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【発明の名称】 超音波センサ
【発明者】 【氏名】五明 智夫

【氏名】浅野 和之

【要約】 【課題】簡素な構成で、水素雰囲気中で腐食しにくく、熱応力が小さく、音響整合層の耐熱温度が高く、しかも、音響インピーダンスが小さい超音波センサを提供すること。

【構成】超音波センサは、外ケース1と圧電体5と音響整合層2と接合層3とからなり、外ケース1の外壁1aに音響整合層2を配するとともに外ケース1の内壁1bに圧電体5を配し、外ケース1と音響整合層2とを接合層3により接合する。外ケース1は金属からなるとともに、音響整合層2は発泡金属からなり、かつ、接合層3は金属溶接からなる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外ケースと圧電体と音響整合層と接合層とからなり、前記外ケースの外壁に前記音響整合層を配するとともに前記外ケースの内壁に前記圧電体を配し、前記外ケースと前記音響整合層とを前記接合層により接合する超音波センサにおいて、
前記外ケースは金属からなるとともに、前記音響整合層は発泡金属からなり、かつ、前記接合層は金属溶接からなることを特徴とする超音波センサ。
【請求項2】
前記発泡金属は、発泡ステンレス又は発泡アルミニウムからなることを特徴とする請求項1に記載の超音波センサ。
【請求項3】
前記圧電体は、絶縁シートを介して前記外ケースの内壁に配設されることを特徴とする請求項1又は2に記載の超音波センサ。
【請求項4】
前記発泡金属の密度を0.1〜0.4g/cm3としたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の超音波センサ。
【請求項5】
前記発泡金属の気泡粒径を30〜300μmとしたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の超音波センサ。
【請求項6】
前記発泡金属の音響インピーダンスを0.6×106〜2×106Pa・s/m3としたことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の超音波センサ。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波センサ、特に、水素用超音波流量計、高温気体用超音波流量計など気体用超音波流量計に使用するに好適な超音波センサに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、超音波センサとして、図2に示すように、金属製の外ケース1と、外ケース1の内壁1bに配される圧電体5と、外ケース1の外壁1aに配される、ガラスバルーン入りエポキシ樹脂からなる音響整合層2と、外ケース1と音響整合層2とを接合するエポキシ樹脂の接着剤からなる接合層3とからなり、圧電体5と外ケース1とにリード線6、7を接続した構造の超音波センサ(以下、第1の従来例という。)が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、従来からの他の超音波センサとして、図3に示すように、外ケース1と音響整合層2とをガラスバルーン入りエポキシ樹脂8にて一体化させ、接合層3を排除した構造の超音波センサ(以下、第2の従来例という。)が知られている。
【特許文献1】特開2002−325297公報(第2〜4段落、図3)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、第1の従来例には、利点として、音響整合層2に樹脂材料を使用しているため、音響整合層2に必要とされる物性つまり音響インピーダンス(音速と密度の積)が小さいという物性を有しているものの、(1)音響整合層2の耐熱温度が低い、(2)外ケース1が金属材料であり、かつ接合層3及び音響整合層2がそれぞれ樹脂材料であるため、外ケース1と接合層3及び音響整合層2との線膨張係数に差異が有り、熱応力が大きい、(3)音響整合層2が水素雰囲気中で腐食し易いという問題がある。
【0005】
また、第2の従来例には、利点として、接合層3が不要になるため熱応力が発生しない点を挙げることができるが、外ケース1と音響整合層2を兼ねる部材が樹脂材料であることにより、(1)耐熱温度が低い、(2)水素雰囲気中で腐食し易い、(3)外ケースを透過し水素が通電部に侵入するという問題がある。
【0006】
なお、その他の従来例として、音響整合層に発泡セラミック、発泡カーボンなどを使用したものが知られているが、樹脂材料からなる接合層に熱応力が発生し易いという問題があり、また、従来から接合層にガラス融着層を用いたものが知られているが、ガラス融着層が熱応力によって破損しやすいため、外ケース及び音響整合層の線膨張係数をガラスの線膨張係数に合わせ込む必要があり、外ケース及び音響整合層の材料選択の幅が著しく限定されるという問題がある。
【0007】
本発明は、上記のような従来技術の問題点を解決し、簡素な構成で、水素雰囲気中で腐食しにくく、熱応力が小さく、音響整合層の耐熱温度が高く、しかも、音響インピーダンスが小さい超音波センサを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の超音波センサは、外ケースと圧電体と音響整合層と接合層とからなり、前記外ケースの外壁に前記音響整合層を配するとともに前記外ケースの内壁に前記圧電体を配し、前記外ケースと前記音響整合層とを前記接合層により接合する超音波センサにおいて、前記外ケースは金属からなるとともに、前記音響整合層は発泡金属からなり、かつ、前記接合層は金属溶接からなることを特徴とする。
【0009】
本発明の超音波センサによると、音響整合層が発泡金属からなるため、音響整合層の耐熱温度が高くなるとともに、音響インピーダンスを小さくすることが可能となる。また、外ケースが金属からなり、音響整合層が発泡金属からなり、接合層が金属溶接からなるため、各部の線膨張係数がほぼ均一になり、熱応力が小さくなるとともに、水素雰囲気中で腐食しにくくなる。また、本発明の超音波センサは、上記のような構成なため、構成が簡素化される。
【0010】
ここで、前記発泡金属は、発泡ステンレス又は発泡アルミニウムからなる。発泡ステンレス及び発泡アルミニウムは、いずれも耐熱性、耐久性に優れ、また、水素雰囲気中において脆化しにくいなどの性質を有する。
【0011】
また、前記圧電体は、絶縁シートを介して前記外ケースの内壁に配設される。絶縁シートは、圧電体への印加電圧による電流を外ケース側に流さない作用をする。このため、超音波センサを水素雰囲気中で使用する場合に、水素に曝される外ケース、接合層及び音響整合層に対して通電が行われなくなり、耐防爆性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0013】
図1は、本発明の一実施形態に係る超音波センサの構成図を示す。
【0014】
図1において、超音波センサは、金属製例えばSUS316製の外ケース1を備える。
【0015】
外ケース1の外壁1aには、発泡金属例えば発泡ステンレス(発泡SUS316)又は発泡アルミニウムからなる音響整合層2が配され、音響整合層2は、金属溶接例えば銀ろう付け又は半田付けにより外ケース1に固着され、外ケース1と音響整合層2との間に、金属溶接からなる接合層3が形成される。発泡ステンレス及び発泡アルミニウムは、いずれも耐熱性、耐久性に優れ、また、水素雰囲気中において脆化しにくいなどの性質を有する。なお、発泡金属2は、発泡銅であってもよい。
【0016】
発泡金属2の密度は、0.1〜0.4g/cm3に設定することが、発泡金属2の強度を確保しつつ小さな音響インピーダンスを得る上で好ましい。また、発泡金属2の気泡粒径は、30〜300μmに設定することが好ましく、気泡は閉気泡であることが好ましい。また、発泡金属2の音響インピーダンスは、0.6×106〜2×106Pa・s/m3に設定することが好ましい。
【0017】
外ケース1の内壁1bには、絶縁シート例えばポリイミドフィルム4を介して圧電体5が配設され、圧電体5には、外部からリード線6、7が接続され、所定周波数の電圧が印加される。
【0018】
絶縁シート4は、圧電体5への印加電圧による電流を外ケース1側に流さない作用をする。このため、超音波センサを水素雰囲気中で使用する場合に、水素に曝される外ケース1、接合層3及び音響整合層2に対して通電が行われなくなり、耐防爆性を向上させることができる。
【0019】
以上説明したように、本実施形態の超音波センサは、外ケース1と圧電体5と音響整合層2と接合層3とからなり、外ケース1の外壁1aに音響整合層2を配するとともに外ケース1の内壁1bに圧電体5を配し、外ケース1と音響整合層2とを接合層3により接合する超音波センサにおいて、外ケース1は金属からなるとともに、音響整合層2は発泡金属からなり、かつ、接合層3は金属溶接からなる。
【0020】
本実施形態の超音波センサによると、音響整合層2が発泡金属からなるため、音響整合層2の耐熱温度が高くなるとともに、音響インピーダンスを小さくすることが可能となる。また、外ケース1が金属からなり、音響整合層2が発泡金属からなり、接合層3が金属溶接からなるため、各部の線膨張係数がほぼ均一になり、熱応力が小さくなるとともに、水素雰囲気中で腐食しにくくなる。また、本実施形態の超音波センサは、上記のような構成なため、構成が簡素化される。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の一実施形態に係る超音波センサの構成図である。
【図2】第1の従来例に係る超音波センサの構成図である。
【図3】第2の従来例に係る超音波センサの構成図である。
【符号の説明】
【0022】
1 外ケース
1a 外壁
1b 内壁
2 音響整合層
3 接合層
4 絶縁シート
5 圧電体
6、7 リード線
【出願人】 【識別番号】000116633
【氏名又は名称】愛知時計電機株式会社
【出願日】 平成18年9月11日(2006.9.11)
【代理人】 【識別番号】100076473
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 昭夫

【識別番号】100112900
【弁理士】
【氏名又は名称】江間 路子


【公開番号】 特開2008−67304(P2008−67304A)
【公開日】 平成20年3月21日(2008.3.21)
【出願番号】 特願2006−245746(P2006−245746)