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【発明の名称】 コンデンサマイクロホン及びコンデンサマイクロホンの積層構造体の製造方法
【発明者】 【氏名】米原 賢太郎

【氏名】佃 保徳

【氏名】澤本 則弘

【氏名】伊藤 元陽

【要約】 【課題】部品点数を少なくするとともに小型化を図り、この結果、製造コストを下げながら容易に電磁シールド効果を発揮することができるコンデンサマイクロホン及びコンデンサマイクロホンの積層構造体の製造方法を提供する。

【構成】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
実装基板上に固定された筐体基枠上に導電性スペーサを介して振動膜が積層され、該振動膜上にトップ基板が積層され、前記振動膜に形成された振動膜導電層に対して極板が対向して配置されて、前記振動膜と前記極板によりコンデンサ部が構成されたコンデンサマイクロホンにおいて、
前記筐体基枠には、前記導電性スペーサと前記実装基板の導電パターンを電気接続する導通路が設けられ、
前記トップ基板に設けられたトップ基板導電層と前記導電性スペーサを電気接続する電気接続手段が設けられたことを特徴とするコンデンサマイクロホン。
【請求項2】
前記振動膜導電層は、前記導電性スペーサ側の面に設けられており、
前記電気接続手段は、前記振動膜が前記振動膜導電層が設けられている側の面とは反対側に折り返されることにより構成されていることを特徴とする請求項1に記載のコンデンサマイクロホン。
【請求項3】
前記電気接続手段は、前記導電性スペーサが前記トップ基板導電層と直接接触されることにより構成されていることを特徴とする請求項1に記載のコンデンサマイクロホン。
【請求項4】
前記電気接続手段は、導電性スペーサの周縁が前記トップ基板導電層と直接接触配置されることにより構成されていることを特徴とする請求項3に記載のコンデンサマイクロホン。
【請求項5】
前記電気接続手段は、導電性スペーサに設けられた接触部が前記振動膜を貫通して前記トップ基板導電層と直接接触配置されることにより構成されていることを特徴とする請求項3に記載のコンデンサマイクロホン。
【請求項6】
前記電気接続手段は、前記トップ基板導電層に設けられた突部が前記振動膜を貫通して前記導電性スペーサと直接接触配置されることにより構成されていることを特徴とする請求項3に記載のコンデンサマイクロホン。
【請求項7】
前記電気接続手段は、前記振動膜に形成された貫通孔内に配置されるとともに、前記トップ基板導電層と前記導電性スペーサに対して接続された導電性接続部材により構成されていることを特徴とする請求項3に記載のコンデンサマイクロホン。
【請求項8】
実装基板上に設けられた筐体基枠と、導電性スペーサと、振動膜導電層を有する振動膜と、トップ基板導電層を有するトップ基板が積層され、前記振動膜導電層が前記導電性スペーサ又はトップ基板導電層に接続されたコンデンサマイクロホンの積層構造体を製造する製造方法において、
前記筐体基枠、導電性スペーサ、振動膜及びトップ基板を積層する工程中に、前記筐体基枠に設けられ、前記実装基板に形成された導電パターンと接続される導通路に対し、前記導電性スペーサを接続する工程と、
前記導電性スペーサを直接又は間接的に前記トップ基板に設けられたトップ基板導電層を電気接続する電気接続手段を構築する工程の組合せが含まれていることを特徴とするコンデンサマイクロホンの積層構造体を製造する製造方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
この発明は、携帯電話、ビデオカメラ、パーソナルコンピュータ等の機器に用いられるコンデンサマイクロホン及びコンデンサマイクロホンの積層構造体の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のコンデンサマイクロホンとしては、例えば特許文献1に記載のエレクトレットコンデンサマイクロホンが公知である。このコンデンサマイクロホンは、図10に示すように音孔102を備えた金属製の筒状ケース101を有し、筒状ケース101内にはリング状に形成された金属製の膜リング104に張設された振動膜105が収容されている。該膜リング104は筒状ケース101の端面に接触している。前記振動膜105に対して、筒状ケース101の端面とは反対側には、背極111(背極部)が設けられるとともに、該背極111の振動膜105側の面には、振動膜105に誘電分極状態を維持するエレクトレット誘電体膜106(エレクトレット部)が形成されている。
【0003】
前記振動膜105と、背極111上表面のエレクトレット誘電体膜106とは、絶縁材料製のスペーサリング109を挟んで一定の間隔を隔てた状態で対向位置決めされている。又、背極111に対して、前記振動膜105とは反対側には、筒状に形成された金属製の導電リング113が設けられている。導電リング113はその上端部が背極111に接触し、背極111と電気的に導通する。
【0004】
導電リング113の中央部には背部空間117が形成されている。この導電リング113と筒状ケース101との間には、筒状に形成された絶縁リング115が設けられて、導電リング113と筒状ケース101との絶縁状態が維持されている。又、絶縁リング115の上端部全周縁には段部115aが形成され、ここに背極111が嵌合保持されている。
【0005】
導電リング113に対して、前記背極111とは反対側には、インピーダンス変換手段としてのインピーダンス変換素子130を備えた回路基板120が設けられている。回路基板120は筒状ケース101の開放端部を閉塞する位置に嵌め込まれ、筒状ケース101の開放端縁が、内方の基板に向けて絞り込まれて加締固定されている。
【0006】
そして、この回路基板120が筒状ケース101に固定されると同時に、回路基板120の内面の配線パターン121が導電リング113と導通し、かつ、回路基板120の外面の配線パターン122が筒状ケース101の側面と導通する。この構成により、振動膜105に形成された図示しない導電層が膜リング104、筒状ケース101を介して配線パターン122に導通されて接地されている。又、このコンデンサマイクロホンは接地された筒状ケース101を有することにより、電磁シールド効果が発揮できる利点がある。
【特許文献1】特開2003−163997号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、近年コンデンサマイクロホンを小型化することが要求されている。上記従来のコンデンサマイクロホンにおいては、振動膜105に形成された導電層を接地するために、筒状ケース101を設ける必要がある。しかし、この構成では、筒状ケースが必要なため、部品点数が多くなる結果、製造コストが高くなるばかりか、小型化が困難である問題がある。
【0008】
この発明の目的とするところは、部品点数を少なくするとともに小型化を図り、この結果、製造コストを下げながら容易に電磁シールド効果を発揮できるコンデンサマイクロホン及びコンデンサマイクロホンの積層構造体の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、実装基板上に固定された筐体基枠上に導電性スペーサを介して振動膜が積層され、該振動膜上にトップ基板が積層され、前記振動膜に形成された振動膜導電層に対して極板が対向して配置されて、前記振動膜と前記極板によりコンデンサ部が構成されたコンデンサマイクロホンにおいて、前記筐体基枠には、前記導電性スペーサと前記実装基板の導電パターンを電気接続する導通路が設けられ、前記トップ基板に設けられたトップ基板導電層と前記導電性スペーサを電気接続する電気接続手段が設けられたことを特徴とするコンデンサマイクロホンを要旨とするものである。
【0010】
請求項1の発明によれば、電気接続手段により、トップ基板に設けられたトップ基板導電層と導電性スペーサとが電気接続される。このため、筐体基枠の外部に別体の導電性の筒状ケースを設けて、該筒状ケースを介して該トップ基板導電層・導電パターン間を電気接続する必要が無い。又、トップ基板にトップ基板導電層を有するため、電磁シールド効果を発揮することができる。
【0011】
請求項2の発明は、請求項1において、前記振動膜導電層は、前記導電性スペーサ側の面に設けられており、前記電気接続手段は、前記振動膜が前記振動膜導電層が設けられている側の面とは反対側に折り返されることにより構成されていることを特徴とする。
【0012】
請求項2の発明によれば、振動膜が振動膜導電層が設けられている側の面とは反対側に折り返すという簡単な操作により、トップ基板に設けられたトップ基板導電層と前記導電性スペーサが電気接続することができる。この結果、コンデンサマイクロホンの組み付けを簡単に行うことができる。
【0013】
請求項3の発明は、請求項1において、前記電気接続手段は、前記導電性スペーサが前記トップ基板導電層と直接接触されることにより構成されていることを特徴とする。請求項3の発明によれば、導電性スペーサをトップ基板導電層と直接接触させるという簡単な接続により、導電性スペーサとトップ基板導電層との電気接続に他の接続のための部材が必要でなくなり、簡単な構成とすることができる。
【0014】
請求項4の発明は、請求項3において、前記電気接続手段は、導電性スペーサの周縁が前記トップ基板導電層と直接接触配置されることにより構成されていることを特徴とする。請求項4の発明によれば、導電性スペーサの周縁が前記トップ基板導電層と直接接触配置されることにより、導電性スペーサの周縁は、トップ基板と筐体基枠との間に挟着配置されるため、該周縁がトップ基板と筐体基枠に挟着状態となり、十分な接触圧が得られ、導通性に支障がでることはない。
【0015】
請求項5の発明は、請求項3において、前記電気接続手段は、導電性スペーサに設けられた接触部が前記振動膜を貫通して前記トップ基板導電層と直接接触配置されることにより構成されていることを特徴とする。請求項5の発明によれば、導電性スペーサの接触部が前記振動膜を貫通して前記トップ基板導電層と直接接触配置されることにより、導電性スペーサとトップ基板導電層との電気接続に他の接続のための部材が別途必要でなくなり、簡単な構成とすることができる。
【0016】
請求項6の発明は、請求項3において、前記電気接続手段は、前記トップ基板導電層に設けられた突部が前記振動膜を貫通して前記導電性スペーサと直接接触配置されることにより構成されていることを特徴とする。
【0017】
請求項6の発明によれば、トップ基板導電層に設けられた突部が前記振動膜を介して前記導電性スペーサに直接接触配置されることにより、導電性スペーサとトップ基板導電層との電気接続に接続のための部材が別途必要でなくなり、簡単な構成とすることができる。
【0018】
請求項7の発明は、請求項3において、前記電気接続手段は、前記振動膜に形成された貫通孔内に配置されるとともに、前記トップ基板導電層と前記導電性スペーサに対して接続された導電性接続部材により構成されていることを特徴とする。
【0019】
請求項7の発明によれば、導電性スペーサとトップ基板導電層とが、筐体基枠内において電気接続されるため、筐体基枠外部における導電性スペーサとトップ基板導電層との接続のための電気接続部材が必要でなくなり、コンデンサマイクロホンを小型化でき、又、導電性スペーサとトップ基板導電層間は、振動膜の膜圧程度の短い距離であるため、導電性接続部材は小さくてすみ、製造コストを低減することができる。
【0020】
請求項8の発明は、実装基板上に設けられた筐体基枠と、導電性スペーサと、振動膜導電層を有する振動膜と、トップ基板導電層を有するトップ基板が積層され、前記振動膜導電層が前記導電性スペーサ又はトップ基板導電層に接続されたコンデンサマイクロホンの積層構造体を製造する製造方法において、前記筐体基枠、導電性スペーサ、振動膜及びトップ基板を積層する工程中に、前記筐体基枠に設けられ、前記実装基板に形成された導電パターンと接続される導通路に対し、前記導電性スペーサを接続する工程と、前記導電性スペーサを直接又は間接的に前記トップ基板に設けられたトップ基板導電層を電気接続する電気接続手段を構築する工程の組合せが含まれていることを特徴とするコンデンサマイクロホンの積層構造体を製造する製造方法を要旨とするものである。
【0021】
請求項8の発明によれば、実装基板に形成された導電パターンと接続される導通路に対し、導電性スペーサを接続する工程と、前記導電性スペーサを直接又は間接的に前記トップ基板に設けられたトップ基板導電層を電気接続する電気接続手段を構築する工程の組合せが含まれることにより、請求項1の発明のコンデンサマイクロホンの積層構造体を容易に得ることができる。
【発明の効果】
【0022】
この発明によれば、トップ基板導電層と実装基板の導電パターンを電気接続する際に、筐体基枠の外部に別体の導電性の筒状ケースを設けて、該筒状ケースを介して該トップ基板導電層・導電パターン間を電気接続する必要が無く、前記筒状ケースを省略することができる。この結果、部品点数が少なくなるため、製造コストを低減することができるとともに、導電性の筒状ケースがない分小型化ができる効果がある。又、本発明によれば、トップ基板にトップ基板導電層を有するため、電磁シールド効果を発揮することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
(第1実施形態)
次に、この発明を、エレクトレット型のコンデンサマイクロホンに具体化した第1実施形態について図1〜図4を用いて説明する。
【0024】
図1及び図3に示すように、コンデンサマイクロホン10の筐体11は、実装基板としての平板状の回路基板12と、四角枠状の筐体基枠13と、平板状のトップ基板14とを積層して、接着剤により一体に固定した構造となっている。回路基板12、筐体基枠13及びトップ基板14は、エポキシ樹脂、液晶ポリマー、セラミック等の電気絶縁体により構成されている。
【0025】
図3及び図4に示すように、前記回路基板12の上下両面には、銅よりなる導電パターン12a,12bが形成されている。両導電パターン12a,12bは互いに電気接続されるとともに、下面側の導電パターン12bには図示しないアース端子が設けられている。そして、回路基板12上には、筐体11内に設けられたインピーダンス変換回路を構成する電界効果トランジスタ15やキャパシタ16等の電装部品が実装されている。前記筐体基枠13には、一対の円形部がくびれ部分を介して連結された略瓢箪形状の収容孔13aが形成されている。そして、筐体基枠13の収容孔13a内には、前記電界効果トランジスタ15やキャパシタ16等の電装部品が収容配置されている。筐体基枠13の上下両面及び外側面には、銅よりなるとともに互いに電気接続された導電パターン13b,13c,13dが形成され、下面側の導電パターン13cは、前記導電パターン12aに当接して電気接続されている。図4に示すように筐体基枠13において、収容孔13aのくびれ部分と対応する位置には、スルーホール13fが形成され、その内周面上に形成された導電層13eを介して導電パターン13b,13cが互いに電気接続されている。又、側面に形成された導電パターン13dも導電パターン13b,13cに電気接続されている。
【0026】
導電パターン13b,13c,13d及び導電層13eはスペーサ18と回路基板12の導電パターン12aを電気接続する導通路に相当する。
前記トップ基板14の上下両面には、銅よりなる導電パターン14a,14bが形成されている。導電パターン14a,14bは、トップ基板導電層に相当する。トップ基板14の中央部には、複数の音孔17が全体として環状をなすように形成されている。
【0027】
前記筐体基枠13とトップ基板14との間には、金属板よりなるスペーサ18が挟持固定され、このスペーサ18には、楕円形の孔18aが透設されている。なお、スペーサ18は、例えばステンレス鋼板、チタニウム等により形成される。スペーサ18は導電性スペーサに相当する。スペーサ18の上面には、高分子フィルムよりなる振動膜19が接着により張設されており、その振動膜19の下面には導電層19aが形成されている。高分子フィルムは例えばPPS(ポリフェニレンサルファイド)からなり、前記導電層19aは例えば金蒸着により形成されている。導電層19aは、振動膜導電層に相当する。
【0028】
筐体基枠13内において、振動膜19の下面にはスペーサ18を介して極板としてのバックプレート20が対向配置されている。このバックプレート20は、前記収容孔13aに対応する略瓢箪形状に形成され、導電性金属板よりなる背極21の上面に、例えばPTFE(polytetrafluoroethylene ;ポリテトラフルオロエチレン)等の高分子フィルムよりなるエレクトレット膜22が貼着されて構成されている。背極21は例えばステンレス鋼板よりなり、エレクトレット膜22は、コロナ放電等により分極処理されたPTFEよりなる。すなわち、この実施形態のコンデンサマイクロホン10は、固定電極としての背極21にエレクトレット膜22を設けたバックエレクトレット型である。
【0029】
バックプレート20は、図4に示すように、一対の円形部20aがくびれた形状の連結部20bを介して連結された形状に形成され、前記筐体基枠13の収容孔13a内に対し、その外周面と収容孔13aの内周面との間に隙間P(図3に図示)を設けた状態で収容されている。また、バックプレート20は、図2に示すように、各円形部20aの周縁の一部においてスペーサ18に当接し、連結部20bの周縁がスペーサ18の孔18aに対応して配置される。より詳しくは、バックプレート20は、各円形部20aの2箇所(網かけ部)ずつにおいてスペーサ18に当接されている。また、バックプレート20の中央部には、前記振動膜19の振動による空気移動を許容するための孔20cが形成されている。
【0030】
図3に示すように、前記筐体基枠13内において、バックプレート20と回路基板12との間には、バネ材よりなる保持部材23が圧縮状態で介装され、この保持部材23の弾性力によりバックプレート20が振動膜19の反対側からスペーサ18の下面と当接する方向に加圧されている。これにより、振動膜19とバックプレート20との間に所定の間隔が保持されて、それらの間に所定の容量を確保したコンデンサ部が形成されている。前記保持部材23は、ステンレス鋼板の表裏両面に金メッキを施してなる板材を打ち抜き成形することにより形成され、ほぼ四角環状の枠部23aと、その枠部23aの四隅から下部両側方に向かって斜めに突出する4つの脚部23bとを備えている。そして、保持部材23は、枠部23aの上面をバックプレート20の下面に当接させるとともに、各脚部23bの下端を回路基板12上の導電パターン12aに当接させる。従って、バックプレート20の背極21は、保持部材23を介して回路基板12上のインピーダンス変換回路に電気的に接続されている。
【0031】
図3、図4に示すように、前記トップ基板14には、複数のスルーホール24が形成され、その内周面上に形成された導電層24aを介して両導電パターン14a,14bが電気接続されている。
【0032】
又、振動膜19には、スルーホール24に対応する貫通孔としての孔25が形成されるとともに、スペーサ18には、孔25に対応する孔26が形成されている。図3に示すように、スルーホール24及び両孔25,26内には導電性樹脂27が充填され、この導電性樹脂27によって導電部28が形成されている。そして、トップ基板14の両導電パターン14a,14bは、スルーホール24の導電層24aと、導電部28とを介して筐体基枠13の導電パターン13b〜13dに電気接続され、振動膜19の導電層19a、及びスペーサ18は、導電部28を介して導電パターン13b〜13dに電気接続されている。
【0033】
前記導電性樹脂27は導電性接続部材に相当するとともに、孔25内に配置されることにより、すなわち充填されることにより、導電パターン14a,14b,(トップ基板導電層)とスペーサ18に対して接続される。そして、このように導電性樹脂27により、トップ基板14に設けられた導電パターン14a,14bとスペーサ18を電気接続する電気接続手段が構成されている。又、前記筐体基枠13、スペーサ18、振動膜19及びトップ基板14が積層されて積層構造体が形成されている。
【0034】
本実施形態ではこのような積層構造体を形成する際、回路基板12の導電パターン12aに対して接続される筐体基枠13の導電パターン13b(導通路)や導電層13e(導通路)に対し、スペーサ18が導電性接着剤により接続される工程が含まれる。又、本実施形態では、スペーサ18を、トップ基板14の導電パターン14a,14bに対して、導電性樹脂27を介して間接的に電気接続する工程が含まれる。
【0035】
このように、トップ基板14の両導電パターン14a,14b、筐体基枠13の導電パターン13b〜13d、及び、回路基板12の両導電パターン12a,12bにより、コンデンサ部及びインピーダンス変換回路を覆う電磁シールドが構成されている。さらに、前記スルーホール13fも、電磁シールド機能を発揮する。
【0036】
さて、音源からの音波がトップ基板14の各音孔17を介して振動膜19に至ると、その振動膜19は音波の周波数、振幅及び波形に応じて振動される。そして、振動膜19の振動に伴って振動膜19とバックプレート20との間隔が設定値に対して変化し、コンデンサのキャパシタンスが変化する。このキャパシタンスの変化は、インピーダンス変換回路により電圧信号に変換されて出力される。
【0037】
以上のように作動するこの実施形態のコンデンサマイクロホン10は、以下の効果を発揮する。
(1) 本実施形態のコンデンサマイクロホン10では、筐体基枠13には、スペーサ18と回路基板12の導電パターン12aを電気接続する導電パターン13b,13c,13d(導通路)、及び導電層13e(導通路)が設けられている。又、トップ基板14に設けられた導電パターン14a,14b(トップ基板導電層)とスペーサ18とが導電性樹脂27(電気接続手段)により、電気接続されている。
【0038】
この結果、本実施形態では、導電パターン14a,14bと回路基板12の導電パターン12aを電気接続する際に、筐体基枠13の外部に別体の導電性の筒状ケースを設けて、該筒状ケースを介して該トップ基板導電層・導電パターン間を電気接続する必要が無く、前記筒状ケースを省略することができる。この結果、部品点数が少なくなるため、製造コストを低減することができる。さらに、導電性の筒状ケースがない分小型化ができる効果がある。又、本実施形態では、トップ基板14に導電パターン14a,14bを有するため、電磁シールド効果を発揮することができる。
【0039】
(2) 又、本実施形態では、筐体基枠13、スペーサ18、振動膜19及びトップ基板14が積層された積層構造体を形成する際、回路基板12の導電パターン12aに対して接続される筐体基枠13の導電パターン13bや導電層13eに対し、スペーサ18が導電性接着剤により接続される工程が含まれる。そして、本実施形態では、スペーサ18を、トップ基板14の導電パターン14a,14bに対して、導電性樹脂27を介して間接的に電気接続する工程が含まれるようにしている。この結果、上記(1)の作用効果を実現できるコンデンサマイクロホンの積層構造体を容易に得ることができる。
【0040】
(第2実施形態)
次に、この発明を具体化した第2実施形態を図5及び図6を参照して説明する。第2実施形態の構成は、前記第1実施形態の構成と基本的に同じであるが、各構成部材の構成は、第1実施形態において対応する構成部材の構成と少しずつ異なっている。なお、以下の実施形態では、第1実施形態と同一又は相当する構成については、第1実施形態と同一符号を付して、詳細な説明を省略し、各構成部材の異なる点について説明する。
【0041】
図5に示すように、前記トップ基板14には、その中央部から偏った位置に1つの音孔17が形成されている。スペーサ18は、八角形の枠状に形成され、八角形の孔18aを備えている。スペーサ18の上面に張設された振動膜19の下面には導電層19aが形成されており、振動膜19の4隅端縁は、上方に180度折り返された折り返し部19bが設けられている。この折り返し部19bは、図6に示すようにトップ基板14の導電パターン14bに対して接触されている。折り返し部19bの先端は、スペーサ18の内周縁よりも内方に出ないことが、振動膜19の振動を阻害しないため好ましい。なお、図6は、各部材の電気的接続関係を示すための模擬的な要部断面図であり、各部材の厚みは説明の便宜上、誇張して拡大図示されている。
【0042】
従って、振動膜19上の導電層19aは、前記振動膜19の4隅端縁においては、トップ基板14の導電パターン14bに接続されている。このため、トップ基板14の導電パターン14a,14bは、折り返し部19bの導電層19aを介して筐体基枠13の導電パターン13b〜13dに電気接続されている。バックプレート20は、全体として略長円状をなし、一対の略円形部20aを連結するとともに、両円形部20a間に平行な辺20dを設けた形状に形成されている。なお、折り返し部19bと導電パターン14b及び導電層19aと導電パターン13bは、トップ基板14と筐体基枠13との圧接接合により互いに圧接導通しており、導電性接着剤等による導通結合は不要である。
【0043】
第2実施形態では、第1実施形態の(1)の作用効果の他、下記の特徴がある。
(1) 第2実施形態では、振動膜導電層である導電層19aは、スペーサ18側の面に設けられており、電気接続手段としては、振動膜19が導電層19aが設けられている側の面とは反対側に折り返されるようにされている。この結果、第2実施形態では、振動膜19が導電層19aが設けられている側の面とは反対側に折り返すという簡単な操作により、トップ基板14に設けられた導電パターン14bとスペーサ18が電気接続することができる。この結果、コンデンサマイクロホン10の組み付けを簡単に行うことができる。
【0044】
(2) 第2実施形態では、筐体基枠13、スペーサ18、振動膜19及びトップ基板14が積層された積層構造体を形成する際、第1実施形態と同様に回路基板12の導電パターン12aに対して接続される筐体基枠13の導電パターン13bや導電層13eに対し、スペーサ18が導電性接着剤により接続される工程で行うことができる。そして、第2実施形態では、振動膜19の4隅に折り返し部19bを形成することにより、スペーサ18をトップ基板14の導電パターン14a,14bに対して、該振動膜19の4隅に折り返し部19bの導電層19aを介して間接的に電気接続することができる。
【0045】
(変形例)
なお、この実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
○ 第2実施形態の変形例として、図7に示すように、振動膜19の周縁の一部又は全部をスペーサ18よりも短くして、スペーサ18の外周部をトップ基板14の導電パターン14bに対して導電性接着剤Sを介して直接接着すること。 この実施形態では、電気接続手段は、スペーサ18の周縁が導電パターン14bと直接接触配置されることにより構成されている。このようにすると、スペーサ18の周縁がトップ基板14の導電パターン14b(トップ基板導電層)と直接接触配置されることにより、スペーサ18の周縁は、トップ基板14と筐体基枠13との間に挟着配置される。このため、該周縁がトップ基板と筐体基枠に挟着状態となり、十分な接触圧が得られ、導通性に支障がでることはない。
【0046】
又、この実施形態においては、筐体基枠13、スペーサ18、振動膜19及びトップ基板14が積層された積層構造体を形成する際、第1実施形態と同様に回路基板12の導電パターン12aに対して接続される筐体基枠13の導電パターン13bや導電層13eに対し、スペーサ18が導電性接着剤により接続される工程で行うことができる。そして、この実施形態では、振動膜19の周縁の一部又は全部を短くして形成しておくことにより、スペーサ18をトップ基板14の導電パターン14bに対して、直接的に電気接続することができる。
【0047】
○ 又、第2実施形態の変形例として、図8に示すよう、スペーサ18に対して下方から治具等により貫通した孔を形成し、このときに生じた接触部としてのバリ18bをトップ基板14の導電パターン14bに対して接触させること。この実施形態では、電気接続手段は、スペーサ18に設けられたバリ18bが振動膜19を貫通して導電パターン14bと直接接触配置されることにより構成されている。このようにすると、スペーサ18のバリ18bがトップ基板14の導電パターン14b(トップ基板導電層)と直接接触配置される。本実施形態では、スペーサ18のバリ18bが振動膜19を貫通して導電パターン14bと直接接触配置されることにより、スペーサ18と導電パターン14bとの電気接続に他の接続のための部材が別途必要でなくなり、簡単な構成とすることができる。
【0048】
又、この実施形態においては、筐体基枠13、スペーサ18、振動膜19及びトップ基板14が積層された積層構造体を形成する際、第1実施形態と同様に回路基板12の導電パターン12aに対して接続される筐体基枠13の導電パターン13bや導電層13eに対し、スペーサ18が導電性接着剤により接続される工程で行うことができる。そして、この実施形態では、スペーサ18に接触部としてのバリ18bを振動膜19を貫通させることにより、スペーサ18をトップ基板14の導電パターン14bに対して、直接的に電気接続することができる。
【0049】
○ 第2実施形態の変形例として図9に示すように、スペーサ18及び振動膜19の嵌合孔18c,19cをそれぞれ形成し、導電パターン14bに、突部14cを一体に形成して、該突部14cを嵌合孔18c,19cに対して嵌入させること。この実施形態では、電気接続手段は、導電パターン14bに設けられた突部14cが振動膜19を貫通してスペーサ18と直接接触配置されることにより構成されている。なお、前記突部14cはバンプ等により形成するものとする。この突部14cにより、導電パターン14bとスペーサ18とが導通する。このように構成されることにより、導電パターン14bに設けられた突部14cが振動膜19を介してスペーサ18に直接接触配置されるため、スペーサ18と導電パターン14bとの電気接続に接続のための部材が別途必要でなくなり、簡単な構成とすることができる。
【0050】
○ 図7〜9の実施形態において、振動膜19の導電層19aを上面に設けてもよい。
○ この発明を、バックプレート20にエレクトレット膜22を設ける代わりに、振動膜19をエレクトレット膜としたホイルエレクトレット型のコンデンサマイクロホンに具体化する。
【0051】
○ この発明を、エレクトレット膜22を備えず、外部のチャージポンプ回路によってバックプレート20と振動膜19との間に電圧が印可されるチャージポンプ型のコンデンサマイクロホンに具体化する。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】第1実施形態のコンデンサマイクロホンを示す斜視図。
【図2】バックプレートとスペーサとの関係を示す平面図。
【図3】コンデンサマイクロホンを示す縦断面図。
【図4】コンデンサマイクロホンを示す分解斜視図。
【図5】第2実施形態のコンデンサマイクロホンを示す分解斜視図。
【図6】同じく各部材の電気的接続関係を示すための模擬的な要部断面図。
【図7】他の実施形態の図6相当図。
【図8】他の実施形態の図6相当図。
【図9】他の実施形態の図6相当図。
【図10】従来のコンデンサマイクロホンの断面図。
【符号の説明】
【0053】
10…コンデンサマイクロホン、11…筐体、
13b,13c,13d…導電パターン(導通路)、
13e…導電層(導通路)、 14a,14b…導電パターン(トップ基板導電層)、 18…スペーサ(導電性スペーサ)、18b…バリ(接触部)、
19a…導電層(振動膜導電層)、19…振動膜、
20…バックプレート(極板:バックプレートと振動膜19とによりコンデンサ部が構成されている。))、21…背極、22…エレクトレット膜、25…孔(貫通孔)。
【出願人】 【識別番号】000107642
【氏名又は名称】スター精密株式会社
【出願日】 平成18年8月21日(2006.8.21)
【代理人】 【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣

【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠


【公開番号】 特開2008−48329(P2008−48329A)
【公開日】 平成20年2月28日(2008.2.28)
【出願番号】 特願2006−224205(P2006−224205)