| 【発明の名称】 |
ノイズ低減装置、ノイズ低減方法及びノイズ低減プログラム |
| 【発明者】 |
【氏名】小沢 一彦
|
| 【要約】 |
【課題】複数のマイクロホン系をもつビデオカメラ等の高音質記録再生のための阻害要因の1つであるランダムノイズを除去するとともに、音場がモノラル化する問題点についても改善する。
【構成】複数の音響チャンネルから複数の音響信号を入力する入力手段と、ノイズ抽出手段と、演算手段と、ノイズ抽出手段からの信号の所定期間における信号レベルを検出する複数の第1レベル検出手段と、演算手段からの信号の所定期間における信号レベルを検出する第2のレベル検出手段と、第1、第2のレベル検出手段から検出されるレベル値で最小レベル値を有する信号を所定期間毎に選択する選択手段と、選択手段からの信号の帯域制限を行う帯域制限手段と、帯域制限手段からの信号とノイズ抽出手段における抽出レベル以外の信号とを夫々の音響チャンネル毎に合成する複数の合成手段とを有し、各合成手段の出力を各音響チャンネル出力信号とする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 複数の音響チャンネルから複数の音響信号を入力する入力手段と、 前記音響信号においてノイズ成分を含むレベル領域を抽出する複数のノイズ抽出手段と、前記ノイズ抽出手段からのノイズ信号の加算平均を演算する演算手段と、 前記ノイズ抽出手段からの信号の所定期間における信号レベルを検出する複数の第1レベル検出手段と、 前記演算手段からの信号の所定期間における信号レベルを検出する第2のレベル検出手段と、 前記第1のレベル検出手段及び前記第2のレベル検出手段から検出されるレベル値で最もレベルの小さいレベル値を有する信号を前記所定期間毎に選択する選択手段と、 前記選択手段からの信号の帯域制限を行う帯域制限手段と、 前記帯域制限手段からの信号と前記ノイズ抽出手段における抽出レベル以外の信号とを夫々の音響チャンネル毎に合成する複数の合成手段とを有し、 前記各合成手段の出力を各音響チャンネル出力信号とすることを特徴とするノイズ低減装置。 【請求項2】 複数の音響チャンネルから複数の音響信号を入力する入力手段と、 前記音響信号においてノイズ成分を含むレベル領域を抽出する複数のノイズ抽出手段と、 前記ノイズ抽出手段からの信号の加算平均を演算する演算手段と、 前記ノイズ抽出手段からの信号の所定期間における信号レベルを検出する複数の第1のレベル検出手段と、 前記演算手段からの信号の所定期間における信号レベルを検出する第2のレベル検出手段と、 前記第1のレベル検出手段からのレベル値及び前記第2のレベル検出手段からのレベル値を各音響チャンネルで前記所定期間毎にレベルの小さい方のレベル値を有する信号を選択する複数の選択手段と、 前記選択手段からの信号の帯域制限を行う複数の帯域制限手段と、 前記帯域制限手段からの信号と前記ノイズ抽出手段における抽出レベル以外の信号とを夫々の音響チャンネル毎に合成する複数の合成手段とを有し、 前記各合成手段の出力を各音響チャンネル出力信号とすることを特徴とするノイズ低減装置。 【請求項3】 複数の音響チャンネルから複数の音響信号を入力する入力手段と、 前記音響信号から所定帯域を抽出する帯域抽出手段と、 前記帯域抽出手段からの信号においてノイズ成分を含むレベル領域を抽出する複数のノイズ抽出手段と、 前記ノイズ抽出手段からの信号の加算平均を前記所定帯域毎に演算する複数の演算手段と、 前記ノイズ抽出手段からの信号の所定期間における信号レベルを検出する複数の第1のレベル検出手段と、 前記演算手段からの信号の所定期間における信号レベルを検出する第2のレベル検出手段と、 前記第1のレベル検出手段からのレベル値及び前記第2のレベル検出手段からのレベル値で最もレベルの小さいレベル値を有する信号を前記所定帯域の前記所定期間毎に選択する選択手段と、 前記選択手段からの信号の帯域制限を行う帯域制限手段と、 前記帯域制限手段からの信号と前記帯域抽出手段における抽出帯域以外の帯域信号と夫々の音響チャンネル毎に帯域合成する帯域合成手段と、 前記帯域合成手段からの信号と前記ノイズ抽出手段における抽出レベル以外の信号とを夫々の音響チャンネル毎に合成する複数の合成手段とを有し、 前記合成手段の出力を各音響チャンネル出力信号とすることを特徴とするノイズ低減装置。 【請求項4】 請求項1、2又は3記載のノイズ低減装置において、 前記入力手段は、マイクロホンであることを特徴とするノイズ低減装置。 【請求項5】 請求項1、2又は3記載のノイズ低減装置において、 前記入力手段への前記音響信号は、所定記録媒体からの再生信号であることを特徴とするノイズ低減装置。 【請求項6】 請求項1、2又は3記載のノイズ低減装置において、 前記所定期間を構成する最小単位はサンプリング期間であることを特徴とするノイズ低減装置。 【請求項7】 請求項1、2又は3記載のノイズ低減装置において、 前記ノイズ成分は、ホワイトノイズ((位相)ランダムノイズ)であることを特徴とするノイズ低減装置。 【請求項8】 請求項1、2又は3記載のノイズ低減装置において、 前記ノイズ抽出手段は、レベル検出手段と切替え手段で構成され、前記レベル検出手段における検出レベルが、別途に設定される所定レベルよりも小さい場合に、前記切替え手段にてノイズ抽出出力することを特徴とするノイズ低減装置。 【請求項9】 請求項8に記載のノイズ低減装置において、 前記レベル検出手段は、前記複数の音響チャンネルからの音響信号の検出レベルが、どれか1チャンネルでも前記所定レベルよりも小さい場合、または前記音響信号の検出レベルの総和が前記所定レベルよりも小さい場合に、前記切替え手段にてすべての音響チャンネルにてノイズ抽出出力することを特徴とするノイズ低減装置。 【請求項10】 請求項8に記載のノイズ低減装置において、 前記切替え手段は、クロスフェード切替え特性を有することを特徴とするノイズ低減装置。 【請求項11】 請求項8に記載のノイズ低減装置において、 前記所定レベルは、AGC手段からのレベル情報に基づくことを特徴とするノイズ低減装置。 【請求項12】 請求項3に記載のノイズ低減装置において、 前記帯域抽出手段は、複数のフィルタ手段もしくはFFT手段で構成されることを特徴とするノイズ低減装置。 【請求項13】 複数の音響チャンネルから複数の音響信号を入力する入力ステップと、 前記音響信号においてノイズ成分を含むレベル領域を抽出する複数のノイズ抽出ステプと、 前記ノイズ抽出ステップからのノイズ信号の加算平均を演算する演算ステップと、 前記ノイズ抽出ステップからの信号の所定期間における信号レベルを検出する複数の第1レベル検出ステップと、 前記演算ステップからの信号の所定期間における信号レベルを検出する第2のレベル検出ステップと、 前記第1のレベル検出ステップ及び前記第2のレベル検出ステップから検出されるレベル値で最もレベルの小さいレベル値を有する信号を前記所定期間毎に選択する選択ステップと、 前記選択ステップからの信号の帯域制限を行う帯域制限ステップと、 前記帯域制限ステップからの信号と前記ノイズ抽出ステップにおける抽出レベル以外の信号とを夫々の音響チャンネル毎に合成する複数の合成ステップとを有し、 前記各合成ステップの出力を各音響チャンネル出力信号とすることを特徴とするノイズ低減方法。 【請求項14】 複数の音響チャンネルから複数の音響信号を入力する入力ステップと、 前記音響信号においてノイズ成分を含むレベル領域を抽出する複数のノイズ抽出ステップと、 前記ノイズ抽出ステップからの信号の加算平均を演算する演算ステップと、 前記ノイズ抽出ステップからの信号の所定期間における信号レベルを検出する複数の第1のレベル検出ステップと、 前記演算ステップからの信号の所定期間における信号レベルを検出する第2のレベル検出ステップと、 前記第1のレベル検出ステップからのレベル値及び前記第2のレベル検出ステップからのレベル値を各音響チャンネルで前記所定期間毎にレベルの小さい方のレベル値を有する信号を選択する複数の選択ステップと、 前記選択ステップからの信号の帯域制限を行う複数の帯域制限ステップと、 前記帯域制限ステップからの信号と前記ノイズ抽出ステップにおける抽出レベル以外の信号とを夫々の音響チャンネル毎に合成する複数の合成ステップとを有し、 前記各合成ステップの出力を各音響チャンネル出力信号とすることを特徴とするノイズ低減方法。 【請求項15】 複数の音響チャンネルから複数の音響信号を入力する入力ステップと、 前記音響信号から所定帯域を抽出する帯域抽出ステップと、 前記帯域抽出ステップからの信号においてノイズ成分を含むレベル領域を抽出する複数のノイズ抽出ステップと、 前記ノイズ抽出ステップからの信号の加算平均を前記所定帯域毎に演算する複数の演算ステップと、 前記ノイズ抽出ステップからの信号の所定期間における信号レベルを検出する複数の第1のレベル検出ステップと、 前記演算ステップからの信号の所定期間における信号レベルを検出する第2のレベル検出ステップと、 前記第1のレベル検出ステップからのレベル値及び前記第2のレベル検出ステップからのレベル値で最もレベルの小さいレベル値を有する信号を前記所定帯域の前記所定期間毎に選択する選択ステップと、 前記選択ステップからの信号の帯域制限を行う帯域制限ステップと、 前記帯域制限ステップからの信号と前記帯域抽出ステップにおける抽出帯域以外の帯域信号と夫々の音響チャンネル毎に帯域合成する帯域合成ステップと、 前記帯域合成ステップからの信号と前記ノイズ抽出ステップにおける抽出レベル以外の信号とを夫々の音響チャンネル毎に合成する複数の合成ステップとを有し、 前記合成ステップの出力を各音響チャンネル出力信号とすることを特徴とするノイズ低減方法。 【請求項16】 複数の音響チャンネルから複数の音響信号を入力する入力手段と、 前記音響信号においてノイズ成分を含むレベル領域を抽出する複数のノイズ抽出手段と、前記ノイズ抽出手段からのノイズ信号の加算平均を演算する演算手段と、 前記ノイズ抽出手段からの信号の所定期間における信号レベルを検出する複数の第1レベル検出手段と、 前記演算手段からの信号の所定期間における信号レベルを検出する第2のレベル検出手段と、 前記第1のレベル検出手段及び前記第2のレベル検出手段から検出されるレベル値で最もレベルの小さいレベル値を有する信号を前記所定期間毎に選択する選択手段と、 前記選択手段からの信号の帯域制限を行う帯域制限手段と、 前記帯域制限手段からの信号と前記ノイズ抽出手段における抽出レベル以外の信号とを夫々の音響チャンネル毎に合成する複数の合成手段を有し、 前記各合成手段の出力を各音響チャンネル出力信号とすることを特徴とするノイズ低減プログラム。 【請求項17】 複数の音響チャンネルから複数の音響信号を入力する入力手段と、 前記音響信号においてノイズ成分を含むレベル領域を抽出する複数のノイズ抽出手段と、 前記ノイズ抽出手段からの信号の加算平均を演算する演算手段と、 前記ノイズ抽出手段からの信号の所定期間における信号レベルを検出する複数の第1のレベル検出手段と、 前記演算手段からの信号の所定期間における信号レベルを検出する第2のレベル検出手段と、 前記第1のレベル検出手段からのレベル値及び前記第2のレベル検出手段からのレベル値を各音響チャンネルで前記所定期間毎にレベルの小さい方のレベル値を有する信号を選択する複数の選択手段と、 前記選択手段からの信号の帯域制限を行う複数の帯域制限手段と、 前記帯域制限手段からの信号と前記ノイズ抽出手段における抽出レベル以外の信号とを夫々の音響チャンネル毎に合成する複数の合成手段を有し、 前記各合成手段の出力を各音響チャンネル出力信号とすることを特徴とするノイズ低減プログラム。 【請求項18】 複数の音響チャンネルから複数の音響信号を入力する入力手段と、 前記音響信号から所定帯域を抽出する帯域抽出手段と、 前記帯域抽出手段からの信号においてノイズ成分を含むレベル領域を抽出する複数のノイズ抽出手段と、 前記ノイズ抽出手段からの信号の加算平均を前記所定帯域毎に演算する複数の演算手段と、 前記ノイズ抽出手段からの信号の所定期間における信号レベルを検出する複数の第1のレベル検出手段と、 前記演算手段からの信号の所定期間における信号レベルを検出する第2のレベル検出手段と、 前記第1のレベル検出手段からのレベル値及び前記第2のレベル検出手段からのレベル値で最もレベルの小さいレベル値を有する信号を前記所定帯域の前記所定期間毎に選択する選択手段と、 前記選択手段からの信号の帯域制限を行う帯域制限手段と、 前記帯域制限手段からの信号と前記帯域抽出手段における抽出帯域以外の帯域信号と夫々の音響チャンネル毎に帯域合成する帯域合成手段と、 前記帯域合成手段からの信号と前記ノイズ抽出手段における抽出レベル以外の信号とを夫々の音響チャンネル毎に合成する複数の合成手段とを有し、 前記合成手段の出力を各音響チャンネル出力信号とすることを特徴とするノイズ低減装置プログラム。
|
【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、マイクロホン等からの音声信号に混入するノイズを低減するノイズ低減装置、ノイズ低減方法及びノイズ低減プログラムに関する。 【背景技術】 【0002】 一般に、ビデオカメラやデジタルカメラ等のマイクロホン内蔵機器においては、マイクロホンや、そのプリアンプ、抵抗器等のアナログ素子や、オペアンプ、アナログーデジタル変換器(ADC)等の半導体素子から発生する熱雑音や量子化雑音等のランダムノイズ(ホワイトノイズとも呼ばれ、レベルがすべての周波数で一様で、位相がランダムなノイズ)が音声信号に混入する問題がある。 【0003】 これらのランダムノイズは常に発生しているが、特に周囲が静かな場所で撮影する場合などには、内部AGC(Automatic Gain Contorol)回路によりマイクロホンの感度が上がるため、このノイズが目立つ場合が多い。さらに近年のビデオカメラでは、複数のマイクロホンが搭載されており、各マイクロホンからの出力に音場処理を施すために、夫々のマイクロホン系回路から発生するランダムノイズがこの音場処理により強調されてしまい、より一層この問題が顕著化していた。 【0004】 まず図19に特許文献1に開示されている一般的なビデオカメラにおけるステレオ音場処理装置を示す。この図19につき説明するに、マイクロホン1及び2から夫々右チャンネル音響信号(Rch信号)及び左チャンネル音響信号(Lch信号)が入力し、プリアンプ(AMP)3及び4により信号レベルを最適化し、Rch信号は加算器9の+端子と一般的にはローパスフィルタ(LPF)で構成される遅延器(DL)5に入力される。同様にLch信号は加算器10の+端子と遅延器(DL)6に入力され、DL5及び6で遅延を施された信号帯域の低域成分が、夫々減衰器(ATT)7及び8でレベルを適正化し、加算器10及び9の−端子に入力される。 【0005】 加算器9及び10では、互いのチャンネルよりの低域成分信号、つまりDL5及び6で設定されるLPFのカットオフ周波数以下の信号を減算することによりマトリクス処理が行われ、低域周波数帯域においてステレオ音場が再現される。さらに加算器9及び10の出力は、フィルタ回路で構成されるイコライザ(EQ)11及び12で周波数特性が整えられて出力端子13及び14よりRch信号及びLch信号として出力される。 【0006】 さらに図20に図19のステレオ音場処理装置で生成されるステレオ指向特性を示す。まず図19のステレオ音場処理装置において、マイクロホン1及び2は一般的に指向性を有しない無指向性マイクが使用されるために、マイクロホン1及び2から出力される信号にはマイクロホン1とマイクロホン2との距離差分の位相差しか発生せず、さらにこの距離差は入力する音源までの距離と比較して十分に小さいために、図20Aに示すようなLch信号(実線)とRch信号(破線)がほぼ一致するモノラルに近い特性を示す。 【0007】 そして図19のステレオ音場処理装置の演算処理後は、図20Bに示すように位相差が発生し、指向性パターンはLch信号(実線)とRch信号(破線)とが夫々左右方向に分離してステレオ特性を示すようになる。このように図19のステレオ音場処理装置の処理は、わずかな位相差を拡大する処理といえる。 【0008】 ところで前述したランダムノイズは、Lch信号及びRch信号にランダムな位相差で発生するために、このランダムノイズに図19のステレオ音場処理装置を介すと、たとえば加算器9及び10で入力信号が同相で加算された場合にはレベルが6dB悪化し、後段のEQ11及び12でさらにノイズ帯域のゲインを上げてしまう。そしてノイズが図20Bに示したようなステレオ特性をもつために音場全体に広がり、発生するノイズが非常に微小レベルであっても強調される不具合が生じてしまう。 【0009】 そして前述したノイズは、ホワイトノイズとも呼ばれ、音声の周波数帯域全体にわたって広帯域で、さらに音声信号と比較して微小レベルに存在するために、たとえばフィルタで一様に除去することができない。 【0010】 さらに近年のテレビジョン受像機TVの大画面化、HD化にともなって、音響再生システムも高音質化し、5.1chサラウンド音場再生などを行う機会も増えており、上述のようなマイクロホン収音においても高音質化が強く求められている。 【0011】 そこで、従来特許文献2にランダムノイズを加算平均処理で低減するようにしたものが、開示されている。 【特許文献1】特許第2946638号公報 【特許文献2】特開2006−50067号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0012】 然しながら、特許文献2に開示のものは、複数のマイクロホンの出力信号が加算平均処理されてモノラル信号となってしまい、音場がモノラル化する不都合があった。 本発明は、斯かる点に鑑み、複数のマイクロホン系をもつビデオカメラ等の高音質記録再生のための阻害要因の1つであるランダムノイズを除去するとともに、音場がモノラル化する問題点についても改善することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0013】 本発明ノイズ低減装置は、複数の音響チャンネルから複数の音響信号を入力する入力手段と、この音響信号においてノイズ成分を含むレベル領域を抽出する複数のノイズ抽出手段と、このノイズ抽出手段からのノイズ信号の加算平均を演算する演算手段と、このノイズ抽出手段からの信号の所定期間における信号レベルを検出する複数の第1レベル検出手段と、この演算手段からの信号の所定期間における信号レベルを検出する第2のレベル検出手段と、この第1のレベル検出手段及びこの第2のレベル検出手段から検出されるレベル値で最もレベルの小さいレベル値を有する信号をこの所定期間毎に選択する選択手段と、この選択手段からの信号の帯域制限を行う帯域制限手段と、この帯域制限手段からの信号とこのノイズ抽出手段における抽出レベル以外の信号とを夫々の音響チャンネル毎に合成する複数の合成手段とを有し、この各合成手段の出力を各音響チャンネル出力信号とするようにしたものである。 【0014】 本発明ノイズ低減装置は、複数の音響チャンネルから複数の音響信号を入力する入力手段と、この音響信号においてノイズ成分を含むレベル領域を抽出する複数のノイズ抽出手段と、このノイズ抽出手段からの信号の加算平均を演算する演算手段と、このノイズ抽出手段からの信号の所定期間における信号レベルを検出する複数の第1のレベル検出手段と、この演算手段からの信号の所定期間における信号レベルを検出する第2のレベル検出手段と、この第1のレベル検出手段からのレベル値及びこの第2のレベル検出手段からのレベル値を各音響チャンネルでこの所定期間毎にレベルの小さい方のレベル値を有する信号を選択する複数の選択手段と、この選択手段からの信号の帯域制限を行う複数の帯域制限手段と、この帯域制限手段からの信号とこのノイズ抽出手段における抽出レベル以外の信号とを夫々の音響チャンネル毎に合成する複数の合成手段とを有し、この各合成手段の出力を各音響チャンネル出力信号とするようにしたものである。 【0015】 本発明ノイズ低減装置は、複数の音響チャンネルから複数の音響信号を入力する入力手段と、この音響信号から所定帯域を抽出する帯域抽出手段と、この帯域抽出手段からの信号においてノイズ成分を含むレベル領域を抽出する複数のノイズ抽出手段と、このノイズ抽出手段からの信号の加算平均をこの所定帯域毎に演算する複数の演算手段と、このノイズ抽出手段からの信号の所定期間における信号レベルを検出する複数の第1のレベル検出手段と、この演算手段からの信号の所定期間における信号レベルを検出する第2のレベル検出手段と、この第1のレベル検出手段からのレベル値及びこの第2のレベル検出手段からのレベル値で最もレベルの小さいレベル値を有する信号をこの所定帯域のこの所定期間毎に選択する選択手段と、この選択手段からの信号の帯域制限を行う帯域制限手段と、この帯域制限手段からの信号とこの帯域抽出手段における抽出帯域以外の帯域信号と夫々の音響チャンネル毎に帯域合成する帯域合成手段と、この帯域合成手段からの信号とこのノイズ抽出手段における抽出レベル以外の信号とを夫々の音響チャンネル毎に合成する複数の合成手段とを有し、この合成手段の出力を各音響チャンネル出力信号とするようにしたものである。 【発明の効果】 【0016】 本発明によれば、ターゲットとするノイズは、複数チャンネルで互いに相関性がなく位相がランダムノイズであるために、加算平均すれば低減されていくが、本発明ではこれに加えて入力信号のミニマム選択処理を行うことで、強力に位相差成分を除去することができるために、少数のマイクロホン数でも低減効果が上がる。 【0017】 また、本発明によれば、所定レベル以下のノイズレベル領域のみ処理するため、音声信号にはほとんど影響を与えずに低減することができ、さらにノイズ加算平均処理後は、ランダムノイズが各チャンネルでモノラル信号となるために、たとえば後段において複数チャンネルから音場演算処理を行っても、ノイズレベルが悪化することもない。 【0018】 本発明によれば、ノイズ加算平均処理出力と各音響チャンネル出力をミニマム選択処理することで、音場感(独立感)を残しながらノイズ低減も可能である。 【0019】 本発明によれば、帯域分割してその分割帯域毎に、ミニマム選択処理を行い、最終段で再び帯域合成することにより、各帯域毎に最適なノイズ低減が可能になるとともに、音響信号に与える影響も少なくて済み、音響信号の再現性が良好になる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0020】 以下図面を参照して、本発明ノイズ低減装置、ノイズ低減方法及びノイズ低減プログラムを実施するための最良の形態の例につき説明する。 【0021】 図1は、本例によるノイズ低減装置を示し、この図1につき説明するに、Rch入力端子30からのRch信号は、後述するレベル弁別手段32で入力信号が所定レベル以下のローレベル信号(Low出力)と、それ以外のハイレベル信号(High出力)に分離され、同様にLch入力端子31からのLch信号もレベル弁別手段33にてローレベル信号と、それ以外のハイレベル信号に分離される。 【0022】 さらにレベル弁別手段32及び33の夫々のハイレベル信号は加算器39及び40の一方の+側端子に供給され、レベル弁別手段32及び33の夫々のローレベル信号は加算器34の+端子と、レベル値検出/判定手段36と、切替えスッチ37の第1の固定接点37a及び第3の固定接点37cとに供給される。そして加算器34からは、1/2演算器35を介して(L+R)/2合成信号が、(L+R)ch信号として同様にレベル値検出/判定手段36と、切替えスイッチ37の第2の固定接点37bに供給される。 【0023】 ここでこのレベル弁別手段32及び33について、図2及び図3参照して説明する。このレベル弁別手段32及び33は、同様に構成されるために重複をさけるため、任意のチャンネルとして説明する。入力端子20からの入力信号は、切替えスイッチ25とレベル検出のために絶対値化手段21を介して検波手段22に供給されるが、このときの動作を図3で説明する。図3Aのような任意波形の入力信号は、絶対値化手段21にて図3Bの実線のように正値に絶対値化され、さらに検波手段22にて図3Bの短破線のように検波されレベル検出される。 【0024】 この検波手段22の出力信号をレベル比較手段23に供給し、そして図2のレベル比較手段23で基準レベル入力端子24から別途入力する基準レベル(抽出レベル)と比較され、検波レベルが図3Bの長破線に示すこの基準レベルよりも小さい期間をローレベル信号期間と判定し、それ以外の期間をハイレベル信号期間と判定して、この判定出力をこの切替えスイッチ25に供給して可動接点25aを制御する。そして切替えスイッチ25の可動接点25aは、この判定結果に基づいて切り替えられ、入力信号がハイレベル信号期間の場合には一方に固定接点25bに接続され、出力端子26に出力し、ローレベル信号期間の場合には他方の固定接点25cに接続され、出力端子27に出力する。 【0025】 さらに前述したノイズは、ローレベル信号に多く存在し、これらのノイズを含むRch信号、(L+R)ch信号、Lch信号の各ローレベル信号は、図4に示す如く、構成されたレベル値検出/判定手段36に供給され、レベル検出/判定処理が行われる。図4を説明するに、Rch入力端子50からRch信号のローレベル信号が入力し、(L+R)ch入力端子51から(L+R)ch信号のローレベル信号が入力し、Lch入力端子52からLch信号のローレベル信号が入力し、夫々絶対値化処理回路53、54、55を介してレベル検出回路56、57、58で、所定期間毎にレベル検出され、その検出レベル値に基づいてレベル値判定手段59にレベル判定され、その判定出力が出力端子60から出力される。 【0026】 ここでこのレベル値判定手段59の動作について図5のフローチャート図で説明する。まず、Rchレベル値、Lchレベル値及び(L+R)chレベル値((L+R)/2合成信号のレベル値)を入力し、ステップS1で、(L+R)chレベル値≦Lchレベル値が判断されて、yesであればステップS2で、(L+R)chレベル値≦Rchレベル値が判断されて、yesであれば、(L+R)chレベル値を判定出力に設定する(ステップS3)。またステップS1で、noであればステップS4にてRchレベル値≦Lchレベル値が判断されて、yesであれば、Rchレベル値を判定出力に設定し(ステップS5)、ステップS4でnoであれば、Lchレベル値を判定出力に設定し(ステップS6)、夫々の設定された判定を出力する。 【0027】 したがって判定出力は、常にレベルの最も小さい信号が選択されるように動作しているため、この判定出力に従い図1の切替えスイッチ37の可動接点37dを切替えて前述所定期間内において、最もレベルの小さい信号がLPF38を介してこの加算器39及び40の夫々の他方の+側端子に供給され、夫々のハイレベル信号と合成されてRch出力端子41及びLch出力端子42からRch信号及びLch信号として出力される。 【0028】 ここで図1の動作について図6を参照して説明する。まずレベル弁別手段33からのローレベル信号を図6AのLch信号とし、レベル弁別手段32からのローレベル信号を図6BのRch信号とする。さらに加算器34、1/2演算器35にて図6Cの(L+R)/2合成信号が生成される。さらにレベル値検出/判定手段36では図4に示したように入力される夫々の信号についてレベル比較が行われ、この判定出力を切替えスイッチ37に供給して可動接点37dを制御し、その最小信号を選択すると、図6Dの太線のように選択出力され、さらに切替え時の高調波成分を抑えるためにLPF38を通すと、図6Eのように出力される。 【0029】 前述したように本例のターゲットとするノイズはチャンネル間で位相ランダム性をもつために、各チャンネル間信号を単純に加算平均するだけでも、図6Cのタイムスケールt8〜t13の波形のように位相差が大きい部分はレベルが抑えられるが、本例の信号である図6Eは、これに比較してもレベルが減少しており、ランダムノイズのようなチャンネル間で相関性がない成分を強力に除去し、音声信号のようなチャンネル間で相関性の強い成分にはあまり影響を及ぼさない特徴がある。 【0030】 次に図7にレベル弁別手段の例2を示す。この図7につき説明するに、図2のレベル弁別手段の例1に対応する部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。図7は図2の切替えスイッチ25をクロスフェード切替え手段75に変えたものであり、そのクロスフェード切替え特性に示すようにON/OFF時に所定時間にて徐々に切替えるものであり、たとえばこの所要時間は数mS程度に設定する。これによりハイレベル信号時とローレベル信号時との瞬時ノイズの発生を抑えることができ、切替え時の違和感が緩和される効果がある。 【0031】 さらに図8のレベル弁別手段の例3を、図9及び図10参照して説明するが、前述したレベル弁別手段の例1及び2も含めて、本例では人間の聴覚マスキング現象を利用して、レベル弁別をしている。これは人間の聴覚は、たとえば大きな騒音の中では、人の声が聞き取りにくくなるように、相対的に大きな音の陰にあるような小さな音、ここでは前述のノイズの存在に気が付かない。したがって入力する音響レベルを検出して、その検出レベルが大きいときには、レベル弁別を行わないようにしている。 【0032】 図8のレベル弁別手段の例3も同様の主旨であり、入力端子200からの入力信号は加算器202の+側端子に供給され、またローレベル抽出回路201を介して、この加算器202の−側端子に供給されるとともにロー出力端子204よりローレベル信号として出力され、さらに加算器202の減算結果がハイ出力端子203よりハイレベル信号として出力される。ここで、このローレベル抽出回路201について図9で説明する。 【0033】 入力端子210からの入力信号は、切替えスイッチ215の一方の固定接点215aに供給するとともにレベル検出のために絶対値化手段211を介して検波手段212に供給され、前述した図3と同様にレベル検出される。そしてレベル比較手段213で基準レベル入力端子214から別途入力する基準レベル(抽出レベル)と比較され、検波レベルが図3Bの長破線に示すこの基準レベルよりも小さい期間をローレベル信号期間と判定し、それ以外の期間をハイレベル信号期間と判定して、この判定出力をこの切替えスイッチ215に供給して可動接点215cを制御する。そして切替えスイッチ215はこの判定結果に基づいてローレベル信号期間の場合には可動接点215cを一方の固定接点215aに接続し、入力信号を出力端子216に出力し、ハイレベル信号期間の場合には可動接点215cを他方の固定接点215bに接続し、GND(無信号)を出力するが、このときの一例を図10で説明する。 【0034】 図10Aは図9における入力端子210の入力信号をあらわしており、破線で示す基準レベルは音声信号と比較して、微小レベルにあるノイズを通過するように設定され、この基準レベル以上の音声信号は、図10Bに示すように信号ゲート期間として無信号に置き換える操作を行う。 【0035】 したがって、図9では、音声レベルの大きいハイレベル信号期間のときはハイレベル信号をそのまま出力して、音声への影響を避けることができ、またローレベル信号期間では、ローレベル信号を出力するとともに、ハイレベル信号からローレベル信号成分を減算したハイレベル信号を出力することができる。 【0036】 図11、図12、図13、図14及び図15は夫々本発明を実施するための最良の形態の他の例を示し、この図11、図12、図13、図14及び図15において図1に対応する部分には、同一符号あるいは同一符号に添え字を付し、その詳細説明を省略する。 【0037】 図11例につき説明するに、この図11例は図1例のレベル弁別手段32及び33をレベル検出部分であるレベル検出手段83と、このレベル検出手段83からの判定出力によりハイレベル信号及びローレベル信号を生成する切替え部分である切替え手段82及び84に分割した場合である。したがって、レベル検出手段83がチャンネル間で共通となるため、たとえば各チャンネルのレベルを夫々に検出した後、最もレベルの小さいチャンネルのローレベル信号期間に合わせて、すべてのチャンネルを一斉にローレベル信号に切替えることができ、これにより各チャンネルが独立してローレベル信号する場合よりもノイズ低減効率を上げることができる。以後の処理は図1例と同様であるため、説明を省略する。 【0038】 次に図12例につき説明する。前述した図1例は、ノイズ低減帯域がモノラル化してしまうが、図12例では各入力チャンネルの音場感を維持しながらノイズ低減を行う手法である。 【0039】 まず入力端子30及び31から入力するRch信号及びLch信号は、夫々にレベル弁別手段32及び33に供給されて、前述したようにハイレベル信号とローレベル信号に弁別されて、夫々のハイレベル信号は加算器132及び133に供給され、Rchのローレベル信号は加算器34と、レベル値検出/判定手段126と切替えスイッチ128の一方の固定接点128aとに供給され、Lchのローレベル信号は加算器34と、レベル値検出/判定手段127と切替えスイッチ129の他方の固定接点129bに供給される。 【0040】 また加算器34の出力は1/2演算器35で1/2を乗じて、(L+R)ch信号としてこのレベル値検出/判定手段126及び127と切替えスイッチ128の他方の固定接点128b及び切替えスイッチ129の一方の固定接点129aに供給される。 【0041】 ここでレベル値検出/判定手段126及び127は、図4と同様の構成であるが、入力が2チャンネルであるために入力する信号のレベルの小さい方を適宜に判定して、夫々に切替えスイッチ128の可動接点128c及び129の可動接点129cにRch判定出力及びLch判定出力として出力し、切替えスイッチ128及び129にて判定された出力が選択されて、夫々LPF130及び131を介して加算器132にてこのレベル弁別手段32のハイレベル信号と加算されてRch出力端子41よりRch信号が出力され、同様に加算器133にてこのレベル弁別手段33のハイレベル信号と加算されてLch出力端子42よりLch信号が出力される。 【0042】 また、レベル弁別手段32及び33は、図10例のようにレベル検出手段と切替え手段を分けて実施しても良い。 【0043】 ここで図12例のノイズ低減装置について、さらに図16で説明する。まずレベル弁別手段33からのローレベル信号を図16AのLch信号とし、レベル弁別手段32からのローレベル信号を図16BのRch信号とする。さらに加算器34、1/2演算器35にて図16Cの(L+R)/2合成信号が生成される。そしてレベル値検出/判定手段127及び切替え手段129で図16AのLch信号と図16Cの(L+R)/2合成信号の最小値が常に選択されると、図16Dの太線のように出力され、さらに高調波成分を抑えるためにLPF131を通すと図16Eのように出力される。同様にレベル値検出/判定手段126及び切替え手段128で図16BのRch信号と図16Cの(L+R)/2合成信号の最小値が常に選択されると、図16Fの太線のように出力され、さらに高調波成分を抑えるためにLPF130を通すと図16Gのように出力される。 【0044】 そして加算器132及び133で加算し、レベル再合成することで、ノイズ低減されたRch信号及びLch信号が生成される。したがって、この図12例では、図1例のノイズ低減例である図16Cの(L+R)/2合成信号に対して、図16E及び図16Gに示すようにランダムノイズ成分のレベルを低減することができるとともに、モノラル化せずにLch信号成分及びRch信号成分を残すことができる。 【0045】 ここで本例における最小値選択のサンプリング間隔と、その後のLPFによる帯域制限周波数について補足説明する。前述の図6D及び図16D、図16Fでは、レベル比較して最小値を選択する時間単位を、デジタル信号の最小時間単位であるサンプリング間隔にして説明した。このときの後段における帯域制限周波数は、サンプリング周波数をFsとすれば、サンプリング定理によりFs/2以下に設定すれば良い。 【0046】 さてこれまでは、Lch、Rchの2チャンネルにおけるノイズ低減について説明してきたが、3チャンネル以上のマルチチャンネルにも対応可能である。図13例は、3チャンネルノイズ低減を示す。この図13例につき説明するに、入力端子30、141及び31からRch信号、C(Center)ch信号及びLch信号が入力し、夫々にレベル弁別手段32、144及び33にて、ハイレベル信号とローレベル信号とにレベル分割され、各ローレベル信号は切替えスイッチ37sの第1の固定接点37a、第2の固定接点37e及び第3の固定接点37cとレベル値検出/判定手段36aと加算器34aとに供給され、加算器34aですべてが加算されて、1/3演算器35aで平均化され、(L+R+C)/3合成信号を(L+R+C)ch信号としてこの切替えスイッチ37sの第4の固定接点37fとレベル値検出/判定手段36aとに供給される。 【0047】 そしてレベル値検出/判定手段36aで最もレベルの小さい信号が、所定サンプリング期間毎に判定され、切替えスイッチ37sの可動接点37dにてその信号が選択されてLPF38を介して、各チャンネルの各ハイレベル信号と加算器39、151及び40でレベル合成されて、出力端子41、155及び42からRch信号、Cch信号及びLch信号として出力される。また4チャンネル以上の場合においても各チャンネルの平均化処理を変更し、同様に最小値選択処理を行うことでノイズ低減処理が可能である。 【0048】 尚、この図13例においても前述した図11例や図12例のように、レベル弁別手段を分割したり、またすべてのチャンネルを加算した平均化信号と各チャンネル信号の最小値選択処理を行い、各チャンネルの独立性を高めたノイズ低減処理を行っても良い。 【0049】 次に図14例のノイズ低減装置について説明するが、前述したノイズ低減装置と同機能、同ブロックについては説明を省略する。図14例は図17に示すように音響帯域を帯域1、帯域2及び帯域3に帯域分割して、帯域1と帯域2とのみにノイズ低減を行った場合の例である。 【0050】 まず入力端子30及び31から入力するRch信号及びLch信号は、夫々にバンドパスフィルタ(BPF)1(163及び164)、2(165及び166)及び3(162及び167)で帯域分割され、ここでノイズ低減処理はBPF1(163及び164とBPF2(165及び166)による帯域1と帯域2の分割帯域毎に行われる。まずRch信号及びLch信号のBPF1(163及び164)からの出力はレベル弁別手段32b及び33bに供給される。 【0051】 このレベル弁別手段32bよりのローレベル信号は、加算器34d、レベル値検出/判定手段36b及び切替えスイッチ37s1の第1の固定接点37aに供給され、このレベル弁別手段33bよりのローレベル信号は、加算器34d、レベル値検出/判定手段36b及び切替えスイッチ37s1の第3の固定接点37cに供給され、また、加算器34d、1/2演算器35bから得られる(L+R)/2合成信号の(L+R)ch信号をレベル値検出/判定手段36b及び切替えスイッチ37s1の第2の固定接点37bに供給する。このレベル値検出/判定手段36b及び切替えスイッチ37s1の可動接点37dで最小値が選択されて、LPF178を介して加算器180に供給される。 【0052】 同様にRch信号及びLch信号のBPF2(165及び166)からの出力はレベル弁別手段32c及び33cに供給される。 【0053】 このレベル弁別手段32cよりのローレベル信号は、加算器34e、レベル値検出/判定手段36c及び切替えスイッチ37s2の第1の固定接点37aに供給され、このレベル弁別手段33cよりのローレベル信号は、加算器34e、レベル値検出/判定手段36c及び切替えスイッチ37s2の第3の固定接点37cに供給され、また、加算器34e、1/2演算器35cから得られる(L+R)/2合成信号の(L+R)ch信号をレベル値検出/判定手段36c及び切替えスイッチ37s2の第2の固定接点37bに供給する。このレベル値検出/判定手段36c及び切替えスイッチ37s2の可動接点37dで最小値が選択されて、LPF185を介して加算器180に供給される。 【0054】 そして加算器180からは帯域合成された帯域1と帯域2とのノイズ低減信号が出力される。またRch信号及びLch信号のBPF3(162及び167)からの帯域3の出力と各レベル弁別手段32b、32c、33b、33cからハイレベル信号とは、加算器172、173、186、187で夫々チャンネル毎に合成され、さらに加算器188及び189でノイズ低減されたローレベル信号がレベル合成されて出力端子41からRch信号が出力され、出力端子42からLch信号が出力される。 【0055】 このように帯域分割を行ってから、帯域毎に最小値選択処理することで、同位相成分である音声信号の再現性を上げながらランダム成分であるノイズを低減することができる。 【0056】 なお、この図14例においても前述した図11例や図12例のように、レベル弁別手段を分割したり、またすべてのチャンネルを加算した平均化信号と各チャンネル信号の最小値選択処理を行い、各チャンネルの独立性を高めたノイズ低減処理を行っても良い。 【0057】 さらに図15例のノイズ低減装置では、高速フーリエ変換(FFT)を行うことで図14例よりもさらに帯域分割を細分化して音声信号の再現性を上げている。ここでは入力端子30及び31から入力するRch信号及びLch信号は、夫々にFFT手段304及び306で、音響帯域の時間軸信号を周波数f1〜fnのn個の周波数軸信号に変換する。 【0058】 また加算器34と1/2演算器35からの(L+R)/2合成信号も、同様にFFT手段305で周波数f1〜fnのn個の周波数軸信号に変換する。ここで各FFT手段では周波数f1〜fnの周波数軸信号を、まずRch信号はFFT手段304で所定の基準レベル(抽出レベル)よりも小さい周波数信号のローレベル信号とそれ以外のハイレベル信号に分離され、ハイレベル信号は合成手段309に供給され、ローレベル信号はレベル比較/選択手段307に供給する。 【0059】 同様にLch信号もFFT手段306でローレベル信号とそれ以外のハイレベル信号に分離され、ハイレベル信号は合成手段310に供給され、ローレベル信号はレベル比較/選択手段308に供給する。また(L+R)/2合成信号はFFT手段305からそのまま周波数f1〜fnの周波数軸信号をこのレベル比較/選択手段307及び308に供給する。 【0060】 ここで周波数f1〜fnの各周波数毎のレベル比較/選択についてRch入力信号を代表して図18で説明する。まずRch信号が図18Aのように周波数f1〜fnの信号R1〜Rnに変換された場合に、破線で示す所定基準レベル以下のたとえばR2、R3、Rnが図18DのようにL2、L3、Lnとしてローレベル信号として選択されるが、このとき非選択のR1、Rn−1信号はL1、Ln−1としてゼロ信号に置き換えられる。 【0061】 また図18AのR1、Rn−1信号は図18CのようにH1、Hn−1としてハイレベル信号として選択されるが、このとき非選択のR2、R3、RnはH2、H3、Hnとしてゼロ信号に置き換えられる。ここでFFT手段305から(L+R)/2合成信号が図18Bのように周波数f1〜fnの信号A1〜Anが出力された場合に、図18Dのローレベル信号と各周波数毎にレベル比較され、図18Eのように最もレベルの小さい信号を選択する動作を、すべての周波数f1〜fnについて実施する。 【0062】 つまり信号L1、A2、L3、Ln−1、Anが選択される。このように選択された信号を合成手段309及び310に入力し、再び周波数f1〜fnのHigh側信号とレベル加算することにより帯域合成するが、このときのRch出力例は図18Fに示すように周波数f1〜fnのH1、A2、L3、Hn−1、An信号となる。このように選択された周波数f1〜fn信号を逆高速フーリエ変換(IFFT)手段311及び312に送り、周波数軸信号を時間軸信号に逆変換して出力端子42及び42からRch信号及びLch信号として出力する。 【0063】 尚、図15例は一例であり、前述した本発明の目的の範囲内で、変更可能である。 【0064】 また一般的にビデオカメラのマイク入力の場合には、自然界の音を所定のダイナミックレンジに圧縮して記録する必要があるために、入力音響信号をAGC(Automatic Gain Control)手段にてレベル圧縮している。つまり入力音響信号が大きい場合にはAGC手段にてゲインを落とすようにし、逆に小さい場合にはAGC手段にてゲインを上げるようにしているために、ターゲットとするホワイトノイズのような低レベル領域に存在するノイズは、このAGC手段のゲインが小さい場合、つまり大入力の場合には、レベルが抑えられてほとんど聞こえなくなり、逆にゲインが大きい場合、つまり周囲が静かな場合には、非常に目立って聞こえるようになってしまう。 【0065】 したがって、このAGC手段からのAGCゲイン情報を、本例におけるレベル弁別手段に適応的に利用して、たとえばAGCゲインが小さい場合は、基準レベルを小さくすることでハイレベル信号を支配的にしてノイズ低減効果を落とすようにする、逆にAGCゲインが大きい場合には、基準レベルを大きくすることでローレベル信号を支配的にしてノイズ低減効果を上げるようにすれば、AGC動作に合わせて、低減効果を最適化することができる。 【0066】 また以上説明したこれら一連のノイズ低減処理を、図19のようなマイクロホンからの信号に実施し、収音システムもしは記録システムとして構成しても良いが、本発明はこれに限定されず、再生システムに実施しても良い。またコンピュータ内のアプリケーションソフトウェアとして実施し、ビデオ/オーディオファイルの編集時や、ファイル変換時、さらにDVDディスク書き込み時に非リアルタイム処理として実施しても良い。 【0067】 本例よれば、ターゲットとするノイズは、複数チャンネルで互いに相関性がなく位相がランダムノイズであるために、加算平均すれば低減されていくが、本例ではこれに加えて入力信号のミニマム選択処理を行うことで、強力に位相差成分を除去することができるために、少数のマイク数でも低減効果が上がる。 【0068】 また本例よれば、所定レベル以下のノイズレベル領域のみ処理するため、音声信号にはほとんど影響を与えずに低減することができ、さらにノイズ加算平均処理後は、ランダムノイズが各チャンネルでモノラル信号となるために、たとえば後段において複数チャンネルから音場演算処理を行っても、ノイズレベルが悪化することもない。 【0069】 本例よれば、ノイズ加算平均処理出力と各音響チャンネル出力をミニマム選択処理することで、音場感(独立感)を残しながらノイズ低減も可能である。 【0070】 本例よれば、帯域分割してその分割帯域毎に、ミニマム選択処理を行い、最終段で再び帯域合成することにより、各帯域毎に最適なノイズ低減が可能になるとともに、音響信号に与える影響も少なくて済み、音響信号の再現性が良好になる。 【0071】 本例よれば、マイクロホンからの音響信号において発生するホワイトノイズを低減することに有効であり、特にステレオ音場演算処理や、マルチチャンネル(サラウンド)音場演算処理の前段処理において有効である。 【0072】 本例よれば、ビデオカメラなどにおけるテープ、ディスク媒体からの再生時の音響信号において発生するホワイトノイズを低減することにも有効である。 【0073】 本例おいては、ミニマム(最小値)選択処理を行う最小時間単位は、デジタル信号であればオーディオサンプリング時間であり、この場合の抽出可能帯域はサンプリング定理(ナイキスト定理)によりサンプリング周波数をFsとすれば、Fs/2まで可能となる。 また一般にノイズ帯域の高域周波数がFnまでとすれば、本例のミニマム(最小値)選択処理を行う時間単位としては、1/(2・Fn)以上となる。 【0074】 本例おいては、ターゲットとするノイズは、音響信号に対して比較的に低レベルで、しかもほぼ音声帯域全体に存在するホワイトノイズであるため、所定レベル以下のレベル領域を抽出することにより人間のマスキング効果を利用したノイズ低減が可能になり、不必要にノイズ低減を行わずに済む。 【0075】 本例おいては、レベル検出手段を各音響チャンネルで共通化することで、各音響チャンネルがその音響レベルに応じて、個別にノイズ抽出出力するのを避けて同時に切替え手段を制御できるために、ノイズ低減効果を上げることができる。 【0076】 本例よれば、切替え手段における切替えをクロスフェード特性で、比較的に徐々に行うことで聴感上の違和感を少なくすることができる。 【0077】 本例よれば、ホワイトノイズとともに、低レベルの音声信号もわずかながら除去してしまうため、入力音声信号のレベル情報を得ることにより、人間の聴覚マスキング現象を利用して、ノイズの目立つときのみにノイズ低減処理を行い、音声に対する影響を最小限に抑えることができる。 【0078】 尚、本発明は上述例に限ることなく、本発明の要旨を逸脱することなく、その他種々の構成が採り得ることは勿論である。 【図面の簡単な説明】 【0079】 【図1】本発明ノイズ低減装置を実施するための最良の形態の例を示す構成図である。 【図2】レベル弁別手段の例を示す構成図である。 【図3】本発明の説明に供する線図である。 【図4】レベル値検出/判定手段の例を示す構成図である。 【図5】本発明の説明に供するフローチャートである。 【図6】本発明の説明に供する線図である。 【図7】レベル弁別手段の他の例を示す構成図である。 【図8】レベル弁別手段の他の例を示す構成図である。 【図9】ローレベル抽出回路の例を示す構成図である。 【図10】図9の説明に供する線図である。 【図11】本発明ノイズ低減装置を実施するための最良の形態の他の例を示す構成図である。 【図12】本発明ノイズ低減装置を実施するための最良の形態の他の例を示す構成図である。 【図13】本発明ノイズ低減装置を実施するための最良の形態の他の例を示す構成図である。 【図14】本発明ノイズ低減装置を実施するための最良の形態の他の例を示す構成図である。 【図15】本発明ノイズ低減装置を実施するための最良の形態の他の例を示す構成図である。 【図16】図11例の説明に供する線図である。 【図17】図14例の説明に供する線図である。 【図18】図15例の説明に供する線図である。 【図19】従来のステレオ音場処理装置の例を示す構成図である。 【図20】図19の説明に供する線図である。 【符号の説明】 【0080】 30、31…入力端子、32、33…レベル弁別手段、34、39、40…加算器、35…1/2演算器、36…レベル値検出/判定手段、37…切替えスイッチ、38…ローパスフィルタ、41、42…出力端子
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000002185 【氏名又は名称】ソニー株式会社
|
| 【出願日】 |
平成18年8月18日(2006.8.18) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100122884 【弁理士】 【氏名又は名称】角田 芳末
【識別番号】100133824 【弁理士】 【氏名又は名称】伊藤 仁恭
|
| 【公開番号】 |
特開2008−48281(P2008−48281A) |
| 【公開日】 |
平成20年2月28日(2008.2.28) |
| 【出願番号】 |
特願2006−223391(P2006−223391) |
|