| 【発明の名称】 |
モニタスピーカ制御システム |
| 【発明者】 |
【氏名】梶原 英生
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| 【要約】 |
【課題】演者自身が行うモニタスピーカの調整作業に関して該作業を行う演者にポートを意識させることなく、音声素材を容易に選択させることができ、これにより演者の作業負担の軽減化を図ると共に、演者の求めるレベルに応じて最適な操作性を発揮することができるモニタスピーカ制御システムを提供する。
【構成】モニタスピーカ31、32に近接してコントローラ8が設置されている。コントローラ8は、音声卓2に対し遠隔操作信号を送出して該音声卓2の一部もしくは全部を遠隔操作するように構成されている。このコントローラ8には音声素材のポートに関する情報を記憶するためのポート用メモリ80と、そのポートの表示部84とが設けられている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ステージ上の演者の発する音声を音声素材として取り込み所定の処理を施して電気信号を出力する音声処理部と、前記音声処理部の出力した電気信号を音声信号に変換して出力するモニタスピーカと、前記音声処理部を制御して各音声素材のミックス量及び前記モニタスピーカへの送りレベルを調整する音声卓とからなるモニタスピーカ制御システムにおいて、 前記音声卓に対して遠隔操作信号を送出して該音声卓の一部もしくは全部を遠隔操作可能なコントローラを設け、 前記コントローラに、前記音声処理部に入力される音声素材のポート用メモリ及びそのポートの表示部を備えたことを特徴とするモニタスピーカ制御システム。 【請求項2】 前記演者を識別するための演者識別情報を発信する演者識別情報発信手段を備え、 前記コントローラは、前記演者識別情報発信手段の発した演者識別情報を検知する演者検知部と、前記演者識別情報に基づいて制御レベルを判断する制御レベル判断部を備え、 前記音声卓には前記コントローラから送出される遠隔操作信号を受信する受信部を設けたことを特徴とする請求項1に記載のモニタスピーカ制御システム。 【請求項3】 前記コントローラは、前記演者検知部で検知した演者識別情報に応じて、予め設定された遠隔操作信号を前記音声卓に送出するように構成したことを特徴とする請求項2に記載のモニタスピーカ制御システム。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、音声卓を操作するオペレータを煩わせることなく演者自身が音声素材のミックスバランスや音量を容易に調整可能なモニタスピーカの制御技術に関するものである。 【背景技術】 【0002】 一般に、コンサート会場や演奏会用のホールあるいはテレビ番組のスタジオセットといった音楽の演奏会場では、パブリックアドレス(PA)システムが採用されている。PAシステムとは、楽器や歌など、ステージ上の複数の演者が発する音声をマイクから取り入れて一度ひとつにまとめ、各音声のミックス量を調整するミキシング作業を行ってミキシングバランスを整えてから、拡声するシステムである。このPAシステムを用いることで、楽器の音に人間の声(具体的には歌やコーラスなど)がかき消されて聞こえないといった不具合を回避することができ、最良の音声をバランスよく聴衆に聞かせることが可能である。 【0003】 ところで、PAシステムでは、マイクのセッティングや、徴収に向けて出力する音声のミキシングといった作業の他に、モニタスピーカの調整作業も重要な要素である。モニタスピーカとは、ステージ上の演者が自分自身の発する音声を確認するために使用するスピーカであり、演者の数や位置に配慮して、通常はステージ上に複数配置されている。つまり、各演者は、聴衆向けに拡声された音声を聞いているのではなく、このモニタスピーカから出力される演者自身の音声を聞きながら、マイクに向かって演奏したり歌ったりしている。 【0004】 そのため、各モニタスピーカから出力される音声は、それを聞く演者のニーズに合わせて調整する必要がある。このようなモニタスピーカの調整は、実際の演奏前に不可欠な作業であって、リハーサル時に入念なサウンドチェックが行われている。ここで、モニタスピーカ制御システムの従来例について、図4を参照して具体的に説明する。 【0005】 図4において、1は音声処理部、2は音声卓、31はドラマー用のモニタスピーカ、32はボーカリスト用のモニタスピーカ、4はボーカル用のマイク、5はギターアンプ、6はベースアンプである。音声処理部1は、ボーカリストの発する音をマイク4から、ギタリストが演奏するギターの音をギターアンプ5から、ベーシストが演奏するベースの音をベースアンプ6から、それぞれ音声素材として取り込み、所定の処理を施して電気信号をモニタスピーカ31、32に出力するものである。 【0006】 音声卓2は、音声処理部1を制御するための装置であって、ステージ上の演者を見渡すことができる副調整室内などに装備されていて、オペレータ(アシスタントミキサなど)が操作する操作部21及び操作状態が表示される表示部23が設けられている。音声卓2は音声処理部1に接続されており、マイク4やアンプ5、6から音声処理部1に取り入れた各音声素材に関して、個々のミックス量及びモニタスピーカ31、32への送りレベルを調整するように構成されている。 【0007】 以上の構成を有するモニタスピーカ制御システムにおいて、ステージ上の演者は、例えば、「モニタスピーカに自分の声を足してほしい」や「ギターの返し(ギターの音量)を上げてほしい」といった具体的な指示をオペレータに伝え、オペレータはこれら演者からの指示に従って音声卓2の操作部21を操作する。このようにして、いろいろなミックスパターンをテストし、ミックスバランスを調整しながら本番で使用する出力音声を決めている。 【0008】 ところで、各モニタスピーカ31、32には出力レベルを調整するための調整用ボリュームが付いていることがあるが、シンプルな機能を持つものが設置されているにすぎない。すなわち、ミックスする音声素材の選択や、ミックスバランスの変更といった複雑な作業は、音声卓2側でオペレータに操作してもらうほかない。このため、ミックスパターンを試すたびに、演者とオペレータとが頻繁にコミュニケーションをとる必要があった。 【0009】 また、図4ではモニタスピーカ31、32を2つ設置した例を示したが、これは説明を簡略化するためであって、実際には演者の数に比例して多数のモニタスピーカがステージ上に設置されている。したがって、モニタスピーカを使用する演者が順次、音声卓2を操作するオペレータと打ち合わせをしながら、各モニタスピーカの調整を行っていった。 【0010】 このため、演者数が多いと、オペレータとの打ち合わせ時間が長くなって、オペレータの負担が増大していた。つまり、モニタスピーカの調整作業には多大な時間を要することがあり、リハーサル時間が少ない場合や、演者数が多い場合には、十分にモニタスピーカの調整作業を追い込んでいくことが困難であった。 【0011】 そこで最近では、例えば特許文献1のように、モニタスピーカの調整装置である音声卓と、その操作装置(特許文献1では音声卓を遠隔操作可能なコントローラとしている)が、別体に構成された技術が提案されている。この技術によれば、ステージ上の演者自身がコントローラを持ち、モニタスピーカからの出力音声を聞きながら、コントローラによって音声卓を遠隔操作することで、ミックスバランス等を的確に調整することができる。したがって、演者と、音声卓を操作するオペレータとの打ち合わせを省くことができ、モニタスピーカの調整作業を効率よく進めることができた。 【0012】 また、特許文献1の技術では、コントローラからの通信信号の中に、モニタスピーカを識別するための識別信号を組み込んでおき、この識別信号に基づいて所望のモニタスピーカを選択的に切り替えて操作することができるようになっている。このため、単一のコントローラによって複数箇所のモニタスピーカを調整することも可能である。 【特許文献1】特開2005―159972号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0013】 しかしながら、上述した従来のモニタスピーカ制御システムには次のような問題点が指摘されていた。すなわち、演者本人が音声素材のミックスバランスや音量の調整といった操作を行う場合、操作者である演者は、音声卓側に入力される音声素材、つまりソースのポートを認識・把握し、常にこれを意識しながら、各種の操作を行わなくてはならず、演者の作業負担が増大していた。 【0014】 演者は誰もが音声卓のオペレータほどには音響知識が高いとは限らず、演者の音響知識が乏しければモニタスピーカの調整作業を演者に強いることは、かえって調整作業時間の長期化を招くことになった。また、コントローラの機能を極力単純化して容易に扱えるコントローラとすることも考えられるが、これだと従来のモニタスピーカに設置された調整用ボリュームと大差がなくなり、音響知識が豊富な演者、あるいはコントローラに高度な調整機能を求める演者にとっては、機能が不十分である。そのため、結局は音声のオペレータにモニタスピーカの調整作業を依頼することとなり、コントローラが無駄となるおそれがあった。 【0015】 上述したように、従来技術において、演者自身が音声卓の遠隔操作用コントローラを使ってモニタスピーカを調整する場合、演者の作業負担が大きくなるため、これを解消することが求められていた。また、音声卓の遠隔操作用コントローラは、様々なタイプの演者がこれを利用することを想定することが望ましい。したがって、多様な演者のニーズに応じて常に良好な操作性を発揮できるコントローラの実現が待たれていた。 【0016】 本発明は、以上のような状況に鑑みて提案されたものであり、その目的は、演者自身が行うモニタスピーカの調整作業に関して該作業を行う演者にポートを意識させることなく、音声素材を容易に選択させることができ、これにより演者の作業負担の軽減化を図ると共に、演者の求めるレベルに応じて最適な操作性を発揮することができるモニタスピーカ制御システムを提供することにある。 【課題を解決するための手段】 【0017】 上記目的を達成するために、本発明は、ステージ上の演者の発する音声を音声素材として取り込み所定の処理を施して電気信号を出力する音声処理部と、前記音声処理部の出力した電気信号を音声信号に変換して出力するモニタスピーカと、前記音声処理部を制御して各音声素材のミックス量及び前記モニタスピーカへの送りレベルを調整する音声卓とからなるモニタスピーカ制御システムにおいて、次のような特徴を有している。 【0018】 請求項1の発明は、前記音声卓に対して遠隔操作信号を送出して該音声卓の一部もしくは全部を遠隔操作可能なコントローラを設け、前記コントローラに、前記音声処理部に入力される音声素材のポート用メモリ及びそのポートの表示部を備えたことを特徴とするものである。 【0019】 以上の構成を有する請求項1の発明では、コントローラに音声素材のポート用メモリ及びその表示部を設けたとので、コントローラを操作する演者は、音声卓側に入力される音声素材であるソースのポートを意識して操作する必要がなくなり、所望の音声素材を的確に選択可能となった。したがって、演奏者の作業負担を大幅に軽減することができた。 【0020】 請求項2の発明は、請求項1に記載のモニタスピーカ制御システムにおいて、前記演者を識別するための演者識別情報を発信する演者識別情報発信手段を備え、前記コントローラは、前記演者識別情報発信手段の発した演者識別情報を検知する演者検知部と、前記演者識別情報に基づいて制御レベルを判断する制御レベル判断部を備え、前記音声卓には前記コントローラから送出される遠隔操作信号を受信する受信部を設けたことを特徴とするものである。 【0021】 このような構成を有する請求項2の発明では、演者識別情報発信手段の発信した演者識別情報を、コントローラの演者検知部が検知し、検知した演者識別情報に基づいて制御レベル判断部が制御レベルを判断することにより、演奏者のニーズに応じた制御レベルを有するコントローラが実現する。すなわち、音響的知識が豊富な演者やコントローラに高度な調整機能を求める演者が使う場合には高度な調整作業が可能なコントローラとなり、音響的知識が乏しい演者やコントローラに高度な調整機能を求めない演者が使用する場合には操作の易しいコントローラとなり得る。したがって、演者のニーズやレベルが多様であっても、各演者にとって最適な操作性を持つコントローラとなる。このようなコントローラを用いることにより、演者にとって十分なクオリティの調整作業を演者に多大な負担を与えることなく、効率よく進めることが可能となる。 【0022】 請求項3の発明は、請求項2に記載のモニタスピーカ制御システムにおいて、前記コントローラは、前記演者検知部で検知した演者識別情報に応じて、予め設定された遠隔操作信号を前記音声卓に送出するように構成したことを特徴としている。 【0023】 一人の演者がステージ上を移動して複数のモニタスピーカを利用するとしても、演者が同じであれば、各モニタスピーカのミックスバランスは同様であることが多い。例えば、ボーカリストがステージ上を移動して一つのモニタスピーカ付近から別のモニタスピーカ付近に移動した場合、近づいたモニタスピーカをこのボーカリストが使うのであれば、そのミックスバランスは従前のモニタスピーカと同じであっても良い。 【0024】 そこで、請求項3の発明では、演者識別情報発信手段の発信した演者識別情報をコントローラの演者検知部が検知すると、予め設定された遠隔操作信号を自動的に音声卓に送出するようになっている。このような発明によれば、演出の都合上、演者がステージ上を激しく動き回って多数のモニタスピーカを利用するような場合でも、一度、遠隔操作信号を設定しておけば、コントローラの演者検知部が演者を検知するだけで、モニタスピーカの調整作業を自動的に実施でき、演者がコントローラを使っていちいちモニタスピーカを調整する作業が不要である。 【発明の効果】 【0025】 以上のような本発明のモニタスピーカ制御システムによれば、コントローラに音声素材のポート用メモリ及びそのポートの表示部を設けたことにより、このコントローラを操作する演者は、音声卓側に入力されるソースのポートを意識することなく、音声素材を的確に選択可能となり、演者は何のストレスを感じることなくモニタスピーカを簡単に調整でき、作業効率が向上した。 【発明を実施するための最良の形態】 【0026】 [代表的な実施形態] 以下、本発明を実施するための最良の実施形態(以下、「実施形態」という)について、図面を参照して具体的に説明する。図1は本実施形態の構成を示すブロック図、図2は本実施形態のコントローラの正面図である。なお、本実施形態において、図4に示した従来技術と同じ構成要素に関しては同一符号を付して説明は省略する。 【0027】 [構成] 図1に示すように、本実施形態に係るモニタスピーカ制御システムには、モニタスピーカ31、32に近接してコントローラ8が設置されており、このコントローラ8に、音声素材のポートに関する情報を記憶するためのポート用メモリ80と、そのポートの表示部84とが設けられた点に特徴がある。 【0028】 コントローラ8は、音声卓2に対し遠隔操作信号を送出して該音声卓2の一部もしくは全部を遠隔操作するように構成されている。なお、音声卓2にはコントローラ8から送出される遠隔操作信号を受信する受信部11が設けられている。また、コントローラ8には、後述する演者識別情報発信装置7の発した演者識別情報を検知する演者検知部9と、演者識別情報に基づいて制御レベルを判断し制御レベルA、Bを選択する制御レベル判断部10が具備されている。 【0029】 より詳しくは、演者検知部9が検知した演者識別情報が、演者の要求する制御レベルが低い場合を示す識別情報であれば、制御レベル判断部10は制御レベルAを選択するようになっている。この時、コントローラ8は音声素材のミックス量調整と、モニタスピーカ31、32への送りレベル調整を行うようになっている。 【0030】 一方、演者検知部9が検知した演者識別情報が、演者の要求する制御レベルが高い場合を示す識別情報であれば、制御レベル判断部10は制御レベルBを選択するようになっている。この場合にはコントローラ8は、前記の音声素材のミックス量調整と、モニタスピーカ31、32への送りレベル調整に加えて、音声素材の選択機能を付加したものとなる。なお、演者検知部9や制御レベル選択部10は各部の機能を有する専用のチップ及びその周辺回路によって実現することができる。 【0031】 さらに、コントローラ8の正面図を図2に示す。この図2に示すように、コントローラ8には、その上段部にミックスバランス制御用のアップダウンスイッチ81が複数設けられている。これらミックスバランス制御用のアップダウンスイッチ81の下側には、チャンネルへのアクセススイッチ83が設けられている。ここでは、アップダウンスイッチ81はアクセススイッチ83ごとに設けられている。 【0032】 また、アクセススイッチ83の下側には音声素材の名称が表示される表示部84が形成されている。さらに、アップダウンスイッチ81の図2中の右端に隣接して、モニタスピーカ31、32への送りレベル制御用のアップダウンスイッチ82が配置されている。この送りレベル制御用のアップダウンスイッチ82の下側には、音声素材の調整における開始と終了を制御するマトリックススイッチ85が配置されている。 【0033】 なお、各演者(図1ではドラマーとボーカリスト)は、演者を識別するための演者識別情報を発信する演者識別情報発信装置7を持っている。演者識別情報は演者の役割やニーズ等に応じて様々な情報を設定可能であるが、ここでは、演者の役割が盛り込まれた情報ではなく、演者のニーズに応じて演者を識別する情報が設定されている。すなわち、演者識別情報発信装置7は、演者の要求する制御レベルが低い場合の識別情報と、演者の要求する制御レベルが高い場合の識別情報を発信するように設定されている。 【0034】 [作用効果] 以上の構成を有する本実施形態では、演者識別情報発信装置7の発信した演者識別情報を、コントローラ8の演者検知部9が検知すると、制御レベル判断部10は検知した演者識別情報に基づいて制御レベルを判断する。すなわち、演者検知部9にて検知された演者識別情報に基づき、制御レベル判断部10が演者の要求する制御レベルが低いと判断した場合、コントローラ8は制御レベルAを持つコントローラ、つまり音声素材のミックス量調整と、モニタスピーカ31、32への送りレベル調整を行う操作装置となる。 【0035】 (制御レベルA) 制御レベル判断部10が制御レベルAを選択した場合、コントローラ8は次のようにして操作する。まず、アップダウンスイッチ81を操作して各音声素材のミックス量を調整する。そして、アップダウンスイッチ82を操作することで、音声素材のミックス量を保持したまま、モニタスピーカ31、32への送りレベルを調整することができる。 【0036】 (制御レベルB) また、演者検知部9にて検知された演者識別情報に基づき、制御レベル判断部10が演者の要求する制御レベルが高いと判断すると、コントローラ8は制御レベルBを持つコントローラとなり、音声素材のミックス量調整と、モニタスピーカ31、32への送りレベル調整に加えて、音声素材の選択が可能となる。音声素材の選択・変更を行う場合には、マトリックススイッチ85と、変更したいチャンネルのアクセススイッチ83を同時に押すことで音声素材の選択モードに入る。 【0037】 この時、コントローラ8に組み込まれたポート用メモリ80は、音声素材のポートに関する情報を保持しているため、コントローラ8を操作する演者は、音声素材のポートに注意を向けることなく、容易に音声素材を選択することができる。そして、コントローラ8のアップダウンスイッチ81を操作するたびに、表示部84に表示される音声素材の名称が切り替わっていく。最終的に、目的の音声素材が表示部84に表示された時点で演者がマトリックススイッチ85を押すことにより、選択した音声素材を確定することができる。 【0038】 以上のような本実施形態では、コントローラ8に音声素材のポート用メモリ80と、その表示部84を設けるといった簡単な構成によって、コントローラ8の操作者は音声卓2側に入力されるソースのポートを特に意識することなく、所望の音声素材を容易に選択可能である。したがって、コントローラ8を操作する演者の作業負担を大幅に軽減することができた。 【0039】 しかも、演者識別情報発信装置7と、コントローラ8側の演者検知部9及び制御レベルハンタン部10を組み合わせることにより、演者の要求するレベルを段階的に設定可能であり、演者に応じて最適な機能を発揮するコントローラ8を実現することができる。すなわち、演者がコントローラ8に高い制御レベルを要求するであれば、コントローラ8は高性能・高機能な操作装置となり、演者の高い要求を満たすことが可能である。また、コントローラ8に要求する制御レベルが低い演者であれば、コントローラ8は操作が簡単な装置となる。 【0040】 このようなコントローラ8によれば、予め多機能化したコントローラと比べて、ユーザである演者のレベルに応じて機能を絞り込むことができ、演者の多様なニーズに的確に対応して良好な操作性を確保することができる。したがって、モニタスピーカの調整作業に際して演者に余計な負担をかけることがなく演者の高い要求を満たすことが可能である。 【0041】 [他の実施形態] なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、コントローラに配置されるスイッチやボリュームなどの具体的な構成や配置等は適宜変更可能であり、図3に示すようなレイアウトを有するコントローラも包含する。 【0042】 図3に示したコントローラ87では、上半分に操作状態が表示可能な比較的大きな表示部86が形成され、その下部に音声素材の名称が表示される表示領域88が設けられている。また、アップダウンスイッチ81a、81bはアクセススイッチ83ごとに設けられるのではなく、共用とし、上側のスイッチ81aと下側のスイッチ81bとの間に3つのアクセススイッチ83が配置されている。さらにアクセススイッチ83に隣接してマトリックススイッチ85が設けられている。このようなコントローラ87によれば、コンパクト化を進めることが可能である。 【0043】 また、コントローラとして、前記演者検知部で検知した演者識別情報に応じて、予め設定された遠隔操作信号を音声卓側に送出するように構成し、このコントローラをモニタスピーカ付近に配置した実施形態も包含する。このような実施形態によれば、演者がステージ上を動き回り多数のモニタスピーカを利用する場合であっても、いったん遠隔操作信号を設定しておけば、演者がコントローラを介して自分の近くのモニタスピーカをいちいち調整する必要がない。すなわち、演者がコントローラに近づきコントローラの演者検知部が演者を認識するだけで、コントローラに近接したモニタスピーカの調整作業を自動的に行うことができる。したがって、調整作業に要する時間を大幅に短縮することが可能である。 【0044】 なお、コントローラと音声卓との通信形態は有線でも無線でもよく、両者の間で送受信に使用する周波数帯域は現在又は将来において利用可能なあらゆるものを適用可能である。また、コントローラと音声卓とが近距離の場合には、赤外線によるデータの送受信により遠隔操作できる機能を備えても良い。さらに、両者の間で電波状態の悪い場所では優先でデータを送受信できる機能を備えた方が好適である。また、コントローラのポート用メモリは、音声卓側で調整された調整結果を記憶可能であるため、音声卓側の調整結果をコントローラ側に容易に反映させることができる。 【図面の簡単な説明】 【0045】 【図1】本発明に係る代表的な実施形態の構成を示すブロック図。 【図2】本実施形態のコントローラの正面図。 【図3】本発明に係る他の実施形態のコントローラの正面図。 【図4】従来のモニタスピーカ制御システムの構成を示すブロック図。 【符号の説明】 【0046】 1…音声処理部 2…音声卓 21…操作部 22…表示部 31、32…モニタスピーカ 4…マイク 5…ギターアンプ 6…ベースアンプ 7…演者識別情報発信装置 8、87…コントローラ 9…演者検知部 10…制御レベル選択部 11…受信部 80…ポート用メモリ 81、82…アップダウンスイッチ 83…アクセススイッチ 84、86…表示部 85…マトリックススイッチ 88…表示領域
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| 【出願人】 |
【識別番号】390005223 【氏名又は名称】株式会社タムラ製作所
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| 【出願日】 |
平成18年9月6日(2006.9.6) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100081961 【弁理士】 【氏名又は名称】木内 光春
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| 【公開番号】 |
特開2008−67014(P2008−67014A) |
| 【公開日】 |
平成20年3月21日(2008.3.21) |
| 【出願番号】 |
特願2006−242158(P2006−242158) |
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