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【発明の名称】 マイクロホンアクセサリー
【発明者】 【氏名】秋野 裕

【要約】 【課題】マイクロホンの前方に設置することで、ポップ雑音を低減することができるマイクロホンアクセサリーに関する。

【構成】破裂音によって生じる急激な気流がマイクロホンに直接当たることを防止するために、マイクロホン前面に設置するマイクロホンアクセサリーであって、上記気流によって変位する前面フィルター、上記気流によって変位しない後面フィルター、上記前面フィルターと上記後面フィルターを固定する枠によって構成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
破裂音によって生じる急激な気流がマイクロホンに直接当たることを防止するマイクロホンアクセサリーであって、
上記気流によって変位する前面フィルター、
上記気流によって変位しない後面フィルター、
上記前面フィルターと上記後面フィルターを固定する枠、
によって構成されていることを特徴とするマイクロホンアクセサリー。
【請求項2】
上記枠は円筒形であって、枠の円周面には、内部で生じた気流を外部に排出する孔が設けられていることを特徴とする請求項1記載のマイクロホンアクセサリー。
【請求項3】
上記前面フィルターは、繊維をメッシュ状に織ったものであることを特徴とする請求項1、2に記載のマイクロホンアクセサリー
【請求項4】
上記後面フィルターは、上記前面フィルターに用いる繊維よりも線径が太く、ステンレスをメッシュ状に織ったものであることを特徴とする請求項1、2に記載のマイクロホンアクセサリー
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、マイクロホンの前方に設置することで、ポップ雑音を低減することができるマイクロホンアクセサリーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
破裂音などによって生じる急激な気流が、マイクロホンに直接当たるとポップ雑音が生じる。録音スタジオなどで音声を収音する際に、このポップ雑音が問題になるため、マクロホンの前方に弾力のある繊維によってなるメッシュをリング状の枠に取付けた「ポップフィルター」と呼ばれるマイクロホンアクセサリーを設置し、ポップ雑音の発生を防止している。
【0003】
従来のポップフィルターの例を図3に示す。図3においてポップフィルター20は、図に向かって左側で生じた破裂音による気流が前面にあたって変位し、この変位によって生じる内部の圧力変化によって後面も変位する。このようにポップフィルター20が変位することで気流のエネルギーが分散され、マイク5には、急激な気流が当たらないようになる。ポップ雑音をより小さくするためには、ポップフィルター20に用いる繊維の密度を高めるか、ポップフィルター20とマイクロホン5との間隔を大きくとって、急激な気流がマイクロホン5に加わりにくくする方法が一般的である。
【0004】
また、メッシュ状の繊維を用いるもの以外にもエキスパンドメタルを用いたフィルターが知られている。図4はエキスパンドメタルを用いたフィルター30の断面と、設置例を示す図である。図3と同様に図に向かって左方向にて生じた破裂音による気流は、フィルター30の編み目形状の金属に当たって方向が変わる。このため、マイクロホン5に直接、急激な気流が当たることを防ぐことができる。
【0005】
また、無指向性マイクロホンユニットの前面にフィルターを装着して、マイクロホンユニット前面の音孔から流れ込んだ空気を前気室に設けた別の音孔から外部に逃がすようにして、破裂音による音の乱れを防ぐとともに、マイクロホンユニットに伝わる音の音質を改善して、ポップ雑音を低減する発明が知られている(例えば、特許文献1参照)
【0006】
【特許文献1】特開平07―212888号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記の従来技術のうち、「ポップフィルター」を用いる場合、メッシュを構成する繊維の密度を高くすると音響抵抗値が高くなり周波数応答が劣化する。また、マイクロホンとポップフィルターの間隔を大きくすると、音源とマイクロホンとの距離が離れることになるため、近接効果を利用した録音ができない等の制限が生じる。
【0008】
また、エキスパンドメタルを用いたフィルターは、素材が金属であるために付帯音が発生しやすいため、一般的に用いることは少ない。
【0009】
特許文献1記載の発明では、上記特徴的な構造をマイクロホンユニットにて形成する必要があるため、汎用的なマイクロホンでこの発明を用いることはできない。従って、汎用的なマイクロホンにおいて、破裂音による音質劣化を防ぐためには、前述のような難点があることを承知の上で、従来のポップフィルターなどによって破裂音を防止することになる。
【0010】
本発明は、上記課題を鑑みてなされたもので、マイクロホンの前方に設置して用いるフィルターの前面側には気流で変位するフィルターを用い、後面側には気流で変位せず、かつ、当たった気流が外部に流れるような形状であるフィルターを用いて、破裂音の発声などによる急激な気流が、マイクロホンに伝わらないようにするマイクロホンアクセサリーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、破裂音によって生じる急激な気流がマイクロホンに直接当たることを防止するために、マイクロホン前面に設置するマイクロホンアクセサリーであって、上記気流によって変位する前面フィルター、上記気流によって変位しない後面フィルター、上記前面フィルターと上記後面フィルターを固定する枠、によって構成されていることを最も主要な特徴とする。
【0012】
また、本発明は、上記マイクロホンアクセサリーにおいて、上記枠の円周面には、内部で生じた気流を外部に排出する孔が設けられていることを特徴とする
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、フィルターの密度を高めることなく、軽易な構成でポップ雑音を軽減することができるので、マイクロホンの周波数応答、音質の劣化が生じることがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明にかかるマイクロホンアクセサリーの実施形態について、図を用いて説明する。図1は本発明に係るマイクロホンアクセサリーであるフィルターの実施例を示す斜視図である。図1(a)はフィルターの前面(音源側)から見た斜視図、図1(b)はフィルターの後面(マイク側)から見た斜視図である。図1において、フィルター10は円形の枠3に、繊維材料からなるメッシュであって、音源が発する破裂音による急激な気流で変形する前面フィルター1を前面側に取付け、また、前面フィルター1に用いる素材よりも気流による変形が無い素材からなるメッシュであって、略円錐形に加工した後面フィルター2を後面に取付けている。また、枠3の外周には、フィルター10内部で生じた圧力変化による気流を排出するために、複数の排出孔4が設けられている。
【0015】
図2を用いて、フィルター10の動作を説明する。図2に向かって左側に音源が存在し、その音源から発声した破裂音がマイク5に直接当たることを防ぐ位置にフィルター10を設置する(図2(a))。破裂音が前面フィルター1に当たると、前面フィルター1は枠3によって固定されているため中央部分が変位する(図2(b))。この前面フィルター2の変位によって、後部フィルター2に向かう気流が発生するが、後部フィルター2は前面フィルター1側に頂点を向けている略円錐形をしており、その材質は、音は通過させるが気流によって変位することが無い硬質な材質を用いているので、上記の気流によって、後部フィルター2が変位してマイク5側に気流を発生することはなく、後部フィルター2に当たった気流は、後部フィルター2の傾斜に沿って、フィルター10の外部方向に向かうことになる。
【0016】
上記気流は枠3の円周に設けられた排出孔4から外部に流れ出るので、マイク5に対して急激な気流が当たることはない。
【0017】
前側フィルター1の素材は、ナイロンであって線径が80ミクロンの平織りメッシュが好適である。また後側フィルター2の素材は、線径が0.1mmのステンレスメッシュを円錐状に加工したものが好適である。
【0018】
上記のようにフィルター10を用いることによって、マイク5に急激な気流が直接あたることを防止することができるので、ポップ雑音の発生を防ぐことができる。
また、メッシュに用いる繊維の密度を上げることなく、効果的にポップ雑音を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明に係るマイクロホンアクセサリーの構造の例を示す斜視図である。
【図2】本発明に係るマイクロホンアクセサリーの動作を示す説明図である。
【図3】従来の、ポップフィルターの例を示す断面図である。
【図4】従来の、エキスパンドメタルによるフィルターの例を示す断面図である。
【符号の説明】
【0020】
1 前面フィルター
2 後面フィルター
3 枠
4 排出孔
10 フィルターマイク
【出願人】 【識別番号】000128566
【氏名又は名称】株式会社オーディオテクニカ
【出願日】 平成18年8月21日(2006.8.21)
【代理人】 【識別番号】100088856
【弁理士】
【氏名又は名称】石橋 佳之夫


【公開番号】 特開2008−48309(P2008−48309A)
【公開日】 平成20年2月28日(2008.2.28)
【出願番号】 特願2006−223851(P2006−223851)