| 【発明の名称】 |
マイクロホンコネクタおよびこれを備えたマイクロホン |
| 【発明者】 |
【氏名】秋野 裕
|
| 【要約】 |
【課題】ピンインサートとコネクタケースをねじで結合した状態でピンインサートとコネクタケース相互の偏心をごく僅かに抑えることができ、コネクタの円滑な着脱が可能で、コネクタを結合した状態でがたつきのないマイクロホンコネクタおよびマイクロホンを得る。
【構成】マイクロホンに結合されマイクロホンケーブル側コネクタが挿入される円筒状のコネクタケース1と、コネクタケース1内に固定されるピンインサート5と、ピンインサート5の半径方向にねじ込まれコネクタケース1とピンインサート5を結合する止めねじ10と、コネクタケース1の内周面とピンインサート5の外周面との間に介在し、止めねじ10でコネクタケース1とピンインサート5を結合することによってコネクタケース1とピンインサート5が偏心するのを阻止するスペーサ11と、を具備している。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 マイクロホンに結合されマイクロホンケーブル側コネクタが挿入される円筒状のコネクタケースと、 コネクタケース内に固定されるピンインサートと、 ピンインサートの半径方向にねじ込まれコネクタケースとピンインサートを結合する止めねじと、 コネクタケースの内周面とピンインサートの外周面との間に介在し、コネクタケースとピンインサートが止めねじで結合されることによってコネクタケースとピンインサートが偏心するのを阻止するスペーサと、を具備するマイクロホンコネクタ。 【請求項2】 ピンインサートは、絶縁材料からなるベースと、このベースを厚さ方向に貫いてベースと一体に設けられた接続ピンを有してなる請求項1記載のマイクロホンコネクタ。 【請求項3】 ベースの半径方向に止めねじがねじ込まれ、この止めねじを半径方向外側に引き上げることによって止めねじがコネクタケースの内周面に当たり、ピンインサートがコネクタケースに結合されている請求項2記載のマイクロホンコネクタ。 【請求項4】 スペーサは、止めねじとコネクタケースとの当接部に対し円周方向反対側においてコネクタケースの内周面とピンインサートの外周面との間に介在している請求項3記載のマイクロホンコネクタ。 【請求項5】 コネクタケースの周壁に、止めねじを回転させる道具を挿入するための孔が形成されている請求項3記載のマイクロホンコネクタ。 【請求項6】 止めねじは、コネクタケースを貫通してピンインサートのベースにねじ込まれ、上記ベースをコネクタケースの内周面に引き付けて、ピンインサートとコネクタケースを結合している請求項2記載のマイクロホンコネクタ。 【請求項7】 止めねじによってピンインサートのベースがコネクタケースの内周面に引き付けられる位置においてスペーサがピンインサートとコネクタケース間に介在している請求項6記載のマイクロホンコネクタ。 【請求項8】 スペーサは、ピンインサートの外周面に沿った部分円弧状の部材である請求項1記載のマイクロホンコネクタ。 【請求項9】 部分円弧状の部材であるスペーサは、円周方向中間部にスペーサの幅方向に突出した幅広部を有している請求項8記載のマイクロホンコネクタ。 【請求項10】 幅広部は、スペーサの円周方向中間部の2箇所に設けられている請求項9記載のマイクロホンコネクタ。 【請求項11】 マイクロホンケーブル側コネクタが着脱されるマイクロホンコネクタを備えるマイクロホンであって、上記マイクロホンコネクタとして請求項1乃至10のいずれかに記載のマイクロホンコネクタを備えているマイクロホン。
|
【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、コネクタケースにピンインサートを組み込んだ形態のマイクロホンコネクタおよびこれを備えたマイクロホンに関するものであって、コネクタケースとピンインサート相互間の偏心を軽減することができるように構造を工夫したものである。 【背景技術】 【0002】 マイクロホンによって変換された音声信号は、平衡シールドケーブルによってマイクロホン本体から外部に出力される。マイクロホンと平衡シールドケーブルは、例えば、3ピンタイプのマイクロホンコネクタによって着脱することができるようになっている。マイクロホンコネクタは、例えば、EIAJ RC−5236[音響機器用ラッチロック式丸型コネクタ](非特許文献1参照)で規定されているコネクタのように、規格化されたものが一般に用いられる。 【0003】 非特許文献1に記載されている規格化されたマイクロホンコネクタのマイクロホン側コネクタは雄型のコネクタで、ピンインサートがコネクタケース内に配置され、ピンインサートとコネクタケースがねじで結合されている。図7はその例を示すもので、符号1はコネクタケースを、5はピンインサートを、10はねじをそれぞれ示している。コネクタケース1は、有底円筒状金属ケースの底部に相当する部分を打ち抜くことによって円形の窓孔2が形成されるとともに、窓孔2の周囲に内向きのフランジ4が形成された形になっている。コネクタケース1は上記内向きのフランジ4の形成端が図示されないマイクロホンの例えば後端部に結合されるようになっている。コネクタケース1の周壁にはネジ10を回転させるドライバを挿入するための丸孔3が形成されている。 【0004】 コネクタケース1の中にはピンインサート5が挿入されている。ピンインサート5は、絶縁材料、例えば成形樹脂からなるベース6と、ベース6を厚さ方向に貫通しかつベース6に一体に設けられた接続ピン8,9を有してなる。ベース6は外周がコネクタケース1の内周に沿った円柱状に形成され、外周面から半径方向中心に向かってねじ孔7が形成されている。図7では2本の接続ピン8,9が図示されているが、図示されないもう1本の接続ピンを備えている。ベース6はコネクタケース1の奥、すなわち内向きのフランジ4に近接した位置にあり、かつ、上記ねじ孔7にねじ込まれているねじ10とコネクタケース1の丸孔3とが対応した位置関係になっていて、コネクタケース1の丸孔3からドライバを挿入してねじ10を回転させることができるようになっている。ねじ10はベース6の外周面から半径方向外方に突出し、ねじ10の肩に相当する部分がコネクタケース1の内周面に当たり、ベース6のねじ10の挿入部とは反対側の外周部がコネクタケース1の内周面に押し当てられることにより、ピンインサート5がコネクタケース1内に固定されている。 【0005】 接続ピン8,9を含む3本の接続ピンはベース6を厚さ方向に貫いていて、一端側(図4において右端側)はコネクタケース1内においてコネクタケース1の中心軸線と略平行に伸び、他端側はコネクタケース1の窓孔2からコネクタケース1の外方に向かって延びている。接続ピン8,9を含む3本接続ピンの他端側はマイクロホンの適宜の回路、たとえば回路基板の所定の回路パターンなどに電気的に接続される。コネクタケース1の開放端、すなわちベース6が固定されている側とは反対側(図7において右端側)からは、例えば、マイクロホンケーブルの一端に設けられたメス型のコネクタが挿入され、メス型コネクタの電気接点に上記3本の接続ピンが嵌まって、双方のコネクタが電気的に接続されるようになっている。 【0006】 上記のような不具合を解消するための構成として、マイクロホン側コネクタ本体のコネクタケースに、受側コネクタ本体と上記マイクロホン側コネクタ本体との間に形成される隙間に嵌め込むスリーブを設け、このスリーブを、上記コネクタケース内に設けたスプリングで押圧することが考えられる(例えば、特許文献1参照)。 【0007】 【非特許文献1】日本電子工業会規格 EIAJ RC5236 音響機器用ラッチロック式丸型コネクタ 【特許文献1】実開昭60−68781号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0008】 図7について説明したような従来のマイクロホンコネクタは、コネクタケース1内にピンインサート5を挿入し、ねじ10でピンインサートをコネクタケース1に固定する構造になっているため、コネクタケース1の内径に対してピンインサート5のベース6の外径を小さくする必要がある。そのため、ねじ10をピンインサート5のベース6から引き上げて、すなわち半径方向外側に突出させてピンインサート5を固定した状態で、図7に示すように、コネクタケース1の内周面と上記ベース6の外周との間に最大で0.7mm程度の隙間が生じる。この隙間が生じることによって、図7に示すように、コネクタケース1とピンインサート5との間に0.4mm程度の偏心すなわち双方の中心のずれが生じる。この偏心が小さければ大きな問題はないが、偏心が大きくなると、マイクロホンにケーブルを接続することができない、あるいは、接続することができたとしても、双方のコネクタにがたつきを生じて接触不良を起こし、接触雑音を発生する、といった問題を生じていた。このような問題が生じないように、コネクタケース1の内径とピンインサート5のベース6の外径との間に隙間が生じないようにして上記偏心を小さくすると、コネクタケース1内にピンインサート5を挿入することができないかまたは挿入しにくくなり、組立が困難になる。 【0009】 特許文献1に記載されているような発明は、マイクロホン側コネクタと相手のコネクタとを結合したとき、双方のコネクタ間の安定性を確保するための発明であり、本発明のように、ピンインサートの偏心や傾きなどに着目してこれを無くそうとする目的のものではない。また、必要な部品点数が増加し、組立が面倒になるという難点もある。 【0010】 本発明は、以上説明したような従来のマイクロホンコネクタの問題点を解消するためになされたもので、組み立てを容易にするために、ピンインサートの外周面とコネクタケースの内周面との間に隙間が生じるようにした上で、ピンインサートとコネクタケースをねじで結合した状態でピンインサートとコネクタケース相互の偏心が無く、あるいは偏心があったとしてもごく僅かな偏心量に抑えることができ、コネクタの円滑な着脱が可能で、コネクタを結合した状態でがたつきのないマイクロホンコネクタおよびマイクロホンを提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0011】 本発明は、マイクロホンに結合されマイクロホンケーブル側コネクタが挿入される円筒状のコネクタケースと、コネクタケース内に固定されるピンインサートと、ピンインサートの半径方向にねじ込まれコネクタケースとピンインサートを結合する止めねじと、コネクタケースの内周面とピンインサートの外周面との間に介在し、コネクタケースとピンインサートが止めねじで結合されることによってコネクタケースとピンインサートが偏心するのを阻止するスペーサと、を具備していることを最も主要な特徴とする。 【0012】 スペーサは、ピンインサートの外周面に沿った部分円弧状の部材とするとよい。 上記部分円弧状の部材であるスペーサは、円周方向中間部にスペーサの幅方向に突出した幅広部を有しているとなおよい。 上記幅広部は、スペーサの円周方向中間部の2箇所に設けるとなおよい。 【発明の効果】 【0013】 止めねじでコネクタケースとピンインサートを結合することにより、コネクタケースに対しピンインサートが偏心しようとするが、スペーサの介在によって偏心が阻止される。偏心が阻止されることにより、マイクロホンコネクタへのケーブル側コネクタの着脱が円滑になる。スペーサが介在することによってコネクタケースに対するピンインサートのがたつきがなくなるため、がたつきによる接触不良、接触雑音を防止することができる。 【0014】 スペーサを、ピンインサートの外周面に沿った部分円弧状の部材とすれば、ピンインサートの外周面とコネクタケースの内周面との隙間をスペーサで生めることができる。 部分円弧状のスペーサの円周方向中間部に幅広部を設けることにより、コネクタケースに対するピンインサートの回転を阻止して、コネクタケースに対するピンインサートの傾きを防止することができる。 上記幅広部をスペーサの円周方向中間部の2箇所に設けると、コネクタケースに対するピンインサートの回転をより効果的に阻止することができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0015】 以下、本発明にかかるマイクロホンコネクタおよびマイクロホンの実施例について図面を参照しながら説明する。図7に示す従来例と同じ構成部分には同じ符号を付してある。 【実施例1】 【0016】 図1において、符号1はコネクタケースを、5はピンインサートを、10はねじをそれぞれ示している。コネクタケース1は、有底円筒状金属ケースの底部に相当する部分を同心円に沿って打ち抜くことによって円形の窓孔2が形成されるとともに、窓孔2の周囲に内向きのフランジ4が形成された形になっている。コネクタケース1は上記内向きのフランジ4の形成端が図示されないマイクロホンの例えば後端部に取り付けられるようになっている。コネクタケース1の周壁には止めねじ10を回転させるドライバを挿入するための丸孔3が形成されている。 【0017】 コネクタケース1の中にはピンインサート5が挿入されている。ピンインサート5は、絶縁材料、例えば成形樹脂からなるベース6と、ベース6を厚さ方向に貫通しかつベース6に一体に設けられた接続ピン8,9を有してなる。ベース6は外周がコネクタケース1の内周に沿った円筒面で形成され、ベース6全体としては高さの低い円柱状になっている。ベース6には、外周面から半径方向中心に向かってねじ孔7が形成されている。図1では2本の接続ピン8,9が図示されているが、図示されないもう1本の接続ピンを備えている。ベース6はコネクタケース1の奥、すなわち内向きのフランジ4に近接した位置にあり、かつ、上記ねじ孔7にねじ込まれている止めねじ10とコネクタケース1の丸孔3とが対応した位置関係になっていて、コネクタケース1の丸孔3からドライバのような道具を挿入して止めねじ10を回転させることができるようになっている。止めねじ10はベース6の外周面から半径方向外方に突出し、止めねじ10の肩に相当する部分がコネクタケース1の内周面(より正確には、コネクタケース1の内周面でありかつ前記丸孔3の周縁部)に当たり、ベース6の止めねじ挿入部とは反対側の外周部がコネクタケース1の内周面に押し当てられることにより、ピンインサート5がコネクタケース1内に固定されている。 【0018】 接続ピン8,9を含む3本の接続ピンはベース6を厚さ方向に貫いていて、一端側(図1において右端側)はコネクタケース1内においてコネクタケース1の中心軸線と略平行に伸び、他端側はコネクタケース1の窓孔2からコネクタケース1の内向きのフランジに接触することなくコネクタケース1の外方に向かって延びている。接続ピン8,9を含む3本の接続ピンの他端側はマイクロホンの適宜の回路、たとえば回路基板の所定の回路パターンなどに電気的に接続される。コネクタケース1の開放端、すなわちベース6が固定されている側とは反対側(図1において右端側)からは、例えば、マイクロホンケーブルの一端に設けられたメス型のコネクタが挿入され、メス型コネクタの電気接点に上記3本の接続ピンが嵌まって、双方のコネクタが電気的に接続されるようになっている。ここまで説明してきた構成は、図7に示す従来例の構成とほぼ同じである。 【0019】 上記ベース6のねじ10の挿入部とは反対側の外周部、換言すれば、止めねじ10とコネクタケース1との当接部に対し円周方向反対側の外周部において、この外周部が対向するコネクタケース1の内周面との間にスペーサ11が介在している。図2はスペーサ11の具体的な構成を示している。スペーサ11としては、例えば図2に示すように、0.4mm程度の厚さの板材を、内径15mm程度の部分円弧状に形成したものを用いることができる。部分円弧状スペーサ11の開き角度すなわち円弧の中心に対する一方端から他方端までの開き角度は180度以上になっていることが望ましく、図示の例では約270度になっている。スペーサ11の円周方向中心部は幅方向両側に張り出した幅広部12となっていて、この幅広部12を含むスペーサ11の円周方向中心部が、上記ベース6のねじ10の挿入部とは反対側の外周部に位置するように配置される。コネクタケース1の内周面とベース6の外周面との間に最大で0.7mm程度の隙間が生じるように、コネクタケース1の内径よりもベース6の外径が小さくなっている。スペーサ6の材質は限定されない。金属でもよいし樹脂でもよく、導電体でも絶縁体でもよい。 【0020】 以上説明した実施例のように、コネクタケース1の内周面とピンインサート5の外周面すなわちピンインサート5のベース6の外周面との間にスペーサ11が介在することにより、止めねじ10でコネクタケース1とピンインサート5を結合することによってコネクタケース1とピンインサート5が偏心するのを阻止している。より具体的に説明すると、コネクタケース1内にピンインサート5を挿入した状態で、止めねじ10を回転させてピンインサート5のベース6から半径方向外方に引き上げて突出させ、止めねじ10の肩に相当する部分をコネクタケース1の内周面に当接させると、上記ベース6を止めねじ10の突出方向とは逆向きに移動させようとする力が働く。しかし、スペーサ11が介在することによってベース6の移動が阻止され、あるいは移動量が制限され、図1に示すように、止めねじ10が存在する部分において、コネクタケース1の内周面と上記ベース6の外周面との間に生じる隙間は0.3mm程度に規制され、周方向全体の隙間が均一化されて、コネクタケース1とピンインサート5の相対的な偏心を略0とすることができる。 【0021】 コネクタケース1とピンインサート5の相対的な偏心を無くすことによって、マイクロホンコネクタにマイクコード側コネクタを結合することができない、あるいは結合できたとしても着脱操作を円滑に行うことができない、というような従来の課題を解決することができる。また、マイクロホンコネクタにケーブル側コネクタを結合した状態で両者のがたつきを無くすことができ、がたつきによる接触雑音の発生を防止することもできる。スペーサ11は180度以上の部分円弧状に形成され、コネクタケース1の内周面と上記ベース6の外周面との間に生じる隙間を180度以上にわたってスペーサ11で埋めることができるため、コネクタケース1に対してピンインサート5を安定に結合することができる。 【0022】 スペーサ11は、円周方向中心部に、幅方向両側に張り出した幅広部12を有している。止めねじ10の肩に相当する部分とコネクタケース1の内周面との当接によってベース6が押され、ベース6は上記幅広部12を有するスペーサ11の円周方向中心部をコネクタケース1の内周面に押し当てる。このとき、止めねじ10を回転させることに伴ってベース6およびスペーサ11の止めねじ10を回転中心とした回転力(回転モーメント)が働く。上記ベース6の幅広部12は止めねじ10を回転中心とした平面的な円を描こうとするのに対し、上記幅広部12が当接しているコネクタケース1の内周面は円筒面になっている。そのため、上記幅広部12は上記回転力に対する抵抗力が発生し、ベース6およびスペーサ11の回転を阻止して、ベース6およびスペーサ11の位置規制が安定かつ確実に行われる。これによって、本発明の目的を達成することができる。 【実施例2】 【0023】 次に、本発明の係るマイクロホンコネクタの第2実施例について説明する。第2実施例は、コネクタケースの内周面とピンインサートの外周面との間に介在するスペーサの構成に特徴があるので、スペーサの構成を中心に説明する。図3乃至図5は第2実施例に用いられるスペーサ31を示す。図3乃至図5において、スペーサ31は、第1実施例におけるスペーサ11と同様に、板状の素材を部分円弧状に形成したもので、第1実施例におけるスペーサ11と異なるのは、スペーサ31の円周方向の2箇所に、幅方向両側に張り出した幅広部32,33を有していることである。スペーサ31の開き角度すなわち円弧の中心に対する一方端から他方端までの開き角度は270度、したがって、開放部分の開き角度は90度となっている。2箇所の幅広部32,33は、スペーサ31の円周方向においてそれぞれの幅広部32,33の中心相互の開き角度が60度に設定されている。また、2箇所の幅広部32,33は、スペーサ31の円周方向両端から同じ距離したがって同じ角度離れた位置に設けられている。2箇所の幅広部32,33の円周方向の寸法およびスペーサ31の幅方向への突出寸法は適宜の寸法に設定されている。 【0024】 スペーサ31は、第1実施例におけるスペーサ11と同様に、円周方向の開放端間の中心が前記止めねじ10の位置になるように、また、コネクタケース1の内周面と前記ピンインサート5のベース6の外周面との間に配置する。この配置において止めねじ10をベース6から引き上げて止めねじ10の肩に相当する部分を、コネクタケース1の内周面、より正確には、コネクタケース1の内周面であってコネクタケース1の丸孔3の周縁部に当接させると、ベース6の止めねじ10の位置とは反対側の外周面がスペーサ31の介在のもとに押し当てられる。これによってベース6の外周面とコネクタケース1の内周面との間に生じる隙間がスペーサ31で埋められ、コネクタケース1とベース6との偏心が解消ないしは軽減される。 【0025】 また、スペーサ31は円周方向の2箇所に幅広部32,33を有しているため、前記止めねじ10を回転させることに伴ってベース6およびスペーサ31に止めねじ10を回転中心とした回転力が働いたとき、幅広部32,33が、円筒面をなす前記コネクタケース1の内周面に当たる。このとき、幅広部32,33が回転しようとする面と、これら幅広部32,33が当たるコネクタケース1の内周面とが交差することになって互いに干渉し、止めねじ10の回転によってベース6に作用する回転モーメントでベース6が回転することを防止することができ、コネクタケース1に対してベース6が傾くことを防止することができる。上記幅広部32,33は、スペーサ31の幅方向両側に突出し、したがってベースの中心軸線と平行に伸びているため、回転モーメントによるベース6の回転をより効果的に防止することができる 【実施例3】 【0026】 図1乃至図5に示すマイクロホンコネクタの実施例では、止めねじ10がピンインサート5のベース6から半径方向外側に引き上げられることによって止めねじ10がコネクタケース1の内周面に当たり、ピンインサート5がコネクタケースに結合される構成になっているが、かかる構成に限定されるものではない。 例えば、止めねじ10は、コネクタケース1を貫通してピンインサート5のベース6にねじ込み、止めねじ10で上記ベース6をコネクタケース1の内周面に引き付けることによってピンインサート5とコネクタケース1を結合するようにしてもよい。かかる構成をとる場合、止めねじ10によってピンインサート5のベース6がコネクタケース1の内周面に引き付けられる位置、すなわち止めねじ10が存在する位置において、スペーサ11がピンインサート5とコネクタケース1間に介在するようにする。スペーサ11には止めネジ10が貫通する孔を設けるとよい。 【実施例4】 【0027】 次に、本発明にかかるマイクロホンコネクタを備えたマイクロホンの実施例について説明する。図3において、マイクロホン20はその後端部に、上記コネクタケース1を含むマイクロホンコネクタ22を備えている。コネクタケース1の内部構造はすでに説明したとおりの構造である。マイクロホンコネクタ22には、マイクロホンケーブル24の一端に結合されたマイクロホンケーブル側コネクタ28が着脱されるようになっている。マイクロホンコネクタ22は雄型のコネクタであるのに対し、マイクロホンケーブル側コネクタ28は雌型のコネクタである。マイクロホンケーブル側コネクタ28の先端部は、マイクロホンコネクタ22のコネクタケース1内に挿入され、上記コネクタ28の先端部に形成された受け孔に、マイクロホンコネクタ22が備える前記接続ピン8,9および他の接続ピンが嵌まって、マイクロホンコネクタ22とマイクロホンケーブル側コネクタ28が電気的に接続されるようになっている。 【0028】 本発明にかかるマイクロホンの実施例によれば、マイクロホン20は、前述の実施例にかかるマイクロホンコネクタ22を備えているため、マイクロホンケーブル側コネクタ28の着脱を円滑に行うことができ、また、マイクロホンコネクタ22とマイクロホンケーブル側コネクタ28相互のがたつきがなく、相互のがたつきによる接触雑音の発生を防止することができる。 【図面の簡単な説明】 【0029】 【図1】本発明にかかるマイクロホンコネクタの実施例を示す縦断面図である。 【図2】上記実施例中のスペーサを示すもので、(a)は平面図、(b)は側面図、(c)は正面図である。 【図3】本発明にかかるマイクロホンコネクタの別の実施例に用いられるスペーサの平面図である。 【図4】上記スペーサの正面図である。 【図5】上記スペーサの左側面図である。 【図6】本発明にかかるマイクロホンの実施例を示す側面図である。 【図7】従来のマイクロホンコネクタの例を示す縦断面図である。 【符号の説明】 【0030】 1 コネクタケース 5 ピンインサート 6 ピンインサートのベース 8 接続ピン 9 接続ピン 10 止めねじ 11 スペーサ 12 幅広部 20 マイクロホン 22 マイクロホンコネクタ 24 マイクロホンケーブル 28 マイクロホンケーブル側コネクタ 31 スペーサ 32 幅広部 33 幅広部
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000128566 【氏名又は名称】株式会社オーディオテクニカ
|
| 【出願日】 |
平成18年12月28日(2006.12.28) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100088856 【弁理士】 【氏名又は名称】石橋 佳之夫
|
| 【公開番号】 |
特開2008−67341(P2008−67341A) |
| 【公開日】 |
平成20年3月21日(2008.3.21) |
| 【出願番号】 |
特願2006−355009(P2006−355009) |
|