| 【発明の名称】 |
静電型超音波トランスデューサ、これを用いた超音波スピーカ、静電型超音波トランスデューサの駆動制御方法、音声信号再生方法、超指向性音響システム及び表示装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】関野 博一
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| 【要約】 |
【課題】音圧特性を安定化、向上あるいは修復させることができる静電型超音波トランスデューサを提供する。
【構成】貫通穴が形成された第1の電極と、前記第1の電極の貫通穴と対をなす貫通穴が形成された第2の電極と、前記一対の電極に挟まれるとともに電極層を有し、該電極層に直流バイアス電圧が印加される振動膜と、前記一対の電極と前記振動膜とを保持する保持部材とを有し、前記一対の電極と前記振動膜の電極層との間に交流信号が印加される静電型超音波トランスデューサであって、前記直流バイアス電圧のレベル及び前記交流信号の周波数のうちいずれか一方、または双方を連続的に変化させる制御手段(20、22)を有する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 貫通穴が形成された第1の電極と、 前記第1の電極の貫通穴と対をなす貫通穴が形成された第2の電極と、 前記一対の電極に挟まれるとともに電極層を有し、該電極層に直流バイアス電圧が印加される振動膜と、前記一対の電極と前記振動膜とを保持する保持部材とを有し、前記一対の電極と前記振動膜の電極層との間に交流信号が印加される静電型超音波トランスデューサの駆動制御方法であって、 前記直流バイアス電圧のレベル及び前記交流信号の周波数のうちいずれか一方、または双方を連続的に変化させることを特徴とする静電型超音波トランスデューサの駆動制御方法。 【請求項2】 前記直流バイアス電圧が所定のレベルに設定され、前記振動膜の電極層に印加された状態下において、前記交流信号の周波数を低周波から高周波まで連続的に変化させた後に、所定の周波数に設定することを特徴とする請求項1に記載の静電型超音波トランスデューサの駆動制御方法。 【請求項3】 所定の周波数の前記交流信号を所定のレベルで前記一対の固定電極と前記振動膜の電極層に印加した状態下において、前記直流バイアス電圧を一旦、設定電圧まで所定の時間で上昇させるように変化させ、次いで、前記直流バイアス電圧を低電圧まで下降させ、再度、前記設定電圧まで上昇させるように変化させた後、所定の電圧値に設定することを特徴とする請求項1に記載の静電型超音波トランスデューサの駆動制御方法。 【請求項4】 前記交流信号の周波数及び前記直流バイアス電圧を所定の時間内において同時に、かつ連続的に変化させた後に、それぞれ所定の値に設定する際に、前記交流信号の周波数を低周波から高周波まで連続的に変化させた後に、所定の周波数に設定し、かつ前記直流バイアス電圧を一旦、設定電圧まで所定の時間で上昇させるように変化させ、次いで、前記直流バイアス電圧を低電圧まで下降させ、再度、前記設定電圧まで上昇させるように変化させた後、所定の電圧値に設定することを特徴とする請求項1に記載の静電型超音波トランスデューサの駆動制御方法。 【請求項5】 前記交流信号は、正弦波信号であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の静電型超音波トランスデューサの駆動制御方法。 【請求項6】 前記交流信号は、超音波周波数帯域の信号を可聴周波数帯域の信号で変調した変調波信号であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の静電型超音波トランスデューサの駆動制御方法。 【請求項7】 前記静電型超音波トランスデューサの駆動制御を駆動開始時に行うことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の静電型超音波トランスデューサの駆動制御方法。 【請求項8】 前記静電型超音波トランスデューサの駆動制御を、前記静電型超音波トランスデューサの駆動時間が所定の時間に達する度に行うことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の静電型超音波トランスデューサの駆動制御方法。 【請求項9】 貫通穴が形成された第1の電極と、 前記第1の電極の貫通穴と対をなす貫通穴が形成された第2の電極と、 前記一対の電極に挟まれるとともに電極層を有し、該電極層に直流バイアス電圧が印加される振動膜と、前記一対の電極と前記振動膜とを保持する保持部材とを有し、前記一対の電極と前記振動膜の電極層との間に交流信号が印加される静電型超音波トランスデューサであって、 前記直流バイアス電圧のレベル及び前記交流信号の周波数のうちいずれか一方、または双方を連続的に変化させる制御手段を有することを特徴とする静電型超音波トランスデューサ。 【請求項10】 前記制御手段は、前記直流バイアス電圧を所定のレベルに設定し、前記振動膜の電極層に印加した状態下において、前記交流信号の周波数を低周波から高周波まで連続的に変化させた後に、所定の周波数に設定することを特徴とする請求項9に記載の静電型超音波トランスデューサ。 【請求項11】 前記制御手段は、所定の周波数の前記交流信号を所定のレベルで前記一対の固定電極と前記振動膜の電極層に印加した状態下において、前記直流バイアス電圧を一旦、設定電圧まで所定の時間で上昇させるように変化させ、次いで、前記直流バイアス電圧を低電圧まで下降させ、再度、前記設定電圧まで上昇させるように変化させた後、所定の電圧値に設定することを特徴とする請求項9に記載の静電型超音波トランスデューサ。 【請求項12】 前記制御手段は、前記交流信号の周波数及び前記直流バイアス電圧を所定の時間内において同時に、かつ連続的に変化させた後に、それぞれ所定の値に設定する際に、前記交流信号の周波数を低周波から高周波まで連続的に変化させた後に、所定の周波数に設定し、かつ前記直流バイアス電圧を一旦、設定電圧まで所定の時間で上昇させるように変化させ、次いで、前記直流バイアス電圧を低電圧まで下降させ、再度、前記設定電圧まで上昇させるように変化させた後、所定の電圧値に設定することを特徴とする請求項9に記載の静電型超音波トランスデューサ。 【請求項13】 前記交流信号は、正弦波信号であることを特徴とする請求項9乃至12のいずれかに記載の静電型超音波トランスデューサ。 【請求項14】 前記交流信号は、超音波周波数帯域の信号を可聴周波数帯域の信号で変調した変調波信号であることを特徴とする請求項9乃至12のいずれかに記載の静電型超音波トランスデューサ。 【請求項15】 前記制御手段は、前記静電型超音波トランスデューサの駆動制御を駆動開始時に行うことを特徴とする請求項9乃至12のいずれかに記載の静電型超音波トランスデューサ。 【請求項16】 前記制御手段は、前記静電型超音波トランスデューサの駆動制御を、前記静電型超音波トランスデューサの駆動時間が所定の時間に達する度に行うことを特徴とする請求項9乃至12のいずれかに記載の静電型超音波トランスデューサ。 【請求項17】 貫通穴が形成された第1の電極と、前記第1の電極の貫通穴と対をなす貫通穴が形成された第2の電極と、前記一対の電極に挟まれるとともに電極層を有し、該電極層に直流バイアス電圧が印加される振動膜と、前記一対の電極と前記振動膜とを保持する保持部材とを有し、前記一対の電極と前記振動膜の電極層との間に交流信号が印加される静電型超音波トランスデューサであって、前記直流バイアス電圧のレベル及び前記交流信号の周波数のうちいずれか一方、または双方を連続的に変化させる制御手段を有する静電型超音波トランスデューサと、 可聴周波数帯の信号波を生成する信号源と、 超音波周波数帯のキャリア波を生成し、出力するキャリア波供給手段と、 前記キャリア波を前記信号源から出力される可聴周波数帯の信号波により変調する変調手段とを有し、 前記静電型超音波トランスデューサは、前記電極と前記振動膜の電極層との間に印加される前記変調手段から出力される変調信号により駆動されることを特徴とする超音波スピーカ。 【請求項18】 貫通穴が形成された第1の電極と、前記第1の電極の貫通穴と対をなす貫通穴が形成された第2の電極と、前記一対の電極に挟まれるとともに電極層を有し、該電極層に直流バイアス電圧が印加される振動膜と、前記一対の電極と前記振動膜とを保持する保持部材とを有し、前記一対の電極と前記振動膜の電極層との間に交流信号が印加される静電型超音波トランスデューサであって、前記直流バイアス電圧のレベル及び前記交流信号の周波数のうちいずれか一方、または双方を連続的に変化させる制御手段を有する静電型超音波トランスデューサを使用すると共に、 信号源により可聴周波数帯の信号波を生成する手順と、 キャリア波供給手段により超音波周波数帯のキャリア波を生成し、出力する手順と、 変調手段により前記キャリア波を前記可聴周波数帯の信号波により変調した変調信号を生成する手順と、 前記電極と前記振動膜の電極層との間に前記変調信号を印加することにより前記静電型超音波トランスデューサを駆動する手順と、 を含むことを特徴とする静電型超音波トランスデューサによる音声信号再生方法。 【請求項19】 貫通穴が形成された第1の電極と、前記第1の電極の貫通穴と対をなす貫通穴が形成された第2の電極と、前記一対の電極に挟まれるとともに電極層を有し、該電極層に直流バイアス電圧が印加される振動膜と、前記一対の電極と前記振動膜とを保持する保持部材とを有し、前記一対の電極と前記振動膜の電極層との間に交流信号が印加される静電型超音波トランスデューサであって、前記直流バイアス電圧のレベル及び前記交流信号の周波数のうちいずれか一方、または双方を連続的に変化させる制御手段を有する静電型超音波トランスデューサを用いて構成された超音波スピーカにより、音響ソースから供給される音声信号を再生し、スクリーン等の音波反射面近傍に仮想音源を形成する超指向性音響システムであって、 前記音響ソースから供給される音声信号のうち中高音域の音声信号を再生する超音波スピーカと、 前記音響ソースから供給される音声信号のうち低音域の音声信号を再生する低音再生用スピーカと、 を有することを特徴とする超指向性音響システム。 【請求項20】 貫通穴が形成された第1の電極と、前記第1の電極の貫通穴と対をなす貫通穴が形成された第2の電極と、前記一対の電極に挟まれるとともに電極層を有し、該電極層に直流バイアス電圧が印加される振動膜と、前記一対の電極と前記振動膜とを保持する保持部材とを有し、前記一対の電極と前記振動膜の電極層との間に交流信号が印加される静電型超音波トランスデューサであって、前記直流バイアス電圧のレベル及び前記交流信号の周波数のうちいずれか一方、または双方を連続的に変化させる制御手段を有する静電型超音波トランスデューサを含んで構成され、 音響ソースから供給される音声信号から可聴周波数帯の信号音を再生する超音波スピーカと、 映像を投影面に投影する投影光学系と、 を有することを特徴とする表示装置。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、広周波数帯域に渡って一定の高音圧を発生する静電型超音波トランスデューサ、これを用いた超音波スピーカ、静電型超音波トランスデューサの駆動制御方法、音声信号再生方法、超指向性音響システム及び表示装置に関する。 【背景技術】 【0002】 従来の超音波トランスデューサは圧電セラミックを用いた共振型がほとんどである。 【0003】 ここで、従来の超音波トランスデューサの構成を図15に示す。従来の超音波トランスデューサは、振動素子として圧電セラミックを用いた共振型がほとんどである。図15に示す超音波トランスデューサは、振動素子として圧電セラミックを用いて電気信号から超音波への変換と、超音波から電気信号への変換(超音波の送信と受信)の両方を行う。図15に示すバイモフル型の超音波トランスデューサは、2枚の圧電セラミック61および62と、コーン63と、ケース64と、リード65および66と、スクリーン67とから構成されている。 【0004】 圧電セラミック61および62は、互いに貼り合わされていて、その貼り合わせ面と反対側の面にそれぞれリード65とリード66が接続されている。 【0005】 共振型の超音波トランスデューサは、圧電セラミックの共振現象を利用しているので、超音波の送信および受信の特性がその共振周波数周辺の比較的狭い周波数帯域で良好となる。 【0006】 上述した図15に示す共振型の超音波トランスデューサと異なり、従来より静電方式の超音波トランスデューサは高周波数帯域にわたって高い音圧を発生可能な広帯域発振型超音波トランスデューサとして知られている。この静電型の超音波トランスデューサは、振動膜が固定電極側に引き付けられる方向のみ働くことからPull型と呼ばれている。 図16に広帯域発振型超音波トランスデューサ(Pull型)の具体的構成を示す。 【0007】 図16に示す静電型の超音波トランスデューサは、振動体として3〜10μm程度の厚さのPET(ポリ・エチレン・テレフタレート樹脂)等の誘電体131(絶縁体)を用いている。誘電体131に対しては、アルミ等の金属箔として形成される上電極132がその上面部に蒸着等の処理によって一体形成されるとともに、真鍮で形成された下電極133が誘電体131の下面部に接触するように設けられている。この下電極133は、リード152が接続されるとともに、ベークライト等からなるベース板135に固定されている。 【0008】 また、上電極132は、リード153が接続されており、このリード153は直流バイアス電源150に接続されている。この直流バイアス電源150により上電極132には50〜150V程度の上電極吸着用の直流バイアス電圧が常時、印加され上電極132が下電極133側に吸着されるようになっている。151は信号源である。 【0009】 誘電体131および上電極132ならびにベース板135は、メタルリング136、137、および138、ならびにメッシュ139とともに、ケース130によってかしめられている。 【0010】 下電極133の誘電体131側の面には不均一な形状を有する数十〜数百μm程度の微小な溝が複数形成されている。この微小な溝は、下電極133と誘電体131との間の空隙となるので、上電極132および下電極133間の静電容量の分布が微小に変化する。 【0011】 このランダムな微小な溝は、下電極133の表面を手作業でヤスリにより荒らすことで形成されている。静電方式の超音波トランスデューサでは、このようにして空隙の大きさや深さの異なる無数のコンデンサを形成することによって、図16に示す超音波トランスデューサの周波数特性が図17において曲線Q1に示すように広帯域となっている。 【0012】 上記構成の超音波トランスデューサでは、上電極132に直流バイアス電圧が印加された状態で上電極132と下電極133との間に矩形波信号(50〜150Vp-p)が印加されるようになっている。因みに、図17に曲線Q2で示すように共振型の超音波トランスデューサの周波数特性は、中心周波数(圧電セラミックの共振周波数)が例えば、40kHzであり、最大音圧となる中心周波数に対して±5kHzの周波数において最大音圧に対して−30dBである。 【0013】 これに対して、上記構成の広帯域発振型の超音波トランスデューサの周波数特性は、40kHzから100kHz付近まで平坦で、100kHzで最大音圧に比して±6dB程度である(特許文献1、2参照)。 【特許文献1】特開2000−50387号公報 【特許文献2】特開2000−50392号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0014】 上述したように、図15に示す共振型の超音波トランスデューサと違い、図16に示す静電方式の超音波トランスデューサは従来から広周波数帯に渡って比較的高い音圧を発生させることが可能な広帯域超音波トランスデューサ(Pull型)として知られている。 【0015】 しかしながら、音圧の最大値は図17に示すように、共振型の超音波トランスデューサが130dB以上であるのに比べ、静電型の超音波トランスデューサでは120dB以下と音圧が低く、超音波スピーカとして利用するには若干音圧が不足していた。 【0016】 ここで、超音波スピーカについて説明しておく。キャリア波と呼ばれる超音波周波数帯域の信号にオーディオ信号(可聴周波数帯の信号)でAM変調をかけ、この変調信号で超音波トランスデューサを駆動することにより、超音波を信号源のオーディオ信号で変調した状態の音波が空中に放射され、空気の非線形により、空中で元のオーディオ信号が自己再生される、というものである。 【0017】 つまり、音波は空気を媒体として伝播する粗密波であるので、変調された超音波が伝播する過程で、空気の密な部分と疎な部分な顕著に表れ、密な部分は音速が速く、疎な部分は音速が遅くなるので変調波自身に歪が生じ、その結果キャリア波(超音波)と可聴波(元オーディオ信号)に波形分離され、我々人間は20kHz以下の可聴音(元オーディオ信号)のみを聴くことができるという原理であり、一般にはパラメトリックアレイ効果と呼ばれている。 【0018】 上記のパラメトリック効果が十分現れるためには120dB以上の超音波音圧が必要であるが、静電型の超音波トランスデューサではこの数値を達成することが難しく、もっぱらPZTなどのセラミック圧電素子やPVDFなどの高分子圧電素子が超音波発信体として用いられてきた。 【0019】 しかし、圧電素子はその材質を問わず鋭い共振点を有しており、その共振周波数で駆動して超音波スピーカとして実用化しているため、高い音圧を確保出来る周波数領域が極めて狭い。すなわち狭帯域であるといえる。 【0020】 一般に、人間の最大可聴周波数帯域は20Hz〜20kHzと云われており約20kHzの帯域を持つ。すなわち超音波スピーカにおいては、超音波領域で20kHzの周波数帯域に渡って高い音圧を確保しないと、元のオーディオ信号を忠実に復調することは不可能となる。従来の圧電素子を用いた共振型の超音波スピーカでは到底この20kHzという広帯域を忠実に再生(復調)することは困難であることは容易に理解できるであろう。 【0021】 実際、従来の共振型の超音波トランスデューサを用いた超音波スピーカでは、(1)帯域が狭く再生音質が悪い、(2)AM変調度をあまり大きくすると復調音が歪むため最大でも0.5程度までしか変調度を上げられない、(3)入力電圧を上げると(ボリュームを上げると)圧電素子の振動が不安定となり、音が割れる。さらに電圧を上げると圧電素子自身が破壊され易い、(4)アレイ化や大型化、小型化が困難であり、それが故にコストが高い、といった問題が有った。 【0022】 これに対し図16に示した静電型の超音波トランスデューサ(Pull型)を用いた超音波スピーカは、上記従来技術の抱える課題をほぼ解決できるが、帯域を広くカバーできる反面、復調音が十分な音量であるためには絶対的な音圧が不足しているという問題を抱えていた。 【0023】 また、Pull型の静電型超音波トランスデューサは、静電力は固定電極側へのみ引き付ける方向にしか働かず振動膜(図17における上電極132に相当する。)の振動の対称性が保たれないため、超音波スピーカに用いる場合、振動膜の振動が直接、可聴音を発生させるという問題が有った。 【0024】 これに対して、我々は、広周波数帯域にわたってパラメトリックアレイ効果を得るのに十分に高い音圧レベルの音響信号を発生することができる静電型超音波トランスデューサを既に提案している(特開2005−354472)。この静電型超音波トランスデューサは、導電層を有する振動膜を対向する位置に貫通穴が形成された一対の固定電極により挟持し、振動膜に直流バイアス電圧が印加された状態で一対の固定電極に交流信号を印加するように構成したものである。 【0025】 この静電型超音波トランスデューサは、Push−Pull型の静電型超音波トランスデューサと呼ばれており、一対の固定電極により挟持された振動膜が交流信号の極性に応じた方向において静電吸引力と静電斥力を同時が同方向にかつ同時に受けるために、振動膜の振動をパラメトリックアレイ効果を得るのに十分に大きくすることができるだけでなく、振動の対称性が確保されるため、従来のPull型の静電型超音波トランスデューサに比して高い音圧を広周波数帯域にわたって発生させることができる。 【0026】 上記Push−Pull型の静電型超音波トランスデューサにおいて、従来の駆動方法では、まず振動膜に対し、所定の時間(例えば5〜10秒)をかけて徐々に直流250Vまで印加し、その後に固定電極側に対し、所定の時間(例えば5〜10秒)徐々に交流250VP−Pまで印加し、振動膜への電気的負荷軽減に配慮した駆動制御を行ってきた。 【0027】 しかしながら、振動膜の種類(材質、厚みなど)や固定電極の構成(構造、材質など)の影響により、従来の駆動制御では駆動状態が安定するまでに時間を要する、あるいは安定しない、さらには、駆動時間が長くなるにつれて、音圧特性が低下するなどの問題が発生した。 【0028】 これは、振動膜の正常な振動状態に達しない、あるいは不安定な状態になるためと推測される。 【0029】 本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、交流電圧または直流電圧の印加方法を制御することにより、音圧特性を安定化、向上あるいは修復させることができる静電型超音波トランスデューサ、これを用いた超音波スピーカ、静電型超音波トランスデューサの駆動制御方法、音声信号再生方法、超指向性音響システム及び表示装置を提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0030】 上記目的を達成するために本発明の静電型超音波トランスデューサの駆動制御方法は、貫通穴が形成された第1の電極と、前記第1の電極の貫通穴と対をなす貫通穴が形成された第2の電極と、前記一対の電極に挟まれるとともに電極層を有し、該電極層に直流バイアス電圧が印加される振動膜と、前記一対の電極と前記振動膜とを保持する保持部材とを有し、前記一対の電極と前記振動膜の電極層との間に交流信号が印加される静電型超音波トランスデューサの駆動制御方法であって、前記直流バイアス電圧のレベル及び前記交流信号の周波数のうちいずれか一方、または双方を連続的に変化させることを特徴とする。 【0031】 上記構成からなる本発明の静電型超音波トランスデューサの駆動制御方法では、前記直流バイアス電圧のレベル及び前記交流信号の周波数のうちいずれか一方、または双方を連続的に変化させる。 【0032】 これにより、振動膜に強制的に振動を与えて振動膜の振動状態を安定化あるいは改善することにより、音圧特性を安定化、向上あるいは修復させることが可能となる。 【0033】 また、本発明の静電型超音波トランスデューサの駆動制御方法は、前記直流バイアス電圧が所定のレベルに設定され、前記振動膜の電極層に印加された状態下において、前記交流信号の周波数を低周波から高周波まで連続的に変化させた後に、所定の周波数に設定することを特徴とする。 【0034】 上記構成からなる本発明の静電型超音波トランスデューサの駆動制御方法では、前記直流バイアス電圧が所定のレベルに設定され、前記振動膜の電極層に印加された状態下において、前記交流信号の周波数を低周波から高周波まで連続的に変化させた後に、所定の周波数に設定する。 【0035】 これにより、振動膜に強制的に振動を与えて振動膜の振動状態を安定化あるいは改善することにより、音圧特性を安定化、向上あるいは修復させることが可能となる。 【0036】 また、本発明の静電型超音波トランスデューサの駆動制御方法は、所定の周波数の前記交流信号を所定のレベルで前記一対の固定電極と前記振動膜の電極層に印加した状態下において、前記直流バイアス電圧を一旦、設定電圧まで所定の時間で上昇させるように変化させ、次いで、前記直流バイアス電圧を低電圧まで下降させ、再度、前記設定電圧まで上昇させるように変化させた後、所定の電圧値に設定することを特徴とする。 【0037】 上記構成からなる本発明の静電型超音波トランスデューサの駆動制御方法では、所定の周波数の前記交流信号を所定のレベルで前記一対の固定電極と前記振動膜の電極層に印加した状態下において、前記直流バイアス電圧を一旦、設定電圧まで所定の時間で上昇させるように変化させ、次いで、前記直流バイアス電圧を低電圧まで下降させ、再度、前記設定電圧まで上昇させるように変化させた後、所定の電圧値に設定する。 【0038】 これにより、振動膜に強制的に振動を与えて振動膜の振動状態を安定化あるいは改善することにより、音圧特性を安定化、向上あるいは修復させることが可能となる。 【0039】 また、本発明の静電型超音波トランスデューサの駆動制御方法は、前記交流信号の周波数及び前記直流バイアス電圧を所定の時間内において同時に、かつ連続的に変化させた後に、それぞれ所定の値に設定する際に、前記交流信号の周波数を低周波から高周波まで連続的に変化させた後に、所定の周波数に設定し、かつ前記直流バイアス電圧を一旦、設定電圧まで所定の時間で上昇させるように変化させ、次いで、前記直流バイアス電圧を低電圧まで下降させ、再度、前記設定電圧まで上昇させるように変化させた後、所定の電圧値に設定することを特徴とする。 【0040】 上記構成からなる本発明の静電型超音波トランスデューサの駆動制御方法では、前記交流信号の周波数及び前記直流バイアス電圧を所定の時間内において同時に、かつ連続的に変化させた後に、それぞれ所定の値に設定する際に、前記交流信号の周波数を低周波から高周波まで連続的に変化させた後に、所定の周波数に設定し、かつ前記直流バイアス電圧を一旦、設定電圧まで所定の時間で上昇させるように変化させ、次いで、前記直流バイアス電圧を低電圧まで下降させ、再度、前記設定電圧まで上昇させるように変化させた後、所定の電圧値に設定する。 【0041】 これにより、振動膜に強制的に振動を与えて振動膜の振動状態を安定化あるいは改善することにより、音圧特性を安定化、向上あるいは修復させることが可能となる。 【0042】 また、本発明の静電型超音波トランスデューサの駆動制御方法は、前記交流信号は、正弦波信号であることを特徴とする。 【0043】 また、本発明の静電型超音波トランスデューサの駆動制御方法は、前記交流信号は、超音波周波数帯域の信号を可聴周波数帯域の信号で変調した変調波信号であることを特徴とする。 【0044】 また、本発明の静電型超音波トランスデューサの駆動制御方法は、前記静電型超音波トランスデューサの駆動制御を駆動開始時に行うことを特徴とする。 【0045】 これにより、静電型超音波トランスデューサの駆動開始時において、振動膜の振動状態を安定化あるいは改善することにより、音圧特性を安定化、向上あるいは修復させることが可能となる。 【0046】 また、本発明の静電型超音波トランスデューサの駆動制御方法は、前記静電型超音波トランスデューサの駆動制御を、前記静電型超音波トランスデューサの駆動時間が所定の時間に達する度に行うことを特徴とする。 【0047】 このように、前記静電型超音波トランスデューサの駆動制御を、複数回行うことにより、振動膜の振動状態を安定化あるいは改善することにより、音圧特性を一層、安定化、向上あるいは修復させることが可能となる。 【0048】 また、本発明の静電型超音波トランスデューサは、貫通穴が形成された第1の電極と、前記第1の電極の貫通穴と対をなす貫通穴が形成された第2の電極と、前記一対の電極に挟まれるとともに電極層を有し、該電極層に直流バイアス電圧が印加される振動膜と、前記一対の電極と前記振動膜とを保持する保持部材とを有し、前記一対の電極と前記振動膜の電極層との間に交流信号が印加される静電型超音波トランスデューサであって、前記直流バイアス電圧のレベル及び前記交流信号の周波数のうちいずれか一方、または双方を連続的に変化させる制御手段を有することを特徴とする。 【0049】 上記構成からなる本発明の静電型超音波トランスデューサ(Push−Pull型の静電型超音波トランスデューサ)では、貫通穴が形成された一対の電極と、該一対の電極に挟まれるとともに電極層を有し、該電極層に直流バイアス電圧が印加される振動膜の電極層との間に交流信号が印加され、制御手段により、前記直流バイアス電圧のレベル及び前記交流信号の周波数のうちいずれか一方、または双方を連続的に変化させる。 【0050】 これにより、振動膜に強制的に振動を与えて振動膜の振動状態を安定化あるいは改善することにより、音圧特性を安定化、向上あるいは修復させることが可能となる。 【0051】 また、本発明の静電型超音波トランスデューサは、前記制御手段は、前記直流バイアス電圧を所定のレベルに設定し、前記振動膜の電極層に印加した状態下において、前記交流信号の周波数を低周波から高周波まで連続的に変化させた後に、所定の周波数に設定することを特徴とする。 【0052】 上記構成からなる本発明の静電型超音波トランスデューサ(Push−Pull型の静電型超音波トランスデューサ)では、前記制御手段により、前記直流バイアス電圧を所定のレベルに設定し、前記振動膜の電極層に印加した状態下において、前記交流信号の周波数を低周波から高周波まで連続的に変化させた後に、所定の周波数に設定する。 【0053】 これにより、振動膜に強制的に振動を与えて振動膜の振動状態を安定化あるいは改善することにより、音圧特性を安定化、向上あるいは修復させることが可能となる。 【0054】 また、本発明の静電型超音波トランスデューサは、前記制御手段は、所定の周波数の前記交流信号を所定のレベルで前記一対の固定電極と前記振動膜の電極層に印加した状態下において、前記直流バイアス電圧を一旦、設定電圧まで所定の時間で上昇させるように変化させ、次いで、前記直流バイアス電圧を低電圧まで下降させ、再度、前記設定電圧まで上昇させるように変化させた後、所定の電圧値に設定することを特徴とする。 【0055】 上記構成からなる本発明の静電型超音波トランスデューサ(Push−Pull型の静電型超音波トランスデューサ)では、制御手段により、所定の周波数の前記交流信号を所定のレベルで前記一対の固定電極と前記振動膜の電極層に印加した状態下において、前記直流バイアス電圧を一旦、設定電圧まで所定の時間で上昇させるように変化させ、次いで、前記直流バイアス電圧を低電圧まで下降させ、再度、前記設定電圧まで上昇させるように変化させた後、所定の電圧値に設定する。 【0056】 これにより、振動膜に強制的に振動を与えて振動膜の振動状態を安定化あるいは改善することにより、音圧特性を安定化、向上あるいは修復させることが可能となる。 【0057】 また、本発明の静電型超音波トランスデューサは、前記制御手段は、前記交流信号の周波数及び前記直流バイアス電圧を所定の時間内において同時に、かつ連続的に変化させた後に、それぞれ所定の値に設定する際に、前記交流信号の周波数を低周波から高周波まで連続的に変化させた後に、所定の周波数に設定し、かつ前記直流バイアス電圧を一旦、設定電圧まで所定の時間で上昇させるように変化させ、次いで、前記直流バイアス電圧を低電圧まで下降させ、再度、前記設定電圧まで上昇させるように変化させた後、所定の電圧値に設定することを特徴とする。 【0058】 上記構成からなる本発明の静電型超音波トランスデューサ(Push−Pull型の静電型超音波トランスデューサ)では、制御手段により、前記交流信号の周波数及び前記直流バイアス電圧を所定の時間内において同時に、かつ連続的に変化させた後に、それぞれ所定の値に設定する際に、前記交流信号の周波数を低周波から高周波まで連続的に変化させた後に、所定の周波数に設定し、かつ前記直流バイアス電圧を一旦、設定電圧まで所定の時間で上昇させるように変化させ、次いで、前記直流バイアス電圧を低電圧まで下降させ、再度、前記設定電圧まで上昇させるように変化させた後、所定の電圧値に設定する。 【0059】 これにより、振動膜に強制的に振動を与えて振動膜の振動状態を安定化あるいは改善することにより、音圧特性を安定化、向上あるいは修復させることが可能となる。 【0060】 また、本発明の静電型超音波トランスデューサは、前記交流信号は、正弦波信号であることを特徴とする。 【0061】 また、本発明の静電型超音波トランスデューサは、前記交流信号は、超音波周波数帯域の信号を可聴周波数帯域の信号で変調した変調波信号であることを特徴とする。 【0062】 また、本発明の静電型超音波トランスデューサは、前記制御手段は、前記静電型超音波トランスデューサの駆動制御を駆動開始時に行うことを特徴とする。 【0063】 これにより、静電型超音波トランスデューサの駆動開始時において、振動膜の振動状態を安定化あるいは改善することにより、音圧特性を安定化、向上あるいは修復させることが可能となる。 【0064】 また、本発明の静電型超音波トランスデューサは、前記制御手段は、前記静電型超音波トランスデューサの駆動制御を、前記静電型超音波トランスデューサの駆動時間が所定の時間に達する度に行うことを特徴とする。 【0065】 このように、前記静電型超音波トランスデューサの駆動制御を、複数回行うことにより、振動膜の振動状態を安定化あるいは改善することにより、音圧特性を一層、安定化、向上あるいは修復させることが可能となる。 【0066】 また、本発明の超音波スピーカは、貫通穴が形成された第1の電極と、前記第1の電極の貫通穴と対をなす貫通穴が形成された第2の電極と、前記一対の電極に挟まれるとともに電極層を有し、該電極層に直流バイアス電圧が印加される振動膜と、前記一対の電極と前記振動膜とを保持する保持部材とを有し、前記一対の電極と前記振動膜の電極層との間に交流信号が印加される静電型超音波トランスデューサであって、前記直流バイアス電圧のレベル及び前記交流信号の周波数のうちいずれか一方、または双方を連続的に変化させる制御手段を有する静電型超音波トランスデューサと、可聴周波数帯の信号波を生成する信号源と、超音波周波数帯のキャリア波を生成し、出力するキャリア波供給手段と、前記キャリア波を前記信号源から出力される可聴周波数帯の信号波により変調する変調手段とを有し、前記静電型超音波トランスデューサは、前記電極と前記振動膜の電極層との間に印加される前記変調手段から出力される変調信号により駆動されることを特徴とする。 【0067】 これにより、音圧特性の向上を図った超音波スピーカを実現することが可能となる。 【0068】 また、本発明の静電型超音波トランスデューサによる音声信号再生方法は、貫通穴が形成された第1の電極と、前記第1の電極の貫通穴と対をなす貫通穴が形成された第2の電極と、前記一対の電極に挟まれるとともに電極層を有し、該電極層に直流バイアス電圧が印加される振動膜と、前記一対の電極と前記振動膜とを保持する保持部材とを有し、前記一対の電極と前記振動膜の電極層との間に交流信号が印加される静電型超音波トランスデューサであって、前記直流バイアス電圧のレベル及び前記交流信号の周波数のうちいずれか一方、または双方を連続的に変化させる制御手段を有する静電型超音波トランスデューサを使用すると共に、信号源により可聴周波数帯の信号波を生成する手順と、キャリア波供給手段により超音波周波数帯のキャリア波を生成し、出力する手順と、変調手段により前記キャリア波を前記可聴周波数帯の信号波により変調した変調信号を生成する手順と、前記電極と前記振動膜の電極層との間に前記変調信号を印加することにより前記静電型超音波トランスデューサを駆動する手順とを含むことを特徴とする。 【0069】 このような手順を含む静電型超音波トランスデューサの音声信号再生方法では、信号源により可聴周波数帯の信号波が生成され、またキャリア波供給源により超音波周波数帯のキャリア波が生成され、出力される。そして、キャリア波が前記可聴周波数帯の信号波により変調され、この変調信号が電極と振動膜の電極層との間に印加され、静電型超音波トランスデューサが駆動される。 【0070】 これにより、上記構成の静電型超音波トランスデューサにより、膜振動の歪みの影響を低減するとともに、膜振動を増大でき、広周波数帯域にわたってパラメトリックアレイ効果を得るのに十分高い音圧レベルでかつ歪みが低減された音響信号を出力し、音声信号を再生することが可能になる。 【0071】 また、本発明の超指向性音響システムは、貫通穴が形成された第1の電極と、前記第1の電極の貫通穴と対をなす貫通穴が形成された第2の電極と、前記一対の電極に挟まれるとともに電極層を有し、該電極層に直流バイアス電圧が印加される振動膜と、前記一対の電極と前記振動膜とを保持する保持部材とを有し、前記一対の電極と前記振動膜の電極層との間に交流信号が印加される静電型超音波トランスデューサであって、前記直流バイアス電圧のレベル及び前記交流信号の周波数のうちいずれか一方、または双方を連続的に変化させる制御手段を有する静電型超音波トランスデューサを用いて構成された超音波スピーカにより、音響ソースから供給される音声信号を再生し、スクリーン等の音波反射面近傍に仮想音源を形成する超指向性音響システムであって、前記音響ソースから供給される音声信号のうち中高音域の音声信号を再生する超音波スピーカと、前記音響ソースから供給される音声信号のうち低音域の音声信号を再生する低音再生用スピーカとを有することを特徴とする。 【0072】 上記構成の超指向性音響システムでは、貫通穴が形成された第1の電極と、前記第1の電極の貫通穴と対をなす貫通穴が形成された第2の電極と、前記一対の電極に挟まれるとともに電極層を有し、該電極層に直流バイアス電圧が印加される振動膜と、前記一対の電極と前記振動膜とを保持する保持部材とを有し、前記一対の電極と前記振動膜の電極層との間に交流信号が印加される静電型超音波トランスデューサであって、前記直流バイアス電圧のレベル及び前記交流信号の周波数のうちいずれか一方、または双方を連続的に変化させる制御手段を有する静電型超音波トランスデューサで構成される超音波スピーカを使用する。そして、この超音波スピーカにより、音響ソースから供給される音声信号のうち中高音域の音声信号を再生する。また、音響ソースから供給される音声信号のうち低音域の音声信号は低音再生用スピーカにより再生する。 【0073】 したがって、中高音域の音響を、静電型超音波トランスデューサの膜振動の影響が低減され、かつ音圧特性が改善された状態で十分な音圧と広帯域特性を持って、スクリーン等の音波反射面近傍に形成される仮想音源から発せられるように再生できる。また、低音域の音響は、音響システムに備えられた低音再生用スピーカから直接出力されるので、低音域の補強ができ、より臨場感の高い音場環境を創生できる。 【0074】 また、本発明の表示装置は、貫通穴が形成された第1の電極と、前記第1の電極の貫通穴と対をなす貫通穴が形成された第2の電極と、前記一対の電極に挟まれるとともに電極層を有し、該電極層に直流バイアス電圧が印加される振動膜と、前記一対の電極と前記振動膜とを保持する保持部材とを有し、前記一対の電極と前記振動膜の電極層との間に交流信号が印加される静電型超音波トランスデューサであって、前記直流バイアス電圧のレベル及び前記交流信号の周波数のうちいずれか一方、または双方を連続的に変化させる制御手段を有する静電型超音波トランスデューサを含んで構成され、音響ソースから供給される音声信号から可聴周波数帯の信号音を再生する超音波スピーカと、映像を投影面に投影する投影光学系とを有することを特徴とする。 【0075】 上記構成の表示装置では、貫通穴が形成された第1の電極と、前記第1の電極の貫通穴と対をなす貫通穴が形成された第2の電極と、前記一対の電極に挟まれるとともに電極層を有し、該電極層に直流バイアス電圧が印加される振動膜と、前記一対の電極と前記振動膜とを保持する保持部材とを有し、前記一対の電極と前記振動膜の電極層との間に交流信号が印加される静電型超音波トランスデューサであって、前記直流バイアス電圧のレベル及び前記交流信号の周波数のうちいずれか一方、または双方を連続的に変化させる制御手段を有する静電型超音波トランスデューサで構成される超音波スピーカを使用する。そして、この超音波スピーカにより、音響ソースから供給される音声信号を再生する。 【0076】 これにより、音響信号を音圧特性が改善された状態で十分な音圧と広帯域特性を持って、スクリーン等の音波反射面近傍に形成される仮想音源から発せられるように再生できる。このため、音響信号の再生範囲の制御も容易に行えるようになる。また、超音波スピーカから放射される音の指向性制御を行うことが可能である。 【発明を実施するための最良の形態】 【0077】 以下、本発明の実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。 【0078】 [本発明による静電型超音波トランスデューサの構成例] 本発明の実施形態に係る静電型超音波トランスデューサの構成を図1に示す。図1(A)は、静電型超音波トランスデューサの構成を示し、同図(B)は、超音波トランスデューサの一部を破断した平面図を示している。 【0079】 図1において、本発明の実施形態に係る静電型超音波トランスデューサ1は、電極として機能する導電性材料で形成された導電部材を含む一対の固定電極10A、10Bと、一対の固定電極に挟持され、電極層121を有する振動膜12と、一対の固定電極10A、10Bと振動膜を保持する部材(図示せず)とを有している。 【0080】 振動膜12は、絶縁体(絶縁層)120で形成され、導電性材料で形成された電極層121を有しており、該電極層121には、直流バイアス電源16により単一極性(正極性でも負極性のいずれでもよい。)の直流バイアス電圧が印加されるようになっており、さらに、この直流バイアス電圧に重畳して固定電極10Aと固定電極10Bには、信号源18から出力される相互に位相反転した交流信号18A,18Bが電極層121との間に印加されるようになっている。 【0081】 また、一対の固定電極10A、10Bは振動膜12を介して対向する位置に同数かつ複数の貫通穴14を有しており、一対の固定電極10A、10Bの導電部材間には信号源18により相互に位相反転した交流信号18A,18Bが印加されるようになっている。16は直流バイアス電源である。 【0082】 固定電極10Aと電極層121、固定電極10Bと電極層121は、それぞれコンデンサが形成されている。なお、信号源18及び直流バイアス電源16を制御する制御部及び、制御部の制御特性を示すテーブルが格納されている記憶部の構成は、図1では省略してある。 【0083】 上記構成において、超音波トランスデューサ1は、振動膜12の電極層121に、直流バイアス電源16により単一極性の(本実施形態では正極性の)直流バイアス電圧に信号源18から出力される相互に位相反転した交流信号18A,18Bが重畳された状態で印加される。 【0084】 一方、一対の固定電極10A、10Bには、信号源18より相互に位相反転した交流信号18A,18Bが印加される。 【0085】 この結果、信号源18から出力される交流信号18Aの正の半サイクルでは、固定電極10Aに正の電圧が印加されるために、振動膜12の固定電極で挟持されていない表面部分12Aには、静電反発力が作用し、表面部分12Aは、図1上、下方に引っ張られる。 【0086】 また、このとき、交流信号18Bが負のサイクルとなり、対向する固定電極10Bには負の電圧が印加されるために、振動膜12の前記表面部分12Aの裏面側である裏面部分12Bには、静電吸引力が作用し、裏面部分12Bは、図1上、さらに下方に引っ張られる。 【0087】 したがって、振動膜12の一対の固定電極10A、10Bにより挟持されていない膜部分は、同方向に静電吸引力と静電反発力(静電斥力)を受ける。これは、信号源18から出力される交流信号の負の半サイクルについても同様に、振動膜12の表面部分12Aには図1上、上方に静電吸引力が、また裏面部分12Bには、図1上、上方に静電反発力が作用し、振動膜12の一対の固定電極10A、10Bにより挟持されていない膜部分は、同方向に静電吸引力と静電斥力を受ける。このようにして、交流信号の極性の変化に応じて振動膜12が同方向に静電吸引力と静電斥力を受けながら、交互に静電力が働く方向が変化するので、大きな膜振動、すなわち、パラメトリックアレイ効果を得るのに十分な音圧レベルの音響信号を発生することができる。 【0088】 このように本発明の実施形態に係る超音波トランスデューサ1は、振動膜12が一対の固定電極10A、10Bから力を受けて振動することからプッシュプル(Push―Pull)型と呼ばれている。 【0089】 本発明の実施形態に係る超音波トランスデューサ1は、従来の、振動膜に静電吸引力のみしか作用しない静電型の超音波トランスデューサ(Pull型)に比して、広帯域性と高音圧を同時に満たす能力を持っている。 【0090】 本発明の実施形態に係る超音波トランスデューサの周波数特性を図17に示す。同図において、曲線Q3が本実施形態に係る超音波トランスデューサの周波数特性である。同図から明らかなように、従来の広帯域型の静電型超音波トランスデューサの周波数特性に比して、より広い周波数帯にわたって、高い音圧レベルが得られることが分かる。具体的には、20kHz〜120kHzの周波数帯域においてパラメトリック効果が得られる120dB以上の音圧レベルが得られることが分かる。 【0091】 本発明の実施形態に係る超音波トランスデューサ1は一対の固定電極10A、10Bに挟持された薄膜の振動膜12が静電吸引力と静電斥力の両方を受けるため、大きな振動が発生するばかりでなく、振動の対称性が確保されるため、高い音圧を広帯域に渡って発生させることができるのである。 【0092】 次に、本発明の実施形態に係る静電型超音波トランスデューサの要部の構成を図2に示す。同図に示すように、本発明の実施形態に係る静電型超音波トランスデューサは、直流バイアス電源16から振動膜12の電極層121に供給する直流バイアス電圧及び信号源18から出力される交流信号の周波数を制御する制御部20と、制御部20の制御特性を示す、テーブルデータが記憶されている記憶部22とを有している。 【0093】 記憶部22には、静電型超音波トランスデューサの起動時の制御特性を示すテーブルデータ(図3〜図5)及び起動後、所定時間経過した時点で行われる制御特性を示すテーブルデータ(図6〜図8)が記憶されている。 【0094】 制御部20は、記憶部に記憶されているテーブルデータを参照して、直流バイアス電源16から振動膜12の電極層121に供給する直流バイアス電圧及び信号源18から出力される交流信号の周波数を制御する。制御部20及び記憶部22は、本発明の制御手段に相当する。 【0095】 [本発明による静電型超音波トランスデューサの駆動方法] 次に、本発明の実施形態に係る静電型超音波トランスデューサの駆動方法について図3〜図8を参照して説明する。本発明の実施形態に係る静電型超音波トランスデューサの駆動制御は、図3〜図8に示す制御特性に基づいて行われる。図3〜図8の制御特性は、テーブルデータとして記憶部22に記憶されており、制御部20は、記憶部20に記憶されているテーブルデータを参照して、静電型超音波トランスデューサ1の駆動制御を行う。 【0096】 図3は、停止状態から静電型超音波トランスデューサ1を駆動させる場合における、直流バイアス電圧が振動膜12の電極層121に印加された状態において、固定電極10A,10Bに信号源18により印加する交流信号の周波数を連続的に変化させる周波数制御テーブルのテーブルデータをグラフで示した図である。ここで、信号源18から出力される交流信号は、本実施形態では、正弦波信号あるいは変調波信号の何れかとする。 【0097】 この制御テーブルでは、交流信号の周波数を低周波(例えば40kHz)から、高周波(例えば300kHz)まで連続的に上昇させた後に降下させて、所定の周波数(例えば60kHz)に設定する制御を、10秒以内に完了させる。 図4は、停止状態から静電型超音波トランスデューサ1を駆動させる場合において、信号源18により交流信号が固定電極10A,10Bに印加された状態において、振動膜12の電極層121に印加する直流バイアス電圧を連続的に変化させる直流バイアス電圧テーブルのテーブルデータをグラフで示した図である。 【0098】 この制御テーブルでは、一度、直流電圧を0Vから設定電圧(例えば250VV)まで所定時間内に上昇させ、その直後に、直流電圧を低電圧(例えば100V)に落とし、再び設定電圧(例えば250V)まで連続的に上昇させる制御を、10秒以内で完了させる。 【0099】 図5は、停止状態から静電型超音波トランスデューサ1を駆動させる場合において、直流バイアス電源16により振動膜12の電極層121に印加する直流バイアス電圧と、固定電極10A,10Bに信号源18により印加する交流信号の周波数を連続的に変化させる駆動制御テーブルのテーブルデータをグラフで示した図である。ここで、信号源18から出力される交流信号は、本実施形態では正弦波信号、あるいは変調波信号の何れかとする。 【0100】 この制御テーブルでは、交流信号の周波数を低周波(例えば40kHz)から、高周波(例えば300kHz)まで連続的に上昇させた後に降下させて、所定の周波数(例えば60kHz)に設定する制御を、10秒以内に完了させる。 【0101】 また、同時に、直流バイアス電圧を0Vから設定電圧(例えば250V)まで所定時間内に上昇させ、その直後に、直流流バイアス電圧を低電圧(例えば100V)に落とし、再び設定電圧(例えば250V)まで連続的に上昇させる制御を、10秒以内で完了させる。 【0102】 上述した図3から図5に示した制御特性に基づいて制御部20及び記憶部22により行われる何れの駆動制御によっても、振動膜12の振動状態を安定化することができ、その結果、音圧特性を安定化あるいは向上させることが可能となる。 【0103】 図6は、ある所定の駆動時間に達した時点において、信号源18より固定電極10A,10Bに印加する交流信号の周波数のみを連続的に変化させる周波数制御テーブルのテーブルデータをグラフで示した図である。この駆動制御は、振動膜12の電極層121に所定の直流バイアス電圧が印加されたままの状態で実施する。ここで、信号源18より出力される交流信号は、本実施形態では正弦波信号あるいは変調波信号の何れかとする。 【0104】 この制御テーブルでは、交流電圧の周波数を設定周波数(例えば60kHz)から高周波(例えば300kHz)まで連続的に上昇させた後に、再び連続的に降下させて、元の設定周波数(例えば60kHz)に戻す制御を、10秒以内に完了させる。 【0105】 図7は、ある所定の駆動時間に達した時点において、振動膜12の電極層121に印加する直流バイアス電圧のみを連続的に変化させる直流電圧テーブルのテーブルデータをグラフで示した図である。この駆動制御は、固定電極10A,10Bに信号源18により所定の周波数で交流信号が印加されたままの状態で実施する。 【0106】 この制御テーブルでは、直流バイアス電圧を設定電圧(例えば250V)から低電圧(例えば100V)に落とし、再び設定電圧(例えば250V)まで連続的に上昇させて戻す制御を、10秒以内で完了させる。 【0107】 図8は、ある所定の駆動時間に達した時点において、直流バイアス電源16より振動膜12の電極層121に印加する直流電圧と、固定電極10A,10Bに印加する交流電圧の周波数を連続的に変化させる駆動制御テーブルのグラフである。ここで、信号源18から出力される交流信号は、本実施形態では正弦波信号あるいは変調波信号の何れかとする。 【0108】 この制御テーブルでは、交流電圧の周波数を設定周波数(例えば60kHz)から高周波(例えば300kHz)まで連続的に上昇させた後に、再び連続的に降下させて、元の設定周波数(例えば60kHz)に戻す制御を、10秒以内に完了させる。 【0109】 また、同時に直流バイアス電源16により振動膜12の電極層121に印加される直流バイアス電圧を設定電圧(例えば250V)から低電圧(例えば100V)に落とし、再び設定電圧(例えば250V)まで連続的に上昇させて戻す制御を、10秒以内で完了させる。 【0110】 上述した図6から図8に示した制御特性に基づいて制御部20及び記憶部22により行われる何れの駆動制御によっても、振動膜12の振動状態を安定な状態に戻すことができ、その結果、音圧特性を安定化あるいは修復させることが可能となる。 【0111】 図9に、従来の駆動制御を実施した時の音圧特性と、図5に示した、停止状態から超音波トランスデューサを駆動させる場合において、振動膜12の電極層121に印加する直流バイアス電圧と、固定電極10A,10Bに印加する交流信号の周波数を連続的に変化させる駆動制御テーブルに従って制御を実施した時の音圧特性を示す。ここで、縦軸の一目盛は10dBである。 【0112】 本発明の駆動制御を実施すると、従来に対して、全周波数帯において音圧が増加しており、とりわけ本発明の実施形態に係る静電型超音波トランスデューサの主要駆動周波数帯である、40〜70kHzにおいては、約3〜5dBの増加しており、本駆動制御が音圧向上に有効に作用していることがわかる。 【0113】 なお、本駆動制御は、回数を重ねると、よりその効果を大きくする事ができるため、静電型超音波トランスデューサの使用条件に応じて、図5〜図8で示した駆動制御テーブルを用いて、複数回繰り返したり、1回の制御に要する時間を短縮し、5〜10秒の間に複数回繰り返すと良い。 【0114】 また、停止状態から静電型超音波トランスデューサ1を駆動させる場合において、従来では、まず振動膜12に対して直流250Vを印加し、その後に固定電極10A,10B側に対して交流250VP−Pを印加していたが、この順序を逆にすることによっても、振動膜12の振動状態を安定化あるいは改善することができる。 【0115】 すなわち、まず固定電極10A,10B側に対して交流250VP−Pを印加し、予め振動膜12に微振動を与えた状態としておき、その後に振動膜12に対して直流250Vを印加することにより、振動膜12が固定電極10A,10Bに吸引された状態のまま保持されて、十分な振動が得られない不具合を回避することができる。 【0116】 [本発明による超音波スピーカの構成例] 次に、本発明の実施形態に係る超音波スピーカの構成を図10に示す。本実施形態に係る超音波スピーカは、上述した本発の実施形態に係る静電型超音波トランスデューサ(図1、図2)を超音波トランスデューサ55として用いたものである。 【0117】 図10において、本実施形態に係る超音波スピーカ50は、可聴波周波数帯の信号波を生成する可聴周波数波発振源(信号源)51と、超音波周波数帯のキャリア波を生成し、出力するキャリア波発振源(キャリア波供給手段)52と、変調器(変調手段)53と、パワーアンプ54と、超音波トランスデューサ(静電型超音波トランスデューサ)55とを有している。 【0118】 変調器53は、キャリア波発振源52から出力されるキャリア波を可聴周波数波発振源51から出力される可聴波周波数帯の信号波により変調し、パワーアンプ54を介して超音波トランスデューサ55に供給する。 【0119】 上記構成において、可聴周波数波発振源51より出力される信号波によってキャリア波発振源52から出力される超音波周波数帯のキャリア波を変調器53により変調し、パワーアンプ54で増幅した変調信号により超音波トランスデューサ55を駆動する。この結果、上記変調信号が超音波トランスデューサ55により有限振幅レベルの音波に変換され、この音波は媒質中(空気中)に放射されて媒質(空気)の非線形効果によって元の可聴周波数帯の信号音が自己再生される。 【0120】 すなわち、音波は空気を媒体として伝播する粗密波であるので、変調された超音波が伝播する過程で、空気の密な部分と疎な部分な顕著に表れ、密な部分は音速が速く、疎な部分は音速が遅くなるので変調波自身に歪が生じ、その結果キャリア波(超音波周波数帯)とに波形分離され、可聴波周波数帯の信号波(信号音)が再生される。 【0121】 以上のように高音圧の広帯域性が確保されると様々な用途にスピーカとして利用することが可能となる。超音波は空中では減衰が激しく、その周波数の二乗に比例して減衰する。したがって、キャリア周波数(超音波)が低いと減衰も少なくビーム状に遠くまで音の届く超音波スピーカを提供することができる。 【0122】 逆にキャリア周波数が高いと減衰が激しいのでパラメトリックアレイ効果が十分に起きず、音が広がる超音波スピーカを提供することができる。これらは同じ超音波スピーカでも用途に応じて使い分けることが可能なため大変有効な機能である。 【0123】 また、ペットとして人間と生活をともにすることの多い犬は40kHzまで、猫は100kHzまでの音を聴くことが可能であるため、それ以上のキャリア周波数をもちいれば、ペットに及ぼす影響もなくなるという利点も有する。いずれにせよ色々な周波数で利用できるということは多くのメリットをもたらす。 【0124】 本発明の実施形態に係る超音波スピーカによれば、広周波数帯域にわたってパラメトリックアレイ効果を得るのに十分に高い音圧レベルの音響信号を発生することができる。 【0125】 また、本発明の超音波スピーカでは、静電型超音波トランスデューサの振動膜の電極層に印加される直流バイアス電圧、及び一対の電極と前記電極層との間に印加される交流信号の周波数のうりいずれか一方、または双方を連続的に変化させるようにしたので、音圧特性の向上を図った超音波スピーカを実現することが可能となる。 【0126】 [本発明による超指向性音響システムの構成例の説明] 次に、本発明の静電型超音波トランスデューサ、すなわち、貫通穴が形成された第1の電極と、前記第1の電極の貫通穴と対をなす貫通穴が形成された第2の電極と、前記一対の電極に挟まれるとともに電極層を有し、該電極層に直流バイアス電圧が印加されかつ前記一対の電極間と前記電極層との間に交流信号を印加することにより駆動される振動膜と、前記一対の電極と前記振動膜を保持する保持部材とを有し、前記第1、第2の電極のそれぞれに、複数の駆動機能に対応した電極パターンを積層して形成し、前記積層して形成された電極パターンと前記振動膜の電極層との間に、前記駆動機能を規定する駆動条件に応じた電圧を印加するように制御する制御手段を有するPush−Pull型の静電型超音波トランスデューサ、あるいは、表面に凹凸部を有する電極と、前記電極の表面に設置され電極層を有し、該電極層に直流バイアス電圧が印加されかつ前記振動膜の電極層と前記電極との間に交流信号を印加することにより駆動される振動膜と、前記電極と振動膜とを保持する部材とを有し、前記電極に駆動機能別に電極パターンを積層して形成し、前記積層して形成された電極パターンと前記振動膜の電極層との間に、前記駆動機能を規定する駆動条件に応じた電圧を印加するように制御する制御手段を有するPull型の静電型超音波トランスデューサを用いて構成される超音波スピーカを使用した超指向性音響システムについて説明する。 【0127】 以下、本発明に係る超指向性音響システムの一例としてプロジェクタを例に採り説明する。なお、本発明に係る超指向性音響システムは、プロジェクタに限らず、音声と映像の再生を行う表示装置に広く適用できるものである。 図11は本発明に係るプロジェクタの使用状態を示している。同図に示すように、プロジェクタ301は視聴者303の後方に設置され、視聴者303の前方に設置されたスクリーン302に映像を投影するとともに、プロジェクタ301に搭載されている超音波スピーカによりスクリーン302の投影面に仮想音源を形成し、音声を再生するようになっている。 【0128】 プロジェクタ301の外観構成を図12に示す。プロジェクタ301は、映像をスクリーン等の投影面に投影する投影光学系を含むプロジェクタ本体320と、超音波周波数帯の音波を発振できる超音波トランスデューサ324A,324Bを含んで構成され、音響ソースから供給される音声信号から可聴周波数帯の信号音を再生する超音波スピーカとが一体的に構成されている。本実施形態では、ステレオ音声信号を再生するために、投影光学系を構成するプロジェクタレンズ331を挟んで左右に超音波スピーカを構成する超音波トランスデューサ324A,324Bがプロジェクタ本体に搭載されている。 【0129】 さらに、プロジェクタ本体320の底面には低音再生用スピーカ323が設けられている。また、325は、プロジェクタ本体320の高さ調整を行うための高さ調節ねじ、326は、空冷フアン用の排気口である。 【0130】 また、プロジェクタ301では、超音波スピーカを構成する超音波トランスデューサとして本発明によるPush−Pull型の静電型超音波トランスデューサを使用しており、広周波数帯域の音響信号(超音波周波数帯の音波)を高音圧で発振することができる。このため、キャリア波の周波数を変更することにより可聴周波数帯の再生信号の空間的な再生範囲を制御することにより、ステレオサラウンドシステムや5.1chサラウンドシステム等で得られるような音響効果を従来必要であった大掛かりな音響システムを必要とすることなく実現でき、かつ持ち運びが容易なプロジェクタを実現することができる。 【0131】 次に、プロジェクタ301の電気的構成を図13に示す。プロジェクタ301は、操作入力部310と、再生範囲設定部312、再生範囲制御処理部313、音声/映像信号再生部314、キャリア波発振源316、変調器318A,318B、パワーアンプ322A,322B及び静電型超音波トランスデューサ324A,324Bからなる超音波スピーカと、ハイパスフィルタ317A,317Bと、ローパスフィルタ319と、加算器321と、パワーアンプ322Cと、低音再生用スピーカ323と、プロジェクタ本体320とを有している。なお、静電型超音波トランスデューサ324A,324Bは本発明によるPush−Pull型の静電型超音波トランスデューサである。 【0132】 プロジェクタ本体320は、映像を生成する映像生成部332と、生成された映像を投影面に投影する投影光学系333とを有している。プロジェクタ301は、超音波スピーカ及び低音再生用スピーカ323と、プロジェクタ本体320とが一体化されて構成されている。 【0133】 操作入力部310は、テンキー、数字キー、電源のオン、オフをおこなうための電源キーを含む各種機能キーを有している。再生範囲設定部312は、ユーザが操作入力部310をキー操作することにより再生信号(信号音)の再生範囲を指定するデータを入力できるようになっており、該データが入力されると、再生信号の再生範囲を規定するキャリア波の周波数が設定され、保持されるようになっている。再生信号の再生範囲の設定は、超音波トランスデューサ324A,324Bの音波放射面から放射軸方向に再生信号が到達する距離を指定することにより行われる。 【0134】 また、再生範囲設定部312は、音声/映像信号再生部314より映像内容に応じて出力される制御信号によりキャリア波の周波数が設定できるようになっている。 【0135】 また、再生範囲制御処理部313は、再生範囲設定部312の設定内容を参照し、設定された再生範囲となるようキャリア波発振源316により生成されるキャリア波の周波数を変更するようにキャリア波発振源316を制御する機能を有する。 【0136】 例えば、再生範囲設定部312の内部情報として、キャリア波周波数が50kHzに対応する上記距離が設定されている場合、キャリア波発振源316に対して50kHzで発振するように制御する。 【0137】 再生範囲制御処理部313は、再生範囲を規定する超音波トランスデューサ324A,324Bの音波放射面から放射軸方向に再生信号が到達する距離とキャリア波の周波数との関係を示すテーブルが予め記憶されている記憶部を有している。このテーブルのデータは、キャリア波の周波数と上記再生信号の到達距離との関係を実際に計測することにより得られる。 【0138】 再生範囲制御処理部313は、再生範囲設定部312の設定内容に基づいて、上記テーブルを参照して設定された距離情報に対応するキャリア波の周波数を求め、該周波数となるようにキャリア波発振源316を制御する。 【0139】 音声/映像信号再生部314は、例えば、映像媒体としてDVDを用いるDVDプレーヤーであり、再生した音声信号のうちRチャンネルの音声信号は、ハイパスフィルタ317Aを介して変調器318Aに、Lチャンネルの音声信号はハイパスフィルタ317Bを介して変調器318Bに、映像信号はプロジェクタ本体320の映像生成部332にそれぞれ、出力されるようになっている。 【0140】 また、音声/映像信号再生部314より出力されるRチャンネルの音声信号とLチャンネルの音声信号は、加算器321により合成され、ローパスフィルタ319を介してパワーアンプ322Cに入力されるようになっている。音声/映像信号再生部314は、音響ソースに相当する。 【0141】 ハイパスフィルタ317A,317Bは、それぞれ、Rチャンネル、Lチャンネルの音声信号における中高音域の周波数成分のみを通過させる特性を有しており、またローパスフィルタは、Rチャンネル、Lチャンネルの音声信号における低音域の周波数成分のみを通過させる特性を有している。 【0142】 したがって、上記Rチャンネル、Lチャンネルの音声信号のうち中高音域の音声信号は 、それぞれ超音波トランスデューサ324A、324Bにより再生され、上記Rチャンネル、Lチャンネルの音声信号のうち低音域の音声信号は低音再生用スピーカ323により再生されることとなる。 【0143】 なお、音声/映像信号再生部314はDVDプレーヤーに限らず、外部から入力されるビデオ信号を再生する再生装置であってもよい。また、音声/映像信号再生部314は、再生される映像のシーンに応じた音響効果を出すために再生音の再生範囲を動的に変更するように、再生範囲設定部312に再生範囲を指示する制御信号を出力する機能を有している。 【0144】 キャリア波発振源316は、再生範囲設定部312より指示された超音波周波数帯の周波数のキャリア波を生成し、変調器318A,318Bに出力する機能を有している。 【0145】 変調器318A,318Bは、キャリア波発振源316から供給されるキャリア波を音声/映像信号再生部314から出力される可聴周波数帯の音声信号でAM変調し、該変調信号を、それぞれパワーアンプ322A,322Bに出力する機能を有する。 【0146】 超音波トランスデューサ324A,324Bは、それぞれ、変調器318A,318Bからパワーアンプ322A,322Bを介して出力される変調信号により駆動され、該変調信号を有限振幅レベルの音波に変換して媒質中に放射し、可聴周波数帯の信号音(再生信号)を再生する機能を有する。 【0147】 映像生成部332は、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイパネル(PDP)等のディスプレイと、該ディスプレイを音声/映像信号再生部314から出力される映像信号に基づいて駆動する駆動回路等を有しており、音声/映像信号再生部314から出力される映像信号から得られる映像を生成する。 【0148】 投影光学系333は、ディスプレイに表示された映像をプロジェクタ本体320の前方に設置されたスクリーン等の投影面に投影する機能を有している。 【0149】 次に、上記構成からなるプロジェクタ301の動作について説明する。まず、ユーザのキー操作により操作入力部310から再生信号の再生範囲を指示するデータ(距離情報)が再生範囲設定部312に設定され、音声/映像信号再生部314に再生指示がなされる。 【0150】 この結果、再生範囲設定部312には、再生範囲を規定する距離情報が設定され、再生範囲制御処理部313は、再生範囲設定部312に設定された距離情報を取り込み、内蔵する記憶部に記憶されているテーブルを参照し、上記設定された距離情報に対応するキャリア波の周波数を求め、該周波数のキャリア波を生成するようにキャリア波発振源316を制御する。 【0151】 この結果、キャリア波発振源316は、再生範囲設定部312に設定された距離情報に対応する周波数のキャリア波を生成し、変調器318A,318Bに出力する。 【0152】 一方、音声/映像信号再生部314は、再生した音声信号のうちRチャンネルの音声信号を、ハイパスフィルタ317Aを介して変調器318Aに、Lチャンネルの音声信号をハイパスフィルタ317Bを介して変調器318Bに、Rチャンネルの音声信号及びLチャンネルの音声信号を加算器321に出力し、映像信号をプロジェクタ本体320の映像生成部332にそれぞれ、出力する。 【0153】 したがって、ハイパスフィルタ317Aにより上記Rチャンネルの音声信号のうち中高音域の音声信号が変調器318に入力され、ハイパスフィルタ317Bにより上記Lチャンネルの音声信号のうち中高音域の音声信号が変調器318Bに入力される。 【0154】 また、上記Rチャンネルの音声信号及びLチャンネルの音声信号は加算器321により合成され、ローパスフィルタ319により上記Rチャンネルの音声信号及びLチャンネルの音声信号のうち低音域の音声信号がパワーアンプ322Cに入力される。 【0155】 映像生成部332では、入力された映像信号に基づいてディスプレイを駆動して映像を生成し、表示する。このディスプレイに表示された映像は、投影光学系333により、投影面、例えば、図11に示すスクリーン302に投影される。 【0156】 他方、変調器318Aは、キャリア波発振源316から出力されるキャリア波をハイパスフィルタ317Aから出力される上記Rチャンネルの音声信号における中高音域の音声信号でAM変調し、パワーアンプ322Aに出力する。 【0157】 また、変調器318Bは、キャリア波発振源316から出力されるキャリア波をハイパスフィルタ317Bから出力される上記Lチャンネルの音声信号における中高音域の音声信号でAM変調し、パワーアンプ322Bに出力する。 【0158】 パワーアンプ322A,322Bにより増幅された変調信号は、それぞれ、超音波トランスデューサ324A,324Bの上電極10Aと下電極10B(図1参照)との間に印加され、該変調信号は、有限振幅レベルの音波(音響信号)に変換され、媒質(空気中)に放射され、超音波トランスデューサ324Aからは、上記Rチャンネルの音声信号における中高音域の音声信号が再生され、超音波トランスデューサ324Bからは、上記Lチャンネルの音声信号における中高音域の音声信号が再生される。 【0159】 また、パワーアンプ322Cで増幅された上記Rチャンネル及びLチャンネルにおける低音域の音声信号は低音再生用スピーカ323により再生される。 【0160】 前述したように、超音波トランスデューサにより媒質中(空気中)に放射された超音波の伝播においては、その伝播に伴い音圧の高い部分では音速が高くなり、音圧の低い部分では音速は遅くなる。この結果、波形の歪みが発生する。 【0161】 放射する超音波帯域の信号(キャリア波)を可聴周波数帯の信号で変調(AM変調)しておいた場合には、上記波形歪みの結果により、変調時に用いた可聴周波数帯の信号波が超音波周波数帯のキャリア波と分離して自己復調する形で形成される。その際、再生信号の広がりは超音波の特性からビーム状となり、通常のスピーカとは全く異なる特定方向のみに音が再生される。 【0162】 超音波スピーカを構成する超音波トランスデューサ324から出力されるビーム状の再生信号は、投影光学系333により映像が投影される投影面(スクリーン)に向けて放射され、投影面で反射され拡散する。この場合に、再生範囲設定部312に設定されるキャリア波の周波数に応じて、超音波トランスデューサ324の音波放射面からその放射軸方向(法線方向)においてキャリア波から再生信号が分離されるまでの距離、キャリア波のビーム幅(ビームの拡がり角)が異なるために、再生範囲は、変化する。 【0163】 プロジェクタ301における超音波トランスデューサ324A,324Bを含んで構成される超音波スピーカによる再生信号の再生時の状態を図15に示す。プロジェクタ301において、キャリア波が音声信号により変調された変調信号により超音波トランスデューサが駆動される際に、再生範囲設定部312により設定されたキャリア周波数が低い場合は、超音波トランスデューサ324の音波放射面からその放射軸方向(音波放射面の法線方向においてキャリア波から再生信号が分離されるまでの距離、すなわち、再生地点までの距離が長くなる。 【0164】 したがって、再生された可聴周波数帯の再生信号のビームは、比較的拡がらずに投影面(スクリーン)302に到達することとなり、この状態で投影面302において反射するので、再生範囲は、図14において点線の矢印で示す可聴範囲Aとなり、投影面302から比較的に遠くかつ狭い範囲でのみ再生信号(再生音)が聞こえる状態となる。 【0165】 これに対して、再生範囲設定部312により設定されたキャリア周波数が上述した場合より高い場合は、超音波トランスデューサ324の音波放射面から放射される音波は、キャリア周波数が低い場合より絞られているが、超音波トランスデューサ324の音波放射面からその放射軸方向(音波放射面の法線方向)においてキャリア波から再生信号が分離されるまでの距離、すなわち、再生地点までの距離が短くなる。 【0166】 したがって、再生された可聴周波数帯の再生信号のビームは、投影面302に到達する前に拡がって投影面302に到達することとなり、この状態で投影面302において反射するので、再生範囲は、図14において実線の矢印で示す可聴範囲Bとなり、投影面302から比較的に近くかつ広い範囲でのみ再生信号(再生音)が聞こえる状態となる。 【0167】 以上説明したように、本発明のプロジェクタでは、本発明によるPush−Pull型、またはPull型の静電型超音波トランスデューサを用いた超音波スピーカを使用しており、音響信号を十分な音圧と広帯域特性を持って、スクリーン等の音波反射面近傍に形成される仮想音源から発せられるように再生できる。このため、その再生範囲の制御も容易に行えるようになる。また、静電型超音波トランスデューサを既述したように、振動膜の振動領域を複数のブロックに分割し、上記振動膜の電極層と振動用電極パターンの各ブロック間との間に印加する交流信号の位相を、隣接するブロック間でそれぞれ所定の位相差をもたせるように駆動制御することにより、超音波スピーカから放射される音の指向性制御を行うことが可能である。 【0168】 以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の静電型超音波トランスデューサ、および超音波スピーカは、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。 【産業上の利用可能性】 【0169】 本発明の実施形態に係る超音波トランスデューサは、各種センサ、例えば、測距センサ等に利用可能であり、また、既述したように、指向性スピーカ用の音源や、理想的なインパルス信号発生源等に利用可能である。また、超指向性音響システムや、プロジェクタ等の表示装置にも有用である。 【図面の簡単な説明】 【0170】 【図1】本発明の実施形態に係る静電型超音波トランスデューサの構成を示す図。 【図2】図1に示した静電型超音波トランスデューサの要部の構成を示す図。 【図3】静電型超音波トランスデューサの起動時における、一対の固定電極に印加する交流信号の周波数を連続的に変化させる周波数制御テーブルのテーブルデータの一例をグラフで示した図。 【図4】静電型超音波トランスデューサの起動時における、振動膜の電極層に印加する直流バイアス電圧を連続的に変化させる直流バイアス電圧テーブルのテーブルデータの一例をグラフで示した図。 【図5】静電型超音波トランスデューサの起動時における、振動膜の電極層に印加する直流バイアス電圧と、一対の固定電極に印加する交流信号の周波数を連続的に変化させる駆動制御テーブルのテーブルデータの一例をグラフで示した図。 【図6】ある所定の駆動時間に達した時点において、一対の固定電極に印加する交流信号の周波数のみを連続的に変化させる周波数制御テーブルのテーブルデータの一例をグラフで示した図。 【図7】ある所定の駆動時間に達した時点において、振動膜の電極層に印加する直流バイアス電圧のみを連続的に変化させる直流電圧テーブルのテーブルデータの一例をグラフで示した図。 【図8】ある所定の駆動時間に達した時点において、振動膜の電極層に印加する直流電圧と、一対の固定電極に印加する交流電圧の周波数を連続的に変化させる駆動制御テーブルのテーブルデータの一例をグラフで示した図。 【図9】従来の静電型超音波トランスデューサの駆動制御を実施した時の音圧特性と、本発明による静電型超音波トランスデューサの駆動制御を実施した時の音圧特性とを比較して示す図。 【図10】超音波スピーカの構成例を示す図。 【図11】本発明の実施形態に係るプロジェクタの使用状態を示す図。 【図12】図11に示したプロジェクタの外観構成を示す図。 【図13】図11に示したプロジェクタの電気的構成を示すブロック図。 【図14】超音波トランスデューサによる再生信号の再生状態の説明図。 【図15】従来の共振型の超音波トランスデューサの構成を示す図。 【図16】従来の静電型の広帯域発振型超音波トランスデューサの具体的構成を示す図。 【図17】本発明の実施形態に係る静電型超音波トランスデューサの周波数特性を従来の超音波トランスデューサの周波数特性と共に示した図。 【符号の説明】 【0171】 1…静電型超音波トランスデューサ、10A、10B…固定電極、12…振動膜、12A…表面部分、12B…裏面部分、14…貫通穴、16…直流バイアス電源、18…信号源、20…制御部、22…記憶部、50超音波スピーカ、51…可聴周波数波発振源、52…キャリア波信号源、53…変調器、54…パワーアンプ、55…超音波トランスデューサ、120…絶縁体、121…電極層、301…プロジェクタ、302…スクリーン(投影面)、303…視聴者、310…操作入力部、312…再生範囲設定部、313…再生範囲制御処理部、314…音声/映像信号再生部、316…キャリア波発振源、317A,317B…ハイパスフィルタ(HPF)、318A,318B…変調器、319…ローパスフィルタ(LPF)、320…プロジェクタ本体、321…加算器、322A,322B,322C…パワーアンプ、323…低音再生用スピーカ、324A,324B…静電型超音波トランスデューサ、331…プロジェクタレンズ、332…映像生成部、333…投影光学系
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| 【出願人】 |
【識別番号】000002369 【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
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| 【出願日】 |
平成18年8月11日(2006.8.11) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100095728 【弁理士】 【氏名又は名称】上柳 雅誉
【識別番号】100127661 【弁理士】 【氏名又は名称】宮坂 一彦
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| 【公開番号】 |
特開2008−48003(P2008−48003A) |
| 【公開日】 |
平成20年2月28日(2008.2.28) |
| 【出願番号】 |
特願2006−219346(P2006−219346) |
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