にかかる発光装置は、透明基板と該透明基板上に設けられた発光素子とを有し、前記透明基板側から光を出射する発光装置であって、前記透明基板の光出射側の面には、前記透明基板主面の面法線の方向に平行な垂直面と前記主面に平行な水平面とを含んで構成された凹凸部が形成されている、構成になっている。 【0014】 上記発明において、前記発光素子は、透光性導電体からなる第1の電極、少なくとも一層の有機発光層および非透光性導電体からなる第2の電極が前記透明基板上に積層された有機EL素子である。 【0015】 そして、前記凹凸部は、前記透明基板主面に複数の透明な突起部が配列されて成る。 【0016】 上記発明により、発光素子から発光する光の一部が垂直面において光出射面の面法線方向にコリメートされ易くなる。また、透明基板主面において全反射する光が、垂直面を透過して光出射側に取り出されるようになる。このようにして、光取り出し効率が向上すると共に、簡便に発光装置の正面輝度が増大する。 【0017】 上記発明の好適な一態様では、前記突起部は、その高さをAとし、その上端面の幅をBとし、その空気との界面における光の臨界角をθcとすると、A/Bが略tan(θc)に等しくなるように形成されている。また、前記突起部はハニカム構造に配列されている。 【0018】 上記発明により、発光装置の透明基板に多数の凹凸部を形成しても、その機械的な強度が高く保持される。そして、光出射側への光取り出し効率の向上と、発光装置の正面輝度の増大とが可能であり、実用性に優れたものになる。 【発明の効果】 【0019】 本発明の構成によれば、発光素子から発光する光が透明基板からその前面に出射する発光装置において、その光取り出し効率が向上すると共に、発光装置の正面輝度が簡便に向上する発光装置を提供することができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0020】 以下、本発明の実施形態を図1、図2、図3および図7を参照して説明する。この図面では、互いに同一または類似の部分には共通の符号を付す。図1は、本実施形態の発光装置における光出射面11aの正面図である。図2は、図1(a)、(b)のX−XあるいはY−Yでの断面図である。図3は、図1(c)のX−X、Y−YあるいはZ−Zでの断面図である。ここで、発光装置は特に限定されるものではなく、上述したような自発光の発光装置であれば構わない。以下の実施形態では、有機EL発光装置の場合を例に挙げる。 【0021】 図1、2,3に示すように、有機EL発光装置10の透明ガラス基板11の光出射面11aは、該光出射面11aの面法線方向に略平行な垂直面と、光出射面11aに平行な水平面とを含んで成る凹凸構造になっている。ここで、垂直面は平面形状、曲面形状あるいはこれ等を組み合わせ形状である。そして、これ等の垂直面および水平面は、高い平坦性、高い平滑性を有すると好適である。 【0022】 具体的には、図1、図2(a)および図3(a)に示すように、柱状の複数の突起部1が光出射面11aに配列されている。そして、突起部1の側壁面1aが上記垂直面となり、突起部1の上端面1bおよび間隙面1cが上記水平面となる。ここで、間隙面1cは、隣り合う突起部1の間に形成される面のことである。 例えば、図1(a)と図2(a)に示すように、突起部1は正四角柱になっており、その側壁面1aは4つの矩形面により構成され、上端面1bは正方形になっている。ここで、上端面1bはその他の矩形となる構造であっても構わない。 あるいは、図1(b)と図2(a)に示すように、突起部1は円柱となっており、その側壁面1aは円柱面により構成されている。ここで、上端面1bが楕円のように閉曲線で囲まれた平面となるような構造であっても構わない。 あるいは、図1(c)と図3(a)に示すように、突起部1は六角柱となってハニカム構造に配列され、突起部1の側壁面1aは6つの矩形面により構成され、上端面1bは正六角形になっている。このハニカム構造は、透明ガラス基板11に多数の凹凸部を形成しても、その機械的な強度が高く保たれる。ここで、上端面1bが三角形あるいはその他の多角形となるような構造となっても構わない。図3では、隣り合う突起部1の間隔は、図1(a)、(b)の場合より大きく狭まっているが、図1(a)、(b)の場合であっても間隙面1cの幅を小さくすることができる。 【0023】 上述したような突起部1は、透明ガラス基板11の光出射面11aのエッチングマスクを用いた選択的なエッチング加工、あるいはダイシングソーによる加工等で形成される。この場合、上端面1bは上記光出射面11aで構成され、その主面となる。あるいは、上記複数の突起部1を上記光出射面11aに張り付けて形成しても構わない。この場合には、間隙面1cが上記光出射面11aで構成されて主面となる。 【0024】 また、上記垂直面および水平面を含んで成る凹凸構造の具体例では、図1、図2(b)および図3(b)に示すように、複数の凹陥部2が光出射面11aに配列されている。そして、凹陥部2の側壁面2aが上記垂直面となり、凹陥部2の底面2bおよび間隙面2cが上記水平面となる。ここで、間隙面2cは、隣り合う凹陥部2の間に形成された面のことである。 例えば、図1(a)と図2(b)に示すように、凹陥部2は正四角柱がくり貫かれた構造となっており、その側壁面2aは4つの矩形面により構成され、底面2bは正方形になっている。ここで、底面2bはその他の矩形となる構造であっても構わない。 また、図1(b)と図2(b)に示すように、凹陥部2は円筒状になっており、その側壁面2aは円筒面により構成されている。ここで、底面2bが楕円のように閉曲線で囲まれた平面となる構造であっても構わない。 あるいは、図1(c)と図3(b)に示すように、凹陥部2は六角柱がくり貫かれたハニカム構造となっており、その側壁面2aは6つの矩形面により構成され、底面2bは正六角形になっている。この場合、隣り合う凹陥部2の間隔は、図1(a)、(b)の場合より大きく狭まっているが、図1(a)、(b)の場合と同程度に大きくなるようにしてもよい。上記ハニカム構造は、透明ガラス基板11に多数の凹凸部を形成しても、その機械的な強度が高く保たれる。なお、底面2bが三角形あるいはその他の多角形となるようにしても構わない。 【0025】 上述したような凹陥部2は、透明ガラス基板11の光出射面11aのエッチングマスクを用いたエッチング加工等で形成される。この場合、間隙面2cは上記光出射面11aで構成され、その主面となる。あるいは、上記複数の凹陥部2を配列して形成した部材を、上記光出射面11aに張り付けて形成しても構わない。 【0026】 上述したような突起部1あるいは凹陥部2は、透明ガラス基板11の光出射部11aに一定の間隔で多数個に配列されるように形成してもよいし、それ等が不定間隔で配設されるようになっていても構わない。なお、上記一定間隔の配列にあっては、例えば1行目の配列と2行目の配列が互いに半周期ずれるようにしてもよい。ここで、これ等の突起部1あるいは凹陥部2の寸法は、発光素子から発光する光波長の10倍程度以上にするとよい。このようにすることにより、本実施形態の垂直面と水平面とを含んで成る凹凸構造が回折格子の機能を有さないようにする。 【0027】 次に、本実施形態の効果について図4および図5を参照して説明する。図4は、本実施形態の効果を説明するための有機EL発光装置における正面輝度の電流密度依存性の一例を示すグラフである。図5は、上記効果が生じるメカニズムを概略説明するための模式図である。 【0028】 図7に示した有機EL発光装置10において、本実施形態の垂直面と水平面とを含んで成る凹凸構造を透明ガラス基板11の光出射面11aに形成した場合、および通常の平面構造の場合の正面輝度をそれぞれに測定した。ここで、有機EL発光装置10において、透明ガラス基板11は、合成石英から成り、その屈折率が約1.5、膜厚が1mm程度である。また、第1の電極12はITO膜から成り、その屈折率が約2.5程度、その膜厚が200nm程度である。そして、有機EL層16は上述した積層する有機薄膜から成り、その屈折率が1.8程度、その膜厚が150nm程度である。ここで、電子注入層15は膜厚が0.5nm程度のLiF(フッ化リチウム)から成る。そして、第2の電極17は膜厚が150nm程度のAlから成る。 【0029】 そして、本実施形態の垂直面と水平面とを含んで成る凹凸構造では、図1(a)および図2(a)で示した正四角柱の突起部1が所定のピッチ配列で形成してある。ここで、上端面1bの一辺の長さが0.5mmであり、間隙面1cの長さが0.5mmであり、突起部1の高さが0.4mmである。そして、この突起部1は、バッファード・フッ酸液による光出射面11aの選択的なウェットエッチングで形成された。 【0030】 図4は、横軸に第1の電極および第2の電極間の電流密度をとり、縦軸に正面輝度をとっている。図中の○印で示すように、本実施形態の場合では、電流密度が10mA/cm2において正面輝度は500cd/m2であり、それ以上になると電流密度に略比例して正面輝度は増加する。これに対して、図中の△印で示すように、従来の平面構造の場合では、10mA/cm2において正面輝度は420cd/m2程度になり、それ以上で電流密度に略比例して正面輝度は増加する。ここで、有機EL発光装置10において、発光素子は両者の場合で同一の構造である。このことから、本実施形態の上記凹凸構造により、その正面輝度は従来の平面構造の場合の15%〜20%増加するようになることが判る。 【0031】 次に、本実施形態において正面輝度が増加するメカニズムについて概略説明する。図5(a)は、図1(a)および図2(a)で説明した突起部1から成る凹凸構造の場合であり、図5(b)は、上記平面構造の場合である。図5(a)に示すように、垂直面である突起部1の側壁面1aに対し臨界角θcで入射する臨界入射光3は、垂直出射光4となり上端面1bから透明ガラス基板11の前面側に出射するようになる。このように、有機EL素子からの光は、一部であるが上記垂直面により光出射面11aの面法線方向にコリメートされる。これに対して、平面構造の場合は、図5(b)に示すように、上記臨界入射光3は、光出射面11aにおいてスネルの法則により屈折して屈折出射光5になる。 一方、図5(a)の上端面1bと間隙面1c、および図5(b)の光出射面11aに対して垂直に入射する垂直入射光6は、一部は背面反射するもののほとんどが垂直出射光4として透明ガラス基板11の前面側に出射するようになる。 【0032】 このように、本実施形態では、垂直面と水平面とを含んで成る凹凸構造において、その垂直面により、上記臨界入射光3が垂直出射光4として加算されるようになる。概略的にはこれにより正面輝度が増加したものと考えられる。本実施形態によるこのような光取り出し効率の向上は、所要の正面輝度を得るための電流密度の低下を可能にすることを意味する。すなわち、本実施形態の上記凹凸構造により、有機EL発光装置を駆動する電流密度は、従来の平面構造の場合の15%〜20%減少する。そして、この減少により、有機EL素子の長寿命化が容易になる。 【0033】 上記有機EL発光装置10において、有機EL層16は、その他に種々の構造のものであっても同様な効果が生じる。上述した電極の導電体材料の種類によっては、有機発光層のみの単層構造であってもよい。あるいは、上述した電子注入層と共に正孔注入層を上記電極との間に配置するような構造のものであってもよい。更に、電子輸送層、電子阻止層、正孔注入層、正孔輸送層、正孔阻止層の一層以上と有機発光層との積層した多層になる構造であってもよい。あるいは、複数の有機EL層を中間導電層を介して積層させる、マルチフォトンエミッションといわれる構造のものであってもよい。 【0034】 次に、本発明の好適な態様について図6を参照して説明する。図6は、図2,3で示したのと同様な光出射面11aの断面図であり、光取り出し領域の模式図となっている。ここで、図6(a)は、垂直面と水平面から成る凹凸構造が突起部1の配列により形成される場合であり、図6(b)は、突起部1あるいは凹陥部2の配列により形成される場合である。 【0035】 図6(a)に示すように、側壁面1aの寸法をA、上端面1bの寸法をBとし、θcを臨界角とすると、A/B=tan(θc)の式をほぼ満たすようにすると好適である。このようにすると、側壁面1aに入射する臨界入射光3は、ほとんど全て垂直出射光4として発光装置の透明ガラス基板11の前面に出射するようになる。そして、図5で説明したようなメカニズムから発光装置における正面輝度が大きく向上する。ここで、突起部1の高さを増加させAを大きくし、A/B>tan(θc)としても、上記臨界入射光3からの垂直出射光4は増加しない。また、突起部1の高さの増加はエッチング加工の負荷を増大させる。一方、突起部1の高さを減少させAを小さくし、A/B<tan(θc)とすると、エッチング加工の負荷は低減するが、側壁面1aに入射する臨界入射光3の一部は垂直出射光4として取り出せなくなる。 【0036】 ここで、図6(a)に示すように、臨界角θcよりも小さな入射角度で側壁面1aに入射する傾斜入射光7は屈折出射光5として外部に取り出される。また、臨界角θcよりも大きな入射角度で側壁面1aに入射する傾斜入射光7aも、側壁面1aで全反射するが上端面1bから屈折出射光5aとして取り出される。本実施形態における上記屈折出射光5,5aは、図8(b)、(c)に示した散乱出射光24と同じであり、光の指向性を高めるものではないが光取り出し効率を向上させるようになる。 【0037】 更に、図6(b)で説明するように、臨界角θcが45°以下にならないように透明ガラス基板11の屈折率を決めると好適である。すなわち、屈折率をnとすると、n<√2=1/sin(45°)の式を満たすようにする。 【0038】 ここで、臨界角θcが45°以下になると、図6(b)に示すように、傾斜入射光7aが側壁面1aあるいは2aで全反射し、更に上端面1bあるいは間隙面2cでも全反射し、透明ガラス基板11の前面に出射しにくくなるからである。これに対して、n<√2のようにして臨界角θcが45°を超えるようになると、傾斜入射光7aは、図6(b)に示したように屈折出射光5aとして外部に取り出すことができるようになる。ここで、図6(b)に示した凹凸構造の表面に透明ガラス基板11よりも屈折率が小さく、n<√2を満たす透光性の薄膜層を形成するようにしてもよい。 【0039】 以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、上述した実施形態は本発明を限定するものでない。当業者にあっては、具体的な実施態様において本発明の技術思想および技術範囲から逸脱せずに種々の変形・変更を加えることが可能である。例えば、光出射面11aに形成した上記垂直面および水平面を含んで成る凹凸部に透光性の薄膜層をコーティングしてもよい。ここで、上記透明ガラス基板よりも屈折率の小さな第1の薄膜層と、この第1の薄膜層より屈折率の大きな第2の薄膜層の積層構造にしてもよい。 【0040】 また、本実施形態における光出射面11aへの上記垂直面および水平面を含んで成る凹凸構造の形成では、間隙面1cあるいは底面2bを完全な平面状にする必要はなく、それ等の一部が水平面でなく傾斜面になっていてもよい。 【0041】 また、透明基板は、透光性のガラス基板の他に、透光性および非透湿性を有するプラスチックあるいはセラミックスであってもよい。 【図面の簡単な説明】 【0042】 【図1】本発明の実施形態にかかる発光装置の凹凸構造の光出射面の一例を示す正面図である。 【図2】図1(a)、(b)に記すX−XおよびY−Yでの断面図である。 【図3】図1(c)に記すX−X、Y−YおよびZ−Zでの断面図である。 【図4】本発明の実施形態における効果を説明するための有機EL発光装置の正面輝度の一例を示すグラフである。 【図5】本発明の実施形態における効果が生じるメカニズムを概略説明するための模式図である。 【図6】本発明の実施形態における好適な態様を説明するための光出射面の断面図である。 【図7】本発明を説明するための有機EL発光装置の概略構成図である。 【図8】従来の技術における光出射面を示す図7の透明ガラス基板における領域Pの拡大図である。 【符号の説明】 【0043】 1 突起部 1a、2a 側壁面 1b 上端面 1c、2c 間隙面 2 凹陥部 2b 底面 3 臨界入射光 4 垂直出射光 5 屈折出射光 6 垂直入射光 7,7a 傾斜入射光 10 有機EL発光装置 11 透明ガラス基板 11a 光出射面 12 第1の電極 13 正孔輸送層 14 電子輸送性発光層 15 電子注入層 16 有機EL層 17 第2の電極 18 UV硬化樹脂 19 封止缶 20 空気
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| 【出願人】 |
【識別番号】000111672 【氏名又は名称】ハリソン東芝ライティング株式会社
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| 【出願日】 |
平成18年6月28日(2006.6.28) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100088487 【弁理士】 【氏名又は名称】松山 允之
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| 【公開番号】 |
特開2008−10245(P2008−10245A) |
| 【公開日】 |
平成20年1月17日(2008.1.17) |
| 【出願番号】 |
特願2006−177785(P2006−177785) |
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