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【発明の名称】 回路及び製造方法
【発明者】 【氏名】牛嶋 昌和

【要約】 【課題】複数の放電管を点灯させる場合に、より均一な明るさで点灯させることができ、昇圧トランスを直列に接続する方式に比べて駆動用電源の電源電圧をより低電圧にすることができる回路を提供すること。

【構成】回路は、第1一次巻線及び第2一次巻線をそれぞれ有する複数のトランスと、複数のトランスのそれぞれが有する第1一次巻線を、当該第1一次巻線を有するトランスの他のトランスが有する第2一次巻線にそれぞれ直列に接続し、複数のトランスのそれぞれが有する第2一次巻線を、当該第2一次巻線を有するトランスが有する第1一次巻線に直列に接続された第2一次巻線を有するトランスと異なるトランスが有する第1一次巻線にそれぞれ直列に接続するとともに、電源に並列に接続される複数の直列接続経路とを備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1一次巻線及び第2一次巻線をそれぞれ有する複数のトランスと、
前記複数のトランスのそれぞれが有する第1一次巻線を、当該第1一次巻線を有するトランスの他のトランスが有する第2一次巻線にそれぞれ直列に接続し、前記複数のトランスのそれぞれが有する第2一次巻線を、当該第2一次巻線を有するトランスが有する第1一次巻線に直列に接続された第2一次巻線を有するトランスと異なるトランスが有する第1一次巻線にそれぞれ直列に接続するとともに、電源に並列に接続される複数の直列接続経路と
を備える回路。
【請求項2】
前記複数のトランスがそれぞれ有する第1一次巻線の巻数は、前記複数のトランスのそれぞれが有する第2一次巻線の巻数と異なる
請求項1に記載の回路。
【請求項3】
前記複数のトランスは、さらに、第3一次巻線をそれぞれ有し、
前記複数の直列接続経路は、前記複数のトランスのそれぞれが有する第1一次巻線と、当該トランスの他のトランスが有する第2一次巻線と、当該2つのトランスのさらに他のトランスが有する第3一次巻線とをそれぞれ直列に接続し、前記複数のトランスのそれぞれが有する第2一次巻線を、当該トランスが有する第1一次巻線に直列に接続された第2一次巻線及び第3一次巻線をそれぞれ有する2つのトランスの組合せ、及び当該トランスが有する第3一次巻線に直列に接続された第1一次巻線及び第2一次巻線をそれぞれ有する2つのトランスの組合せのいずれの組合せとも異なる組合せの2つのトランスがそれぞれ有する第1一次巻線及び第3一次巻線にそれぞれ接続し、前記複数のトランスのそれぞれが有する第3一次巻線を、当該トランスが有する第1一次巻線に直列に接続された第2一次巻線及び第3一次巻線をそれぞれ有する2つのトランスの組合せ、及び当該トランスが有する第2一次巻線に直列に接続された第1一次巻線及び第3一次巻線をそれぞれ有する2つのトランスの組合せのいずれの組合せとも異なる組合せの2つのトランスがそれぞれ有する第1一次巻線及び第2一次巻線にそれぞれ接続するとともに、電源に並列に接続される
請求項1に記載の回路。
【請求項4】
前記複数のトランス及び前記複数の直列接続回路を有する第1直並列接続構造と、
第1一次巻線及び第2一次巻線をそれぞれ有する複数のトランスと、前記複数のトランスのそれぞれが有する第1一次巻線を、当該第1一次巻線を有するトランスの他のトランスが有する第2一次巻線にそれぞれ直列に接続し、前記複数のトランスのそれぞれが有する第2一次巻線を、当該第2一次巻線を有するトランスが有する第1一次巻線に直列に接続された第2一次巻線を有するトランスと異なるトランスが有する第1一次巻線にそれぞれ直列に接続するとともに、電源に並列に接続される複数の直列接続経路とを有する第2直並列接続構造と
を備え、
前記第1直並列接続構造が有する前記複数の直列接続回路のそれぞれと、前記第2直並列接続構造が有する前記複数の直列接続回路のそれぞれとは、直列に接続される
請求項1に記載の回路。
【請求項5】
前記複数のトランスのそれぞれが有する二次巻線にそれぞれ接続され、前記複数のトランスのそれぞれが有する二次巻線が含む漏れインダクタンスとともに共振回路を形成する複数のコンデンサ
をさらに備える請求項1に記載の回路。
【請求項6】
前記複数のコンデンサの容量は、前記共振回路のQ値を予め定められた値より大きい値にすべく、少なくとも前記漏れインダクタンスの値に基づいて設定される
請求項5に記載の回路。
【請求項7】
前記第1一次巻線と前記第2一次巻線との間の結合係数は、前記第1一次巻線及び前記第2一次巻線と二次巻線との間の結合係数より大きい予め定められた値以上の結合係数を持つ
請求項1に記載の回路。
【請求項8】
第1一次巻線及び第2一次巻線をそれぞれ有する複数のトランスを備える回路を製造する製造方法であって、
前記複数のトランスのそれぞれが有する第1一次巻線を、当該第1一次巻線を有するトランスの他のトランスが有する第2一次巻線にそれぞれ直列に接続し、前記複数のトランスのそれぞれが有する第2一次巻線を、当該第2一次巻線を有するトランスが有する第1一次巻線に直列に接続された第2一次巻線を有するトランスと異なるトランスが有する第1一次巻線にそれぞれ直列に接続する複数の直列接続経路を形成する段階と、
前記複数の直列接続経路を、並列に接続する段階と
を備える製造方法。
【請求項9】
前記複数のトランスがそれぞれ有する第1一次巻線の巻数と前記複数のトランスのそれぞれが有する第2一次巻線の巻数との比率を決定する段階と、
決定された前記比率を持つ第1一次巻線及び第2一次巻線を有する複数のトランスを用意する段階と
をさらに備える請求項8に記載の製造方法。
【請求項10】
前記複数のトランスのそれぞれが有する二次巻線が含む漏れインダクタンスと、前記複数のトランスのそれぞれが有する二次巻線にそれぞれ接続されるコンデンサとから形成される共振回路のQ値を予め定められた値より大きい値にすべく、前記複数のトランスのそれぞれが有する二次巻線にそれぞれ接続されるコンデンサの容量を決定する段階と、
決定された前記容量のコンデンサを、前記複数のトランスのそれぞれが有する二次巻線にそれぞれ接続する段階と
をさらに備える請求項8に記載の製造方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、回路及び製造方法に関する。特に本発明は、複数のトランスを備える回路及び当該回路を製造する製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶テレビなどに用いられるバックライトには多数の放電管(例えば、冷陰極管:Cold Cathode Fluorescent Lamp)が使われている。放電管の点灯装置として、漏洩磁束型の昇圧トランスの疎結合部分より生じる誘導性出力と二次側回路に生じる寄生容量との間で構成される共振回路を利用したインバータ回路が知られている。このインバータ回路によると、昇圧トランスの二次側回路に含まれる漏れインダクタンスと二次側回路の容量成分とを共振させることによって高い変換効率を得ることができる。この方式は他励共振型駆動方式と呼ばれる。
【特許文献1】特許第2733817号公報
【特許文献2】米国特許第5495405号明細書
【特許文献3】特開2005−317253号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
放電管の点灯装置は各冷陰極管ごとに1つの漏洩磁束型の昇圧トランスを必要とするので、バックライト面光源用インバータ回路には多数の漏洩磁束型の昇圧トランスが使われる。このようなバックライト面光源用インバータ回路の一つの駆動方法として、多数の冷陰極管を並列点灯させる方法が考えられる。例えば、図5に示されるように、昇圧トランスを冷陰極管一本ごとに配置して、さらに多数の昇圧トランスの一次巻線を、電源に並列に接続する駆動方法が考えられる。これはいわゆる1by1方式と言われるものである。この方式はローコストなバックライト面光源用インバータ回路に応用されることが多い。しかしながら、各冷陰極管のインピーダンスのバラツキ、冷陰極管の反射板として用いられる近接導体との間の寄生容量のバラツキなどさまざまなバラツキが存在するため、この方式では、各冷陰極管の管電流は必ずしも等しくなるとは限らない。このため、バックライト面光源の輝度が不均一になってしまうという問題がある。
【0004】
一方、図6に示されるように、各冷陰極管の管電流を揃えるために、各冷陰極管ごとに駆動回路を備え、それぞれの冷陰極管の管電流を制御回路に帰還して制御するという方法が考えられる。しかし、この回路構成では、各冷陰極管毎に設けられた駆動回路を制御する必要があるので、大変にコストがかかり、好ましくない。
【0005】
また、図7に示されるように、各冷陰極管の輝度を一定に保つことを目的として、昇圧トランスの一次巻線同士を直列に接続する回路が考えられる。これはいわゆるRosaryと呼ばれ、一次巻線が直列に接続されることによって各冷陰極管の管電流を一定に保つことができるものである。この回路構成によると、図5で示した並列接続回路のように各二次側回路の共振周波数がそれぞれにバラついて管電流が異なってしまうということがなく、輝度の均一性が図れる一方で、駆動用電源には高電圧が必要となる。したがって、このような駆動方式を採用する場合には、図8に示されるように、一次側回路にLとCとを組み合わせた直列共振回路による昇圧回路を設けることによって、高電圧を供給する構成が考えられる。しかしながら、そのような構成をとった場合、一次側の共振回路と二次側の共振回路との関係を適切に調整して動作させることが大変に難しい。
【0006】
また、図7及び図8に示したような一次巻線を直列に接続する回路構成では、冷陰極管の温度が熱くなり過ぎると冷陰極管のインピーダンスが低下し、昇圧トランスの二次側回路のQ値が低くなり過ぎる場合がある。そのような場合、補正のし過ぎにより、温度の高い冷陰極管がさらに熱くなってしまう。さらには、管壁温度が過剰に上昇してかえって輝度が低下してしまうという現象が起きることがある。したがって、最適なQ値と漏れインダクタンスとの調整は難しく、漏れインダクタンスの選択の自由度が狭い。漏れインダクタンスは昇圧トランスの一次巻線側の力率改善効果を決める重要な要素でもあるので、冷陰極管の温度補正との関係から一方的に漏れインダクタンスの値を決めることは好ましくない。
【0007】
以上説明したように、昇圧トランスの二次側回路を共振させて高効率を得る形式のインバータ回路においては、昇圧トランス一次巻線を並列に接続した場合、各冷陰極管の管電流を均一にすることが難しい。このことは、昇圧トランス二次側回路を共振させて一次側巻線の力率を改善することによって回路全体を高効率で駆動するタイプのインバータ回路等を利用した構成において顕著である。また、当該発明の効果(力率改善効果)をさらに高めるべく二次側回路のQ値を高くしようとすると、管電流のばらつきはより顕著になる。管電流が均一でないと、面光源バックライトに輝度の不均一が生じるだけでなく、冷陰極管によって消耗の度合いが異なり、時間経過とともに輝度の不均一がさらに悪化する。
【0008】
一方、昇圧トランスの一次巻線を全て直列に接続する方法では、冷陰極管の数が増えるほど、すなわち昇圧トランスの数が増えるほど駆動用電源の電圧としてより高い電源電圧が必要となる。また、面光源バックライトによって冷陰極管の数が異なるので、それぞれのバックライト面光源ごとに直列接続される昇圧トランスの数が異なってしまう。このため、冷陰極管の数に応じて、異なる電源電圧を持つ駆動電源を用意しなければならない。そのため電源電圧の設計を統一することが大変に難しくなる。また、冷陰極管の温度上昇は面光源バックライトの構造ごとに性質が異なるので、明るさの補正の度合いも異なってくる。
【0009】
そこで本発明は、上記の課題を解決することができる回路及び製造方法を提供することを目的とする。この目的は特許請求の範囲における独立項に記載の特徴の組合せにより達成される。また従属項は本発明の更なる有利な具体例を規定する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1の形態における回路は、第1一次巻線及び第2一次巻線をそれぞれ有する複数のトランスと、複数のトランスのそれぞれが有する第1一次巻線を、当該第1一次巻線を有するトランスの他のトランスが有する第2一次巻線にそれぞれ直列に接続し、複数のトランスのそれぞれが有する第2一次巻線を、当該第2一次巻線を有するトランスが有する第1一次巻線に直列に接続された第2一次巻線を有するトランスと異なるトランスが有する第1一次巻線にそれぞれ直列に接続するとともに、電源に並列に接続される複数の直列接続経路とを備える。
【0011】
複数のトランスがそれぞれ有する第1一次巻線の巻数は、複数のトランスのそれぞれが有する第2一次巻線の巻数と異なってよい。
【0012】
複数のトランスは、さらに、第3一次巻線をそれぞれ有し、複数の直列接続経路は、複数のトランスのそれぞれが有する第1一次巻線と、当該トランスの他のトランスが有する第2一次巻線と、当該2つのトランスのさらに他のトランスが有する第3一次巻線とをそれぞれ直列に接続し、複数のトランスのそれぞれが有する第2一次巻線を、当該トランスが有する第1一次巻線に直列に接続された第2一次巻線及び第3一次巻線をそれぞれ有する2つのトランスの組合せ、及び当該トランスが有する第3一次巻線に直列に接続された第1一次巻線及び第2一次巻線をそれぞれ有する2つのトランスの組合せのいずれの組合せとも異なる組合せの2つのトランスがそれぞれ有する第1一次巻線及び第3一次巻線にそれぞれ接続し、複数のトランスのそれぞれが有する第3一次巻線を、当該トランスが有する第1一次巻線に直列に接続された第2一次巻線及び第3一次巻線をそれぞれ有する2つのトランスの組合せ、及び当該トランスが有する第2一次巻線に直列に接続された第1一次巻線及び第3一次巻線をそれぞれ有する2つのトランスの組合せのいずれの組合せとも異なる組合せの2つのトランスがそれぞれ有する第1一次巻線及び第2一次巻線にそれぞれ接続するとともに、電源に並列に接続されてよい。
【0013】
複数のトランス及び複数の直列接続回路を有する第1直並列接続構造と、第1一次巻線及び第2一次巻線をそれぞれ有する複数のトランスと、複数のトランスのそれぞれが有する第1一次巻線を、当該第1一次巻線を有するトランスの他のトランスが有する第2一次巻線にそれぞれ直列に接続し、複数のトランスのそれぞれが有する第2一次巻線を、当該第2一次巻線を有するトランスが有する第1一次巻線に直列に接続された第2一次巻線を有するトランスと異なるトランスが有する第1一次巻線にそれぞれ直列に接続するとともに、電源に並列に接続される複数の直列接続経路とを有する第2直並列接続構造とを備え、 第1直並列接続構造が有する複数の直列接続回路のそれぞれと、第2直並列接続構造が有する複数の直列接続回路のそれぞれとは、直列に接続されてよい。
【0014】
複数のトランスのそれぞれが有する二次巻線にそれぞれ接続され、複数のトランスのそれぞれが有する二次巻線が含む漏れインダクタンスとともに共振回路を形成する複数のコンデンサをさらに備えてよい。複数のコンデンサの容量は、共振回路のQ値を概ね1前後かそれ以上の大きい値にすべく、漏れインダクタンスの値に基づく計算値に設定されてよい。
【0015】
第1一次巻線と第2一次巻線との間の結合係数は、概ね1に近い値を持つことが望ましい。一方、第1一次巻線及び第2一次巻線と二次巻線との間の結合係数は十分な漏れインダクタンス値を有するために、1よりも若干小さい値を持つことが望ましい。
【0016】
本発明の第2の形態によると、第1一次巻線及び第2一次巻線をそれぞれ有する複数のトランスを備える回路を製造する製造方法であって、複数のトランスのそれぞれが有する第1一次巻線を、当該第1一次巻線を有するトランスの他のトランスが有する第2一次巻線にそれぞれ直列に接続し、複数のトランスのそれぞれが有する第2一次巻線を、当該第2一次巻線を有するトランスが有する第1一次巻線に直列に接続された第2一次巻線を有するトランスと異なるトランスが有する第1一次巻線にそれぞれ直列に接続する複数の直列接続経路を形成する段階と、複数の直列接続経路を、並列に接続する段階とを備える。
【0017】
複数のトランスがそれぞれ有する第1一次巻線の巻数と複数のトランスのそれぞれが有する第2一次巻線の巻数との比率を決定する段階と、決定された比率を持つ第1一次巻線及び第2一次巻線を有する複数のトランスを用意する段階とをさらに備えてよい。
【0018】
複数のトランスのそれぞれが有する二次巻線が含む漏れインダクタンスと、複数のトランスのそれぞれが有する二次巻線にそれぞれ接続されるコンデンサとから形成される共振回路のQ値を1前後ないしそれよりも大きい値にすべく、複数のトランスのそれぞれが有する二次巻線にそれぞれ接続されるコンデンサの容量を決定する段階と、決定された容量のコンデンサを、複数のトランスのそれぞれが有する二次巻線にそれぞれ接続する段階とをさらに備えてよい。
【0019】
なお上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではなく、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた発明となりうる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、1つの電源を用いて複数の放電管を点灯させる場合に、より容易に均一な明るさで点灯させるとともに、昇圧トランスの一次巻線を全て直列に接続する方式に比べて駆動用電源の電源電圧をより低電圧にすることができる回路を提供することができる。
また、二次側回路の共振回路のQ値を高くした場合においても、それぞれの放電管の電流がバラつくということがなくなった。
この場合、共振回路のQ値を高くできるので一次巻線側から見た力率改善の効果をさらに高めることができる。その結果、一次巻線の巻数を減らすことも可能になる。このことにより、銅損をさらに減らすことも可能になり、また、巻線数を減らせるので複数ある昇圧トランスのさらなる小型化に寄与することを意味するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、発明の実施形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0022】
図1は、一実施形態における回路100の構成の一例を示す。回路100は、複数のトランス110a〜d(以下、トランス110と総称する)、複数のコンデンサ160a〜d(以下、コンデンサ160と総称する)、複数の放電管180a〜d(以下、放電管180と総称する)、複数の直列接続経路140a〜d(以下、直列接続経路140と総称する)、及び駆動用の交流電源150を備える。複数のトランス110、複数の直列接続回路100、及び複数のコンデンサ160から、第1直並列接続構造191が形成される。
【0023】
トランス110aは、第1一次巻線111a、第2一次巻線112a、及び二次巻線120aを有する。トランス110bは、第1一次巻線111b、第2一次巻線112b、及び二次巻線120bを有する。トランス110cは、第1一次巻線111c、第2一次巻線112c、及び二次巻線120cを有する。トランス110dは、第1一次巻線111d、第2一次巻線112d、及び二次巻線120dを有する。このように、複数のトランス110は、第1一次巻線111及び第2一次巻線112をそれぞれ有する。
【0024】
複数の直列接続経路140は、複数のトランス110のそれぞれが有する第1一次巻線111を、当該第1一次巻線111を有するトランス110の他のトランス110が有する第2一次巻線112にそれぞれ直列に接続するとともに、複数の直列接続経路140は、複数のトランス110のそれぞれが有する第2一次巻線112を、当該第2一次巻線112を有するトランス110が有する第1一次巻線111に直列に接続された第2一次巻線112を有するトランス110と異なるトランス110が有する第1一次巻線111にそれぞれ直列に接続する。そして、複数の直列接続経路140は、1つの電源150に並列に接続される。
【0025】
具体的には、直列接続経路140aは、トランス110aが有する第1一次巻線111aとトランス110bが有する第2一次巻線112bとを、直列に接続する。直列接続経路140bは、トランス110bが有する第1一次巻線111bとトランス110cが有する第2一次巻線112cとを直列に接続する。直列接続経路140cは、トランス110cが有する第1一次巻線111cとトランス110dが有する第2一次巻線112dとを直列に接続する。直列接続経路140dは、トランス110dが有する第1一次巻線111dとトランス110aが有する第2一次巻線112aとを直列に接続する。そして、直列接続経路140a〜dは、1つの電源150に並列に接続される。
【0026】
また、二次巻線120a、b、c、及びdは、回路的にそれぞれ漏れインダクタンス130a、b、c、及びd(以下、漏れインダクタンス130と総称する)を有する。なお、トランス110が漏洩磁束型のトランスである。ところで、漏れインダクタンスには、電気学会書籍によって定義される漏れインダクタンスと、JIS測定法によって定められる漏れインダクタンスとがあるが、本明細書でいう漏れインダクタンス130は、一次巻線を短絡して二次巻線側から測定するJIS測定法によって定める漏れインダクタンスのことを指す。
【0027】
放電管180は、複数のトランス110の二次巻線120のそれぞれに接続される。放電管180は、冷陰極管であってよい。また、放電管180a、b、c、及びdは、回路的に寄生容量170a、b、c、及びd(以下、寄生容量170と総称する)をそれぞれ有する。
【0028】
複数のコンデンサ160a〜d(以下、コンデンサ160と総称する)は、複数のトランス110a〜dのそれぞれが有する二次巻線120a〜dに、それぞれ接続される。具体的には、複数のコンデンサ160a〜dは二次巻線120a〜dにそれぞれ並列に接続される。そして、複数のコンデンサ160は、複数のトランス110のそれぞれが有する二次巻線120が含む漏れインダクタンス130とともに共振回路を形成する。
【0029】
具体的には、二次巻線120及び放電管180を含む二次側回路のそれぞれにおいて、コンデンサ160の容量と放電管180が有する寄生容量170との和の容量成分と、漏れインダクタンス130とによって、共振回路が形成される。より詳細には、二次側回路のそれぞれにおいて、コンデンサ160の容量と、放電管180が有する寄生容量170の容量と、二次巻線120の有する寄生容量との和の容量成分と、漏れインダクタンス130とによって、共振回路が形成される。このように、漏れインダクタンス130は、複数のトランス110のそれぞれの二次巻線120に接続される負荷及びコンデンサ160によって提供される容量成分との間で共振回路を形成する。そして、複数のコンデンサ160の容量は、共振回路のQ値を1前後ないしそれよりも大きい値にすべく、少なくとも漏れインダクタンス130の値に基づいて設定されてよい。なお、共振回路のQ値が大きいほど、寄生容量170に流れる電流を含めた放電管負荷180に流れる電流(以下放電管負荷180に流れる管電流と略す)が等しくなるという効果が大きい。
【0030】
なお、複数のトランス110がそれぞれ有する第1一次巻線111の巻数は、複数のトランス110のそれぞれが有する第2一次巻線112の巻数と略同一であってよい。本構成のようにトランス110を接続することによって、それぞれの放電管180に供給される管電流が均一化される。その動作を以下に簡単に説明する。以下の説明においては、全てのトランス110について、第1一次巻線111及び第2一次巻線112の巻数は同じであり、二次巻線120の巻線の数も同じであるとする。また、漏洩磁束型のトランスの二次側回路を共振させる、いわゆる二次側共振回路において、一次巻線を直列に接続した場合に二次側回路の共振電流を含めた管電流の均衡効果を有することは、先行技術によって示されている。
【0031】
ここでは、トランス110aの二次側回路の寄生容量170aと、トランス110bの二次側回路の寄生容量170bとが異なる値を持つことによって、トランス110aとトランス110bとの間で昇圧比が異なった場合を考える。仮に、トランス110aの昇圧比よりもトランス110bの昇圧比が小さくなったとすると、直列に接続された第1一次巻線111a及び第2一次巻線112bに発生するそれぞれの電圧をE11及びE21とすると、E21はE11より小さくなる。一方で、このように第1一次巻線111aと第2一次巻線112bとの直列接続は、トランス110a及び110bの二次側の電圧E12とE22とが略等しくなるよう作用するので、トランス110bの昇圧比がトランス110aの昇圧比より小さいと、相対的にE21の電圧をE11の電圧よりも高くしようとする結果、電圧のバランスが保たれる。
【0032】
次に、トランス110bにおいて、第1一次巻線111bと第2一次巻線112bとの巻数が等しく、かつ、結合係数が1に近いとすると、第1一次巻線111bと第2一次巻線112bとの電圧は略等しくなる。そこで、トランス110bの第1一次巻線111bの端子間の電圧をE21'とする。その結果二次巻線120bに電圧E22が発生するが、トランス110bの第1一次巻線111bとトランス110cの第2一次巻線112cとは直列に接続されているので、上記のようにE22とE32とが略等しくなるよう均衡化される。
【0033】
このように、同一の電源150に接続されたトランス110は、互いに二次側回路の出力電圧が等しくなるよう相互に作用した結果、全放電管の寄生容量に流れる電流までを含めた管電流が略等しくなる。なお、以上説明したような均衡化作用を効果的に得るためには、同じトランス110において第1一次巻線111と第2一次巻線112との間の結合係数が十分に高い一方で、一次巻線111及び112と二次巻線120との間の結合係数がわずかに低いことが望ましい。したがって、第1一次巻線111と第2一次巻線112とは、並列巻き又はバイファイラ巻きなどにより巻かれることが望ましく、十分に高い結合係数を持つことが望ましい。
【0034】
以上、4つのトランス110を有する回路100の動作を説明したが、本構成のようにそれぞれのトランス110が有する一次巻線の数が2つである場合には、3つ以上のトランスを同様の接続方法により接続可能であることが明らかである。より一般的には、トランスが有する一次巻線の数がN個である場合には、回路100はN+1個以上のトランスを接続することができる。なお、トランス110がそれぞれ3個の一次巻線を有する場合の回路100によるトランス110の接続構成の一例は、図3に関連して説明される。
【0035】
図2は、第1一次巻線111の巻数と第2一次巻線112の巻数との関係を模式的に示す。本構成においては、複数のトランス110がそれぞれ有する第1一次巻線111の巻数は、複数のトランス110のそれぞれが有する第2一次巻線112の巻数と異なる。例えば、トランス110aにおいては、第1一次巻線111aの巻数は、第2一次巻線112aの巻数と異なり、他のトランス110a〜dにおいても同様である。また、第1一次巻線111の巻数と第2一次巻線112の巻数との比率は、全てのトランス110にわたって略同一であってよい。
【0036】
第1一次巻線111の巻数と第2一次巻線112の巻数との比率が1である場合に、トランス110間の関係は最も緊密になる。この場合、全てのトランス110の一次巻線を直列に接続した場合に得られる効果と同様の効果が得られる。一方、第1一次巻線111の巻数と第2一次巻線112の巻数との比率が1から離れるほど、トランス110間の関係は薄くなっていく。そして、第1一次巻線111の巻数と第2一次巻線112の巻数との比率が著しく小さくなると(又は著しく大きくなると)、回路100はトランス110の一次巻線が並列に接続された構成と実質的に等しくなる。したがって、回路100によると、第1一次巻線111と第2一次巻線112との間の巻数の比率を変化させることによって、トランス110の間の関係の深さを、一次巻線を全て直列に接続した場合に得られる関連の深さから、一次巻線を全て並列に接続した場合に得られる関連の深さまでの間で調整することができる。
【0037】
このように、第1一次巻線111と第2一次巻線112との間の巻数の比率を変化させることによって、放電管180の間の調整の度合いを変化させることができる。具体的には、第1一次巻線111の巻数と第2一次巻線112の巻数との比率を0に近づけると(又は著しく大きくすると)、昇圧トランスの一次巻線を図5のように並列に接続した場合のように、それぞれのトランス110及び放電管180は個別に動作する。したがって、ある放電管180のインピーダンスが低下するとその二次側共振回路のQ値が下がり、その放電管180の明るさが暗くなる。一方で、第1一次巻線111と第2一次巻線112との間の巻数の比率を1にすると、昇圧トランスの一次巻線を図6のように全て直列に接続した場合と同様に、それぞれのトランス110及び放電管180が互いに調整し合う結果、ある放電管180の温度が上昇するとインピーダンスが低下して、その放電管180がさらに熱くなってしまうおそれがある。放電管180は、温度が上がるとある程度までは輝度が上昇する。しかし、過度に熱くなると、逆に輝度は低下する。したがって、回路100において、トランス110の一次巻線を全て並列に接続した場合のトランス110間の関連の深さと、トランス110の一次巻線を全て直列に接続した場合におけるトランス110間の関連の深さとの間に、最適な関連の深さが存在すると言える。したがって、回路100を製造する場合には、トランス110間の関連の深さが、放電管180の輝度の均一さが保たれ、かつ放電管180の管電流が過度に調整されないような関連の深さとなるよう、第1一次巻線111と巻数と第2一次巻線112の巻数との間の比率が適切に決定されることが望ましい。
【0038】
図3は、回路100の構成の他の一例を示す。なお、図3の回路100が備える構成要素のうち、図1及び図2に関連して説明した回路100の構成要素が有する符号と同じ符号を有する構成要素は、それぞれ同じ符号を有する図1及び図2に関連して説明した回路100の構成要素と同様の機能及び動作を有するので、以下の説明においては、その相違点を除いて説明を省略する。本接続構成における回路100では、複数のトランス110は、さらに、第3一次巻線113をそれぞれ有する。そして、複数の直列接続経路140は、複数のトランス110のそれぞれが有する第1一次巻線111と、当該トランス110の他のトランス110が有する第2一次巻線112と、当該2つのトランス110のさらに他のトランス110が有する第3一次巻線113とをそれぞれ直列に接続する。このとき、複数の直列接続経路140は、複数のトランス110のそれぞれが有する第2一次巻線112を、当該トランス110が有する第1一次巻線111に直列に接続された第2一次巻線112及び第3一次巻線113をそれぞれ有する2つのトランス110の組合せ、及び当該トランス110が有する第3一次巻線113に直列に接続された第1一次巻線111及び第2一次巻線112をそれぞれ有する2つのトランス110の組合せのいずれの組合せとも異なる組合せの2つのトランス110がそれぞれ有する第1一次巻線111及び第3一次巻線113にそれぞれ接続する。同時に、複数の直列接続経路140は、複数のトランス110のそれぞれが有する第3一次巻線113を、当該トランス110が有する第1一次巻線111に直列に接続された第2一次巻線112及び第3一次巻線113をそれぞれ有する2つのトランス110の組合せ、及び当該トランス110が有する第2一次巻線112に直列に接続された第1一次巻線111及び第3一次巻線113をそれぞれ有する2つのトランス110の組合せのいずれの組合せとも異なる組合せの2つのトランス110がそれぞれ有する第1一次巻線111及び第2一次巻線112にそれぞれ接続する。そして、複数の直列接続経路140は、電源150に並列に接続される。
【0039】
以上、図1及び図3に関連して、2個及び3個の一次巻線を有するトランス110を接続する接続構成について説明したが、トランス110が一次巻線を4個以上有する場合であっても、同様の接続方法によって一次巻線を接続することができることが明らかである。例えば、トランス110がN個(N>2)の一次巻線を有する場合、N個の直列接続経路140は、異なるN個のトランス110からそれぞれ1つずつ選択された一次巻線を直列に接続するとともに、トランス110のそれぞれにおいて、一次巻線が、他の一次巻線が直列に接続された一次巻線をそれぞれ有するN−1個のトランス110の組合せのいずれの組合せとも異なる組合せのN−1個のトランスがそれぞれ有する一次巻線に直列に接続されるように、異なるN個のトランス110からそれぞれ1つずつ選択された一次巻線を直列に接続する。このように、トランス110が一次巻線を3個以上有する構成においても、上記の接続方法によって、図1に関連して説明した2つの一次巻線を有する回路100によって得られる効果と同様の効果を得ることができる。
【0040】
図4は、回路100の構成の更なる他の一例を示す。本構成においては、回路100は、図1に関連して説明した第1直並列接続構造191と、第1直並列接続構造191と同様の特徴を持つ構成要素を含む第2直並列接続構造192とを有する。すなわち、第2直並列接続構造192は、第1一次巻線111及び第2一次巻線112をそれぞれ有する複数のトランス110と、複数のトランス110のそれぞれが有する第1一次巻線111を、当該第1一次巻線111を有するトランス110の他のトランス110が有する第2一次巻線112にそれぞれ直列に接続し、複数のトランス110のそれぞれが有する第2一次巻線112を、当該第2一次巻線112を有するトランス110が有する第1一次巻線111に直列に接続された第2一次巻線112を有するトランス110と異なるトランス110が有する第1一次巻線111にそれぞれ直列に接続し、電源150に並列に接続される複数の直列接続経路140とを含む。
【0041】
そして、第1直並列接続構造191が有する複数の直列接続回路100のそれぞれと、第2直並列接続構造192が有する複数の直列接続回路100のそれぞれとは、直列に接続される。なお、第2直並列接続構造192が有する各構成要素は、第1直並列接続構造191が含む各構成要素と略同一の特徴を有するので、第2直並列接続構造192が有する各構成要素の詳細については説明を省略する。
【0042】
図1から図4に関連して説明された回路100が備えるトランス110は、二次巻線を複数有してもよい。例えば、いわゆるツインタイプと呼ばれるトランスの一次側巻線の接続法も、回路100に適用することができる。また、さらに多数の二次巻線を有する昇圧トランスとの組合せも可能である。
【0043】
以上、図1から図4に関連して説明したように、回路100によると、それぞれの放電管180のそれぞれの管電流を略均一にすることができ、放電管180のそれぞれの輝度を略均一にすることができる。また、回路100によると、放電管180のそれぞれの管電流を制御するために多数の帰還回路及び制御回路を必要とせず、一つの制御回路によりそれぞれの管電流を制御することができる。このため、高效率な他励共振型回路を用いても、ローコストなインバータ回路を容易に実現することができる。また、回路100によると、トランスを直列に接続する接続方式で構成した電源回路とは異なり、冷陰極管の数に応じて電源電圧を変える必要がないので、電源電圧の設計の自由度を高めることができる。また、回路100によると、トランスを直列に接続する接続方式で構成した電源回路のような高い電源電圧が不要となる。また、回路100によると、高電圧の電源を適用する場合でも、電源電圧の選択の自由度を高めることができ、柔軟に設計することができる。
【0044】
また、回路100によると、一次巻線の巻数比を変えることによって、各トランス110の相互の関係の深さを自由に選択することができるので、放電管180の間の管電流の均一化の効果を得つつ、放電管180の間における管電流の調整の度合いを適切に選択することができる。また、回路100によると、漏れインダクタンスの値をトランス110の力率改善効果が最も良くできる適切な値を選ぶことができる。また、回路100によると、二次側回路の共振のQ値を高く設定することによって、それぞれの放電管180に流れる管電流をより均一にすることができるとともに、それぞれの各放電管180にかかる電圧も略均一にそろえることができる。
【0045】
以上、実施形態を用いて本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。上記実施形態に、多様な変更又は改良を加えることができる。そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】一実施形態における回路100の構成の一例を示す図である。
【図2】第1一次巻線及び第2一次巻線の巻数の関係を模式的に示す図である。
【図3】回路100の構成の他の一例を示す図である。
【図4】回路100の構成の更なる他の一例を示す図である。
【図5】放電管の点灯装置の回路構成の一例を示す。
【図6】放電管の点灯装置の回路構成の他の一例を示す。
【図7】放電管の点灯装置の回路構成の更なる他の一例を示す。
【図8】放電管の点灯装置の回路構成の更なる他の一例を示す。
【符号の説明】
【0047】
100 回路100
110 トランス110
111 第1一次巻線111
112 第2一次巻線112
113 第3一次巻線113
120 二次巻線120
130 漏れインダクタンス130
140 直列接続経路
150 電源150
160 コンデンサ160
170 寄生容量170
180 放電管180
191 第1直並列接続構造191
192 第2直並列接続構造192
【出願人】 【識別番号】506262508
【氏名又は名称】光詮科技股▲ふん▼有限公司
【出願日】 平成18年6月20日(2006.6.20)
【代理人】 【識別番号】100104156
【弁理士】
【氏名又は名称】龍華 明裕


【公開番号】 特開2008−4313(P2008−4313A)
【公開日】 平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願番号】 特願2006−170685(P2006−170685)