| 【発明の名称】 |
スピーカ装置、およびオーディオシステム |
| 【発明者】 |
【氏名】澤米 進
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| 【要約】 |
【課題】シームレスな音声ビームの角度、焦点距離の変化を実現し、遅延量の計算時間を削減することができるスピーカ装置、およびオーディオシステムを提供する。
【構成】コンテンツ再生装置1のシーケンサ13が記憶部12に記憶されている音声ビームシーケンスデータに基づいて、音声ビームの角度、焦点距離の制御情報をスピーカ装置2に送信する。シーケンサ13は、制御情報のヘッダに送信するコマンド内容(水平角度、垂直角度、焦点距離)を示す情報を含める。スピーカ装置2の制御部21は、ヘッダが示す内容のコマンドを全て受信した後に一括して各スピーカユニットに供給する音声信号の遅延量を計算する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 複数のスピーカユニットを配列してなるスピーカアレイと、 各スピーカユニットに供給する音声信号に所定の遅延を付与することで、所定方向に強い指向性を有する音声ビームを前記スピーカアレイに出力させる信号処理部と、 音声ビームの水平照射方向を指示するコマンド、垂直照射方向を指示するコマンド、およびスピーカアレイからの焦点距離を指示するコマンドを外部から受信する受信部と、 前記受信部が受信したコマンドに基づいて、前記信号処理部が各音声信号に付与するべき遅延量を演算し、この演算した遅延量を前記信号処理部に設定することで前記音声ビームの照射方向、焦点を制御する制御部と、 を備えたスピーカ装置であって、 前記受信部は、前記コマンドの受信に先立って、1または複数のコマンドの組み合わせを示すヘッダ情報をさらに受信し、 前記制御部は、前記受信部が前記ヘッダ情報を受信した場合、このヘッダ情報が示すコマンドの組み合わせの全てのコマンドを受信した後、受信した全てのコマンドに基づいて前記遅延量の演算を行うスピーカ装置。 【請求項2】 請求項1に記載のスピーカ装置と、前記スピーカ装置に接続される外部装置と、からなるオーディオシステムであって、 前記外部装置は、音声ビームの照射方向、焦点を含む情報を時系列で表したシーケンスデータを記憶する記憶部と、 前記シーケンスデータを前記記憶部から読み出し、前記1または複数のコマンド、およびヘッダ情報を生成するシーケンサと、 前記シーケンサが生成した1または複数のコマンド、およびヘッダ情報を前記スピーカ装置の受信部に送信する送信部と、 を備えたオーディオシステム。 【請求項3】 前記音声ビームの水平照射方向を指示するコマンド、垂直照射方向を指示するコマンド、およびスピーカアレイからの焦点距離を指示するコマンドを、前記ヘッダ情報を付加せずに前記スピーカ装置に送信するリモコン、 をさらに備えた請求項2に記載のオーディオシステム。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 この発明は、音声信号をビーム化して出力することのできるスピーカ装置、および、このスピーカ装置を用いたオーディオシステムに関する。 【背景技術】 【0002】 近年、メディア容量の増大、および通信速度の向上により、マルチチャンネルサラウンドを実現するオーディオソースが普及している。これを再生するホームシアターシステムでは、センタスピーカ、フロントL/Rスピーカ、リアL/Rスピーカ(および低音専用スピーカ)を備えているものが一般的である。 【0003】 一方、複数のスピーカからなるホームシアターシステムにかえて、複数のスピーカユニットを配列してなるスピーカアレイを用いて、所定方向に強い指向性を有する音声ビームを複数形成し、これを壁面に反射させて複数の音場を形成することで、臨場感のあるサウンドを再生するオーディオ再生装置が実用化されている(例えば、特許文献1参照)。 【0004】 このような機器において、受聴者(ユーザ)の位置で最適な音場環境を実現するには各スピーカの音量、遅延量等を最適に設定し、音声ビームのビーム角度を設定する必要がある。従来のオーディオ再生装置では、ユーザがリモコンを用いて各音声ビームの水平角度、垂直角度を変更していた。 【0005】 図1は、音声ビーム制御について説明する図である。図1に示すように、複数のスピーカユニットSPからなるスピーカアレイは、アレイ中心位置から正面の所定距離、角度に仮想焦点を形成する。ここで、各スピーカユニットSPから、この仮想焦点に収束する波面で音声を出力する。つまり、この仮想焦点に最も遠いスピーカユニットSPから最初に音声を出力し、隣のスピーカユニットSPから順に遅延して出力することで、各スピーカユニットを仮想焦点から等距離に配列したようなタイミングで音声を出力できるように遅延する。 【0006】 このオーディオ再生装置にはリモコンが付属しており、このリモコンでビームの角度や焦点を変更する。図2は、リモコンから音声ビーム角度、焦点の変更を指示する例について説明する図である。図2(A)に示すように、ユーザがリモコンを用いて、音声ビームをアレイ中心軸方向に角度変更指示を行うと、リモコンからビーム角度を変更するコマンドが送信される。スピーカ装置は、このコマンドを受信すると、音声ビームの水平照射方向が変更されるように、各スピーカユニットSPに供給する音声信号の遅延量を再計算する。 【0007】 その後、図2(B)に示すように、ユーザがリモコンを用いて、音声ビームの焦点をスピーカアレイ側に移動(すなわち焦点距離を短く)する指示を行うと、リモコンから焦点距離を変更するコマンドが送信される。スピーカ装置は、このコマンドを受信すると、音声ビームの焦点距離が変更されるように、各スピーカユニットSPに供給する音声信号の遅延量を再計算する。 【特許文献1】特開2006−67218号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0008】 従来は、図2に示したように、ユーザが水平角度、垂直角度、焦点距離の変更指示を行う毎に、その都度各スピーカユニットに供給する音声信号の遅延量を再計算し、設定していた。 【0009】 従来は、ユーザの位置に直接、または壁面で反射して各音声ビームが到達する(焦点を形成する)ように、一旦音声ビームの水平角度、垂直角度、焦点距離を設定すれば、ユーザがその位置にいる限りこれらの設定を変更することはなかった。 【0010】 しかし、近年、ホームシアターシステム(あるいは演劇、舞台等)では、映像の変化に応じて、よりリアルに音声が変化することが望まれており、映像の変化に応じて連続的にビームの角度、焦点距離を変化させることが必要となっている。このような状況において、上記のように、スピーカ装置が、水平角度、垂直角度、焦点距離のコマンドを受信する毎に各スピーカユニットに供給する音声信号の遅延量を再計算していたのではシームレスな音声ビームの変化を行うことができなかった。また、水平角度、垂直角度、焦点距離のコマンドを受信する毎に遅延量の再計算を行っていたのでは処理時間が無駄にかかってしまうという問題も有った。 【0011】 この発明は、シームレスな音声ビームの角度、焦点距離の変化を実現し、遅延量の計算時間を削減することができるスピーカ装置、およびオーディオシステムを提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0012】 この発明のスピーカ装置は、複数のスピーカユニットを配列してなるスピーカアレイと、各スピーカユニットに供給する音声信号に所定の遅延を付与することで、所定方向に強い指向性を有する音声ビームを前記スピーカアレイに出力させる信号処理部と、音声ビームの水平照射方向を指示するコマンド、垂直照射方向を指示するコマンド、およびスピーカアレイからの焦点距離を指示するコマンドを外部から受信する受信部と、前記受信部が受信したコマンドに基づいて、前記信号処理部が各音声信号に付与するべき遅延量を演算し、この演算した遅延量を前記信号処理部に設定することで前記音声ビームの照射方向、焦点を制御する制御部と、を備えたスピーカ装置であって、前記受信部は、前記コマンドの受信に先立って、1または複数のコマンドの組み合わせを示すヘッダ情報をさらに受信し、前記制御部は、前記受信部が前記ヘッダ情報を受信した場合、このヘッダ情報が示すコマンドの組み合わせの全てのコマンドを受信した後、受信した全てのコマンドに基づいて前記遅延量の演算を行うことを特徴とする。 【0013】 この構成では、受信部は、外部から、音声ビームの水平角度、垂直角度、焦点距離(スピーカアレイ中心位置からの距離)を指示するコマンド、およびこれらのコマンド受信に先立って、コマンドの組み合わせを示すヘッダ情報を受信する。制御部は、従来のように、ヘッダ情報を受信せずにコマンドを受信した場合、各コマンドを受信した時点で各スピーカユニットに供給する音声信号に付与する遅延量を計算するモード(通常モード)を実行する。一方で、制御部は、ヘッダ情報を受信したとき、ヘッダ情報の示すコマンドの組み合わせ(水平角度、垂直角度、焦点距離の一部、または全部)の全てのコマンドを受信した時点で各スピーカユニットに供給する音声信号に付与する遅延量を計算するモード(シーケンサモード)を実行する。例えば水平角度、垂直角度の変化を示すコマンドを受信する場合、両方のコマンドを受信してから一括して各スピーカユニットに供給する音声信号の遅延量を計算するため、シームレスに音声ビームの照射角度が変化し、コマンド受信毎にその都度遅延量を計算する必要が無いため、計算時間を削減することができる。なお、ヘッダ情報の示すコマンドの組み合わせが、1つのコマンドを示すものであれば、制御部は、そのコマンドを受信した時点で遅延量を計算するため、通常モードを実行する場合と同等である。 【0014】 なお、コマンドの組み合わせには、他にも音量レベル、音響効果等を指示するコマンドが含まれていてもよい。 【0015】 この発明のオーディオシステムは、請求項1に記載のスピーカ装置と、前記スピーカ装置に接続される外部装置と、からなるオーディオシステムであって、前記外部装置は、音声ビームの照射方向、焦点を含む情報を時系列で表したシーケンスデータを記憶する記憶部と、前記シーケンスデータを前記記憶部から読み出し、前記1または複数のコマンド、およびヘッダ情報を生成するシーケンサと、前記シーケンサが生成した1または複数のコマンド、およびヘッダ情報を前記スピーカ装置の受信部に送信する送信部と、を備えたことを特徴とする。 【0016】 この構成では、外部装置(シーケンサを内蔵するコンテンツ再生装置)に、音声ビームの水平角度、垂直角度、焦点距離を時系列に表した音声ビームシーケンスデータを記憶しておく。シーケンサは、この音声ビームシーケンスデータをシーケンスし、音声ビームの水平角度、垂直角度、焦点距離(スピーカアレイ中心位置からの距離)を指示するコマンド、およびコマンドの組み合わせを示すヘッダ情報を生成する。スピーカ装置の制御部は、ヘッダ情報を受信したとき、ヘッダ情報の示すコマンドの組み合わせ(水平角度、垂直角度、焦点距離の一部、または全部)の全てのコマンドを受信した時点で各スピーカユニットに供給する音声信号に付与する遅延量を計算するモード(シーケンサモード)を実行する。例えば水平角度、垂直角度の変化を示すコマンドを受信する場合、両方のコマンドを受信してから一括して各スピーカユニットに供給する音声信号の遅延量を計算するため、シームレスに音声ビームの照射角度が変化し、コマンド受信毎にその都度遅延量を計算する必要が無いため、計算時間を削減することができる。 なお、コマンドの組み合わせには、他にも音量レベル、音響効果等を指示するコマンドが含まれていてもよい。 【0017】 また、この発明のオーディオシステムは、前記音声ビームの水平照射方向を指示するコマンド、垂直照射方向を指示するコマンド、およびスピーカアレイからの焦点距離を指示するコマンドを、前記ヘッダ情報を付加せずに前記スピーカ装置に送信するリモコン、をさらに備えたことを特徴とする。 【0018】 この構成では、リモコンは、音声ビームの水平角度、垂直角度、焦点距離を指示するコマンドを送信する。この場合、リモコンはヘッダ情報を送信しない。制御部は、リモコンから、ヘッダ情報を受信せずにコマンドを受信した場合、各コマンドを受信した時点で各スピーカユニットに供給する音声信号に付与する遅延量を計算するモード(通常モード)を実行する。これにより、リモコンから音声ビーム角度、焦点を変更するコマンドを受信した場合に通常モードを実行し、外部装置からヘッダ情報、および音声ビーム角度、焦点を変更するコマンドを受信した場合にシーケンサモードを実行する、といった様に、通常モードとシーケンサモードとを切り換えることができる。 【発明の効果】 【0019】 この発明によれば、遅延量の計算時間を削減することができ、シームレスな音声ビームの角度、焦点距離の変化を実現する。また、映像、音声等と同期してリアルタイムに音声ビームを変化させることができ、臨場感あふれる音場を形成することができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0020】 本発明の実施形態に係るオーディオシステムについて図面を参照して説明する。図3は、オーディオシステムの構成を示すブロック図である。このオーディオシステムは、コンテンツ再生装置1、スピーカ装置2、表示装置3、およびリモコン4からなる。 【0021】 コンテンツ再生装置1は、映像データ、音楽データからなるコンテンツを再生する。コンテンツ再生装置1は、制御部11、記憶部12、シーケンサ13、映像処理部14、および操作部15を備えている。制御部11には、記憶部12、シーケンサ13、および操作部15が接続されている。シーケンサ13には映像処理部14が接続されている。 【0022】 記憶部12は、例えば、ハードディスクや、ROM等で構成され、コンテンツ再生装置1を動作させるためのプログラムやこのプログラムの実行に必要なデータが記憶される。また、記憶部12には、複数のコンテンツデータや、各コンテンツデータに対応付けられたシーケンスデータが記憶される。シーケンスデータは、映像シーケンスデータ、音楽シーケンスデータ、および音声ビームシーケンスデータからなる。映像シーケンスデータは、映像データの再生(画像の読み出し)を時系列で表したデータである。音楽シーケンスデータは、音楽の再生(音源による楽音の発生)を時系列で表したデータである。音声ビームシーケンスデータは、後述するように、音声ビームの角度、焦点距離を時系列で表したデータである。 【0023】 シーケンサ13は、これらのシーケンスデータを記憶部12から読み出し、シーケンスデータに示されるタイミングで、映像、音楽を再生し、映像信号を映像処理部14に、音声信号をスピーカ装置2に出力する。また、音声ビームシーケンスデータに示されるタイミングで、スピーカ装置2に音声ビームの角度、焦点距離の変更指示データ(音声ビーム制御情報)を送信する。これにより、映像、音声の変化と音声ビームの変化が同期される。 【0024】 映像処理部14は、シーケンサ13から入力された映像信号に基づいて、液晶ディスプレイ等からなる表示装置3に映像を表示する。 操作部15は、複数の操作ボタンから成る操作インタフェースで構成され、利用者からの操作を受け付ける。 【0025】 制御部11は、記憶部12から動作用プログラムを読み出し、内蔵するRAM(図示せず)に展開することで種々の処理を行う。制御部11は、操作部15を介してユーザから指定されたコンテンツデータを再生する。すなわち、シーケンサ13にシーケンスデータを読み出すように指示し、入力させて映像信号、音声信号を発生させる再生処理を行う。再生したコンテンツの映像信号は映像処理部14に供給され、音声信号はスピーカ装置2に供給される。 【0026】 スピーカ装置2は、コンテンツ再生装置1に接続され、コンテンツ再生装置1から音声信号を受信し、この音声信号に基づいて音声を放音する。 図4は、スピーカ装置2の正面図である。同図において、右方をX、左方を−X、上方をZ、下方を−Zと記載する。スピーカ装置2は、装置本体201に、複数のスピーカユニットSPを放音面が正面に向くようにハニカム状に配列してなるスピーカアレイ202と、スピーカアレイ202の両側に配置された2つのウーファU1、U2を備える。ウーファU1、U2は、大口径のスピーカであり、入力された音声信号の低音域のみを出力する。 【0027】 スピーカアレイ202は、Z〜−Z方向に3段のスピーカユニットSPが所定の間隔を空けて配列され、最上段にはスピーカユニットSP11〜SP115の15個のスピーカユニットSPが所定の間隔を空けて配列されている。中段にはスピーカユニットSP21〜SP214の14個のスピーカユニットSPが所定の間隔を空けて配列されている。最下段にはスピーカユニットSP31〜SP311の11個のスピーカユニットSPが所定の間隔を空けて配列されている。なお、スピーカの個数、配置はこの例に限るものではない。例えば、装置本体の長尺方向に沿って中央部で密に配置され、両端部に向かうに従って疎に配置されるようにしてもよい。 【0028】 このスピーカ装置2は、複数のスピーカユニットSPによりスピーカアレイ202を構成することで、所定方向に強い指向性を有する音声ビームを出力することができる。また、各スピーカユニットSPに入力する音声データに所定の遅延時間を付与することで、音声ビームの出力方向をX−X方向及びZ−Z方向(水平方向、垂直方向)で任意の位置に制御することができ、音声ビームの焦点を任意の位置に制御することができる。この音声ビームは複数設定することも可能である。 【0029】 図3に示すように、スピーカ装置2は、上記スピーカアレイ202、ウーファU1、U2の他に、制御部21、メモリ22、インタフェース23、信号処理部24、および赤外線受信部25を備えている。制御部21にはメモリ22、インタフェース23、信号処理部24、および赤外線受信部25が接続されている。なお、ウーファU1、U2に出力する音声信号に対する信号処理については、ここでは図示、および説明を省略する。 【0030】 メモリ22は、例えば、ハードディスクや、ROM等で構成され、スピーカ装置2を動作させるためのプログラムやこのプログラムの実行に必要なデータが記憶される。 【0031】 インタフェース23は、コンテンツ再生装置1から音声信号、および音声ビーム制御情報を入力するためのインタフェース回路である。インタフェース23は、コンテンツ再生装置1から音声信号を入力し、これを信号処理部24に出力する。インタフェース23は、コンテンツ再生装置1から音声ビーム制御情報を入力し、これを制御部21に出力する。また、インタフェース23は、入力された音声信号を各チャンネル(例えばセンタ、フロント左右、リア左右)毎に切り分けて信号処理部24に出力する。 【0032】 信号処理部24は、入力音声信号を各チャンネル毎にレベル調整、遅延付与し、これを後段のスピーカユニットSPに対して出力する。信号処理部24は、各スピーカユニットSPに供給する音声信号のレベル、遅延量を個別にコントロールすることで、音声ビームの出力角度、焦点距離を制御する。レベル調整量、遅延量は、制御部21により設定される。 【0033】 制御部21は、例えばCPU等で構成され、インタフェース23を介してコンテンツ再生装置1から入力された音声ビーム制御情報に基づいて、各スピーカユニットSPに供給する音声信号のレベル、遅延量を演算し、これを信号処理部24に設定する(シーケンサモード)。また、赤外線受信部25を介してリモコン4から入力される音声ビーム制御情報(この場合、音声ビームの照射方向、焦点距離を変更指示するコマンド)に基づいて、音声信号のレベル、遅延量を演算し、信号処理部24に設定する(通常モード)。すなわち、制御部21は、インタフェース23を介してコンテンツ再生装置1から音声ビーム制御情報を入力した場合にはシーケンサモードを実行し、赤外線受信部25を介してリモコンから音声ビーム制御情報を受信した場合には通常モードを実行する。 【0034】 通常モードでは、ユーザは、リモコン4を用いて音声ビーム角度、焦点距離、音量等の変更を指示することができる。リモコン4は、複数の操作ボタンから成る操作部を備え、操作部から入力されるユーザの操作情報を送信するための赤外線送信部を備えている。ユーザは、操作部を用いて音声ビーム角度、焦点距離、音量等のいずれか1つの変更を指示し、この指示に基づく音声ビーム制御情報はリモコン4の赤外線送信部からスピーカ装置2の赤外線受信部25を介して制御部21に送信される。スピーカ装置2の制御部21は、この音声ビーム制御情報を受信すると、コマンドで指示される角度で音声ビームが出力されるように、各スピーカユニットSPに供給する音声信号の遅延量を再計算する。 【0035】 以下、シーケンサモードでのオーディオシステムの具体的な動作について説明する。ユーザが操作部15を用いてコンテンツ再生を指示すると、制御部11は、シーケンサ13に、記憶部12からそのコンテンツに対応付けられているシーケンスデータを読み出すよう設定する。 【0036】 音声ビームシーケンスデータは、図5に示すように、音声ビームの角度、焦点距離を時系列で表したデータである。図5は、音声ビームシーケンスデータの構成を示す図である。同図(A)に示すグラフは音声ビームシーケンスデータを時間軸で示したものであり、同図(B)に示す表は、音声ビームシーケンスデータを各時間タイミングで列記したものである。同図(A)のグラフの横軸は時間、縦軸はビーム角度、および焦点距離を表す。ビーム角度とは、スピーカアレイのアレイ中心位置から正面の中心軸とのずれ角を意味する。つまり、スピーカアレイのアレイ中心位置から正面に出力する音声ビームをビーム角度0度、真横右方(上方)に出力する音声ビームをビーム角度90度、真横左方(下方)に出力する音声ビームをビーム角度−90度としている。焦点距離とは、スピーカアレイ中心位置から焦点までの距離を意味する。なお、図示はしていないが、音声ビームシーケンスデータに音量や、音響効果を示す情報が記載されていてもよい。音響効果とは、所謂リバーブ、コーラス等の効果である。音響効果は信号処理部24が各音声ビームに付与する。 【0037】 シーケンサ13は、同図(A)、および同図(B)に示す音声ビームシーケンスデータをシーケンスし、音声ビーム制御情報を生成し、スピーカ装置2に出力する。例えば時間T0の時点では、音声ビームシーケンスデータは、水平角度−60度、垂直角度75度、焦点距離1mを示しているので、シーケンサ13は、スピーカ装置2に、水平角度−60度、垂直角度75度、焦点距離1mに音声ビームを設定するよう指示する情報(音声ビーム制御情報)を送信する。次に、時間T1の時点では、音声ビームシーケンスデータは、水平角度−40度、垂直角度−10度、焦点距離3mを示しているので、シーケンサ13は、スピーカ装置2に、水平角度−40度、垂直角度−10度、焦点距離3mに音声ビームを設定するよう指示する情報を送信する。 【0038】 ここで、シーケンサ13がスピーカ装置2に送信する音声ビーム制御情報について説明する。図6は、音声ビーム制御情報を説明する図である。音声ビーム制御情報は、複数の音声ビームの各チャンネル毎に送信される。音声ビーム制御情報は、ヘッダである転送モード、チャンネル、および音声ビームの制御を示すデータからなる。音声ビームの制御を示す情報は、さらに水平角度、垂直角度、焦点距離、音量レベルを指示する1、または複数のコマンドからなる。 【0039】 転送モードは、送信する音声ビームの制御を示す情報の内容(すなわちコマンドの組み合わせ)を示し、例えば同図(A)に示すように、転送モードが「転送モード1」を示していれば、その後送信されるデータには、音声ビームの制御を示す情報として水平角度を指示するコマンドが1つだけ送信されることを意味する。また、同図(B)に示すように、転送モードが「転送モード2」を示していれば、その後送信されるデータには、音声ビームの制御を示す情報として水平角度、および垂直角度を指示する2つのコマンドが送信されることを意味する。また、同図(C)に示すように、転送モードが「転送モード3」を示していれば、その後送信されるデータには、音声ビームの制御を示す情報として水平角度、垂直角度、および焦点距離を指示する3つのコマンドが送信されることを意味する。また、同図(D)に示すように、転送モードが「転送モード4」を示していれば、その後送信されるデータには、音声ビームの制御を示す情報として水平角度、垂直角度、焦点距離、および音量レベルを指示する4つのコマンドが送信されることを意味する。なお、ここでは「転送モード1」として水平角度を指示するコマンドを送信する例について説明しているが、水平角度以外に垂直角度を指示するコマンド、焦点距離を指示するコマンド、または音量レベルを指示するコマンドのみを送信する場合も「転送モード1」とする。「転送モード2」も同様に、水平角度、および焦点距離を指示するコマンドを送信する場合などもこのモードに含まれ、「転送モード3」も同様に、水平角度、垂直角度、および音量レベルを指示するコマンドを送信する場合などもこのモードに含まれる。 【0040】 スピーカ装置2の制御部21は、音声ビーム制御情報を受信したとき、転送モードの示す「モード1〜4」を判断する。制御部21は、転送モードの示す各モードに従って、スピーカユニットSPに供給する音声信号の遅延量を計算する。つまり、制御部21は、「転送モード1」を示す音声ビーム制御情報を受信したとき、水平角度を指示するコマンドを受信した時点で遅延量の計算を開始する。これは、図2に示したようなリモコン4から音声ビーム制御情報(転送モードが含まれていない情報)を受信する場合、すなわち通常モードと同等である。 【0041】 制御部21は、「転送モード2」を示す音声ビーム制御情報を受信したとき、水平角度、および垂直角度を指示するコマンドを受信した時点で遅延量の計算を開始する。制御部21は、「転送モード3」を示す音声ビーム制御情報を受信したとき、水平角度、垂直角度、焦点距離を指示するコマンドを受信した時点で遅延量の計算を開始する。また、制御部21は、「転送モード4」を示す音声ビーム制御情報を受信したとき、水平角度、垂直角度、および焦点距離を指示するコマンドを受信した時点で遅延量の計算を開始する。 【0042】 シーケンサ13は、上記のいずれかのモードで音声ビーム制御情報を送信する。例えば、図5に示した時間T1のタイミングでは、音声ビームが水平角度−60度、垂直角度75度、焦点距離1mの設定から、水平角度−40度、垂直角度−10度、焦点距離3mに変化するので、シーケンサ13は、スピーカ装置2に転送モード3で、水平角度−40度、垂直角度−10度、焦点距離3mを示す音声ビーム制御情報を送信する。一方で、図5に示す時間T4のタイミングでは、音声ビームが水平角度10度、垂直角度−50度、焦点距離5mの設定から、水平角度が40度に変化するだけであるため、シーケンサ13は、スピーカ装置2に転送モード1で、水平角度40度を示す音声ビーム制御情報を送信する。 【0043】 なお、シーケンサ13は、スピーカ装置2に転送モード1で、水平角度−40度、垂直角度−10度、焦点距離3mを示す音声ビーム制御情報を送信することも無論可能である。この場合、まず転送モード1で、水平角度−40度を指示するコマンドを送信し、次に転送モード1で垂直角度−10度を指示するコマンドを送信し、最後に転送モード1で焦点距離3mを指示するコマンドを送信すればよい。 【0044】 シーケンサ13が以上のような転送モード1〜4を使い分けて音声ビーム制御情報を送信し、制御部21が転送モード1〜4で遅延量の計算を開始するタイミングを変更することで、図7に示すように、遅延量の計算時間を削減することができ、シームレスな音声ビームの角度、焦点距離の変化を実現する。また、映像、音声と同期してリアルタイムに音声ビームを変化させることができ、臨場感あふれる音場を形成することができる。 【0045】 図7は、音声ビーム制御情報として、水平角度、および垂直角度を変更する情報を、転送モード1と転送モード2で送信した場合の遅延量の計算時間、音声ビームの角度変化を比較する図である。 【0046】 図7(A)は、転送モード1と転送モード2の遅延量の計算時間を比較する図である。同図(A)に示すように、制御部21は、転送モード1では、まず水平角度を指示するコマンドを受信したタイミングで遅延量の計算を開始し、この計算が終了して信号処理部24に遅延量を設定した後、垂直角度を指示するコマンドに基づいて、遅延量の再計算を行う。これに対し、転送モード2では、水平角度、垂直角度を指示するコマンドの両方を受信したタイミングで、この2つのコマンドが指示する角度に基づいて遅延量の計算を開始する。これにより、同じ角度変化を指示するコマンドを受信した場合であっても、転送モード2で遅延量を計算する場合のほうが計算時間が削減される。 【0047】 同図(B)は、転送モード1と転送モード2の音声ビームの角度変化を比較する図である。同図(B)に示すように、制御部21は、転送モード1では、まず水平角度を指示するコマンドを受信したタイミングで遅延量の計算を開始して信号処理部24に遅延量を設定し、一旦音声ビームの角度を変更する。この後、垂直角度を指示するコマンドに基づいて、遅延量の再計算を行い、信号処理部24に再設定する。これに対し、転送モード2では、水平角度、垂直角度を指示するコマンドの両方を受信したタイミングで、この2つのコマンドが指示する角度に基づいて遅延量の計算を開始して信号処理部24に遅延量を設定するため、目的の音声ビーム角度に一度に変更する。したがって、転送モード1では、一旦音声ビームの水平角度が変更された後に垂直角度が変更させることとなるが、転送モード2では、シームレスに音声ビームの角度が変更されることとなる。 【図面の簡単な説明】 【0048】 【図1】音声ビーム制御について説明する図 【図2】音声ビーム角度、焦点の変更を指示する例について説明する図 【図3】オーディオシステムの構成を示す図 【図4】スピーカ装置2の正面図 【図5】音声ビームシーケンスデータの構成を示す図 【図6】音声ビーム制御情報を説明する図 【図7】音声ビーム制御情報として、水平角度、および垂直角度を変更する情報を、転送モード1と転送モード2で送信した場合の遅延量の計算時間、音声ビームの角度変化を比較する図 【符号の説明】 【0049】 1−コンテンツ再生装置1 2−スピーカ装置 10−リモコン
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| 【出願人】 |
【識別番号】000004075 【氏名又は名称】ヤマハ株式会社
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| 【出願日】 |
平成18年7月28日(2006.7.28) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100084548 【弁理士】 【氏名又は名称】小森 久夫
【識別番号】100123940 【弁理士】 【氏名又は名称】村上 辰一
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| 【公開番号】 |
特開2008−35252(P2008−35252A) |
| 【公開日】 |
平成20年2月14日(2008.2.14) |
| 【出願番号】 |
特願2006−206894(P2006−206894) |
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