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【発明の名称】 音声出力システムおよび音声出力方法
【発明者】 【氏名】鈴木 雅之

【要約】 【課題】音質を損なうことなく大きな音量の音声をスピーカに出力させる音声出力システムを提供する。

【構成】スピーカ制御部1が、スピーカ4の周波数特性に応じたデジタル信号を予め記憶し、記憶しているデジタル信号を出力する。D−Aコンバータ2が、スピーカ制御部1出力したデジタル信号をアナログ信号に変換してアンプ3に出力する。アンプ3が、D−Aコンバータ2が出力したアナログ信号を所定の信号増幅率で増幅し、スピーカ4に出力する。スピーカ4が音声を出力する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
音声を出力するスピーカを備えた音声出力システムにおいて、
スピーカの周波数特性に応じたデジタル信号であって、スピーカに所定の電圧が印加された場合に、予め決められた値以上の音圧で出力される音声のアナログ信号が符号化されたデジタル信号を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶されているデジタル信号をアナログ信号に変換して出力するD−A変換手段と、
前記D−A変換手段が出力した前記アナログ信号を所定の信号増幅率で増幅し、前記スピーカに出力する増幅手段とを備え、
前記記憶手段は、スピーカに所定の電圧を印加して音圧の周波数特性を測定した場合に、音圧が最大値になる周波数よりも低い周波数であって、音圧の最大値との差が所定値になる周波数未満の周波数成分が除去されて符号化されたデジタル信号を記憶する
ことを特徴とする音声出力システム。
【請求項2】
記憶手段は、所定値としての25dBになる周波数未満の周波数成分が除去されて符号化されたデジタル信号を記憶する
請求項1記載の音声出力システム。
【請求項3】
記憶手段は、所定の周波数を超える周波数成分が除去されて符号化されたデジタル信号を記憶する
請求項1または請求項2記載の音声出力システム。
【請求項4】
増幅手段は、スピーカ制御手段が記憶しているデジタル信号をD−A変換手段が変換したアナログ信号を増幅した場合に出力するアナログ信号の電力の値がスピーカの定格入力電力の値以下になる信号増幅率であって、音圧の最大値との差が所定値になる周波数未満の周波数成分が除去されていないアナログ信号を増幅した場合に出力するアナログ信号の電力の値がスピーカの定格入力電力の値を超える信号増幅率で、前記D−A変換手段が出力したアナログ信号を増幅する
請求項3記載の音声出力システム。
【請求項5】
入力された音声をアナログ信号に変換して出力するマイクロフォンと、
前記マイクロフォンが出力したアナログ信号が増幅されて符号化されて入力されたデジタル信号から、スピーカに所定の電圧を印加して音圧の周波数特性を測定した場合に音圧が最大値になる周波数よりも低い周波数であって音圧の最大値との差が所定値になる周波数未満の周波数成分のデータを除去して記憶手段に記憶させる音声処理手段とを備えた
請求項1から請求項4のうちのいずれか1項に記載の音声出力システム。
【請求項6】
音声処理手段は、
除去する周波数成分の領域を示す情報を予め記憶し、
入力されたデジタル信号を周波数解析して、前記情報が示す信号に対応するデータを除去する
請求項5記載の音声出力システム。
【請求項7】
音声を出力するスピーカにアナログ信号を出力する音声出力方法において、
スピーカの周波数特性に応じたデジタル信号であって、スピーカに所定の電圧が印加された場合に、予め決められた値以上の音圧で出力される音声のアナログ信号が符号化されたデジタル信号を記憶する記憶ステップと、
記憶されているデジタル信号をアナログ信号に変換して出力するD−A変換ステップと、
出力された前記アナログ信号を所定の信号増幅率で増幅し、前記スピーカに出力する増幅ステップとを含み、
前記記憶ステップで、スピーカに所定の電圧を印加して音圧の周波数特性を測定した場合に、音圧が最大値になる周波数よりも低い周波数であって、音圧の最大値との差が所定値になる周波数未満の周波数成分が除去されて符号化されたデジタル信号を記憶する
ことを特徴とする音声出力方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、音質を損なうことなく大きな音量の音声をスピーカに出力させることができる音声出力システムおよび音声出力方法に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機や、携帯情報端末、ETC(Electronic Toll Collection System)車載端末等の機器を小型化したり薄型化したりするために、小型化されたスピーカを選択して実装することが好ましい。しかし、例えば、自動車に搭載される機器は使用環境が厳しいので、スピーカの選択肢は少ない。
【0003】
また、機器の商品性を向上させるために、機器は、高音質で大音量の音声を出力できることが好ましい。しかし、一般に、小型化されたスピーカの定格入力電力は小さいので、大音量の音声を出力することは困難である。
【0004】
なお、特許文献1には、マイクロコンピュータの制御に従って、スピーカの周波数特性を測定し、測定結果にもとづいてオーディオ信号から低周波成分を除去するデジタルフィルタを備えた音響機器が記載されている。
【0005】
特許文献2には、コンピュータの制御に従って、オーディオ信号に、使用されるスピーカの再生能力に応じたイコライジングパターンにもとづいてフィルタ処理を施すデジタルフィルタを備えた車載用オーディオ装置が記載されている。
【0006】
【特許文献1】特開2001−359186号公報(段落0016〜0045、図1)
【特許文献2】特開平3−274893号公報(第2頁〜第3頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1に記載されている機器は、接続されているスピーカの周波数特性を測定するための発信器等を搭載しているので、構成が複雑であり、小型化や低価格化が困難である。また、特許文献2に記載されている装置は、イコライジングパターンを記憶するための十分な容量の記憶手段を搭載しているので、コストがかかるという問題がある。
【0008】
そこで、本発明は、簡易な構成で、音質を損なうことなく大きな音量の音声をスピーカに出力させる音声出力システムおよび音声出力方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明による音声出力システムは、音声を出力するスピーカを備えた音声出力システムであって、スピーカの周波数特性に応じたデジタル信号であって、スピーカに所定の電圧が印加された場合に、予め決められた値以上の音圧で出力される音声のアナログ信号が符号化されたデジタル信号を記憶する記憶手段と、記憶手段に記憶されているデジタル信号をアナログ信号に変換して出力するD−A変換手段と、D−A変換手段が出力したアナログ信号を所定の信号増幅率で増幅し、スピーカに出力する増幅手段とを備え、記憶手段は、スピーカに所定の電圧を印加して音圧の周波数特性を測定した場合に、音圧が最大値になる周波数よりも低い周波数であって、音圧の最大値との差が所定値になる周波数未満の周波数成分が除去されて符号化されたデジタル信号を記憶することを特徴とする。
【0010】
記憶手段は、所定値としての25dBになる周波数未満の周波数成分が除去されて符号化されたデジタル信号を記憶してもよい。
【0011】
記憶手段は、所定の周波数を超える周波数成分が除去されて符号化されたデジタル信号を記憶してもよい。
【0012】
増幅手段は、スピーカ制御手段が記憶しているデジタル信号をD−A変換手段が変換したアナログ信号を増幅した場合に出力するアナログ信号の電力の値がスピーカの定格入力電力の値以下になる信号増幅率であって、音圧の最大値との差が所定値になる周波数未満の周波数成分が除去されていないアナログ信号を増幅した場合に出力するアナログ信号の電力の値がスピーカの定格入力電力の値を超える信号増幅率で、D−A変換手段が出力したアナログ信号を増幅するように構成されていることが好ましい。
【0013】
入力された音声をアナログ信号に変換して出力するマイクロフォンと、マイクロフォンが出力したアナログ信号が増幅されて符号化されて入力されたデジタル信号から、スピーカに所定の電圧を印加して音圧の周波数特性を測定した場合に音圧が最大値になる周波数よりも低い周波数であって音圧の最大値との差が所定値になる周波数未満の周波数成分のデータを除去して記憶手段に記憶させる音声処理手段とを備えていてもよい。
【0014】
音声処理手段は、除去する周波数成分の領域を示す情報を予め記憶し、入力されたデジタル信号を周波数解析して、情報が示す信号に対応するデータを除去するように構成されていてもよい。
【0015】
本発明による音声出力方法は、音声を出力するスピーカにアナログ信号を出力する音声出力方法であって、スピーカの周波数特性に応じたデジタル信号であって、スピーカに所定の電圧が印加された場合に、予め決められた値以上の音圧で出力される音声のアナログ信号が符号化されたデジタル信号を記憶する記憶ステップと、記憶されているデジタル信号をアナログ信号に変換して出力するD−A変換ステップと、出力されたアナログ信号を所定の信号増幅率で増幅し、スピーカに出力する増幅ステップとを含み、記憶ステップで、スピーカに所定の電圧を印加して音圧の周波数特性を測定した場合に、音圧が最大値になる周波数よりも低い周波数であって、音圧の最大値との差が所定値になる周波数未満の周波数成分が除去されて符号化されたデジタル信号を記憶することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明による音声出力システムは、スピーカの周波数特性に応じたデジタル信号を出力するので、簡易な構成で、音質を損なうことなく大きな音量の音声をスピーカに出力させることができる。
【0017】
増幅手段が、デジタル信号を変換したアナログ信号を増幅した場合に出力するアナログ信号の電力の値がスピーカの定格入力電力の値以下になる信号増幅率であって、所定の信号が除去されていないアナログ信号を増幅した場合に出力するアナログ信号の電力の値がスピーカの定格入力電力の値を超える信号増幅率でアナログ信号を増幅するように構成されている場合には、大きな音量の音声をスピーカに出力させることができる。
【0018】
音声処理手段が、スピーカの周波数特性に応じて所定のデータを除去したデジタル信号を生成するように構成されている場合には、簡易な構成で、音質を損なうことなく大きな音量の音声をスピーカに出力させることができる。
【0019】
増幅手段が、所定のデータが除去されたデジタル信号を変換したアナログ信号を増幅した場合に出力するアナログ信号の電力の値がスピーカの定格入力電力の値以下になる信号増幅率であって、当該データが除去されていないデジタル信号を変換したアナログ信号を増幅した場合に出力するアナログ信号の電力の値がスピーカの定格入力電力の値を超える信号増幅率でアナログ信号を増幅するように構成されている場合には、大きな音量の音声をスピーカに出力させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
実施の形態1.
本発明の第1の実施の形態について、図面を参照して説明する。図1は、本発明による音声出力システムの実施の形態の構成を示すブロック図である。
【0021】
図1に示す音声出力システムは、予め格納されているデジタル信号をD−Aコンバータ2に出力するスピーカ制御部1と、スピーカ制御部1が出力したデジタル信号をアナログ信号に変換するD−Aコンバータ(D−A変換手段)2と、D−Aコンバータ2によってデジタル信号から変換されたアナログ信号を増幅し、スピーカ4に入力する増幅手段(以下、アンプという。)3とを含む。
【0022】
図2は、スピーカ4の周波数特性の一例を示す説明図である。図2に示す例では、スピーカ4は、200Hz付近から音圧が上昇する周波数特性を有しており、各周波数で所定の電圧が印加された場合に出力する音声の音圧の最大値が95dBであることを示している。
【0023】
スピーカ制御部1は、記憶部を有し、記憶部に、スピーカ4の周波数特性に応じて、例えば、所定の周波数未満の周波数帯域の成分が除去され、信号強度の実効値が低下したアナログ信号(音声信号)が符号化されたデジタル信号が予め格納されている。
【0024】
スピーカ制御部1における記憶部に格納されているデジタル信号は、具体的には、例えば、スピーカ4に所定の電圧を印加して音圧の周波数特性を測定した場合に、出力される音声の音圧が最大になる周波数よりも低い周波数の信号であって、例えば音圧の最大値−25dB未満の値(すなわち、最大値との差が25dBを超える値)になる周波数の信号が除去されて、信号強度の実効値が低下するように加工されたアナログ信号が符号化されたデジタル信号である。
【0025】
図2に示す例では、スピーカ4に各周波数で所定の電圧を印加した場合に、出力される音声の音圧の最大値は95dBである。95−25=70なので、本例では、スピーカ制御部1は、スピーカ4に所定の電圧が印加された場合に出力される音声の音圧が70dB未満の周波数の信号が除去されて、信号強度の実効値が低下するように加工されたアナログ信号が符号化されたデジタル信号が予め格納されている。
【0026】
図2に示す例では、スピーカ4に所定の電圧が印加された場合に出力される音声の音圧が70dB未満の信号は、周波数が300Hz未満の信号である。よって、スピーカ制御部1は、300Hz未満の周波数の信号が除去されて、信号強度の実効値が低下するように加工されたアナログ信号が符号化されたデジタル信号が予め格納されている。すなわち、スピーカ制御部1は、スピーカ4に所定の電圧が印加された場合に70dB以上の音圧の音声が出力される300Hz以上の信号を成分とし、信号強度の実効値が低下したアナログ信号が符号化されたデジタル信号が予め格納されている。
【0027】
図3は、スピーカ制御部1に格納されているデジタル信号を変換したアナログ信号の周波数特性の一例を示す説明図である。スピーカ制御部1は、図3に示すように、300Hz未満の周波数帯域の信号が除去されて、信号強度の実効値が低下するように加工され、符号化されたデジタル信号が格納されている。
【0028】
一般に、小型スピーカは、低周波領域の再生能力が低く、例えば、図2に示すような周波数特性を有している。そのため、小型スピーカに出力するアナログ信号から低周波領域(本例では、300Hz未満の領域)の成分を除去しても、小型スピーカから出力される音質への影響は少ない。また、一般に、小型スピーカの定格入力電力は小さいが、アナログ信号から低周波領域の成分を除去すると、アナログ信号の信号強度の実効値が低下する。実効値が低下すると、スピーカ4の定格入力電力の値を超えない範囲でアンプ3の信号増幅率を高くすることができる。さらに、記憶手段に記憶されているデジタル信号は、所定の周波数(例えば、20kHz)を超える周波数成分が除去されて符号化されたデジタル信号である。
【0029】
アンプ3には、スピーカ4に入力する電力(実効値)が、スピーカ4の定格入力電力の値以下で最大になるように、予め信号増幅率が設定されている。そして、アンプ3は、設定されている信号増幅率で、入力されたアナログ信号を増幅する。なお、アンプ3に設定されている信号増幅率は、スピーカ制御部1に格納されているデジタル信号を変換したアナログ信号の音声に相当し、信号強度の実効値を低下させるように加工されていないアナログ信号を増幅した場合に、スピーカ4に入力する電力がスピーカ4の定格入力電力の値を超える信号増幅率である。
【0030】
次に、本発明の音声出力システムの実施の形態の動作について、図面を参照して説明する。図4は、音声出力システムの実施の形態の動作を説明するフローチャートである。
【0031】
スピーカ制御部1は、音声やメロディなどの信号であって、図3に例示した周波数特性を有するアナログ信号が符号化されたデジタル信号が予め格納されている。スピーカ制御部1は、格納されているデジタル信号をD−Aコンバータ2に出力する(ステップS101)
【0032】
D−Aコンバータ2は、スピーカ制御部1が出力したデジタル信号をアナログ信号に変換し(ステップS102)、変換結果のアナログ信号をアンプ3に出力する(ステップS103)。なお、D−Aコンバータ2がアンプ3に出力するアナログ信号は、例えば、図3に示す周波数特性を有している。
【0033】
アンプ3は、D−Aコンバータ2が出力したアナログ信号を、予め設定されている信号増幅率で増幅し(ステップ104)、スピーカ4に入力する。
【0034】
スピーカ4は、アンプ3によって増幅されたアナログ信号を音声に変換して出力する(ステップS105)。
【0035】
本実施の形態では、スピーカ制御部1における記憶部に、信号強度の実効値を低下させるようにスピーカ4の周波数特性に応じて加工されたアナログ信号が符号化されたデジタル信号が格納され、アンプ3に、スピーカ4の定格入力電力の値を超えない範囲で最大になるように予め信号増幅率が設定されている。そして、加工されていないアナログ信号の信号強度の実効値に比べて、加工されたアナログ信号の信号強度の実効値は小さく、アンプ3の信号増幅率を高く設定することができるので、スピーカ4が出力する音声の音量を大きくすることができる。なお、記憶部は、スピーカ制御部1とは独立して設けられていてもよい。
【0036】
本実施の形態を携帯電話機に適用した場合には、携帯電話機に搭載されているスピーカの周波数特性に応じて加工された音声(例えば、予め記憶している着信音等)を当該スピーカから出力させるので、出力される着信音等の音量を大きくすることができる。
【0037】
本実施の形態を携帯情報端末に適用した場合には、携帯情報端末に搭載されているスピーカの周波数特性に応じて加工された音声(例えば、予め記憶している電子メールの着信を報知する音声等)を当該スピーカから出力させるので、出力される電子メールの着信を報知する音声等の音量を大きくすることができる。
【0038】
本実施の形態をETC車載端末に適用した場合には、ETC車載端末に搭載されているスピーカの周波数特性に応じて加工された音声(例えば、予め記憶しているユーザをサポートする案内用の音声等)を当該スピーカから出力させるので、出力される案内用の音声等の音量を大きくすることができる
【0039】
実施の形態2.
本発明の第2の実施の形態について、図面を参照して説明する。図5は、音声出力システムの第2の実施の形態の構成を示すブロック図である。
【0040】
図5に示す音声出力システムは、マイクロフォン10が出力してアンプ11が増幅したアナログ信号をA−Dコンバータ12が符号化したデジタル信号に処理を施し、スピーカ制御部14を介してD−Aコンバータ15にデジタル信号を出力する音声処理部(音声処理手段)13、スピーカ制御部14を介して音声処理部13から出力されたデジタル信号をアナログ信号に変換するD−Aコンバータ(D−A変換手段)15、およびD−Aコンバータ15によってデジタル信号から変換されたアナログ信号を増幅し、スピーカ17に入力するアンプ(増幅手段)16とを含む。
【0041】
アンプ11は、マイクロフォン10が出力したアナログ信号を増幅してA−Dコンバータ12に入力する。A−Dコンバータ12は、入力されたアナログ信号をデジタル信号に変換して出力する。
【0042】
音声処理部13は、スピーカ17の音声出力能力が低い周波数帯域を示すテーブルを予め記憶している。具体的には、例えば、スピーカ17が、図2に例示した周波数特性を有している場合に、音声処理部13は、300Hz未満の周波数帯域を示すテーブルを予め記憶している。
【0043】
音声処理部13は、A−Dコンバータ12が出力したデジタル信号に高速フーリエ変換を施して、時系列の信号を周波数域の信号に変換し、マイクロフォン10が出力したアナログ信号の周波数解析を行う。そして、A−Dコンバータ12が出力したデジタル信号からテーブルに記憶されている周波数帯域のアナログ信号に対応するデジタル信号(データ)を除去(加工)したデジタル信号を生成して記憶し、スピーカ制御部14に出力する。したがって、音声処理部13が出力したデジタル信号を変換したアナログ信号は、A−Dコンバータ12に入力されたアナログ信号よりも信号強度の実効値が低下している。
【0044】
スピーカ制御部14は、音声処理部13が出力したデジタル信号をD−Aコンバータ15に入力する。D−Aコンバータ15は、入力されたデジタル信号をアナログ信号に変換してアンプ16に出力する。
【0045】
アンプ16には、スピーカ17に入力するアナログ信号の電力(実効値)が、スピーカ17の定格入力電力の値を超えない範囲で最大になるように、予め信号増幅率が設定されている。そして、アンプ16は、設定されている信号増幅率で、入力されたアナログ信号を増幅する。なお、アンプ3に設定されている信号増幅率は、マイクロフォン10が出力したアナログ信号を増幅した場合に、スピーカ4に入力する電力の値がスピーカ4の定格入力電力の値を超える信号増幅率である。
【0046】
音声処理部13は、例えば、コンピュータに、マイクロフォン10に入力された音声にもとづいてデジタル信号を生成し、生成したデジタル信号からスピーカの周波数特性に応じて所定のデータを除去して、スピーカ17に出力させるためのアナログ信号が符号化されたデジタル信号を生成するデータ除去処理を実行させることを特徴とする音声入出力プログラムを搭載したコンピュータによって実現される。
【0047】
次に、音声出力システムの第2の実施の形態の動作について、図面を参照して説明する。図6は、音声出力システムの第2の実施の形態の動作を説明するフローチャートである。
【0048】
マイクロフォン10は、入力された音声をアナログ信号に変換してアンプ11に出力する(ステップS201,S202)。アンプ11は、マイクロフォン10が出力したアナログ信号を予め決められた信号増幅率で増幅して(ステップS203)、A−Dコンバータ12に入力する。
【0049】
A−Dコンバータ12は、入力されたアナログ信号をデジタル信号に変換して(ステップS204)、音声処理部13に出力する。
【0050】
音声処理部13は、A−Dコンバータ12が出力したデジタル信号に高速フーリエ変換を施して、時系列の信号を周波数域の信号に変換し、マイクロフォン10が出力したアナログ信号の周波数解析を行う(ステップS205)。そして、テーブルに記憶されている周波数帯域のアナログ信号に対応するデジタル信号(データ)を除去してアナログ信号の信号強度の実効値を低下させて(ステップS206)、スピーカ制御部14に出力する(ステップS207)。
【0051】
スピーカ制御部14は、音声処理部13が出力したデジタル信号をD−Aコンバータ15に入力する。D−Aコンバータ15は、入力されたデジタル信号をアナログ信号に変換して(ステップS208)、アンプ16に出力する(ステップS209)。
【0052】
アンプ16は、設定されている信号増幅率で、入力されたアナログ信号を増幅する(ステップS210)。スピーカ17は、アンプ16によって増幅されたアナログ信号を音声に変換して出力する(ステップS211)。
【0053】
本実施の形態では、音声処理部13が、マイクロフォン10に入力された音声にもとづくデジタル信号をスピーカ17の周波数特性に応じて加工し、アナログ信号の信号強度の実効値を低下させるので、加工されていないアナログ信号を出力する場合に比べて、スピーカ17の定格入力電力の値を超えない範囲でアンプ16の信号増幅率を高く設定することができる。そのため、スピーカ17が出力する音声の音量を大きくすることができる。
【0054】
本実施の形態を携帯情報端末や携帯電話機に適用した場合には、音声メモ用にマイクロフォンに入力された音声に相当するデジタル信号を、スピーカの周波数特性に応じて加工して記憶し、記憶したデジタル信号にもとづく音声を当該スピーカに大きな音量で出力させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明は、携帯電話機や、携帯情報端末、ETC車載端末等の小型スピーカが搭載された機器に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明による音声出力システムの第1の実施の形態の構成を示すブロック図である。
【図2】スピーカの周波数特性の一例を示す説明図である。
【図3】スピーカ制御部に格納されているデジタル信号をアナログ信号に変換したアナログ信号の周波数特性の一例を示す説明図である。
【図4】音声出力システムの第1の実施の形態の動作を説明するフローチャートである。
【図5】本発明による音声出力システムの第2の実施の形態の構成を示すブロック図である。
【図6】音声出力システムの第2の実施の形態の動作を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
【0057】
1、14 スピーカ制御部
2、15 D−Aコンバータ
3、11、16 アンプ
4、17 スピーカ
10 マイクロフォン
12 A−Dコンバータ
13 音声処理部
【出願人】 【識別番号】000197366
【氏名又は名称】NECアクセステクニカ株式会社
【出願日】 平成18年9月6日(2006.9.6)
【代理人】 【識別番号】100103090
【弁理士】
【氏名又は名称】岩壁 冬樹

【識別番号】100124501
【弁理士】
【氏名又は名称】塩川 誠人


【公開番号】 特開2008−67004(P2008−67004A)
【公開日】 平成20年3月21日(2008.3.21)
【出願番号】 特願2006−241962(P2006−241962)