| 【発明の名称】 |
補聴器 |
| 【発明者】 |
【氏名】近藤 浩
【氏名】吉住 嘉之
【氏名】藤井 成清
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| 【要約】 |
【課題】補聴器装用者の体調の変化に伴って聴力が変化したような場合や環境の変化が生じた場合であっても、聞き取りやすい状態に音量調節するための操作が容易な補聴器を提供する。
【構成】マイクロホンもしくは音声の電気信号を入力する入力部100と信号処理部101と前記信号処理部の出力信号を可聴音もしくは振動に変換するレシーバ106と前記レシーバから出力される可聴音もしくは振動の音量を利用者の操作に応じて調整する音量調整部109とを備える補聴器であって、予め定めたレベル及び予め定めた周波数特性を有する基準信号を生成し、前記基準信号によって前記レシーバから出力される可聴音の音量が前記音量調整部の影響を受ける箇所に前記基準信号を入力する基準信号発生手段111を設け、基準信号の音響を聴きながら音量調整できるように構成した。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 可聴音を電気信号に変換するマイクロホン、もしくは音声の電気信号を入力する入力部と、前記電気信号を処理する信号処理部と、前記信号処理部の出力信号を可聴音もしくは振動に変換するレシーバと、前記レシーバから出力される可聴音もしくは振動の音量を利用者の操作に応じて調整する音量調整部とを備える補聴器であって、 予め定めたレベル及び予め定めた周波数特性を有する基準信号を生成する基準信号発生手段を備え、前記基準信号発生手段が前記入力部と前記音量調整部との間に設けられていることを特徴とする補聴器。 【請求項2】 請求項1に記載の補聴器において、前記基準信号発生手段が生成した基準信号を可聴音として出力するか否かを切り替えるための切替手段を設けたことを特徴とする補聴器。 【請求項3】 請求項2に記載の補聴器において、 前記基準信号の送出時間の長さを決定する時間パラメータを保持する時間パラメータ保持手段を更に設け、 前記切替手段は、前記時間パラメータを利用して、電源投入時から所定時間経過後に前記基準信号を出力状態から停止状態に自動的に切り替える ことを特徴とする補聴器。 【請求項4】 請求項3に記載の補聴器において、前記時間パラメータ保持手段に保持された時間パラメータの値を変更する時間パラメータ調整部を更に設けたことを特徴とする補聴器。 【請求項5】 請求項4に記載の補聴器において、前記時間パラメータ調整部を補聴器の本体とは独立した形態で設け、前記時間パラメータ調整部と補聴器の本体とを、所定の接続手段を用いて電気的に接続可能にもしくは通信可能に構成したことを特徴とする補聴器。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、聴覚障害者や聴力の衰えた人などが聴力を補助するために利用する補聴器に関する。 【背景技術】 【0002】 補聴器は、一般的に音声のように外部で発生した音響をマイクを用いて電気信号に変換し、この電気信号のレベルを電気回路で増幅し、イヤホンのようなレシーバで再び音響に変換し利用者(補聴器装用者)に聞こえる可聴音として出力する。 【0003】 レシーバから出力する可聴音の大きさについては、マイクに入力される音響のレベルや、補聴器内部の電気回路における信号増幅度などによって定まるが、レシーバから出力すべき最適な可聴音の大きさは、それぞれの利用者の聴力や、体調や、マイクに入力される音響に含まれる環境ノイズなど様々な条件によって変化する。そこで、レシーバから出力する可聴音の大きさを補聴器装用者自身が必要に応じて調整できるように、手動で操作可能なメカニカルボリューム、すなわち音量調整用の可変抵抗器を装備した補聴器が多い。このメカニカルボリュームを調整することにより、電気回路における信号増幅度を調整できるので、レシーバから出力される可聴音の大きさを、必要に応じて手動操作で変更することができる。 【0004】 このようなメカニカルボリュームを有する補聴器は、使用環境に応じて補聴器装用者自身が操作して出力音量を調整できるところに利点がある。しかし、音量を合わせる場合であっても、マイクに入力される周囲の音声レベルが一定でないため、補聴器装用者が適切な音量に調整できない場面が多い。 【0005】 ここ数年においては、補聴器内部にEEPROM(electrically erasable programmable read-only memor)を備え、上記可変抵抗器の抵抗値をEEPROMに保持された情報に基づいて決定するプログラマブル補聴器や、ディジタル信号処理を行うディジタル補聴器が主流になっている。ディジタル補聴器の場合には、より多くの調整項目を用意することにより、より細かく特性の調整ができ、音量の情報もデータとして記憶できる。 【0006】 プログラマブル補聴器や、ディジタル補聴器が登場したため、最近では従来のようなメカニカルボリュームを有しない補聴器が多く見受けられる様になった。しかし、メカニカルボリュームを有しない補聴器の場合には、補聴器装用者の補聴器使用場面に応じた音量調整ができないし、補聴器装用者の体調の変化に伴って聞こえかたが変化した場合にも適切な音量の調整ができないという問題がある。 【0007】 従来の補聴器の具体例について、図4を参照しながら説明する。図4に示すディジタル補聴器においては、メカニカルボリュームを採用している。外部から到来する音響は、マイクロフォン400により電気信号に変換され処理部であるIC(集積回路)401に入力される。IC401の内部において音響の電気信号はA/Dコンバータ402によりディジタル信号に変換され、信号処理部403に入力される。信号処理部403はデジタル処理により各種補聴処理を行う。増幅決定処理部404は、補聴器装用者に聞き取りやすい音量で音響を出力するために、音響信号に関する増幅度を適切に決定する。なお、増幅どの決定に関する機能は、信号処理部403に含まれている場合が多いが、図4に示す例では理解を容易にするために分離した状態で示してある。 【0008】 図4において、メカニカルボリューム(可変抵抗器)409は基準電圧源408とアース(GND)410との間に接続されており、メカニカルボリューム内部の摺動子の位置により定まる分圧比で基準電圧を分圧した電圧がIC401に入力される。メカニカルボリューム409からIC401に入力された電圧は、A/Dコンバータ407によりディジタルデータに変換されて増幅決定処理部404に渡される。増幅決定処理部404は、A/Dコンバータ407から受け取った値に応じて増幅度を決定する。D/Aコンバータ405は、信号処理が完了した音響のディジタルデータをアナログ電気信号に変換する。レシーバ406は、IC401内部のD/Aコンバータ405から出力されるアナログ電気信号を、補聴器装用者に聞こえる音響に変換する。 【0009】 図5に示す従来例においては、メカニカルボリュームを使用しないディジタル補聴器の構成例を表している。図5に示すディジタル補聴器についても、基本的な動作は図4の場合と同様である。但し、図5に示すディジタル補聴器では、メカニカルボリュームが存在しないので、代わりに内部パラメータ処理部507が保持しているパラメータに従って増幅度を決定している。 【0010】 補聴器に関する従来技術としては、例えば特許文献1及び特許文献2に開示された技術が知られている。特許文献1においては、ボリュームを覆うカバーを設けることにより、一度決定した音量の調整状態が物理的にずれるのを防ぐことを提案している。また、特許文献2においては、メカニカルボリュームに突起を設けることにより、適切な調整状態になる位置を規定しクリック感を持たせることを提案している。 【特許文献1】実開平5−76200号公報 【特許文献2】特開平6−233391号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0011】 ところで、実際に補聴器装用者から補聴器に関する感想を聞くと、補聴器を付けても言葉がはっきりと聞き取れない、あるいは良く聞こえないという回答が得られる場合がしばしばある。 【0012】 補聴器を付けても言葉がはっきりと聞き取れない場合や、良く聞こえない場合について、実際の状況を調べてみると、補聴器の音量に関する調節状態が補聴器装用者に合っていないことが原因で、聞き取りにくい状態になっている場合も認められる。 【0013】 従って、音量調節用のメカニカルボリュームを備える補聴器の場合には、補聴器の音量に関する調節状態を適切に再調整すれば、聞き取りやすい状態に改善することが可能である。また、特許文献1の技術を採用すれば、カバーの効果により、メカニカルボリュームの調整状態が物理的にずれるのを防止できるので、補聴器装用者が一定の環境にいて聴力の変化もない場合には、聞き取りにくい状態は生じにくい。 【0014】 しかしながら、補聴器装用者の体調の変化に伴って聴力が変化したような場合には、音量調整を随時行わなければ最適な音量に維持することはできない。また、特許文献1のようなカバーを設けると、環境音を聞きながらの音量調整がより困難になってしまう。 【0015】 また、特許文献2の技術を採用すれば、事前に調整して定めた最適な調整状態でメカニカルボリュームにクリック感が生じるように補聴器を構成することもできる。しかし、補聴器装用者の体調の変化に伴って聴力が変化したような場合には、最適な調整状態自体が変化するので、クリック感が生じる位置にメカニカルボリュームの位置を調整しても、最適な調整状態にはならず、補聴器装用者が実際の状況に応じて試行錯誤しながら調整しなければ最適な音量に調整できないのが実情である。 【0016】 本発明は、補聴器装用者の体調の変化に伴って聴力が変化したような場合や環境の変化が生じた場合であっても、聞き取りやすい状態に音量調節するための操作が容易な補聴器を提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0017】 本発明は、可聴音を電気信号に変換するマイクロホン、もしくは音声の電気信号を入力する入力部と、前記電気信号を処理する信号処理部と、前記信号処理部の出力信号を可聴音もしくは振動に変換するレシーバと、前記レシーバから出力される可聴音もしくは振動の音量を利用者の操作に応じて調整する音量調整部とを備える補聴器であって、予め定めたレベル及び予め定めた周波数特性を有する基準信号を生成する基準信号発生手段を備え、前記基準信号発生手段が前記入力部と前記音量調整部との間に設けられていることを特徴とする。 【0018】 この構成により、基準信号発生手段が生成した前記基準信号の音響を前記レシーバから可聴音として出力することができる。また、前記基準信号によって前記レシーバから出力される可聴音の音量は前記音量調整部の影響を受ける。従って、この補聴器を装用している補聴器装用者自身が、前記基準信号によって前記レシーバから出力される可聴音を聴きながらその音量を前記音量調整部(例えばメカニカルボリューム)を操作することにより調節できる。 【0019】 例えば、前記基準信号発生手段から出力される前記基準信号のレベルや周波数特性が一定の状態に固定された場合を想定すると、前記レシーバから出力され可聴音として補聴器装用者に聞こえる前記基準信号の音量の大きさは、補聴器装用者自身の現在の聴力と、補聴器の周囲で発生する雑音等の環境条件と、前記音量調整部の調整状態との影響を反映した結果になる。従って、補聴器装用者自身の体調の変化に伴って聴力が変化した場合や、補聴器を使用する環境が大きく変化した場合であっても、適度な音量で前記基準信号の音響が聞こえるように補聴器装用者自身が前記音量調整部の状態を調整することにより、聞き取りやすい状態に簡単に調整することができる。 【0020】 例えば、補聴器装用者自身の体調の変化に伴って通常よりも聴力が低下している場合には、前記基準信号の音響が通常よりも小さい音量で補聴器装用者に聞こえることになるので、音量を上げるように前記音量調整部を調整することになる。その結果、補聴器の増幅度が上がり、補聴器装用者の聴力低下が補償されるので聞き取りやすくなる。 【0021】 さらに本発明は、前記基準信号発生手段が生成した基準信号を可聴音として出力するか否かを切り替えるための切替手段を設けたことを特徴とする。 【0022】 前記基準信号は、補聴器の特性(増幅度など)を調整するために利用されるので、調整が完了した状態では不要になる。また、補聴器の通常の使用状態で前記基準信号を出力すると、前記基準信号もノイズと同様に補聴器装用者にとって耳障りな音響として聞こえることになる。 【0023】 この構成により、切替手段の動作によって、前記基準信号発生手段が生成した基準信号を可聴音として出力するか否かを切り替えることができるので、音量調節が必要な状況以外では、前記基準信号の出力を停止することができる。 【0024】 また、本発明は、前記基準信号の送出時間の長さを決定する時間パラメータを保持する時間パラメータ保持手段を更に設け、前記切替手段は、前記時間パラメータを利用して、電源投入時から所定時間経過後に前記基準信号を出力状態から停止状態に自動的に切り替えることを特徴とする。 【0025】 さらに本発明は、前記切替手段が時間パラメータ保持手段の保持する時間パラメータを利用して、電源投入時から所定時間経過後に前記基準信号を出力状態から停止状態に自動的に切り替える。つまり、補聴器を使うためにその電源を投入した直後から所定時間の間だけ前記基準信号が出力されるので、前記基準信号が出力されている間にこの基準信号を利用して音量調節を行うことができる。音量調節が終了した後は、前記基準信号が停止状態に自動的に切り替わるので、前記基準信号を停止するための操作が不要になる。 【0026】 さらに本発明は、前記時間パラメータ保持手段に保持された時間パラメータの値を変更する時間パラメータ調整部を更に設けたことを特徴とする。 【0027】 この構成により、時間パラメータ調整部を操作することにより、前記時間パラメータの値を変更することができる。従って、前記基準信号が出力される時間の長さを補聴器装用者の好みや慣れの程度に応じて変更できる。 【0028】 さらに本発明は、前記時間パラメータ調整部を補聴器の本体とは独立した形態で設け、前記時間パラメータ調整部と補聴器の本体とを、所定の接続手段を用いて電気的に接続可能にもしくは通信可能に構成したことを特徴とする。 【0029】 さらに本発明は、前記時間パラメータ調整部が補聴器の本体とは独立しているので、前記時間パラメータを変更する必要があるとき以外は、前記時間パラメータ調整部と補聴器の本体とを分離することができ、補聴器の本体の小型化が可能になる。 【発明の効果】 【0030】 本発明によれば、補聴器装用者は、基準信号発生手段が生成した基準信号の音響を前記レシーバで可聴音として聴きながら音量を調節できるので、補聴器装用者の体調の変化に伴って聴力が変化したような場合や環境の変化が生じた場合であっても、聞き取りやすい音量になるように簡単に調節できる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0031】 本発明の補聴器に関する実施の形態について、図1、図2及び図3を参照しながら以下に説明する。図1は実施の形態における補聴器の構成を示すブロック図である。図2及び図3は図1に示す補聴器の一部分を詳細に示すブロック図である。 【0032】 この形態の補聴器は、図1に示すように入力部であるマイクロフォン100と、処理部101と、レシーバ106と、基準電圧源108と、メカニカルボリューム109とを備えている。なお、図1においては一部分の構成の記載が省略されている。 【0033】 図1に示すように、処理部101の内部には、A/Dコンバータ102と、信号処理部103と、増幅決定処理部104と、D/Aコンバータ105と、A/Dコンバータ107と、基準音発生部111とが備わっている。 【0034】 A/Dコンバータ102は、マイクロフォン100から入力される音響のアナログ電気信号をディジタル信号に変換する。信号処理部103は、ディジタル信号処理により、前述のノンリニアコンプレッション処理や、ハウリング抑圧処理などを実施する。 【0035】 マイクロフォン100は、他人の発する音声や周囲で発生する音などを含む音響、すなわち空気中の振動を電気信号に変換して音響信号を生成する。レシーバ106は、電気信号の音響信号を空気振動あるいは骨伝導用の振動などに変換し、補聴器装用者の聴取可能な音響信号を生成する。 【0036】 処理部101は、様々な電気的な処理を行う機能を内蔵した集積回路であり、マイクロフォン100から出力される音響信号を電気的に処理して、補聴器装用者に合った音響信号を生成する。 【0037】 処理部101の内部で実施する基本的な処理については、具体的にはノンリニアコンプレッション処理や、ハウリング抑圧処理などが含まれている。ノンリニアコンプレッション処理については、予め定めた周波数帯ごとに入力レベルに応じて利得を制御し、聞き取りやすい周波数特性を有する音響信号を生成する。ハウリング抑圧処理については、レシーバ106から出力される音響出力が、マイクロフォン100の入力にフィードバックされることにより発生するハウリングを抑制するための処理である。 【0038】 基準電圧源108は、所定の基準電圧(直流電圧)を出力する。メカニカルボリューム109は、補聴器装用者が手動で操作可能な操作部を有する可変抵抗器である。基準電圧源108の出力とアース(GND)110との電位差をメカニカルボリューム109の調整状態に応じて定まる分圧比で分圧した電圧が、メカニカルボリューム109から出力され処理部101に入力される。概略構成として、基準電圧源108と、メカニカルボリューム109とアース(GND)110と処理部101内の増幅決定手段104とを総称して、音量調整部と呼ぶ。 【0039】 A/Dコンバータ107は、メカニカルボリューム109から出力されるアナログ電圧をディジタル信号に変換する。増幅決定処理部104は、メカニカルボリューム109の出力レベルをA/Dコンバータ107を介して入力し、音響信号に関する増幅度を決定する。 【0040】 従って、補聴器装用者が手動でメカニカルボリューム109を調整すると、その調整状態に応じた電圧の値が増幅決定処理部104に入力され、調整状態が補聴器内部での音響の増幅度に反映されるので、手動で音量を調節できる。 【0041】 D/Aコンバータ105は、増幅決定処理部104から出力されるディジタルの音響信号をアナログ音響信号に変換する。 【0042】 基準音発生部111は、入力部と音量調整部との間に設けられており、予め定めたレベル及び予め定めた周波数特性を有する基準信号(基準音)を生成しディジタル信号として出力する。図1においては、A/Dコンバータ102と信号処理部103との間に基準信号を投入している。基準音については、例えば1kHzのような単一周波数の正弦波、あるいは複数の周波数の正弦波を組み合わせて構成することができる。また、基準音発生部111が出力する基準音の出力レベルについては、信号処理部103における増幅度及び増幅決定処理部104における増幅度が標準状態の条件において、レシーバ106から出力される音響のレベルが基準出力レベルになるようなレベルに固定するのが望ましい。前記基準出力レベルについては、補聴器装用者が会話時にちょうど良いレベル、例えば代表的な会話のレベルである60dBSPL程度の出力にすることが想定される。 【0043】 また、基準音の信号は、増幅決定処理部104を通る際に、メカニカルボリューム109の調整状態に応じて定まる調整値に応じて増幅度が決定されるので、補聴器装用者に聞こえる基準音の音量は、メカニカルボリューム109の調整状態を反映して変化することになる。 【0044】 詳細には、図2に示すように、A/Dコンバータ102の出力と信号処理部103の入力との間には加算部202が設けてある。なお、基準音発生部111の出力と加算部202の入力との間にはスイッチ201を設けてある。 【0045】 従って、スイッチ201が閉じている状態では、基準音発生部111から出力される基準音のディジタル信号は、スイッチ201を通り、加算部202で信号207と加算され、その加算結果が信号処理部103に入力され、信号処理部103、増幅決定処理部104及びD/Aコンバータ105を経由してレシーバ106から出力される。そのため、レシーバ106から出力される音響に前記基準音を含めることができ、補聴器装用者はマイクロフォン100で取得した音響だけでなく、基準音も同時に聞くことができる。 【0046】 このようにして、基準音の信号についても、増幅決定処理部104を通る際に、メカニカルボリューム109の調整状態に応じて定まる調整値に応じて増幅度が決定されるので、補聴器装用者に聞こえる基準音の音量は、メカニカルボリューム109の調整状態を反映して変化する。 【0047】 従って、補聴器装用者は、レシーバ106から出力される基準音の音響を聴きながらメカニカルボリューム109の操作部を調整し、基準音を現在の聞こえ具合によってちょうど良いレベルに調整することができる。これにより、補聴器の音量が最適になるように補聴器内部の増幅度を調整することができる。 【0048】 補聴器内部の増幅度が適度な状態に調整されていた場合であっても、例えば補聴器装用者の体調の変化に伴って聴力が低下すると、実際に補聴器装用者に聞こえる音響のレベルが低下するため聞き取りにくい状態に変化する。しかし、補聴器装用者がレシーバ106から出力される基準音の音響を聴きながらメカニカルボリューム109の操作部を調整する場合には、補聴器装用者に聞こえる基準音のレベルも補聴器装用者の聴力変化を反映するので、聴力変化を含めて最適な音量になるように、メカニカルボリューム109の状態、すなわち補聴器の増幅度を再調整することができる。 【0049】 なお、補聴器装用者がマイクロフォン100から入力される音響をレシーバ106から出力される音響として聴きながらメカニカルボリューム109を調整する場合には、マイクロフォン100から入力される音響の音量や周波数特性が一定でなく、しかも周辺の雑音も同時に聞こえるため適正な調整を行うのは困難である。 【0050】 前記基準音を出力する必要があるのは音量を調節する場合だけであり、それ以外の時に基準音を出力すると、基準音も不要な雑音と同じ音響成分になってしまう。そこで、基準音のオンオフを切り替えるためにスイッチ201が設けてある。 【0051】 また、手動で基準音のオンオフを切り替えるのは煩わしいので、この形態では自動的にオンオフできるように構成してある。すなわち、処理部101の内部に設けた時間パラメータ保持部205は、所定の不揮発性メモリ上に時間パラメータを保持しており、この時間パラメータに基づいてスイッチ201を自動的にオンオフ制御する。具体的には、補聴器の電源投入時にスイッチ201を閉じ、電源投入時からの経過時間が前記時間パラメータによって定まる時間になるとスイッチ201を自動的に開くように時間パラメータ保持部205が制御する。 【0052】 また、時間パラメータ保持部205が保持している時間パラメータの値を手動で調整できるように、時間パラメータ保持部205にはパラメータ変更手段206を有する構成になっている。パラメータ変更手段206は、手動操作により、接続先の時間パラメータ保持部205上の時間パラメータの値を増減する。 【0053】 また、図3はパラメータ変更手段206を補聴器外部の補聴器調整装置306に持たせる様に構成してある。なお、補聴器調整装置306については、所定の通信ケーブルを介して時間パラメータ保持部205と接続しても良いし、無線通信により接続しても良い。 【0054】 また、スイッチ201には外部のスイッチ204を接続可能に構成してある。スイッチ204を接続することにより、スイッチ201を強制的にオフ状態に切り替えることができ、時間パラメータ保持部205の制御による基準音の出力の可否を切り替えることができる。 【0055】 なお、図2に示した構成では、基準音の信号をディジタル信号として加算部202で加算しているが、基準音発生部111でアナログの基準音を生成し、A/Dコンバータ102の入力側でマイクロフォン100の信号と基準音とをアナログ信号として加算しても良い。 【0056】 なお、図2に示した構成では、基準音の信号と信号207とを加算部202で単純に加算しているが、基準音をレシーバ106から音響として出力するときに、信号207のレベルだけを自動的に減衰させるように制御しても良い。これにより、周囲の雑音が比較的大きい場合に、基準音がより聞き取りやすくなる。 【0057】 なお、基準音発生部111が発生する基準音については、正弦波のような単調な音だけでなく、音声のような音響を用いても良い。例えば、基準音発生部111に音声のデータを記憶する記憶装置を設けて日常的によく使われる言葉の音声データを保存しておき、この音声データを読み出して基準音として再生することが考えられる。基準音として音声を用いることにより、音量調節の精度がさらに向上すると考えられる。 【産業上の利用可能性】 【0058】 以上のように、補聴器に本発明の技術を適用することにより、補聴器装用者が最適な音量に調整しようとする場合に、補聴器装用者自身の体調変化に伴う聴力の変化等による影響も含めて補聴器の特性を調整できるので、音量の調整が極めて容易になる。 【図面の簡単な説明】 【0059】 【図1】実施の形態における補聴器の構成を示すブロック図。 【図2】図1に示す補聴器の一部分を詳細に示すブロック図。 【図3】補聴器調整装置を別に構成したブロック図。 【図4】従来例のメカニカルボリュームを使用する補聴器を示すブロック図。 【図5】従来例のメカニカルボリュームを使用しない補聴器を示すブロック図。 【符号の説明】 【0060】 100 マイクロフォン 101 処理部 102 A/Dコンバータ 103 信号処理部 104 増幅決定処理部 105 D/Aコンバータ 106 レシーバ 107 A/Dコンバータ 108 基準電圧源 109 メカニカルボリューム 110 アース(GND) 111 基準音発生部 201 スイッチ 202 加算部 204 スイッチ 205 時間パラメータ保持部 206 パラメータ変更手段 207 信号 306 補聴器調整装置
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005821 【氏名又は名称】松下電器産業株式会社
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| 【出願日】 |
平成18年9月8日(2006.9.8) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100105647 【弁理士】 【氏名又は名称】小栗 昌平
【識別番号】100108589 【弁理士】 【氏名又は名称】市川 利光
【識別番号】100119552 【弁理士】 【氏名又は名称】橋本 公秀
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| 【公開番号】 |
特開2008−67142(P2008−67142A) |
| 【公開日】 |
平成20年3月21日(2008.3.21) |
| 【出願番号】 |
特願2006−243862(P2006−243862) |
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