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【発明の名称】 放送装置
【発明者】 【氏名】松尾 大輔

【氏名】浅田 和磨

【要約】 【課題】入力装置とマイクユニットの断線及び短絡を制御ラインを使用せずに検出する。

【構成】入力装置2−1とマイクユニット14−1とが、音声ライン16−2を含むケーブル16を介して接続されている。入力装置2−1における音声ライン16−2の端末に所定の直流電圧が発生するように直流電源を接続し、入力装置2−1において、前記直流電圧の絶対値が、予め設定した第1の設定値の絶対値よりも大きいか、第1の設定値よりも絶対値を小さく設定した第2の設定値の絶対値よりも小さいか比較器38、40、42及び判定回路50が判定する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力装置とマイクユニットとが、音声ラインを含むケーブルを介して接続され、
前記入力装置における前記音声ラインの端末に所定の直流電圧が発生するように直流電源を前記入力装置において前記音声ラインに接続し、前記入力装置において、前記直流電圧の絶対値が、予め設定した第1の設定値の絶対値よりも大きいか、第1の設定値よりも絶対値を小さく設定した第2の設定値の絶対値よりも小さいか判定手段が判定する放送装置。
【請求項2】
請求項1記載の放送装置において、前記マイクユニット内における前記音声ラインの端部に、絶対値が前記第1及び第2の設定値の絶対値の間にある第3の設定値と第1の設定値または第2の設定値との間の値に前記直流電圧を変化可能な電圧変化手段を設け、前記判定手段によって、前記直流電圧の絶対値が第1の設定値の絶対値と第3の設定値の絶対値との間にあるか第2の設定値の絶対値と第3の設定値の絶対値との間にあるか判定する放送装置。
【請求項3】
請求項2記載の放送装置において、前記ケーブルには、制御ラインが含まれ、この制御ラインによる制御不能時に、前記電圧変化手段を作動させる放送装置。
【請求項4】
請求項1乃至3いずれか記載の放送装置において、前記マイクユニットが複数並列に前記入力装置に接続されている放送装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、マイクユニットからの音声信号を入力装置に供給し、入力装置から放送する放送装置に関し、特にマイクユニットと入力装置との接続の検査に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、放送装置における接続ラインの検査装置としては、例えば特許文献1に開示されているようなものがある。この特許文献1の技術では、検査時に、放送装置本体から遠隔操作器に接続されたモニタラインに、放送装置本体から検査信号が供給される。同時に、放送装置本体から遠隔操作器に接続された制御ラインを介して制御信号が供給される。これに応じて遠隔操作機内の切換スイッチが、遠隔操作器から放送装置に接続されているマイクロホンラインと前記モニタラインとを接続する。これによって、モニタラインまたはマイクロホンラインに断線が生じていないと、検査信号がモニタライン、切換スイッチ、マイクロホンラインに伝送される。放送装置本体内では、検出回路においてマイクロホンラインから検査信号を検出することができるか否か判定する。検査信号を検出できれば、断線は生じていないと判定でき、検出できなければ断線が生じていると判定できる。
【0003】
【特許文献1】特開2001−45598号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に開示された技術では、検査信号の有無を検出しているので、断線の検出は行えるが、短絡時には検査信号は検出回路に供給されるので、短絡の検出を行うことはできない。また、切換スイッチを切り換えるために制御ラインを使用しなければならない。
【0005】
本発明は、制御ラインを使用せずに断線及び短絡を検出することができる放送装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様による放送装置では、入力装置とマイクユニットとが、音声ラインを含むケーブルを介して接続されている。入力装置は、放送を行うためにスピーカラインに接続されたり、ネットワークに接続されたりする。音声ラインは、マイクユニットから入力装置に音声信号を伝送するものを少なくとも含み、これに加えて入力装置から、他の入力装置を介して放送されている音声信号をマイクユニットに伝送するためのものを含むこともある。入力装置における音声ラインの端末に所定の直流電圧が発生するように直流電源が前記入力装置において前記音声ラインに接続されている。直流電源が供給する電圧は、正負いずれであってもよい。入力装置において、前記直流電圧の絶対値が、予め設定した第1の設定値の絶対値よりも大きいか、第1の設定値よりも絶対値を小さく設定した第2の設定値の絶対値よりも小さいか判定手段が判定する。直流電源は、正の直流電圧を発生するものを使用することもできるし、負の直流電圧を発生するものを使用することもできる。いずれにしても、直流電圧の絶対値が、第1及び第2の設定値の絶対値よりも大きいか小さいか判定手段によって判定される。
【0007】
このように構成された放送装置では、音声ラインに直流電圧を供給し、その直流電圧の絶対値が第1の設定値の絶対値よりも大きいとき、断線が生じていると判定でき、第1の設定値よりも絶対値が小さい第2の設定値の絶対値よりも直流電圧の絶対値が小さいとき、短絡が生じていると判定できる。このように、特別に制御用のラインを使用することなく、断線だけでなく短絡も検出することが、この放送装置では可能である。
【0008】
前記マイクユニット内における前記音声ラインの端部に、絶対値が前記第1及び第2の設定値の絶対値の間にある第3の設定値よりも大きく第1の設定値よりも小さい値または第3の設定値よりも小さく第2の設定値よりも大きい値に前記直流電圧を変化可能な電圧変化手段を設けることができる。この場合、判定手段によって、前記直流電圧の絶対値が第3の設定値の絶対値よりも大きく第1の設定値の絶対値よりも小さいか或いは第3の設定値よりも小さく第2の設定値よりも大きい値か判定する。
【0009】
このように構成することによって、断線及び短絡の検査に使用している音声ラインを利用して、マイクユニット側から入力装置側に制御信号を伝送することができる。
【0010】
ケーブルには、制御ラインを含むことができる。この制御ラインによる制御不能時に、電圧変化手段を作動させる。これによって、制御ラインによる制御が不可能なときに、マイクユニットから入力装置に制御信号を伝送することができる。
【0011】
上述したようないずれかの構成において、マイクユニットが複数並列に入力装置に接続されている。このように構成すると、いずれかのマイクユニットにおいて、断線や短絡が生じているか否かを少なくとも検出することができる。
【発明の効果】
【0012】
以上のように、本発明によれば、音声信号の伝送に使用する音声ラインのみを用いて、音声ラインが含まれているケーブルの断線、短絡を検出することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の第1の実施形態のネットワーク放送装置は、図1に示すように、ネットワーク放送装置であって、複数、例えばn台の入力装置2−1乃至2−nを有している。これら入力装置2−1乃至2−nは、ネットワーク、例えばスイッチングハブ(以下、ハブと称する。)4に接続されている。ハブ4は、複数台、例えばm台の出力装置6−1乃至6−mに接続されている。また、ハブ4には、制御手段、例えばシステムマネージャ8も接続されている。これら入力装置2−1乃至2−n、出力装置6−1乃至6−m、システムマネージャ8は、ハブ4を介して相互に通信可能である。
【0014】
例えば、入力装置2−1から出力装置6−1に対して放送を行う場合、入力装置2−1は、ハブ4を介してシステムマネージャ8に、出力装置6−1に対する放送要求を送信する。この放送要求を受けたシステムマネージャ8は、出力装置6−1に対し、ハブ4を介して放送受信可能か問い合わせ、その回答が受信可能であれば、システムマネージャ8は、ハブ4を介して入力装置2−1に対して放送許可を与え、出力装置6−1に対して受信指示を与える。
【0015】
入力装置2−1では、デジタル音声信号を、入力装置2−nから入力装置2−1までハブ4を介して順に伝送されているパケット信号の予めシステムマネージャ8によって指定されたブロックに配置し、ハブ4を介してマルチキャストで各出力装置6−1乃至6−mに送信する。出力装置6−1は、マルチキャストで受信したパケット信号中の、システムマネージャ8によって指定されたブロックからデジタル音声信号を抽出し、アナログ音声信号に復元して、図示していないスピーカから拡声する。以下、同様に、パケット信号が伝送されてくる毎に、入力装置2−1からのデジタル音声信号を抽出し、拡声する。
【0016】
このようなネットワークによる放送が停電等によって行えない場合に、例えば緊急放送等を行うために、各入力装置2−1乃至2−n、システムマネージャ8、出力装置6−1乃至6−mは、アナログケーブル10によって縦続接続されている。例えば入力装置2−1からのアナログ音声信号は、各入力装置2−2乃至2−n、システムマネージャ8を順に経て、出力装置6−1乃至6−mに供給され、各出力装置6−1乃至6−mのスピーカから拡声される。
【0017】
各入力装置2−1乃至2−nでは、例えば入力装置2−1を代表として図2に示すと、デジタル音声信号の音源として、複数台、例えば4台のマイクユニット12−1乃至12−4が、入力装置2−1に接続されている。
【0018】
この接続は、4本のラインが一体に形成されたケーブル16を介して行われる。このケーブル16中には、各マイクユニット14−1乃至14−4のマイク18−1乃至18−4の音声信号を入力装置2−1に伝送する音声出力ライン16−1が含まれている。更に、ケーブル16には、他の入力装置からの音声信号を入力装置2−1を介して各マイクユニット14−1乃至14−4のスピーカ20−1乃至20−4に伝送する音声入力ライン16−2が含まれている。入力装置2−1が含む制御手段、例えばCPU(図示せず)から、各マイクユニット14−1乃至14−4がそれぞれ備える制御手段、例えばCPU(図示せず)へ、制御信号を伝送するための制御ライン16−3と、入力装置2−1から各マイクユニット14−1乃至14−4に動作電力を供給するための電源ライン16−4も、ケーブル16内には含まれている。このケーブル16が途中でそれぞれ分岐されて、各入力装置14−1乃至14−4に接続されている。
【0019】
図3に示すように、入力装置2−1では、コンデンサ22を介して他の入力装置からのアナログ音声信号が音声入力ライン16−2に供給される。各マイクユニット14−1乃至14−4では、コンデンサ24−1乃至24−4を介して音声入力ライン16−2から音声信号を抽出し、スピーカ20−1乃至20−4に供給する。
【0020】
入力装置2−1では、図示しない直流電源から抵抗器26を介して直流電圧、例えば+12Vの直流電圧が音声入力ライン16−2に供給されている。各マイクユニット14−1乃至14−4では、音声入力ライン16−2と基準電位線、例えば接地電位線28との間に、電圧変化手段、例えば可変抵抗部30−1乃至30−4が設けられている。可変抵抗部30−1乃至30−4は、2つの抵抗器32−1乃至32−4と34−1乃至34−4との直列回路を、音声入力ライン16−2と接地電位線28との間に直列に接続している。抵抗器32−1乃至32−4が音声入力ライン16−2側に位置し、抵抗器34−1乃至34−4が接地電位線28側に位置している。接地側の抵抗器34−1乃至34−4に並列に開閉スイッチ36−1乃至36−4が接続されている。これら開閉スイッチ36−1乃至36−4は、何らかの原因でハブ4を介してデジタル放送が行えない場合に、上述したアナログケーブル10を介して緊急放送を行うとするときに、使用者によって閉じられる。
【0021】
入力装置2−1では、音声出力ライン16−2と接地電位線28との間の直流電圧Vが、判定手段、例えば比較器38、40、42に供給されている。なお、抵抗器26、抵抗器32−1乃至32−4、34−1乃至34−4の抵抗値は、全ての開閉スイッチ34−1乃至34−4が開放された状態で、直流電圧Vが例えば9V以下になるように設定され、抵抗器26、抵抗器32−1乃至32−4、34−1乃至34−4の抵抗値は、開閉スイッチ34−1乃至34−4のいずれかが閉じられたとき、上記直流電圧Vが、例えば6V以下で+3V以上になるように設定されている。
【0022】
比較器38には、基準電圧源44から第1の設定値、例えば+9Vの直流電圧が供給され、比較器38は、直流電圧Vが+9V以上のとき、第1の状態の信号、例えばHレベルの信号を発生し、+9Vより小さいとき、第2の状態の信号、例えばLレベルの信号を発生する。比較器40には、基準電圧源46から第3の設定値、例えば+6Vの直流電圧が供給され、比較器40は、直流電圧Vが+6V以上のとき、第1の状態の信号、例えばHレベルの信号を発生し、+6Vよりも小さいとき、第2の状態の信号、例えばLレベルの信号Lレベルの信号を発生する。比較器42には直流電圧源48から第2の設定値、例えば+3Vの電圧が供給され、比較器42は、直流電圧Vが+3V以上のとき、第1の状態の信号、例えばHレベルの信号を発生し、+3Vよりも小さいとき、第2の状態の信号、例えばLレベルの信号を発生する。
【0023】
これら比較器38、40、42の出力は、判定手段、例えば判別回路50に供給される。例えば音声入力ライン16−2で断線が生じていると、直流電圧Vの値は、直流電源からの電圧である+12Vとなる。その結果、比較器38、40、42の出力は全てHレベルとなる。これに応じて、判別回路50は音声入力ライン16−2に断線が生じていると判断する。また、音声入力ライン16−2が正常に各マイクユニット14−1乃至14−4に接続されていると、上述したように直流電圧Vは+9Vよりも小さい値であって、+6Vよりも大きい値である。従って、比較器38の出力はLレベルであるが、比較器40、42の出力はHレベルである。これに応じて、判別回路50は、音声入力ライン16−2が正常に各マイクユニット14−1乃至14−4に接続されていると判断する。また、各開閉スイッチ36−1乃至36−4のうちいずれかが閉じられていると、直流電圧Vの値は上述したように+6Vより小さいが、+3V以上である。従って、比較器38、40の出力はLレベルであるが、比較器42の出力はHレベルである。これによって判別回路50は、緊急放送が行われると判断する。また、音声入力ライン16−2が短絡していると、直流電圧Vの値は0Vとなり、+3Vよりも小さい値となる。従って、比較器38、40、42はLレベルの出力を発生する。これによって判別回路50は、短絡が生じていると判断する。
【0024】
音声入力ライン16−2はケーブル16内に設けられているものであるので、音声入力ライン16−2が断線または短絡している場合、ケーブル16内の他のラインにおいても断線や短絡が生じている可能性があり、ケーブル16の変更の必要がある。この短絡または断線との判定結果は、入力装置2−1に設けた報知手段、例えば断線及び短絡にそれぞれ対応して設けた発光素子を発光させることによって使用者に報知されたり、図示していない電源接続回路によって電源ライン16−4からの電源供給を停止する。また、正常に接続されていることも同様な発光素子によって報知しても良い。
【0025】
また、緊急放送の指示が与えられていることが判定回路50から報知されると、入力装置2−1では、音声出力ライン16−1を、図1に示すアナログケーブル10に供給する。アナログケーブル10は、音声ラインと制御ラインとを含み、その音声ラインに音声出力ライン16が接続され、いずれかのマイクユニットからのアナログ音声信号が伝送される。また、このアナログケーブル10中の制御ラインに緊急放送の指示を表す制御信号が供給される。このように音声信号と制御信号とが順に他の入力装置間を伝送され、更にシステムマネージャ8を介して各出力装置6−1乃至6−mに伝送される。制御信号が供給された各出力装置では、アナログケーブル10の音声ラインを伝送された音声信号をスピーカから拡声できるようにスピーカを切り換える。
【0026】
この放送装置では、入力装置2−1と各マイクユニットとを接続しているケーブル16中の音声出力ライン16−2に直流電圧を重畳し、その電圧の変化を入力装置2−1によって検出することによって、ケーブル16の断線、短絡、正常接続及び緊急放送指示が行われているかを判断している。従って、これらの検出用のラインを入力装置2−1から各マイクユニット14−1乃至14−4に敷設する必要はない。また、各マイクユニット14−1乃至14−4に音声信号を供給する音声出力ライン16−2を利用しているので、例えば開閉スイッチ36−1乃至36−4を操作したときに、クリック音が発生したとしても、各マイクユニット14−1乃至14−4のスピーカ20−1乃至20−4に供給されるだけであるので、放送に影響はない。例えば音声入力ライン16−1を利用して断線、短絡、正常接続及び緊急放送指示が行われているかを判断するようにすることもできるが、この場合、上述したように開閉スイッチ36−1乃至36−4を操作したときに発生したクリック音は、アナログケーブル10を介して各出力装置6−1乃至6−mに伝送されるので、望ましくない。
【0027】
入力装置2−1とマイクユニット14−1乃至14−4について説明を行ったが、他の入力装置とそれに接続されるマイクユニットとにおいても同様に構成されている。
【0028】
本発明の第2の実施形態のネットワーク放送装置を図4に示す。このネットワーク放送装置では、入力装置2−1では、図示しない直流電源から抵抗器26を介して直流電圧、例えば−12Vの直流電圧が音声入力ライン16−2に供給されている。各マイクユニット14−1の可変抵抗部30−1aは音声入力ライン16−2と設置電位との間に接続された抵抗器32−1aと、これに並列に接続された抵抗器34−1aと開閉スイッチ36−1との直列回路とから構成されている。図示していないが、他のマイクユニットの14−2乃至14−4の可変抵抗部30−2a乃至30−4aも同様に構成されている。可変抵抗部30−2a乃至30−4aにおいて抵抗器32−1aに相当する抵抗器を抵抗器32−2a乃至32−4aと称し、同抵抗器34−1aに相当する抵抗器を抵抗器34−2a乃至34−4aと称し、同開閉スイッチ36−1に相当する開閉スイッチを開閉スイッチ36−2乃至36−4と称する。なお、図4では、音声入力ライン16−2への音声の入力用のコンデンサとマイクユニット14−1における音声取り出し用のコンデンサとは図示を省略してある。
【0029】
入力装置2−1では、音声出力ライン16−2と接地電位との間の直流電圧Vが、判定手段、例えば比較器38a、40a、42aに供給されている。なお、抵抗器26、抵抗器32−1a、34−1aの抵抗値は、全ての開閉スイッチ34−1乃至34−4が開放された状態で、直流電圧Vが例えば−9V以上になるように設定され、抵抗器26、抵抗器32−1a、34−1aの抵抗値は、開閉スイッチ34−1乃至34−4のいずれかが閉じられたとき、上記直流電圧Vが、例えば−6V以上で−3V以下になるように設定されている。
【0030】
比較器38aには、基準電圧源44aから第1の設定値、例えば−9Vの直流電圧が供給され、比較器38aは、直流電圧Vが−9V以下のとき、第1の状態の信号、例えばLレベルの信号を発生し、−9Vよりも大きいとき、第2の状態の信号、例えばハイインピーダンスの信号を発生する。比較器42aには直流電圧源48aから第2の設定値、例えば−3Vの電圧が供給され、比較器42aは、直流電圧Vが−3V以上のとき、第1の状態の信号、例えばLレベルの信号を発生し、−3Vよりも小さいとき、第2の状態の信号、例えばハイインピーダンスの信号を発生する。比較器40aには、基準電圧源46aから第3の設定値、例えば−6Vの直流電圧が供給され、比較器40aは、直流電圧Vが−6V以上のとき、第1の状態の信号、例えばLレベルの信号を発生し、−6Vよりも小さいとき、第2の状態の信号、例えばHレベルの信号を発生する。
【0031】
従って、音声入力ライン16−2に断線が生じた場合、比較器38aがLレベルの信号を発生し、断線が生じていないときハイインピーダンスの信号を発生する。音声入力ライン16−2に短絡が生じた場合、比較器42aがLレベルの信号を発生し、短絡が発生していないとき、比較器42aがハイインピーダンスの信号を発生する。開閉スイッチ36−1乃至36−4のうちいずれかが閉じられたとき、比較器40aがLレベルの信号を発生し、開閉スイッチ36−1乃至36−4のうちいずれも開かれているとき、比較器40aはHレベルの信号を発生する。
【0032】
比較器38a、42aの出力信号は合成されているが、比較器38a、42aはオープンコレクタ出力のものであるので、比較器38a、42aのいずれかの出力がLレベルのとき、その合成点の出力は、Lレベルである。判定回路50aの遅延回路52に供給されている。遅延回路52では、例えばコンデンサ52aと抵抗器52bとの直列回路が+Vの直流電源と接地電位点との間に接続され、コンデンサ52aと抵抗器52bとの接続点が、抵抗器52cを介して比較器38a、42aに接続されている。
【0033】
抵抗器52bの抵抗値は、抵抗器52cの抵抗値よりも格段に大きく設定されている。これらコンデンサ52a、抵抗器54b、54cによって充放電回路が構成されている。この充放電回路では、比較器38a、42aの出力信号が共にハイインピーダンスのとき、即ち、短絡も断線も生じていない場合、抵抗器52bの大きな抵抗値とコンデンサ52aの容量とで決まる大きな時定数で充電される。その結果、コンデンサ52aの両端間電圧の上昇は遅い。一方、比較器38a、42aの出力信号のいずれかがLレベルのとき、コンデンサ52aは、小さな値の抵抗器52cとコンデンサ52aの容量で決まる小さな時定数で急速に放電される。
【0034】
このコンデンサ52aの両端間電圧は、比較器52dに供給されている。この比較器52dには+Vの直流電源と接地電位との間に直列に接続された2つの抵抗器52e、52fによって決定された閾値が供給されている。この閾値は、+Vに近い値、例えば+Vの90パーセントの値に設定されている。そして、比較器52dは、コンデンサ52aの両端間電圧が閾値よりも小さいとき第1の状態、例えばLレベルの信号を発生し、閾値以上のとき第2の状態、例えばHレベルの信号を発生する。従って、このネットワーク放送装置に電源が供給され、+Vの電圧が発生して間もないころは、断線または短絡が検出されていなくても、比較器52dの出力信号はHレベルであり、或る程度の時間が経過したとき、初めてLレベルとなる。
【0035】
比較器52dの出力信号は、電源ライン16−4への電源供給を制御する電源接続部54に供給されている。電源接続部54は、遅延回路52からLレベルの出力信号が供給されている期間、電源ライン16−4への電源を供給し、Hレベルの期間、電源供給を停止する。従って、この放送装置への電源が供給された後、或る程度の時間が経過してから、電源ライン16−4への電源供給が行われる。一方、この放送装置への電源供給が行われて或る程度の時間が経過した後、断線または短絡が検出されると、比較器52dの出力は、その検出からごくわずかな時間遅れでHレベルとなる。その結果、断線または短絡が検出されてからわずかな時間の経過後に、電源ライン16−4への電源供給が絶たれる。
【0036】
一方、比較器52dの出力信号はナンドゲート58に供給されている。このナンドゲート58には比較器40aの出力信号も遅延回路56を介して供給されている。この遅延回路56の遅延時間は、抵抗器52bとコンデンサ52aとによって決まる充電時定数よりもかなり小さいが、コンデンサ52aと抵抗器52cによって決まる放電時定数よりも大きい。開閉スイッチ36−1乃至36−4のうちいずれかが閉じられたときに、比較器40aの出力信号がLレベルであり、このとき、短絡または断線が生じていなければ、アンドゲート58には、比較器52d、遅延回路56aから共にLレベルの信号が供給され、アンドゲート58の出力信号はHレベルとなり、このHレベルの信号が緊急放送が行われる旨を表す制御信号として、入力装置2−1のCPUに供給される。
【0037】
入力装置2−1とマイクユニット14−1乃至14−4について説明を行ったが、他の入力装置とそれに接続されるマイクユニットとにおいても同様に構成されている。
【0038】
このように遅延回路52を使用しているので、音声入力ライン16−2のラインの容量成分が充電される際に瞬間的に大きな直流電流が流れても、マイクユニットへの電源を誤動作で遮断することがないし、配線が短絡された場合に、短絡検知前に緊急状態と誤判断してシステムを緊急状態に切り換えてしまうことを防止できるし、配線をコネクタに接続したときら亜種電流が流れることによる接点の劣化を防止でき、放送装置に電源を投入した立ち上がり時には、マイクユニットへの電源をオンさせないことができる。これによって、放送装置に電源を投入した立ち上がり時に、誤った機器が接続されていたり、配線が短絡していた場合、接続と誤判断して電源を供給することを防止できる。
【0039】
上記の実施形態では、入力装置を複数のマイクユニットに接続したが、少なくとも1台のマイクユニットに接続すればよい。また、上記の実施形態では、開閉スイッチ36−1乃至36−4を設けて、制御信号を入力装置2−1に伝送可能としたが、場合には、開閉スイッチ36−1乃至36−4を除去して、断線及び短絡のみを検出するように構成することもできる。また、上記の実施形態では、ネットワーク放送装置に本発明を実施したが、各入力装置と各出力装置との間にマトリクス回路を設けて、マトリクス回路によって放送するために選択された入力装置と出力装置とを接続するように構成することもできる。上記の2つの実施形態では、開閉スイッチ36−1乃至36−4を緊急放送を行う場合に閉じるように構成したが、逆に、緊急放送が不要なときに開閉スイッチ36−1乃至36−4を閉じておいて緊急放送が必要なときに開閉スイッチ36−1乃至36−4を開くように構成することもできる。この場合、第1の実施形態における比較器40への基準電源46の電圧と直流電圧Vとが供給される入力端子と逆にする。第2の実施形態においても、比較器40aへの基準電源46aの電圧と直流電圧Vとが供給される入力端子を逆にする。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の第1実施形態の放送装置のブロック図である。
【図2】図1の放送装置における入力装置と各マイクユニットとの接続図である。
【図3】図2の入力装置と各マイクユニットとの音声出力ラインを介しての接続を示す図である。
【図4】本発明の第2実施形態の放送装置における入力装置とマイクユニットとの音声出力ラインを介しての接続を示す図である。
【符号の説明】
【0041】
2−1乃至2−n 入力装置
14−1乃至14−4 マイクユニット
16 ケーブル
30−1乃至30−4 可変抵抗部(電圧変化手段)
38 40 42 比較器(判定手段)
50 判別回路(判定手段)

【出願人】 【識別番号】000223182
【氏名又は名称】ティーオーエー株式会社
【出願日】 平成18年9月15日(2006.9.15)
【代理人】 【識別番号】100090310
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 正俊


【公開番号】 特開2008−72657(P2008−72657A)
【公開日】 平成20年3月27日(2008.3.27)
【出願番号】 特願2006−251735(P2006−251735)