| 【発明の名称】 |
電気音響変換装置及びそのアタッチメント |
| 【発明者】 |
【氏名】満居 慎也
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| 【要約】 |
【課題】音漏れ、難聴を防いで、音質も高い、より快適な電気音響変換装置及びそのアタッチメントを提供する。
【構成】インナーイヤー型電気音響変換装置10のスピーカS側に備えるアタッチメント20であって、少なくとも硬度及び/又は密度の異なる2種以上の可撓性を有する素材から構成され、電気−音響変換を行う振動子Xに対し少なくとも音響的に結合された耳挿入部1からなり、上記耳挿入部は、振動子Xからの音響出力を耳E内部に伝達する通音孔2を備えたもの、とする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 インナーイヤー型電気音響変換装置のスピーカ側に備えるアタッチメントであって、 前記アタッチメントは、少なくとも硬度及び/又は密度の異なる2種以上の可撓性を有する素材から構成され、電気−音響変換を行う振動子に対し少なくとも音響的に結合された耳挿入部からなり、 前記耳挿入部は、前記振動子からの音響出力を耳内部に伝達する通音孔を備えている、ことを特徴とするインナーイヤー型電気音響変換装置のアタッチメント。 【請求項2】 前記可撓性を有する素材がいずれもシリコン系合成樹脂材料からなることを特徴とする請求項1に記載のインナーイヤー型電気音響変換装置のアタッチメント。 【請求項3】 さらに、前記耳挿入部の前記通音孔の周囲に、前記可撓性を有する素材よりも高硬度及び/又は高密度の内壁を形成したことを特徴とする請求項1又は2に記載のインナーイヤー型電気音響変換装置のアタッチメント。 【請求項4】 前記内壁が金属からなることを特徴とする請求項3に記載のインナーイヤー型電気音響変換装置のアタッチメント。 【請求項5】 前記金属がTi,Al,Au若しくはPt又は真鍮の何れか或いはそれらの組合せからなることを特徴とする請求項4に記載のインナーイヤー型電気音響変換装置のアタッチメント。 【請求項6】 請求項1〜5の何れか1項に記載のアタッチメントを備えたことを特徴とするインナーイヤー型電気音響変換装置。 【請求項7】 電気音響変換装置であって、 少なくとも硬度及び/又は密度の異なる2種以上の可撓性を有する素材から構成され、電気−音響変換を行う振動子に対し少なくとも音響的に結合されると共に、前記振動子からの音響出力を耳内部に伝達する通音孔を有する耳挿入部、 を備えたことを特徴とする電気音響変換装置。 【請求項8】 前記可撓性を有する素材がいずれもシリコン系合成樹脂材料からなることを特徴とする請求項7に記載の電気音響変換装置。 【請求項9】 さらに、前記耳挿入部の前記通音孔の周囲に、前記可撓性を有する素材よりも高硬度及び/又は高密度の内壁が形成されていることを特徴とする請求項7又は8に記載の電気音響変換装置。 【請求項10】 前記耳挿入部における前記通音孔の前記内壁が金属からなっていることを特徴とする請求項9に記載の電気音響変換装置。 【請求項11】 前記金属がTi,Al,Au若しくはPt又は真鍮の何れか或いはそれらの組合せからなることを特徴とする請求項10に記載の電気音響変換装置。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、電気音響変換装置及びそのアタッチメントに関する。 【背景技術】 【0002】 近年は特に、「音楽を携帯する文化」が幅広く普及し、多くの人が時間・場所を問わずに、気軽に音楽を楽しむことが可能になった。これにより、音楽を楽しむための環境は、もはや設備や装置を完備した限定された場所にとらわれるものではなく、音楽を楽しむ文化は、全体的に見て大きく変わりつつある。 【0003】 しかしながら、音楽を携帯するのは便利な一方で、イヤホンの利用が必要なことから、i)電車内などの公共の場における音漏れ(所謂シャカシャカ音による騒音)や、ii)難聴(特に若年層)等の弊害が生じていることが否めない。 今後さらに、携帯機器の増加に伴うイヤホンの利用人口・利用時間増大、利用用途の拡大や低年齢化を踏まえると、上記の弊害はより深刻な問題となることが必至である。 【0004】 また、様々なメディアを通じても明らかな通り、これまで多くのイヤホン利用者が音質に対する不満を感じているが、次々と発売される「音質を追求した製品」の対象は、高額であることや耐久性の悪さなどから、ごく一部の利用者に限定されるものでしかなかった。 このように、前述のイヤホン自体の問題を解決し、安価に利用できる製品を市場で捜し出す事は非常に難しい、というのが現状であった(特許文献1他)。 【0005】 そこで、音漏れ、難聴を防いで、音質も高い、より快適なイヤホンを得るに当たって検討すべき項目を挙げると、具体的な構造の根本や音響学の暮礎のほか、人が音を感じる仕組みについて研究することが不可欠と考えられる。 【0006】 人間が、良い音だと感じるには、脳の構造と働きが大きく関わっていると一説では言われている。これによれば、脳がある種の快楽ホルモン分泌を行い、その指令をうけて「心地よい音だ」と感じている。したがって、周波数特性のスペック値や構造、装用感だけが優れていても、脳がそれを良しとせずにホルモンの分泌を行わなければ、良い音であるとは感じられない。 このように、人に良い音だと感じさせるには、脳のホルモン分泌を促すことが重要でである。しかしながら、これを理解した上でイヤホンを作っている例は現状で存在しなかった。 【特許文献1】実公平08−010999号公報 【特許文献2】特許第2581037号公報 【特許文献3】特開平10−276498号公報 【非特許文献1】Newton 2006年7月号 P.5 株式会社ニュートンプレス発行 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0007】 したがって本発明は、上記課題を解決し、音漏れ、難聴を防いで、音質も高い、より快適な電気音響変換装置及びそのアタッチメントを提供することを課題とする。 【課題を解決するための手段】 【0008】 本願発明者は、音楽を聴いて楽しい、心地良いと応じるための、脳を含めた人の体の仕組みを研究することから始めて、イヤホンだけでなく補聴器の領域をもカバーする幅広い考察を通じて、 i)音量が直接的な問題なのではな<、全身で低音の響きを感じているかどうかによって心地良さが異なること、を見い出し、したがって、低音を確実に感じるところに伝えることで、ホルモンを分泌させることが出来ることを見い出した。 ii)また、本願発明者は、低音は鼓膜のほか、軟骨を伝って感じることを見い出した。 iii)さらに、本願発明者は、低音だけではなく、高音についても、より耳の内部器官(鼓膜M及び蝸牛管D;符号は図中のもの。以下同様)に近い所から耳へと伝達してやることで、体感的な音響特性が向上することを見い出した。 【0009】 上記課題を解決可能な本発明の電気音響変換装置のアタッチメントは、(1)インナーイヤー型電気音響変換装置のスピーカ側に備えるアタッチメントであって、前記アタッチメントは、少なくとも硬度及び/又は密度の異なる2種以上の可撓性を有する素材から構成され、電気−音響変換を行う振動子に対し少なくとも音響的に結合された耳挿入部からなり、 前記耳挿入部は、前記振動子からの音響出力を耳内部に伝達する通音孔を備えている、ことを特徴とするものである。 【0010】 また、本発明の電気音響変換装置は、(2)電気音響変換装置であって、少なくとも硬度及び/又は密度の異なる2種以上の可撓性を有する素材から構成され、電気−音響変換を行う振動子に対し少なくとも音響的に結合されると共に、前記振動子からの音響出力を耳内部に伝達する通音孔を有する耳挿入部、を備えたことを特徴とするものである。 【0011】 好ましくは、上記可撓性を有する素材はいずれもシリコン系合成樹脂材料からなる。 さらに、上記耳挿入部の通音孔の周囲には、上記可撓性を有する素材よりも高硬度及び/又は高密度の内壁が形成される。この内壁は、金属、特にTi,Al,Au若しくはPt又は真鍮の何れか或いはそれらの組合せからなることが好適である。 【0012】 なお、本明細書に於いて「インナーイヤー型電気音響変換装置」とは、振動子Xその他のドライバーユニットからなるスピーカSの収納されたハウジングの少なくとも一部を耳孔に挿入して使用するタイプのイヤホン10を指し示すものとする。 【0013】 また、「低音」、「中音」、「高音」と言った用語を使用するが、これらはそれぞれ、「中音」を1〜4kHzとして、それ以上を「高音」域、以下を「低音」域として取り扱うものとする。なお、人間の可聴音域は、周波数帯域で表わして20Hz〜20kHzと一般に言われている。 【0014】 「可撓性を有する素材」とは、所謂イヤーピースに相当する耳挿入部1を構成する素材であって、クッション性があって柔軟な素材を指し示すものとする。好ましくは、型成形が可能であるほか、表面が滑らかであって、耳Eに挿入されたときに耳孔と簡単にぴったり合い、耳挿入部1と耳孔との間が良くシールされるような材料の性質を言う。 なお、特許文献2及び3にも、耳孔に挿入され得る部材が開示されているところ、これらは本願発明の耳挿入部1とは用途及び機能のほか、具体的構成、目的並びに作用効果の何れもが顕著に相違するものである。 【0015】 「シリコン系合成樹脂材料」とは、ケイ素(酸素と結びついてケイ石として存在)に適宜化学反応を加えて作り出した無機と有機の性質を兼ね備える合成樹脂を指し示すものとする。一般的に、シリコン系合成樹脂材料は結合の主骨格となるシロキサン結合=Si−O−Siと有機基が結びついて、様々な特性を発揮する。性状も多彩で、あらゆる分野で活用されている。また、配合技術や架橋技術によって、より高機能な素材に生まれ変わることが可能な素材でもある。 【0016】 「パッシブラジエータ」とは、一般的に、スピーカの駆動によってエンクロージャ内部に発生した空気の圧力の変化を、効率的に音圧に変換するための装置或いは機構を指し示すものとする。通常のスピーカとは使用目的が異なり、それ自体は駆動機構を持たない。このパッシブラジエータは、より効率よくエンクロージャ内部の圧力を音圧に変換するための構造であると言える。 【0017】 「倍音」とは、一般的に、ある音の、周波数が(2以上の)整数倍である音を指し示すものとする。1倍である音(元の音)を基音という。 【発明の効果】 【0018】 本発明によれば、音漏れ、難聴を防いで、音質も高い、より快適な電気音響変換装置及びそのアタッチメントを提供することが可能となる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0019】 以下、本発明の電気音響変換装置及びそのアタッチメントにつき、添付図面に示される一実施例を用いて詳細に説明する。図1は本発明にかかる、インナーイヤー型電気音響変換装置のアタッチメントを示す外観図、図2は本発明にかかるアタッチメントを備えたインナーイヤー型電気音響変換装置の外観図、図3は本発明にかかる、インナーイヤー型電気音響変換装置のアタッチメントの一実施例を示す分解図、図4は本実施例に係るアタッチメントの、分解状態における各構成要素の断面図、図5は本実施例に係るアタッチメントの、組立て状態における断面図である。 【0020】 [構成及び装着態様] 図1に、本発明にかかる、インナーイヤー型電気音響変換装置のアタッチメント20の外観図を示す。また図2に、本発明にかかるアタッチメントを備えたインナーイヤー型電気音響変換装置の外観図を示す。図2に示す通り、アタッチメント20は、インナーイヤー型電気音響変換装置10のスピーカS側に装着され得る様になっている。 図1及び図2に示す通り、アタッチメント20は耳挿入部1からなる。本実施例では、耳挿入部1は第1部材11と第2部材12の2ピース構成とされる。また耳挿入部1には、その中心を貫く通音孔2が設けられている。スピーカSの振動子Xによって電気−音響変換された再生音は、この通音孔2をも通って耳の内部器官(鼓膜M及び蝸牛管D)へと伝達される。通音孔2に係る詳細その他については後述する。 【0021】 図2からも明らかな通り、アタッチメント20は、第2部材12側がインナーイヤー型電気音響変換装置10のスピーカS部分に装着される様になっている。一方、アタッチメント20は第1部材11側を先端として耳Eの耳孔へと挿入される。第1部材11の先端は、個人差はあるものの、図2のa点辺りまで挿入される。このように、本実施例の構成によれば、従来例に比べ、スピーカSから耳挿入部1を通じてより直接的に耳の内部器官(鼓膜M及び蝸牛管D)の近くに再生音を伝達し得る様になる。 なお、蝸牛管Dには、その渦巻き構造が低音を増幅させる働きをしていることが見い出されている(非特許文献1参照)。 【0022】 ここで、アタッチメント20が耳Eの耳孔へ挿入された際、耳挿入部1は耳孔、ひいては耳Eの軟骨Cにぴたりと密着する様になっている。前記の通り本願発明者は、低音は鼓膜Mのほか、軟骨Cを伝って感じることを見い出したところ、耳挿入部1が耳孔、ひいては耳Eの軟骨Cにぴたりと密着する様構成することで、スピーカSからの再生音を、耳挿入部1を通じて耳Eの軟骨Cへ、効率よく伝達することが可能となる。 【0023】 従来知られたインナーイヤー型イヤホンのみであれば、イヤホンと耳孔の間にどうしても隙間が生じる。このように隙間ができると、再生音が漏れて、i)特に人への低音伝達特性(低域特性)が低下するほか、ii)外部への所謂シャカシャカ音の音漏れが問題となる、という不都合がある。 本例によれば、耳挿入部1が耳孔とスピーカSとの隙間を埋める様になり、耳孔或いはスピーカSから外部への再生音の漏れが少なくなる。したがって、本例によれば、i)低域特性の低下を軽減することができるほか、ii)外部への音漏れ問題も解消される。 【0024】 そのほか、スピーカSから耳挿入部1を通じてより直接的に耳の内部器官の近くに再生音を伝達し得る様になることから、従来例に比べて再生音を耳の内部器官に効率的に到達させることが出来る。 【0025】 この、耳挿入部1を構成する材料としては、可撓性を有する材料が好ましい。最適な物質としては、第1部材11及び第2部材12共に、シリコン合成樹脂が選ばれる。 ここで、本実施例では第1部材11と第2部材12とからなる耳挿入部1は、少なくとも硬度及び/又は密度の異なる2種以上の可撓性を有する素材から構成される。このような構成が採られたのは、次の理由による。 すなわち、本願発明者は、低音は鼓膜のほか、軟骨を伝って感じることを見い出したところ、人体内には硬度や密度が異なる多種多様な軟骨が存在する。したがって、上の様な構成を採ることにより、耳挿入部1を可能な限り耳Eの軟骨Cに近い状態とし、スピーカSからの再生音をより効率よく耳、軟骨ひいては脳に伝達することがその狙い、或いは理由である。 【0026】 なお、耳挿入部1を構成する最適な物質としてシリコン合成樹脂を選択したのは、地球上に無尽蔵に存在する物質であり、医学的、食品衛生上においても無害であることが証明され、且つ安価であることの他、以下の理由による。 i)本願発明者は、低音は鼓膜のほか、軟骨を伝って感じることを見い出したところ、シリコン合成樹脂はその物性が軟骨の性質に近似している。したがって、物性的に見て、耳挿入部1を通じて耳Eの軟骨へ、スピーカSからの再生音をより効率よく伝達することが可能である。 ii)また、従来のイヤホンでは形状からも音漏れを防ぐ仕組みではなく、大音量にして聴かざるを得なかったが、シリコン合成樹脂であれば耳の構造に合わせた成型ができるので、確実に再生音を、感じる部分に届けることが可能となる。 iii)そのうえ、音漏れを防ぐことにより無駄な音量が制限され、鼓膜に必要以上の音の圧力がかかることもな<なるので、難聴になる危険性も大きく軽減することが出来る。 【0027】 ここで、耳挿入部1の通音孔2の周囲に、耳挿入部1を形成する素材よりも高硬度及び/又は高密度の素材、好ましくは金属からなる内壁を形成することにより、特に高音についての体感的な音響特性が向上する。 【0028】 内壁に形成される金属としては、Ti,Al,Au若しくはPt又は真鍮の何れか或いはそれらの組合せが好ましい。本実施例では、次の図3及び図4の説明からも明らかな通り、耳挿入部1の通音孔2の内壁2’として、真鍮からなる金属管3を、通音孔2に挿入する構成としている。 【0029】 図3に、本発明にかかる、インナーイヤー型電気音響変換装置のアタッチメントの一実施例の分解図を示す。また図4に、その分解状態における各構成要素の断面図を示す。 図4では、斜線部分は中身がある部分を示しており、無地部分は中空構造になっていることを示している。 図3A及び図4Aは第1部材11を、図3B及び図4Bは第2部材12を、そして図3C及び図4Cは金属管3を、それぞれ示している。 【0030】 図3A及び図4Aに示す第1部材11は、基体111と、基体111の先端部から周囲に拡がる様に形成された鍔部112とからなる。 一例によれば、第1部材11の先端部分に相当する鍔部112は、約1.2mmの肉厚とされる。 【0031】 また基体111には、その中心を貫く様に通音孔2が設けられている。 本実施例では、通音孔の内壁に金属層を形成すべく、図4Aに示される第1部材11の通音孔2に、その内壁2’にぴたりと密着する様に金属管3が挿入される。これにより、別体構造ではあるが、通音孔の内壁に金属層が形成されたのと同じ状態となる。本実施例では、金属管3は真鍮からなるものとした。 なお、図4Cからも明らかな通り、金属管3の内壁3’である真鍮管の内孔は、内部で内径が2段階に分かれる様になっている。 【0032】 次に、図3B及び図4Bに示す第2部材12は、基体121と、基体121の先端部から周囲に拡がる様に形成された鍔部122と、同様に今度は基体121の下端部から周囲に拡がる様に形成されたイヤホン取付部123とからなる。 基体121は、中に第1部材11の基体111を収容し得る様、中空になっている。また、イヤホン取付部123は、電気音響変換装置10のスピーカS部分を丁度包み込むことが可能な大きさに構成されている(後記図5B参照)。 【0033】 いずれにせよ、第1部材11及び第2部材12は、可撓性のある素材で構成されており、引っ張ったり、押し潰したり、適宜変形させながら、第1部材11の基体111は第2部材12の基体121内に填め込まれると共に、第2部材12のイヤホン取付部123は電気音響変換装置10のスピーカS周りに装着される(後記図5B参照)。 【0034】 図5に、本実施例に係るアタッチメントの、組立て状態における断面図を示す。図5Aは第1部材11に金属管3が装着された様子を示し、図5Bは第1部材11、第2部材12、金属管3の3点が全て適切に組立てられたときの様子を示している。 一例によれば、鍔部122と基体121との間にできる空間bは、このアタッチメント20を耳孔に挿入して耳Eに装用した際、所謂パッシブラジエータと同様、低音域を中心とした音圧を増幅する作用効果を奏し得る。 【0035】 本実施例によれば、低音域、或いは高音域という夫々別の領域に対して作用効果を発揮し得る構造上の特徴(耳挿入部1、通音孔2及び金属管3)を適宜組み合わせることにより、鼓膜M、或いは軟骨Cや蝸牛管Dその他の内部器官を通じて、略全可聴帯域に於いて、脳で、良い音と思わせることを実現できる。 【0036】 このように、本実施例によれば、i)装用感に優れ、かつ、ii)低音を中心とした音圧増幅効果を備えるだけでなく、iii)耳、ひいては脳に届く高音の伸びが良好な電気音響変換装置及びそのアタッチメントを提供することができる。 なお、i)装用感というものは、出来上がった料理を皿に盛っただけの料理と、仕上げに工夫を凝らし、見た目も楽しめる料理を食べたときを比べると、感じ方が大きく異なるのと同様、心地良いというホルモン分泌に関わりがあるものと考えられ、脳にとって意外と大事な情報だと推察される。 【0037】 iv)また、後記の通り、通音孔2の内壁2’に形成する金属層の態様を適宜工夫することにより、通音孔2に特定の周波数成分或いは特定倍音のみを通過させ得る所謂フィルタとしての役割を与え、それによってイヤホンの周波数特性を調整することも可能となる。 【0038】 これらを総合的に勘案しても明らかな通り、本発明は、従来のイヤホンが抱えていた問題を解消し、また、高額を投じることなく音質の向上を図る、理想的なイヤホンを提供するものである。 【0039】 [変形例] 以上、本発明につき一実施例に基づき詳細に説明したが、本発明は上記の構成に限られず、種々の設計変更その他の変形が可能である。その一部を以下に列挙する。 【0040】 1. 上記実施例では、イヤホンとアタッチメントを別体の構成としたが、両者を一体に構成しても構わない。 【0041】 2. 上記実施例では、通音孔の内壁を金属によって形成するものとし、その際、この内壁の金属を、通音孔内に別途挿入する金属管によるものとしたが、このような構造に限定されない。例えば、通音孔の内壁に適宜厚みの金属層を何らかの手法を用いて別途形成するものであっても良い。また、金属の種類も上記実施例記載のものに限定されない。さらに、通音孔の内壁は、金属に限らず、耳挿入部1の素材よりも高硬度及び/又は高密度のものであれば構わない。 その他、通音孔の内壁を金属によって形成する構造を、通音孔の全部ではなく、一部に設えても構わない。 【0042】 3. また、この金属管に関しても、本実施例では管の両端それぞれにおける口径を異なるものとしたが、これに限らず、両端の口径は同じであっても構わない。 また、図6に示す如く、この金属管の口径或いは内径が、振動子X側から鼓膜M側にかけて徐々に細まる構成としても構わない。このとき、金属の種類をチタンその他に適宜選定して金属管3を作成した場合、金属管3に特定の周波数成分或いは特定倍音のみを通過させ得る所謂フィルタとしての役割を持たせることができ、イヤホンの周波数特性を調整することも可能である。 【0043】 4. 耳挿入部1に関し、本実施例では第1部材11と第2部材12の2点からなる2ピース構成としたが、これに限らず、3点以上からなるものとしても構わない(図7及び図8参照)。 【0044】 例えば、図7に示す別実施例では、アタッチメント20は3ピース構成とされている。先の実施例で第1部材11の鍔部112に相当した箇所が、そっくりその儘第3部材13に置き換えられている。第3部材13は、基体131と、その先端から周囲に拡がる鍔部132とからなる。第3部材13の硬度及び/又は密度は、第1部材11及び/又は第2部材12と同一であっても異なっていても構わない。 【0045】 次に、図8に示す別実施例では、アタッチメント20は4ピース構成とされている。先の実施例における第1部材11の鍔部112の内側に相当する箇所、及び第2部材12の鍔部122の内側に相当する箇所に、夫々略リング状の第3部材13’及び第4部材14が備え設けられている。図7同様、第3部材13’は、基体131’と、その先端から周囲に拡がる鍔部132’とからなる。第4部材14は、単純なリング状をなしている。また、第1部材11’は、若干、先の実施例とは全体的な形状が異なっている。第3部材13’或いは第4部材14の硬度及び/又は密度も、第1部材11及び/又は第2部材12と同一であっても異なっていても構わない。 【0046】 5. その他、本実施例では、第1部材11と第2部材12に関し、それぞれ、基体と鍔部(第2部材については、さらにイヤホン取付部123)からなるものとしたが、このような構造に特に限定されない。それぞれの材料に関しても、可撓性を有する素材であれば良く、ウレタンその他のエラストマー等、シリコン系合成樹脂に特に限定されない。 【0047】 以上に説明した通り、本発明は、音漏れ、難聴を防いで、音質も高い、より快適な電気音響変換装置及びそのアタッチメントを提供する新規かつ有用な発明であることが明らかである。 【図面の簡単な説明】 【0048】 【図1】本発明にかかる、インナーイヤー型電気音響変換装置のアタッチメントを示す外観図である。 【図2】本発明にかかるアタッチメントを備えたインナーイヤー型電気音響変換装置の外観図である。 【図3】本発明にかかる、インナーイヤー型電気音響変換装置のアタッチメントの一実施例を示す分解図である。 【図4】本実施例に係るアタッチメントの、分解状態における各構成要素の断面図である。 【図5】本実施例に係るアタッチメントの、組立て状態における断面図である。 【図6】金属管の別実施例を示す図である。 【図7】本発明にかかるアタッチメントの別実施例を示す図である。 【図8】本発明にかかるアタッチメントの別実施例を示す図である。 【符号の説明】 【0049】 C 軟骨 D 蝸牛管 E 耳 M 鼓膜 S スピーカ X 振動子 1 耳挿入部 11,11’ 第1部材 111,111’ 基体 112,112’ 鍔部 12 第2部材 121 基体 122 鍔部 123 イヤホン取付部 13,13’ 第3部材 131,131’ 基体 132,132’ 鍔部 14 第4部材 2 通音孔 2’ 内壁 3 金属管 3’ 内壁 10 電気音響変換装置 20,20’,20’’ アタッチメント
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| 【出願人】 |
【識別番号】506284717 【氏名又は名称】満居 慎也
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| 【出願日】 |
平成18年8月21日(2006.8.21) |
| 【代理人】 |
【識別番号】110000475 【氏名又は名称】特許業務法人みのり特許事務所
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| 【公開番号】 |
特開2008−48303(P2008−48303A) |
| 【公開日】 |
平成20年2月28日(2008.2.28) |
| 【出願番号】 |
特願2006−223822(P2006−223822) |
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