| 【発明の名称】 |
音声再生装置、音声再生方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】松林 慶
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| 【要約】 |
【課題】ネットワークにおいて、同じオーディオソースのデータの送信を受ける複数のオーディオ再生装置により再生される音声の出力タイミングについて同期が図られるようにする。
【構成】オーディオ再生装置に接続したマイクロフォンにより収音する外部音声として、自身の再生音声を取得し、所定の信号処理段階にて得られる内部再生オーディオ信号のタイミングを起点として、自身の内部信号処理遅延を計測する。また、他機の再生音声も収音して取得して、内部再生オーディオ信号のタイミングを起点とする他機の再生音声の遅延時間も計測する。これらの遅延時間により、自機の再生音声に対する他機の再生音声の遅延時間を計測し、この遅延時間に対応して、内部再生オーディオ信号の出力タイミングを可変する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 1つのオーディオ信号出力源から供給されるオーディオ信号を入力して、音声として再生出力させるための信号処理を実行する音声再生信号処理手段と、 上記音声再生信号処理手段により再生出力される音声の発生源が設置される位置に応じて決められたとされる所定位置にて周囲音声を収音するようにして設けられるマイクロフォン装置の収音音声信号から、他の音声再生装置が上記オーディオ信号出力源から供給されるオーディオ信号を入力して再生出力中にあるとされる他機音声の音声信号成分を取得する他機出力音声取得手段と、 上記他機出力音声取得手段により他機音声の音声信号成分が取得されるタイミングと、上記他機音声の音声信号成分と同じとされる再生音声内容を有する音声が上記音声再生信号処理手段により再生出力されるタイミングとの時間差を検出する時間差検出手段と、 上記時間差検出手段により検出された時間差に基づいて上記音声再生信号処理手段により音声が再生出力されるタイミングを変更するようにして制御する再生出力制御手段と、 を備えることを特徴とする音声再生装置。 【請求項2】 上記他機出力音声取得手段は、 上記音声再生信号処理手段により再生出力される音声について所定の周波数帯域が減衰された特性となるようにした状態の下で、上記所定の周波数帯域のみによる上記収音音声信号を取得することで、上記他機音声の音声信号成分を取得するようにされている、 ことを特徴とする請求項1に記載の音声再生装置。 【請求項3】 上記時間差検出手段は、 上記音声再生信号処理手段における所定の信号処理経路に対応する信号処理時間と、上記音声再生信号処理手段における所定の信号処理経路に入力されるオーディオ信号のタイミングと、このオーディオ信号と同じとされる再生音声内容を有する他機音声の音声信号成分が取得されるタイミングとの時間差とに基づいて、 上記他機出力音声取得手段により他機音声の音声信号成分が取得されるタイミングと、上記他機音声の音声信号成分と同じとされる再生音声内容を有する音声が上記音声再生信号処理手段により再生出力されるタイミングとの時間差を検出するようにされている、 ことを特徴とする請求項1に記載の音声再生装置。 【請求項4】 上記時間差検出手段は、 上記音声再生信号処理手段により再生出力される音声の発生源が設置される位置に応じて決められたとされる所定位置にて周囲音声を収音するようにして設けられるマイクロフォン装置の収音音声信号から、上記音声再生信号処理手段により再生出力される自機音声の音声信号成分を取得し、 上記音声再生信号処理手段の所定の信号処理段階において、上記自機音声の音声信号成分と同じ再生音声内容を有するオーディオ信号が得られるタイミングと、上記自機音声の音声信号成分を取得したタイミングとの時間差を求めることにより、 上記音声再生信号処理手段における所定の信号処理経路に対応する信号処理時間を得るようにされている、 ことを特徴とする請求項3に記載の音声再生装置。 【請求項5】 1つのオーディオ信号出力源から供給されるオーディオ信号を入力して、音声として再生出力させるための信号処理を実行する音声再生信号処理手順と、 上記音声再生信号処理手順により再生出力される音声の発生源が設置される位置に応じて決められたとされる所定位置にて周囲音声を収音するようにして設けられるマイクロフォン装置の収音音声信号から、他の音声再生装置が上記オーディオ信号出力源から供給されるオーディオ信号を入力して再生出力中にあるとされる他機音声の音声信号成分を取得する他機出力音声取得手順と、 上記他機出力音声取得手順により他機音声の音声信号成分が取得されるタイミングと、上記他機音声の音声信号成分と同じとされる再生音声内容を有する音声が上記音声再生信号処理手順により再生出力されるタイミングとの時間差を検出する時間差検出手順と、 上記時間差検出手順により検出された時間差に基づいて上記音声再生信号処理手順により音声が再生出力されるタイミングを変更するようにして制御する再生出力制御手順と、 を実行することを特徴とする音声再生方法。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、オーディオ信号を音声として再生出力する音声再生装置と、その方法に関する。 【背景技術】 【0002】 例えば、いわゆるホームネットワークといわれるものとして、ビデオ・オーディオ向けのネットワークを構築することが行われるようになってきており、また、提案されている。ちなみに、このようなビデオ・オーディオ向けのホームネットワーク(AVホームネットワーク)に対応した規格の1つとしてDLNA(Digital Living Network Alliance)が策定されている。DLNAに準拠することで、例えば、同じベンダーに制限されることなく高い汎用性でAVホームネットワークを構築することができる。 【0003】 例えばこのようなAVホームネットワークでは、サーバとして機能する装置からビデオ・オーディオコンテンツを送出し、プレーヤとなる音響再生装置(音声再生装置)でビデオ・オーディオコンテンツとしてのデータ(ビデオ信号、オーディオ信号)を受信して、例えば楽曲などの音声として再生出力させることができる。ホームネットワークの場合、コンテンツの供給源となるサーバとなる装置と、コンテンツを受信して再生するプレーヤとなる装置とは、ネットワークで接続されていさえすれば、例えば家屋内などにおいてそれぞれが離れた場所に設置されていても構わないものであり、これがホームネットワークの利点の1つとして挙げられる。つまりサーバ装置の設置場所に制限されることなく、例えば家屋内の任意の部屋、場所にプレーヤを設置してビデオ・オーディオコンテンツを視聴して楽しむことができる。 【0004】 また、AVホームネットワークとしては、サーバとプレーヤ間のビデオ・オーディオコンテンツのデータ送受信を、例えばネットワーク通信により行うことになる。従って、例えばマルチキャストなどの送信モードを使用することで、サーバから同一のビデオ・オーディオコンテンツを複数のプレーヤにストリーミング形式で送出して、これらのプレーヤでほぼ同時的にコンテンツを再生出力させるようにすることが可能となる。 すると、AVネットワークの1つの利用形態として、例えば、ユーザである家族の一員が掃除などで家屋内を頻繁に移動するような状況のときに、1つのサーバから、離れた部屋に設置している複数の音声再生装置に対して同一のオーディオコンテンツを送出して再生出力させる、というものが考えられる。このようにすれば、ユーザは、家屋内のどこに移動しても、同じオーディオコンテンツを、充分な音量、音質で聞くことができる。 【0005】 【特許文献1】特開2003−37585号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0006】 しかしながら、ネットワークによる通信は、いわゆるベストエフォート型といわれるもので、トラフィックの増加やエラーなどによる通信速度の低下が許容されている。このために、例えば上記のようにして、1つのサーバから複数の音声再生装置(プレーヤ)に対して同一のオーディオコンテンツを同時的に送出しているとしても、上記複数の音声再生装置にて、同時とみてよいタイミングで再生出力されている保証は得られない。そして、複数の音声再生装置の間での音声の再生出力タイミングが或る程度以上ずれたとすると、それを聞いているユーザは、違和感、不快感を感じることになってしまい、好ましくない。 【課題を解決するための手段】 【0007】 そこで本発明は上記した課題を考慮して、音声再生装置として次のように構成する。 つまり、1つのオーディオ信号出力源から供給されるオーディオ信号を入力して、音声として再生出力させるための信号処理を実行する音声再生信号処理手段と、この音声再生信号処理手段により再生出力される音声の発生源が設置される位置に応じて決められたとされる所定位置にて周囲音声を収音するようにして設けられるマイクロフォン装置の収音音声信号から、他の音声再生装置がオーディオ信号出力源から供給されるオーディオ信号を入力して再生出力中にあるとされる他機音声の音声信号成分を取得する他機出力音声取得手段と、この他機出力音声取得手段により他機音声の音声信号成分が取得されるタイミングと、他機音声の音声信号成分と同じとされる再生音声内容を有する音声が上記音声再生信号処理手段により再生出力されるタイミングとの時間差を検出する時間差検出手段と、この時間差検出手段により検出された時間差に基づいて音声再生信号処理手段により音声が再生出力されるタイミングを変更するようにして制御する再生出力制御手段とを備えて構成することとした。 【0008】 上記構成による本願発明の音声再生装置では、1つのオーディオ信号出力源からオーディオ信号を入力して音声として再生出力させるようにされている。また、本願発明においては、他の音声再生装置によっても、同じオーディオ信号出力源から供給される同じオーディオ信号を入力して音声として再生出力させている状況を前提としている。なお、ここでのオーディオ信号出力源とは、本願発明の音声再生装置の内部、外部に関わらず、オーディオ信号を所定の出力経路により出力することのできる装置、部位をいう。 そのうえで、本願の音声再生装置では、他の音声再生装置が、同じオーディオ信号出力源から供給される同じオーディオ信号を入力して再生出力させている音声(他機音声)をマイクロフォンにより収音して取得する。そして、この他機音声がマイクロフォンにより収音、取得されるとしたタイミングと、この他機音声と同じとされる再生音声内容の音声が、本願発明の音声再生装置により再生出力されるタイミングとの時間差を求める。この時間差が、本願発明の音声再生装置と他の音声再生装置とで、同時タイミングにより再生出力されるべき音声のずれ量を示すことになる。そこで、例えばこのずれ量が解消される、あるいは小さくなる傾向となるようにして、本願発明の音声再生装置側で、音声が再生出力されるタイミングを可変するようにされる。これにより、本願発明の音声再生装置と他の音声再生装置とで再生出力している同一音源の音声は、同時とされるタイミングで出力されるようにすることが可能となる。 【発明の効果】 【0009】 このようにして、本願発明によっては、複数の音声再生装置により再生出力する同一音源の音声が同時となるように同期が保たれることとなる。これにより、例えば或る一定の物理範囲内において上記複数の音声再生装置により再生出力される音声を共に聴くような状況に置かれているユーザにとっては、音のずれを感じることが無くなって、良好、快適なリスニング環境を得ることができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0010】 以下、本願発明を実施するための最良の形態(以下、実施の形態という)について説明を行っていく。本実施の形態としては、本願発明の音声再生装置を、ビデオ・オーディオ向けのホームネットワーク(AVネットワーク)を形成するとされるオーディオ再生装置に適用するものとされる。 【0011】 図1は、本実施の形態のオーディオ再生装置を備えて形成されるAVホームネットワークの構築例を模式的に示している。 この図においては、先ず、家屋100が示されており、この家屋100は、第1室101、第2室102、第3室103の三部屋に分かれているものとしている。そして、第1室101にサーバ11を設置し、さらに第2室102、第3室103にそれぞれオーディオ再生装置12、13を設置したうえで、これらサーバ11、オーディオ再生装置12、13の3つの装置をネットワーク回線1により通信可能に相互接続することで、1つのAVホームネットワークを構築している。 なお、このようなAVホームネットワークを構築するためのネットワーク回線1として採用する規格については、特に限定されるべきものではなく、これまでに知られているもの、あるいは将来的に策定されるものなど、どのような規格が採用されても構わないのであるが、現状であれば、DLNA(Digital Living Network Alliance)を挙げることができる。DLNAは、周知のようにして、ビデオコンテンツ及びオーディオコンテンツのデータをやりとりするホームネットワークとして、異なるベンダーの機器同士でもネットワーク構築が可能なように、できる限りの汎用性が与えられることを目的とし、IPネットワークなどの既存の規格を基として規格化されたものである。 【0012】 サーバ11は、例えばハードディスクなどに代表される、比較的大容量の記憶媒体を備えて、この記憶媒体に対して、例えば楽曲単位に相当する所定形式のオーディオデータによるオーディオコンテンツを多数記憶保存させている。そして、例えばネットワーク回線1経由で、オーディオ再生装置12、13などからオーディオコンテンツが要求されるのに応じて、要求されたオーディオコンテンツを記憶部から読み出して、例えばストリーム形式で要求元の機器に送出するようにされる。 【0013】 この場合のオーディオ再生装置12は、上記のようにしてサーバ11からネットワーク回線1経由で送出されてくるオーディオコンテンツのデータを受信して、自身に接続されているスピーカSPから音声として再生出力させる。この図に示されるオーディオ再生装置12としては、例えば5.1chサラウンドなどのいわゆるマルチチャンネル方式のオーディオソースに対応して再生出力することが可能とされている。 同様にして、オーディオ再生装置13も、サーバ11から自身宛に送出されるオーディオコンテンツのデータを受信して、自身に接続されているスピーカSPから音声として再生出力させる。この図では、オーディオ再生装置13は、例えばL,Rステレオチャンネルによる再生に対応する構成を採るものとされている。 【0014】 次に、図2により、サーバ11の内部構成例について説明しておく。 サーバ11は、例えばインターフェイス41、記憶部42、及び制御部43を内部バス45により相互接続するようにして構成される。なお、遅延時間情報保持部44は、後述する他の実施の形態に関連して設けられる機能部位とされることから、ここでの説明は省略しておくこととする。 インターフェイス41は、ホームネットワーク1に対応するネットワーク回線2と接続するためのインターフェイス機能部であり、ネットワーク回線1と接続して通信を行うための、物理層に対応するハードウェアデバイスと、所定のソフトウェア階層に対応するプログラムとにより構成される。また、その通信動作は、制御部43により制御される。 記憶部42は、例えば上記もしたように、現状であれば、ハードディスクなどのように、コスト、技術面で大容量化が比較的容易とされる記憶媒体により構成される。そして、この記憶媒体42には、例えば楽曲単位に相当するビデオ・オーディオコンテンツのデータを記憶保存するようにされている。また、このようなビデオ・オーディオコンテンツのデータは、ファイルシステムなどによりファイル単位で管理するようにされている。 制御部43は、例えばCPU(Central Processing Unit)、ROM、RAMなどから成るコンピュータシステムを備えて構成され、サーバ11における各種の制御処理を実行するようにされている。 【0015】 図3は、オーディオ再生装置12、13それぞれについての内部構成例を示すブロック図とされる。例えば、図1にて説明したように、オーディオ再生装置12、13では、対応可能なオーディオチャンネルの構成が異なっているが、その基本構成としては共通化して扱うことができることから、ここでは、両者の構成を同じ図により示すこととしている。 【0016】 この図において、先ず、インターフェイス21は、サーバ装置11のインターフェイス41と同様に、ネットワーク回線1と接続するためのインターフェイス機能部とされる。サーバ11からオーディオコンテンツのデータがストリーミング送信されてくる場合には、先ず、このインターフェイス21にて、オーディオコンテンツのデータをパケットとして受信取得するようにされる。そして、このパケットからオーディオ信号データを取り出して、これを内部バス36経由で再生データバッファ22Aに転送するようにされる。 【0017】 再生データバッファ22Aには、上記のようにして、サーバ11から送信されるオーディオコンテンツを受信したことにより取得したとされるオーディオ信号データが転送される。再生データバッファ22Aでは、転送されてくるオーディオ信号データを本来の形式に従って配列して連結した状態で蓄積し、所定のタイミングにより読み出しを行って信号処理部23に出力する。 【0018】 信号処理部23は、入力されてくるオーディオ信号データについて所要の信号処理を施す。 例えば、サーバ11から送信されてくるオーディオコンテンツとしてのオーディオ信号データは、所定方式に従った圧縮符号化が施されているものとされる。そこで、信号処理部23としては、この圧縮符号化に対応する復号処理(伸長処理)を施すようにされる。 そのほか、信号処理部23においては、オーディオチャンネル構成に対応したデコード処理なども実行するようにされる。 例えば前述のようにして、オーディオ再生装置12は、5.1chサラウンドの音響再生に対応するものとされている。そして、サーバ11から受信取得したオーディオコンテンツが、5.1chサラウンドのソースであったとする。このオーディオコンテンツは、例えば5.1chに対応する計6つのオーディオチャンネルのオーディオ信号データが所定のエンコード方式により多重化されている構造を有している。このようなオーディオコンテンツのデータをオーディオ再生装置12が受信した場合、その信号処理部23としては、上記のようにして多重化されたオーディオ信号データについてデコード処理を施して、5.1chに対応する6つのオーディオチャンネルのオーディオ信号データに分離するようにされる。 また、さらに信号処理部23では、必要に応じて、音質調整や残響などの音響効果付与などの信号処理も実行することができる。 【0019】 上記した信号処理部23の信号処理を経たオーディオ信号データは、再生オーディオ信号バッファ22Bに転送され、ここで一時的に蓄積される。そして、後述するようにして設定される遅延時間に対応する出力タイミングにより読み出しが行われて、後段の第1フィルタ24に入力される。なお、実際においては、例えば上記のようにして、オーディオ再生装置12であれば、5.1chサラウンドに対応して6チャンネル分の音声出力系が必要となり、オーディオ再生装置13であれば、L,Rステレオチャンネルに対応する2チャンネル分の音声出力系が必要となる。つまり、再々オーディオ信号バッファ22Bから後段の音声信号処理系としては、上記のオーディオチャンネルに応じた数を備えることになる。しかし、この図においては、図示を簡略で分かりやすいものとすることの便宜上、これらのオーディオチャンネルを1系統にまとめて示しているものである。 【0020】 第1フィルタ24は、例えば後述するようにして、入力信号をそのまま通過(パス)させるモード(オールパスモード)と、所定の周波数帯域のみを減衰させた通過帯域特性を設定したモードとで切り換えが行われるようにされている。第1フィルタ24を通過したオーディオ信号データは、D/Aコンバータ25によりアナログ信号に変換され、増幅器26により増幅され、スピーカ駆動信号としてスピーカ出力端子27から出力される。ここでは図示していないが、スピーカ出力端子27にはスピーカが接続されており、上記スピーカ駆動信号によりスピーカが駆動される。これにより、スピーカからは、サーバ11から送信されたオーディオコンテンツのオーディオ信号データが、音声として再生出力されることになる。 【0021】 また、このオーディオ再生装置12,13には、マイクロフォン入力端子28が備えられ、マイクロフォンMを接続することが可能とされている。マイクロフォンMにより収音して得られた音声信号は、この場合は、第2フィルタ29に入力される。第2フィルタ29は、後述するようにして、入力信号をそのまま通過(パス)させるオールパスモードと、所定の周波数帯域のみを通過させるバンドパスフィルタとして動作するモードとで切り換えが行われる。そして、第2フィルタ29を通過した信号は、A/Dコンバータ30によりデジタルオーディオ信号(オーディオ信号データ)に変換され、収音音声バッファ31に入力されるようになっている。 収音音声バッファ31には、マイクロフォンMにより収音して得られた音声信号を基とするオーディオ信号データ(収音オーディオ信号データ)が入力されることになる。収音音声バッファ31では、この収音オーディオ信号データを一時蓄積するようにされる。このようにして収音音声バッファ31に一時蓄積される収音オーディオ信号データを利用して、後述するようにして、オーディオ再生装置12、13のそれぞれが、自身から再生出力させる音声を、相手の装置から再生出力される音声の出力タイミングに一致させるための制御(音声再生同期制御)を実行するようにされる。 【0022】 また、遅延時間設定処理部32は、上記した音声再生同期制御のために、自身から再生出力させる音声についての遅延時間を設定するための処理を実行する部位とされる。遅延時間情報保持部33は、上記遅延時間設定処理部32により設定した遅延時間を示す情報(遅延時間情報)が保持される領域である。 なお、実際のハードウェア構成との対応では、遅延時間設定処理部32は、制御部34におけるCPUが、ROMなどに記憶されるプログラムを実行することで、その機能を実現することが可能とされる。また、遅延時間情報保持部33も、制御部34内において備えられるとされるRAMや不揮発性メモリなどの記憶装置の領域を利用してよい。 【0023】 制御部34は、例えばCPU、ROM、RAMなどが組み合わされて成るマイクロコンピュータを有して構成されるもので、オーディオ再生装置12、13についての各種制御処理を実行する。 また、この制御部34におけるマイクロコンピュータは、計時機能を有するように構成されている。つまり、制御部34では、内部クロックのカウント処理を実行することなどにより、時刻、時間を計測可能とされている。また、各部の制御を実行したり、内部でデータなどをやりとりするのにあたっては、内部バス36を用いるようにされる。 操作部35は、オーディオ再生装置12、13に本体に備えられるとされる各種操作子と、これらの操作子に対して行われた操作に応じた操作信号を発生して制御部34(CPU)に出力する操作信号出力部とを一括して示している。また、オーディオ再生装置12、13が、リモートコントローラによって操作を行えるように構成されている場合には、このリモートコントローラと、本体側においてリモートコントローラから送信された操作コード信号を受信し、操作信号として制御部34に出力する受信部なども、操作部35に含められることになる。 【0024】 上記構成によるサーバ11、及びオーディオ再生装置12、13を相互接続して構築されるAVホームネットワークでは、これまでの説明からも理解されるように、サーバ11の記憶部42に記憶保存されているオーディオコンテンツを、プレーヤであるオーディオ再生装置12、13が受信取得して音声再生のための信号処理を実行して、スピーカから音声として再生出力させることが可能とされている。そして、本実施の形態では、このようなAVホームネットワークでのオーディオコンテンツの再生出力の態様として、サーバ11の記憶部42に記憶されているオーディオコンテンツのうちで、1つの共通のオーディオコンテンツが、オーディオ再生装置12、13により同時タイミングで再生出力されるようにして、サーバ11からオーディオコンテンツのデータを送出することが可能とされている。 このようにして、オーディオ再生装置12、13により同じオーディオコンテンツを同時的に再生出力させることで、例えばAVホームネットワークを利用するユーザは、家屋100の第2室102と第3室103を行き来していても、同じ内容の再生音声を、各室で、充分に明瞭な状態で聴くことができる。 【0025】 上記のような同時タイミング再生を可能とするためのサーバ11によるオーディオコンテンツの送出動作としては、例えば次のようなものとなる。 サーバ11では、AVホームネットワークを形成する所定の機器に対して行われたとされる、しかるべき操作手順などに応答して、制御部43の制御に従い、オーディオ再生装置12、13により同時タイミング再生すべきとして指定されたオーディオコンテンツのデータを記憶部42から読み出し、インターフェイス41に転送するようにされる。 インターフェイス41では、転送されてきたオーディオコンテンツのデータについて、ネットワーク回線1を経由した伝送に適合した形式のパケット単位による分割を行うようにされる。つまり、オーディオコンテンツのデータを格納するパケットを得る。そして、このパケットを、マルチキャストにより、オーディオ再生装置12、13を送信先として送信出力するようにされる。 ここで、上記のようにしてマルチキャストにより送信されたパケットが、オーディオ再生装置12、13にて正常に受信取得されるタイミングと、受信取得したパケットからオーディオ信号データを取り出して音声として再生出力させるまでの時間についての差が、オーディオ再生装置12、13との間で、聴覚的にはずれていると知覚されることが無いとされる程度のものであるということを前提とする。そうすると、オーディオ再生装置12、13のそれぞれにより再生出力されるオーディオコンテンツの音声は、ほぼ、その出力タイミングが一致することになる。 【0026】 なお、同時タイミング再生を可能とするためのサーバ11によるオーディオコンテンツの送出動作としては、マルチキャストのほかに、聴覚的に聴き取られる再生音声にずれが生じていないとされる程度の時間内に、同じオーディオコンテンツのデータを格納したパケットを、ユニキャストによって、オーディオ再生装置12、13のそれぞれに対して送信出力させることも考えられる。 【0027】 ところで、実際におけるネットワーク伝送にあっては、非常に広い帯域を必要とするデータの送受信が行われたり、あるいは輻輳が生じたりすることなどが原因となってトラフィックの増加や通信のエラーなどが生じ得る。このために、オーディオ再生装置12、13にあっては、再生データバッファ22Aなどを備えて、受信したオーディオ信号データのバッファリングを行って一時蓄積することで、オーディオ信号再生の時間的な連続性が保たれるようにしている。しかしながら、バッファリングによりオーディオ信号データを蓄積する量などは、機器ごとの仕様などに応じて異なることが通常であり、例えばこのことが原因で、オーディオコンテンツの再生出力タイミングにずれが生じる。また、バッファリングしたデータを処理して音声として出力するまでの処理遅延もオーディオ再生装置としての機種ごとに異なる場合が多い。このようなことから、オーディオ再生装置12、13のそれぞれにおいて再生される音声の出力タイミングについても、聴覚上認識できるほどのずれが生じる可能性がある、ということがいえる。このような再生音声のずれは、ユーザにたいして違和感や不快感を与えることになる。そこで、本実施の形態としては、上記のような不都合を回避するために、オーディオ再生装置12、13側にて、以降説明するようなオーディオコンテンツについての同期再生のための構成を採るものである。 【0028】 図4は、オーディオ再生装置12、13が行うとされる同期再生のための処理を概念的に示している。なお、説明を簡略にすることの便宜上、以降においては、オーディオ再生装置12についての説明を行うこととする。 先ず、図4(a)には、同じ再生音声内容を有するとされる、内部再生オーディオ信号と、外部自機オーディオ信号とのタイミングが示されている。内部再生オーディオ信号は、オーディオ再生装置12がサーバ11から受信取得して再生出力すべきオーディオ信号(再生オーディオ信号)として、オーディオ再生装置12において再生オーディオ信号バッファ22Bから読み出されて第1フィルタ24に出力されるタイミングを示している。外部自機オーディオ信号は、上記と同じ再生オーディオ信号(つまり、再生して得られる音声内容が同一とされる再生オーディオ信号)を、オーディオ再生装置12によりスピーカから再生出力させたタイミングを示している。 オーディオ再生装置12としては、例えばこの図4(a)に示される内部再生オーディオ信号の出現タイミング(時点t0により示すことができる)に対する、外部自機オーディオ信号の取得タイミング(時点t1により示すことができる)の遅延時間Dt1を測定するようにされる。なお、内部再生オーディオ信号の出現タイミングは、オーディオ再生装置12内部における信号処理状況から認識することができる。また、外部自機オーディオ信号の出現タイミングは、マイクロフォンMを、オーディオ再生装置12と接続したスピーカ(音声の発生源)の音が良好に収音できるような位置に設置することとしたうえで収音を行って収音音声信号を得ることとして、この収音音声信号から認識することができる。 上記したことによると、遅延時間Dt1は、例えば再生オーディオ信号バッファ22Bから第1フィルタ24にオーディオ信号データが出力されてから、音声として再生出力され、さらにマイクロフォンMで収音して収音音声バッファ31に書き込まれるまでの時間差となる。つまり、再生オーディオ信号データを音声として再生出力させるための系における、第1フィルタ24以降の信号処理経路と、この再生オーディオ信号データが再生出力された音声の収音経路とから成るとする系が必要とする信号処理時間を示している。 【0029】 次に、オーディオ再生装置12は、図4(b)に示すようにして、内部再生オーディオ信号のタイミング(時点t0)に対する、この内部再生オーディオ信号と同じ再生音声内容の外部他機オーディオ信号のタイミング(時点t2)の時間差である、遅延時間Dt2を測定するようにされる。外部他機オーディオ信号は、後述するようにして、第1フィルタ24及び第2フィルタ29についてしかるべき通過帯域(フィルタ特性)設定を行ったうえで、マイクロフォンMにより収音することで、収音音声信号として得られるものである。従って、上記遅延時間Dt2は、オーディオ再生装置12にて第1フィルタ24に対して再生オーディオ信号データが転送出力されてから、他機器であるオーディオ再生装置13により音声が再生出力されるまでの時間差と、その再生出力された音声がオーディオ再生装置12により収音されて収音音声バッファ31に書き込まれるまでの時間差の送話となる。ここでは、遅延時間Dt2として、図示するようにして、遅延時間Dt1よりも長い時間が測定された結果を示している。 【0030】 すると、図4(b)に示されるようにして、遅延時間Dt2から遅延時間Dt1を減算して得られる時間(Dt2−Dt1)は、オーディオ再生装置12において第1フィルタ24に対して再生オーディオ信号データが転送出力されてから、他機器であるオーディオ再生装置13により音声が再生出力されるまでの時間と、オーディオ再生装置12において第1フィルタ24に再生オーディオ信号データが転送出力されてから、その再生オーディオ信号データが、同じオーディオ再生装置12より音声として再生出力されるまでの時間を差し引いた時間となる。つまり、オーディオ再生装置13もオーディオ再生装置12と同じ処理構成であると仮定すると、オーディオ再生装置13における第1フィルタ24のフィルタ処理から音声出力が行われるまでの処理遅延の時間ということになる。従って、時間(Dt2−Dt1)は、オーディオ再生装置12による音声出力タイミングに対する、オーディオ再生装置13による音声出力タイミングについての遅延時間を示していることになる。 【0031】 そこで、オーディオ再生装置12としては、内部再生オーディオ信号のタイミング、つまり、再生オーディオ信号バッファ22Bから再生オーディオ信号を読み出して第1フィルタ24に入力させるべきタイミングについて、図4(c)に示すようにして、時間(Dt2−Dt1)に一致するものとして設定した遅延時間Dtpだけ遅延させるようにする。図では、内部再生オーディオ信号を、時点t0から遅延時間Dtpだけ遅延させたタイミングを時点t0aとして示している。 この時点t0aのタイミングで第1フィルタ24に入力される内部再生オーディオ信号は、同じ図4(c)の外部自機オーディオ信号として示すようにして、時点t0aから遅延時間Dt1に対応する時間を経過したタイミングで音声として出力されることになるが、この音声出力タイミングは、時点t2となり、図4(b)の外部他機オーディオ信号と一致するようにされる。 つまり、オーディオ再生装置12とオーディオ再生装置13のそれぞれから出力される音声は、その出力タイミングが一致するようにして同期が図られることとなる。 【0032】 なお、図4の説明から理解されるように、本実施の形態のオーディオ再生装置12としては、自身が再生する音声の出力タイミングを遅延させることで、他のオーディオ再生装置13が出力している音声との同期を図るようにされる。従って、オーディオ再生装置13が出力している音声のほうが時間的に先行するようにしてタイミングがずれているときには、オーディオ再生装置12側で同期をとることができなくなる。このときには、オーディオ再生装置13のほうが、上記図4により説明した動作により、自身が再生出力させる音声のタイミングを遅延させることで、再生音声の同期を図るようにされる。 【0033】 ところで、上記図4に示した音声再生同期のための処理にあっては、遅延時間Dtpとしての、自身が出力する音声タイミングに対する、他機が出力する音声タイミングの遅延時間差を最終的に得るのにあたり、図4(a)において示したように、先ず、自身における内部信号処理時間に対応する遅延時間Dt1を得ることとしている。このようにして、自身の内部信号処理時間を加味して遅延時間Dtpを求めるようにしていることで、遅延時間Dtpとしては高精度で信頼性の高い値が得られることになる。 ただし、例えば、自身の内部信号処理が比較的単純であったり、あるいは、信号処理能力が非常に高性能であるなどして、内部信号処理に要する時間が、再生音声の出力タイミングのずれとしては到底知覚されない程度に短いものであるような場合には、遅延時間Dt1を得ることなく、例えば遅延時間Dt2を、そのまま同期制御のための遅延時間Dtpとして設定するようにされても良いものである。 また、内部信号処理時間は、例えばネットワーク回線の使用状況などのようにして時間経過に応じて大きく変化し得るものではなく、ほぼ定常的に一定の状態を維持する傾向にある。そこで、内部信号処理時間に相当する遅延時間Dt1については、実際に収音音声信号を利用して求めるようなことをするのではなく、予めの測定などにより得た値を、制御パラメータ値の1つとして工場出荷時からのプリセットデータとして保持させておくようにしてもよい。 【0034】 次に、図5〜図7のフローチャートを参照して、オーディオ再生装置12(13)が実行するとされる、同期再生制御を含む、オーディオ信号データの再生処理手順例について説明する。なお、これらの図に示す処理は、オーディオ再生装置12(13)が備える制御部34内のCPUが、ROMなどの記憶装置に記憶されているプログラムを実行することで実現される処理動作であるとみることができる。このようなプログラムは、上記のようにして、例えばROMに対して製造時などに書き込んで記憶させるほか、リムーバブルの記憶媒体に記憶させておいたうえで、この記憶媒体からインストールさせるようにしてオーディオ再生装置12(13)におけるしかるべき記憶装置、記憶媒体に記憶させることが考えられる。また、ネットワーク上のサーバなどにおける記憶装置に記憶させておいたうえで、オーディオ再生装置12(13)にネットワーク機能を持たせることとし、サーバからダウンロードして取得し、所定の記憶装置、記憶媒体にインストールさせることも考えられる。 【0035】 図5のフローチャートには、オーディオ再生装置12(13)がオーディオコンテンツを受信するための処理が示されている。 ここでは、先ず、ステップS101として示すように、サーバ11から自身宛に送信されてくる、オーディオコンテンツのデータを格納したパケットが、インターフェイス21にて受信されるのを待機している。そして、パケットが受信されると、ステップS102、ステップS103の手順を実行するようにされる。 【0036】 ステップS102では、受信したオーディオコンテンツのデータのパケットを信号処理し、再生出力すべきオーディオ信号データ(再生オーディオ信号データ)を取り出して取得するようにされる。そして、ステップS103により、上記ステップS102により取得した再生オーディオ信号データを、再生データバッファ22A、信号処理部23を経由して再生オーディオ信号バッファ22Bに転送して保持させる。これにより、再生オーディオ信号バッファ22Bにおいては、再生オーディオ信号データの蓄積が行われることになる。 オーディオコンテンツのデータパケットの受信に応じては、このステップS101〜S103の手順を繰り返し実行するようにされる。 【0037】 次に図6のフローチャートにより、上記図5の手順により再生オーディオ信号バッファ22Bに蓄積される再生オーディオ信号データを読み出して第1フィルタ24以降の処理段に対して出力させるための処理についての説明を行う。 ここでは先ず、例えば制御部34(CPU)は、ステップS201により、遅延時間情報保持部33に保持されている遅延時間情報の読み込みを実行する。なお、遅延時間情報保持部33に保持されるべき情報である遅延時間がどのような処理手順により設定されるのかについては、図7により後述する。 続くステップS202においては、上記ステップS201により読み込んだ遅延時間情報が示す遅延時間だけ、再生出力される音声のタイミングが遅延される結果となるように、再生オーディオ信号バッファ22Bにおけるデータの読み出しタイミングを設定する。そして、次のステップS203により、設定したデータの読み出しタイミングによって再生オーディオ信号バッファ22Bに対する読み出し制御を実行し、再生オーディオ信号データを第1フィルタ24に対して出力するようにされる。これにより、例えば図4(c)に示したようにして、内部再生オーディオ信号の出力タイミングが遅延され、結果として、音声の再生出力タイミングが、他方のオーディオ再生装置における音声の再生出力タイミングと一致する(同期する)ようにされる。 【0038】 次に、図7のフローチャートを参照して、遅延時間設定処理部32による遅延時間設定のための手順について説明する。 先ず、遅延時間の設定は、所定の一定時間ごとに実行することとしている。これは、オーディオ再生装置12(13)が接続されるAVホームネットワークに限らず、ネットワーク全般にいえることとして、ネットワークの各種状況、状態は時間経過に応じて変化し得るものであり、これに応じて、オーディオ再生装置12あるいはオーディオ再生装置13とサーバ11との間の通信速度も変化する可能性があり、この場合には、上記遅延時間も新たに設定すべき必要が生じることが理由である。 そこで、ステップS301においては、予め設定した一定時間を計時するなどして、遅延時間を設定すべきタイミングに至るのを待機するようにされる。そして、遅延時間を設定すべきタイミングに至ったとされると、ステップS302以降の手順を実行するようにされる。 【0039】 ステップS302においては、図4(a)に示される外部自機オーディオ信号としての収音音声信号を取り込むための準備処理として、例えば、第1フィルタ24について、或る一定期間のタイミングで、予め定めておいた特定の周波数帯域fのみが通過されるようにした帯域通過特性を設定する。なお、第2フィルタ29については、入力信号をそのまま通過させるモード(オールパスモード)を設定しておくものとする。これとともに、ステップS303としての手順により、第1フィルタ24について周波数帯域fのみが通過される帯域通過特性が設定されているタイミングに対応させた所定時間長のタイミングで、収音音声信号の取り込みを実行する。つまり、マイクロフォンMにより収音して得られているとされる音声信号である収音音声信号を、第2フィルタ29、A/Dコンバータ30を介してデジタル信号として取り込んで、収音音声バッファ31に入力して保持させるものである。 【0040】 次のステップS304によっては、図4(a)により説明した、内部再生オーディオ信号に対する外部自機オーディオ信号の遅延時間Dt1を求めて取得するようにされる。 このためには、先のステップS303により収音音声バッファ31にて保持されることとなった収音音声信号と、再生オーディオ信号バッファ22Bに保持されているデータとについて、例えば波形解析処理などにより比較するようにされる。この比較処理により、収音音声信号において所定の周波数帯域fのみから成るとされた(周波数帯域f以外の帯域が減衰(カット)された)波形区間が特定されることになる。次に、この所定の周波数帯域fのみから成るとされた波形区間が収音された時間タイミング(時刻)と、第1フィルタ24において周波数帯域fのみを通過させた帯域通過特性を設定した時間タイミング(時刻)との差分を求めるようにされる。この差分が、遅延時間Dt1となる。ステップS304では、例えばこのようにして遅延時間Dt1を取得するようにされる。 また、この図の処理では、遅延時間Dt1の取得を完了させたことに応じて、ステップS305により、第1フィルタ24について、一旦、オールパスモードを設定(リセット)しておくようにされる。 【0041】 次に、ステップS306においては、再生オーディオ信号データの再生信号処理系に備えられる第1フィルタ24について、予め定めておいた特定の周波数帯域faのみがカット(減衰)されるようにした帯域通過特性を設定する。また、これとともに、続くステップS307により、収音音声信号の入力段に備えられる第2フィルタ29については、オールパスモードを解除して、上記特定の周波数帯域faのみが通過するようにされた帯域通過特性を設定するようにされる。そして、ステップS308により、収音音声信号を収音音声バッファ31に取り込むための制御処理を実行する。 【0042】 上記ステップS308によって取り込まれた収音音声信号は、図4(b)に示した外部他機オーディオ信号となる。つまり、先ず、ステップS306により第1フィルタ24について上記の通過帯域特性が設定されることで、オーディオ再生装置12によるスピーカ音声は、上記周波数帯域faのみが減衰された帯域特性となっている。その一方で、第2フィルタ29については周波数帯域faのみを通過させる通過帯域特性とされていることで、マイクロフォンMによっては周波数帯域faのみの周囲音を収音していることと同じになる。従って、ステップS308によっては、オーディオ再生装置12自身によるスピーカ音声は無音であることと同じとなって収音されることはなく、かわりに、本来であれば、オーディオ再生装置12のスピーカ音声によりマスキングされている、オーディオ再生装置13のスピーカ音声が第2室に漏れてきた音が収音されることになる。つまり、ステップS308によっては、上記のようにして、外部他機オーディオ信号の成分のみを収音音声信号として取り込むことになる。 【0043】 次のステップS309によっては、図4(b)により示したようにして、先ずは、内部再生オーディオ信号の時間タイミングに対する、外部他機オーディオ信号の時間タイミングの遅延時間差である、遅延時間Dt2を求めるようにされる。 このためには、例えば、ステップS308としての手順により収音音声バッファ31に保持されているとされる収音音声信号(外部他機オーディオ信号)のデータと、再生オーディオ信号バッファ23に保持されている再生オーディオ信号(内部再生オーディオ信号)のデータとについて、例えば波形解析処理などを利用した比較処理を実行する。この比較処理の結果として、同じ再生内容を有するとされるオーディオ信号部分についての、内部再生オーディオ信号を再生オーディオ信号バッファ22Bから第1フィルタ24に出力させたとする時間タイミング(時刻)と、外部他機オーディオ信号(収音音声信号)が収音音声バッファ31に保持されたとする時間タイミング(時刻)との差分(時間差)を求めるようにされる。この時間差が遅延時間Dt2となる。 【0044】 上記のようにして収音音声信号として外部他機オーディオ信号を取り込んだとされると、続いては、ステップS310により再生オーディオ信号について設定すべき遅延時間Dtpを求めて取得するようにされる。つまり、Dt2−Dt1の演算を行うことで、遅延時間Dtpを求めるようにされる。そして、これまで遅延時間情報保持部33にて保持されている遅延時間情報について、今回のステップS304により求められた遅延時間Dtpの値が示されるようにして更新するようにされる。 【0045】 ステップS311においては、先のステップS306、S307にて設定した第1フィルタ24と第2フィルタ29の帯域通過特性のそれぞれを解除して、オールパスモードにリセットし、ステップS301に戻るようにされる。 【0046】 なお、上記図7に示した手順にあって、ステップS301における遅延時間設定タイミング待機のための計時をはじめ、遅延時間Dt1、Dt2を求めるのにあたっての所要の時間タイミング(時刻)の取得には、例えば、制御部34におけるマイクロコンピュータが備えるとされる計時機能を利用すればよい。例えば制御部34のマイクロコンピュータは、内部クロックのカウント処理などにより、時刻、時間を計測することが可能とされており、これにより、上記の計時機能を実現する。 【0047】 ここで、先に図6に示した手順では、オーディオ再生装置12が音声出力再生を実行していくのにあたり、遅延時間情報保持部33に保持される遅延時間情報(遅延時間Dtp)に基づいて、再生データバッファ22からの読み出しタイミングを可変制御するという処理を繰り返すこととしている。そして、この遅延時間情報保持部33に保持される遅延時間情報は、図7の手順により一定時間ごとに更新されることで、常に現在における実際の音声出力遅延の状況に適合した遅延時間Dtpの値を有するようにされている。このようにして、図6の手順と、図7の手順とが併行するようにして実行されることにより、時間経過に応じて、例えばオーディオ再生装置12,13の間での再生音声の出力タイミングのずれ量が変化したとしても、これに追従するようにして、再生音声の同期を図ることが可能とされているものである。 【0048】 次に、本願発明における他の実施の形態についての説明を行う。 例えば、実際に生じ得るオーディオ再生装置の間での再生音声の出力タイミングの時間差と、オーディオ再生装置における再生オーディオ信号データについての最大遅延可能時間の条件などによっては、実際に求められた遅延時間Dtpが上記最大遅延可能時間を越えてしまい、適切に再生同期を図ることができなくなる場合のあることも考えられる。そこで、他の実施の形態としては、このような状況においても、オーディオ再生装置12,13の間での再生音声の出力タイミングについての同期が得られるようにするための構成を提案する。 【0049】 この他の実施の形態としての再生音声同期のための構成について、図7のフローチャートを参照して説明する。図7に示される手順は、オーディオ再生装置12(13)が実行するもので、図7における処理手順の流れにおけるステップS310に置き換わって実行されるべきものとなる。つまり、他の実施の形態では、図6の処理手順として、ステップS301〜S309を実行した後、図8に示す手順を実行したうえで、ステップS310を実行する、という手順を繰り返すようにされる。 【0050】 先ず、図8のステップS401においては、図7における元のステップS310と同様にして、遅延時間Dtpを求めるようにされる。なお、他の実施の形態では、このステップS401により求められる遅延時間Dtpについては、実際に生じている遅延時間であることとして、「実遅延時間」といい、遅延時間情報保持部33に保持される遅延時間情報である遅延時間(設定遅延時間Dtp1)と区別する。 そのうえで、次のステップS402において、上記ステップS401により算出された実遅延時間Dtpについて、自身の最大遅延可能時間Dtmaxを越えているか否かについての判別を行うようにされる。 【0051】 上記ステップS402において肯定の判別結果が得られた場合には、オーディオ再生装置12(13)自身が、再生オーディオ信号データについて、最大遅延時間Dtmaxの設定に応じた読出タイミングにより再生データバッファ22からの出力を実行させたとしても、未だ、遅延時間が足りず、他方のオーディオ再生装置の音声出力タイミングに同期させることはできないことになる。そこで、この場合には、ステップS403、S404の手順を実行するようにされる。 【0052】 先ず、ステップS403においては、再生オーディオ信号データについての再生オーディオ信号バッファ22Bからのデータ読出タイミング設定のために用いるべき設定遅延時間Dtp1として、ここでは、最大遅延可能時間Dtmaxを設定するようにされる。そして、この最大遅延可能時間Dtmaxとしての値を有する設定遅延時間Dtp1により、遅延時間情報保持部33に保持される遅延時間情報の書き換え(更新)を行う。 そして、次のステップS404によっては、サーバ11に対して、ネットワーク回線1を経由して、遅延時間補助要求を送信するようにされる。また、この遅延時間補助要求に伴っては、補助遅延時間Dspとして、Dtp−Dtmaxで表される時間値を指定するようにされる。つまり、オーディオ再生装置12(13)は、サーバ11に対して、実遅延時間Dtpのうちで、最大遅延可能時間Dtmaxを越えてしまった分の時間を、サーバ11により遅延してもらうように要求を行うものである。 【0053】 上記ステップS403、S404の手順が実行される結果として、先ず、オーディオ再生装置12(13)では、ステップS403にて更新された遅延時間情報保持部33の遅延時間情報に基づいて、再生オーディオ信号データの出力タイミングを、最大遅延可能時間Dtmaxに相当する遅延時間により遅延させることになる。 これとともに、遅延時間補助要求を受信したサーバ11では、この要求と共に送信されてきた補助遅延時間Dspの情報を、図2に示される遅延時間情報保持部44に保持するようにされる。遅延時間情報保持部44は、この他の実施の形態に応じて設けられるべきもので、上記のようにして、補助遅延時間Dspの情報を保持する部位とされる。なお、実際の遅延時間情報保持部44としては、例えば制御部43内に備えられるRAMなどの記憶装置の一部記憶領域を用いるようにされる。そして、サーバ11では、オーディオコンテンツのパケット送出にあたり、遅延時間情報保持部44に保持されている補助遅延時間Dspが示す時間に応じて、遅延時間補助要求の送信元のオーディオ再生装置12(13)に対するオーディオコンテンツデータのパケットの送出タイミングを遅延させるようにする。これにより、遅延時間補助要求を行ったオーディオ再生装置12(13)では、補助遅延時間Dspに対応する時間だけ、オーディオコンテンツのパケットの受信タイミングが遅延されることになり、これに伴って、このオーディオコンテンツの再生オーディオ信号データについての音声出力タイミングとしても、補助遅延時間Dspに対応した分の遅延が得られることになる。そのうえで、上記もしているように、オーディオ再生装置12(13)内部では、最大遅延可能時間Dtmax相当の遅延時間により再生出力をさせている。これにより、総合的には、再生音声の出力タイミングについて、最大遅延可能時間Dtmax+補助遅延時間Dspで表される時間分の遅延が生ずることになる。このようにして遅延して再生出力された音声は、他方のオーディオ再生装置の再生出力音声と、その出力タイミングが一致して同期が図られていることになる。つまり、他のオーディオ再生装置12(13)自身の最大遅延可能時間Dtmaxを越えるとされる実遅延時間Dtpにも対応して、適正に音声再生出力タイミングの同期を図ることが可能とされる。 【0054】 一方、ステップS402において否定の判別結果が得られた場合には、ステップS405以降の手順を実行する。 ステップS402にて否定の判別結果が得られた場合、ステップS401にて算出された実遅延時間Dtpに相当する遅延を内部の遅延処理のみにより対応可能であり、サーバ11の補助は必要がないということになる。そこで、ステップS405においては、実遅延時間Dtpが、設定遅延時間Dtp1となるようにして、遅延時間設定処理部32に保持される遅延時間情報の更新を行うようにされる。 また、次のステップS406では、前回の遅延時間の設定処理時において求められた実遅延時間Dtpと、最大遅延可能時間Dtmaxとの関係が、Dtp>Dtmaxであったか、つまり、ステップS402にて肯定結果が生じるものであったか否かが判別される。このステップS406により肯定の判別結果が得られる場合とは、前回の遅延時間の設定処理時においては、サーバ11による遅延時間補助を必要としていた状態から、実遅延時間Dtpが最大遅延可能時間Dtmax以下となって、遅延時間補助を必要としない状態に復帰した場合であるということになる。すると、このときのサーバ11では、前回の遅延時間の設定処理時において実行されたステップS404に応答して、遅延時間補助のための処理(パケット送出タイミングの遅延)を実行している状態にあることになる。そこで、ステップS407によっては、サーバ11に対して遅延時間補助解除要求を送信するようにされる。この要求に応じてサーバ11は、これまで実行していた遅延時間補助としてのパケット送出タイミングの遅延制御を中止して、他方のオーディオ再生装置に対するパケット送出と同じとされるタイミングにより、パケットを送出する制御に戻すようにされる。 また、ステップS406において否定の判別結果が得られた場合には、前回の遅延時間の設定処理時においても、サーバ11による遅延時間補助は必要としない状態とされていたことになるので、このまま、図8の処理を抜けるようにされる。 【0055】 なお、上記図8の手順では、サーバ11がまかなうべき補助遅延時間Dspとして、実遅延時間Dtp−最大遅延可能時間Dtmaxにより得られる時間長を設定することとしているが、これよりも長い所定時間を、或る規則に従って設定するようにされてもよい。つまりは、オーディオ再生装置12(13)による内部遅延制御とサーバ11による遅延を総合した結果として、再生出力される音声に対して、実遅延時間Dtpに相当する遅延が与えられればよいものである。 【0056】 また、本願発明としては、これまでに説明した実施の形態としての構成に限定されない。 例えば、上記実施の形態では、オーディオ再生のみに限定した構成を示しているが、実施の形態のオーディオ再生装置に代えて、ビデオコンテンツを再生するビデオ再生装置としてもよい。つまり、ビデオ信号と、これに再生時間が同期するオーディオ信号から成るビデオコンテンツのデータを入力して、ビデオ信号を表示により再生出力するとともに、オーディオ信号も音声として再生出力する再生装置に本願発明を適用するものである。この場合、実施の形態の説明と同様にして、例えばネットワーク接続された複数のビデオ再生装置から出力される音声を同期させることにより、結果として、ビデオ再生装置により表示される画像についても、その出力タイミングの同期が得られることになる。このようなビデオ再生装置をネットワーク接続したシステムは、例えば、比較的大規模なイベント会場などで、各所に配置したモニタなどに同じ内容の画像を表示させるような場合において有用となる。 【図面の簡単な説明】 【0057】 【図1】本発明の実施の形態が対応するホームネットワークの構成例を示す図である。 【図2】実施の形態のホームネットワークに備えられるサーバの構成例を示す図である。 【図3】実施の形態のホームネットワークに備えられるオーディオ再生装置の構成例を示す図である。 【図4】実施の形態のオーディオ再生装置が実行するとされる音声同期再生のための処理手順例を模式的に示す図である。 【図5】実施の形態のオーディオ再生装置が実行するオーディオコンテンツ受信のための処理手順例を示すフローチャートである。 【図6】実施の形態のオーディオ再生装置が実行する音声出力処理の手順例を示すフローチャートである。 【図7】実施の形態のオーディオ再生装置が実行する、再生出力音声についての遅延時間設定処理の手順例を示すフローチャートである。 【図8】他の実施の形態として、オーディオ再生装置による再生出力音声の遅延と、サーバによるパケット送出タイミングの遅延とを併用して再生出力音声の同期を図るために、オーディオ再生装置が実行すべき処理手順例を示す図である。 【0058】 1 ネットワーク回線、11 サーバ、12・13 オーディオ再生装置、21 インターフェイス、22A 再生データバッファ、22B 再生オーディオ信号バッファ、23 信号処理部、24 第1フィルタ、25 D/Aコンバータ、26 増幅器、27 スピーカ出力端子、28 マイクロフォン端子、29 第2フィルタ、30 A/Dコンバータ、31 収音音声バッファ、32 遅延時間設定処理部、33 遅延時間情報保持部、34 制御部、35 操作部、36 内部バス、41 インターフェイス、42 記憶部、43 制御部、44 遅延時間情報保持部、45 内部バス、M マイクロフォン
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| 【出願人】 |
【識別番号】000002185 【氏名又は名称】ソニー株式会社
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| 【出願日】 |
平成18年8月29日(2006.8.29) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100086841 【弁理士】 【氏名又は名称】脇 篤夫
【識別番号】100114122 【弁理士】 【氏名又は名称】鈴木 伸夫
【識別番号】100128680 【弁理士】 【氏名又は名称】和智 滋明
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| 【公開番号】 |
特開2008−60675(P2008−60675A) |
| 【公開日】 |
平成20年3月13日(2008.3.13) |
| 【出願番号】 |
特願2006−232049(P2006−232049) |
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