| 【発明の名称】 |
動電型エキサイタ |
| 【発明者】 |
【氏名】梶原 寛夫
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| 【要約】 |
【課題】サスペンションに固定する磁気回路部においてローリング現象が発生しない平面レシ−バ用の動電型エキサイタを提供することである。
【構成】中空状のフレーム12と、フレーム12に固定する振動板14と、振動板14に固定するとともに磁気回路部20の磁気ギャップ30に配設するボイスコイル28と、磁気回路部20に固定するサスペンション18とを備え、磁気回路部20はヨーク22と磁石24とトッププレート26からなる動電型エキサイタにおいて、フレーム12は、内周側に突出するフレーム鍔部12aを設け、ヨーク22は、外周方向に延伸するヨーク延長部22aを設け、フレーム鍔部12aとヨーク延長部22aとの間に弾性部材16を配設することを特徴としている。本発明は、異常音発生がなく、さらにコイル断線の発生もない平面レシーバ用の動電型エキサイタを提供することができる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 中空状のフレームと、 前記フレームに固定する振動板と、 前記振動板に固定するとともに磁気回路部の磁気ギャップに配設するボイスコイルと、 前記磁気回路部に固定するサスペンションとを備え、 前記磁気回路部はヨークと磁石とトッププレートからなる動電型エキサイタにおいて、 前記フレームは、内周側に突出するフレーム鍔部を設け、 前記ヨークは、外周方向に延伸するヨーク延長部を設け、 前記フレーム鍔部と前記ヨーク延長部との間に弾性部材を配設する ことを特徴とする平面レシーバ用の動電型エキサイタ。 【請求項2】 前記ヨーク延長部は、前記ヨーク外周の複数箇所に設ける ことを特徴とする請求項1記載の平面レシーバ用の動電型エキサイタ。 【請求項3】 前記ヨーク延長部は、前記ヨーク外周の全域に設ける ことを特徴とする請求項1記載の平面レシーバ用の動電型エキサイタ。 【請求項4】 前記振動板を被覆する第1のプロテクターを前記振動板の前面に配設する ことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項記載の平面レシーバ用の動電型エキサイタ。 【請求項5】 前記動電型エキサイタの背面を被覆する第2のプロテクターを配設する ことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項記載の平面レシーバ用の動電型エキサイタ。 【請求項6】 前記振動板は、振動板開口を設ける ことを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項記載の平面レシーバ用の動電型エキサイタ。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は動電型エキサイタの構造に関し、とくに液晶などの表示パネルや筐体に取り付けて、これらの表示パネルや筐体を振動させて音響出力を得る平面レシーバ用の動電型エキサイタの構造に関する。 【背景技術】 【0002】 以下の明細書の記載では、動電型エキサイタにおける「前面(前面側)」と「背面(背面側)」を、つぎのように定義して説明する。 すなわち、「前面(前面側)」とは、動電型エキサイタを表示パネル保護部材に取り付ける面側を意味し、「背面(背面側)」とは、前記の前面(前面側)とは反対側の面側を意味する。 【0003】 パーソナルコンピュータや携帯電話機や電子辞書などの携帯情報機器において、音響出力を得るための動電型エキサイタとして、たとえば特許文献1に記載の平面レシーバ用の動電型エキサイタがある。この特許文献1に記載された動電型エキサイタの構造を、特許文献1の図1および図3を用いて説明する。 カップ状のヨーク(外ヨーク)106と平板状のトッププレート(内ヨーク)105とによって磁石104を挟持して構成する磁気回路部を、弾性体からなるとともに薄板状の第1のサスペンション107に固定する。この第1のサスペンション107の外周部は、有底の円筒形状を有するフレーム102(固定部材)の開口端側に固定する。 【0004】 また、磁気回路部を構成するヨーク106のヨーク立上部と、トッププレート105の端部外周部との間の領域に形成される空隙部である磁気ギャップには、弾性体からなるとともに薄板状の第2のサスペンション108に固定されたボイスコイル103を配置する。第2のサスペンション108の外周部はフレーム102に固定する。 そして、磁石104の上下にトッププレート105とヨーク106を配設した磁気回路部およびボイスコイル103を、それぞれ第1のサスペンション107および第2のサスペンション108を介して取り付けたフレーム102の底部を、表示パネル保護部材(振動板)201に密着するように固定している。 【0005】 磁気回路部を固定する第1のサスペンション107と、ボイスコイル103を固定する第2のサスペンション108とは、それぞれ機械的共振系を構成する。そして、第1のサスペンション107と第2のサスペンション108とは、それぞれの固有振動数を独立して制御している。 【0006】 動電型エキサイタ100のボイスコイル103を電流駆動すると、ボイスコイル103と磁気回路部との間には電磁力が生じて、この電磁力と第2のサスペンション108の弾性力とによってボイスコイル103を励振する。 前述のように、ボイスコイル103は第2のサスペンション108を介してフレーム102に固定されていることから、フレーム102が励振され、このフレーム102の振動がフレーム102に密着して固定する表示パネル保護部材201を励振して音響出力が得られる。 【0007】 機械的共振系を構成する第1のサスペンション107と第2のサスペンション108との固有振動数は、さきの説明のように異ならせている。 この結果、特許文献1においては、磁気回路部を固定する第1のサスペンション107は低域の周波数特性の補償を行い、ボイスコイル103を固定する第2のサスペンション108は中高音域の周波数特性の補償を行っている。 【0008】 【特許文献1】特開2005−354297号公報(段落0019から段落0024、および図1と図3) 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0009】 特許文献1における平面レシーバ用の動電型エキサイタにおいては、第1のサスペンション107と磁気回路部による第1の機械的共振系と、第2のサスペンション108とボイスコイル103による第2の機械的共振系とを構成し、2つの機械的共振系を独立して制御可能としており、2つの共振位置を移動させることによって動電型エキサイタの周波数制御の自由度を増すことができるという優れた利点を具備している。 【0010】 前述のように、特許文献1における平面レシーバ用の動電型エキサイタ100は、ヨーク106と磁石104とトッププレート105からなる磁気回路部を、第1のサスペンション107によってフレーム102に固定している。 【0011】 薄板状の弾性体からなる第1のサスペンション107の弾性係数に対して磁気回路部の重量が大きいことに起因して、以下に記載するような問題点を特許文献1においては有している。 動電型エキサイタ100のボイスコイル103を電流駆動すると、ボイスコイル103と磁気回路部との間には電磁力が生じて、磁気回路部は前面方向と背面方向の前後方向の振幅に加えて横揺れ、いわゆるローリング現象が発生する。この磁気回路部におけるローリング現象は、前記したように、磁気回路部を支持する第1のサスペンション107の弾性係数が磁気回路部の重量に比較して相対的に大きなことに加えて、前後方向の振幅に対して磁気回路部の背面側のみで磁気回路部を第1のサスペンション107で支持して、前面側では支持していないことが原因で発生していると推察している。 【0012】 このロ−リング現象によって、磁気回路部が傾くように振動して、結果として磁気回路部がボイスコイル103に接触や衝突する。 したがって、磁気回路部がボイスコイル103に接触して動電型エキサイタ100に異常音が発生する不都合や、さらにボイスコイル103が磁気回路部に衝突することによってコイルに断線が発生して動電型エキサイタ100に故障が発生するという不都合が生じている。 【0013】 本発明の目的は、上記した不都合点を解消して、サスペンションに固定される磁気回路部において、ローリング現象が発生しない平面レシ−バ用の動電型エキサイタを提供することである。 【課題を解決するための手段】 【0014】 上記目的を達成するために、本発明の平面レシーバ用の動電型エキサイタにおいては、下記記載の手段を採用する。 【0015】 本発明の平面レシーバ用の動電型エキサイタにおいては、中空状のフレームと、前記フレームに固定する振動板と、前記振動板に固定するとともに磁気回路部の磁気ギャップに配設するボイスコイルと、前記磁気回路部に固定するサスペンションとを備え、前記磁気回路部はヨークと磁石とトッププレートからなる動電型エキサイタにおいて、前記フレームは、内周側に突出するフレーム鍔部を設け、前記ヨークは、外周方向に延伸するヨーク延長部を設け、前記フレーム鍔部と前記ヨーク延長部との間に弾性部材を配設することを特徴とする。 【0016】 本発明の平面レシーバ用の動電型エキサイタにおける前記ヨーク延長部は、前記ヨーク外周の複数箇所に設けることを特徴とする。 【0017】 本発明の平面レシーバ用の動電型エキサイタにおける前記ヨーク延長部は、前記ヨーク外周の全域に設けることを特徴とする。 【0018】 本発明の平面レシーバ用の動電型エキサイタにおける前記振動板を被覆する第1のプロテクターを前記振動板の前面に配設することを特徴とする。 【0019】 本発明の平面レシーバ用の動電型エキサイタにおける前記動電型エキサイタの背面を被覆する第2のプロテクターを配設することを特徴とする。 【0020】 本発明の平面レシーバ用の動電型エキサイタにおける前記振動板は、振動板開口を設けることを特徴とする。 【発明の効果】 【0021】 本発明の平面レシーバ用の動電型エキサイタにおいては、中空状のフレームと、フレームに固定する振動板と、振動板に固定するとともに磁気回路部の磁気ギャップに配設するボイスコイルと、磁気回路部に固定するサスペンションとを備え、磁気回路部はヨークと磁石とトッププレートからなる動電型エキサイタにおいて、フレームは、内周側に突出するフレーム鍔部を設け、ヨークは、外周方向に延伸するヨーク延長部を設け、フレーム鍔部とヨーク延長部との間に弾性部材を配設することを特徴としている。 【0022】 本発明の平面レシーバ用の動電型エキサイタでは、フレーム鍔部とヨーク延長部との間に挟持するように弾性部材を配設している。この弾性部材によって、ボイスコイルを電流駆動したとき発生する磁気回路部のローリング現象を抑制することができる。 磁気回路部にたとえ横揺れが発生したとしても、フレーム鍔部とヨーク延長部との間に配設する弾性部材によって、横揺れを吸収して、磁気回路部は前後方向にのみ振動させることができる。この結果、本発明の磁気回路部は、特許文献1のようにローリング現象は発生せず、前面と背面との前後方向の振幅のみが発生する。 【0023】 したがって、本発明の平面レシーバ用の動電型エキサイタにおいては、磁気回路部がボイスコイルに接触して動電型エキサイタが異常音を発生する不都合、およびボイスコイルが磁気回路部に衝突することによってコイルが断線して動電型エキサイタに故障が発生するという不都合は生じない。 この結果、本発明は、音響出力の異常音発生がないことから聞きやすく、さらにコイル断線が生じないことから長期信頼性に優れた動電型エキサイタを提供することが可能となる効果を発揮する。 【発明を実施するための最良の形態】 【0024】 〔動電型エキサイタの構造説明:図1から図3〕 以下、図面を用いて本発明の実施形態における平面レシーバ用の動電型エキサイタの構造を詳しく説明する。図1は、本発明の実施形態における平面レシーバ用の動電型エキサイタを示す断面図である。図2は、本発明の実施形態における平面レシーバ用の動電型エキサイタのヨークを示す平面図である。図3は、本発明の実施形態における平面レシーバ用の動電型エキサイタの振動板を示す平面図である。 以下、図1から図3を交互に参照して本発明の実施形態における平面レシーバ用の動電型エキサイタの構造を説明する。 【0025】 図1に示すように、本発明の平面レシーバ用の動電型エキサイタ10は、前面と背面との前後方向の両端が開口した中空状のフレーム12の内部に収納して構成する。フレーム12は、好ましくは円筒状の形状を有する。また、フレーム12は樹脂材料から構成し、射出成形法により形成する。 また、フレーム12の前面側には、このフレーム12内周側にひさし状に突出するように、フレーム鍔部12aを設ける。このフレーム鍔部12aの機能や役割については、のちほど詳しく説明する。 【0026】 フレーム12の開口内に、磁気回路部20を収納する。磁気回路部20は背面側から、ヨーク22と磁石24とトッププレート26から構成する。すなわち、ヨーク22とトッププレート26により磁石24を挟持するように構成している。 ヨーク22とトッププレート26とは、ともに透磁率の高い金属材料である、たとえば純鉄から構成する。 【0027】 磁石24とトッププレート26は、ともに円板の形状を有する。磁石24の外形寸法はトッププレート26の外径寸法より小さくする。また、ヨーク22と磁石24とトッププレート26とは、これらの中心位置が合致するように同心状に配設する。磁石材料からなる磁石24は厚さ方向に着磁する。 磁気回路部20におけるヨーク22と磁石24との固定、および磁石24とトッププレート26との固定は、それぞれ接着により行う。これらの接着は、エポキシ系の接着剤を用いて行う。 【0028】 ヨーク22は、図1に示すように、動電型エキサイタ10の前面方向にトッププレート26の外周端部まで突出するように設けるヨーク立上部22bと、ヨーク22の外周方向にフレーム鍔部12a形成領域まで延伸するヨーク延長部22aを設ける。 【0029】 ヨーク延長部22aは、図2に示すように、ヨーク22の外周部に角度90度間隔で4箇所設けている。また、ヨーク立上部22bは、ヨーク延長部22a間の領域に4箇所設けている。 すなわち、ヨーク立上部22bは、カップ状のヨーク22の外壁に相当し、ヨーク延長部22aはカップ状のヨーク22の外壁を一部切断してヨーク22底部と平行に延伸したような形状をしている。 【0030】 また、ヨーク22の中央部には、貫通穴からなるヨーク開口22cを設ける。このヨーク開口22cは、動電型エキサイタ10における製造組立工程において、位置決めを行う役割を有し、製造および組立を容易にするとともに、部品相互の位置合わせ精度を高くすることができる効果を有する。 【0031】 ヨーク立上部22bとヨーク延長部22aは、つぎに記載するような製造方法で形成する。平板状のヨーク22外周に8箇所の切り込みを形成し、一部を絞り加工して4つのヨーク立上部22bを形成し、絞り加工しない部分をヨーク延長部22aとして形成することができる。 あるいは、別の製造方法としては、ヨーク22の外周の全域を絞り加工してカップ状に形成したのち、8箇所の切り込みを形成し一部をヨーク底面と平行になるように曲げ加工して、ヨーク立上部22bとヨーク延長部22aを形成してもよい。 【0032】 図1に示すように、ヨーク延長部22aと、フレーム鍔部12aとの間には所定の間隙を設ける。そして、このヨーク延長部22aとフレーム鍔部12aとの間には、磁気回路部20のローリング現象を抑制するための弾性部材16を配設する。 弾性部材16としては、弾性を有する材料が適用でき、具体的にはゴムや合成樹脂などの弾性変形可能な材料、あるいはばね材料をコイル状に巻回したコイルスプリングや薄膜状樹脂内に流体を封入したものが適用可能である。 【0033】 本発明の実施形態では、弾性部材16として、スポンジや発泡スチロールのような発泡状態の樹脂材料、たとえばマイクロセルポリマーを適用した。弾性部材16の厚さは、ヨーク延長部22aとフレーム鍔部12aとの間の間隙寸法より、20%程度厚い材料を使用する。 すなわち、弾性部材16をヨーク延長部22aとフレーム鍔部12aとの間隙部に配設したとき、この弾性部材16は、厚さ方向に収縮されるように構成している。 【0034】 そして、この弾性部材16を、ヨーク延長部22aまたはフレーム鍔部12aのいずれか一方に、両面テープを用いて貼り付けて固定する。 ここで、弾性部材16は、ヨーク延長部22aの形成領域のみにヨーク立上部22b外周に部分的に配設することが望ましい。ただし、弾性部材16の弾性変形量が大きな材料を用いたときは、ヨーク立上部22bの外周の全周囲に弾性部材16を配設するような構成を採用してもよい。 【0035】 トッププレート26の外周端部と、ヨーク22のヨーク立上部22bの内壁部との間には所定の間隙を設け、この間隙が磁気ギャップ30となる。 トッププレート26の前面側の表面高さと、ヨーク立上部22bの上面高さとは、磁気特性を良好とするために、ほぼ同じ高さとなるようにしている。 【0036】 また、本発明の実施形態の動電型10エキサイタ10では、図2に示すように、ヨーク22の外周の全域にヨーク立上部22bが形成されず、一部領域にヨーク立上部22bが設けられている。 このため、磁気回路部20において、磁束の漏洩が若干発生し、結果として磁力の低下に起因して音圧が低下するおそれが考えられる。しかしながら、ヨーク22外周の全域にヨーク立上部22bを形成した動電型エキサイタ10と、ヨーク22外周の一部領域にヨーク立上部22bを形成した動電型エキサイタ10との周波数−音圧特性を比較したが、大きな差異は見出せなかった。 【0037】 ヨーク22の背面側には、図1に示すように、段差を設けこの段差部にサスペンション18を固定する。 サスペンション18は、弾性を有する薄板状の金属材料、たとえばステンレス鋼(SUS304)からなる。そしてサスペンション18には、サスペンション開口18aを設ける。ヨーク22とサスペンション18との固定は、溶接によって行う。 【0038】 このサスペンション18は機械的共振系を構成し、動電型エキサイタ10における低域の周波数特性の補償を行う機能を有する。 サスペンション18は、厚さ方向に弾性を有するとともに平面方向には剛性を有する。このためサスペンション18は、厚さ方向に振動しやすくなっている。 【0039】 サスペンション18における機械的共振系の固有振動数の制御は、材質や、板厚や、サスペンション開口18aの形状や、サスペンション開口18aの数や、サスペンション開口18aの開口部面積を変えることによって行うことができる。 サスペンション18材料としては、上記した金属材料だけでなく、樹脂材料も適用可能である。 【0040】 サスペンション18は、図1に示すように、曲げ加工によって周縁部に対して中央部を突出させるような断面形状を有する。 このようにサスペンション18を、中央部を周縁部より突出させ、突出部にヨーク22を固定すると、平坦形状のサスペンションに比較して、磁気回路部20における横揺れ(ローリング現象)を抑制することができ、さらにヨーク22背面側におけるスペースを効率よく確保できることから、動電型エキサイタ20におけるスペースの有効利用が可能となる利点を有する。 【0041】 ヨーク立上部22bの内周部と、トッププレート26の外周部との間の間隙部である磁気ギャップ30に、コイルを巻回して形成したボイスコイル28を配設する。ボイスコイル28はコイルを円筒形状に巻回して形成する。そしてボイスコイル28は振動板14に固着する。なお、振動板14へのボイスコイル28の固定は接着により行う。 振動板14は、紙や樹脂や金属材料から形成する。また振動板14は、フレーム12への固定部である振動板14外縁部を平坦形状とし、この外縁部より内側の振動部分は断面形状を円弧状とする。 【0042】 振動板14は、その外縁部の平坦形状部分をフレーム12に固定する。フレーム12と振動板14との固定は、接着にて行う。 【0043】 振動板14には好ましくは、図3の平面図に示すように、ボイスコイル28を固定した内側領域の振動板14のほぼ中央部に、振動板14の厚さ方向に貫通する振動板開口14aを設ける。この振動板開口14aは四角形状とし、2箇所設ける。 振動板14に設ける振動板開口14aは、通気口としての役割をもつ。この振動板開口14aの役割は、のちほど説明する。 【0044】 さらに、振動板14の前面側に、この振動板14の前面側全面を被覆するように第1のプロテクター38を設ける。この第1のプロテクター38は、周辺部に対して中央部が凸状に突出する断面形状に形成する。 この第1のプロテクター38は、薄板の金属材料、たとえばステンレス鋼(SUS304)から構成する。 【0045】 そして、第1のプロテクター38における突出する中央部の大きさ寸法は、振動板14の振動部、すなわちフレーム12に固定した振動板14の周縁部より内側の領域の大きさ寸法とほぼ同じ大きさとする。 このように第1のプロテクター38中央部の大きさと、振動板14の振動部の大きさをほぼ同じ大きさとすると、振動板14の振動による第1のプロテクター38の励振を効率良く行うことができる。 【0046】 振動板14のボイスコイル28を固着した面と反対側の面と、第1のプロテクター38の突出する中央部内面との間の隙間によって、空気室32を構成する。 【0047】 第1のプロテクター38は、周辺部を振動板14に固定するとともに、中央部を表示パネル保護部材36に密着させるように固定する。 振動板14と第1のプロテクター38の固定、および表示パネル保護部材36と第1のプロテクター38の固定は、それぞれ接着によって行う。 【0048】 第1のプロテクター38を設けることにより振動板14を保護することができ、動電型エキサイタ10の組立工程において、ハンドリング中での振動板14の破損を防止することができる。 さらに第1のプロテクター38中央部を介して、動電型エキサイタ10を表示パネル保護部材36に取り付けることにより、表示パネル保護部材36と第1のプロテクター38との接合固定面積が充分に大きく確保できる。したがって、表示パネル保護部材36と動電型エキサイタ10の固定強度を大きくすることができる。このことから、表示パネル保護部材36の振動に起因する、表示パネル保護部材36と動電型エキサイタ10の取り付け状態が劣化することは発生しないという効果を具備する。 【0049】 さらに、図1に示すように、動電型エキサイタ10の側面部と背面部とを被覆して保護するように第2のプロテクター40を設ける。 この第2のプロテクター40は、薄板の金属材料、たとえばステンレス鋼(SUS304)から構成する。第2のプロテクター40とサスペンション18とは、溶接により固定する。 【0050】 この第2のプロテクター40の中央部には、貫通穴からなる第2のプロテクター開口40aを設ける。この第2のプロテクター開口40aは、動電型エキサイタ10における製造組立工程において、位置決めを行う役割を有し、製造および組立を容易にするとともに、部品相互の位置合わせ精度を高くすることができる効果を有する。 【0051】 第2のプロテクター40の前面側端部は、図1に示すように、第1のプロテクター38の周縁部にて、内周側に曲げるように、かしめ加工(塑性変形加工)を行っている。 このように、第2のプロテクター40の前面側端部を第1のプロテクター38の周縁部にてかしめ加工を行うと、フレーム12と振動板14の固定を補強することができ、さらにサスペンション18の周縁部を第2のプロテクター40の内周部を介してフレーム12端部に押圧固定することができる。 【0052】 第1のプロテクター38を固着する表示パネル保護部材36は、携帯電話機やパーソナルコンピュータや電子辞書などの情報を表示する液晶表示パネルを構成する基板を保護する部材である。表示パネル保護部材36は、透明な樹脂材料、たとえばアクリル系の樹脂材料から構成する。 動電型エキサイタ10は、液晶表示パネルにおける表示領域外側の表示パネル保護部材36に配設する。第1のプロテクター38と表示パネル保護部材36とは、接着によって固着する。 【0053】 〔異なる構造を有するヨーク34の説明:図4〕 以上の説明と異なる構造を有するヨークの構造を、図4を用いて詳しく説明する。図4は、本発明の実施形態における動電型エキサイタのヨークを示す図面であり、図4(A)はヨークを前面側から見た状態を示す平面図であり、図4(B)は図4(A)におけるA−A線において切断した状態を示す断面図である。 【0054】 図4を用いて説明するヨーク34と、図1および図2を用いて説明したヨーク22との構造上の相違点は、図1および図2に示すヨーク22は、ヨーク立上部22aがヨーク22外周の一部領域の4箇所に設けられているのに対して、図4に示すヨーク34においては、ヨーク立上部34aは、ヨーク34外周の全域に設けている点である。 【0055】 すなわち、図4に示すように、カップ状のヨーク34の外周部に、ヨーク34とは別部材にてヨーク延長部35を設けている。ヨーク34とヨーク延長部35とは、同じ純鉄で構成してもよいが、ヨーク34は純鉄で形成しヨーク延長部35は純鉄以外の金属材料や非金属材料で形成してもよい。 【0056】 ヨーク34とヨーク延長部35との接合は、ヨーク延長部35を金属材料で形成した場合は溶接法にて接合し、ヨーク延長部35を非金属材料で形成した場合は接着法にて行えばよい。 図4(B)に示すように、ヨーク34には外周部に段差を設け、さらにヨーク延長部35にはヨーク34の段差に係合する段差を設け、ヨーク34とヨーク延長部35との接合面積を大きくする。この結果、溶接または接着による接合強度を増大させ、ヨーク34とヨーク延長部35を強固に一体化することができる。 【0057】 また、ヨーク34の中央部には、貫通穴からなるヨーク開口34bを設ける。このヨーク開口34bは、動電型エキサイタ10における製造組立工程において、位置決めを行う役割を有し、製造および組立を容易にするとともに、部品相互の位置合わせ精度を高くすることができる効果を有する。 【0058】 この図4に示す実施形態では、図1および図2を用いて説明した動電型エキサイタ10に比較して、ヨーク立上部34aからの磁束の漏洩がまったくない。 したがって、図4を用いて説明したヨーク34を用いる動電型エキサイタ10は、図1および図2を用いて説明したヨーク22を用いた動電型エキサイタ10に比較して、磁束漏洩がないことによって動電型エキサイタ10の特性向上を図ることができる。 【0059】 〔動電型エキサイタの動作説明〕 つぎに以上の構成に基づく本発明における平面レシーバ用の動電型エキサイタの動作を説明する。 以下の動電型エキサイタ10の動作説明においては、図1および図2を用いて説明したヨーク22と、図4を用いて説明したヨーク34を適用した動電型エキサイタ10においては、ほぼ同じ動作を有する。このことから、図1および図2に示すヨーク22を適用した動電型エキサイタ10による動作説明をおもに行い、図4に示すヨーク34を用いた動電型エキサイタの動作説明は省略する。 【0060】 本発明の動電型エキサイタ10においては、ボイスコイル28を低音域の周波数で電流駆動すると、ボイスコイル28と磁気ギャップ30との間には電磁力が生じ、低音域の周波数に同期してボイスコイル28が、前後方向に振動する。 【0061】 ボイスコイル28が振動することにより、サスペンション18はその固有振動数で共振し、サスペンション18を介してフレーム12を励振させる。本実施形態では、フレーム12が励振されることによって、フレーム12に固定された第1のプロテクター38を介して表示パネル保護部材36を振動させる。 動電型エキサイタ10は、液晶表示パネルの非表示領域の表示パネル保護部材36に固定されているが、第1のプロテクター38の振動は液晶表示パネルの表示領域まで伝搬する。このことから、表示パネル保護部材36が所定の周波数で振動して、液晶表示パネルの表示領域から音響出力が得られる。 【0062】 またボイスコイル28を中高音域の周波数で電流駆動すると、ボイスコイル28と磁気ギャップ30との間には電磁力が生じ、振動板14とサスペンション18の固有振動数が異なるとともに、磁気回路部20を固着したサスペンション18に比較して質量が小さな振動板14はその固有振動数で共振する。 本実施形態では、振動板14の共振により、空気室32を介して、第1のプロテクター38と密着させて固定する表示パネル保護部材36を振動させ、中高音域の音響出力が得られる。 【0063】 このとき振動板14には、振動板14前面の空気室32内の空気層によって負荷が加わる。すなわち、空気室32内の空気層によって振動板14には振動方向とは逆方向の負荷が加わり振幅が抑えられるとともに、空気室32の空気層の密度が上昇することによって高い音圧レベルが得られる。 【0064】 振動板14前面の空気体積は、空気室32によって制限され、実効的に小さくなっている。このため振動板14の前面の空気が等価的に高密度となって、振動板14と空気との結合インピーダンスが高くなり、音圧への変換効率が上昇する。 この結果、振動板14は、小さな振幅にもかかわらず音圧レベルを向上させることができ、中高音域を大きな音量で出力することが可能となる。 【0065】 このように本発明では、振動板14の共振周波数は高音域側にシフトするとともに、音圧レベルも高く維持できる。本実施形態においては、高い音圧レベルにて振動している振動板14の振動が、第1のプロテクター38と密着させて固定する表示パネル保護部材36に空気室32の空気層を介して伝わる。 したがって、表示パネル保護部材36も振動板14と同じように、中高音域側の再生周波数帯域が広がるとともに、音圧レベルも高くなる。 【0066】 表示パネル保護部材36に固定されている動電型エキサイタ10の振動は、液晶表示パネル表示領域まで伝搬する。 このようにして、表示パネル保護部材36の所定周波数の振動が、空気室32を介して液晶表示パネルの情報の表示領域から音響出力となる。この結果、本発明の動電型エキサイタ10においては、中高音域における音圧レベルを高く維持でき、とくに中高音域側の再生周波数の広帯域化を実現できる。 【0067】 さらに、本発明の平面レシーバ用の動電型エキサイタ10では、フレーム鍔部12aとヨーク延長部22aとの間に挟持するように弾性部材16を配設している。この弾性部材16によって、ボイスコイル28を電流駆動したとき発生する磁気回路部20のローリング現象を抑制することができる。 磁気回路部20にたとえ横揺れが発生したとしても、フレーム鍔部12aとヨーク延長部22aとの間に配設する弾性部材16によって、横揺れを吸収して、磁気回路部20は前後方向にのみ振動させることができる。したがって、本発明の動電型エキサイタ10における磁気回路部20は前面と背面との前後方向の振幅のみが発生する。 【0068】 したがって、本発明の平面レシーバ用の動電型エキサイタにおいては、磁気回路部20がボイスコイル28に接触して動電型エキサイタ10が異常音を発生する不都合、およびボイスコイル28が磁気回路部20に衝突することによってコイルが断線して動電型エキサイタ10に故障が発生するという不都合は生じない。 この結果、本発明は、音響出力の異常音発生がないことから聞きやすく、さらにコイル断線が生じないことから長期信頼性に優れた動電型エキサイタを提供することが可能となる効果を具備する。 【0069】 さらに、フレーム鍔部12aとヨーク延長部22aとの間に挟持するように弾性部材16を配設していることから、本発明における平面レシーバ用の動電型エキサイタ10においては、以下に記載する効果も具備する。 【0070】 すなわち、振動や落下などによって、動電型エキサイタ10に衝撃荷重が加わった場合、フレーム鍔部12aとヨーク延長部22aとの間に介在させた弾性部材16が衝撃荷重を吸収して、平面レシーバ用の動電型エキサイタ10の破損を防止する効果を発揮でき、さらに耐衝撃性も向上する。 弾性部材16を配設しない動電型エキサイタでは、振動や落下による衝撃によって、サスペンション18の塑性変形や、振動板14の破れまたは剥離などの破損や、さらにフレーム12の割れやクラックの発生や、ボイスコイル28が磁気回路部20に衝突してコイルが断線するなどの問題点が発生するが、本発明ではフレーム鍔部12aとヨーク延長部22aとの間に挟持するように弾性部材16を配設することによって、上記した問題点は一切発生しない。 【0071】 またさらに、フレーム鍔部12aとヨーク延長部22aとの間に挟持するように弾性部材16を配設していることから、本発明における平面レシーバ用の動電型エキサイタ10においては、以下に記載するように、振幅を適正範囲内に抑制する効果も具備する。 【0072】 すなわち、振動板14の振幅は、フレーム鍔部12aとヨーク延長部22aとの間に介在するように設ける弾性部材16の収縮時の厚さ分に相当する振幅に抑制されている。このため歪みの発生を防ぎ、高品位の再生音を有する動電型エキサイタ10を得ることができる。 また、弾性部材16によって振動板14の振幅を抑えることが可能となり耐入力が向上し、大きな音量の出力に対しても、ボイスコイル28が磁気ギャップ30の適正範囲内から逸脱することもなく、適正な音質で再生を行うことができる。 【0073】 また、本発明では弾性部材16を配設することによって、大きな音量の出力時に、この弾性部材16の弾性によって、ボイスコイル28が磁気ギャップ30の適正範囲から逸脱することによって生じる雑音の発生、および磁気回路部20に接触することによって生じるボイスコイル28の機械的損傷の発生を防止することができる。 【0074】 さらに、本実施形態の動電型エキサイタ10においては、振動板14の前面側から放射される空気圧は、この振動板14に対向配置する第1のプロテクター38に遮られることになる。 このため振動板14前面の空気負荷が上昇する。このことによって、振動板14には振幅方向と逆方向の負荷が加わり、振動板14の振幅が抑えられる。 【0075】 このため、振動板14の振幅は適正範囲内に抑制することができ、歪みの発生を防ぎ、高品位の再生音を得ることができる。 すなわち、本発明の実施形態では、振動板14の振幅を抑えることにより耐入力が向上し、大きな音量の出力に対しても、ボイスコイル28が磁気ギャップ30の適正範囲内から逸脱することもなく、適正な音質で再生を行うことができる。 【0076】 またさらに、振動板14に空気負荷が印加される本発明では、大音量の出力時に、磁気ギャップ30の適正範囲からボイスコイル28が逸脱することによって生じる雑音の発生、および磁気回路部20に接触することによって生じるボイスコイル28におけるコイルの断線発生やボイスコイル28が振動板14から剥離することを防止することができる。 さらに振動板14前面に空気室32を設けることによって、大きな音量が入力したとき、振幅が抑制される。このことから、空気室32によって、振動板14の破損を防止することもできるという効果を有する。 【0077】 なお、空気室32が密閉状態となると、振動板14の振動に起因する空気密度の上昇による空気室32内の圧力変化により振動板14の破れおよび第1のプロテクター38の変形や破損するなどの不具合が発生するおそれがある。 このことから、振動板14のほぼ中央部に振動板開口14aを設け、空気室32と外部との通気穴として振動板開口14aを作用させることが好ましい。 【0078】 本発明の動電型エキサイタにおいては、前述のように、空気室32内の空気層を等価的に高密度とする必要があり、振動板14に設ける振動板開口14aは通気穴としての役割のみを果たすように、振動板開口14aの大きさや数を調整する。 すなわち、振動板開口14aの大きさや数は、振動板14の振動によって空気室32内の空気層が高密度状態となるように制御する。 【0079】 振動板14の共振周波数の共振点は、空気室32の体積、すなわち振動板14と第1のプロテクター38との間の隙間寸法や、振動板14の材質や厚さなどを変化させることによって制御することができる。 【0080】 〔動電型エキサイタの周波数−音圧特性の説明:図5〕 ここで図5のグラフを用いて本発明による弾性部材を設けた場合と、弾性部材がない場合とを比較した動電型エキサイタの周波数−音圧特性を対比して説明する。 すなわち、フレーム鍔部12aとヨーク延長部22aとの間に弾性部材16を配設した動電型エキサイタと、フレーム鍔部12aとヨーク延長部22aとの間に弾性部材16を配設しない動電型エキサイタの周波数−音圧特性を説明する。 【0081】 図5のグラフは、横軸が周波数(Hz)を示し、縦軸が音圧(dB)を示す。周波数が100Hzから10000Hzの駆動信号を動電型エキサイタに印加して、弾性部材16の有無における周波数−音圧特性を測定した。そして弾性部材16を配設した本発明の平面レシーバ用の動電型エキサイタにおける周波数−音圧特性は実線(符号44)で示し、弾性部材16を配設しない動電型エキサイタの特性は破線(符号46)で示す。 なお、図1および図2に示すヨーク22と図4に示すヨーク34とは、周波数特性はほぼ同一であった。このことから、以下の説明は、図1および図2に示すヨーク22を適用した動電型エキサイタ10特性を説明する。 【0082】 図5のグラフから明らかなように、中高音域の周波数−音圧特性は、弾性部材16の有無による特性差は発生していない。 しかしながら、図5のグラフから明らかなように、低音域における周波数−音圧特性には、弾性部材16の有無によって特性差が生じている。 【0083】 すなわち、弾性部材16がない特性46では、低音域における周波数−音圧特性に、サスペンション18の共振点付近で発生する尖りが認められる。 この尖りによって平面レシーバ用の動電型エキサイタでは、聴感上、共振周波数が強調されて聞きにくい音響出力となっている。 【0084】 これに対して、フレーム鍔部12aとヨーク延長部22aとの間に弾性部材16を配設する本発明の平面レシーバ用の動電型エキサイタは、図5の特性44に示すように、尖りが解消され、より平坦に近い周波数−音圧特性が得られている。 これは、弾性部材16によって、前記の共振点における尖りとなる余分な振幅分を抑制することができたことによって得られている。 【0085】 したがって、本発明の平面レシーバ用の動電型エキサイタにおいては、周波数−音圧特性の低音域における尖りがなく、より平坦な周波数−音圧特性が得られることから、聴きやすい音響出力が得られる。 【0086】 携帯電話機においては、情報を表示する表示領域の占有面積は、多種多様な情報を表示するため大きくなる傾向にある。そのため使用者における音声受話用のスピーカを設置する領域が無くなってきている。 そこで本発明の平面レシーバ用の動電型エキサイタでは、表示パネル保護部材36を液晶表示パネルに重ねて配設して、液晶パネル表示領域の表示パネル保護部材36を振動させて、この表示領域を音声受話用のレシーバとして使用している。 【0087】 このことから、従来のように受話用のスピーカを設置する必要がなく、携帯電話機の小型薄型化を達成できるという効果を、本発明は具備する。 さらに、液晶表示パネルの表示領域表面の表示パネル保護部材36を振動させて音響出力が得られることから、使用者は音声受話を液晶表示パネルの表示領域の全面で可能となり、従来のようにスピーカ設置箇所が限定されることがなく、携帯電話機における設計の自由度が向上するという効果も有する。 【0088】 またさらに、特許文献1の動電型エキサイタでは、第2のサスペンションの形状や材料を選択することにより固有振動数を変え、共振周波数の調整を行っていた。そのため特許文献1では動電型エキサイタの小型化薄型化には制約が多く、中高音域の周波数特性の広帯域化や音圧レベルの向上は困難であった。 【0089】 これに対して本発明の動電型エキサイタ10では、振動板14前面に空気室32を設け、この空気室32により振動板14に空気負荷を加えることにより、中高音域の周波数特性の広帯域化や音圧レベルの向上を実現でき、特許文献1のように制約を受けることなく容易に小型化薄型化を実現できる。 【0090】 以上の実施形態の説明においては、ヨーク立上部22bは、図2に示すように、ヨーク延長部22a間の領域に4箇所設ける実施形態で設明したが、ヨーク立上部22bはヨーク22外周部に2箇所以上の複数箇所に設ければよい。 【0091】 以上の実施形態の説明においては、振動板14に形成する振動板開口14aとして、図3に示すように、四角形状の貫通穴を形成する例で説明したが、この振動板開口14aは四角形状だけでなく、丸形状や四角形以外の多角形状でもよく、振動板開口14aの数も1個または3個以上でもよい。 前述のように、空気室32内の空気層が等価的に高密度状態となるように、振動板開口14a大きさや数を調整する。 【0092】 さらに振動板14に空気室32の空気層により負荷を加えている実施形態で説明したが、振動板14の振動振幅に大きな影響を与えないような重さの部材、たとえば発泡性の樹脂などの部材を振動板14に貼り付けても、共振周波数を高音域側にシフトさせることが可能であり、高音域側の音圧レベルを高い状態で維持できる。 【0093】 また以上の説明では、表示パネル保護部材36として、液晶表示パネルの前面に設ける部材を適用する実施形態で説明したが、エレクトロルミネセンス表示パネルの基板の前面に設ける表示パネル保護部材36として適用しても良い。 【0094】 エレクトロルミネセンス表示パネルは、ガラスや樹脂などからなる透明絶縁性基板のおもて面側に、酸化インジウムスズ(ITO)からなる透明電極と、トリフェニルジアミン誘導体からなるホール輸送層と、アルミキノリノーム錯体からなる発光層と、アルミニウムからなる金属電極を順次形成し、これらの透明電極とホール輸送層と発光層と金属電極を被覆するように電気絶縁性高分子化合物からなる保護層を形成して構成している。 そして、透明絶縁性基板のうら面側から発光し、エレクトロルミネセンス表示パネルとなる。動電型エキサイタは透明絶縁性基板のおもて面側に取り付ける。 【0095】 さらに本発明の動電型エキサイタは、携帯電話機以外にもPDA(Personal Digital Assistants)やパーソナルコンピュータや電子辞書などの携帯情報機器に適用することができる。 そしてこれらの携帯情報機器の表示パネルや筐体を表示パネル保護部材36として適用することもできる。 【0096】 また、弾性部材16をヨーク延長部22a、またはヨーク延長部22aとの間に挟持する部材は、フレーム鍔部12aを用いる実施形態で設明した。 しかしながら、フレーム鍔部12aを設ける代わりに、第2のプロテクター40にフレーム12の内周部に突出する曲げ部を形成し、この曲げ部とヨーク延長部との間に弾性部材16を挟持するように構成してもよい。このときは、フレーム12に、第2のプロテクター40に設ける前記した曲げ部を貫通させる貫通穴を形成する。 【0097】 さらにまた、以上の実施形態では、第1のプロテクター38と第2のプロテクター40を、それぞれ振動板14の前面と動電型エキサイタ10の側面および背面に配設するように説明した。 しかしながら、第1のプロテクター38と第2のプロテクター40とは使用しなくてもよく、あるいはいずれか一方のプロテクターだけ使用してもよい。 【0098】 上記の構造を、図6を使用して簡単に説明する。図6は動電型エキサイタを示す断面図であり、第1のプロテクター38と第2のプロテクター40を配設しない動電型エキサイタ10構造を示す。なお、図6において、図1と同じ構成部分には同一の符号を付け、同じ構成については説明を省略または簡略化する。 【0099】 図6に示すように、フレーム12の前面側の内周にフレーム段差12bを設け、このフレーム段差12bに振動板14の周縁部を配置し、リング状の振動板取付部材47をフレーム段差12bに嵌合する。この構造により振動板14をフレーム12に固定する。またサスペンション18は、フレーム12を射出成形法により形成するとき、サスペンション18の周縁部をインサートモールドすることにより、サスペンション18をフレーム12に固定する。 第1のプロテクター38を使用しない場合は、表示パネル保護部材36と動電型エキサイタ10とは、直接、接着剤を使用して接合すればよい。 【0100】 現在、携帯電話機などの携帯情報機器に使用されている平面レシーバとしては、コストが高い圧電バイモルフを使用した圧電型の平面スピーカやピエゾ(セラミック)スピーカであり、本発明における平面レシーバ用の動電型エキサイタは、上記のスピーカに比較してコストは、1/4以下と大幅なコストダウンを図ることができるという経済的な効果も得られる。 【図面の簡単な説明】 【0101】 【図1】本発明の実施形態における平面レシーバ用の動電型エキサイタを示す断面図である。 【図2】本発明の実施形態における平面レシーバ用の動電型エキサイタにおけるヨークを示す平面図である。 【図3】本発明の実施形態における平面レシーバ用の動電型エキサイタにおける振動板を示す平面図である。 【図4】本発明の実施形態における平面レシーバ用の動電型エキサイタにおけるヨークを示し、図4(A)は平面図であり、図4(B)は図4(A)におけるA−A線において切断した状態を示す断面図である。 【図5】本発明の弾性部材の有無による平面レシーバ用の動電型エキサイタの周波数と音圧との関係を示すグラフである。 【図6】本発明の実施形態における平面レシーバ用の動電型エキサイタを示し、第1のプロテクターと第2のプロテクターを配設しない構造を示す断面図である。 【符号の説明】 【0102】 10 動電型エキサイタ 12 フレーム 12a フレーム鍔部 14 振動板 16 弾性部材 20 磁気回路部 22 ヨーク 22a ヨーク延長部 24 磁石 26 トッププレート 28 ボイスコイル 30 磁気ギャップ 38 第1のプロテクター 40 第2のプロテクター
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| 【出願人】 |
【識別番号】000131430 【氏名又は名称】シチズン電子株式会社
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| 【出願日】 |
平成18年8月11日(2006.8.11) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100085280 【弁理士】 【氏名又は名称】高宗 寛暁
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| 【公開番号】 |
特開2008−48079(P2008−48079A) |
| 【公開日】 |
平成20年2月28日(2008.2.28) |
| 【出願番号】 |
特願2006−220708(P2006−220708) |
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