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【発明の名称】 車内外音響伝送システム
【発明者】 【氏名】竹林 洋一

【氏名】川上 福司

【氏名】田森 信行

【氏名】齋藤 望

【氏名】渡邉 光章

【要約】 【課題】密封状態に保たれる車内/外の車内外音響伝送システムを提供する。

【構成】遮音性能を有する車両における車内外音響伝送システムであって、車両の表面に配置され、ダイアフラム面が前記表面と実質的に一致し、互いに離れて配置されている複数のマイク(Mic)と、前記マイクのそれぞれに対応する車内の位置に、各マイクが受けた波面に対応する波面を発生するように配置されている車内用平面形スピーカ(SP)と、前記対応するマイクとスピーカを接続する車外から車内への伝達回路と、を設け、車外の音響を車内に立体的に再現するように構成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遮音性能を有する車両における車内外音響伝送システムであって、
車両の表面に配置され、ダイアフラム面が前記表面と実質的に一致し、互いに離れて配置されている複数のマイクと、
前記マイクのそれぞれに対応する車内の位置に、各マイクが受けた波面に対応する波面を発生するように配置されている車内用平面形スピーカと、
前記対応するマイクとスピーカを接続する車外から車内への伝達回路と、を設け、
車外の音響を車内に立体的に再現するように構成した車内外音響伝送システム。
【請求項2】
遮音性能を有する車両における車内外音響伝送システムであって、
車両の界壁表面に実質的な変形を施すことなく界壁表面に相互間の距離を保って配置されている複数のマイクと、
前記マイクのそれぞれに対応する車内の位置に、各マイクが受けた波面に対応する波面を発生するように配置されている車内用平面形スピーカと、
前記対応するマイクとスピーカを接続する車外から車内への伝達回路と、を設け、
車外の音響を車内に立体的に再現するように構成した車内外音響伝送システム。
【請求項3】
請求項1または2記載の車内外音響伝送システムにおいて、さらに
車内に配置された車内用のマイクと、
車外用のスピーカと、
前記スピーカとマイクを接続する車内から車外への伝達回路と、
を設けた車内外音響伝送システム。
【請求項4】
請求項1または3記載の車内外音響伝送システムにおいて、
前記伝達回路は、
車内または車外で収音した音を車内外の騒音レベルに応じて周波数調整およびレベル調整する制御部と、
前記制御部出力を増幅してスピーカを駆動する電力増幅器と、
を含む車内外音響伝送システム。
【請求項5】
請求項4記載の車内外音響伝送システムにおいて、
前記伝達回路は、車内外で会話を行う場合に、双方向で発生するエコーを回避するエコーキャンセラ、あるいは通話伝達の方向を切り替える手動または自動のスイッチをさらに備えた車内外音響伝送システム。
【請求項6】
請求項1または2記載の車内外音響伝送システムにおいて、
前記マイクは、音圧形マイクであって、車両の界壁面内に設けられたケースに防振装置を介して支持され、ダイアフラム面は防水処理されているか、あるいはシリコンマイクであって、防振層を介して車両外壁に配置されていることを特徴とする車内外音響伝送システム。
【請求項7】
請求項1または2記載の車内外音響伝送システムにおいて、
前記マイクを全て音圧形マイクまたはシリコンマイクとして収音部を形成し、
前記伝達回路を、増幅部および周波数調整する周波数・レベル調整部により形成し、
前記スピーカで界壁外部空間の音圧と粒子速度の両者を車内側に再現するようにした前記マイクと同数の平面形スピーカにより再合成する発音部を形成し、疑似オープンカー環境を発生するように構成した車内外音響伝送システム。
【請求項8】
請求項1または2記載の車内外音響伝送システムにおいて、
車両の走行条件および車内外の騒音のレベルのいずれかまたは組み合わせに基づいて定まる制御モードを設定し記憶する制御モード記憶部と、
前記車両の走行条件および車内外の騒音のレベルを検出して制御モードを選択する制御信号を発生する制御信号発生手段と、
前記選択された制御モードにより、前記伝達回路のレベルと音質を調整することにより、車体の遮音性能を制御する遮音調整システムを形成した車内外音響伝送システム。
【請求項9】
請求項3記載の車内外音響伝送システムにおいて、
前記車内用のマイクを車内の特定の人物のために設けられた指向性マイクおよび前記特定の人物以外の同乗者の音声を均等に収音するために車内に設けられた1以上のマイクとから構成し、前記車外用のスピーカを車体に設けられた1以上のスピーカとし、
前記各マイクと前記各スピーカを伝達回路で接続して構成した車内外音響伝送システム。
【請求項10】
請求項9記載の車内外音響伝送システムにおいて、
前記車外用のスピーカの少なくとも一つは、フロントドアの外板と振動アクチュエータから構成されたスピーカである車内外音響伝送システム。
【請求項11】
請求項3記載の車内外音響伝送システムにおいて、さらに
車外音または車内音の何れかまたは両方の変換出力が接続される発信用無線装置と、
他の車両の同等の発信用無線装置からの電波を受信し、前記車内用スピーカに接続する受信用無線装置とを設け、
他の車両の車内音と車外音を共有することができるように構成した車両間車内外音響伝送システム。
【請求項12】
請求項11記載の車内外音響伝送システムにおいて、
車内スピーカから車内マイクへのエコーや帰還(ハウリング)を回避するためエコーキャンセラを設けた車内外音響伝送システム。
【請求項13】
請求項1または2記載の車内外音響伝送システムにおいて、さらに
周波数フィルタを用いて車外の特定音源からの音波を抽出するように構成した車内外音響伝送システム。
【請求項14】
請求項13記載の車内外音響伝送システムにおいて、さらに
車外の特定音源からの音波について、前記複数のマイクの出力間の相関係数を処理し、車外の特定音源からの音波が最も早く到達したマイクを特定して前記特定音源の方向を判断する判断手段をさらに備える車内外音響伝送システム。
【請求項15】
請求項14記載の車内外音響伝送システムにおいて、さらに
前記特定音源からの音波が最も早く到達した最早到達マイクを示す視覚による表示または音声による提示を行う手段と、
前記特定音源の車内提示を変更する手段と、
を設けたことを特徴とする車内外音響伝送システム。
【請求項16】
請求項1から13または15のいずれか記載の車内外音響伝送システムにおいて、さらに
車外の全方位画像と車内の画像を獲得する2以上のカメラと、
前記マイクの出力と前記カメラの出力とを同時に記録再生可能である記録再生装置と、
前記記録再生装置の記録/再生を選択する指示手段と、
前記記録再生装置の画像出力を表示する表示装置と、
を設けて構成した車内外音響伝送システム。
【請求項17】
請求項16記載の車内外音響伝送システムにおいて、さらに
前記カメラの画像処理を行う画像処理装置と、
前記カメラ画像のどの部分を切り出し画像処理させるかを指示する指示手段と、
画像処理前/後の画像表示を選択する画像選択手段と、
を設けて構成した車内外音響伝送システム。
【請求項18】
請求項14記載の車内外音響伝送システムにおいて、さらに
車外の全方位画像と車内の画像を獲得する2以上のカメラと、
前記マイクの出力と前記カメラの出力とを同時に記録再生可能である記録再生装置と、 前記記録再生装置の記録/再生を選択する指示手段と、
前記記録再生装置の画像出力を表示する表示装置と、
を設けて構成した車内外音響伝送システム。
【請求項19】
請求項18記載の車内外音響伝送システムにおいて、さらに
前記カメラの画像処理を行う画像処理装置と、
前記カメラ画像のどの部分を切り出し画像処理させるかを指示する指示手段と、
画像処理前/後の画像表示を選択する画像選択手段と、
を設けて構成した車内外音響伝送システム。
【請求項20】
請求項18または19記載の車内外音響伝送システムにおいて、さらに
前記車外の特定音源を緊急車両とする前記判断手段の出力により前記特定音源の概略方向を画像、マーク/模式図、色分け可能な発光素子で提示または表示する提示表示手段
を設けて構成した車内外音響伝送システム。
【請求項21】
請求項2記載の車内外音響伝送システムにおいて、
前記マイクは、吸音特性を備えたシートを介して界壁表面に配置され、
さらに前記各マイクに対応してソフトスタビライザが配置されていることを特徴とする車内外音響伝送システム。
【請求項22】
請求項21記載の車内外音響伝送システムにおいて、
前記シートは、磁性粉末が混入されている合成樹脂シートであり、界壁表面が強磁性材料であるときは、シートと界壁表面が相互に吸引され支持されることを特徴とする車内外音響伝送システム。
【請求項23】
請求項21記載の車内外音響伝送システムにおいて、
前記ソフトスタビライザは、ドーム状であって、前記マイクを覆うように界壁表面または前記シートに固定されている車内外音響伝送システム。
【請求項24】
請求項21記載の車内外音響伝送システムにおいて、
前記ソフトスタビライザは、前記マイクの一方側に配置される円筒状のソフトスタビライザである車内外音響伝送システム。
【請求項25】
請求項1記載の車内外音響伝送システムにおいて、
前記マイクは、界壁表面に設けられた開口内に配置され、界壁表面にソフトスタビライザが配置されていることを特徴とする車内外音響伝送システム。
【請求項26】
請求項25記載の車内外音響伝送システムにおいて、前記ソフトスタビライザは、ドーム状であることを特徴とする車内外音響伝送システム。
【請求項27】
請求項26記載の車内外音響伝送システムにおいて、前記ソフトスタビライザの外周にさらに、円環状のソフトスタビライザを配置したことを特徴とする車内外音響伝送システム。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、密封性・遮音性が高い車両における車内外音響伝送システムに関する。
【背景技術】
【0002】
車社会の環境変化と共にクルマ自体の性能向上も目覚しく、特に高級車の車室内の静寂性などは走行騒音の低減と車体の遮音性向上で年々改善されている。
(遮音特性)遮音特性は、図14に示す透過損失(dB)実測例のように、低音域では共通して非常に低く、1 kHz以上の高音域では過大と言えるほどに大きい。
図14は非特許文献1から引用したもので、縦軸は車体の平均的な透過損失、つまり総合透過損失である。
【0003】
このような特性は、全体としては健康上も安全上もバランスの悪いものになっており、特に高音域では、車外からの音情報、つまり走行中の市街地の様子(音環境情報)や郊外をツーリングしている時の対向車の警笛や緊急車両のサイレン、或いはオープンカーのような開放感の阻害にも繋がっている。
【0004】
(遮音特性による障害の1)また、主に停車時・徐行時を想定した車内から車外への音響伝播についても、ガソリンスタンドでの給油時の会話(セキュリティ確保)や、車外からの誘導時の呼びかけに対する円滑な応対(安全確保)などを考慮し、窓を閉めたまま対話できない。
(遮音特性による障害の2)さらに、緊急車両の安全確保という点では、高級車の卓越した遮音性能にもかかわらず、あるいはまた、高級車に顕著な高音域に偏った過大な遮音性能の故に、その接近や到来方向などを窓閉の状態では、早期に判断できない。
このような事情から車内外音響伝送システムに関するいくつかの提案がなされている。
【0005】
(従来の特殊用途自動車の車外伝達)法律に定める「特殊用途自動車」にはパトカーや消防車などの緊急車、街宣車、キャンピングカーなど140種類があるが、これらにおける音声伝達は、車体外部に取り付けられた大形の耐候性スピーカによるものである。
またパトカーの違反車追跡などに適するように鋭い指向性をもった小形のホーンスピーカが用いられている。
(従来の車外から車内への伝達方式)車外の特定の音声に関する情報を車内に伝達するための提案、交差点などにおける車両前方の緊急車両/一般車両の接近や到来方向を検知するための提案について説明する。
【0006】
非特許文献2記載の「車載マイクロホンによる緊急車両の存在と方向検出システム」は、交差点へ接近する緊急車両(Emergency vehicle) の検知を目的とするものである。
図15は、緊急車両検知の手法の従来例1を説明するための略図である。この緊急車両の存在と方向検出システムは、フィルタ出力レベル判定により存在を検知し、2本のマイクの音圧差・時間差によって方向を検知して、結果を音声でアナウンスするものである。なおここで、時間差は、相互相関のピーク間隔から算出される。窓部分にマイク(Rch,Lch)を設け、前方・左右方向のみ(前後判定はしない)の検出をおこない交差点の接近車の検出をしている。
【0007】
非特許文献3記載の「ドライバ支援のための走行音による接近車両検知システム」は、接近する一般車両(Approaching vehicle) を音圧レベル、周波数スペクトル( 2kHz )から検知している。
図16は、緊急車両検知の手法の従来例2を説明するための略図である。この従来例2では車両の屋根に2本のマイクを設置してS/Nを改善している。
時間差を相互相関のピーク間隔から算出して方向検知し、接近に伴いレベル変化する音で警告している。前方・左右方向のみ(前後判定なし)の検出がおこなわれ、複数接近車の検出は、不可かまたは誤作動の原因となる。
【0008】
このような車外伝達方式では、音声伝達が内→外の一方向であり特定の方向に限られる。また遠くに効率よく伝えるため寸法も大きくなりデザイン的にも難があった。
さらに、窓閉状態で車外音を効率よく自然に車内に導入する、車外→車内の伝送方法がほとんど存在しなかった。運転者等が車外に出て連絡することは、セキュリティ確保や空調設備の効率向上という視点からは、好ましいことではない。今後は、安全運転、ツーリングの新しい楽しみ、雨天時や空調時の開放感、セキュリティ確保などの視点から、窓閉状態で車外音を効率よく車内に導入する手法が望まれる。
【0009】
後述する本発明による車内外音響伝送システムは、遮音性能を有する車体を有する車両における車内外音響伝送システムであるから、マイクやスピーカの配置や防水や風切音が問題となるので、これに関連する従来技術を説明する。特許文献1記載のホルダおよびその製造方法は、携帯電話などに使用される小型音響素子の防塵・防水構造を開示しているが、車体外面への適用や、防振に関する開示がない。
特許文献2記載のアウタミラー及び車両用インターホンの発明は、ドアミラーを利用した車両用インターホンのマイク−スピーカの取付構造を開示している。
特許文献3記載の自動車用音声入力装置の発明は、車室内受話用マイクと騒音収集用マイクとを一体に設けた音声入力装置を開示している。
特許文献4記載の車内騒音抑制システムは、車外音に対して必要な音のみをフィルタリングして車内に伝達し、車内会話の支援を開示している。
【非特許文献1】岡本、辻、石川、桐山、北澤、竹林、川上、「車室内音場境界に関する総合透過損失の測定」、日本音響学会2006年春季研究発表会、講演論文集 3-10-15、pp.859-860、平成18年 3月
【非特許文献2】大塚紳一郎、外2名、「車載マイクロホンによる緊急車両の存在と方向検知システム」、電学論D,124 巻、 4号、 2004 年、p.388-395
【非特許文献3】星野博之、「ドライバ支援のための走行音による接近車両検知システム」、日本音響学会誌、62巻、 3号、 2006 年 3月、p.265-274
【特許文献1】特開2002−186078号公報
【特許文献2】特開2003−231441号公報
【特許文献3】特開2004−215066号公報
【特許文献4】特開2006−023588号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
以上の従来技術を検討すると、次のような解決されるべき課題がある。
1.伝達方向が一方向(例えば車内→車外)に限られ、また、スピーカの発音方向が特定方向に限られたり、周囲へ騒音を撒き散らす嫌いがある。
2.車の直近の車外との自然なコミュニケーションという点では、窓を閉めたまま双方向で会話をするという仕組みがこれまで存在しない。
3.さらに、車外音を自然に導入して車両が有する不自然な遮音性能を改善し、さらには、音響的にオープンカーのような臨場感ある状況を作り出したり、緊急車両の音を自然に、または選択的に強調して車内に再現したり、あるいは、その到来方向を分析し視覚的に表示するといったシステムは存在しない。
4.さらに、複数車間の音声伝達という点では、車内同志の会話音声に加え、各車が置かれている周辺の音環境を相手にスムーズに伝えて渋滞時の精神的苦痛を和らげたり、現在位置を音響的に描写するということは不可能である。
(先行車の状況を視覚と音響の両面で後続車に随時知らせることができれば、渋滞の精神的負担は軽減できる)
5.また、緊急車両検知に関する先行例では、基本的に車の前方に設置したマイク2本のみにより、主に交差点における緊急車両/一般車両の接近と左右の到来方向の検知に向けられたものである。
6.特に既存の車種についてのシステムの導入に当たっては、既存のシステムとの整合性や、既存の構造が変更可能な範囲で導入できるかが問題となる。
【0011】
本発明の主たる目的は、車外→車内の遮音性能を最大(窓閉状態;システムOFF )からゼロ(仮想オープンカーの状態)を経て、マイナスの状態(拡声状態)に至るまで、正負両方向に、かつ走行状態や車の状況に応じて最適制御を可能にし、しかも車外→車内の音響伝送を実現できる車内外音響伝送システムを提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、前記目的を達成する構成に加えて、車内→車外の伝達を可能にする車内外音響伝送システムを提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、運転席や車内天井に設置したマイクと、車外スピーカあるいは、車体を内側から励振して外部に発音するように設置した振動アクチュエータにより、窓閉状態において車内外の円滑な会話の支援を可能にした車内外音響伝送システムを提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、複数チャンネル(少なくとも3チャンネル)のマイクで収音した音を利用し、対象の音が最も早く到達するマイクを判定することにより、緊急車両などについてその接近や到来方向を早期に判定し伝達できる車内外音響伝送システムを提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、複数車によるツーリング時など、車内外音響を離れた並走車内で交信を可能にする車内外音響伝送システムを提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、車外・車内を撮像するカメラ画像と前記マイクにより得られる車外音と車内音声とを同時に記録再生できる車内外音響伝送システムを提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、車外・車内を撮像するカメラ画像の特定部分を指示して画像処理させることができる車内外音響伝送システムを提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、車外マイク音により検出した緊急車両の概略方向を画像、マーク/模式図、発光素子で視覚的に運転者へ提示表示できる車内外音響伝送システムを提供することにある。
本発明のさらに他の具体的な目的は、車両など移動体表面上の実音圧を収音する目的において、マイクを移動体表面と同一にし、さらに空気流の整流装置(スタビライザ)などにより風切音を最小化することにある。
本発明のさらに他の具体的な目的は、請求項14−15と組み合わせ、検出された緊急車両等の方向に自動的にカメラを向けることにより、音と映像の両者で到来(方向)の確認ができる(カメラアングルの自動設定)ようにすることにある。車外における車の誘導についても同様である(誘導者への自動アングル設定)。
本発明のさらに他の具体的な目的は、設定・選択されたカメラアングルに対し、各車外マイク系統に遅延回路を挿入し、その各々を自動調整することにより、それら(4本)がカメラ方向と直角を成すライン上に仮想的に並列したような条件を構築することにより、カメラの向けられた方向に強い指向性を発現するようにすることにある。
本発明のさらに他の具体的な目的は、既存の車両等のシステムとの整合性を保ち、かつ既存の車両等において許容できる範囲内の変形でシステムを導入できる構成を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記目的を達成するために、本発明による請求項1記載の車内外音響伝送システムは、 遮音性能を有する車両における車内外音響伝送システムであって、
車両の表面に配置され、ダイアフラム面が前記表面と実質的に一致し、互いに離れて配置されている複数のマイクと、
前記マイクのそれぞれに対応する車内の位置に、各マイクが受けた波面に対応する波面を発生するように配置されている車内用平面形スピーカと、
前記対応するマイクとスピーカを接続する車外から車内への伝達回路と、を設け、
車外の音響条件、すなわち音場を車内に立体的、かつ忠実に再現するように構成されている。
なお、ダイアフラム面の直前に保護用のグリッド面が設けられているような場合には、前記グリッド面が車両の表面と一致させられているような場合もダイアフラム面が前記表面に実質的に一致させられている場合に含まれる。また、平面形スピーカとはこの発明において、ダイアフラムがピストン運動する形式のスピーカの意味で用いている。
なお、本発明において前記伝達回路は、マイクとスピーカを接続する伝達回路であって、増幅回路や調整用の制御部が含まれ、本請求項にいう車外から車内への伝達回路と後述する車内から車外への伝達回路がある。
【0013】
本発明による請求項2記載の車内外音響伝送システムは、
遮音性能を有する車両における車内外音響伝送システムであって、
車両の界壁表面に実質的な変形を施すことなく界壁表面に相互間の距離を保って配置されている複数のマイクと、
前記マイクのそれぞれに対応する車内の位置に、各マイクが受けた波面に対応する波面を発生するように配置されている車内用平面形スピーカと、
前記対応するマイクとスピーカを接続する車外から車内への伝達回路と、を設け、
車外の音響を車内に立体的に再現するように構成されている。
【0014】
本発明による請求項3記載の車内外音響伝送システムは、請求項1または2記載の車内外音響伝送システムにおいて、さらに
車内に配置された車内用のマイクと、
車外用のスピーカと、
前記スピーカとマイクを接続する車内から車外への伝達回路と、
を設けて構成されている。
【0015】
本発明による請求項4記載の車内外音響伝送システムは、請求項1または3記載の車内外音響伝送システムにおいて、
前記伝達回路は、
車内または車外で収音した音を車内外の騒音レベルに応じて周波数調整およびレベル調整する制御部と、
前記制御部出力を増幅してスピーカを駆動する電力増幅器と、を含んで構成されている。
【0016】
本発明による請求項5記載の車内外音響伝送システムは、請求項4記載の車内外音響伝送システムにおいて、
前記伝達回路は、車内外で会話を行う場合に、双方向で発生するエコーを回避するエコーキャンセラ、あるいは通話伝達の方向を切り替える手動または自動のスイッチをさらに備えて構成されている。
【0017】
本発明による請求項6記載の車内外音響伝送システムは、請求項1または2記載の車内外音響伝送システムにおいて、
前記マイクは、音圧形マイクであって、車両の界壁面内に設けられたケースに防振装置を介して支持され、ダイアフラム面は防水処理されているか、あるいはシリコンマイクであって、防振層を介して車両外壁に配置されている。
また、このマイクは車両などの移動体だけではなく、空調ダクトなど空気流(風)中の物体の表面に埋め込みその表面音圧を収集・測定する収音システムにも利用できる。エクスパンドメタルや防虫ネットのような音響透過性材料で構成し、マイクに対しその周囲、あるいは風上側に、略マイクの直径、またはその数倍の距離に設置することにより、風切音を低減するように構成した防風形の収音システムに利用できる。
本発明による請求項7記載の車内外音響伝送システムは、請求項1または2記載の車内外音響伝送システムにおいて、前記マイクを全て音圧形マイクまたはシリコンマイクとして収音部を形成し、
前記伝達回路を、増幅部および周波数調整する周波数・レベル調整部により形成し、
前記スピーカで界壁外部空間の音圧と粒子速度の両者を車内側に再現するようにした前記マイクと同数の平面形スピーカにより再合成する発音部を形成し、疑似オープンカー環境を発生するように構成されている。
【0018】
本発明による請求項8記載の車内外音響伝送システムは、請求項1または2記載の車内外音響伝送システムにおいて、
車両の走行条件および車内外の騒音のレベルのいずれかまたは組み合わせに基づいて定まる制御モードを設定し記憶する制御モード記憶部と、
前記車両の走行条件および車内外の騒音のレベルを検出して制御モードを選択する制御信号を発生する制御信号発生手段と、
前記選択された制御モードにより、前記伝達回路のレベルと音質を調整することにより、車体の遮音性能を制御する遮音調整システムを形成して構成されている。
なお、制御モードとは外界の条件等に対してどのような制御された空間を提供すれば良いかという取り決めであって、制御モードはいくつかのパラメータに基づいて定められる。
【0019】
本発明による請求項9記載の車内外音響伝送システムは、請求項3記載の車内外音響伝送システムにおいて、
前記車内用のマイクを車内の特定の人物のために設けられた指向性マイクおよび前記特定の人物以外の同乗者の音声を均等に収音するために車内に設けられた1以上のマイクとから構成し、前記車外用のスピーカを車体に設けられた1以上のスピーカとし、
前記各マイクと前記各スピーカを伝達回路で接続して構成されている。
本発明による請求項10記載の車内外音響伝送システムは、請求項9記載の車内外音響伝送システムにおいて、
前記車外用のスピーカの少なくとも一つは、フロントドアの外板と振動アクチュエータから構成されている。
【0020】
本発明による請求項11記載の車内外音響伝送システムは、請求項3記載の車内外音響伝送システムにおいて、さらに
車外音または車内音の何れかまたは両方の変換出力が接続される発信用無線装置と、
他の車両の同等の発信用無線装置からの電波を受信し、前記車内用スピーカに接続する受信用無線装置とを設け、
他の車両の車内音と車外音を共有することができるように構成されている。
本発明による請求項12記載の車内外音響伝送システムは、請求項11記載の車内外音響伝送システムにおいて、さらに
車内スピーカから車内マイクへのエコーや帰還(ハウリング)を回避するためエコーキャンセラを設けて構成されている。
【0021】
本発明による請求項13記載の車内外音響伝送システムは、請求項1または2記載の車内外音響伝送システムにおいて、さらに
周波数フィルタを用いて車外の特定音源からの音波を抽出するように構成されている。 本発明による請求項14記載の車内外音響伝送システムは、請求項13記載の車内外音響伝送システムにおいて、さらに
車外の特定音源からの音波について、前記複数のマイクの出力間の相関係数を処理・計算し、車外の特定音源からの音波が最も早く到達したマイクを特定して前記特定音源の方向を判断する判断手段をさらに備えて構成されている。
なお、マイクの特定や特定音源の方向の判断は、判断のアルゴリズムを実行することによってなされるものであるから、それらのアルゴリズムの実行手段が判断手段を形成することになる。
本発明による請求項15記載の車内外音響伝送システムは、請求項14記載の車内外音響伝送システムにおいて、さらに
前記特定音源からの音波が最も早く到達した最早到達マイクを示す視覚による表示または音声による提示を行う手段と、
前記特定音源の車内提示を変更する手段と、
を設けて構成されている。
本発明による請求項16記載の車内外音響伝送システムは、請求項1から13または15のいずれか記載の車内外音響伝送システムにおいて、さらに
車外の全方位画像と車内の画像を獲得する2以上のカメラと、
前記マイクの出力と前記カメラの出力とを同時に記録再生可能である記録再生装置と、 前記記録再生装置の記録/再生を選択する指示手段と、
前記記録再生装置の画像出力を表示する表示装置と、
を設けて構成されている。
【0022】
本発明による請求項17記載の車内外音響伝送システムは、請求項16記載の車内外音響伝送システムにおいて、さらに
前記カメラの画像処理を行う画像処理装置と、
前記カメラ画像のどの部分を切り出し画像処理させるかを指示する指示手段と、
画像処理前/後の画像表示を選択する画像選択手段と、
を設けて構成されている。
本発明による請求項18記載の車内外音響伝送システムは、請求項14記載の車内外音響伝送システムにおいて、さらに
車外の全方位画像と車内の画像を獲得する2以上のカメラと、
前記マイクの出力と前記カメラの出力とを同時に記録再生可能である記録再生装置と、
前記記録再生装置の記録/再生を選択する指示手段と、
前記記録再生装置の画像出力を表示する表示装置と、
を設けて構成されている。
本発明による請求項19記載の車内外音響伝送システムは、請求項18記載の車内外音響伝送システムにおいて、さらに
前記カメラの画像処理を行う画像処理装置と、
前記カメラ画像のどの部分を切り出し画像処理させるかを指示する指示手段と、
画像処理前/後の画像表示を選択する画像選択手段と、
を設けて構成されている。
本発明による請求項20記載の車内外音響伝送システムは、請求項18または19記載の車内外音響伝送システムにおいて、さらに
前記車外の特定音源を緊急車両とする前記判断手段の出力により前記特定音源の概略方向を画像、マーク/模式図、色分け可能な発光素子で提示または表示する提示表示手段
を設けて構成されている。
なお、前記提示表示手段を、前記車外の特定音源を緊急車両として前記判断手段の出力により緊急車両の概略方向を画像、マーク/模式図、色分け可能な発光素子で提示または表示すると同時に、カメラの軸方向を自動的に当該特定音源の方向に向けるようにした提示表示制御手段とすることができる。
さらに、請求項18または19記載の車内外音響伝送システムにおいて、手動で設定した車外用カメラの軸方向に対応し、車外用収音システムの各チャンネルに挿入した遅延回路の遅延時間を調整し上記マイクに対し各(4本)のマイクを結ぶ線が仮想的に直角を成すように自動制御し、カメラを向けた方向に収音システムの強い指向性を示すようにし、その方向の音を効率よく収音することができる自動制御形の車外収音システムとすることもできる。
【0023】
本発明による請求項21記載の車内外音響伝送システムは、
請求項2記載の車内外音響伝送システムにおいて、
前記マイクは、吸音特性を備えたシートを介して界壁表面に配置され、
さらに前記各マイクに対応してソフトスタビライザが配置されて構成されている。
本発明による請求項22記載の車内外音響伝送システムは、
請求項21記載の車内外音響伝送システムにおいて、
前記シートは、磁性粉末が混入されている合成樹脂シートであり、界壁表面が強磁性材料であるときは、シートと界壁表面が相互に吸引され支持されるように構成されている。 本発明による請求項23記載の車内外音響伝送システムは、
請求項21記載の車内外音響伝送システムにおいて、
前記ソフトスタビライザは、ドーム状であって、前記マイクを覆うように界壁表面または前記シートに固定されて構成されている。
本発明による請求項24記載の車内外音響伝送システムは、
請求項21記載の車内外音響伝送システムにおいて、
前記ソフトスタビライザは、前記マイクの一方側に配置される円筒状のソフトスタビライザである。
【0024】
本発明による請求項25記載の車内外音響伝送システムは、
請求項1記載の車内外音響伝送システムにおいて、
前記マイクは、界壁表面に設けられた開口内に配置され、界壁表面にソフトスタビライザが配置されて構成されている。
本発明による請求項26記載の車内外音響伝送システムは、
請求項25記載の車内外音響伝送システムにおいて、前記ソフトスタビライザは、ドーム状であることを特徴としている。
本発明による請求項27記載の車内外音響伝送システムは、
請求項26記載の車内外音響伝送システムにおいて、前記ソフトスタビライザの外周にさらに、円環状のソフトスタビライザを配置したことを特徴としている。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、車外→車内の遮音性能を最大(窓閉状態;システムOFF )からゼロ(仮想オープンカーの状態)を経て、マイナスの状態(拡声状態)に至るまで、各周波数帯域ごとの正負両方向に、かつ走行状態や車の状況に応じて最適制御を可能にし、しかも車外→車内の音響伝送を実現できる車内外音響伝送システムを提供することができる。
また同時に、車内→車外の伝達を可能する車内外音響伝送システムを提供することができる。
さらに運転席や車内天井に設置したマイクと、車外スピーカあるいは、車体を内側から励振して外部に発音するように設置した振動アクチュエータにより、窓閉状態において車内外の円滑な会話の支援を可能にした車内外音響伝送システムを提供することができる。
さらに複数チャンネル(少なくとも3チャンネル)のマイクで収音した音を利用し、対象の音が最も早く到達するマイクを判定することにより、緊急車両などについてその接近や到来方向を早期に判定し伝達できる車内外音響伝送システムを提供することができる。またさらに複数車によるツーリング時など、車内外音響を離れた並走車内で交信を可能にする車内外音響伝送システムを提供することができる。
さらに、前記マイクにより得られる車外音や車内音声と車外・車内のカメラ画像とを同時に記録再生できることにより、ツーリング時などの仮想オープンカーとしての開放感や自然な臨場感が得られるコンテンツ作成用の音声・映像情報ソースとして活用できる車内外音響伝送システムを提供することができる。また、超広角カメラ、全周囲カメラ、広ダイナミックレンジカメラを含むカメラ画像の特定部分をひずみ補正、透視投影変換、ダイナミックレンジ圧縮などの画像処理を行い、違和感の無い画像を表示することができる車内外音響伝送システムを提供することができる。
さらに、緊急車両の概略方向を音だけでなく、画像、マーク/模式図、色分け可能な発光素子で視覚的に運転者へ提示・表示することができ、より安全な運転を支援できる車内外音響伝送システムを提供することができる。
さらに、車外音を収音するために車体面と同一面に埋め込まれたマイクにおいて、車両の移動・走行において風切音が問題になることもある。そのような場合風切音のエネルギーを、後述するように音響透過性の空気流整流器(ソフトスタビライザ)により、1/1000(-30dB) にいたるまで大幅に低減・最小化することができる。
本発明では、既存の車両等のシステムとの整合性を保ち、かつ既存の車両等において許容できる範囲内の変形、すなわち外板等に開口等の加工を施すことなくシステムを導入できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下図面等を参照して、本発明による車内外音響伝送システムの実施の形態をさらに説明する。
図1Aは、本発明による車内外音響伝送システム(4チャンネル)の全系統を示すブロック図である。同図は車両の平面図を略図的に示し、配置するマイクやスピーカの位置を示し、車両に搭載される音響回路と無線装置を示してある。
図1Bは、本発明による車内外音響伝送システムで、車外マイクの各チャンネルに車外カメラの指向方向と関連する遅延回路を設けた例を示すブロック図である。
図1Cは、本発明による車内外音響伝送システムで、図1Bに示した遅延回路の遅延値とカメラの方向を略図的に示した配置図である。
図2Aは、図1Aに示す実施例を垂直断面図的に示したものである。
なお、各図において、「Mic」は「マイク」,「SP」は「スピーカ」,「SW」は「スイッチ」,「PA」は「パワーアンプ」,「BA」は「バッファアンプ」,「EQ」は「イコライザ」,「EC」は「(車内マイク用)エコーキャンセラ」である。
図1Aに示す実施例は、車両の天板に4個の車外マイク(Mic)を配置したものである。4個の同心円の中心の円が4個の車外マイク(Mic)の位置を示している。
各車外マイク(Mic)の出力はマイクアンプ(Micアンプ)、バッファアンプ(BA)、切換スイッチ1(SW1)、イコライザ(EQ)、音量調整手段、パワーアンプ(PA)を介して対応する車内スピーカ(SP)に接続されている。対応する車内スピーカの位置を4個の同心円の外側の円で示す。
【0027】
各マイクアンプ(Micアンプ)の出力はさらに無線装置(発信)の入力端子aおよび緊急車両検知部に各チャンネル毎に接続されている。
また、各図に示されているように、車内マイク(運転席)の出力は、マイクアンプ(Micアンプ)、パワーアンプ(PA)を介して車外用スピーカ(SP)(図2A参照)、車外用スピーカ1,2(SP1,SP2)(図1A参照)に接続されている。また同マイクアンプ(Micアンプ)の出力はさらに無線装置(発信)の入力端子bに接続されている。
無線装置(受信)の出力はスイッチ2(SW2)を介して各イコライザ(EQ)の前段に接続されている。車外マイク(Mic)の出力は緊急車両検知手段に接続されている。
図1Bに示すように、マイクアンプ(Micアンプ)の出力とバッファアンプ(BA)間にそれぞれ遅延回路τ1 〜τ4 が設けられており、この遅延回路τ1 〜τ4 の遅延値は、図1Cに示すカメラの方向と関連させられている。
なお、本発明において、伝達回路は、マイクとスピーカを接続する伝達回路の意味に用いており、増幅回路や調整用の制御部が含まれ、車外から車内への伝達回路と車内から車外への伝達回路がある。調整用の制御部は、周波数特性の調整,音圧レベルの調整,遅延時間の調整等を含んでいる。図1Aにおいて、車外マイクと車内スピーカ間の伝達回路は、マイクアンプ(Micアンプ),バッファアンプ(BA),スイッチ1(SW1),イコライザ(EQ),音量調整器,およびパワーアンプ(PA)が含まれる。図2Aにおいて、音圧形マイクと平面形スピーカ間の伝達回路は、マイクアンプ,イコライザ,パワーアンプを含んでいる。
なお、前記伝達回路は制御モードにしたがって制御される。制御モードとは外界の条件等に対してどのような制御された空間を提供すれば良いかという取り決めであって、制御モードはいくつかのパラメータに基づいて定められる。この実施例においては、車速・負荷検出部が制御信号発生手段を形成している。制御モード記憶部は、前記車速・負荷検出部内に設けられている。車速・負荷検出部は、制御モードが選択されるとそのモードに対応する制御信号を発生する。
【0028】
〔車外音波面の車内再現〕本発明による車内外音響伝送システムでは外部の音波面が車内に再現される。
図2Bは、本発明による車内外音響伝送システムにおけるアクティブ音響調整の基本動作原理を説明するためのブロック図である。外部の音波面の車内再現のレベルは、車載PCにより制御される車速・負荷検出部の出力により適宜制御される。図2Bの例では、音圧形マイク(Mic)3個が収音部を形成し、これら収音部で収集された車外の音波面が車内の対応するスピーカによって同様な音波面として再現される。なお、これらのマイクとスピーカ間の伝達回路は、車速・負荷検出部の出力により調整される。車速・負荷検出部には、騒音検出用マイク(Mic),車載PC,モード切換スイッチ(SW)により車速,負荷,モード切換等の情報が接続されている。伝達回路の制御部の周波数特性や増幅のレベルはこれらの組み合わせに基づいて調整される。なお、車載PC(または車載コンピュータ)とは、多くの車両に搭載されている燃料噴射制御などの運転制御用のCPUであって、車速や負荷のデータを常に保持している。
【0029】
次に図2Bに示したスピーカとマイクの一組に着目して説明する。
図3Aは、スピーカとマイクがそれぞれ配置された反射−吸音境界面における音圧・粒子速度制御を説明するための図である。
前述の車内外音響伝送システムを実現するには、高い遮音性能を有する車内空間の音響環境をあたかも、オープンカーのようにできる新規な技術が必要となる。
本発明によれば、音圧の制御のみで車内外空間に存在する界壁(車体)を音響的に「開放」したと同様な状況を車内に生成することができる。
【0030】
先ず前記状態を形成するための本発明による車内外音響伝送システムで使用する車外用マイクの挙動について説明する。
図3Aにおいて例えば、車内の天井に配置された車内用のスピーカ(SP)は対応する外壁の開口に配置された車外マイク(Mic)の(車体を介した)直近に設置する。
また、説明の前提として下記1),2)を仮定すると、次の式(1) 〜式(4) が成立する。
1)到来音は十分離れた点から平面波として車体に入射する
2)車体(の音響入射面)は完全剛体で、入射音は車体にほぼ垂直に入射する
【0031】
【数1】


【数2】


【数3】


【数4】


【0032】
空気中の平面波についてはv=p/(ρ0c)(ここにρ0c空気の特性インピーダンス、ρ0, c, はそれぞれ空気の密度, 音速である。即ち、空気中の平面波の音圧pと粒子速度vの比は周波数によらず一定で、かつ実数)という関係があるので、界壁(車体)への入射波の音圧と粒子速度は式(1),式(2) のようになり、界壁面の反射係数をRとすると反射波は式(3),式(4) となる。式(1) と式(3) の和である式(5),式(2) と式(4) の和である式(6) が実際に界壁面上(x=0) で観測される音圧と粒子速度となるが、上記2)の仮定から、剛壁上(車体面上)ではR=1 なので、音圧は入射音圧の2倍、粒子速度は0となる。
【数5】


【数6】


【0033】
すなわち、界壁上での音圧を正確に測れば、(反射面、つまり車体が無い場合の)入射音圧pi (0,t) に関する情報を全て得たことになる。これを車内側の空間に再現するにあたり、界壁部(扉の内装など)表面が完全吸音性(音響インピーダンス:空気に等しくρ0c)であれば、音圧アクチュエータであるスピーカにより式(5) を再現してやれば、粒子速度は
【数7】


となり界壁が無い場合の粒子速度、即ち式(2) (但しx=0 )に等しくなる。つまり、室内側の音圧と粒子速度は界壁が無い場合の到来音の音圧と粒子速度に等しくなり、音響的に界壁が除去された状態(Virtual Open Car)と言える条件を実現できる。
ここでは図1Aに示した4ch(SP, Mic 角4個配列)の例について説明しているが、必要な精度に応じて屋根中央部分などにも追加し、上記の条件が「ほぼ連続して」成り立つようにすることができる。
【0034】
〔マイクやスピーカの実装〕次に、前述した理論を実現したマイクとスピーカの車両への実装(埋め込み・設置)に関する詳細な技術について説明する。
図3Bは、本発明による車内外音響伝送システムにおいて用いる防風、防振、防水、遮音形マイクの構造と原理を説明するための略図である。図3Bの(1)の部分は、界壁部に開口が設けられている場合の例を示している。
界壁(車両の天井外板)に設けられた開口に遮音ケースを設けその中に受圧面に防水フィルムを被冠したマイク本体(Mic本体)を防振材(粘弾性ゴム、αゲル、等)を介しておとしこみ、防水断水コーキング(シリコンコー系)を施したものである。
変換により、得られた電気信号は本体内蔵マイクアンプ(図示せず)により増幅され、コネクタを介して出力信号線に取りだされる。すなわち任意スピーカ位置の外部の音場の情報が得られる。
なお、図3Bの(2)は、シリコンマイクを使用して界壁部に開口を設けない場合の例を示している。シリコンマイク(シリコンMic)本体は、防振層であるシリコンゴムを介して界壁の表面に設けられる。シリコンマイク自体が防水性を有しているので、防水薄膜フィルムは必ずしも必要でない。シリコンマイクの出力は出力信号線を介して車内に導かれる。収音対象周波数帯域の波長に比べシリコンマイクは十分小さいので、この構成によっても、ダイアフラム面が車両の表面と実質的に一致させられている図3Bの(1)と実質的に同様な効果を達成することができる。シリコンマイクとして、ダイアフラムを備えるノウルズ社のシリコンマイクが知られており、耐振性を有し本願発明に利用できる。
【0035】
図3Cは、車外マイクの設置位置,配置構造の例を説明するための略図である。
図中(a)には左右のドアと前後の窓に配置する例を示し、図中(b)には屋根面に4個配置する例を示す。図中(1)は、グラスウール経由でマイクカートリッジをマウントする例、(2)は粘弾性ゴム(αゲル、など)でマウントする例を示す。
さらに図3Dは風切音を最小化するためのスタビライザ(空気流整流装置)を配置した例を示す図である。形態1は特に風の方向(進行方向)が一定の場合のソフトスタビライザの配置を示す。形態2はソフトスタビライザを防振アダプタと一体化した例である。共に、スタビライザをマイクの直径dにほぼ等しい直径の円筒状を成す音響透過性のエキスパンドメタルや防虫ネットに準ずる材料で構成し、風の向きに直交するようにマイクから略d〜3d離して風上側に設置する。一方、形態3は風方向が特定できない場合で、上記の透過性材料を円環状に構成したものである。図3Eに風速5m/sec 前後の空気流中にスタビライザを置いた場合の風切音低減効果実測例を示す。マイクの埋め込みにより−10dB,スタビライザによりさらに−20dB低減し、合計で風切音のエネルギーは約1/1000まで低減している。
【0036】
図3Fは、車両の界壁表面に実質的な変形を施すことなくマイクを配置する例を説明するための平面図および正面断面図である。
マイクは板状のシリコンマイクであって、例えば、図1Cや図3Cの(b)に示されているように車両の界壁表面を形成する天井の外板に4個配置される。先に説明したマイク埋め込み形の場合とマイクの取り付け状態が変わるだけで他の構成要素との関係は配線の状態以外は同一である。
【0037】
各車外マイクは、吸音特性を備えたシートを介して界壁表面に配置される。さらに各マイクに対応してソフトスタビライザが配置される。
前記シートは、磁性粉末が混入されている合成樹脂シートであり界壁表面が強磁性材料であるときは、シートと界壁表面が相互に吸引され支持される。このようなシートは、マグネットビニールシート等と言われ広く用いられている。これらはマイクの設置に極めて便利であるが、他のシートを用いて強固に接合することもできる。このようなシートは何れも界壁表面の振動を緩和する作用もする。ソフトスタビライザは、ドーム状であって、前記マイクを覆うように前記界壁表面またはシートに固定されている。図3Fに示すようにこの実施例では2重のドームであり下端縁でいずれもマグネットビニールシートに接着されている。
【0038】
図3Fに示す形態は最も現実的な例を示すものであるからさらに詳しく説明する。マイク、信号ケーブル、コネクタを含む収音部の形成に車体の界壁表面の加工を施す必要は全くないことについては、前述した。
マイクとしては防水・耐熱・安価などの特徴を有するシリコンマイクを用いることができる。ソフトスタビライザは、粗目(略1-5mm ピッチ)と細目(略0.1-0.5mm )の二重金属ネットを用いている。これにより外力に対する強度、風切音低減効果を共に向上させている。ソフトスタビライザから引き出された信号ケーブルやコネクタを含めビニールシートから上部全体が収音ユニットを構成している。
シリコンマイクの長辺の長さをdとしたときソフトスタビライザの内部底面の半径は5d〜50dとすることができる。d=3mmとするとソフトスタビライザの内部底面の半径は15〜150mmとなる。マグネットビニールシートは柔軟性があり、凸面状の車体鋼板に隙間無く吸着し、走行中も安定し脱落したりしない。
また、不使用時は信号ケーブルのコネクタ部でユニット全体を車体から取り外すことができ、着脱が容易である。
【0039】
前述した車両の界壁表面に実質的な変形を施すことなくマイクを配置した場合のソフトスタビライザの配置例は、前述の場合に止まらない。
前述したソフトスタビライザを、図3Dの形態1または形態2に示すソフトスタビライザのようにマイクの一方に配置される円筒状ソフトスタビライザとすることができる。
または、図3Dの形態3に示すように前記マイクを包囲する円環状のソフトスタビライザとすることもできる。
【0040】
前述したドーム状のソフトスタビライザを車両の界壁表面に開口を設け配置する場合にも利用できる。その例を図3Gを参照して説明する。同図右側の実施例において車両の界壁表面の開口部に収容されたマイクの直径をdとするときに、半径d〜3dのドーム状のソフトスタビライザを配置する例を示している。
同図左側の実施例は、同様に車両の界壁表面の開口部に収容されたマイクの直径をdとするときに、半径0.5d〜1.5dのドーム状のソフトスタビライザを配置し、さらにその外周に円環状のソフトスタビライザを配置した例を示す。なお円環状のソフトスタビライザを形成する円環の中心を含む切断面における断面の直径は略dとした。
【0041】
実装の詳細データを列挙すると次のとおりである。
1)マイクカートリッジ :1/2"音圧形(コンデンサマイク)、10Φ×30L (mm)以下
2)設置条件 :防振・防水・表面がボディと面一になること
防風、すなわち風切音を最小化するため、必要に応じて上記スタ ビライザを設置する
3)防振方法 :(1) グラスウール経由でマウントする方法(防振と騒音低減を兼 ねる)
(2) 粘弾性ゴム(αゲルなど)を防水材(ポリフィルム、等)と 組み合わせて使用
4)設置場所 :(a) 左右のフロントドア、及び前後の窓ガラス上端・下端
(なお前後バンパー配置も考えられる。)
(b) 屋根面4箇所(Virtual Open Car仕様)に取り付け
【0042】
次に前記車外マイクに対応して車内に車外の音響を再現する車内スピーカの実装について説明する。車内スピーカの実装は、車外マイクとの位置関係を考慮しつつ一般のカーステレオ用スピーカに準ずる(兼用可能)こともできる。詳細な仕様を下記に示す。

1)スピーカ本体 :平面形(再合成)スピーカか、あるいは、主要帯域でピストン運動 するように設計された動電形スピーカ
2)設置条件 :屋外向けマイクの対向面(室内側のほぼ同位置)
3)設置場所 :吸音処理された、内装天井面や各ドアの内部、など(4本)
【0043】
図5は平面形スピーカの構成例を説明するための略図である。
平面スピーカは、図5に示すように、略100 ×100 mm〜 300×300 mm程度の大きさで構成され、約10 mm 四方の各構成要素が同位相で振動させるように制御することなどで実現できる。この例では、約10mm単位で高磁力密度の永久磁石が隣同士N極・S極が反対になるように設置されており、その上に緩衝材を介してコイルがプリントされた振動板が置かれている。このコイルも約10mm単位、かつ隣同士巻線方向が逆になるように構成されており、スピーカ全体が一本の線で繋がるようになっている。結果としてフレミングの左手の法則にしたがって、振動板は隣同士、スピーカ全体にわたって同位相で振動することになり、高域まで強制的にピストンモーションする理想的な平面形スピーカが実現できる。
【0044】
本発明による車内外音響伝送システムは、(車内→車外),(車内→他車内)の情報伝達を予定している。そのために、客室(同乗者席)や運転席の音響を取得し伝送するための車内マイクが必要となる。
車内マイクの実装を図4を参照して説明する。図4は、車内マイクと車外用スピーカ(振動アクチュエータ)の設置例を説明するための略図である。
車内マイクは図4に示されているように、ハンドルやフロントドアに関連して配置することができる。
実装の条件を列挙すると次のとおりである。
1)マイクカートリッジ :車外マイクの対応欄と同じ、あるいは(小形)音場形指向性マ イク
2)設置条件 :設置場所の表面がマイクを含めて面一になること
3)防振方法 :車外マイクの対応欄と同じ
4)設置場所 :運転席のハンドルの内側の面、或いは運転席横のフロントドア内 側の面(窓の下端あたり)
【0045】
また一方、車外向けスピーカは、図4の右側部分に示すように、例えば運転席側フロントドアの外板の内側に配置する。
1)スピーカ本体 :扉の外板加振用アクチュエータ
2)設置条件 :ドアの内部で窓ガラスなどと干渉しない
3)防振方法 :Mic(マイク)設置用プレートのマイク側で防振
4)設置場所 :運転席側フロントドアの内部(外板側)、及び必要に応じ
リアゲートやリヤ収納庫の内部(外板側)に並列接続で追加
【0046】
以上説明したように、本発明による車内外音響伝送システムでは、マイクやスピーカは屋根など車体外側の面に面一になるように取り付けられた音圧形マイク群と空気流整流器(ソフトスタビライザ)により、風雑音が最小化された状態で車外音が収音できる。
また、防振・防水処理により車体の振動や天候に左右されることがない。また、車外への突起物もほとんど無いので、安全上も外観上も優れている。
車外→車内の伝達については、屋根など車体外側の面に面一になるように取り付けられた音圧形マイク(Mic)群と、各マイク(Mic)に対応する直近の車内天井等に設置された同数のスピーカ(SP)群により、それらの界壁(天井)が無い場合の音圧・粒子速度を室内側に再現し、音の到来方向や定位も含めオープンカーのような開放感や、自然な臨場感が得られる。
【0047】
本発明による車内外音響伝送システムは、前述の音声以外にも映像の処理や蓄積も並行して行われる。
図10に車外・車内に複数の動画カメラを設置する例を示す。同図(a)、(b)の車外カメラ101〜104、車内カメラ105〜106に魚眼カメラ、双曲面ミラーを取り付けた全周囲カメラを用いると、容易に全方位画像が得られ、カメラの設置台数を少なくすることができる。同図のカメラ配置例ではカメラ101〜106に対して撮影有効範囲を矢印範囲で示している。車外カメラに超広角カメラや通常のカメラを用いる場合、車両の全周囲を漏れなく撮像するためには(全方位画像の一部としてカメラ画像を得るので)さらに数多くのカメラを設置する必要がある。車内カメラ105は、運転席と助手席とに座る人を撮影できるように設置され、車内カメラ106は、後部座席に座る人を撮影できるように設置される。車内カメラにより広角なカメラを用いれば広い範囲を撮像することができ、搭乗者以外に窓越しの風景も撮像することができる。
【0048】
また、カメラに広ダイナミックレンジカメラを用いれば、通常のカメラに比べて白とびや黒つぶれの少ない映像を撮像できるが、表示装置のダイナミックレンジが狭いためそのままでは表示することができない。撮像画像のダイナミックレンジ圧縮(画像加工処理)を行うことで表示装置に表示することができる。
超広角カメラ、魚眼カメラ、双曲面ミラーを取り付けた全周囲カメラの場合、撮像した画像はそのままでは歪んだ画像であるため、かなり見難いものであり映っているものの把握もし難い。そのため、歪み補正や透視投影変換などの画像加工処理を行って、通常のカメラで撮影されたような画像を表示することで、見た時の違和感を解消することができる。
【0049】
前記車内外音響伝送システムに、車外・車内カメラの動画像を取得し、音声信号と同時に記録し再生でき、緊急車両の概略方向を提示または表示する付加装置部分のブロック図を図11に示し、図12に画像処理装置内部の概略構成のブロック図を示す。
図11において、車内・車外カメラの動画像信号が画像処理装置に入力され、画像処理されて画像表示装置に出力される。
カメラ画像のどの部分を切り出し画像処理させるかを指示する指示手段である画像処理指示回路、画像処理前/後の画像表示を選択する画像選択手段である画像選択回路、記録再生装置の記録/再生を選択する指示手段である記録再生指示回路は、それぞれスイッチで構成することができ、操作者により指示されたスイッチに該当する信号を、それぞれ画像処理指示信号、画像選択信号、記録再生指示信号として画像処理装置に出力する。
記録再生指示信号は、記録再生装置にも出力される。
記録再生装置は、磁気テープ記録再生装置やハードディスク記録再生装置やメモリ記録再生装置で構成することができ、これらを複数用いることで音声信号と画像信号とも多チャンネル構成の記録再生装置とすることができ、記録再生指示信号により記録/再生/停止の機能を実行する。記録再生装置の画像入出力部は、記録画像信号を画像処理装置より入力し、再生画像信号を画像処理装置に出力する。記録再生装置の音声入出力部は、図1Aのマイクアンプ出力よりの音声信号を記録音声信号として入力し、再生音声信号を図1Aのパワーアンプ入力へ出力する。図1Aの無線受信装置よりの出力を個別に入力して記録し再生することもできる。
【0050】
図11の緊急車両検知情報は、車外の特定音源を緊急車両として特定の音源の方向を判断する判断手段である緊急車両検知部(図2A,図6)からの出力信号である図9で示される対象音方向θを含んだ情報であり、画像処理装置に入力される。
図11の提示表示装置は、緊急車両の概略方向を画像、マーク/模式図、色分け可能な発光素子で提示または表示する提示表示手段であり、液晶表示装置などの画像表示装置、画像上またはパネル上のマーク/模式図、ランプや色分け可能なLEDなどの発光素子で提示または表示するように構成されている。画像表示装置は、通常時の画像と緊急車両用画像とを表示する装置として兼用することもできるし、緊急車両用の専用の表示装置として設けることもできる。
画像処理装置では、緊急車両検知情報により検知された緊急車両の方向(対象音方向θ)のカメラ画像を表示する。画像表示する以外の提示または表示方法の例としては、図13の(a)や(b)で示すようなマーク/模式図やパネル表示を用いることができる。同図でFは車両フロント側を示し、上向きの表示が車両の前向きで、車両周囲に概略方向別の表示エリアが並んでいる状態であり、緊急車両の概略方向を色付き部分で示している。同図をマーク/模式図として表示画像の最上位部表示で表示中の画像のじゃまにならない所定の場所に表示させる方法で提示することもできる。ランプや発光素子を用いる場合、速度表示などのパネル面上に図13のような配置で緊急車両の概略方向を点灯表示することができる。色付きの発光素子で他の表示色とは際立たせた目立つ表示とすることで運転者に注意を促すことができる。また、点灯の明るさを周期的に2段階に変化させて運転者に注意を促すこともできる。
【0051】
図12において、カメラからの画像信号は、記録画像信号として再生記録装置に出力されると共に画像信号選択回路に入力される。この回路の入力のもう一方は、記録再生装置から入力される再生画像信号である。同回路において、カメラからの画像信号か再生画像信号かを記録再生指示信号にて選択し、後段に出力する。カメラ台数分の選択回路がある(同図の2点鎖線部分)。
選択された画像信号は、表示を見易くするためカメラの種類に応じてカメラ画像毎に画像の加工処理を施す。画像処理指示信号によりカメラに適合した画像加工処理を選択する。この選択は、カメラ設置時にどのような種類のカメラであるかわかるので、カメラ設置時点で行われる。
【0052】
画像加工処理部には、何も処理しないスルー処理、通常のカメラ画像や広角カメラ画像の歪みを補正する歪み補正処理、魚眼カメラ画像や双曲面ミラー使用カメラ画像の透視投影変換処理、広ダイナミックレンジカメラ画像のダイナミックレンジ圧縮処理がある。
魚眼カメラや双曲面ミラーを取り付けた全周囲カメラで得られた画像は、環状画像であり、そのままではわかりにくいため、通常は見たい方向を指示して透視投影変換して通常のカメラで撮像されたかのような画像で表示される。画像処理指示信号により、透視投影変換したい画像部分が指示される。例えば、透視投影で切り出し表示したい画像部分を、水平面に対する垂直方向角度と水平面上での方向角度とズーム度合いとのパラメータで指定して透視投影変換処理させることができる。
緊急車両検知情報により検知された緊急車両の方向である対象音方向θが入力されると、透視投影変換処理部では強制的に前記θ方向の透視投影変換を行い出力する。なお緊急車両検知の場合、透視投影変換処理させるにあたり、水平面に対する垂直方向角度とズーム度合いとのパラメータは、予め決めておくことができるので、必要なパラメータは前記θのみでよい。
【0053】
ダイナミックレンジ圧縮処理は、表示装置の表示のダイナミックレンジの範囲内となるように、テーブル変換処理、折れ線変換や対数変換やウェーブレット変換などを用いた演算処理、これらの組合せ処理などの方法が用いられる。
カメラとレンズの組合せに応じて画像加工処理部の処理内容の組合せを行うこともできる。
例えば、魚眼レンズを広ダイナミックレンジカメラに取り付けた場合、画像加工処理は、透視投影変換処理とダイナミックレンジ圧縮処理とになる。
画像選択回路では、画像処理指示信号により画像処理選択回路で接続した同じ画像加工処理の出力に接続し、スルー処理の画像データと加工処理された画像データとを画像選択信号の指示により画像処理前/後の画像として選択が行われる。
【0054】
カメラ画像ごとに画像処理選択回路から画像選択回路までの画像加工処理がおこなわれ(図12の一点鎖線枠内部分)、表示画像選択回路で画像選択信号により指示されたカメラの画像を選択し、表示画像が出力される。緊急車両検知情報により検知された緊急車両の方向である対象音方向θが入力されると、表示画像選択回路では、前記θ方向の透視投影変換した画像を強制的に選択し出力する。魚眼カメラや双曲面ミラーを取り付けた全周囲カメラが無く、通常のカメラだけで全方位の画像を取得している場合には、前記θ方向に該当するカメラ画像を選択し出力する。この場合、設置したカメラごとに前記θの範囲を予め決めておく(例えば、複数のカメラと前記θとの関係でθに対して最も近いカメラ画像を選択するように予め決めて表を作成しておく)ことができるので、前記θの範囲により選択すべきカメラ画像の選択回路を構成することができる。
【0055】
概略方向表示素子選択回路では、前記θの範囲ごとに表示するランプや発光素子を予め決めておき、入力された前記θにより、表示素子用出力として表示素子に出力され、図13の(a)や(b)のように表示され、運転者に提示される。同図のようなマーク/模式図を表示画像上に重ね表示するような回路を付加することもできる。
さらに、図11と図12において、画像処理装置の表示画像出力を記録画像信号として記録再生装置に入力し記録させ、再生時に再生画像信号として画像処理装置に入力後、表示画像選択回路に入力して再生時に記録した表示画像を選択して表示させることもできる。このようにすることで、どの画像を表示して見ていたかが後からもわかるようにすることができる。
【0056】
以上のような構成を備える本発明による車内外音響伝送システムを使用の態様ごとにその構成と動作を説明する。
【0057】
〔無線通信(車間連絡モード)〕図1A、図2Aを参照して車間連絡モードについて説明する。
図1Aの中心部の破線の右側の部分を受信側の同行車(並走車)の回路部分(スイッチ1(SW1)は開放)とし、左側を発信側として説明する。
車外マイク(Mic)の各出力はマイクアンプ(Micアンプ)で増幅され、無線装置(発信)のa端子にそれぞれ接続される。一方車内音は車内マイク(Mic)で収拾されマイクアンプ(Micアンプ)で増幅され無線装置(発信)のb端子に接続される。発信側で圧縮などエンコード処理を受けた後、無線装置から同行車に向け発信される。
図1A中右側の同行車の無線装置(受信)は前述の無線装置から電波を受信し受信装置の出力端子に接続されている閉状態にあるスイッチ2,3(SW2,SW3)を介して端子a’b’に出力する。受信側ではこれを自chに加算し自車内のスピーカで聞くことが出来る。
【0058】
したがって、後続車からは先行車の車の周辺の音環境が同じように臨場感をもってモニタできるので、渋滞時などに精神的苦痛を軽減できるほか、車相互間でリアルタイムで会話を楽しむことが出来る。
これらは切換スイッチ1,2,3(SW1,2,3)、あるいはこれらを集中制御するモード切換スイッチ(SW)により、自車の車外音、同行車の車外音、同行車の車内会話音、をそれぞれON/OFFし単独で、または加算により併せて、聞くことができる。
このうち、同行車同士で車内音を共有して会話する時の(自車内スピーカ→自車内マイクなる経路の)エコーを回避するため、エコーキャンセラ(EC)(図1A参照)が設けられている。
【0059】
〔ツーリングモード〕通常の走行モードを図1Aを参照して、構成を動作とともにさらに説明する。車外屋根面などに埋め込まれた複数(この場合はN=4)の車外マイクにより車外音を収音する。収音した音声はマイクアンプ(Micアンプ)で増幅され、バッファアンプ(BA)を経てスイッチ1(SW1)(オン)を介してイコライザ(EQ)、音量調整部に送られる。
ここでは、車載コンピュータなどから得た車速・エンジン回転数・負荷などを基に車速・負荷検出部で車内騒音が予測され、予め設定された調整量に従って最適の周波数バランス、最適の音量・明瞭度になるようイコライザ・音量が調整される。その後パワーアンプ(PA)で増幅され、同数の車内スピーカ(SP)により車内へ放射される。各車内スピーカ(SP)は各車外マイク(Mic)に対応する位置に置かれ、車外の車が無いときの音圧pと粒子速度vを車内側に忠実に再現するので、室内では仮想音響的にオープンカーのような開放感と臨場感を得ることができる。
なお、車内の騒音はいくつかの走行パラメータ(車載PCから容易に得られる)から予想できるし、専用のマイクによっても実際に測定できる。
【0060】
〔双方向(例えば給油モード)〕図1Aに示す運転席のハンドル部か、運転席側のフロントドアに埋め込まれた車内マイクを使って車内音を収音する。これは、基本的には1chであるが、車内天井の中央などに乗員用のマイクを並列追加しても良い。
車外用スピーカとしては、車外音収音にはツーリングモードの車外マイク群と対応する車内スピーカ群をそのまま、あるいは運転者に直近のスピーカ−マイク系だけを生かして使用する。また、車外用スピーカとしては、運転席側フロンドドアに別途埋め込まれた車外用スピーカ(SP1)か、車外での誘導や車の後退などを想定しリアゲートなどに設置した車外用スピーカ(SP2)を使用する。これらの車外用スピーカは防水を考慮するとドアの外板に車内側から取り付けた振動アクチュエータが優れている。
【0061】
〔車外の特定音源の方向判断〕車外の特定音源の方向判断に関連する車内外音響伝送システムについて、特定音源が緊急車両の場合について、説明する。
図6は、本発明による車内外音響伝送システムで緊急車両を検出するときの検知部の動作を説明するためのブロック図である。車外マイクの配置等は図1A、図2Aを参照して説明したものと異ならないので、緊急車両フィルタ、相関解析部を中心に説明する。
この車内外音響伝送システムは、基本的には、車外マイク(Mic)の出力信号間の相互相関係数を時々刻々計算し、その結果から実時間で最早到達マイクを判定・表示(図の例では左前)する。いまMic本数をN=4とする。各Micアンプの出力を図のような予め用意された種々の緊急車両フィルタに通し、その出力x1(t), x2(t), x3(t), x4(t)に対し相関分析を行う。
【0062】
緊急車両フィルタは、例えば救急車の場合、750 〜800 Hzの間の2音が交互に使われるが、これにドプラー効果などを勘案してこれより帯域幅が若干広めのバンドパスフィルタを使用する。また、パトロールカーのサイレンは、最高吹鳴周波数を870 Hz、折り返し周期8秒、となっておりこれを効率よく通すフィルタを用意する。このように、複数の緊急車両やかなり近くを通過する一般車両、二輪車などを対応する周波数フィルタで効率よく通過させ、相関分析部へ導くのが緊急車両フィルタである。図6の例ではフィルタのパラメータを出力監視・切替部でサイクリックに切り替えているが、複数のフィルタセットを並列に用意しても良い。いずれかのフィルタの出力に閾値を超える顕著な出力があれば、そのフィルタセットにロックし、出力4 ch 間の相関分析を行う。必要に応じ、車速などの走行情報なども利用して効率よく分析を行う。
【0063】
図7は、相互相関係数の実時間処理を説明するためのチャートである。
相関分析部では基準マイクの出力信号 xi (t) ≡x1(t) 出力と、他のマイク出力 xj (t)=x2(t), x3(t), x4(t) との間の相互相関係数 rij(τ)を−T ≦τ≦T (T ≡l/c ;l はマイク間距離のうち最大のもの、c は音速)の範囲で時々刻々、実時間で計算する。具体的には以下に示す式(7) の rij(τ)を自乗し、式(8) を得る。最早到達マイクを判定するため rij2(τ)をτについてグラフ化する。:
なお、式(7),式(8) において、上バーの意味は、時間信号の自乗平均を示し、この平方根は実効値を意味する。両式の分母はそれぞれ、各信号の実効値の積、自乗実効値の積を示す。
【数8】


【数9】


ここで、 rij2(τ) の計算は、図7のようにFIFO(First-IN First-OUT)方式レジスタ(RAM )などを利用し、必要な表示スピード(時定数)に応じ、−T ≦τ≦T に対応するデータバンク内のデータを時々刻々更新して行う。
【0064】
道路を走行するクルマの場合、建物などによる反射を考えると、計算結果・表示は図8に示すようになる。図8は、最早到達マイクの判定動作を説明するためのグラフである。クルマの前右(n=1)を基準としたこの例において、他のマイク(n=2,3,4 )との間の相関分析結果 rij2(τ) が図8のようになったと仮定する。この場合、見易さのために表示した前右(n=1)のグラフのピーク rmax2= 1に対して、前左n=2 はτ<0にピークが出ているので前右n=1 より早く外来音が到達していることになり、他のMic出力に対する rij2(τ)も参考にすると、前左n=2 が最早到達マイクということになる。
【0065】
また、図8に示す後右n=3 のグラフにおいては、建物などによる反射音のためτピークが複数表れているが、そのピーク値の比較や順序関係、さらには、基準マイク(n=1) 以外のマイク出力との相関係数計算結果(必要に応じて計算)の参照、などから最も左側τ= τ3 位置のr132(τ)ピークが直接音によるもの、と判定できる。判断が難しいのが、図の一番下、「後左n=4: r14(τ)」のようなケースである。ピーク値比較、順序関係、基準マイク(n=1) 以外のマイクとの相関係数、などでも判断が困難な場合は、閾値r=r0を一時的に変更するか、判定・表示を確度が上がるまで少し遅らせる、などの措置をとる。また、実際のシステムの設計では、まず緊急車両の到来検知(フィルタ出力が閾値を越える)→全てのLED を点滅 →相関係数の計算結果に応じ、まず前後を判定し前、または後のLED 2個を点灯 →計算の確度が上がった時点で最早到達マイクに対応するLED 1個を点灯など臨機応変の処理が考えられる。
【0066】
以上のような処理を経て判定された最早到達マイクに対応するLED をLED 表示部(図6)において表示し、また、高齢者など、必要に応じて音声で「右後方から救急車が接近しています」などのアナウンスをする。因みに、このケースでは、救急車の接近に応じ、マイクの出力レベルからLED の輝度や点滅速度などを変更したり、通過時には右後と右前を同時点灯させるなど、実情に応じた表示・警報の方法が考えられる。また、最早到達マイクが判定されたら、対応する「車内スピーカ」を選択・強調し、場合によってはこのスピーカだけから外来音(緊急車両のサイレンの音など)を再生する、などの方法も考えられる。これにより、視覚と聴覚の両面から到来方向を乗員に知らせることができる。
【0067】
さらに、ハードウエアの処理能力に応じ、各ピーク時間τi と車外マイク設置間隔d1・d2からさらに正確な到来方向を図9のように計算・表示することもできる。得られた情報を利用し、カメラの軸方向(カメラアングル)を自動的に当該到来方向に向けることができる。
図9は最早到達マイクの判定のアルゴリズムを説明するための略図である。θ=θ1 方向から対象音が来る場合を想定している。図において下記の式が成立する。
d1sin θ=cτ12 = cτ34 式(9)
d2cos θ=cτ24 = cτ13 式(10)
d2cos θ- d1sin θ=cτ14 式(11)
d2cos θ+ d1sin θ=cτ23 式(12)
なお、τijはMic:i,j 間の相互相関係数のピークに対応する遅れ時間の最小値である。
【0068】
次に、前記アルゴリズムに基礎をおいた到達音の測定値の処理判断について説明する。(1)進行方向の前2本(n=1,2 )・後2本(n=3,4 )のマイク出力間で相互相関係数を計算
→ピークの遅れ時間の最小値τ12≒τ34から到来方向を決定:
式(9) より
θ=sin -1(cτ12) ≒sin -1(cτ34) =θ1 ,180 −θ1 式(13)
(マイク2本の従来方式ではどちらか決まらない)

(2)次に、右側2本(n=1,3 )・左側2本(n=2,4 )のマイク出力間で相互相関係数を計算
→ピークの遅れ時間の最小値τ13≒τ24から到来方向を決定:
式(10)より
θ=cos -1(cτ13) ≒sin -1(cτ24) =θ1 ,−θ1 式(14)
→式(13), 式(14)から重複するθ=+θ1 を決定

(3)更に、これを式(11), 式(12)に代入して正しい値であることを確認:
θ=0 〜90, 90〜180, 180〜270, 270〜360 に対してn=2,4,3,1 のLED (1本)を点灯する

(4)上記のプロセス(1)−(3)でも決定・判断が困難な場合には下記の処理をして待機:
しばらく点灯を控える或いは・全部を点滅し注意を喚起

(5)τ12≒τ34=0(微小)の場合は、(2)の結果を基礎に前2本(n=1,2)、或いは後2本(n=3,4)のLED を点灯する。
以上のプロセスを経て、(この図の例では)θ=0 〜90を判断しn=2 のLED を点灯させる。
【0069】
〔事後利用 コンテンツの作成〕収音した車外音や車内会話音を、並走車(同行車)間で無線によりリアルタイムに交換できるので、ツーリングの楽しみが高揚できるほか、渋滞時の先行車の周辺状況を音声で確認できるので精神的な苦痛を和らげることができる。
また、車外音や無線で受信した同行車の音を多ch録音できるため、後日コンテンツとして再利用することもできる。
さらに、車外音や車内音声と車外・車内のカメラ画像とを同時に収録した音声・映像情報ソースは、画像処理や編集処理を行うコンテンツ制作に用いることができ、仮想オープンカーとしての開放感や自然な臨場感が得られる観賞用の再生コンテンツとして活用できる。
また、単に再生して見る場合でも、運転手として見られなかった画像を、同行者と共に見ながら会話をして楽しむこともできる。
【0070】
一方、車外カメラアングルを手動で設定する場合は、図1Bのように各車外マイク系統に遅延回路を挿入しこれを制御することにより、各マイクがカメラの軸と直交するライン上に整列する図1Cのような状況を構築し、カメラの軸方向に収音の指向性軸を一致させて、その方向の音を効率よく収音することができる。各遅延時間τ1 〜τ4 は前述の図9に関連するアルゴリズムの式である式(9),式(10)に準じて容易に決定できる。
【産業上の利用可能性】
【0071】
本発明による車内外音響伝送システムによれば、具体的には車内から車外,車内外音響伝送、さらには車両間の音響の伝送が可能となり、さらに音響/映像のデータの収拾記録が可能になり、サービスの分野またはそれを実現するための車両電装の産業分野で有用である。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1A】本発明による車内外音響伝送システムの全系統図である。
【図1B】本発明による車内外音響伝送システムで、車外マイクの各チャンネルに車外カメラの指向方向と関連する遅延回路を設けた例を示すブロック図である。
【図1C】本発明による車内外音響伝送システムで、図1Bに示した遅延回路の遅延値とカメラの方向を略図的に示した配置図である。
【図2A】本発明による車内外音響伝送システムにおけるアクティブ音響調整の基本構成を説明するためのブロック図であり、構造部分は図1Aに示す実施例を垂直断面図的に切断して示してある。
【図2B】本発明による車内外音響伝送システムにおけるアクティブ音響調整の基本動作原理を説明するためのブロック図である。
【図3A】反射−吸音境界面における音圧・粒子速度制御を説明するための図である。
【図3B】本発明による車内外音響伝送システムにおいて用いる防風、防振、防水、遮音形マイクの構造2例と原理を説明するための略図である。
【図3C】マイクの設置位置,配置構造の例を説明するための略図である。
【図3D】風切音を最小化するためのスタビライザの配置を説明するための図である。
【図3E】スタビライザによる風切音の低減効果を実測した例を示すグラフである。
【図3F】車両の界壁表面に実質的な変形を施すことなく界壁表面に相互間の距離を保って配置されているマイクにソフトスタビライザを適用する例を示す図である。
【図3G】車両の界壁表面に開口を設けて車外マイクを配置する場合のソフトスタビライザの配置例を示す図である。
【図4】車内マイクとスピーカ(アクチュエータ)の設置例を説明するための略図である。
【図5】平面形スピーカの構成例を説明するための略図である。
【図6】本発明による車内外音響伝送システムで緊急車両を検出するときの検知部の動作を説明するためのブロック図である。
【図7】相互相関係数の実時間処理を説明するための説明図である。
【図8】外部音源の最早到達マイクの判定の原理を説明するための波形図である。
【図9】外部音源の最早到達マイクの判定方法を説明するための原理図である。
【図10】本発明による複数のカメラを配置する例を示す平面図である。
【図11】本発明において付加する装置の例を示すブロック図である。
【図12】画像処理装置を説明するためのブロック図である。
【図13】緊急車両の概略方向をマーク/模式図、発光素子で表示する例を示す図である。
【図14】乗用車の車体の遮音性能を説明するためのグラフである。
【図15】緊急車両検知の手法の従来例1を説明するための略図である。
【図16】緊急車両検知の手法の従来例2を説明するための略図である。
【符号の説明】
【0073】
101〜104 車外カメラ
105〜106 車内カメラ
【出願人】 【識別番号】304023318
【氏名又は名称】国立大学法人静岡大学
【識別番号】000101732
【氏名又は名称】アルパイン株式会社
【出願日】 平成19年2月26日(2007.2.26)
【代理人】 【識別番号】100075144
【弁理士】
【氏名又は名称】井ノ口 壽


【公開番号】 特開2008−35472(P2008−35472A)
【公開日】 平成20年2月14日(2008.2.14)
【出願番号】 特願2007−45797(P2007−45797)