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【発明の名称】 オーディオミキサ
【発明者】 【氏名】寺田 光太郎

【氏名】萩原 秀樹

【氏名】青木 孝光

【氏名】岡林 昌明

【要約】 【課題】部品点数を不必要に増やすことなく、sends on fader(センズオンフェーダ)機能の設定/解除の操作性を向上させる。

【構成】複数の入力チャンネル23には、音量レベルを調整するフェーダ操作子36と、各ミックスバス26に対する当該入力チャンネル23からの信号送出レベルを調整するバスセンドレベル38とが設けられている。操作パネル上には、複数のミキシングバスの各々に対応して設けられた複数のバス選択スイッチ39が設けられている。該バス選択スイッチ39の1回押しでは、該操作されたバス選択スイッチ39に対応するミキシングバスがセレクテッドセンドレベル38に割り当てられる。バス選択スイッチ39の2回押しにより、sends on fader(センズオンフェーダ)機能の設定/解除を指示できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
オーディオ信号を処理する複数のチャンネルと、
前記複数のチャンネルの各々の前記信号の送出先となる複数のミキシングバスと、
前記複数のチャンネルの各々の前記信号のレベルを調整するために該複数のチャンネルの各々に1つずつ設けられた複数のフェーダ操作子と、
前記複数のチャンネルの各々から前記複数のミキシングバスの各々に対して送出する前記信号のレベルを調整するために該各チャンネル毎に該複数のミキシングバスの各々に対応して設けられたバス送出レベル調整部と、
前記複数のミキシングバスの各々に対応して1つずつ設けられた複数のバス選択スイッチと、
第1の操作方法による前記バス選択スイッチの操作に応じて該操作されたバス選択スイッチに対応するミキシングバスを選択するバス選択手段と、
第2の操作方法による前記バス選択スイッチの操作に応じて、前記フェーダ操作子の動作モードを、前記チャンネルの信号のレベルを調整する通常のモードから、前記フェーダ操作子を用いて前記バス送出レベル調整部のパラメータを設定する特殊モードに切り替えるモード設定手段と、
前記モード設定手段において、前記通常モードが設定されている場合には、前記フェーダ操作子の操作に応じて該操作されたフェーダ操作子に対応するチャンネルの信号のレベルを調整し、また、前記特殊モードが設定されている場合には、前記フェーダ操作子の操作に応じて、該操作されたフェーダ操作子に対応するチャンネルから前記バス選択手段により選択されたミキシングバスへの信号送出レベルを調整する制御手段と
を備えるオーディオミキサ。
【請求項2】
前記モード設定手段において、前記第2の操作方法は前記バス選択スイッチのうちのいずれか1つが2回続けて操作することである請求項2に記載のオーディオミキサ。
【請求項3】
前記モード設定手段であって、前記特殊モードにおいて、前記第2の操作方法による前記バス選択スイッチの操作に応じて、当該モードを解除するものである請求項1に記載のオーディオミキサ。
【請求項4】
前記特殊モードにおいて、前記第1の操作方法による前記バス選択スイッチの操作に応じて、前記バス選択手段により選択されたミキシングバスに対する前記複数のチャンネルの各々の送出レベルのパラメータを、前記複数のフェーダ操作子の各々に割り当てる割り当て手段を更に備える請求項1乃至3の何れかに記載のオーディオミキサ。
【請求項5】
前記複数のバス選択スイッチの各々に発光部を設け、前記モード設定手段によるモード設定を該発光部の発光状態により標識する請求項1乃至4の何れかに記載のオーディオミキサ。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
この発明は、オーディオミキサに関し、詳しくは該ミキサにおけるパラメータの設定に関する。
【背景技術】
【0002】
周知の通り、オーディオミキサは、所定の複数系統の入力チャンネルに分配された複数のオーディオ信号を、該入力チャンネル毎に信号出力レベルでミキシングバスに出力し、該ミキシングバスにて、前記各チャンネル毎の信号出力レベルに応じたミキシング比で混合(ミキシング)する装置である。従来から知られるディジタルミキサの一例として、本出願人が販売するディジタルミキサ:商品名「M7CL」がある。このディジタルミキサにおいて、操作パネル上には、各入力チャンネル毎に入力信号の音量を操作するためのフェーダ操作子や当該チャンネルのパラメータ設定を行うノブ形操作子を含むチャンネルストリップ群や各種設定を行うためのスイッチ類を含む操作子群や、画面接触による入力が可能なタッチパネル式の表示器等が具備されていた。ユーザ(ミキサのオペレータ)は、前記表示器に表示された表示画面において、該画面上のGUIツール(ボタン画像など)を用いて機能の選択や各種操作を行うことができた。
【0003】
入力チャンネルからミキシングバスへ送出するオーディオ信号のレベルを「センドレベル」という。センドレベルは入力チャンネル毎に個別に調整できるパラメータである。上記従来のディジタルミキサにおいては、操作パネル上の各入力チャンネルのフェーダ操作子を用いて、当該チャンネルのセンドレベルを調整できるようにする機能が搭載されていた。このフェーダ操作子を使用してセンドレベルを調節する機能を「sends on fader(センズオンフェーダ)」機能という。なお、以下において、該「sends on fader」機能を「SOF機能」と略記する。表示器上に表示されるが画面は、基本的には、現在選択されている機能について各種操作・設定を行うメインエリアと、機能選択を行うための機能選択エリアとから構成され、該機能選択エリアには前記SOF機能を選択するためのボタン画像が含まれている。このSOF機能選択ボタン画像の操作により、SOF機能を立ち上げることができる。
【0004】
SOF機能が起動すると、表示画面の前記機能選択エリアには、当該ミキサに備わる複数本のミキシングバスの各々に対応した複数のミキシングバス選択ボタン画像が表示され、このミキシングバス選択ボタン画像を用いてオーディオ信号の送り先のミキシングバスを指定することができる。送り先のミキシングバスが指定されると、各入力チャンネル毎の物理的フェーダ操作子に割り当てられたパラメータは、当該チャンネルから該指定されたミキシングバスへのセンドレベルに切り替わり、該フェーダ操作子を用いて該ミキシングバスへのセンドレベルを調整することができる(下記非特許文献1を参照)。
【非特許文献1】http://www2.yamaha.co.jp/manual/pdf/pa/japan/mixers/m7cl_ja_om.pdf
【0005】
上記非特許文献1に示すディジタルミキサは、表示器にタッチパネル式の表示器を採用しており、各種設定・操作や、機能の選択・切り替え等を画面上のGUIオブジェクト(ボタン画像)を用いて行うことができるので、物理的操作子の設置点数を少なく抑えることができた。物理的操作子の設置点数を減らすことは、製造コストの抑制、操作パネルのシンプル化による操作性の向上、さらには、操作パネル上の表示器設置面積の拡張による表示器の大型化等を可能とするという利点があった。表示器を大型化できれば、タッチパネル式の表示器においては、画面上での操作性を向上させるという更なるメリットがあった。
【0006】
従って、上記非特許文献1に示すディジタルミキサにおいては、前述の通り、SOF機能選択や該SOF機能における信号送り先のミキシングバス選択は、画面上のボタン画像により指示する構成となっており、SOF機能選択用の物理的ボタン(スイッチ)やミキシングバス選択用の物理的ボタン(スイッチ)は具備されていなかった。
【0007】
ところで、タッチパネル式表示器は高価であるため、製造コストを抑制すべき比較的安価なモデルにおいてはタッチパネル式表示器を採用しないであろう。また、比較的安価なモデルにおいては、製造コストを抑制するために操作パネル上の操作子点数もできる限り減らすのが望ましい。この種の安価なモデルにおいてSOF機能を実現する場合、表示画面上のGUIオブジェクト(ボタン画像)を用いて各種設定・操作や、機能の選択・切り替え等を行う方法を採用しうる。この場合、物理的カーソルキーないしマウス操作子等を用いて表示画面上のGUIオブジェクトを指定するためのカーソル(ないしポインタ)を移動させて、該カーソル(ないしポインタ)によって指定したGUIオブジェクトについて確定操作を行うことが必要である。
【0008】
しかしながら、表示画面上の多数のGUIオブジェクトの上をカーソル移動して、所望の機能(SOF機能)を選択し、それを確定する操作は煩雑であり、手間がかかる。SOF機能は頻繁に利用される機能であるため、当該機能に関する操作は可及的わかりやすく且つ迅速に行えることが望ましい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
この発明は上述の点に鑑みてなされたもので、sends on fader(センズオンフェーダ)機能の設定/解除の操作性を向上させたオーディオミキサを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明は、オーディオ信号を処理する複数のチャンネルと、前記複数のチャンネルの各々の前記信号の送出先となる複数のミキシングバスと、前記複数のチャンネルの各々の前記信号のレベルを調整するために該複数のチャンネルの各々に1つずつ設けられた複数のフェーダ操作子と、前記複数のチャンネルの各々から前記複数のミキシングバスの各々に対して送出する前記信号のレベルを調整するために該各チャンネル毎に該複数のミキシングバスの各々に対応して設けられたバス送出レベル調整部と、前記複数のミキシングバスの各々に対応して1つずつ設けられた複数のバス選択スイッチと、第1の操作方法による前記バス選択スイッチの操作に応じて該操作されたバス選択スイッチに対応するミキシングバスを選択するバス選択手段と、第2の操作方法による前記バス選択スイッチの操作に応じて、前記フェーダ操作子の動作モードを、前記チャンネルの信号のレベルを調整する通常のモードから、前記フェーダ操作子を用いて前記バス送出レベル調整部のパラメータを設定する特殊モードに切り替えるモード設定手段と、前記モード設定手段において、前記通常モードが設定されている場合には、前記フェーダ操作子の操作に応じて該操作されたフェーダ操作子に対応するチャンネルの信号のレベルを調整し、また、前記特殊モードが設定されている場合には、前記フェーダ操作子の操作に応じて、該操作されたフェーダ操作子に対応するチャンネルから前記バス選択手段により選択されたミキシングバスへの信号送出レベルを調整する制御手段とを備えるオーディオミキサである。
【0011】
また、この発明は前記モード設定手段において、前記第2の操作方法は前記バス選択スイッチのうちのいずれか1つが2回続けて操作することを含む。また、この発明は前記モード設定手段であって、前記特殊モードにおいて、前記第2の操作方法による前記バス選択スイッチの操作に応じて、当該モードを解除するものを含む。また、この発明は、前記特殊モードにおいて、前記第1の操作方法による前記バス選択スイッチの操作に応じて、前記バス選択手段により選択されたミキシングバスに対する前記複数のチャンネルの各々の送出レベルのパラメータを、前記複数のフェーダ操作子の各々に割り当てる割り当て手段を更に備えるオーディオミキサを含む。
【発明の効果】
【0012】
この発明によれば、前記複数のミキシングバスの各々に対応して設けられた複数のバス選択スイッチのうちのどれかを、第1の操作方法(例えば、1回押し)で操作することで、ユーザは該操作したバス選択スイッチに対応するミキシングバスを選択することができ、また、第2の操作方法(例えば、同一スイッチを続けて2回押し)で操作することで、フェーダ操作子の機能を、通常のチャンネルの信号のレベル調整機能(通常モード)から、前記フェーダ操作子を用いて前記バス送出レベル調整部のパラメータを設定する特殊モード(sends on fader(センズオンフェーダ)モード)に切り替えることができる。通常モードが設定されている場合には、前記フェーダ操作子の操作に応じて該操作されたフェーダ操作子に対応するチャンネルの信号のレベルを調整することができ、また、特殊モードが設定されている場合には、前記フェーダ操作子の操作に応じて、該操作されたフェーダ操作子に対応するチャンネルから前記バス選択手段により選択されたミキシングバスへの信号送出レベルを調整することができる。また、モード設定手段により設定された特殊モード(SOF機能)において、前記第2の操作方法による前記バス選択スイッチの操作に応じて当該特殊モードを解除するよう構成してよい。従って、タッチパネル式表示器を搭載しない比較的安価なモデルにおいて、操作パネル上の操作子点数を不必要に増やすことなく、迅速で優れた操作性により、SOF機能の設定/解除及び該SOF機能の操作対象の選択操作を行うことができるようになるという優れた効果を奏する。また、モード設定手段により設定された特殊モード(SOF機能)において、前記第1の操作方法(1回押し)でバス選択スイッチを操作すれば、SOF機能の操作対象のミキシングバスを選択することができる。従って、SOF機能における操作対象のミキシングバス選択を、感覚的に分かりやすく行うことができるという優れた効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下添付図面を参照してこの発明の一実施例について説明する。
図1は、この実施例に係るディジタルミキサの電気的ハードウェア構成例を示すブロック図である。ミキサは、CPU1、フラッシュメモリ2、RAM3、信号処理回路(DSP)4、波形入出力インターフェース(波形I/O)5、表示器6、各種操作子7、電動フェーダ8、レコーダ9、その他インターフェース(その他I/O)10、USBインターフェース(USB・I/O)11を含み、各装置間がバス1Bを介して接続される。
【0014】
CPU1、フラッシュメモリ2及びRAM3を含むマイクロコンピュータは、フラッシュメモリ2又はRAM3に記憶された制御プログラムを実行し、当該ミキサ100の全体的な動作制御を行う。また、フラッシュメモリ2又はRAM3には、当該ミキサに現在設定されている各種パラメータ等を記憶するためのカレントメモリ領域が設けられる。DSP4は、オーディオ信号に対するディジタル信号処理を担う。波形I/O5は、アナログ入力ポート、アナログ出力ポート及びディジタル入出力ポートによって構成され、波形I/O5に対してオーディオケーブル105が接続される。波形I/O5を介して入力されたアナログオーディオ信号はディジタル変換された後にDSP4に供給され、DSP4は該供給されたディジタルオーディオ信号に対してCPU1から与えられる指示に基づく信号処理を施す。また、DSP4における信号処理の結果として生成されたディジタルオーディオ信号は波形I/O5を介してアナログ変換されて外部に出力される。また、波形I/O5を介して接続されたディジタル音響機器との間でディジタルオーディオ信号の送受信を行うこともできる。
【0015】
表示器6、各種操作子7、電動フェーダ8は、後述の図3又は図4に示す操作パネル上に配設されるユーザインターフェースである。ユーザは、各種操作子7や電動フェーダ8を使用して、例えば各種パラメータの設定や各種機能の起動指示等、ミキシング処理に関する各種操作を行うことができる。また、電動フェーダ8には、フェーダつまみの操作位置を自動制御するためのモータが内蔵されており、CPU1から与えられる駆動信号に基づき、つまみ位置が自動的に制御される。
【0016】
表示器6は、例えば液晶ディスプレイで構成され、当該ミキサが有する各種機能に応じた表示画面を表示し、該表示画面上のGUIオブジェクト(ボタン画像など)を使用してシステム全体に関わる設定や各種機能毎のパラメータの設定等を行うために使用できる。この実施例に係るミキサは、比較的安価なモデルを想定しており、表示器6にはタッチパネル式表示器を採用しないものとする。従って、表示器6の表示画面上のGUIオブジェクト(ボタン画像など)を使用した各種操作は、各種操作子7に含まれるカーソルキー、確定キー等を用いて行われるものとする。
【0017】
その他I/O10は、例えばイーサーネット(登録商標)規格のネットワークインターフェースで構成され、該その他I/O10を介して、当ミキサをリモート制御するアプリケーションプログラムを実装したパーソナルコンピュータ等の外部機器を接続できる。また、USB・I/O11に接続されたコネクタ(USB端子)12を介してUSBメモリ13を接続することができる。そして、DSP4の設定データ等のミキサ内部データをレコーダ9に転送し、レコーダ9に転送された前記内部データをUSBメモリ13にセーブ・ロードすることができてよい。
【0018】
図2は、DSP4が実行するオーディオ信号に対する信号処理の構成の概要を説明するためのブロック図である。ミキサには、アナログオーディオ信号を入力するための複数のアナログ入力ポート(A入力)20及び複数のディジタルオーディオ信号を入力するための複数のディジタル入力ポート(D入力)21が具わる。
【0019】
入力パッチ22は、各入力ポート(A入力20乃至D入力21)を複数の入力チャンネル23のいずれかに選択的に接続することで、1つの入力チャンネル23に対して1つの入力ポート(A入力20乃至D入力21)からの入力信号を割り当てている。また、入力パッチ22における各入力チャンネル23と入力ポートの接続を示すデータは「パッチデータ」としてフラッシュメモリ2或いはRAM3等適宜のメモリに保管される。なお、この明細書において、入力ポートと入力系チャンネルを対応付けて接続すること、或いは、出力ポートと出力系チャンネルを対応付けて接続することを「パッチ」という。
【0020】
複数の入力チャンネル23(図の例では「1ch」〜「32ch」の32本)は、それぞれ、入力ポートから割り当てられたディジタルオーディオ信号に対するリミッタ、コンプレッサ、イコライザ、音量フェーダ、パンなどのパラメータ設定部を具備しており、各入力チャンネル23毎に入力されたオーディオ信号の特性やレベルの調整を行う。また、各入力チャンネル23は、所定の複数(図の例では「mix1」〜「mix16」の16本)のミキシングバス25の各々に接続されており、該複数のミキシングバス25の各々に対応して、各バス25への出力をオン・オフする出力先選択部や、各バス25毎のバス送出レベル(センドレベル)調整部24を有している。センドレベル調整部24は、当該入力チャンネル23からミキシングバス25へ送出するオーディオ信号のレベル(「センドレベル」)を調整するためのモジュールである。ユーザは各入力チャンネル23毎の出力先選択部にて任意に選択したミキシングバス25に、センドレベル調整部24のパラメータ設定に応じたセンドレベルで当該入力チャンネル23の出力信号を送出することができる。ミキシングバス25では、複数の入力チャンネル23から入力されるオーディオ信号を各入力チャンネル23毎の信号出力レベルに応じたミキシング比で混合(ミキシング)する。
【0021】
前記複数のミキシングバス25の各々に対応して設けられた複数のミキシングチャンネル26(図の例では「1ch」〜「16ch」までの16本)には、各ミキシングチャンネル26の信号出力レベルを調整するためのミキシング出力調整部27が具備されており、それぞれ、対応するミキシングバス25から送出されたディジタルオーディオ信号の出力レベルを設定できる。また、各ミキシングチャンネル26には、前記ミキシング出力調整部27に加えて、オーディオ信号に対するリミッタ、コンプレッサ、イコライザ等のパラメータ設定部が具備され、各ミキシングチャンネル26毎にオーディオ信号の特性を調整できてよい。
【0022】
出力パッチ28は、各ミキシングチャンネル26を所定のアナログ出力ポート(A出力)29又は複数のディジタル出力ポート(D出力)30に選択的に接続することで、1つの出力ポート(A出力29又はD出力30)に対して1つのミキシングチャンネル26の出力信号を割り当てる。かくして、A出力29又はD出力30からは、ユーザ所望のミキシング処理が施されたオーディオ信号が出力される。
【0023】
図3は、この実施例に係るディジタルオーディオミキサの操作パネルの要部を抽出して示す概略外観図である。操作パネル上には表示器6や多数の操作子類(図2に示す操作子7や電動フェーダ8に相当する)が配備されている。操作パネル上の多数の操作子類は、複数のチャンネルストリップを備えたチャンネルストリップセクション31、ユーザが選択した1つのチャンネルを構成する主要なパラメータについて操作するためのセレクテッドチャンネル(「SELECTED CHANNEL」)セクション32、及び、操作対象のミキシングバスを選択するためのミキシングバス選択(「MIX SELECT])セクション33の各機能区分に分かれている。なお、操作パネル上には上記の他の機能を受け持つ操作子群が備わってよいが、それらの図示及び説明は便宜上省略した。
【0024】
チャンネルストリップセクション31には、入力チャンネルセクション34と、ステレオマスターセクション35が含まれる。図3の例では、入力チャンネルセクション34には、32個のチャンネルストリップが設けられており、各チャンネルストリップにはそれぞれチャンネル番号「1」〜「32」が付与されている。入力チャンネルセクション34の複数(32個)のチャンネルストリップの各々は、前記複数(32本)の入力チャンネル23に1るずつ割り当てられている。図4(a)に入力チャンネルセクション34の一部を拡大して示す。入力チャンネルセクション34の各チャンネルストリップには、当該チャンネルストリップに割り当てられた入力チャンネル23の音量レベルを調整するためのフェーダ操作子36(図1の電動フェーダ8に相当)や当該入力チャンネルの各種パラメータ設定を行うためのスイッチ類が設けられている。ユーザは、前記各チャンネルストリップのフェーダ操作子36を操作して、当該チャンネルストリップに割り当てられた入力チャンネル23の音量レベルを調整することができる。また、ステレオマスターセクション35には、1つのチャンネルストリップセクションが設けられている。図4(b)にステレオマスターセクション35を拡大して示す。ステレオマスターセクション35のチャンネルストリップセクションには、マスター出力レベルを調整するためのフェーダ操作子37(図1の電動フェーダ8に相当)やマスター出力に関する各種パラメータ設定を行うためのスイッチ類が設けられている。ユーザは、前記ステレオマスターセクション35のフェーダ操作子37のフェーダ操作子36を操作して、マスター出力レベルを調整することができる。すなわち、操作パネル上のチャンネルストリップセクション31には、複数のフェーダ操作子36,37が具備されており、ユーザは、該操作パネル上の複数のフェーダ操作子36,37を用いて、複数のチャンネルの各々に供給されたオーディオ信号の音量レベルを調整することができる。
詳しくは後述する通り、この発明によれば、「SENDS ON FADERモード(SOFモード)」において、入力チャンネルセクション34の各フェーダ操作子36は、当該チャンネルからSOF機能の操作対象に選択されているミキシングバスへのセンドレベルを調節する操作子として機能し、また、ステレオマスターセクション35のフェーダ操作子37は、該選択されているミキシングバスの出力レベルを調節する操作子として機能する。
【0025】
なお、入力チャンネルセクション34又はステレオマスターセクション35には、フェーダ操作子36,35の他にも、当該チャンネルをセレクテッドチャンネルセクション32の操作対象に選択するためのスイッチや、当該チャンネルをキューモニター対象に選択するスイッチや、当該チャンネルのオン/オフを切り替えるスイッチ等が具備されてよい。また、入力チャンネルセクション34においてミキシングチャンネル26など出力系のチャンネルを操作できてもよい。
【0026】
図4(c)は、セレクテッドチャンネルセクション32を拡大して示す図である。セレクテッドチャンネルセクション32には、ユーザが選択した1つのチャンネルについて、ヘッドアンプゲイン、パン、EQや、セレクテッドセンドレベル38を操作するための操作子が備わる。セレクテッドセンドレベル38の操作子は回転式エンコーダによって構成されており、回転操作に応じて現在割り当てられているパラメータの値が変更される。セレクテッドチャンネルセクション32に現在選ばれているチャンネルが入力チャンネル23の場合、セレクテッドセンドレベル38には、当該入力チャンネル23から後述ミキシングバス選択セクション33にて選択されたミキシングバスへのセンドレベル(図3のセンドレベル調整部24)のパラメータが割り当てられる。
【0027】
図4(d)は、ミキシングバス選択セクション33を拡大して示す図である。ミキシングバス選択セクション33には、前記複数(この例では「mix1」〜「mix16」の16本(図2参照))のミキシングバス25の各々に対応するバス選択スイッチ39が複数(この例では16個)具備されており、1つのバス選択スイッチ39で1つのミキシングバス25を選択することができる。複数のバス選択スイッチ39には、それぞれスイッチ番号(「1番」〜「16番」)が割り当てられており、各スイッチ番号がミキシングバス25のバス番号(「mix1」〜「mix16」)に対応するものとする。また、各バス選択スイッチ39には、LED点灯部40が設けられており、各バス選択スイッチ39の状態をLED点灯状態で示すことができる。
【0028】
この発明の一実施例において、各バス選択スイッチ39は、ミキシングバスを選択する機能と、動作モード切り替え機能という2つの機能を有する。すなわち、ユーザは、各バス選択スイッチ39の操作に応じて、SOF機能のオン・オフを択一的に切り替える指示を行うことができると共に、SOF機能がオフの場合には、セレクテッドチャンネルセクション32に現在選択されているチャンネルの信号送出先ミキシングバスを選択、すなわち、セレクテッドセンドレベル38の操作対象を選択することができ、また、SOFモードにおいて(SOF機能がオンの場合)は、SOF機能の操作対象となるミキシングバスを選択することができる。なお、この明細書中では、SOF機能がオフの場合を、SOFモードに対して「通常モード」と称する。なお、前記SOFモードは、特許請求範囲における「特殊モード」に該当する。
【0029】
バス選択スイッチ39の操作に応じた動作モードの切り替え処理について、図5のフローチャートを参照して説明する。この処理は、各バス選択スイッチ39のいずれかがユーザによって操作されたときに開始する。ステップS1において、ユーザによって操作されたバス選択スイッチ39の状態を調べる。この発明の一実施例に係るバス選択スイッチ39の状態には、次に述べる3つの動作状態がある。すなわち、当該スイッチ39に対応するミキシングバスを(1)セレクテッドセンドレベル38の操作対象に選択した状態(通常モードで動作中)、(2)SOF機能の操作対象に選択した状態(「SOFモードで動作中」)、及び(0)動作なし、の3状態である。各バス選択スイッチ39に設けられたLED点灯部40の発光状態は、上記3状態に応じて、(1)点灯、(2)点滅、(0)消灯の3状態で切り替わるよう制御される。なお、この実施例において、LED40の点滅制御は、所定の短い時間間隔で点灯・消灯を順次切り替えるようLED40の発光制御を行うことを指すものとする。なお、ここで、バス選択スイッチ39の動作モードとして、通常モード又はSOFモードの何れかが常時に設定されており、複数のバス選択スイッチ39のうちのいずれか1つは常時選択されている、すなわち、LED40のうちのいずれか1つは常時点滅又は点灯状態であることに留意されたい。
【0030】
ステップS2において、前記ステップS1の結果に基づき、該操作されたバス選択スイッチ39が動作なしの状態(上記(0)の状態)であるかどうかを判断することで、以下の処理で、動作モードの切り替えが行われるか、否かどうかが判断できる。すなわち、現在通常モード又はSOF機能について操作対象に選択されているミキシングバスに対応するスイッチ39(LED40が点灯又は点滅している動作中のスイッチ39)が操作された場合(ステップS2のNO)には、後述するステップS11以下により、通常モードからSOFモードへ、又は、SOFモードから通常モードへの切り替え処理が行われる。一方、操作されたバス選択スイッチ39が動作なし状態(LED40が消灯)の場合(ステップS2のYES)、モード切り替えは行われずに、ステップS3以下の処理により、現在設定されている通常モード又はSOFモードのいずれかについて、操作対象のミキシングバスの選択(切り替え)が処理が行われることになる。
【0031】
まず、モード切り替えが行われない場合(操作されたバス選択スイッチ39が動作なし状態の場合(ステップS2のYES))について説明すると、ステップS3において、該操作されたスイッチとは別のバス選択スイッチ39の動作状態から、現在の通常モード又はSOFモードのいずれが設定されているかを調べる。
【0032】
通常モードで動作中であった場合(ステップS4のYES)、当該動作中のバス選択スイッチ39のLED40は点灯状態であるため、このLED40を消灯し(ステップS5)て、前記操作されたバス選択スイッチ39のLED40を点灯状態に切り替える(ステップS6)と共に、該操作されたバス選択スイッチ39に対応するミキシングバスに対する、現在セレクテッドチャンネルセクション32に割り当てられているチャンネルのセンドレベルのパラメータを、セレクテッドセンドレベル38に割り当てる(ステップS7)。これにより、セレクテッドセンドレベル38の操作対象を、該操作されたバス選択スイッチ39に対応するミキシングバスに切り替えることができる。
【0033】
一方、SOFモードで動作中であった場合(ステップS4のNO)、当該動作中のバス選択スイッチ39のLED40は点滅状態であるため、このLED40を消灯して(ステップS8)、前記操作されたバス選択スイッチ39のLED40を点滅させる(ステップS9)。そして、ステップS10において、図6を参照して後述する処理により「sends on fader(SOF)モード」の動作を開始することで、前記操作されたバス選択スイッチ39をSOF機能の操作対象に設定することができる。
【0034】
次に、モード切り替えが行われる場合、つまり、前記ユーザによって操作されたバス選択スイッチ39が動作中(該操作されたバス選択スイッチ39に対応するミキシングバスが通常モードまたはSOFモードにおいて選択されている状態であって、そのLED40が点灯又は点滅)の場合(ステップS2のNO))について説明する。ステップS11において、該操作されたバス選択スイッチ39の状態が通常モードの動作又はSOFモードのいずれであるかを調べることで、現在設定されている動作モードを調べる。
【0035】
通常モードで動作中(該操作されたバス選択スイッチ39のLED40が点灯中)の場合は(ステップS11のYES)、当該操作されたバス選択スイッチ39のLED40を点灯状態から点滅状態に切り替える制御を行い(ステップS12)、ステップS13において、図6を参照して後述する処理により「sends on fader(SOF)モード」の動作を開始することで、動作モードを通常モードからSOFモードに切り替えると共に、当該操作されたバス選択スイッチ39をSOF機能の操作対象に設定することができる。
【0036】
一方、SOFモードで動作中、すなわち、該操作されたバス選択スイッチ39のLED40が点滅中の場合は(ステップS11のNO)、当該操作されたバス選択スイッチ39のLED40を点灯状態に切り替える制御を行い(ステップS14)、ステップS13において、図7を参照して後述する処理によりSOFモードの動作を停止することで、動作モードをSOFモードから通常モードに切り替えると共に、当該操作されたバス選択スイッチ39をセレクテッドセンドレベル38の操作対象に設定することができる。
【0037】
図6は、上記ステップS10又はS13で起動するSOFモードの開始処理の手順の一例を示すフローチャートである。まず、ステップS16において、前記ユーザによって操作されたバス選択スイッチ39に対応するミキシングバスを、SOF機能の操作対象に設定する。これにより、ユーザが操作したバス選択スイッチ39スイッチ番号(「1番」〜「16番」のいずれか)に対応するミキシングバス(「mix1」〜「mix16」のいずれか)がSOF機能の操作対象になる。
【0038】
まず、ステップS17〜S18により、入力チャンネルセクション34の各フェーダ操作子36の操作対象を、前記SOF機能の操作対象に設定されたミキシングバスについてのセンドレベルパラメータに切り替える。すなわち、各フェーダ操作子36の操作対象に、該SOF機能の操作対象のミキシングバスのセンドレベル(図2の符号24)のパラメータを割り当てる。そして、SOF機能の操作対象のミキシングバスについて、各入力チャンネル23毎のセンドレベルの現在の設定値をカレント領域(フラッシュメモリ2又はRAM3)から読み出し(ステップS18)、入力チャンネルセクション34の各フェーダ操作子36の操作つまみの位置を、前記読み出したセンドレベルの現在の設定値に対応する位置にそれぞれあわせる(ステップS19)。前述の通り、フェーダ操作子36は電動フェーダ8(図1参照)で構成されているので、当該フェーダ操作子36に割り当てられた機能の切り替わりに応じて、CPU1のモータドライブ制御により、各フェーダ操作子36の操作つまみの位置が、前記読み出したセンドレベルの現在設定値に対応する位置に自動的に移動される。図3を参照して説明した通り、入力チャンネルセクション34には複数(32個)のチャンネルストリップが設けられており、フェーダ操作子36は該複数のチャンネルストリップのそれぞれに1つずつ設けられている。従って、前記ステップS17〜S18においては、32個のフェーダ操作子36の全てについて、それぞれ、当該チャンネルストリップに対応する入力チャンネルから前記SOF機能の操作対象のミキシングバスへのセンドレベルのパラメータが割り当てられると共に、各フェーダ操作子36の操作つまみの位置の移動制御が行われる。
【0039】
次に、ステップS20〜S23により、ステレオマスターセクション35のフェーダ操作子36の操作対象を、前記SOF機能の操作対象に設定されたミキシングバスについてのセンドレベルのパラメータに切り替える。すなわち、ステップS20において、ステレオマスターセクション35のフェーダ操作子37の操作対象として、前記ユーザによって操作されたバス選択スイッチ39に対応するミキシングバスに対応するミキシングチャンネル26の出力レベルのパラメータ(ミキシング出力調整部27)を割り当てる(図2を参照)。そして、SOF機能の操作対象のミキシングチャンネル26の出力レベルの現在設定値をカレント領域(フラッシュメモリ2又はRAM3)から読み出し(ステップS21)、ステレオマスターセクション35のフェーダ操作子37の操作つまみの位置を、前記読み出した出力レベルの現在設定値に対応する位置にあわせる(ステップS22)。フェーダ操作子37もまた電動フェーダ8(図1参照)で構成されているので、CPU1のモータドライブ制御により該フェーダ操作子37の操作つまみの位置は、前記読み出したセンドレベルの現在設定値に対応する位置に自動的に移動される。
【0040】
かくして、ステップS16〜S22により、前記SOF機能が開始して、入力チャンネルセクション34の各フェーダ操作子36を使用して操作対象のミキシングバスへのセンドレベルを、また、ステレオマスターセクション35のフェーダ操作子37を使用して該操作対象のミキシングチャンネル26の出力レベルをそれぞれ調節することができるようになる。
【0041】
次に、図7のフローチャートを参照して、上記ステップS15で起動するSOFモードの停止処理の手順の一例を説明する。まず、ステップS23〜S25により、入力チャンネルセクション34の各フェーダ操作子36の操作対象を各入力チャンネル毎の音量レベルパラメータに切り替える。すなわち、各フェーダ操作子36の操作対象に、各入力チャンネル23の音量レベルのパラメータを割り当てる。そして、各入力チャンネル23毎の音量レベルの現在設定値をカレント領域(フラッシュメモリ2又はRAM3)から読み出し(ステップS24)、入力チャンネルセクション34の各フェーダ操作子36の操作つまみの位置を、前記読み出した各入力チャンネル23の音量レベルの現在設定値に対応する位置にあわせる(ステップS25)。このステップS23〜S25の処理も入力チャンネルストリップ34の複数のフェーダ操作子36の全てについてそれぞれ行われる。
【0042】
また、ステップS26〜S28により、ステレオマスターセクション35のフェーダ操作子36の操作対象を、SOF機能の開始前に設定されていたパラメータに切り替える。すなわち、ステレオマスターセクション35のフェーダ操作子37の操作対象にSOF機能の開始前に設定されていたパラメータ(通常はステレオマスターチャンネルの出力レベル)を割り当てる(ステップS24)。そして、当該パラメータの現在設定値をカレント領域(フラッシュメモリ2又はRAM3)から読み出し(ステップS25)、ステレオマスターセクション35のフェーダ操作子37の操作つまみの位置を、前記読み出した現在設定値に対応する位置にあわせる(ステップS26)。
【0043】
かくして、ステップS23〜S28により、前記SOF機能が停止して、通常モードの動作に復し、入力チャンネルセクション34の各フェーダ操作子36を使用して各入力チャンネル23の音量レベルを、また、ステレオマスターセクション35のフェーダ操作子37を使用して割り当てられたパラメータ(通常はステレオマスター出力レベル)をそれぞれ調節することができるようになる。
【0044】
図8は、フェーダ操作子36,37の操作に応じたパラメータ設定の動作手順の一例を示すフローチャートである。ユーザによって、フェーダ操作子36又は37が操作されると、該操作されたフェーダ操作子36又は37の操作量が検出され(ステップS29)、該検出された操作量に応じて、当該フェーダ操作子36又は37に現在割り当てられるパラメータの値(カレント領域に記録されている値)が変更され、該変更されたパラメータの値がDSP4に反映される(ステップS30)。かくして、SOF機能においては、フェーダ操作子36の操作に応じて、操作対象のミキシングバスへのセンドレベルを、また、ステレオマスターセクション35のフェーダ操作子37を使用して該操作対象のミキシングチャンネル26の出力レベルを変更できる。
【0045】
以上説明した通り、この実施例によれば、通常モードで動作中のバス選択スイッチ39(LED40が点灯中のもの)を押すことで、動作モードをSOFモードに切り替えることができ、該SOFモードにおいてはミキシングバス選択セクション33の16個のバス選択スイッチ39を用いて、SOF機能の操作対象に設定するミキシングバスを選択することができる。該SOF機能の操作対象に選択されたバス選択スイッチ39はLED40が点滅状態になる。このSOFモードで動作中のバス選択スイッチ39(LED40が点滅中のもの)を更に押すことで、動作モードを該SOFモードから通常モードに切り替えることができる。また、SOFモードにおける操作対象のミキシングバス選択は、既存のバス選択スイッチ39を援用するので分かりやすい。
【0046】
例えば、SOF機能の解除(オフ)作業について考えるに、SOF機能のオフして通常モードにおいて、最先のSOF機能の操作対象とは別のミキシングバスをセレクテッドセンドレベル38の操作対象に割り当てるとすると、ユーザは該別のミキシングバスに対応するバス選択スイッチ39(SOF機能のオフ以前ではLED40は消灯)を2回押しするだけでよい。SOF機能の設定作業(オフ)についても同様であり、ユーザは最先の通常モードでの操作対象のミキシングバスの選択を意識することなく、SOF機能の操作対象に割り当てたいミキシングバスに対応するバス選択スイッチ39を2回押しするだけでよいため、この発明によればSOF機能のオン・オフ操作の操作性が非常に良い。
なお、上記SOF機能のオン又はオフ作業の一例として「スイッチ39を2回押しするだけでよい」と記したが、SOF機能のオン又はオフ作業(モード切り替え)に際して、操作対象のミキシングバスに変更がない場合は、当該ミキシングバスに対応するスイッチ39を1回押すだけでよいことは、上記図6のフローチャートを参照して説明した通りである。しかしながらこの場合も、2回のスイッチ操作に時間的隔たりがあるかもしれぬが、最先に行われたスイッチ39の操作(当該スイッチ39を操作対象に選択する操作)に連続する2回押し操作に他ならない。
【0047】
従って、この実施例によれば、タッチパネル式表示器を搭載しない比較的廉価なモデルにおいても、不必要に部品点数を増やすことなく、感覚的に分かりやすく迅速な優れた操作性により、SOF機能の設定/解除及び該SOF機能の操作対象の選択操作を行うことができるようになるという優れた効果を奏する。
【0048】
なお、上記実施例において、図6のステップS16においてSOFモードの操作対象のミキシングバスを切り替えるときに、当該SOFモードの操作対象に合わせてセレクテッドチャンネルセクション32のセレクテッドセンドレベル38の操作対象も切り替えるようにしてもよい。
【0049】
なお、上記実施例においては、同一スイッチを2回押しする操作方法により、SOF機能の設定/解除(モード切り替え)が行われる例について説明したが、バス選択スイッチ39を用いてSOF機能の設定/解除(モード切り替え)を行うための操作方法は、上記に限らず、いわゆる「長押し」操作や、或いは2つのスイッチの同時押し、その他、ミキシングバス選択操作(1回押し)とは異なる操作方法で、SOF機能の設定/解除(モード切り替え)を指示できるのであればどのような操作方法でも適用しうる。
【0050】
なお、上記実施例においては、この発明を装置の発明として構成及び実施する例について説明したが、これに限らず、コンピュータをこの発明に係る通信設定装置として動作させるために実行されるソフトウェアプログラムの形態で構成及び実施されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】この発明の一実施例に係るディジタルミキサの電気的ハードウェア構成例を示すブロック図。
【図2】同実施例に係るミキサにおける信号処理構成の概要を示す機能ブロック図。
【図3】同実施例に係るミキサの操作パネルの一部を抽出して示す外観概略図。
【図4】図3に示す操作パネルを拡大して示す図であって、(a)は入力チャンネルセクション、(b)はステレオマスターセクション、(c)はセレクテッドチャンネルセクション、及び、(d)はミキシングバス選択セクションをそれぞれ示す。
【図5】同実施例に係るミキサにおいて、ミキシングバス選択スイッチの操作に応じた動作モード切替処理の手順の一例を示すフローチャート。
【図6】同実施例に係るsends on fader(センズオンフェーダ)機能の開始処理の手順の一例を示すフローチャート。
【図7】同実施例に係るsends on fader(センズオンフェーダ)機能の停止処理の手順の一例を示すフローチャート。
【図8】同実施例に係るミキサにおけるフェーダ操作子の操作に応じたパラメータ設定の動作手順の一例を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0052】
1 CPU、2 フラッシュメモリ、3 RAM、4 DSP、5 波形I/O、6 表示器、7 各種操作子、8 電動フェーダ、9 レコーダ、10 その他I/O、11 USB・I/O、23 入力チャンネル、24 バス送出レベル(センドレベル)調整部、25 ミキシングバス、26 ミキシングチャンネル、27 ミキシング出力調整部、31 チャンネルストリップセクション、32 セレクテッドチャンネルセクション、ステレオマスターチャンネルセクション、33 ミキシングバス選択セクション、34 入力チャンネルセクション、35 ステレオマスターセクション、36,37 フェーダ操作子、38 ミキシングセンドレベル、39 バス選択スイッチ、40 LED発光部
【出願人】 【識別番号】000004075
【氏名又は名称】ヤマハ株式会社
【出願日】 平成18年9月6日(2006.9.6)
【代理人】 【識別番号】100077539
【弁理士】
【氏名又は名称】飯塚 義仁


【公開番号】 特開2008−67007(P2008−67007A)
【公開日】 平成20年3月21日(2008.3.21)
【出願番号】 特願2006−242028(P2006−242028)