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【発明の名称】 マイクロフォンパッケージ
【発明者】 【氏名】榊原 慎吾

【氏名】斉藤 博

【要約】 【課題】マイクロフォンパッケージにおいて、容易に製造できると共に小型化を図ることができるようにする。

【構成】中空の空洞部及び該空洞部を外方に連通させる音響孔27を有するハウジング、及び、前記空洞部内の搭載面13aに搭載されて音響を検出するマイクロフォンチップ5を備え、前記音響孔27が前記搭載面13a側に開口し、少なくとも前記音響孔27と前記マイクロフォンチップ5との間に、前記搭載面13aから突出する壁部15が形成されていることを特徴とするマイクロフォンパッケージを提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空の空洞部及び該空洞部を外方に連通させる音響孔を有するハウジング、及び、前記空洞部内の搭載面に搭載されて音響を検出するマイクロフォンチップを備え、
前記音響孔が前記搭載面側に開口し、
少なくとも前記音響孔と前記マイクロフォンチップとの間に、前記搭載面から突出する壁部が形成されていることを特徴とするマイクロフォンパッケージ。
【請求項2】
前記壁部が、前記音響孔を囲繞して形成されていることを特徴とする請求項1に記載のマイクロフォンパッケージ。
【請求項3】
前記壁部の上面に、前記マイクロフォンチップに電気接続された外部接続配線部の一端が露出していることを特徴とする請求項2に記載のマイクロフォンパッケージ。
【請求項4】
前記壁部のうち少なくとも前記音響孔と前記外部接続配線部の一端との間の部分が、前記上面からさらに突出する突出壁部をなしていることを特徴とする請求項3に記載のマイクロフォンパッケージ。
【請求項5】
前記突出壁部が、前記音響孔を囲繞して形成されていることを特徴とする請求項4に記載のマイクロフォンパッケージ。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
この発明は、マイクロフォンパッケージに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、マイクロフォンパッケージは、例えば特許文献1のように、空洞部及び空洞部を外方に連通させる音響孔を形成したハウジング内の搭載面に、音響を検出するマイクロフォンチップやこれを制御するLSIチップを搭載して構成されている。ここで、マイクロフォンチップやLSIチップは、ダイボンド材によって搭載面に固定される。また、この種のマイクロフォンパッケージには、LSIチップを樹脂(ポッティング材)によって封止したものがあり、このポッティング材によりLSIチップの保護を図っている。
そして、この種のマイクロフォンパッケージには、音響孔を搭載面に開口させて構成されたものがある。
【特許文献1】特表2004−537182号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、音響孔がマイクロフォンチップの搭載面に開口していると、マイクロフォンパッケージを製造する際に液状のダイボンド材やポッティング材が音響孔に流れ込む虞がある。
また、これらダイボンド材やポッティング材が音響孔に流れ込まないようにするためには、マイクロフォンチップと音響孔との間の距離を長くする必要があるため、パッケージサイズが大きくなり、マイクロフォンパッケージの小型化が困難となるという問題もある。
【0004】
この発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、音響孔が搭載面に開口していても、容易に製造できると共に小型化を図ることができるマイクロフォンパッケージを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。
請求項1に係る発明は、中空の空洞部及び該空洞部を外方に連通させる音響孔を有するハウジング、及び、前記空洞部内の搭載面に搭載されて音響を検出するマイクロフォンチップを備え、前記音響孔が前記搭載面側に開口し、少なくとも前記音響孔と前記マイクロフォンチップとの間に、前記搭載面から突出する壁部が形成されていることを特徴とするマイクロフォンパッケージを提案している。
【0006】
この発明に係るマイクロフォンパッケージを製造する際には、搭載面のうちマイクロフォンチップの搭載位置に液状のダイボンド材を塗布するが、このダイボンド材が搭載面上を流れても、壁部においてこの流れをせき止めることができる。したがって、マイクロフォンチップと音響孔との間の距離を小さくしても、ダイボンド材が音響孔に流れ込むことを抑制することができる。
さらに、マイクロフォンチップがシリコンによって構成されたとしても、音響孔から入射した光を壁部において遮蔽することができるため、入射光がマイクロフォンチップに到達することを容易に防止することができる。
【0007】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載のマイクロフォンパッケージにおいて、前記壁部が、前記音響孔を囲繞して形成されていることを特徴とするマイクロフォンパッケージを提案している。
この発明に係るマイクロフォンパッケージによれば、壁部が音響孔を囲繞しているため、ダイボンド材の音響孔への流れ込みを確実に防止することができる。
【0008】
請求項3に係る発明は、請求項2に記載のマイクロフォンパッケージにおいて、前記壁部の上面に、前記マイクロフォンチップに電気接続された外部接続配線部の一端が露出していることを特徴とするマイクロフォンパッケージを提案している。
【0009】
この発明に係るマイクロフォンパッケージによれば、マイクロフォンチップを搭載面に固定する際に、外部接続配線部の一端が液体状のダイボンド材によって覆われることを防止できるため、マイクロフォンチップを搭載面に固定した後に、マイクロフォンチップと外部接続配線部の一端とを容易に電気接続することができる。
また、マイクロフォンチップやこれを駆動制御するためのLSIチップを搭載面に固定した状態においては、マイクロフォンチップやLSIチップの上面に形成される電極パッドの高さ位置と、外部接続配線部の一端の高さ位置との差を小さくすることができるため、これら電極パッドと外部接続配線部の一端との間で、キャピラリを用いたワイヤーボンディングを容易に実施することができる。
【0010】
請求項4に係る発明は、請求項3に記載のマイクロフォンパッケージにおいて、前記壁部のうち少なくとも前記音響孔と前記外部接続配線部の一端との間の部分が、前記上面からさらに突出する突出壁部をなしていることを特徴とするマイクロフォンパッケージを提案している。
この発明に係るマイクロフォンパッケージによれば、例えば搭載面に固定されたLSIチップや、その電極パッドに電気接続された外部接続配線部の一端を樹脂(ポッティング材)により封止する際に、突出壁部において液状のポッティング材の流れをせき止めて、ポッティング材が音響孔に流れ込むことを抑制することができる。
【0011】
請求項5に係る発明は、請求項4に記載のマイクロフォンパッケージにおいて、前記突出壁部が、前記音響孔を囲繞して形成されていることを特徴とするマイクロフォンパッケージを提案している。
この発明に係るマイクロフォンパッケージによれば、突出壁部が音響孔を囲繞しているため、ポッティング材の音響孔への流れ込みを確実に防止することができる。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に係る発明によれば、ダイボンド材が音響孔に流れ込むことを抑制できるため、マイクロフォンパッケージを容易に製造することができる。
また、従来のように、マイクロフォンチップと音響孔との間の距離を長くする必要も無くなるため、マイクロフォンパッケージの小型化を容易に図ることもできる。
さらに、音響孔から入射した光をマイクロフォンチップに到達することを防止できるため、マイクロフォンチップがシリコンによって構成されていても、入射光に基づくマイクロフォンチップのマイク特性の変化を容易に防止できる。
【0013】
請求項2に係る発明によれば、ダイボンド材が音響孔に流れ込むことを確実に防止できるため、マイクロフォンパッケージをさらに容易に製造することが可能となる。
【0014】
請求項3に係る発明によれば、ダイボンド材によって外部接続配線部の一端が覆われることも防止できるため、マイクロフォンチップを搭載面に固定した後に、マイクロフォンチップと外部接続配線部の一端とを容易に電気接続することができる。
また、マイクロフォンチップやLSIチップの電極パッドと外部接続配線部の一端との間で、容易にワイヤーボンディングを実施することができる。
【0015】
請求項4に係る発明によれば、LSIチップや外部接続配線部の一端をポッティング材により封止する場合でも、ポッティング材が音響孔に流れ込むことを抑制できるため、マイクロフォンパッケージを容易に製造することができる。
【0016】
請求項5に係る発明によれば、ポッティング材が音響孔に流れ込むことを確実に防止できるため、マイクロフォンパッケージをさらに容易に製造することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、図1から図5を参照して本発明の一実施形態に係るマイクロフォンパッケージについて説明する。図1〜3に示すように、この実施形態に係るマイクロフォンパッケージ1は、略板状に形成された基板3と、基板3の表面3a側に重ねて配されたマイクロフォンチップ5、LSIチップ7及び蓋体板9とを備えている。
【0018】
基板3は、平面視略矩形の板状に形成されており、その側面3bには、基板3の表面3a及び裏面3cに開口する複数の溝11,11,・・・が上記側面3bから窪んで形成されている。また、基板3には、その表面3aから窪む凹部13が形成されている。
凹部13の底面(搭載面)13aには、マイクロフォンチップ5及びLSIチップ7が配置されるようになっており、図1〜4に示すように、凹部13のうちマイクロフォンチップ5及びLSIチップ7の配列方向の片側には、底面13aから突出する段差部(壁部)15が上記配列方向にわたって形成されている。この段差部15によって基板3の表面3aと凹部13の底面13aとの間が階段状に形成されている。
【0019】
この基板3は、セラミックによって構成される所謂多層配線基板をなしており、図2,4,5に示すように、マイクロフォンパッケージ1を実装する実装基板にマイクロフォンチップ5やLSIチップ7を電気接続するための複数の外部接続配線部17,17,・・・を備えている。
各外部接続配線部17は、段差部15の上面15aに露出して形成されてLSIチップ7に電気接続される内部端子19、基板3の裏面3cに露出して形成されて実装基板に電気接続するための外部端子21、及び、基板3内部に形成されてこれら内部端子19と外部端子21とを電気接続する導線部23を備えている。
【0020】
4つの内部端子19,19,・・・は、段差部15の上面15aのうちLSIチップ7側に寄せた状態で、マイクロフォンチップ5及びLSIチップ7の配列方向に並べて配置されている。各内部端子19は、それぞれ電源用内部端子19A、出力信号用内部端子19B、ゲインコントロール用内部端子19C及びグランド接続用内部端子19Dの役割を果たすようになっている。
なお、この実施形態においては、図2,5に示すように、グランド接続用内部端子19Dが、段差部15の上面15aのうちマイクロフォンチップ5側に寄せて配置されたグランド接続用導線部23Dに電気接続されている。このグランド接続用導線部23Dは段差部15の上面15aから基板3の裏面3cまで貫通してグランド接続用外部端子21Dに電気接続されている。
【0021】
また、基板3は、その表面3aに形成された略環状の接続パッド25を備えており、この接続パッド25の一部が基板3の側面3bに形成された複数の溝11,11,・・・の1つ(溝11A)に到達している。この溝11Aの内面には導線部(不図示)が形成されており、接続パッド25がこの導線部を介して基板3の裏面3cに形成されたグランド接続用外部端子21Dに電気接続されるようになっている。
これら外部接続配線部17、接続パッド25及び溝11Aに形成された導線部は、銀粉末あるいは銅粉末もしくはタングステン粉末を主成分とするペースト(銀粉末あるいは銅粉末もしくはタングステン粉末にバインダー(例えばアクリル樹脂)を混合したもの)を用いてスクリーン印刷等により形成されている。さらに、段差部15の上面15aや基板3の裏面3cに露出する内部端子19や外部端子21には、上述した材料にニッケル及び金のめっきが施されている。
【0022】
さらに、図1,2,5に示すように、基板3には、その裏面3cから凹部13内に貫通する音響孔27が形成されており、段差部15の上面15aにおいて内部端子19とグランド接続用導線部23Dとの間に開口している。すなわち、この音響孔27は、凹部13の底面13aから突出して形成される段差部15によって囲繞されている。
なお、段差部15には、その上面15aからさらに突出して音響孔27を囲繞する略環状の突出壁部29が形成されており、この突出壁部29の先端は、基板3の表面3aよりも低く位置している。
【0023】
蓋体板9は、銅材等の導電性を有する板材にニッケルのめっきを施したものから形成されており、図3〜5に示すように、基板3の表面3aに固定することで、凹部13の開口を覆って基板3と共にマイクロフォンチップ5やLSIチップ7を含む空洞部S1を形成するようになっている。なお、この空洞部S1は基板3に形成された音響孔27によって外方に連通している。
また、蓋体板9は、導電性を有する接続パッド25に当接して電気接続されるようになっている。すなわち、この蓋体板9は接続パッド25及び溝11Aの導線部を介してグランド接続用外部端子21Dに電気接続されることになる。
以上のように構成された基板3及び蓋体板9によって、空洞部S1及び音響孔27を形成したハウジング31が構成されている。
【0024】
マイクロフォンチップ5は、図3に示すように、シリコンによって環状の支持部33の内孔33aを覆うようにダイヤフラム35を設けて構成されている。ダイヤフラム35は音響を振動により検出するものであり、マイクロフォンチップ5はこの振動を電気信号に変換する所謂音圧センサチップを構成している。このマイクロフォンチップ5は、ダイヤフラム35が内孔33aを介して基板3の底面13aに対向するように、不図示のダイボンド材によって基板3の底面13aに固定されている。なお、基板3の底面13aに固定されたマイクロフォンチップ5の上面5aは、段差部15の上面15aよりも高く位置しており、突出壁部29の先端よりも低く位置している。
【0025】
LSIチップ7は、マイクロフォンチップ5を駆動制御する役割を果たしており、例えばマイクロフォンチップ5からの電気信号を増幅するための増幅回路を含んで構成されている。このLSIチップ7は、マイクロフォンチップ5と同様に、不図示のダイボンド材によって基板3の底面13aに固定されている。なお、図3,4に示すように、基板3の底面13aに固定されたLSIチップ7の上面7aは、段差部15の上面15aと略同等の高さ位置となっている。
【0026】
そして、このLSIチップ7の上面7aに形成された一の電極パッド7bは、第1のワイヤー37によってマイクロフォンチップ5の上面5aに形成された電極パッド5bとそれぞれ電気接続されている。また、LSIチップ7の他の電極パッド7cは、第2のワイヤー39によって内部端子19と電気接続されている。これによって、LSIチップ7を介してマイクロフォンチップ5が外部接続配線部17と電気接続されることになる。
【0027】
ここで、LSIチップ7、内部端子19、第1のワイヤー37の一部及び第2のワイヤー39は、基板3の底面13a上に形成された樹脂封止部41によって封止されている。ここで樹脂封止部41を構成する樹脂(ポッティング材)としては、例えばシリコン系樹脂若しくはエポキシ系樹脂がある。
なお、この樹脂封止部41の高さ寸法は、マイクロフォンチップ5の上面5aや突出壁部29の先端の高さ位置よりも低くなるように設定されている。
【0028】
以上のように構成されたマイクロフォンパッケージ1を製造する際には、はじめに、基板3を製造しておく。なお、この基板3は個々に製造されるとしても良いが、例えば、基板3を多数連ねた状態で製造した後に個々に分割するとしても構わない。この場合には、相互に隣り合う基板3同士の間にその厚さ方向に貫通する貫通孔を複数形成しておき、これら貫通孔を分断するように個々の基板3に分割することで、容易に基板3の溝11を形成したり、接続パッド25をグランド接続用外部端子21Dに電気接続させる導線部も容易に溝11Aの内面に形成することができる。
また、上述した貫通孔を形成しておくことで、連ねて形成された基板3の間の強度を弱めておくことができるため、分割部分において折り曲げるだけで容易に個々の基板に分割することができる。
【0029】
次に、この基板3の底面13aのうちマイクロフォンチップ5及びLSIチップ7の搭載位置に液状のダイボンド材を塗布し、マイクロフォンチップ5及びLSIチップ7を配した状態でダイボンド材を硬化させて、マイクロフォンチップ5及びLSIチップ7を底面13aに固定する。この際、液状のダイボンド材が基板3の底面13a上を流れても、段差部15においてこの流れをせき止めることができる。
その後、不図示のキャピラリを用いたワイヤーボンディングを実施して、マイクロフォンチップ5の電極パッド5bとLSIチップ7の一の電極パッド7bとの間に第1のワイヤー37を配すると共に、LSIチップ7の他の電極パッド7cと内部端子19との間に第2のワイヤー39を配する。このワイヤーボンディングにおいては、LSIチップ7の上面7a及び段差部15の上面15aの高さ位置が略同等となっているため、容易にワイヤーボンディングを実施することができる。
【0030】
そして、上記ワイヤーボンディングの終了後には、LSIチップ7の上方から基板3の凹部13に液状のポッティング材を流し込み、ポッティング材を硬化させてLSIチップ7、内部端子19、第1のワイヤー37の一部及び第2のワイヤー39を封止する樹脂封止部41を形成する。この際には、液状のポッティング材が底面13a上や段差部15の上面15a上を流れても、突出壁部29においてこの流れをせき止めることができる。
さらに、マイクロフォンチップ5の上面5aや突出壁部29の先端の高さ位置は、LSIチップ7や段差部15の上面15aの高さ位置よりも高いため、流し込むポッティング材の量を調整することで、ポッティング材がマイクロフォンチップ5の上面5aを覆ったり、音響孔27内に入り込むことを容易に防止できる。
最後に、蓋体板9を基板3の表面3aに固定することでマイクロフォンパッケージ1の製造が完了する。なお、蓋体板9の固定には、導電性を有する接着剤を使用すればよい。
【0031】
上記マイクロフォンパッケージ1によれば、液状のダイボンド材を基板3の底面13aに塗布しても、段差部15においてこの流れをせき止めることができるため、マイクロフォンチップ5やLSIチップ7と音響孔27との間の距離を小さくしてもダイボンド材が音響孔27に流れ込むことを確実に防止することができる。
また、内部端子19も段差部15の上面15aに形成されているため、ダイボンド材によって覆われることを防止でき、LSIチップ7と内部端子19との電気接続を容易に行うことができる。
【0032】
さらに、段差部15の上面15aの高さ位置をLSIチップ7の上面7aの高さ位置と略同等とすることで、容易にワイヤーボンディングを実施することができる。
また、上記ワイヤーボンディングの終了後に、LSIチップ7の上方から基板3の凹部13に液状のポッティング材を流し込んでも、突出壁部29においてこの流れをせき止めて、ポッティング材が音響孔27に流れ込むことを確実に防止することができる。
以上のことから、マイクロフォンパッケージ1を容易に製造することが可能となる。
【0033】
さらに、従来のように、マイクロフォンチップ5と音響孔27との間の距離を長くする必要も無くなるため、マイクロフォンパッケージ1の小型化を容易に図ることもできる。
また、音響孔27から空洞部S1内に入射した光を段差部15やこれに備える突出壁部29において遮蔽することができるため、入射光がシリコンによって構成されるマイクロフォンチップ5に到達することを容易に防止でき、入射光に基づくマイクロフォンチップ5のマイク特性の変化を容易に防止できる。
【0034】
さらに、蓋体板9はグランド接続用外部端子21Dに電気接続されているため、グランド接続用外部端子21Dを実装基板のグランドパターンに接続することで、マイクロフォンパッケージ1の外方側で発生した電磁気的なノイズを蓋体板9において遮断することができる。したがって、上記ノイズがマイクロフォンチップ5に到達することを防止でき、このノイズに基づくマイクロフォンチップ5の誤作動を防止することができる。
【0035】
なお、上記実施形態において、段差部15は、基板3の底面13aに対する段差部15の上面15aの高さ位置がLSIチップ7の高さ寸法と略同等となるように突出して形成されるとしたが、これに限ることはなく、少なくとも基板3の底面13aに対する段差部15の上面15aの高さ位置と、LSIチップ7の高さ寸法との差が小さくなるように突出して形成されていればよい。この構成の場合でも、LSIチップ7と内部端子19との間のワイヤーボンディングを容易に行うことができる。
【0036】
また、段差部15の上面15aからさらに突出する突出壁部29は、音響孔27を囲繞する略環状に形成されるとしたが、これに限ることはなく、少なくとも外部接続配線部17の一端をなす内部端子19との間に形成されていればよい。この構成でも、突出壁部において液状のポッティング材をせき止めることができるため、ポッティング材が音響孔27内に流れ込むことを抑制することができる。
【0037】
さらに、段差部15に上記突出壁部29を形成せずに、音響孔27を直接段差部15の上面15aに開口させるとしても構わない。ただし、この場合には、例えば図6,7に示すように、LSIチップ7との間にマイクロフォンチップ5が配されるように音響孔53を形成することが特に好ましい。なお、図示例の構成では、凹部13の底面13aから突出する段差部(壁部)55がLSIチップ7と共にマイクロフォンチップ5を挟み込むように、上記実施形態のものよりもその形成領域を広げて形成されている。
【0038】
このようにマイクロフォンチップ5及びLSIチップ7の配列方向に並べて音響孔53を形成することで、上記実施形態よりもマイクロフォンパッケージ51全体のサイズは大きくなるが、音響孔53が上記実施形態よりもLSIチップ7から離れて位置するため、上記実施形態のように段差部55の上面55aに突出壁部を形成しなくても、ポッティング材が音響孔53に流れ込むことを十分に抑制できる。
【0039】
なお、上述したマイクロフォンパッケージ51のように、LSIチップ7と共にマイクロフォンチップ5を挟み込む位置まで段差部55を広げて形成した場合には、例えば図8,9に示すように、音響孔53の周囲に段差部55の上面55aから窪む有底の凹部63を形成しておくことが好ましい。
この構成のマイクロフォンパッケージ61では、段差部55を形成した基板65の一端65d側の厚さ寸法が、LSIチップ7を配した基板65の他端65e側の厚さ寸法よりも大きくなっても、凹部63を形成しておくことで、その剛性を一端65d側と他端65e側でほぼ同等とすることができる。このため、基板65を多数連ねた状態で製造した後に分割部分において折り曲げる際に、この分割部分に応力を集中させて容易に基板65を個々に分割することができる。
【0040】
また、上述した全てのマイクロフォンパッケージ1,51,61においては、音響孔27,53が内部端子19を形成した段差部15,55の上面15a,55aに開口するとしたが、これに限ることはなく、例えば音響孔27,53を基板3,65の底面13aに直接開口させ、音響孔27,53の周囲に段差部15,55とは別の環状の壁部を基板3,65の底面13aから突出させて形成しても構わない。また、この壁部は環状に形成されることに限らず、少なくともマイクロフォンチップ5やLSIチップ7と音響孔27,53との間に形成されていればよい。ただし、LSIチップ7との間に形成される壁部については、樹脂封止部41の形成を考慮してLSIチップ7の高さ寸法よりも高くしておくことがより好ましい。
【0041】
これらの構成の場合でも、マイクロフォンチップ5やLSIチップ7と音響孔27,53との間の距離を小さくしてもダイボンド材が音響孔27,53に流れ込むことを抑制することができ、マイクロフォンパッケージの小型化を容易に図ることができる。また、音響孔27,53から入射した光がマイクロフォンチップ5に到達することを容易に防止して、入射光に基づくマイクロフォンチップ5のマイク特性の変化を容易に防止できる。
【0042】
さらに、上述した全てのマイクロフォンパッケージ1,51,61は、LSIチップ7を備えるとしたが、これに限ることはなく、少なくともマイクロフォンチップ5を備えていればよい。この構成の場合には、マイクロフォンチップ5の電極パッド5bと内部端子19とをワイヤーにより直接電気接続すればよい。この構成でも、内部端子19は段差部15,55の上面15a,55aに形成されているため、内部端子19の高さ位置とマイクロフォンチップ5の電極パッド5bの高さ位置との差を小さくすることができるため、キャピラリを用いたワイヤーボンディングを容易に実施することが可能となる。
【0043】
また、上述した全てのマイクロフォンパッケージ1,51,61において、基板3,65は、セラミックによって構成されるとしたが、これに限ることはなく、例えば、ガラスエポキシ樹脂によって構成されるとしてもよい。
さらに、凹部13を有する基板3,65及び略板状の蓋体板9によってハウジング31が構成されるとしたが、これに限ることはなく、少なくともマイクロフォンチップ5の搭載面を含む中空の空洞部、及び、搭載面側に開口して空洞部を外方に連通させる音響孔を有してハウジングが構成されていればよい。
【0044】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】この発明の一実施形態に係るマイクロフォンパッケージにおいて、基板と蓋体板とを相互に分離した状態を示す概略斜視図である。
【図2】図1のマイクロフォンパッケージにおいて、基板の上面側から見た状態を示す概略平面図である。
【図3】図2のA−A矢視断面図である。
【図4】図2のB−B矢視断面図である。
【図5】図2のC−C矢視断面図である。
【図6】この発明の他の実施形態に係るマイクロフォンパッケージにおいて、基板の上面側から見た状態を示す概略平面図である。
【図7】図6のD−D矢視断面図である。
【図8】この発明の他の実施形態に係るマイクロフォンパッケージにおいて、基板の上面側から見た状態を示す概略平面図である。
【図9】図8のE−E矢視断面図である。
【符号の説明】
【0046】
1,51,61・・・マイクロフォンパッケージ、5・・・マイクロフォンチップ、13a・・・底面(搭載面)、15,55・・・段差部(壁部)、15a・・・上面、17・・・外部接続配線部、19・・・内部端子(外部接続配線部の一端)、27,53・・・音響孔、29・・・突出壁部、31・・・ハウジング、S1・・・空洞部
【出願人】 【識別番号】000004075
【氏名又は名称】ヤマハ株式会社
【出願日】 平成18年9月6日(2006.9.6)
【代理人】 【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武

【識別番号】100089037
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 隆


【公開番号】 特開2008−66983(P2008−66983A)
【公開日】 平成20年3月21日(2008.3.21)
【出願番号】 特願2006−241792(P2006−241792)