| 【発明の名称】 |
食品加熱装置及びそれを備えた自動販売機 |
| 【発明者】 |
【氏名】小和瀬 進
【氏名】粕谷 潤一郎
|
| 【要約】 |
【課題】食品に対する加熱効率を向上させることのできる食品加熱装置及びそれを備えた自動販売機を提供する。
【構成】外部からペットボトル飲料Xが格納される保管筒16cと、発生させたマイクロ波をアンテナ16a1から放出する加熱器16aとを備え、保管筒16cに格納されたペットボトル飲料Xをマイクロ波により加熱する食品加熱装置10において、マイクロ波による電界強度が最大となる位置と格納部に格納された食品の位置とを一致させる調整手段を備えた。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 外部から容器入りの食品が格納される格納部と、発生させたマイクロ波をアンテナから放出するマグネトロンとを備え、格納部に格納された食品をマイクロ波により加熱する食品加熱装置において、 マイクロ波による電界強度が最大となる位置と格納部に格納された食品の位置とを一致させる調整手段を備えた ことを特徴とする食品加熱装置。 【請求項2】 前記調整手段が、アンテナから放出されるマイクロ波の進行方向の所定位置に食品を移動させる食品移動手段を有する ことを特徴とする請求項1に記載の食品加熱装置。 【請求項3】 前記アンテナから放出されたマイクロ波を格納部に伝播する導波管と、 導波管内に取り付けられ、アンテナと格納部に格納された食品との間のインピーダンスを変化可能なスタブとを備え、 調整手段が、アンテナと食品との間のインピーダンスが整合するようにスタブを駆動するスタブ駆動手段を有する ことを特徴とする請求項1又は2に記載の食品加熱装置。 【請求項4】 前記スタブ駆動手段が、導波管の長手方向にスタブを移動させる手段を有する ことを特徴とする請求項3に記載の食品加熱装置。 【請求項5】 前記スタブ駆動手段が、スタブの体積を変化させる手段を有する ことを特徴とする請求項3又は4に記載の食品加熱装置。 【請求項6】 前記食品の温度を測定する温度測定手段と、 単位時間当たりの食品の温度変化を算出する温度変化算出手段とを備え、 温度変化算出手段により算出された食品の温度変化に基づいてスタブ駆動手段が動作するように構成した ことを特徴とする請求項3乃至5の何れかに記載の食品加熱装置。 【請求項7】 前記食品に付与された識別情報を検出する識別情報検出手段を備え、 識別情報検出手段により検出された食品の識別情報に基づいてスタブ駆動手段が動作するように構成した ことを特徴とする請求項3乃至5の何れかに記載の食品加熱装置。 【請求項8】 前記識別情報検出手段が、食品を販売する少なくとも1台の自動販売機から識別情報を受信する受信手段を有する ことを特徴とする請求項7に記載の食品加熱装置。 【請求項9】 容器入りの食品を販売する自動販売機において、 請求項1乃至8の何れかに記載の食品加熱装置を備えた ことを特徴とする自動販売機。
|
【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、ペットボトル飲料等の容器入りの食品をマイクロ波により加熱する食品加熱装置及びそれを備えた自動販売機に関するものである。 【背景技術】 【0002】 一般に、缶飲料、ペットボトル飲料等の容器入りの食品を加熱する場合は、これらの食品をショーケースに収納して加熱したり、自動販売機に貯蔵して加熱したりして、これらの食品を販売するようにしている。 【0003】 しかし、このようなショーケースや自動販売機では、収納し又は貯蔵する食品を常時加熱して保管するので、エネルギー効率上、必ずしも有効な加熱手段ではなかった。また、長時間の高温加熱保管は食品の品質劣化を招き、食品を早期に廃棄したり消費期限を短期化させるという問題点もあった。 【0004】 このような問題点に対し、加熱手段としてマイクロ波による食品加熱装置を備えた自動販売機において、自動販売機本体の上部に設けられた収納部から搬出された食品が緩やかな傾斜部を転動しながら自動販売機本体の下部に設けられた取出部に搬送される間に、マイクロ波により所定温度まで加熱するようにしたものが知られている(例えば特許文献1参照。)。 【特許文献1】特開平10−275273号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0005】 しかしながら、従来の食品加熱装置では、食品の容器が万遍なく加熱するためマイクロ波を加熱空間全体に行き渡らせるように攪拌しているので、加熱効率が悪いという問題点があった。 【0006】 本発明は前記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、食品に対する加熱効率を向上させることのできる食品加熱装置及びそれを備えた自動販売機を提供することにある。 【課題を解決するための手段】 【0007】 本発明は前記目的を達成するために、外部から容器入りの食品が格納される格納部と、発生させたマイクロ波をアンテナから放出するマグネトロンとを備え、格納部に格納された食品をマイクロ波により加熱する食品加熱装置において、マイクロ波による電界強度が最大となる位置と格納部に格納された食品の位置とを一致させる調整手段を備えた食品加熱装置を提案する。 【0008】 この食品加熱装置によれば、マイクロ波による電界強度が最大となる位置と格納部に格納された食品の位置とが一致するので、食品に対してマイクロ波による加熱効率を最大にすることができる。 【0009】 また、本発明は前記目的を達成するために、容器入りの食品を販売する自動販売機において、前記食品加熱装置を備えた自動販売機を提案する。 【0010】 この自動販売機によれば、マイクロ波による電界強度が最大となる位置と格納部に格納された食品の位置とが一致するので、食品に対してマイクロ波による加熱効率を最大にすることができる。 【発明の効果】 【0011】 本発明に係る食品加熱装置及び自動販売機によれば、食品に対してマイクロ波による加熱効率を最大にすることができるから、加熱に伴う消費電力量を少なくすることができ、食品加熱装置の小型化・簡素化を図ることができるとともに、加熱時間を短くすることができ、利用者に対するサービスの向上を図ることができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0012】 図1乃至図8は本発明の第1実施形態を示すもので、図1は食品加熱装置の正面図、図2は図1に示した食品加熱装置の概略側断面図、図3は図2に示した加熱部の拡大側面図、図4は図3に示した加熱部にペットボトル飲料を格納した状態を説明する断面図、図5は図4に示したスタブの動作を説明する拡大上面図、図6は図1に示した食品加熱装置の制御系構成を示すブロック図、図7は図1に示した食品加熱装置の加熱動作を示すフローチャート、図8は図3に示した導波管内のマイクロ波の定常波を説明する波形図である。なお、以下の説明において、特に明記した場合を除き、容器入りの食品としてペットボトル飲料Xを用いて説明する。 【0013】 図1に示すように、食品加熱装置10の前面には、上部から下部にかけて表示装置11、スピーカー12、食品投入口13、及び食品取出口14が設けられている。 【0014】 表示装置11は、文字、図形、記号、静止画、動画等を表示するためのものであり、例えば液晶ディスプレイ等から構成されている。なお、同様の表示を可能とするものであれば、周知のCRTディスプレイやプラズマディスプレイや有機ELディスプレイ等であってもよい。 【0015】 スピーカー12は、音声、信号音等を出力するためのものであり、表示装置11の下方両側に配置されている。なお、スピーカー12はステレオ方式等による立体的な音響効果を得るため2個以上設けることが好ましいが、1個であってもよい。また、表示装置11及びスピーカー12の両方を設ける場合に限定されず、何れか一方を設けるようにしてもよい。 【0016】 食品投入口13は、食品加熱装置10により加熱する食品を外部から投入するためのものであり、スピーカー12の下方中央に配置されている。また、食品投入口13は、投入される食品のうちペットボトル飲料Xの外径よりも若干大きい径を有する円形状に形成されている。これにより、ペットボトル飲料Xが長手方向に投入される。 【0017】 食品取出口14は、加熱された食品を取り出すためのものであり、食品投入口13の下方に配置されている。また、食品取出口14には、手動により開放可能な開閉扉14aが設けられている。 【0018】 図2に示すように、食品加熱装置10の内部には、搬送部15、加熱部16、搬出部17、及び電源18が設けられている。 【0019】 搬送部15は、食品投入口13から投入された食品を加熱部16に搬送するためのものであり、食品投入口13と加熱部16との間を連通している。 【0020】 搬出部17は、加熱部16により加熱された食品を食品取出口14に搬出するためのものであり、加熱部16と食品取出口14との間を連通している。 【0021】 電源18は、食品加熱装置10全体に電力を供給するためのものであり、本実施形態では一般的な家庭用電源を用いている。 【0022】 図3及び図4に示すように、加熱部16は加熱器16a及びアプリケータ等から構成される周知のマイクロ波加熱装置である。 【0023】 加熱器16aは周知のマグネトロンであり、電源18から供給された電力によりマイクロ波を発生させ、アンテナ16a1から放出するようになっている。 【0024】 アプリケータは、導波管16b、格納部である保管筒16c(マイクロ波照射室)、上蓋16d、及び下蓋16eから構成されている。 【0025】 導波管16bは、上板面16fの一部を開口して保管筒16cと接続しており、加熱器16aから放出されたマイクロ波を保管筒16cの方向に伝播させている。 【0026】 保管筒16cは上面及び下面が開口した円筒形状からなり、上面開口部が搬送部15と接続し、下面開口部が導波管16bと接続している。また、保管筒16cの上面開口部には上蓋16dが開閉自在に設けられており、上蓋16dを開閉することにより、搬送されたペットボトル飲料Xを上面開口部から搬入するとともに、保管筒16cからマイクロ波が漏洩するのを防止するようになっている。なお、本実施形態では保管筒16cを円筒形状としたが、これに限定されず、円筒以外の形状、例えば楕円や多角形であってもよい。 【0027】 下蓋16eは、導波管16bの下板面16hの一部を開閉自在に設けられており、下蓋16eを開閉することにより、ペットボトル飲料Xを搬出部17に搬出するとともに、搬入されたペットボトル飲料Xを支持して保管筒16cに格納し、保管筒16cからマイクロ波が漏洩するのを防止するようになっている。 【0028】 孔16jは、導波管16bの上板面16fの一部を開口して設けられており、加熱器16a(マグネトロン)のアンテナ16a1が挿入されている。 【0029】 スタブ16gは、アルミニウム等の非磁性体金属からなり、上板面16fの内側、すなわち導波管16b内に取り付けられている。図5に示すように、スタブ16gは、アーム19bを介してモータ19aと結合されており、モータ19aが回転することにより導波管16bの長手方向に移動するようになっている。ここで、アンテナ16a1をマイクロ波源とし、保管筒16cに格納されたペットボトル飲料Xを負荷としたマイクロ波回路において、スタブ16gを導波管16bの長手方向に移動させることで、マイクロ波回路のインピーダンスが変化する。これにより、アンテナ16a1と保管筒16cに格納されたペットボトル飲料Xとの間のインピーダンスを整合させることが可能となる。 【0030】 なお、本実施形態ではスタブ16gを導波管16bの長手方向に移動させているが、これに限定されず、スタブ16gの大きさや長さを変化させるようにしてもよい。これにより、マイクロ波回路のインピーダンスが変化し、アンテナ16a1と保管筒16cに格納されたペットボトル飲料Xとの間のインピーダンスを整合させることが可能となる。 【0031】 このように構成された加熱部16において、ペットボトル飲料Xの注ぎ口方向から保管筒16cに格納し、アンテナ16a1からペットボトル飲料Xの絞り部にマイクロ波を照射することにより、ペットボトル内の飲料の対流を効率良く導くことが可能となり、ペットボトル飲料Xを均一に加熱することができる。 【0032】 なお、本実施形態では加熱器16a及び導波管16bをそれぞれ1つずつ設けるようにしたが、これに限定されず、それぞれ複数設けるようにしてもよい。これにより、ペットボトル飲料Xに複数方向からマイクロ波が照射され、より短時間で加熱することが可能となる。 【0033】 図6に示すように、制御部20は食品加熱装置10全体を制御するためのものであり、CPU及びRAM、ROM等のメモリ等から構成される周知のコンピュータである。また、制御部20には記憶部21、表示装置11、スピーカー12、加熱器16a、上蓋16d、下蓋16e、及びモータ19aが接続されており、自己のメモリ内に格納されたプログラムに基づいて制御信号を出力している。 【0034】 記憶部21は、EEPROM等の書き換え可能な記憶素子等から構成されており、文字データ21a、音声データ21b、スタブ位置データ21c等を記憶している。また、記憶部21は制御部20から入力された制御信号に基づいて文字データ21a若しくは音声データ21b、又はスタブ位置データ21cを制御部20に出力するようになっている。なお、スタブ位置データ21cは、アンテナ16a1と保管筒16cに格納されたペットボトル飲料Xとの間のインピーダンスが整合するスタブ16gの位置をあらかじめ求めたものである。 【0035】 表示装置11は制御部20から入力された文字データ21aを表示し、スピーカー12は制御部20から入力された音声データ21bを出力するようになっている。 【0036】 加熱器16aは制御部20から入力された制御信号に基づいてマイクロ波を放出し、上蓋16dは制御部20から入力された制御信号に基づいて保管筒16cの上面開口部を開閉し、下蓋16eは制御部20から入力された制御信号に基づいて下板面16hの一部を開閉するようになっている。また、制御部20は記憶部21から入力されたスタブ位置データ21cに基づいてモータ19aに制御信号を出力し、モータ19aは制御部20から入力された制御信号に基づいて、アーム19bを介してスタブ16gを導波管16bの長手方向に移動させるようになっている。 【0037】 図7に示すように、食品加熱装置10が起動すると、制御部20は初期処理を行う(ステップS11)。すなわち、制御部20は上蓋16dを開き、下蓋16eを閉じるとともに、記憶部21から文字データ21a又は音声データ21bを読み込んで、例えば「ペットボトル飲料を注ぎ口方向から投入して下さい」という旨のメッセージを表示装置11に表示し、又は音声でスピーカー12から出力する。 【0038】 次いで制御部20は、食品投入口13からペットボトル飲料Xが投入され、保管筒16cに格納されたか否かを判定し(ステップS12)、ペットボトル飲料Xが格納されるまでステップS12の処理を繰り返し行う。なお、本実施形態では下蓋16eにマイクロスイッチ(図示せず)を設けて食品の検出データを制御部20に出力し、制御部20はマイクロスイッチ(図示せず)から入力される検出データによりペットボトル飲料Xが格納されたか否かを判定している。 【0039】 この判定の結果、保管筒16cにペットボトル飲料Xが格納された場合、制御部20は上蓋16dを閉じる(ステップS13)。 【0040】 次いで制御部20は、記憶部21から読み込んだスタブ位置データ21cに基づいてモータ19aを駆動し、アンテナ16a1と保管筒16cに格納されたペットボトル飲料Xとの間のインピーダンスが整合する位置にスタブ16gを移動させる(ステップS14)。 【0041】 ここで、アンテナ16a1からマイクロ波が放出されると、導波管16b内に、アンテナ16a1から放出されたマイクロ波(入射波)と保管筒16cに格納されたペットボトル飲料Xに吸収されずに反射したマイクロ波(反射波)とによる周期的な定常波が発生する。定常波による電界と磁界とはλ/4の位相差があり、図8に示すように、導波管16bの長手方向の所定位置、例えば位置P1で電界の強度が最大(E1)のとき磁界の強度はゼロになり、λ/4遅れた位置P2で磁界の強度が最大(M1)のとき電界の強度はゼロになっている。このように、アンテナ16a1と保管筒16cに格納されたペットボトル飲料Xとの間のインピーダンスが整合する位置にスタブ16gを移動させることにより、定常波による電界強度が最大となる位置P1と保管筒16cに格納されたペットボトル飲料Xの位置とが一致する。 【0042】 なお、前述したように、アンテナ16a1と保管筒16cに格納されたペットボトル飲料Xとの間のインピーダンスが整合するように、制御部20がスタブ16gの大きさや長さを変化させる場合も同様である。 【0043】 次いで制御部20は、加熱器16aを駆動してペットボトル飲料Xが所定温度となるように加熱し(ステップS15)、加熱終了後、下蓋16eを開き(ステップS16)、保管筒16cから搬出部17を介して食品取出口14にペットボトル飲料Xを搬出する。 【0044】 同時に、制御部20は記憶部21から文字データ21a又は音声データ21bを読み込んで、例えば「加熱が完了しました」という旨のメッセージを表示装置11に表示し、又は音声でスピーカー12から出力する(ステップS17)。 【0045】 ステップS17の処理後、制御部20は食品加熱装置10が停止するまでステップS11〜ステップS17の処理を繰り返し行う。 【0046】 このように、本実施形態によれば、アンテナ16a1と保管筒16cに格納されたペットボトル飲料Xとの間のインピーダンスが整合するようにスタブ16gを駆動することにより、定常波による電界強度が最大となる位置P1と保管筒16cに格納されたペットボトル飲料Xの位置とを一致させるので、ペットボトル飲料Xに対してマイクロ波による加熱効率を最大にすることができるから、加熱に伴う消費電力量を少なくすることができ、食品加熱装置10の小型化、簡素化を図ることができるとともに、加熱時間を短くすることができ、利用者に対するサービスの向上を図ることができる。 【0047】 図9乃至図13は本発明の第2実施形態を示すもので、図9は加熱部の概略側断面図、図10は図9に示した加熱部の上面図、図11は保管筒16cに格納されたペットボトル飲料の移動を説明する概略上面図、図12は食品加熱装置の制御系構成を示すブロック図、図13は食品加熱装置の加熱動作を示すフローチャートである。 【0048】 第2実施形態と第1実施形態との相違点は、スタブ16gを駆動する代わりに、ペットボトル飲料Xを移動させるようにしたことである。なお、前述した第1実施形態と同一構成部分は同一符号をもって表し、その説明を省略する。 【0049】 すなわち、図9に示すように、下蓋16eの所定位置に円形の凹部16e1が形成されており、保管筒16cにペットボトル飲料Xを格納したときに、ペットボトル飲料XのキャップX1と凹部16e1とが接触するようになっている。 【0050】 図10に示すように、アンテナ16a1、スタブ16g、及び凹部16e1は導波管16bの中心軸C上に設けられている。また、凹部16e1の中心は導波管16bの中心軸C上の位置P3と一致している。ここで、位置P3は、図8に示した定常波において電界強度が最大となる位置に設定されている。 【0051】 図11に示すように、凹部16e1はキャップX1の径よりも大きい径を有しており、保管筒16cにペットボトル飲料Xが格納されたときにキャップX1の中心が凹部16e1の中心の位置P3とずれている場合がある(図11(a)参照)。そこで、キャップX1の四方にバネ付ソレノイド22を設けて、バネ付ソレノイド22によってキャップX1の中心を位置P3に移動させる(図11(b)参照)。 【0052】 図12に示すように、第1実施形態において記憶されていたスタブ位置データ21cは記憶部21Aに記憶されておらず、制御部20Aにはモータ19aに代えてバネ付ソレノイド22が接続されている。各バネ付ソレノイド22は、制御部20Aからの制御信号に基づいてキャップX1を移動させるようになっている。 【0053】 図13に示すように、第1実施形態と同様にステップS11〜ステップS13の処理を行った後、ステップS14に代えて、制御部20Aは各バネ付ソレノイド22を駆動し、キャップX1、すなわちペットボトル飲料Xを位置P3に移動させる(ステップS18)。これにより、定常波による電界強度が最大となる位置P3と保管筒16cに格納されたペットボトル飲料Xの位置とが一致する。 【0054】 その後、第1実施形態と同様に制御部20AはステップS15〜ステップS17の処理を行い、食品加熱装置10が停止するまでステップS11〜ステップS17の処理を繰り返し行う。 【0055】 このように、本実施形態によれば、アンテナ16a1から放出されるマイクロ波の進行方向である導波管16bの中心軸C上の位置P3に食品を移動させることにより、定常波による電界強度が最大となる位置P3と保管筒16cに格納されたペットボトル飲料Xの位置とを一致させるので、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。 【0056】 なお、本実施形態ではスタブ16gを駆動する代わりに、ペットボトル飲料Xを移動させるようにしたが、これに限定されず、スタブ16gを駆動するとともに、ペットボトル飲料Xを移動させるようにしてもよい。 【0057】 図14乃至図17は本発明の第3実施形態を示すもので、図14は食品加熱装置に設けられたパイプ及び温度測定ユニットの拡大断面図、図15は図14に示した食品加熱装置の制御系構成を示すブロック図、図16は図14に示した食品加熱装置の加熱動作を示すフローチャート、図17はペットボトル飲料の温度変化を説明するグラフである。 【0058】 第3実施形態と第1実施形態との相違点は、食品の温度変化に基づいてスタブ16gを駆動させるようにしたことである。なお、前述した第1実施形態と同一構成部分は同一符号をもって表し、その説明を省略する。 【0059】 すなわち、図14に示すように、温度測定ユニット23は周知の赤外線放射温度計23a、ケース23b、及びネジ23cから構成されており、保管筒16cに格納されたペットボトル飲料Xの絞り部X2の温度を測定している。ここで、 ペットボトル飲料Xは注ぎ口方向から保管筒16cに格納されるので、ペットボトル内の空気層はペットボトルの底面に存在し、絞り部X2には存在しない。また、一般に、絞り部X2にはペットボトルを覆うラベルが存在しないか又は存在しても隙間(空気層)がない。さらに、絞り部X2の厚さは他の部分、例えば底面やキャップ等と比較して厚いこともない。従って、ペットボトル飲料Xの絞り部X2の温度を測定することにより、ペットボトル内に収容された飲料の温度を正確に測定することができる。 【0060】 なお、本実施形態ではペットボトル飲料Xを注ぎ口方向から保管筒16cに格納しているが、これに限定されず、底面方向から保管筒16cに格納して絞り部X2の温度を測定するようにしてもよい。 【0061】 赤外線放射温度計23aは、測定角度θを変化させることが可能であり、絞り部X2の測定範囲Aから放射された赤外線を受光して温度信号を出力している。 【0062】 ケース23bは赤外線放射温度計23aを覆っており、ネジ23cでパイプ24に取り付けられている。このように、ケース23bによって赤外線放射温度計23aを覆うことにより測定範囲A以外の赤外線の影響を低減することができるとともに、ケース23bをパイプ24にネジ23cで取り付けることにより着脱が容易になる。 【0063】 また、ケース23bをパイプ24に取り付けたときに、赤外線放射温度計23aはパイプ24の中心軸C1上に配置されている。これにより、測定角度θを最大にすることができる。 【0064】 パイプ24は、保管筒16cに格納されたペットボトル飲料Xの水平方向に設けられており、保管筒16cと温度測定ユニット23とを連通している。 【0065】 図15に示すように、第1実施形態において記憶されていたスタブ位置データ21cは記憶部21Bに記憶されておらず、制御部20Bには、記憶部21B、表示装置11、スピーカー12、加熱器16a、上蓋16d、下蓋16e、及びモータ19aに加えて、赤外線放射温度計23aが接続されている。 【0066】 赤外線放射温度計23aは絞り部X2の温度信号を制御部20Bに出力し、制御部20Bは赤外線放射温度計23aから入力された温度信号に基づいてモータ19aに制御信号を出力し、モータ19aは制御部20Bから入力された制御信号に基づいて、アーム19bを介してスタブ16gを導波管16bの長手方向に移動させるようになっている。 【0067】 図16に示すように、第1実施形態と同様にステップS11〜ステップS13の処理を行った後、ステップS14及びステップS15に代えて、制御部20Bは、加熱器16aを駆動してペットボトル飲料Xが所定温度となるように加熱を開始するとともに、モータ19aを駆動してスタブ16gの可動範囲内を移動させる(ステップS19)。 【0068】 同時に、制御部20Bは赤外線放射温度計23aから入力された温度信号からペットボトル飲料Xの単位時間あたりの温度変化を算出する(ステップS20)。図17に示すように、ペットボトル飲料Xの温度変化はスタブ16gの位置によって異なり、スタブ16gの可動範囲内にペットボトル飲料Xの温度変化が最大(T1)となる位置P4が存在する。従って、制御部20Bはペットボトル飲料Xを加熱しながらモータ19aを駆動して、算出されたペットボトル飲料Xの温度変化から求められる位置P4にスタブ16gを移動させる(ステップS21)。これにより、アンテナ16a1と保管筒16cに格納されたペットボトル飲料Xとの間のインピーダンスが整合する位置P4にスタブ16gを移動させることができ、定常波による電界強度が最大となる位置と保管筒16cに格納されたペットボトル飲料Xの位置とが一致する。 【0069】 加熱終了後、第1実施形態と同様に、制御部20BはステップS16及びステップS17の処理を行い、食品加熱装置10が停止するまでステップS11〜ステップS17の処理を繰り返し行う。 【0070】 なお、位置P4を求めたときに記憶部21にスタブ位置データ21cとして記憶しておき、以後の処理を第1実施形態と同様に行うようにしてもよい。 【0071】 このように、本実施形態によれば、ペットボトル飲料Xの単位時間あたりの温度変化を算出し、算出されたペットボトル飲料Xの温度変化が最大となる位置P4にスタブ16gを移動させるので、アンテナ16a1と保管筒16cに格納されたペットボトル飲料Xとの間のインピーダンスが整合する位置P4にスタブ16gを移動させることができ、定常波による電界強度が最大となる位置と保管筒16cに格納されたペットボトル飲料Xの位置とが一致することから、インピーダンスが整合するスタブ16gの位置P4をあらかじめ記憶していなくても、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。 【0072】 なお、本実施形態ではスタブ16gの可動範囲内を移動させ、ペットボトル飲料Xの温度変化が最大となる位置P4にスタブ16gを移動させるようにしたが、これに限定されず、スタブ16gの大きさや長さを変化させ、ペットボトル飲料Xの温度変化が最大となる大きさや長さにスタブ16gを変化させるようにしてもよい。 【0073】 図18乃至図22は本発明の第4実施形態を示すもので、図18は食品加熱装置の正面図、図19は図18に示した食品加熱装置の制御系構成を示すブロック図、図20はペットボトル飲料の種類ごとの温度変化を説明するグラフ、図21は図18に示した食品加熱装置の制御系構成の変形例を示すブロック図、図22は図18に示した食品加熱装置の加熱動作を示すフローチャートである。 【0074】 第4実施形態と第1実施形態との相違点は、ペットボトル飲料Xに付与された識別情報に基づいてスタブ16gを駆動させるようにしたことである。なお、前述した第1実施形態と同一構成部分は同一符号をもって表し、その説明を省略する。 【0075】 すなわち、図19に示すように、バーコードリーダ25は、レーザー式又はCCD式のスキャナ等から構成される周知のバーコードリーダであり、食品加熱装置10Cの前面に設けられた食品投入口13の横に配置されており、ペットボトル飲料に印刷等されたバーコードを読み取っている。 【0076】 なお、本実施形態ではバーコードリーダ25を設けて食品のバーコードを読み取るようにしたが、これに限定されず、食品を識別可能な限りQRコードやSTコード等であってもよい。 【0077】 図19に示すように、制御部20Cには記憶部21C、表示装置11、スピーカー12、加熱器16a、上蓋16d、下蓋16e、及びモータ19aに加えて、バーコードリーダ25が接続されている。 【0078】 バーコードリーダ25はペットボトル飲料Xから読み取ったバーコードデータを制御部20Cに出力するようになっている。 【0079】 一般に、マイクロ波による食品の温度変化は容器(ペットボトル)の形状、食品の水分含有率等によって異なるものであり、図20に示すように、種類Aのペットボトル飲料の温度変化が最大(T1)になる位置P4と、種類Bのペットボトル飲料の温度変化が最大(T2)になる位置P5とは異なる。従って記憶部21Cは、文字データ21a及び音声データ21bに加え、ペットボトル飲料Xの種類に応じた複数のスタブ位置データ21cを記憶している。 【0080】 なお、本実施形態ではバーコードリーダ26を設けるようにしたが、これに限定されず、図21に示すように、食品加熱装置10Cの所定位置に食品データ受信器26を設けるようにしてもよい。 【0081】 図において、食品加熱装置10Cの外部に設置された複数の自動販売機30は、それぞれペットボトル飲料Xを販売しており、食品を販売するときに、自動販売機30の各コラムに設定され、各コラムに収納された食品に付与された固有の食品データをそれぞれ送信している。食品データ受信器26は各自動販売機30から送信される食品データを受信し、制御部20Cに出力するようになっている。なお、食品データの送受信方法は有線、無線を問わず、自動販売機30は1台であってもよい。 【0082】 図22に示すように、第1実施形態と同様にステップS11〜ステップS13の処理を行った後、制御部20Cはバーコードリーダ25から入力されるバーコードデータが所定のバーコードか否かを判定する(ステップS22)。 【0083】 この判定の結果、所定のバーコードが入力された場合、制御部20Cは所定のバーコードに対応するスタブ位置データ21cを記憶部21Cから読み込んで(ステップS23)、読み込んだスタブ位置データ21cに基づいてモータ19aを駆動し、アンテナ16a1と保管筒16cに格納されたペットボトル飲料Xとの間のインピーダンスが整合する位置にスタブ16gを移動させる(ステップS14)。これにより、アンテナ16a1と保管筒16cに格納されたペットボトル飲料Xとの間のインピーダンスが整合する位置P4,P5にスタブ16gを移動させることができ、定常波による電界強度が最大となる位置と保管筒16cに格納されたペットボトル飲料Xの位置とが一致する。 【0084】 その後、第1実施形態と同様に、制御部20CはステップS15〜ステップS17の処理を行う。 【0085】 ステップS22の判定の結果、所定のバーコードが入力されない場合、制御部20Cは下蓋16eを開き(ステップS24)、保管筒16cから搬出部17を介して食品取出口14にペットボトル飲料Xを搬出する。 【0086】 同時に、制御部20Cは記憶部21Cから文字データ21a又は音声データ21bを読み込んで、例えば「ペットボトル飲料のバーコードをバーコードリーダにかざしてから、ペットボトル飲料を投入して下さい」という旨のメッセージを表示装置11に表示し、又は音声でスピーカー12から出力する(ステップS25)。 【0087】 ステップS17又はステップ25の処理後、制御部20Cは食品加熱装置10Cが停止するまでステップS11〜ステップS17の処理を繰り返し行う。 【0088】 なお、本実施形態では、所定のバーコードが入力されない場合、制御部20Cは下蓋16eを開いて食品取出口14にペットボトル飲料Xを搬出しているが、これに限定されず、第3実施形態と同様に、赤外線放射温度計23aを設けてペットボトル飲料Xの単位時間あたりの温度変化を算出し、算出された温度変化が最大となる位置にスタブ16gを移動させるようにしてもよい。 【0089】 このように、本実施形態によれば、ペットボトル飲料Xに付与された識別情報を検出し、検出された識別情報に対応する位置P4,P5にスタブ16gを移動させるので、アンテナ16a1と保管筒16cに格納されたペットボトル飲料Xとの間のインピーダンスが整合する位置P4,P5にスタブ16gを移動させることができ、定常波による電界強度が最大となる位置と保管筒16cに格納されたペットボトル飲料Xの位置とが一致することから、複数種類のペットボトル飲料に対して第1実施形態と同様の効果を得ることができる。 【0090】 また、ペットボトル飲料Xを販売するバケット式自動販売機の内部に食品加熱装置10Cを設けて、ペットボトル飲料Xを販売する際に、バケット(搬送機構)がペットボトル飲料Xを注ぎ口方向から食品投入口13に投入するとともに、前記食品データを自動販売機本体から食品データ受信器26に送信する場合も、本実施形態と同様の効果を得ることができる。 【0091】 なお、本発明の構成は、前記各実施形態の構成を組み合わせたり或いは一部の構成部分を入れ替えたりしてもよい。 【0092】 また、本発明の構成は、前記各実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加えてもよい。 【図面の簡単な説明】 【0093】 【図1】食品加熱装置の正面図 【図2】図1に示した食品加熱装置の概略側断面図 【図3】図2に示した加熱部の拡大側面図 【図4】図3に示した加熱部にホット用ペットボトル飲料を格納した状態を説明する断面図 【図5】図4に示したスタブの動作を説明する拡大上面図 【図6】図1に示した食品加熱装置の制御系構成を示すブロック図 【図7】図1に示した食品加熱装置の加熱動作を示すフローチャート 【図8】図3に示した導波管内のマイクロ波の定常波を説明する波形図 【図9】加熱部の概略側断面図 【図10】図9に示した加熱部の上面図 【図11】保管筒16cに格納されたペットボトル飲料の移動を説明する概略上面図 【図12】食品加熱装置の制御系構成を示すブロック図 【図13】食品加熱装置の加熱動作を示すフローチャート 【図14】食品加熱装置に設けられたパイプ及び温度測定ユニットの拡大断面図 【図15】図14に示した食品加熱装置の制御系構成を示すブロック図 【図16】図14に示した食品加熱装置の加熱動作を示すフローチャート 【図17】ペットボトル飲料の温度変化を説明するグラフ 【図18】食品加熱装置の正面図 【図19】図18に示した食品加熱装置の制御系構成を示すブロック図 【図20】ペットボトル飲料の種類ごとの温度変化を説明するグラフ 【図21】図18に示した食品加熱装置の制御系構成の変形例を示すブロック図 【図22】図18に示した食品加熱装置の加熱動作を示すフローチャート 【符号の説明】 【0094】 10,10C…食品加熱装置、16…加熱部、16a…加熱器、16a1…アンテナ、16b…導波管、16c…保管筒、スタブ…16g、19a…モータ、19b…アーム、20,20A,20B,20C…制御部、22…バネ付ソレノイド、23a…赤外線放射温度計、25…バーコードリーダ、26…食品データ受信器、X…ペットボトル飲料。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000001845 【氏名又は名称】サンデン株式会社
|
| 【出願日】 |
平成18年6月23日(2006.6.23) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100069981 【弁理士】 【氏名又は名称】吉田 精孝
【識別番号】100087860 【弁理士】 【氏名又は名称】長内 行雄
|
| 【公開番号】 |
特開2008−4409(P2008−4409A) |
| 【公開日】 |
平成20年1月10日(2008.1.10) |
| 【出願番号】 |
特願2006−173388(P2006−173388) |
|