| 【発明の名称】 |
スピーカー装置用磁気回路及びスピーカー装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】土肥 寛幸
【氏名】三戸部 邦男
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| 【要約】 |
【課題】主として、製品コストの低減を図ることが可能なラジアル型のスピーカー装置用磁気回路を提供する。
【構成】この磁気回路は、磁性を有し、柱状の形状に形成されたセンターポールを含むヨークと、センターポールの周囲に一様に配置され、センターポールとの間で磁気ギャップを形成する複数の平板型のマグネットと、を備え、マグネットの各々は、厚さ方向と平行な方向に且つセンターポールに向かう方向に着磁されてなり、ラジアル型の磁気回路を構成している。このように平板型のマグネットの各々は、円弧状ではなく平板型の形状に形成されるのでマグネットの加工が容易であり、マグネットを形成するための工数を低減できる。また、この平板型のマグネットの各々は、その厚さ方向に着磁されるため特殊な着磁機を必要としない。よって、平板型のマグネットを着磁するための工数を低減できる。その結果、磁気回路の製品コストを低減できる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 磁性を有し、柱状の形状に形成されたセンターポールを有するヨークと、 前記センターポールの周囲に一様に配置され、前記センターポールとの間で磁気ギャップを形成する複数の平板型のマグネットと、を備え、 前記平板型のマグネットの各々は、厚さ方向と平行な方向に且つ前記センターポールに向かう方向に着磁されてなることを特徴とするスピーカー装置用磁気回路。 【請求項2】 前記厚さ方向は、前記センターポールの突出方向と略直交する方向であることを特徴とする請求項1に記載のスピーカー装置用磁気回路。 【請求項3】 相隣接する前記平板型のマグネット同士は接着されていないことを特徴とする請求項1又は2に記載のスピーカー装置用磁気回路。 【請求項4】 前記平板型のマグネットの各々は台形状の断面形状を有し、 相隣接する当該平板型のマグネット同士は接着されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のスピーカー装置用磁気回路。 【請求項5】 前記平板型のマグネットの各々と前記センターポールとの間には、磁性を有する第1のプレートが設けられていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のスピーカー装置用磁気回路。 【請求項6】 前記平板型のマグネットの各々の外側には、磁性を有する第2のプレートが設けられていることを特徴とする請求項5に記載のスピーカー装置用磁気回路。 【請求項7】 請求項1乃至6のいずれか一項に記載のスピーカー装置用磁気回路を備えるスピーカー装置。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、スピーカー装置用磁気回路の構成に関する。 【背景技術】 【0002】 従来より、ラジアル方向に着磁された環状のマグネットと、ヨークと、を備え、マグネットとヨークの間で磁気ギャップ(空隙)を形成することにより高い磁気効率を得ることのできるラジアル型のスピーカー装置用磁気回路が知られている。 【0003】 この種の磁気回路の一例が特許文献1にも記載されている。特許文献1に記載の磁気回路では、円弧状のマグネットが、センターポール又はヨークとの間で磁気ギャップを形成しており、マグネットと空隙を介して対向するヨーク又はセンターポールのマグネットの磁束密度の複数の疎の位置に切欠部を設けている。これにより、磁気回路の放熱効果等が得られるものとされている。 【0004】 【特許文献1】特開2002−27591号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0005】 しかしながら、上記したラジアル型の磁気回路では、環状のマグネットをラジアル方向(磁石径方向)に着磁するために特殊な着磁機が必要になり、その分だけ工数が増えてしまうという課題があった。 【0006】 また、上記した特許文献1に記載の磁気回路では、上記の課題に加え、マグネットを円弧状の形状に形成する必要があるが、環状のマグネットを形成する場合と比較してその加工が困難であり、その分だけ更に工数が増えてしまうという課題があった。 【0007】 よって、上記したラジアル型の磁気回路や特許文献1に記載の磁気回路では、その工数の増加に伴って、磁気回路の製品コストが増加してしまうという課題があった。 【0008】 本発明が解決しようとする課題としては、上記のようなものが例として挙げられる。本発明は、主として、製品コストの低減を図ることが可能なラジアル型のスピーカー装置用磁気回路及びそれを備えたスピーカー装置を提供することを課題とする。 【課題を解決するための手段】 【0009】 請求項1に記載の発明は、スピーカー装置用磁気回路であって、磁性を有し、柱状の形状に形成されたセンターポールを有するヨークと、前記センターポールの周囲に一様に配置され、前記センターポールとの間で磁気ギャップを形成する複数の平板型のマグネットと、を備え、前記平板型のマグネットの各々は、厚さ方向と平行な方向に且つ前記センターポールに向かう方向に着磁されてなることを特徴とする。 【発明を実施するための最良の形態】 【0010】 本発明の1つの実施形態では、スピーカー装置用磁気回路は、磁性を有し、柱状の形状に形成されたセンターポールを有するヨークと、前記センターポールの周囲に一様に配置され、前記センターポールとの間で磁気ギャップを形成する複数の平板型のマグネットと、を備え、前記平板型のマグネットの各々は、厚さ方向と平行な方向に且つ前記センターポールに向かう方向に着磁されてなる。 【0011】 上記のスピーカー装置用磁気回路は、磁性を有し、柱状の形状に形成されたセンターポールを有するヨークと、センターポールの周囲に一様に配置され、センターポールとの間で磁気ギャップを形成する複数の平板型のマグネットと、を備えている。そして、平板型のマグネットの各々は、厚さ方向と平行な方向に且つセンターポールに向かう方向に着磁されてなる。ここで、平板型のマグネットの各々の前記厚さ方向は、前記センターポールの突出方向と略直交する方向とすることができる。 【0012】 好適な例では、前記平板型のマグネットの各々と前記センターポールとの間には、磁性を有する第1のプレートが設けられているのが好ましい。また、前記平板型のマグネットの各々の外側には、磁性を有する第2のプレートが設けられているのが好ましい。 【0013】 これにより、このスピーカー装置用磁気回路は、複数の平板型のマグネットを有するラジアル型の磁気回路を構成している。そして、この平板型のマグネットの各々は、上記した先行技術(比較例)のように円弧状ではなく、平板型の形状に形成されるので、比較例と比較してマグネットの加工が容易であり、マグネットを形成するための工数を低減することができる。また、この平板型のマグネットの各々は、その厚さ方向に着磁されるため、当該平板型のマグネットの各々を着磁するに際して特殊な着磁機を必要としない。よって、上記した比較例と比較して、平板型のマグネットを着磁するための工数を低減することができる。このように、その工数を低減することができるので、磁気回路の製品コストを低減できる。 【0014】 また、このスピーカー装置用磁気回路は、複数の平板型のマグネットを用いてラジアル型の磁気回路を構成しているため、比較例のように円弧状のマグネットを用いてラジアル型の磁気回路を構成しているものと比較して、マグネット効率が良くなる。なぜならば、比較例では、相隣接するマグネット同士が接着されるため、その接着部分では、反発磁界の影響を受けて磁束が低下してマグネット効率が悪くなるのに対して、このスピーカー装置用磁気回路では、複数の平板型のマグネットをセンターポールの周囲に一様に配置しているため磁気ギャップ内の全てに亘って磁束が均一となり、比較例と比較してマグネット効率が良くなるためである。よって、このスピーカー装置用磁気回路の構成によれば、比較例よりも、マグネットの材料コストを下げることができると共に、磁気回路の軽量化を図ることができる。 【0015】 上記のスピーカー装置用磁気回路の一つの態様では、相隣接する平板型のマグネット同士は接着されていない。したがって、このスピーカー装置用磁気回路の組立て時に、相隣接する平板型のマグネット同士の境界部分に反発磁界が生じることがないので、その反発磁界の影響を受けることなく、マグネットの各々を磁気回路に容易に取り付けることができる。よって、上記した比較例と比較して、スピーカー装置用磁気回路の組立て作業の作業性の向上を図ることができる。 【0016】 また、この態様では、上記のように相隣接する平板型のマグネット同士は接着されていない。したがって、当該相隣接する平板型のマグネットの境界部分に対応する磁気ギャップでは、一方の平板型のマグネットの磁束に、他方の平板型のマグネットの磁束が付加されるため磁束が密となる。つまり、平板型のマグネットからセンターポールまでの距離が最も大きい領域に対応する磁気ギャップでは、磁束が密になる。これに対して、平板型のマグネットからセンターポールまでの距離が最も短い領域に対応する磁気ギャップには、1つの当該平板型のマグネットしか存在しないので、上記の磁束が密になる領域と比較して磁束が疎になる。これにより、センターポールの周方向に形成された磁気ギャップ内の全てに亘って磁束を均一にすることができる。 【0017】 本発明の他の実施形態では、上記のスピーカー装置用磁気回路を備えるスピーカー装置を構成することができる。 【実施例】 【0018】 以下、図面を参照して本発明の好適な実施例について説明する。 【0019】 [スピーカー装置の構成] まず、図1乃至図3を参照して、本発明の実施例に係るスピーカー装置用の磁気回路30を有するスピーカー装置100の構成について説明する。 【0020】 図1は、本発明の実施例に係るスピーカー装置用の磁気回路30を含むスピーカー装置100を、その中心軸L1を通る平面で切断したときの断面図を示す。 【0021】 スピーカー装置100は、主として、ヨーク1、第1のプレート2、複数のマグネット3、及び複数の第2のプレート4を有する磁気回路30と、フレーム5、ボイスコイルボビン6、ボイスコイル7、ダンパー8、振動板9、エッジ10、及びキャップ11を有する振動系部材31と、を備えて構成される。 【0022】 (磁気回路の構成) ここで、図1乃至図3を参照して、磁気回路30の構成について説明する。 【0023】 図2(a)は、磁気回路30の分解斜視図を示す。図2(b)は、図2(a)に示す磁気回路30を組立てた状態の構成を示す斜視図である。図3は、図1の矢印Y1方向と逆方向から観察した磁気回路30の正面図を示す。 【0024】 磁気回路は、いわゆるラジアル型の磁気回路を構成している。 【0025】 ヨーク1は、磁性を有し、柱状の形状(本例では、中空円柱状の形状)に形成されたセンターポール1aと、センターポール1aの外周壁の下端部から外側へ延在するように形成されたフランジ部1bと、を有する。フランジ部1bは、相隣接するマグネット3の境界付近、及び、相隣接する第2のプレート4の境界付近に夫々対応する位置に切り欠き部1baを有する。 【0026】 第1のプレート2は、磁性を有し、センターポール1aより大きな直径を有する開口を含む直方体の形状に形成されている。第1のプレート2は、その内周壁とセンターポール1aの外周壁との間に一定の間隔(ギャップ)を形成するように、フランジ部1b上に取り付けられる。このギャップは、後述するマグネット3の各々の磁束が集中する磁気ギャップ32である。 【0027】 マグネット3の各々は、平板型の形状を有し、センターポール1aを取り囲む位置に配置され、さらにセンターポール1aの周方向に4つに分割して配置された状態にて、第1のプレート2の外壁に取り付けられる。また、マグネット3の各々は、センターポール1aの周囲に一様に配置されており、センターポール1aとの間で第1のプレート2を介して磁気ギャップ32を形成している。そして、マグネット3の各々は、図3の矢印に示すように、その厚さ方向と平行な方向に着磁され、且つ当該センターポール1aに向かう方向に着磁されてなる。ここで、マグネット3の各々の厚さ方向は、センターポール1aの突出方向(図1の矢印Y1方向)と略直交する方向となっている。また、図3の破線領域E1に示すように、相隣接する平板型のマグネット3同士は接着されていない。 【0028】 第2のプレート4の各々は、磁性を有し、円弧状、半円状若しくは蒲鉾状の断面形状に形成されている。第2のプレート4の各々は、マグネット3の各々の外側に取り付けられている。 【0029】 (振動系部材の構成) フレーム5は、椀状の形状及び階段状の断面形状を有し、スピーカー装置100を構成する様々な構成要素を支持する。フレーム5は、その中央部付近に階段状の形状を有し、後述するダンパー8の外周部が取り付けられる段部5aを有する。フレーム5の下端部上には、磁気回路30が取り付けられている。 【0030】 ボイスコイルボビン6は、円筒状の形状を有し、ヨーク1の要素であるセンターポール1aの外周壁を覆う位置に配置されている。 【0031】 ボイスコイル7は、1対のプラス及びマイナスのリード線(図示略)を有し、ボイスコイルボビン6の外周壁の下端部付近に巻かれている。このため、ボイスコイル7は、磁気ギャップ32内に配置されている。ここで、プラス側のリード線はL(又はR)チャンネル信号の入力配線であり、マイナス側のリード線はグランド(GND:接地)信号の入力配線である。各リード線は、フレーム5の適当な位置に設けられたスピーカー装置用端子(図示略)に夫々電気的に接続されている。なお、かかるスピーカー装置用端子は、アンプ側の1対のプラス及びマイナスの出力配線にも電気的に接続されている。これにより、ボイスコイル7には、アンプ側から1チャンネル分の信号及び電力(以下、単に「音声電流」とも称する)が夫々入力される。 【0032】 ダンパー8は、環状の形状を有すると共に同心円状の複数の波形形状(コルゲーション)を有し、ボイスコイルボビン6を弾性的に支持する。ダンパー8の内周縁部はボイスコイルボビン6の外周壁の上端部に取り付けられている一方、ダンパー8の外周部はフレーム5の段部5a上に取り付けられている。 【0033】 振動板9は、コーン状の形状をなし、入力信号に応じた音波を放射する機能を有する。振動板9の内周縁部はボイスコイルボビン6の外周壁の上端部に取り付けられている。 【0034】 エッジ10は、環状の形状及びΩ状の断面形状を有し、スピーカー装置100で生じる不要な振動などを吸収する機能を有する。エッジ10の内周縁部は振動板9の外周縁部に取り付けられる一方、エッジ9の外周縁部はフレーム9の上端部に取り付けられる。 【0035】 キャップ11は、ドーム形状を有し、スピーカー装置100の内部に粉塵等が侵入するのを防止する機能を有する。キャップ11は、ボイスコイルボビン6の上面側を覆う位置に配置され、振動板9の放音面に取り付けられている。 【0036】 以上の構成を有するスピーカー装置100において、アンプ側から出力された音声電流は、スピーカー装置用端子、ボイスコイル7の1対のプラス及びマイナスのリード線を通じて、当該ボイスコイル7へ入力される。これにより、フレミングの左手の法則に基づき、磁気ギャップ32内でボイスコイル7に駆動力が発生し、振動板9をスピーカー装置100の中心軸L1方向へ振動させる。これにより、振動板9を通じて矢印Y1方向に音波が放射される。 【0037】 次に、比較例と比較した、本発明の実施例に係る磁気回路の有利な点について説明する。 【0038】 まず、図4を参照して、比較例に係る磁気回路35の構成について説明する。なお、以下では、上記した本実施例と同一の要素については同一の符号を付し、その説明は省略する。 【0039】 比較例に係る磁気回路35は、センターポール1a及びフランジ部1bを有するヨーク1と、円弧状、半円状若しくは蒲鉾状の断面形状を有する複数のマグネット3xと、環状の形状を有するプレート45と、を有して構成され、いわゆるラジアル型の磁気回路を構成している。 【0040】 マグネット3xの各々は、図中矢印に示すように、その厚さ方向に且つセンターポール1aに向かうラジアル方向に着磁され、センターポール1aを取り囲む位置に配置されると共に、センターポール1aの周方向に4つに分割して配置される。そして、相隣接するマグネット3xの端部同士は接着され、マグネット3xの各々と、センターポール1aとの間には磁気ギャップ32が形成されている。プレート45は、環状の形状を有し、各マグネット3xを覆う位置に配置されている。 【0041】 かかる構成を有する比較例では、マグネットを円弧状の形状に形成する必要があるが、環状のマグネットを形成する場合と比較してその加工は困難であり、その分だけ工数が増えてしまうという課題があった。また、比較例の場合、円弧状のマグネット3xをラジアル方向(磁石径方向)に着磁するために特殊な着磁機が必要になり、これに伴い着磁するための工数が増えてしまうという課題があった。よって、比較例では、その工数増加に伴って磁気回路35の製品コストが増加してしまうという課題があった。 【0042】 また、比較例において、1組の相隣接するマグネット3xに着目した場合、一方のマグネット3xの端部と、当該端部に接着される他方のマグネット3xの端部とは、図示を省略するがN極及びS極の極性が逆になっている。このため、磁気回路35の組立て時において、相隣接するマグネット3x同士を接着する場合、その両者のマグネット3x同士が互いに反発し合い、その反発磁界の影響を受けて、磁気回路35の組み立て作業の作業性が悪いという課題があった。 【0043】 また、比較例では、上記したように相隣接するマグネット3xの端部同士は極性が逆になっているので、その隣り合うマグネット3xの境界部分に対応する磁気ギャップ32では磁束が打ち消し合って磁束が低下してしまうという課題があった。 【0044】 この点につき、実験した結果を図5のグラフに示す。図5は、比較例に係る磁気回路35と本実施例に係る磁気回路30との磁束(T)と角度(θ)の関係を示すグラフである。図5において、縦軸は磁束(T)の大きさを、また、横軸は磁気回路の周方向の角度(°)を示す。即ち、角度(°)は、図3及び図4において、紙面右側の磁気回路30又は35の位置を0°(又は360°)としたときに、その位置から半時計回りに測った角度θを示している。また、図5において、実線で示すグラフg1は、本実施例の磁気回路30のグラフを示し、また、一点鎖線で示すグラフg2は、比較例に係る磁気回路35のグラフを示している。 【0045】 図5のグラフより、比較例では、0°(=360°)、90°、180°、270°の4つの付近で磁束の低下が見られる。これは、比較例において相隣接するマグネット3xの端部同士の極性が逆になっている境界部分が、0°(=360°)、90°、180°、270°に対応しており、その境界部分に対応する磁気ギャップ32では磁束が打ち消し合って磁束が低下するためである。よって、比較例では、磁気ギャップ32の周方向において均一に磁束を形成することができないという課題がある。 【0046】 以上に述べた課題を解決するためには、本実施例に係る磁気回路30の構成を採ることが有効である。 【0047】 即ち、本実施例に係る磁気回路30は、磁性を有し、柱状の形状に形成されたセンターポール1aを有するヨーク1と、センターポール1aの周囲に一様に配置され、前記センターポール1aとの間で磁気ギャップ32を形成する複数の平板型のマグネット3と、を備え、平板型のマグネット3の各々は、図3の矢印に示すように、厚さ方向と平行な方向に且つ当該センターポール1aに向かう方向に着磁されてなる。ここで、平板型のマグネット3の各々の厚さ方向は、センターポール1aの突出方向と略直交する方向となっている。 【0048】 これにより、この磁気回路は、複数の平板型のマグネット3を有するラジアル型の磁気回路を構成している。そして、この平板型のマグネット3の各々は、比較例のように円弧状ではなく、平板型の形状に形成されるので、比較例と比較してマグネット3の加工が容易であり、マグネット3を形成するための工数を低減することができる。また、この平板型のマグネット3の各々は、その厚さ方向に着磁されるため、当該平板型のマグネット3の各々を着磁するに際して特殊な着磁機を必要としない。よって、上記した比較例と比較して、平板型のマグネット3を着磁するための工数を低減することができる。このように、その工数を低減することができるので、磁気回路30の製品コストを低減できる。 【0049】 また、本実施例に係る磁気回路30では、図3の破線領域E1に示すように、相隣接する平板型のマグネット3同士は接着されていない。したがって、磁気回路30の組立て時に、相隣接する平板型のマグネット3同士の境界部分に反発磁界が生じることがないので、その反発磁界の影響を受けることなく、マグネット3の各々を第1のプレート2の外壁に容易に取り付けることができる。よって、比較例と比較して、磁気回路30の組立て作業の作業性の向上を図ることができる。 【0050】 また、上記のように相隣接する平板型のマグネット3同士は接着されていない。したがって、当該相隣接する平板型のマグネット3の境界部分(破線領域E1)に対応する磁気ギャップ32では、一方の平板型のマグネット3の磁束に、他方の平板型のマグネット3の磁束が付加されるため磁束が密となる。つまり、平板型のマグネット3からセンターポール1aまでの距離が最も大きい破線領域E1に対応する磁気ギャップ32では、磁束が密になる。これに対して、平板型のマグネット3からセンターポール1aまでの距離が最も短い破線領域E2に対応する磁気ギャップ32には、1つの当該平板型のマグネット3しか存在しないので、破線領域E1に対応する磁気ギャップ32に生じる磁束と比較して磁束が疎になる。これにより、本実施例では、図5のグラフg1に示されるように、センターポール1aの周方向に形成された磁気ギャップ32内の全てに亘って磁束を均一にすることができる。 【0051】 また、本実施例では、複数の平板型のマグネット3を用いてラジアル型の磁気回路を構成しているため、比較例のように円弧状のマグネット3xを用いてラジアル型の磁気回路を構成しているものと比較して、マグネット効率が良くなる。なぜならば、比較例では、相隣接するマグネット同士が接着されるため、その接着部分では、上記した理由により磁束が低下してマグネット効率が悪くなるのに対して、本実施例では、上記した理由により、また、複数の平板型のマグネットをセンターポールの周囲に一様に配置しているため磁気ギャップ32内の全てに亘って磁束が均一になり、比較例と比較してマグネット効率が良くなるためである。ここで、環状のマグネットを用いてラジアル型の磁気回路を構成しているもの(他の比較例)と、比較例と、本実施例とを、同一の条件のもと、磁気ギャップ内に形成される磁束密度の大きさを同等にするために必要とされるマグネットの使用量を比較した結果、他の比較例ではマグネットが36.2(g)必要であり、また、比較例ではマグネットが44.7(g)必要であり、また、本実施例ではマグネットが33.8(g)必要であることがわかった。なお、「同一の条件」とは、他の比較例、比較例、及び本実施例の各磁気回路においてマグネット以外の構成を略同一の構成とした場合を意味する。 【0052】 以上の実験結果より、他の実施例、比較例及び本実施例において同一の性能を得ることのできる磁気回路を用いた場合、本実施例は、他の比較例及び比較例と比較して、マグネットの使用量を最も減らすことができることが理解される。よって、本実施例は、他の比較例及び比較例よりも、マグネットの材料コストを下げることができると共に、磁気回路30の軽量化を図ることができる。 【0053】 また、本実施例では、相隣接するマグネット3の境界付近、及び、相隣接する第2のプレート4の境界付近に夫々対応するフランジ部1bの部分(即ち、破線領域E1に対応するフランジ部1bの部分)に切り欠き部1baを設けているので、次のようなことが可能となる。即ち、本実施例において、相隣接するマグネット3に着目した場合、一方のマグネット3と他方のマグネット3の極性は逆極性となっている。このため、当該相隣接するマグネット3の境界部分(破線領域E1)では、一方のマグネット3の磁束と、他方のマグネット3の磁束とが打ち消し合い、磁束が低下し易くなる。しかし、本実施例では、破線領域E1に対応するフランジ部1bに切り欠き部1baを設けているので、破線領域E1に対応する磁気回路30の部分で磁束のショートが発生し難くなり、磁束が低下するのを抑制することができる。 【0054】 [変形例] 本発明では、平板型のマグネット3をラジアル型の磁気回路30に適用している点に特徴を有するため、磁気回路30において、平板型のマグネット3以外の構成要素についての形状、大きさなどに限定はなく、それらの構成要素は種々の変形をすることが可能である。また、本発明では、マグネット3は平板型の形状を有していればよく、そのマグネット3の断面形状にも限定はない。以下、図6及び図7を参照して、各種の変形例に係る磁気回路の構成について説明する。なお、以下では、上記した実施例と同一の要素については同一の符号を付し、その説明は省略する。 【0055】 図6(a)は、変形例1に係る磁気回路30wの構成を示す斜視図である。図6(b)は、変形例2に係る磁気回路30xの構成を示す斜視図である。図7(a)は、変形例3に係る磁気回路30yの構成を示す斜視図である。図7(b)は、変形例4に係る磁気回路30zの構成を示す斜視図である。 【0056】 変形例1の磁気回路30wと、上記した実施例に係る磁気回路30とを比較すると、変形例1では、相隣接する平板型のマグネット3の境界部分に対応するフランジ部1bに切り欠き部1bを設けていない点が上記した実施例と異なっており、それ以外の構成は上記した実施例と同一である。このため、変形例1では、相隣接する平板型のマグネット3の境界部分に対応する磁気回路の部分で磁束が若干低下するものの、その反面、ヨーク1を加工しない分だけ、つまりヨーク1に切り欠き部1baを設けない分だけ、上記した実施例と比較して、ヨーク1の製品コストを下げることができる。 【0057】 また、変形例2の磁気回路30xと、上記した実施例に係る磁気回路30とを比較すると、上記した実施例では、第2のプレート4は、円弧状(蒲鉾状、若しくは半円状)の断面形状に形成されているのに対して、変形例2では、第2のプレート4xが平板型の形状に形成されている。これにより、変形例2の第2のプレート4xは、上記した実施例の第2のプレート4と比較して加工し易くなり、その分、第2のプレート4xの部品コストを下げることができる。また、変形例2では、角型の第2のプレート4xの形状に合わせるように、フランジ部1bの形状を角型の形状に形成していると共に、相隣接するマグネット3の境界部分に対応するフランジ部1bに切り欠き部1baを設けている。これにより、相隣接する平板型のマグネット3の境界部分に対応する磁気回路の部分で磁束が低下するのを抑制することができる。 【0058】 また、変形例3の磁気回路30yと、上記した実施例に係る磁気回路30とを比較すると、上記した実施例では、第2のプレート4は、円弧状(蒲鉾状、若しくは半円状)の断面形状に形成されているのに対して、変形例3では、第2のプレート4yが環状の形状に形成されている。これにより、変形例3の第2のプレート4yは、上記した実施例の第2のプレート4と比較して加工し易くなり、その分、第2のプレート4yの部品コストを下げることができる。なお、変形例3では、第2のプレート4yの形状にマグネット3を合わせるため、上記の実施例と比較してマグネット3の大きさが若干小さくなっている。 【0059】 また、変形例4の磁気回路30zと、上記した実施例に係る磁気回路30とを比較すると、上記した実施例では、平板型のマグネット3の各々は、長方形の断面形状を有するのに対して、変形例4では、平板型のマグネット3zの各々は、台形状の断面形状を有している。そして、変形例4では、相隣接する当該平板型のマグネット3z同士が接着されている。かかる構成により、変形例4では、上記した実施例や、変形例1〜変形例3と比較して、センターポール1aを取り囲むマグネット3zの面積が増えるため、磁気ギャップ32内において、より多くの磁束を得ることが可能となる。なお、変形例4では、平板型のマグネット3zの形状に合わせた開口4zaを有する第2のプレート4zが各マグネット3zの外側に配置されている。 【図面の簡単な説明】 【0060】 【図1】本発明の実施例に係る磁気回路を含むスピーカー装置100の断面図である。 【図2】本実施例に係る磁気回路の斜視図及び分解斜視図である。 【図3】本実施例に係る磁気回路の正面図である。 【図4】比較例に係る磁気回路の正面図である。 【図5】比較例の磁気回路と本実施例の磁気回路とにおける磁束の大きさと磁気回路の周方向の角度との関係を示すグラフである。 【図6】変形例1及び変形例2に係る磁気回路の斜視図である。 【図7】変形例3及び変形例4に係る磁気回路の斜視図である。 【符号の説明】 【0061】 1 ヨーク 1a センターポール 1b フランジ部 2 第1のプレート 3 マグネット 4 第2のプレート 30 磁気回路 32 磁気ギャップ 100 スピーカー装置
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005016 【氏名又は名称】パイオニア株式会社 【識別番号】000221926 【氏名又は名称】東北パイオニア株式会社
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| 【出願日】 |
平成18年7月26日(2006.7.26) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100107331 【弁理士】 【氏名又は名称】中村 聡延
【識別番号】100104765 【弁理士】 【氏名又は名称】江上 達夫
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| 【公開番号】 |
特開2008−34956(P2008−34956A) |
| 【公開日】 |
平成20年2月14日(2008.2.14) |
| 【出願番号】 |
特願2006−203590(P2006−203590) |
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