| 【発明の名称】 |
ヘッドホン |
| 【発明者】 |
【氏名】藤原 啓太郎
【氏名】角田 直隆
【氏名】大里 祐介
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| 【要約】 |
【課題】左側のハウジング側から右側のハウジング側に駆動電流を供給するためのコードをヘッドバンドの保持溝に配索するようにしたヘッドホンにおいて、ヘッドバンドに対してハウジングの高さ調整を行なった場合に、コードが外部に露出したりあるいは突っ張ったりすることなく円滑に伸縮が行なわれるようにし、しかもコードの伸縮のための特別なケースを必要としないようにしたヘッドホンを提供する。
【構成】ヘッドバンド17に対してハウジング15を摺動可能に支持するスライダ22を中空の筒体とし、この筒体内にコード27の螺旋状のカール部28を収納し、スライダ22の移動に伴うコード27の伸縮を、スライダ22内におけるカール部28の伸縮によって吸収する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ヘッドバンドの両端にそれぞれハンガを介してドライブユニットを収納した左右のハウジングを取付けたヘッドホンにおいて、 前記ハンガに中空の筒体から成るスライダが取付けられ、該スライダが前記ヘッドバンドの両端の摺動支持部に摺動自在に支持され、 前記左右のハウジング間に配索されて一方のハウジング内のドライブユニットに駆動電流を流すコードを前記スライダを構成する中空の筒体内に螺旋状にして伸縮自在に収納したことを特徴とするヘッドホン。 【請求項2】 前記スライダに軸線方向に延びる引出し溝が形成され、螺旋状にして収納された前記コードを前記引出し溝を通して引出すことを特徴とする請求項1に記載のヘッドホン。 【請求項3】 前記コードの一端部が前記摺動支持部内において前記引出し溝から引出されて前記ヘッドバンドの保持溝内に配索されることを特徴とする請求項2に記載のヘッドホン。 【請求項4】 前記スライダの下端部が前記ハンガの上端に回動自在に軸受によって連結されるとともに、前記軸受を構成するように前記スライダの下端に該スライダと軸線が直交して取付けられた回動筒体内を前記コードの他端が引出されて前記ハンガの保持溝内に配索されることを特徴とする請求項3に記載のヘッドホン。 【請求項5】 前記摺動支持部に爪が設けられ、該爪が前記引出し溝に係合して前記スライダの回転を防止するとともに、前記ヘッドバンドと前記ハンガとの間の距離を短くするように前記スライダを前記摺動支持部内において摺動させると、前記爪が前記スライダ内に螺旋状に収納されている前記コードを軸線方向に縮めることを特徴とする請求項2に記載のヘッドホン。 【請求項6】 ヘッドバンドの両端にそれぞれハンガを介してドライブユニットを収納した左右のハウジングを取付けたヘッドホンにおいて、 前記ハンガにロッド状をなすスライダが取付けられ、該スライダが前記ヘッドバンドの両端の摺動支持部に摺動自在に支持され、 前記左右のハウジング間に配索されて一方のハウジング内のドライブユニットに駆動電流を流すコードを前記ロッド状のスライダの外周面上に螺旋状に巻装して伸縮自在としたことを特徴とするヘッドホン。 【請求項7】 前記ロッド状をなすスライダがU字状に屈曲され、前記U字状に屈曲された端部側が前記摺動支持部に摺動自在に支持されるとともに、前記スライダの2本に分離された反対側の端部が前記ハンガの上端に連結されていることを特徴とする請求項6に記載のヘッドホン。 【請求項8】 前記ロッド状のスライダに巻装されたコードの上端が前記摺動支持部内に引出されるとともに、該摺動支持部に係止手段によって係止されることを特徴とする請求項6に記載のヘッドホン。 【請求項9】 前記引出されたコードが前記摺動支持部内の係止ピンの周囲を迂回するように屈曲されて係止されることを特徴とする請求項8に記載のヘッドホン。 【請求項10】 前記ロッド状のスライダに巻装されたコードの下端が引出し案内部で引出されて前記ハンガの保持溝に配索されることを特徴とする請求項8に記載のヘッドホン。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明はヘッドホンに係り、とくにヘッドバンドの両端にそれぞれハンガを介してドライブユニットを収納した左右のハウジングを取付けたヘッドホンに関する。 【背景技術】 【0002】 音が外に洩れないようにしながら、例えば音楽を楽しむために、従来よりヘッドホンが広く用いられている。一般にヘッドホンは、ヘッドバンドの両端にそれぞれハンガを介して左右のハウジングを取付けた構造を有しており、上記ハウジング内には小型スピーカから成るドライブユニットが配されている。従ってこのドライブユニットのボイスコイルに電流を流すことによって、該ドライブユニットによって音声が再生される。 【0003】 従って左右のハウジング内のドライブユニットにそれぞれ音声信号を供給するために、コードを左右のハウジング内のドライブユニットに接続している。ここでヘッドホンのコードは、左右のハウジングからそれぞれコードを別々に引出す方式と、右側のハウジングのコードをヘッドバンドを通して左側のハウジング内に導出し、該左側のハウジングから左右のドライブユニットに駆動電流を供給するコードを揃えて引出す方式とがある。前者の方式は、首の部分に左右2本のコードが引出されるために、ユーザに対して煩雑感や不快感を与える。これに対して後者の方式の場合は、左側のハウジングから合わされた1本のコードが引出されるようになり、これによってユーザに対する煩雑感を軽減できるようになる。 【0004】 ところが後者の方式であって、右側のハウジング内のドライブユニットと接続されたコードをヘッドバンドを通して左側のハウジングに接続する方式は、ハウジングとヘッドバンドとの間の距離を調整するための伸縮機構の調整動作に応じて、このコードを伸縮調整するための機構を設ける必要がある。このような伸縮機構としては、コードを直接外部に露出させる方式の他に、コードを中間のスライダケース等の中に屈曲させて収納する等の構造が提案されている。図1は前者の外部にコードを露出させる構成を示している。ここではドライブユニットを収納したハウジング1をハンガ2に回動自在に取付け、このハンガ2に取付けられているスライダ3をヘッドバンド4の端部に固着された摺動支持部5の摺動孔に摺動自在に連結している。 【0005】 上記スライダ3を摺動支持部5に対して摺動調整することにより、ヘッドバンド4とハウジング1との間の距離を調整することが可能になる。この場合にコード6の余剰部分は側方に突出するように露出することになる。すなわちコード6の屈曲して突出する突出部の量の変化によって伸縮構造を達成している。 【0006】 このような図1に示すコード6の伸縮構造は、図から明らかな如く、コード6が側方に露出されており、この部分においてはコード6が自由に動いてしまうために、外部からの衝撃のためにコード6が断線する恐れがあったり、あるいは別の部材に引掛ける等のトラブルが発生する問題がある。 【0007】 図2はスライダケース8内にコード6の余剰部分を屈曲させて収納するヘッドホンを示している。すなわちヘッドバンド4の下端側にスライダ3が連結されるとともに、このスライダ3がハンガ2の上端に連設されたスライダケース8に対して摺動可能になっている。 【0008】 従って図2Aに示すように、ヘッドバンド4に対してハウジング1を近接させるように調整すると、余剰のコード6がスライダケース8内に屈曲した状態で保持される。これに対して図2Bに示すように、ヘッドバンド4に対してハウジング1を下方に離間させると、上記スライダ3がスライダケース8から上方に抜出すために、スライダ3に連結されたコード7もスライダケース8から引出されるようになる。 【0009】 図2に示すようなスライダケース8内にコード6を屈曲して保持する構造は、コード6をU字形にするスライダケース8の部分が小さすぎると、スライダ3を大きく引出した場合にはコード6の長さが不足し、これによってコード6が破断してしまうことになり、このためにコード6を屈曲して保持するスライダケース8の縦方向の寸法をある程度長くする必要がある。従って比較的大きな寸法のスライダケース8を設けなければならず、これによってヘッドホンのコンパクト化が妨げられる。 【0010】 この他に、例えば特許第3520531号公報に示されるように、コードをヘッドバンドの保持溝に伸縮不能に配索し、しかもヘッドバンドに対してハウジングを調整不能に取付けるようにし、上記ヘッドバンドの下側にヘッドクッションを取付け、このヘッドクッションによって実質的な高さ調整を行なうようにしているヘッドホンがある。 【0011】 このような構造は、ヘッドクッションを最大限に伸長した場合においても、なおこのヘッドクッションがヘッドバンドに干渉しないようにしなければならず、これによってヘッドバンドの大きさが大きくなり、このために頭部に装着する部分が大仰になる欠点がある。また頭部に装着する部分がヘッドバンドとヘッドクッションを構成するサスペンダとの2つの部品から構成されることになり、これによって部品点数が増加し、重量も増加する欠点がある。 【特許文献1】特許第3520531号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0012】 本願発明の課題は、ドライブユニットを収納したハウジングの位置を調整してハウジングをヘッドバンドに近付けた場合に、余剰のコードが外部に露出しないようにしたヘッドホンを提供することである。 【0013】 本願発明のさらに別の課題は、ハウジングをヘッドバンドに近接するように移動させた場合において、余剰のコードを収納するためのスライダケースを必要としないようにしたヘッドホンを提供することである。 【0014】 本願発明のさらに別の課題は、頭部に装着する部分として、ヘッドバンドの他にサスペンダあるいはヘッドクッションを必要としないようにしたヘッドホンを提供することである。 【0015】 本願発明のさらに別の課題は、ハウジングをヘッドバンドに近接するように調整した場合において、余剰のコードを外部に露出させることなくしかもコンパクトに保持できるようにしたヘッドホンを提供することである。 【0016】 本願発明の上記の課題および別の課題は、以下に述べる本願発明の技術的思想、およびその実施の形態によって明らかにされる。 【課題を解決するための手段】 【0017】 本願の主要な発明は、ヘッドバンドの両端にそれぞれハンガを介してドライブユニットを収納した左右のハウジングを取付けたヘッドホンにおいて、 前記ハンガに中空の筒体から成るスライダが取付けられ、該スライダが前記ヘッドバンドの両端の摺動支持部に摺動自在に支持され、 前記左右のハウジング間に配索されて一方のハウジング内のドライブユニットに駆動電流を流すコードを前記スライダを構成する中空の筒体内に螺旋状にして伸縮自在に収納したことを特徴とするヘッドホンに関するものである。 【0018】 ここで、前記スライダに軸線方向に延びる引出し溝が形成され、螺旋状にして収納された前記コードを前記引出し溝を通して引出すようにしてよい。また前記コードの一端部が前記摺動支持部内において前記引出し溝から引出されて前記ヘッドバンドの保持溝内に配索されてよい。また前記スライダの下端部が前記ハンガの上端に回動自在に軸受によって連結されるとともに、前記軸受を構成するように前記スライダの下端に該スライダと軸線が直交して取付けられた回動筒体内を前記コードの他端が引出されて前記ハンガの保持溝内に配索されてよい。また前記摺動支持部に爪が設けられ、該爪が前記引出し溝に係合して前記スライダの回転を防止するとともに、前記ヘッドバンドと前記ハンガとの間の距離を短くするように前記スライダを前記摺動支持部内において摺動させると、前記爪が前記スライダ内に螺旋状に収納されている前記コードを軸線方向に縮めるようにしてよい。 【0019】 本願の別の主要な発明は、ヘッドバンドの両端にそれぞれハンガを介してドライブユニットを収納した左右のハウジングを取付けたヘッドホンにおいて、 前記ハンガにロッド状をなすスライダが取付けられ、該スライダが前記ヘッドバンドの両端の摺動支持部に摺動自在に支持され、 前記左右のハウジング間に配索されて一方のハウジング内のドライブユニットに駆動電流を流すコードを前記ロッド状のスライダの外周面上に螺旋状に巻装して伸縮自在としたことを特徴とするヘッドホンに関するものである。 【0020】 ここで、前記ロッド状をなすスライダがU字状に屈曲され、前記U字状に屈曲された端部側が前記摺動支持部に摺動自在に支持されるとともに、前記スライダの2本に分離された反対側の端部が前記ハンガの上端に連結されてよい。また前記ロッド状のスライダに巻装されたコードの上端が前記摺動支持部内に引出されるとともに、該摺動支持部に係止手段によって係止されてよい。また前記引出されたコードが前記摺動支持部内の係止ピンの周囲を迂回するように屈曲されて係止されてよい。また前記ロッド状のスライダに巻装されたコードの下端が引出し案内部で引出されて前記ハンガの保持溝に配索されてよい。 【0021】 本願発明の好ましい態様は、ヘッドバンド長調整機構を持つヘッドホンにおいて、左右のハウジングを電気的に結合するために配索された配線コードの一部がほぼコイル状をしており、当該コイル部分に軸線方向に弾性をもたせるようにしたものである。さらに発展させた態様は、上記のヘッドホンにおいて、ヘッドバンド長調整機構が一対の摺動する管体と支持機構から構成され、管体の内部にコイル状の配線コードを収納し、該配線コードの軸線方向の弾性を利用して管体の摺動に追従するようにしている。あるいはまたヘッドバンド調整機構が一対の摺動するロッドと支持機構とから構成され、かつコイル状の配線コードがそのロッドに巻付けられるように配され、同配線コードの軸線方向の弾性を利用してロッドの摺動方向に追従させるようにしている。 【0022】 上記の態様によれば、管体状のスライダの内部にコイル状のコードを配する構造とし、スライダの摺動にコードを追従させることによって、コンパクトであってしかもコードが外部に露出しなくなり、これによって外部からの衝撃によるコードの断線を防ぐ構造をもつことになる。一方ロッド状のスライダにコイル状のコードを巻付ける構造は、コードが外部に露出しているものの、スライダによってコードの位置が規制されており、スライダの摺動にコードが追従するために、コードの断線に対する信頼性が向上し、しかもヘッドホンの構造をコンパクトにすることが可能になる。 【発明の効果】 【0023】 本願の主要な発明は、ヘッドバンドの両端にそれぞれハンガを介してドライブユニットを収納した左右のハウジングを取付けたヘッドホンにおいて、ハンガに中空の筒体から成るスライダが取付けられ、該スライダがヘッドバンドの両端の摺動支持部に摺動自在に支持され、左右のハウジング間に配索されて一方のハウジング内のドライブユニットに駆動電流を流すコードをスライダを構成する中空の筒体内に螺旋状にして伸縮自在に収納するようにしたものである。 【0024】 従ってこのようなヘッドホンによると、ハウジングのヘッドバンドに対する取付け位置を調整するためにスライダを摺動支持部に対して摺動調整すると、左右のハウジング間に配索されたコードがスライダを構成する筒体内において伸縮調整されることになり、これによってコードの長さ調整が達成される。従って外部にコードを露出させたり、あるいはまたスライダケースのような余剰のコード長を吸収する部材を必要としなくなる。 【0025】 本願の別の主要な発明は、ヘッドバンドの両端にそれぞれハンガを介してドライブユニットを収納した左右のハウジングを取付けたヘッドホンにおいて、ハンガにロッド状をなすスライダが取付けられ、該スライダがヘッドバンドの両端の摺動支持部に摺動自在に支持され、左右のハウジング間に配索されて一方のハウジング内のドライブユニットに駆動電流を流すコードをロッド状のスライダの外周面上に螺旋状に巻装して伸縮自在としたものである。 【0026】 従ってこのようなヘッドホンによると、ヘッドバンドに対してハウジングの取付け位置を調整するためにスライダを摺動支持部において摺動調整すると、ロッド上のスライダの外周面上に螺旋状に巻装されたコードが伸縮し、これによってコードの長さの変更に対応することが可能になる。従ってロッド上のスライダの外周面から側方に大きくコードが突出したり、あるいはまたロッド上のスライダ上においてコードが突っ張ったりすることがなくなる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0027】 以下本願発明を図示の実施の形態によって説明する。まず第1の実施の形態について説明する。図3および図4は第1の実施の形態のヘッドホンの全体の構成を示している。ヘッドホンは左右一対のハウジング15を備えている。なおこれらのハウジング15内にはその入口部分を閉塞するようにバッフル板が取付けられ、このバッフル板の内側に、小型スピーカから成るドライブユニットが取付けられており、このドライブユニットのボイスコイルに対して信号電流を流すと、スピーカと同じ原理によって音声が再生されるようになっている。そしてハウジング15はハンガ16に回動可能に連結されるとともに、ハンガ16を介してヘッドバンド17に取付けられるようになっている。また上記ハウジング15の内側の周囲の部分にはイヤパッド18が取付けられる。 【0028】 ここで上記ハウジング15とヘッドバンド17との間の位置を調整するための調整機構が設けられている。この調整機構は、図5および図6に示すように、ヘッドバンド17の両端にそれぞれ取付けられた摺動支持部20を備え、この摺動支持部20の摺動孔21にスライダ22を摺動可能に支持するように構成されている。スライダ22は上記ハウジング15を回動可能に支持するハンガ16の上端に回動軸受部23によって回動可能に支持されている。 【0029】 ヘッドバンド17の保持溝31に配索され、左側のハウジング15を通して右側のハウジング15内のドライブユニットに信号電流を供給するためのコード27のカール部28が、上記スライダ22内に螺旋状に収納保持されている。すなわちコード27は図7に示すように、その両端の近傍にそれぞれカール部28を備え、このカール部28が上記スライダ22内に螺旋状になった状態で収納されている。そして上記スライダ22の下端側には図8に示すように回動筒体29が連結され、この回動筒体29の部分でスライダ22は回動軸受部23に回動可能に支持される。 【0030】 このようにハンガ16の回動軸受部23によって回動自在に連結されたスライダ22には、その外表面上に軸線方向に延びる引出し溝30が形成され、この引出し溝30を通してコード27が引出されるようになっている。なおカール部28の上端側のコード27は、スライダ22から引出された後に、摺動支持部20の内部を通過して、ヘッドバンド17の保持溝31に配索されるようになっている(図9参照)。また上記スライダ22の下端側であって回動筒体29を通って回動軸受部23から引出されたコード27は、ハンガ16の保持溝32内に配索されるようになっている。 【0031】 このように本実施の形態のヘッドホンは、コード27が図7に示すようにその両端にそれぞれカール部28を備え、このようなカール部28が左右のスライダ22内に図8AおよびBに示すように、螺旋状にして伸縮自在に収納されている。従ってスライダ22を図9Aに示すように、摺動支持部20から引出すと、中空のスライダ22内のコード27のカール部28が伸長するようになる。これに対してスライダ22をヘッドバンド17の摺動支持部内に押込むと、図9Bに示すようにコード27のカール部28が収縮するようになる。 【0032】 このようにスライダ22の摺動によってハウジング15とヘッドバンド17との間の距離の調整を行なうと、コード27の長さ調整によって余る部分あるいは不足する部分を、中空のスライダ22内におけるカール部28の伸縮によって対応することが可能になる。そしてこのような構造は、伸縮の際にコード27が外部に露出することがなく、このために外部からの衝撃によるコードの断線を防ぐことが可能になる。またコード27を十分に引出した場合においても、なおこのスライダ22内において螺旋状の状態で余裕を持ってコード27のカール部28が螺旋状の形態を維持しているために、コード27あるいはそのカール部28に張力がかかって断線事故を生ずることがない。 【0033】 このようなヘッドホンによって音楽を聴く場合には、上述の如くスライダ22の摺動支持部20に対する引出し長さを調整し、これによってヘッドバンド17に対するハウジング15の高さ調整を行ない、適正な位置にハウジング15を位置調整する。このような状態で頭部に装着するとともに、上記コード27を通して信号電流を供給する。すると信号電流が左のハウジング15内のドライブユニットのみならず、右側のハウジング15のドライブユニットにも供給され、これによってそれぞれのハウジング15内のドライブユニットが音声を再生することになり、これによって例えば音楽を楽しむことが可能になる。 【0034】 次に上記実施の形態の変形例を図10および図11によって説明する。この変形例は、スライダ22を支持している摺動支持部20内に摺動爪36を配したものである。摺動爪36は図11に示すように、その上面に突条37を備えるとともに、突条37の一端側の部分にはさらに上方に突出するように突出部38が形成されている。さらに上記突条37上には引出し孔39が形成されるとともに、この引出し孔39と連通する引出し溝40が摺動爪36の側方に開放されている。 【0035】 従ってこのような摺動爪36を摺動支持部20内に配するとともに、この摺動爪36の突条37を引出し溝30に係合させる。すると摺動爪36の突出部38が上記スライダ22の内部に突出するようになる。スライダ22は、摺動爪36の突条37および突部38によって、摺動支持部20に対する回転が防止される。 【0036】 従ってこのような構成によると、とくに図10に示すように、スライダ22を摺動支持部20に対して大きく押込んだ場合には、上記摺動爪36の突出部38がコード27のカール部28であってスライダ22内に収納されている螺旋状の部分の上端を押圧することになる。このことはとくにスライダ22内におけるコード27のカール部28の収縮動作を助長することになり、これによってカール部28が効果的に収縮するようになる。なおカール部28と連続するコード27の上端側の部分は、この摺動爪36の引出し孔39から引出し溝40を通して側方に引出され、摺動支持部20内を通過し、ヘッドバンド17の保持溝31内に配索される。 【0037】 次に別の変形例を図12によって説明する。この変形例の構成は、ヘッドバンド17の両端の部分に、連結部48を介して筒体46を取付けるようにし、この筒体46に対して摺動自在にそれよりも一回り小さな中間の筒体45を配し、さらに筒体45内に小さな筒体44を摺動自在に配するようにしている。ここで1番内側の小さな筒体44が回動軸受部23を介してハンガ16の上端に回動可能に連結されるようになっている。 【0038】 従ってヘッドバンド17に対してハウジング15を大きく離す場合には、図12Aに示すように、ヘッドバンド17に連結部48を介して取付けられている大きな筒体46から中間の筒体45を下方に引出し、さらに中間の筒体45から下端側の小さな筒体44を引出すようにする。従ってここでは、外側の大きな筒体46が中間の筒体45に対して摺動支持部を構成し、中間の筒体45が先端側の筒体44に対して摺動支持部を構成することになる。 【0039】 ハウジング15をヘッドバンド17に対して近接して配する場合には、図12Bに示すように、下側の小さな筒体44を中間の筒体45内に収納し、さらに中間の筒体45を外側の大きな筒体46内に収納する。ここで3つの筒体44、45、46の相対的な収納量を調整することによって、ヘッドバンド17に対するハウジング15の高さを任意に調整できるようになる。 【0040】 しかもこのような調整の際に、上記コード27のカール部28が1番内側の筒体44内において螺旋状であって伸縮自在に収納されている。しかもこのようなカール部28の伸縮量が、図12A、Bから明らかなように、3つの筒体44〜46の相対的な伸縮量に応じて適正に伸縮するために、これによってコード27の長さ調整が行なわれるようになる。しかもこのときに、コード27が外部に露出することはない。 【0041】 次に図13〜図15によって、別の実施の形態を説明する。この実施の形態は、中空の筒体から成るスライダ22に代えて、U字状に屈曲したスライダ52が用いられるようになっており、このようなスライダ52によって、ヘッドバンド17とハウジング15との間の距離を調整するようにしている。スライダ52の上端側の屈曲された部分がヘッドバンド17の両端に連設された摺動支持部20の摺動孔21内に摺動自在に支持されるとともに、スライダ52の2本の下端側の部分は互いに近接するように屈曲されて屈曲部53を構成している。そしてこのような屈曲部53が図15に示すように、ハンガ16の上端側の軸受リブ54の部分に挿通され、これによってスライダ52の下端がハンガ16の上端に回動可能に連結されている。このような構造によって、上記第1の実施の形態における回動連結の構造と同等の機能を達成するようにしている。 【0042】 左右のハウジング15間における信号の伝達を行なうためのコード27のカール部28は、上記スライダ52を構成するロッドの内の1本の部分にその外周面上に螺旋状に巻装されている。ここでスライダ52上において、上記コード27のカール部28は伸縮可能になっている。 【0043】 なおカール部28の上端側のコード27の部分は図15A、Bに示すように、摺動支持部20内に形成された一対の係止ピン57と突部58とによって係止されるようになっている。そして係止ピン57と突部58とによって係止されたコード27の端部は上方に引出され、ヘッドバンド17の保持溝60内に保持されるようになっている。これに対してカール部28の下端側の部分のコード27は、上記スライダ52の両側の屈曲部53間から引出され、ハンガ16の内面に形成された保持溝32内に配索されている。 【0044】 以上のような構成において、ハウジング15をヘッドバンド17に対して高さ調整する場合には、図15Aおよび図15Bに示すように、摺動支持部20に対してスライダ52が移動することになり、このときにスライダ52を構成する一方のロッド上において、コード27のカール部28が図15Aに示すように収縮したり、図15Bに示すように伸長したりする。従ってスライダ22の移動に伴うコード27の長さをカール部28の伸縮によって吸収することが可能になる。そしてこのような伸縮動作の際にも、コード27のカール部28が外部に大きく突出することがなく、あるいはまた必要以上に緊張するように引っ張られることがない。従ってコード27の断線事故を生ずることが防止される。 【0045】 図16および図17は上記実施の形態の変形例を示しており、ここではU字状に屈曲されたスライダ52に代えて、第1の実施例と同様の比較的大きな寸法の筒体から成るスライダ22が用いられている。そしてこのスライダ22上にコード27のカール部28が巻装される構造となっている。なおここで、カール部28の上端側においてコード27は摺動支持部20の案内溝63の部分に引出されるようになっている。これに対してカール部28の下端側においては、コード27が回動軸受部23の内部を通過し、ハンガ16の内側の保持溝32内に配索されるようになっている。 【0046】 このような構造においても、ハウジング15をヘッドバンド17に対して高さ方向に伸縮調整する際に、スライダ22上に巻装されたコード27のカール部28が伸縮するようになり、これによってコード27の長さ調整が達成されることになる。従ってこのような形態でも、上記実施の形態と同様の作用効果を奏することが可能になる。 【0047】 以上本願発明を図示の実施の形態によって説明したが、本願発明は上記実施の形態によって限定されることなく、本願発明の技術的思想の範囲内において各種の変更が可能である。例えば上記実施の形態における、スライダや摺動支持部の組合わせ構造については、各種の設計変更が可能である。 【産業上の利用可能性】 【0048】 本願発明は、ヘッドバンドの部分に一方のハウジング内のドライブユニットへ信号電流を通すためのコードを配索するようにしたヘッドホンに利用することが可能である。 【図面の簡単な説明】 【0049】 【図1】従来のヘッドホンの構造を示す側面図である。 【図2】スライダケースを備える従来のヘッドホンの構造を示す側面図である。 【図3】第1の実施の形態のヘッドホンの正面図である。 【図4】同ヘッドホンの側面図である。 【図5】同ヘッドホンのスライダの摺動機構を示す縦断面図である。 【図6】同スライダの摺動機構を示す斜視図である。 【図7】コードの形態を示す正面図である。 【図8】スライダ内におけるコードの形態を示す縦断面図および拡大横断面図である。 【図9】スライダの摺動動作を示す要部側面図である。 【図10】摺動爪を備えた変形例のスライダの摺動機構を示す要部拡大断面図である。 【図11】同摺動爪の拡大斜視図である。 【図12】3つの筒体による摺動機構を備える変形例の要部正面図である。 【図13】第2の実施の形態のヘッドホンの正面図である。 【図14】同ヘッドホンのスライダの摺動機構を示す要部斜視図である。 【図15】スライダの摺動動作を示す拡大側面図である。 【図16】変形例の摺動機構を示す要部斜視図である。 【図17】同要部拡大断面図である。 【符号の説明】 【0050】 1…ハウジング、2…ハンガ、3…スライダ、4…ヘッドバンド、5…摺動支持部、6…コード、8…スライダケース、15…ハウジング、16…ハンガ、17…ヘッドバンド、18…イヤパッド、20…摺動支持部、21…摺動孔、22…スライダ、23…回動軸受部、27…コード、28…カール部、29…回動筒体、30…引出し溝、31…保持溝、32…保持溝、33…突条、36…摺動爪、37…突条、38…突出部、39…引出し孔、40…引出し溝、44…筒体(小)、45…筒体(中)、46…筒体(大)、48…連結部、49…引出し孔、52…スライダ、53…屈曲部、54…軸受リブ、57…係止ピン、58…突部、60…保持溝、63…案内溝
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| 【出願人】 |
【識別番号】000002185 【氏名又は名称】ソニー株式会社
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| 【出願日】 |
平成18年9月6日(2006.9.6) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100078145 【弁理士】 【氏名又は名称】松村 修
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| 【公開番号】 |
特開2008−66977(P2008−66977A) |
| 【公開日】 |
平成20年3月21日(2008.3.21) |
| 【出願番号】 |
特願2006−241703(P2006−241703) |
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