| 【発明の名称】 |
発光素子および発光素子の製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】青山 俊之
【氏名】小野 雅行
【氏名】那須 昌吾
【氏名】小田桐 優
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| 【要約】 |
【課題】発光の立ち上がりを早くすることでHD放送の高画質を表示でき、発光層の分断等の初期不良や発光層の破壊が生じにくい信頼性の高い発光素子と、その製造方法を提供する。
【構成】発光素子は、基板と、前記基板の面上に所定のパターンを形成して設けられた複数の第1電極と、前記第1電極間の間隙の少なくとも一部を充たす第1絶縁層と、前記第1電極ならびに第1絶縁層の上に設けられた、第2絶縁層と、前記第2絶縁層の上に設けられた発光層と、前記発光層の上に設けられた第2電極とを備える。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 基板と、 前記基板の面上に所定のパターンを形成して設けられた複数の第1電極と、 前記第1電極間の間隙の少なくとも一部を充たす第1絶縁層と 前記第1電極ならびに前記第1絶縁層の上に設けられた、第2絶縁層と、 前記第2絶縁層の上に設けられた発光層と、 前記発光層の上に設けられた第2電極と を備えることを特徴とする発光素子。 【請求項2】 前記第1絶縁層は、前記第2絶縁層よりも小さい誘電率を有することを特徴とする請求項1に記載の発光素子。 【請求項3】 前記第1絶縁層は、25よりも小さい誘電率を有することを特徴とする請求項2に記載の発光素子。 【請求項4】 前記第1絶縁層は、金属酸化物であることを特徴とする請求項1に記載の発光素子。 【請求項5】 前記第1絶縁層は、SiO2、Al2O3、Y2O3、BaTa2O6、Ta2O5のいずれか1種を含むことを特徴とする請求項4に記載の発光素子。 【請求項6】 前記第1電極は、発光素子の発光面に平行な第1方向に互いに並行に延在している複数の電極であり、 前記第2電極は、発光素子の発光面に平行であって、前記第1方向に直交する第2方向に平行に延在している複数の電極であることを特徴とする請求項1に記載の発光素子。 【請求項7】 基板を用意するステップと、 前記基板の面上に複数の第1電極を所定のパターンを形成して配置するステップと、 前記第1電極間の間隙の少なくとも一部に第1絶縁層を設けるステップと、 前記第1電極および前記第1絶縁層の上に第2絶縁層を設けるステップと 前記第2絶縁層の上に発光層を設けるステップと、 前記発光層の上に第2電極を設けるステップと を含むことを特徴とする発光素子の製造方法。 【請求項8】 前記第1絶縁層を設けるステップは、 前記第1電極間の間隙に第1絶縁層を充填するステップと 前記第1絶縁層を前記第1電極の上面と面一となるように平滑化するステップと を含むことを特徴とする請求項7に記載の発光素子の製造方法。 【請求項9】 前記第1絶縁層を設けるステップは、ゾルゲル法を用いて前記第1絶縁層を形成することを特徴とする請求項7に記載の発光素子の製造方法。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、エレクトロルミネッセンス素子に関し、詳しくは、交流印加型のエレクトロルミネッセンス素子ならびに製造方法に関する。 【背景技術】 【0002】 近年、軽量・薄型の面発光型素子としてエレクトロルミネッセンス素子(以下、EL素子という)が注目されている。EL素子は大別すると、有機材料からなる蛍光体に直流電圧を印加し、電子とホールを再結合させて発光させる有機EL素子と、無機材料からなる蛍光体に交流電圧を印加し、およそ106V/cmもの高電界で加速された電子を無機蛍光体の発光中心に衝突させて励起させ、その緩和過程で無機蛍光体を発光させる無機EL素子がある。 【0003】 この無機EL素子には、無機蛍光体粒子を高分子有機材料からなるバインダ中に分散させ発光層とする分散型EL素子と、厚さが1μm程度の薄膜発光層の両側あるいは片側に絶縁層を設けた薄膜型EL素子とがある。 【0004】 これらのうち薄膜型EL素子として1974年に猪口らによって提案された二重絶縁構造の素子は、高い輝度と長寿命を持つことが示され、車載用ディスプレイ等へ実用化された。また、基板として絶縁性のセラミック基板を用い、二重絶縁構造を構成する一方の絶縁層に厚膜誘電体層を用いた無機EL素子が知られている(例えば、特許文献1参照。)。この無機EL素子では、製造工程のゴミ等によって形成されるピンホールに起因した駆動時の絶縁破壊を減らすことができる。一方、発光層の片面側のみに絶縁層を有する構成であって、絶縁層として厚膜誘電体層を用いた無機EL素子も知られている(例えば、特許文献2参照。)。 【0005】 以下、従来の無機EL素子について、図4を用いて説明する。図4は、発光層の片側のみに絶縁層を有する構成において、厚膜誘電体層を用いたEL素子40の発光面に垂直な断面図である。このEL素子40は、基板41の上に、第1電極42と、厚膜誘電体層43と、薄膜発光層44と、第2電極45と、カバー層46とが、この順に積層された構造を有する。発光400はカバー層46側より取り出す。厚膜誘電体層43は、薄膜発光層44内を流れる電流を制限することで、EL素子40の絶縁破壊を抑制し、且つ安定な発光特性が得られるように作用する。 【0006】 また、この無機EL素子を表示デバイスとして用いる場合、透明電極と、対向電極とを、互いに直交するようにストライプ上にパターニングし、マトリックスで選択された特定の画素に電圧を印加することにより、任意のパターン表示を行うパッシブマトリックス駆動方式が用いられている。 【0007】 【特許文献1】特許第2009054号 【特許文献2】特開平7−50197号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0008】 前述の厚膜誘電体層を有するEL素子は、その構成上、誘電率の高い材料を厚膜誘電体層に用いる必要がある。そのため表示デバイスとして用いた場合、第1電極間も誘電率の高い材料で充填されることとなり、第1電極での配線間容量は比較的大きい。 【0009】 一方、表示デバイスの代表格であるテレビは、今後、高画質ハイビジョン放送(以降、HD放送という。)が主流になると考えられており、表示デバイス上での画素間の距離、すなわち発光素子上での配線間の距離が縮まる方向である。そのため、EL素子をHD放送対応とするためには、第1電極間ピッチを狭めなければならないが、それによって、第1電極間の配線間容量が増加することで、EL素子の駆動電圧の波形形状がゆがみ、発光の立ち上がりが遅れてしまい、HD放送の高画質を十分に表示できない。 【0010】 また、誘電体層は、絶縁破壊に十分に強い場合、薄いほうが誘電率が上がるために好ましい。一方、誘電体層上の発光層は、薄膜であり、その膜厚は約1μm程度である。例えば、特許文献1では0.3μm膜厚のマンガンをドープした硫化亜鉛を発光層に用いた例が開示されており、特許文献2では、膜厚が0.5μmのマンガンをドープした硫化亜鉛層を発光層に用いた例が示されている。このような膜厚1μm程度の薄膜発光層を欠陥無く成膜するためには、下層の平滑性が重要であるが、誘電体層を薄くした場合、発光層の成膜時には、第1電極に起因する凹凸の影響を受けてしまう。そのため発光層において、膜厚が非常に薄い箇所が発生し、場合によっては分断される。さらに高電圧印加時に、薄くなった発光層の部分が破壊されてしまう場合がある。 【0011】 本発明の目的は、発光の立ち上がりを早くすることでHD放送の高画質を表示でき、発光層の分断等の初期不良や発光層の破壊が生じにくい信頼性の高いEL素子と、その製造方法を提供することである。 【課題を解決するための手段】 【0012】 本発明に係る第1の態様の発光素子は、基板と、 前記基板の面上に所定のパターンを形成して設けられた複数の第1電極と、 前記第1電極間の間隙の少なくとも一部を充たす第1絶縁層と 前記第1電極ならびに前記第1絶縁層の上に設けられた、第2絶縁層と、 前記第2絶縁層の上に設けられた発光層と、 前記発光層の上に設けられた第2電極と を備えることを特徴とする。 【0013】 前記第1絶縁層は、前記第2絶縁層よりも小さい誘電率を有することが好ましい。また、前記第1絶縁層は、25よりも小さい誘電率を有することが好ましい。 【0014】 さらに、前記第1絶縁層は、金属酸化物であってもよい。前記第1絶縁層は、SiO2、Al2O3、Y2O3、BaTa2O6、Ta2O5のいずれか1種を含んでもよい。 【0015】 前記第1電極は、発光素子の発光面に平行な第1方向に互いに並行に延在している複数の電極であり、 前記第2電極は、発光素子の発光面に平行であって、前記第1方向に直交する第2方向に平行に延在している複数の電極であってもよい。 【0016】 さらに、本発明に係る第2の態様の発光素子の製造方法は、基板を用意するステップと、 前記基板の上に複数の第1電極を所定のパターンを形成して配置するステップと、 前記第1電極間の間隙の少なくとも一部に第1絶縁層を設けるステップと、 前記第1電極および前記第1絶縁層の上に第2絶縁層を設けるステップと 前記第2絶縁層の上に発光層を設けるステップと、 前記発光層の上に第2電極を設けるステップと を含むことを特徴とする。 【0017】 なお、前記第1絶縁層を設けるステップは、 前記第1電極間の間隙に第1絶縁層を充填するステップと 前記第1絶縁層を前記第1電極の上面と面一となるように平滑化するステップと を含んでもよい。 【0018】 また、前記第1絶縁層を設けるステップは、ゾルゲル法を用いて前記第1絶縁層を形成するものであってもよい。 【発明の効果】 【0019】 本発明に係る発光素子によれば、第1電極間の間隙を第1絶縁層で充たすことで第1電極間の配線間容量を小さくし、発光の立ち上がりを早くすることができる。 【0020】 また、第1電極間を第1絶縁層で充たし、第1電極による凹凸を減少させることで、発光層の成膜時の平滑性を高め、初期不良の発生を抑え、安定な発光特性が得られる信頼性の高い発光素子を得ることができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0021】 本発明に係る発光素子及び表示装置について添付図面を用いて以下に説明する。なお、図面において、実質的に同一の部材には同一の符号を付している。 【0022】 (実施の形態1) 図1は、本発明の実施の形態1に係るエレクトロルミネッセンス(EL)素子10の発光面に垂直な断面図である。このEL素子10は、基板11の上に、所定のパターンを形成して設けられた第1電極12と、第1電極間の間隙の少なくとも一部を充たす第1絶縁層13と、第2絶縁層14と、発光層15と、透明な第2電極16とカバー層17とが積層された構造を有する。第1電極12と第2電極16との間に配置した交流電源18によって、交流電圧を印加し、発光層15を発光させる。発光層15からの光100は全方位に向かって放射されるが、このEL素子10では透明な第2電極16の側から取り出される。以下にこのEL素子10の各構成要素について説明する。 【0023】 基板11は、その上層に設ける第1絶縁層13および第2絶縁層14の成膜時における焼成温度に耐えうるものでなければならない。焼成温度が500℃程度以下であればガラス基板を用いることができる。また、焼成温度が500℃を超え、1000℃以下であれば石英基板やセラミックス基板などを用いることができる。さらに、焼成温度が1000℃程度であればアルミナ基板などのセラミックス基板を用いることができる。 【0024】 第1電極12は、基板11の面状に所定のパターンを形成して設けられている。この第1電極12は、絶縁層形成時の加熱焼成後も導電性を保つ材料であることが必要とされる。この第1電極12には、例えば、金やパラジウム、白金のような貴金属や、クロム、タングステン、モリブデンなどの金属、またはこれらの合金のようなその他の金属を用いることができる。また、ITOなどの金属酸化物を用いることができる。これらの材料は焼成温度や導電性によって選択される。また第1電極間の配線ピッチは表示素子の大きさ、表示画素数によって決定される。例えば720pのHD放送の場合、必要画素数は1280x750(総走査線数)となり、これを対角32インチ(700mmx410mm)のパネルで表示する場合、最小配線ピッチは約0.18mm(=700mm/1280/3)であり、最大でも0.55mm(410mm/750)となる。さらに、このときの第1電極の膜厚は厚いほうが配線抵抗は減少するが、パターニングが難しくなることや、凹凸が増加するため、好ましくは50μm以下であり、更に好ましくは20μm以下である。 【0025】 第1絶縁層13は、少なくとも第1電極12間の間隙の一部、理想的には第1電極12間の間隙の全てを充たしており、さらに図2に示す発光素子20のように第1電極12間を満たし、さらに電極上を覆ってもよい。また、第1絶縁層13を構成する絶縁材料としては配線間容量を低減するため、低誘電率であることが好ましく、具体的にはSiO2、Al2O3、Y2O3、BaTa2O6、Ta2O5などの金属酸化物やSi3N4などの窒化物、SiONなどの酸窒化物を用いることができる。 【0026】 第2絶縁層14は、高誘電率材料が好ましく、具体的にはペロブスカイト構造を有するセラミック材料が好ましく、さらに具体的にはPbNbO3やBaTiO3、SrTiO3、PbTiO3、(Sr,Ca)TiO3などが挙げられる。絶縁層の膜厚は、厚くするほうが絶縁破壊に対する信頼性が向上するが、厚くすることで容量が減少すると共に、表示装置に用いた場合、隣接画素とのクロストークが発生するため、その膜厚は200μm以下が好ましく、さらに好ましくは100μm以下である。なお、十分な絶縁耐圧を有する場合薄膜でもよい。 【0027】 発光層15は無機蛍光体材料からなり、具体的には金属元素をドープされたZnS、SrS、SrGa2S4、BaAl2S4などの硫化物系蛍光体材料や、Y2O3、Ga2O3、Zn2SiO4などの酸化物蛍光体材料からなる。発光層の膜厚は特に限定はされないが通常1μm程度である。 【0028】 第2電極16は、透過性を有するものであればよく、低抵抗であることが好ましい。特に好適な例としては、ITO(インジウム錫酸化物)、InZnO、SnO2等が用いられるが、これらに限定されるものではない。更に、ポリアニリン、ポリピロール、PEDOT/PSS等の導電性樹脂を用いることもできる。この前面電極16の膜厚は、必要とされるシート抵抗値と可視光透過率から決定される。 【0029】 カバー層17は、発光に関して不可欠な構成部材ではないが、前面電極16を覆って保護するものであり、ひいては発光素子10を保護するものであるので、設けることが好ましい。また、前面電極16を覆うために、カバー層17は絶縁性であることが好ましい。さらに、カバー層17は、特に材質と厚さともに限定されず、例えば、材質としてはポリエチレンテレフタレートやポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイミド、ポリアミド、ナイロン等の高分子材やガラス、石英、セラミックス等を用いることができる。 【0030】 次に、このEL素子10の製造方法を説明する。 (a)基板11を用意する。基板11は、上層の第1絶縁層13および第2絶縁層14の焼成温度に応じて選択すればよい。例えば、焼成温度が500℃以下であれば、ガラス基板を用いることができる。また、焼成温度が500℃を超え、1000℃以下であれば石英基板やセラミックス基板などを用いることができる。さらに、焼成温度が1000℃程度であればアルミナ基板などのセラミックス基板を用いることができる。 (b)基板11の上に第1電極12を設ける。第1電極12は、上層に設ける第1絶縁層13および第2絶縁層14の焼成温度に応じて選択できる。第1電極の配線パターニングは、例えば、Ag/Ptペーストによりスクリーン印刷することで形成できる。また、必要に応じて乾燥、焼成を行う。 (c)第1電極12の配線間の間隙を充たす第1絶縁層13を形成する。この第1絶縁層13は周知の技術で形成される。例えば、高周波スパッタリング法や電子ビーム(EB)蒸着法、有機金属気相堆積法、ゾル−ゲル法などを用いることができる。さらに第1絶縁層13は平滑化処理を行ってもよい。平滑化処理は周知の技術で行われ、例えばエッチバック法やCMP法などが用いられる。平滑化処理を行うことで、第1電極12による凹凸を減少することができる。 【0031】 (d)第1電極12および第1絶縁層13の上に第2絶縁層14を形成する。第2絶縁層14は周知の厚膜技術で形成される。例えば、基体となる誘電体材料粉末にバインダを混合・攪拌し、キャスティング法やドクターブレード法、スクリーン印刷法等の種々の成膜方法から選択した方法で誘電体材料の前駆体を成膜する。成膜後、所定の温度、例えば950℃等で上記誘電体材料の前駆体を焼成して、誘電体材料からなる絶縁層を形成する。また、所定の膜厚を得るために複数回成膜してもよい。また、第2絶縁層14は十分な絶縁耐圧を持つ場合薄膜でもよく、その場合高周波スパッタリング法やEB蒸着法、有機金属気相堆積法、ゾル−ゲル法などを用いることができる。 (e)第2絶縁層14の上に発光層15を設ける。発光層15は抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、高周波スパッタリング法、原子層エピタキシー法、有機金属気相堆積法、ゾル−ゲル法などによって形成される。発光層15は所定の膜厚を得るために複数回、成膜してもよい。 【0032】 (f)発光層15の上に第2電極16を設ける。第2電極16としてITOを用いる場合には、その透明性を向上させる目的、あるいは抵抗率を低下させる目的で、高周波スパッタリング法、EB蒸着法、イオンプレーティング法等の公知の成膜方法で成膜できる。また成膜後に、抵抗率制御の目的でプラズマ処理などの表面処理を施してもよい。また、第2電極16として、導電性樹脂を用いる場合は、インクジェット法、ディッピング法、スピンコート法、スクリーン印刷法、バーコート法等の公知の成膜方法を用いて成膜できる。第2電極のパターニングは形成時もしくは形成後に行うことができる。形成時にパターニングを行う場合、例えば、導電性樹脂をスクリーン印刷することや、マスクを用いたEB蒸着で形成できる。形成後にパターニングを行う場合、例えば高周波スパッタリング法によりITO膜を成膜し、成膜後リソグラフィー工程、エッチング工程を経ることで形成できる。 (g)第2電極16の上を覆ってカバー層17を設ける。このカバー層17の形成方法としては、例えば、スピンコート法、インクジェット法、スクリーン印刷法、バーコート法、ディップコート法等の成膜方法で形成してもよく、また、例えば高分子フィルムやガラス基板を張り合わせて形成してもよい。さらに、例えばUV硬化樹脂を塗布し、これをUV光にて硬化させてもよい。 【0033】 次に、本発明の発光素子の駆動方法について、図3を用いて説明する。図3は、互いに直交する第1電極31と第2電極32とによって構成されるパッシブマトリクス駆動によって駆動される発光素子30の概略平面図である。発光素子30は発光素子面に平行な第1方向に平行に延在している複数の第1電極31と、発光素子面に平行であって、第1方向と直交する第2方向に平行に延在している複数の第2電極32とを備える。この第1電極31と第2電極32とが直行している箇所が夫々表示画素となり、第1電極31と第2電極32に外部交流電圧を順次印加することで各画素が発光することができる。 【0034】 カラーの表示装置に用いる発光素子の場合、発光層をRGBの各色蛍光体に色分けして成膜すればよい。また更に、別例のカラー表示装置の場合、単一色又は2色の発光層による発光装置を作成した後、カラーフィルター及び/又は色変換フィルターを用いて、RGBを表示することもできる。 【0035】 なお、前述の実施の形態は一例を示したものであり、その構成は実施の形態の構成に限定されるものではない。 【実施例】 【0036】 以下に、本発明について更に詳細に説明する。なお、本発明はここに説明する実施例に限定されるものではない。 【0037】 (実施例1) 実施例1に係るEL素子は、図1に示される上記実施の形態に係るEL素子とほぼ同様の構成を有するが、カバー層を有しない点で相違する。このEL素子の製造方法について以下に説明する。 (a)背面基板11には、厚さ0.635mmのアルミナ基板を用いた。 (b)第1電極12には、Ag約85%、Pt約15%からなるAg−Ptペーストを用い、背面基板11上にスクリーン印刷法にて、ピッチ0.2mmの100本のストライプパターンを形成した。その後、乾燥、焼成の工程を得て、Ag−Pt合金からなる第1電極12を背面基板11の上に形成した。 (c)第1絶縁層13は、高周波スパッタリング法にてTa2O5を形成した。Ta2O5を成膜後レジストを塗布しエッチバック法にて第1電極12の表面上のTa2O5を除去すると共に平滑化処理を行った。なお、別基板にて同様にTa2O5を形成し、誘電率を測定した結果誘電率は23であった。 (d)第2絶縁層14は、誘電体材料の前駆体としてBaTiO3のペーストを用い、第1電極12の上にスクリーン印刷にて方形に形成した。その後、空気雰囲気で900℃にて焼成し、BaTiO3からなる第2絶縁層14を第1電極12および第1絶縁層13の上に形成した。また、別基板にて同様にBaTiO3を形成し、誘電率を測定した結果、誘電率は520であった。 【0038】 (e)発光層15にはZnS:MnをEB蒸着法を用いて形成した。このときの膜厚は0.5μmであった。 (f)第2電極16は、EB蒸着法にてピッチ0.2mmのマスクを用い、厚さ0.1μmの100本の透明ストライプパターンのITO膜を形成し、画素数100x100のEL素子を作成した。 なお、カバー層は今回形成していない。 【0039】 (実施例2) 実施例2に係るEL素子は、実施例1に係るEL素子と比較すると、実施例1に係るEL素子と同様の構造を有するが、第1絶縁層を形成する方法が異なる。以下、このEL素子の製造方法について述べる。 (a)基板11には、実施例1と同様に厚さ0.635mmのアルミナ基板を用いた。 (b)第1電極12には、実施例1と同様にAg−Pt合金からなる第1電極を基板11の上に形成した。 (c)第1絶縁層13は、ゾルゲル法にてSiO2を形成した。ゾルゲル法はSiのアルコキシド溶液をスピンコートにて塗布し乾燥後500℃にて焼成を10回繰り返し行った。また、別基板にて同様にSiO2を形成し、誘電率を測定した結果誘電率は4であった。また、実施例1とは異なり、平滑化処理は行わなかった。 (d)第2絶縁層14は実施例1と同様にBaTiO3のペーストを用い、BaTiO3からなる第2絶縁層14を第1絶縁層13の上に形成した。 (e)発光層15には実施例1と同様にZnS:MnをEB蒸着法を用いて形成した。このときの膜厚は0.5μmであった。 (f)第2電極16は、実施例1と同様に透明ストライプパターンのITO膜を形成し、画素数100x100のEL素子を作成した。 なお、カバー層は形成していない。 【0040】 (比較例) 比較例に係るEL素子は、実施例1及び2のEL素子と比較すると、第1絶縁層を有しない点で相違する。この比較例に係るEL素子の製造方法について説明する。基板から第1電極までは実施例1と同様に形成し、第1絶縁層を形成せずに実施例1の方法を用いて第2絶縁層を形成する。その後、発光層、第2電極も実施例1と同様に形成し、画素数100x100のEL素子を得た。 【0041】 上記実施例1及び2、比較例で作成したEL素子に、300Vのパルス電圧を全画素に印加した全点同時発光時の印加初期の輝度と初期欠陥の画素数および電圧印加10時間後の欠陥の画素数を表1に示す。 【0042】 【表1】
【0043】 表1に示されるように300Vの電圧を印加したときの特性において、輝度については実施例1、2および比較例ともに400cd/m2以上の良好な値を示した。しかし、実施例1、2では、初期欠陥はなく、一方、比較例では、一部の画素に未発光部が存在し初期欠陥が発生していた。さらに、電圧印加後10時間後の欠陥の個数について、実施例1、2では増加無し、もしくは欠陥画素数1個と欠陥はほとんど発生していないが、比較例のEL素子は、欠陥画素数15画素と欠陥が大幅に増加した。これは第1電極による凹凸が実施例1では、第1絶縁層のエッチバック法による平滑化処理にて減少し、実施例2ではゾルゲル法のアルコキシド溶液の塗布時のレベリング効果により減少したのに対し、比較例では凹凸が発光層及び第2電極まで影響を及ぼしたためと考えられる。このように、本発明の実施例1、2に係るEL素子は高い信頼性を示した。 【0044】 また、これらのEL素子を、パッシブマトリックス駆動法を用いて画像を表示する場合、実施例1、2は、比較例に対して第1電極間に低誘電率の第1絶縁層を有するため、第1電極間の配線間容量が減少し、各ラインにパルス電圧を印加した時のパルスの立ち上がりの遅れが少ない。すなわちEL素子の発光の立ち上がりが早くなり、高画質な表示が可能となる。 【産業上の利用可能性】 【0045】 本発明に係る発光素子は、第1電極間に第1絶縁層を有し、第1電極および第1絶縁層の上に第2絶縁層を有する。これによりこの発光素子は信頼性が高く、発光の立ち上がりが早いため、フラットパネルディスプレイ用のEL素子、特にHD放送対応のEL素子として有用である。 【図面の簡単な説明】 【0046】 【図1】本発明に係るEL素子の発光面に垂直な断面図の一例である。 【図2】本発明に係るEL素子の発光面に垂直な断面図の一例である。 【図3】本発明に係るEL素子の構造を示す概略平面図である。 【図4】従来のEL素子の発光面に垂直な断面図である。 【符号の説明】 【0047】 10、20、30 エレクトロルミネッセンス素子 11 基板、 12、31 第1電極 13 第1絶縁層 14 第2絶縁層 15 発光層 16、32 第2(透明)電極 17 カバー層 18 交流電源 100、200 発光 40 エレクトロルミネッセンス素子 41 基板 42 第1電極 43 厚膜誘電体層 44 薄膜発光層 45 第2(透明)電極 46 カバー層 400 発光
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005821 【氏名又は名称】松下電器産業株式会社
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| 【出願日】 |
平成18年6月21日(2006.6.21) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100101454 【弁理士】 【氏名又は名称】山田 卓二
【識別番号】100081422 【弁理士】 【氏名又は名称】田中 光雄
【識別番号】100091524 【弁理士】 【氏名又は名称】和田 充夫
【識別番号】100098280 【弁理士】 【氏名又は名称】石野 正弘
【識別番号】100113170 【弁理士】 【氏名又は名称】稲葉 和久
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| 【公開番号】 |
特開2008−4326(P2008−4326A) |
| 【公開日】 |
平成20年1月10日(2008.1.10) |
| 【出願番号】 |
特願2006−171049(P2006−171049) |
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