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【発明の名称】 放電灯点灯装置及び照明器具
【発明者】 【氏名】前原 稔

【要約】 【課題】点灯装置の部品ばらつきがあっても、適正な制御特性データを選択して、ばらつきの影響を減少させることができる放電灯点灯装置を提供する。

【構成】直流電圧を入力とし、交流電圧に変換し放電灯laに供給して、放電灯を点灯させる放電灯点灯装置であって、点灯装置の制御回路3と、点灯装置を構成する少なくとも1つの部品の電圧又は電流を検出する検出回路4とを有し、前記制御回路3は、点灯制御用のマイコン演算部31と、放電灯laの点灯制御のための複数の制御特性データ部32を有し、放電灯laを予熱状態から始動、点灯動作の過程の何れかにおいて、前記検出回路4の検出結果によって、複数の制御特性データのうち1つを選択して点灯制御を行う。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
直流電圧を入力とし、交流電圧に変換し放電灯に供給して、放電灯を点灯させる放電灯点灯装置であって、点灯装置の点灯制御部と、点灯装置を構成する少なくとも1つの部品の電圧又は電流を検出する検出部とを有し、前記点灯制御部は、点灯制御用のマイコンと、放電灯の点灯制御のための複数の制御特性データを有し、放電灯の予熱状態から始動、点灯動作の過程の何れかにおいて、前記検出部の検出結果によって、複数の制御特性データのうち1つを選択して点灯制御を行うことを特徴とする放電灯点灯装置。
【請求項2】
請求項1において、点灯制御部は、予熱状態における検出部の検出結果によって、特性データを選択することを特徴とする放電灯点灯装置。
【請求項3】
請求項1または2において、点灯制御部は、点灯状態における検出部の検出結果によって、特性データを選択することを特徴とする放電灯点灯装置。
【請求項4】
請求項2または3において、点灯制御部は、予熱状態において一定周波数の高周波電圧を放電灯に印加する期間を有し、その期間における検出部の検出結果によって、特性データを選択することを特徴とする放電灯点灯装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかにおいて、点灯制御部は、検出部の検出値が所定値を超えた場合には、点灯動作を停止又は調光状態とすることを特徴とする放電灯点灯装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載の放電灯点灯装置を具備する照明器具。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、放電灯を高周波で点灯させる放電灯点灯装置及びこれを用いた照明器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、放電灯点灯装置を構成する回路部品の精度に起因する出力のばらつきを補償して、製品を製造するために、製造工程において、点灯装置に電源を供給して、所定箇所の出力特性を測定して、所望の電圧又は電流値となるように制御回路に設けられた可変抵抗を変化させている。また、複数の制御特性をアナログ回路で用意しておき、所望の特性が得られるように切り替えることもある。
【0003】
また、近年では、放電灯点灯装置の制御にマイクロコンピュータ(以下マイコンと呼ぶ)を用いたデジタル制御回路が多く用いられるようになってきた。マイコンを用いたデジタル制御回路を備える放電灯点灯装置において、部品ばらつきを補償する技術として、特許文献1には、発振周波数可調整のクロック信号発生手段を具備した技術、特許文献2には、可変のインピーダンス素子の定数を制御するマイコンを具備した技術、特許文献3には、ばらつき調整モードを持ち、放電灯への出力に応じた電圧信号に基づき、直流変換部及びインバータ部のスイッチング素子のオン・オフ制御の設定値を補正する技術が開示されている。
【特許文献1】特開平11−111475号公報
【特許文献2】特開2000−231996号公報
【特許文献3】特開2004−355858号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術において、特許文献1のように、マイコンの発振周波数となるクロック信号を可変することは、マイコンの処理時間に変化を生じることになり、タイミングに関する制御に影響を受け、精密な制御が困難となる。
【0005】
また、特許文献2のように、可変インピーダンス手段を実現するには、部品構成が複雑であり、装置が高価になる。
【0006】
さらに、特許文献3のように、ばらつき調整モードを設けて、初期の電源投入時或いは放電灯の交換時の調整モードにより、直流変換部及びインバータ部のスイッチング素子のオン・オフ制御の設定値を補正するためのデータを読み取るものでは、ばらつき調整モードを経ないと出力補正ができない。
【0007】
本発明は上述のような点に鑑みてなされたものであり、点灯装置の部品ばらつきがあっても、適正な制御特性データを選択して、ばらつきの影響を減少させることができる放電灯点灯装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、上記の課題を解決するために、図1に示すように、直流電圧を入力とし、交流電圧に変換し放電灯laに供給して、放電灯laを点灯させる放電灯点灯装置であって、点灯装置の制御回路3と、点灯装置を構成する少なくとも1つの部品の電圧又は電流を検出する検出回路4とを有し、前記制御回路3は、点灯制御用のマイコン演算部31と、放電灯laの点灯制御のための複数の制御特性データ部32を有し、放電灯laの予熱状態から始動、点灯動作の過程の何れかにおいて、前記検出回路4の検出結果によって、複数の制御特性データのうち1つを選択して点灯制御を行うことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、複数の制御特性データを予め想定される部品ばらつきの範囲内で、所望の出力特性を得られるように設定し、予熱状態から始動、点灯動作の過程における所定箇所を検出することで、点灯装置の部品のばらつきの影響が把握でき、複数の制御特性データから所望の特性を出力できる制御特性データを選ぶことができる。したがって、点灯装置の部品ばらつきがあっても、適正な制御特性データを選択して、ばらつきの影響を減少させることができる。適正に制御特性データを選ぶことで、点灯装置製造時の部品ばらつきに対する調整過程を省略できる可能性があり、製品毎の光出力のばらつきも抑制される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
(実施形態1)
図1は本発明の放電灯点灯装置の具体的構成を示す回路図である。この点灯装置は、ハーフブリッジ型のインバータ回路部の前段に昇圧型のチョッパ回路部を備える電子安定器である。交流電源VsはダイオードブリッジDBにより全波整流される。昇圧型のチョッパ回路部は、インダクタL1、ダイオードD1、スイッチング素子Q1とチョッパ制御部1から成り、ダイオードブリッジDBの出力を昇圧し、平滑用のコンデンサC2に直流電圧を出力する。インバータ回路部は、スイッチング素子Q2,Q3の直列回路を備え、スイッチング素子Q3の両端に直流カット用のコンデンサC3を介して、共振用のインダクタL2、共振用のコンデンサC4、更には負荷となるランプlaが接続される。スイッチング素子Q2,Q3はインバータ制御部2の制御信号により交互にオン・オフ制御され、高周波電圧を発生し、ランプlaを点灯させる。
【0011】
この点灯装置は、マイコン制御回路3によって制御され、インバータ制御部2、チョッパ制御部1に対し制御指令が送られる。マイコン制御回路3は、マイコン演算部31と複数制御特性データ部32を有し、所定検出値により複数制御特性データの1つを選択して、インバータ制御部2或いはチョッパ制御部1に制御指令を送る。
【0012】
複数の制御特性データは、点灯制御用のマイコンのプログラムコードに記述することが可能であり、アナログ回路で構成する必要は無い。また、不揮発性メモリを持つマイコンにおいては、複数の制御特性データは、不揮発性メモリに記憶させておくことが可能である。このようにすることで、複数の特性データを持つことが容易となり、より広いばらつきに対応する制御特性データを持つことが可能である。また、特性データをアナログ回路で構成する場合のようなばらつきは無くなる。さらに、複数の制御特性データを不揮発性メモリに記憶させる場合には、マイコンのプログラムコードは短くなり、設計が容易になる。
【0013】
ここでは、複数の制御特性データとして、図2のような周波数と出力特性の対応関係のデータテーブルを用いる場合について説明するが、具体的な実現手段は特に問わない。
【0014】
図2に複数制御特性データ部32の制御特性データの例を示す。この例では、無負荷時特性データと負荷時特性データの2種類を持っている。無負荷時特性データはA、B、C、…で示された周波数fと出力電圧Vの関係データであり、負荷時特性データは、a、b、c、…で示された周波数fと出力電圧Vの関係データである。
【0015】
特性Aはf=f1で出力V0が得られる特性である。特性Bはf=f2>flで、特性Cはf=f3>f2で、それぞれ出力V0が得られる特性である。
【0016】
図3に電源投入から点灯までのスイッチング周波数fswとランプlaに出力されるランプ電圧Vlaの時間経過を示す。電源投入から一定期間Tは、スイッチング周波数fswを固定する予熱状態とする。この間、ランプlaにはほぼ一定の高周波電圧が印加される。
【0017】
電源投入から一定期間Tが経過すると、周波数が徐々に下げられる。これに伴い、ランプlaには次第に高い振幅となる高周波電圧が印加され、やがてランプlaは点灯に至る。その後も周波数は徐々に低下し、安定した点灯状態に至る。
【0018】
図3には、十分安定した後の調光状態の周波数とランプ電圧波形も示している。
【0019】
ここで、予熱状態の期間Tは、周波数が一定でランプ電圧Vlaの振幅もほぼ一定値を示す。そこで、予熱状態におけるランプ電圧Vlaを所定値として検出する。
【0020】
放電灯の点灯制御において、予熱状態を一定周波数にて制御することは一般的に行われており、その間に検出部で検出することは、点灯までのより早い期間で検出することになり、適正な制御特性データを早く選択できることになる。更には、一定周波数の期間Tにおいて検出することが検出値の精度を確保する上でも好ましい。
【0021】
このように、点灯に至るまでの早い期間において、ばらつき影響を少なくする制御特性データを選択することで、適正な特性で予熱、始動過程を行うことができ、放電灯の寿命を適正に維持することが可能になる。
【0022】
コンデンサC2に出力する電圧値、スイッチング素子Q2,Q3のスイッチング周波数、インダクタL2、コンデンサC4,C3の定数が決まれば、予熱状態におけるランプ両端に出力される電圧は設計上予測できる。製品の製造においては、部品の回路定数値がばらつくことによって、上記予測値からずれが生じる。そこで、予熱状態におけるランプ電圧を検出し、予測値と比較することにより、回路定数のばらつき度合いが推定できる。
【0023】
一方、上述のように、本発明の点灯装置は複数の制御特性データを持っているので、予熱状態のランプ電圧検出値から推定した回路定数値において、所望の出力特性を得られるような制御特性データを選択することで、部品ばらつきの影響を少なくすることが可能となる。
【0024】
特に、予熱状態においては、放電灯は点灯しておらず、検出値には放電灯自体の特性ばらつきの影響はほとんど現れず、点灯装置の部品のばらつきの影響がより強く現れるので、予熱状態の検出値で部品ばらつきの影響を把握し、適正な制御特性データを選択することが可能になる。
【0025】
次に制御特性の実現方法を述べる。図2に示した複数の制御特性データは、これに従って制御したときの周波数fと出力電圧Vの関係である。
【0026】
図4は制御特性実現手段の一例である。この例では、あるスイッチング周波数において、スイッチング素子Q2とQ3のオン・オフ時間の比(以下オンデューティと呼ぶ)を変えた状態を示している。
【0027】
図4(a)、(b)、(c)においては、出力の大きさは(a)>(b)>(c)の順になる。即ちオンデューティが50%の状態がもっとも大きな出力が得られる。オンデューティが50%から離れるに従って出力は小さくなる。従って、オンデューティを異ならせた制御状態を複数実現することで複数の制御特性が実現可能である。
【0028】
このことから予熱状態における検出値が設計の予測値より大きい場合には、例えばオンデューティの大きい制御特性データを選択することで出力を下げることができ、部品ばらつきの影響を小さくすることが可能である。即ち、所望の特性値に近づけることができる。
【0029】
次に具体的な複数制御特性データの選択手段について説明する。予熱状態のランプ電圧検出値:Vlaに対して、スイッチング素子Q2のオン時間デューテイ:dの関係を関数値で持ち、d=f(Vla)を演算するのが正確と考えられる。もちろん、関数f(Vla)は点灯回路の諸定数の関係から得られ、数式で実現、或いは測定によって近似関数で実現のどちらを採用しても良い。また、実現の容易性を考慮するならば、上記何れの関数実現においても、Vlaとdの関係をテーブルデータとしてメモリ上に持つのが簡単である。
【0030】
図5はテーブルデータのメモリ上での格納形態の一例である。メモリ番地のadd1にランプ電圧V1、add2にそれに対応するオンデューティd1の値を格納、以下順に、add3にランプ電圧V2、add4にオンデューティd2、add5にランプ電圧V3、add6にオンデューティd3、add7にランプ電圧V4、add8にオンデューティd4と、ランプ電圧とオンデューティの値をペアにして順に格納している。なお、ランプ電圧とオンデューティの値に必要なデータ領域は必ずしも同じである必要は無い。
【0031】
また、別の格納形態としては、ある所定のランプ電圧V0の値に対してメモリ番地addを対応させ、そこにオンデューティ値d0 を格納する。次にV0からΔVだけ大きい場合には、add+1を対応させてd1 を、ΔVだけ小さい場合にはadd−1を対応させてd-1を格納するものとする。V0+ΔV×Nに対しては、add+Nを対応させてdN を格納、V0−ΔV×Nに対しては、add−Nを対応させてd-Nを格納する。この場合には、Vlaの検出分解能がΔVに限定されるものの、データ格納領域が少なくて済むという利点がある。
【0032】
なお、メモリ上でのデータの格納形態はここで例示した形態に限らず、マイコン及びデータ格納メモリの制約に応じて適当な格納形態を用いればよいことは言うまでもない。
【0033】
図7は、制御特性データ選択のフローチャートを示している。図7(a)はオンデューティの算出に関数を使用した場合、(b)はテーブルデータから抽出する場合である。テーブルデータの実現については上記に述べた通りである。フローチャートは点灯装置の点灯制御の一部しか示しておらず、その他の制御の具体的な手段に関しては特定するものではない。
【0034】
(実施形態2)
図8は本発明の実施形態2の構成を示す回路図である。本実施形態では、制御特性データの実現手段として、昇圧チョッパの出力電圧であるコンデンサC2の電圧を変えるものとする。昇圧チョッパの出力電圧はコンデンサC2に現れるが、この電圧はインバータ回路の入力電圧となるので、この電圧の大小で出力特性を大きくも小さくもできる。
【0035】
また、所定値の検出箇所としてスイッチング素子Q3の電流値を検出し、検出のタイミングは予熱状態の期間とする。予熱状態においては、ランプlaは非点灯状態であり、スイッチング素子Q2,Q3のインバータ負荷はコンデンサC3、インダクタL2、コンデンサC4とランプフィラメントの直列接続から成る共振回路となる。従って、上記共振回路に共振電流を流し、コンデンサC4に高周波電圧を発生させるとき、発生電圧の振幅と共振電流の振幅には、ほぼ比例関係が成り立つ。
【0036】
共振電流は、コンデンサC3、インダクタL2、コンデンサC4とランプフィラメントの直列接続とスイッチング素子Q2,Q3にも流れるので、スイッチング素子Q3の電流値を図8に示すような構成で検出することが可能である。
【0037】
スイッチング素子Q3の電流の検出値によって、昇圧チョッパ制御部1への制御を変えることで結果としてインバータの出力を変えることが可能となる。制御特性データの実現手段と検出箇所が変わったことにより、複数制御特性データの実際のデータ値は実施形態1と異なるが、部品ばらつきの影響を少なくすることができるという効果は同様である。
【0038】
(実施形態3)
本実施形態では、制御特性データの実現手段として、実施形態1と同様にスイッチング素子Q2,Q3のオンデューティの変化を用いる。また、所定値の検出箇所は実施形態1と同様にランプ電圧とする。ただし、検出のタイミングについては、予熱状態と点灯状態の期間とする。すなわち、この例では、検出タイミングに点灯状態が追加された点が実施形態1とは異なる。
【0039】
予熱状態において部品ばらつきの影響を把握し、適正な特性データを選択しても出力のばらつきは抑えられる。しかし、点灯状態においては、放電灯自体の特性ばらつきの影響が光出力のばらつきとして現れる。従って、点灯状態においても検出部によって検出することによって、放電灯自体のばらつき影響を把握することが可能になる。
【0040】
まず、予熱状態のランプ電圧を検出し、部品ばらつきを推定し、適した制御特性データを選択することは実施形態1と同じである。このことにより予熱状態以後の制御において制御特性データの選択によって、部品ばらつきの影響を抑えた制御が可能となるのは、実施形態1で述べたとおりである。このように、予熱状態の検出値によって特性データを選択することで、部品ばらつきに起因する点灯装置の出力特性の影響を少なくすることが可能である。
【0041】
一方、ランプが点灯した後は、ランプ固有の放電特性のばらつきの影響が現れる。予熱状態における部品ばらつきの影響を抑える制御特性データの選択によっても、部品のばらつきに起因するランプ電流値のばらつきを抑えることは可能である。しかし、ランプ固有の放電特性のばらつきの影響は点灯状態とならないと推定することは困難である。そこで、点灯状態の周波数が安定する状態において、ランプ電圧を検出し、所望の設計値と比較することで、ランプの特性自体のばらつきが推定できる。それに従って、点灯状態の制御特性データを選択することで、ランプ固有の放電特性のばらつきの影響を小さくすることができる。
【0042】
ここでは、主として放電灯自体の特性ばらつきの影響を少なくするような制御特性データを選択することが可能であり、より光出力ばらつきの少ない放電灯点灯装置が実現できる。
【0043】
この実施形態によれば、ランプ固有の特性ばらつきの影響を小さく抑えた制御が可能となるので、照明器具が多数設置されるようなオフィス等において、従来の点灯装置を具備した照明器具に比べて、ランプ個々の光出力のばらつきが少ない照明器具が実現できる。
【0044】
本実施形態によれば、従来の点灯装置の製造過程において必要であった、調整過程が省略できる可能性がある。その効果を確認する手段について、図1〜図8の回路の場合において示すと次の通りである。1個の製品を抽出する。そして、点灯状態(図3における周波数安定状態)におけるスイッチング素子Q2,Q3の周波数、オンデューティを測定する。次に例えば、インバータの共振回路を構成するインダクタL2またはコンデンサC4の一方を設計上のばらつき許容範囲内で異なる定数のものと交換して、点灯状態におけるスイッチング素子Q2,Q3の周波数、オンデューティを測定する。部品交換前後のスイッチング素子Q2,Q3の周波数、オンデューティが変化していれば、マイコン制御回路は所定値を検出して、その検出値に応じた制御特性データを選択して、制御を変化させたことが確かめられる。
【0045】
(実施形態4)
本発明の実施形態4の動作を図9に示す。本実施形態では、所定期間における検出値が設計上の所定範囲を越えた時には、部品の劣化などが進行して、通常の使用に耐えない状態になったと判断し、インバータの動作を停止させることとする。このときのランプ電圧Vlaの様子を示したのが図9である。予熱状態においては、インバータを動作させるが、そこにおいて検出値が所定範囲を超えた場合には、その後のインバータの発振動作を停止させるものとした。図中の点線は動作を停止させない場合(正常時)のランプ電圧Vlaの包絡線を示している。
【0046】
照明器具の長時間の使用においては、部品の劣化が問題となることがある。具体的な症状としては、出力特性が設計上の許容範囲を超えるなどして現れる。このような状態を放置しておくことは、安全上好ましくないことが多く、対策は必要である。設計上、部品のばらつき範囲は特定でき、それに起因する出力のばらつき範囲も特定できる。検出値がその範囲を超える場合は、部品が間違って装着されている、或いは、劣化により特性値が設計の範囲を超えたという可能性があり、本実施形態では、正常動作を続けないようにした。このように、異常状態での動作を続けないことにより、点灯装置の破壊、異常発熱などの不具合を防止できる。
【0047】
(実施形態5)
本発明の実施形態5の動作を図10に示す。本実施形態は実施形態4の変形例である。図9の例では、検出値が設計上の所定範囲を越えた時は、インバータの動作を停止していたが、単に正常動作を続けないようにすれば十分であり、例えば出力を低く抑えて動作させるなどして、最低限の光を確保することも可能である。そこで、本実施形態では、検出値が設計上の所定範囲を越えた時は、調光状態として点灯を維持するものとした。その効果としては、調光状態においては点灯装置部品へのストレスが低減されること、調光状態でも点灯を維持することで最低限の光を確保できることにより、照明器具としての本来の機能と部品劣化時の安全動作との平衡を保つ動作となる。
【0048】
上述の所定値の検出とそれに従う制御特性データの選択は、点灯装置の動作のたびに毎回行っても良いし、最初の電源投入時に1回だけ行い、その後の使用時においては記憶データに従い、特性データを選択するようにしても良い。
【0049】
上述の制御特性データの実現手段、所定値の検出箇所、検出のタイミングはいずれも一例であり、これらに限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の実施形態1の構成を示す回路図である。
【図2】本発明の実施形態1の制御特性データの例を示す説明図である。
【図3】本発明の実施形態1の動作説明図である。
【図4】本発明の実施形態1の制御特性実現手段の一例を示す説明図である。
【図5】本発明の実施形態1のテーブルデータのメモリ上での格納形態の一例を示す説明図である。
【図6】本発明の実施形態1のテーブルデータのメモリ上での格納形態の他の一例を示す説明図である。
【図7】本発明の実施形態1の制御特性データ選択のフローチャートである。
【図8】本発明の実施形態2の構成を示す回路図である。
【図9】本発明の実施形態4の動作波形図である。
【図10】本発明の実施形態5の動作波形図である。
【符号の説明】
【0051】
la 放電灯
3 マイコン制御回路
4 検出回路
31 マイコン演算部
32 複数制御特性データ部
【出願人】 【識別番号】000005832
【氏名又は名称】松下電工株式会社
【出願日】 平成18年6月27日(2006.6.27)
【代理人】 【識別番号】100085615
【弁理士】
【氏名又は名称】倉田 政彦


【公開番号】 特開2008−10153(P2008−10153A)
【公開日】 平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願番号】 特願2006−175999(P2006−175999)