| 【発明の名称】 |
イヤフォン |
| 【発明者】 |
【氏名】ロマン・サピジェウスキ
【氏名】ウィリアム・ダブリュ・タイス
【氏名】ジェイソン・エム・ハーロー
【氏名】イアン・エム・コリアー
【氏名】ケヴィン・ピー・アヌンジアト
【氏名】ペリクレス・ニコラス・バカロス
【氏名】マイケル・ジェイ・モナハン
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| 【要約】 |
【課題】耳孔内の密封性を高めたイヤフォンを提供する。
【構成】イヤフォンは、並列になった反応性および抵抗性要素を含む第1音響チャンバと、音響振動子によって第1音響チャンバから隔離された第2音響チャンバと、装着者の耳の耳甲介から装置を支持し、かつ装着者の耳の耳孔内に第2音響チャンバを伸ばしているハウジングと、を含んでいる。クッションは第1の材料と第2の材料とを含み、第1領域と第2領域とに形成されている。第1領域は人間の耳の耳甲介に適合するための形状に形成された外装面を形成している。第2領域は人間の耳の耳孔に適合するための形状に形成された外装面を形成している。第1および第2領域はイヤフォンに適合するための形状に形成された内装面をともに形成している。第1の材料は内装面に隣接した体積を占有している。第2の材料は第1の材料と第1および第2の外装面との間の体積を占有している。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 装置であって、 並列の反応性要素と抵抗性要素とを含んだ第1音響チャンバと、 音響振動子によって前記第1音響チャンバから隔離された第2音響チャンバと、 装着者の耳の耳甲介から前記装置を支持し、かつ前記装着者の耳の耳孔内に前記第2音響チャンバを伸ばしているハウジングと、 を含んでいることを特徴とする装置。 【請求項2】 前記第2音響チャンバには音響ダンパが含まれていることを特徴とする、請求項1に記載の装置。 【請求項3】 前記音響ダンパは前記第2音響チャンバ内で開口部を覆っていることを特徴とする、請求項2に記載の装置。 【請求項4】 前記音響ダンパの一部は穴を形成していることを特徴とする、請求項2に記載の装置。 【請求項5】 前記第2音響チャンバの壁は、該第2音響チャンバを自由空間に連結している穴を形成していることを特徴とする、請求項1に記載の装置。 【請求項6】 前記ハウジングの一部を取り囲み、前記ハウジングを装着者の耳の前記耳甲介および耳孔に接続しているクッションをさらに含んでいることを特徴とする、請求項1に記載の装置。 【請求項7】 前記クッションは、第1の硬さを有する第1の材料で形成された外部領域と、第2の硬さを有する第2の材料で形成された内部領域と、を含んでいることを特徴とする、請求項6に記載の装置。 【請求項8】 前記第1の材料は、ショア硬度Aスケールで、およそ3〜12の硬さを有していることを特徴とする、請求項7に記載の装置。 【請求項9】 前記第1の材料は、ショア硬度Aスケールで、およそ8の硬さを有していることを特徴とする、請求項8に記載の装置。 【請求項10】 前記第2の材料は、ショア硬度Aスケールで、およそ30〜90の硬さを有していることを特徴とする、請求項7に記載の装置。 【請求項11】 前記第2の材料は、ショア硬度Aスケールで、およそ40の硬さを有していることを特徴とする、請求項9に記載の装置。 【請求項12】 前記クッションの第1領域は前記第2音響チャンバを前記耳孔に接続するための形状に形成され、前記クッションの第2領域は前記耳に前記装置を保持するための形状に形成されて、前記第2領域は前記耳孔内に伸びていないことを特徴とする、請求項6に記載の装置。 【請求項13】 前記クッションは取り外し可能であることを特徴とする、請求項6に記載の装置。 【請求項14】 異なったサイズのクッションのセットを含んでいることを特徴とする、請求項13に記載の装置。 【請求項15】 前記反応性要素と前記抵抗性要素とは、前記第1音響チャンバに、およそ30Hz〜100Hzの間で共振を生じさせていることを特徴とする、請求項1に記載の装置。 【請求項16】 前記抵抗性要素は抵抗性ポートを含んでいることを特徴とする、請求項1に記載の装置。 【請求項17】 前記反応性要素は反応性ポートを含んでいることを特徴とする、請求項1に記載の装置。 【請求項18】 前記反応性ポートは、前記第1音響チャンバを自由空間に連結しているチューブを含んでいることを特徴とする、請求項17に記載の装置。 【請求項19】 前記反応性ポートは約1.0〜約1.5mmの間の直径および約10〜約20mmの長さを有していることを特徴とする、請求項18に記載の装置。 【請求項20】 前記反応性ポートは約1.2mmの直径を有していることを特徴とする、請求項18に記載の装置。 【請求項21】 前記反応性ポートと前記抵抗性ポートとは、径方向に関して略対向した位置で前記第1音響チャンバに連結されていることを特徴とする、請求項1に記載の装置。 【請求項22】 前記反応性ポートと前記抵抗性ポートとは、前記第1音響チャンバに露出した振動子の面上の圧力変動を減少するように配置されていることを特徴とする、請求項1に記載の装置。 【請求項23】 前記音響振動子の中心の周囲に径方向に関して均等に分散された複数の反応性または抵抗性ポートをさらに含んでいることを特徴とする、請求項1に記載の装置。 【請求項24】 前記音響振動子の中心周囲に径方向に関して略均等に分散された複数の抵抗性ポートをさらに含み、該抵抗性ポートは前記音響振動子の略中心において前記第1音響チャンバに連結されていることを特徴とする、請求項1に記載の装置。 【請求項25】 前記音響振動子の中心周囲に径方向に関して略均等に分散された複数の反応性ポートをさらに含み、該反応性ポートは前記音響振動子の略中心において前記第1音響チャンバに連結されていることを特徴とする、請求項1に記載の装置。 【請求項26】 前記第1音響チャンバは前記音響振動子のバスケットに適合している壁によって形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の装置。 【請求項27】 前記第1音響チャンバは、前記音響振動子によって占められる体積を含み、約0.4cm3より小さい容積を有していることを特徴とする、請求項1に記載の装置。 【請求項28】 前記第1音響チャンバは、前記音響振動子によって占められる体積を除いて、約0.2cm3より小さい容積を有していることを特徴とする、請求項1に記載の装置。 【請求項29】 前記第2音響チャンバは前記振動子と前記ハウジングとで形成され、 該ハウジングは第1および第2の穴を形成し、 該第1の穴は装着者の耳の中に伸びている壁の先端に位置しており、 かつ前記第2の穴は、前記装置が装着者の耳の中に配置されている場合に、前記第2音響チャンバを自由空間に連結するように配置され、 音響ダンパは、前記第1の穴を横断して配置され、該第1の穴よりも小さい直径を持った第3の穴を形成していることを特徴とする、請求項1に記載の装置。 【請求項30】 前記音響振動子に提供された信号の特性を調整するための回路をさらに含んでいることを特徴とする、請求項1に記載の装置。 【請求項31】 一組の請求項1に記載の装置を含んだイヤフォンセット。 【請求項32】 第1の材料と第2の材料とを含み、第1領域と第2領域とに形成されたクッションにおいて、 前記第1領域は人間の耳の前記耳甲介に適合するための形状に形成された外装面を形成し、前記第2領域は人間の耳の前記耳孔に適合するための形状に形成された外装面を形成しており、 前記第1および第2領域はイヤフォンに適合するための形状に形成された内装面をともに形成し、 前記第1の材料は前記内装面に隣接した体積を占有し、 前記第2の材料は前記第1の材料と前記第1および第2の外装面との間の体積を占有し、 前記第1および第2の材料は異なった硬さであることを特徴とするクッション。 【請求項33】 前記第1の材料は、ショア硬度Aスケールで、およそ3〜12の範囲の硬さを有していることを特徴とする、請求項32に記載のクッション。 【請求項34】 前記第1の材料は、ショア硬度Aスケールで、およそ8の硬さを有していることを特徴とする、請求項33に記載のクッション。 【請求項35】 前記第2の材料は、ショア硬度Aスケールで、およそ30〜90の範囲の硬さを有していることを特徴とする、請求項32に記載のクッション。 【請求項36】 前記第1の材料は、ショア硬度Aスケールで、およそ40の硬さを有していることを特徴とする、請求項35に記載のクッション。 【請求項37】 受動的な均等化回路を含み、該回路周波数応答は入力音響信号を形成し、前記形成された音響信号は前記音響振動子を駆動していることを特徴とする、請求項1に記載の装置。 【請求項38】 前記受動的な均等化回路は秒オーダーのフィルタであることを特徴とする、請求項37に記載の装置。 【請求項39】 前記受動的な均等化回路はTブリッジ回路であることを特徴とする、請求項37に記載の装置。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明はイヤフォンに関する。 【背景技術】 【0002】 図1に示されているように、人間の耳10は耳孔12を含み、それは感覚器に続いている(図示略)。耳介11は耳の外側先端の一部であり、耳孔12の隣の空洞であり、耳球(tragus)16と対珠(anti-tragus)18とによって部分的に形成された耳甲介(concha)14を含んでいる。イヤフォンは一般的に耳介上、耳甲介内または耳孔内に装着されるように設計されている。 【特許文献1】米国特許第6831984号明細書 【発明の開示】 【課題を解決するための手段】 【0003】 一般的に、1つの態様において、イヤフォンは並列になった反応性および抵抗性要素を含む第1音響チャンバと、音響振動子によって第1音響チャンバから隔離された第2音響チャンバと、装着者の耳の耳甲介から装置を支持し、かつ装着者の耳の耳孔内に第2音響チャンバを伸ばしているハウジングと、を含んでいる。 【0004】 実施に際しては1つ以上の以下の特徴を含んでいてもよい。 【0005】 第2音響チャンバには音響ダンパが含まれている。音響ダンパは第2音響チャンバ内で開口部を覆っている。音響ダンパの一部は穴を形成している。第2音響チャンバの壁は、その第2音響チャンバを自由空間に連結している穴を形成している。 【0006】 ハウジングの一部を取り囲んでいるクッションは、ハウジングを使用者の耳の耳甲介および耳孔につないでいる。クッションは第1の硬さを有する第1の材料で形成された外部領域と、第2の硬さを有する第2の材料で形成された内部領域と、を含んでいる。第1の材料は、ショア硬度Aスケールで、およそ3〜12の硬さを有している。第1の材料は、ショア硬度Aスケールで、およそ8の硬さを有している。第2の材料は、ショア硬度Aスケールで、およそ30〜90の硬さを有している。第2の材料は、ショア硬度Aスケールで、およそ40の硬さを有している。クッションの第1領域は第2音響チャンバを耳孔につなぐための形状に形成され、クッションの第2領域は耳に装置を保持するための形状に形成されて、第2領域は耳孔内に伸びている。異なったサイズのクッションのセットを含んでいる。 【0007】 反応性要素(reactive element)と抵抗性要素(resistive element)とは、第1音響チャンバに、およそ30Hz〜100Hzの間で共振を生じさせている。抵抗性要素は抵抗性ポートを含んでいる。反応性要素は反応性ポートを含んでいる。反応性ポートは前記第1音響チャンバを自由空間に連結しているチューブを含んでいる。反応性ポートは約1.0〜約1.5mmの間の直径および約10〜約20mmの長さである。反応性ポートは約1.2mmの直径である。反応性ポートと抵抗性ポートとは、径方向に関して対向した位置で第1音響チャンバに連結されている。反応性ポートと抵抗性ポートとは、第1音響チャンバに露出した振動子の面上の圧力変動を減少するように配置されている。音響振動子の中心の周囲に径方向に関して均等に分散された複数の反応性または抵抗性ポートを含んでいる音響振動子の中心周囲に径方向に関して均等に分散された複数の抵抗性ポートを含み、その抵抗性ポートは音響振動子の略中心において第1音響チャンバに連結されている。音響振動子の中心周囲に径方向に関して均等に分散された複数の反応性ポートを含み、その反応性ポートは音響振動子の略中心において第1音響チャンバに連結されている。 【0008】 第1音響チャンバは音響振動子のバスケットに適合している壁によって形成されている。第1音響チャンバは、音響振動子によって占められる体積を含んで約0.4cm3より小さい容積である。第1音響チャンバは、音響振動子によって占められる体積を除いて約0.2cm3より小さい容積である。第2音響チャンバは振動子とハウジングとで形成され、ハウジングは第1および第2の穴を形成し、 第1の穴は装着者の耳の中に伸びている壁の先端に位置しており、かつ第2の穴は、装置が装着者の耳の中に配置されている場合に、第2音響チャンバを自由空間に連結するように配置され、ダンパは第1の穴を横断して配置され、第1の穴よりも小さい直径を持った第3の穴を形成している。 【0009】 回路が音響振動子に提供された信号の特性を調整するために含まれている。イヤフォンセットは一組のイヤフォンを含んでいる。 【0010】 一般的に、1つの態様において、クッションは第1の材料と第2の材料とを含み、第1領域と第2領域とに形成されている。第1領域は人間の耳の耳甲介に適合するための形状に形成された外装面を形成している。第2領域は人間の耳の耳孔に適合するための形状に形成された外装面を形成している。第1および第2領域はイヤフォンに適合するための形状に形成された内装面をともに形成している。第1の材料は内装面に隣接した体積を占有している。第2の材料は第1の材料と第1および第2の外装面との間の体積を占有している。第1および第2の材料は異なった硬さである。 【0011】 実施に際しては、1つ以上の以下の特徴を含んでいてもよい。第1の材料は、ショア硬度Aスケールで、およそ3〜12の範囲の硬さを有している。第1の材料は、ショア硬度Aスケールで、およそ8の硬さを有している。第2の材料は、ショア硬度Aスケールで、およそ30〜90の範囲の硬さを有している。第1の材料は、ショア硬度Aスケールで、およそ40の硬さを有している。 【0012】 他の特徴および利点は、詳細な説明および請求項から明らかにされるであろう。 【発明を実施するための最良の形態】 【0013】 図2Aおよび2Bに示されているように、イヤフォン100は装着者の耳10の耳甲介14内に配置されるように設計された第1領域102と、耳孔12内に配置される第2領域とを備えている。(図2Aおよび2Bはイヤフォン100に対応する装着者の左耳を示している。補完的なイヤフォンは右耳に適応していてもよく、それは図示されていない。いくつかの例において、1つのイヤフォンのみが提示されている。いくつかの例において、左のイヤフォンと右のイヤフォンとには、一組として共に設けられていてもよい。)クッション106はイヤフォンの音響部品を装着者の耳の身体構造に連結している。プラグ202はイヤフォンをオーディオ信号源に接続しており、その信号源はCDプレーヤー、携帯電話、MP3プレーヤー、またはPDA(図示略)のようなものであり、若しくは同時に1形式以上の機器に接続可能な複合プラグ(図示略)であってもよい。回路ハウジング204は、例えばボリュームの制御または均等化の提供といった、オーディオ信号を修正するための回路構成を含んでいてもよい。ハウジング204はスイッチ回路構成を含んでいてもよく、そのスイッチは手動または自動のどちらかであって、1つまたは別の上記の信号源による信号出力を、イヤフォンに接続するためのものである。いくつかの例において、信号は、例えばブゥートゥースプロトコル(Bluetooth protocol)を使用した無線通信であってもよく、その場合コード206は含まれないであろう。代替的にまたは付加的に、無線接続は回路構成に1つ以上の信号源を接続していてもよい。 【0014】 図3Aおよび3Bに示されているように、イヤフォン100の第1領域102は、シェル113および115によって形成された、後部チャンバ112と前部チャンバ114とを含み、それらはここに駆動部116のそれぞれの側に位置している。いくつかの例において、直径16mmの駆動部が使用されている。他のサイズおよび他の型式の音響振動子は、例えばイヤフォンの所望の応答周波数によって使用されることが可能である。前部チャンバ114は(126から)耳孔12まで伸び、いくつかの実施形態において、耳孔12内ではクッション106を介して、音響抵抗要素118において端部となる。いくつかの例において、抵抗要素118は、図示されているように、延伸部126内のより端部側に配置されている。音響抵抗要素は、そこにぶつかるまたはそこを通過する音響エネルギーの割合を消費している。いくつかの例において、前部チャンバは114圧力平衡(PEQ:pressure equalization)穴120を含んでいる。そのPEQ穴120は空気圧の開放を提供しており、その空気圧は、イヤフォン100が耳10内に挿入された場合に、耳孔12および前部チャンバ114内に構成される。後部チャンバ112はシェル113によって駆動部116の後側周囲に密封されている。いくつかの例において、その後部チャンバ112は、ポート(マスポート(mass port)とも称される)122のような反応性要素および抵抗性要素を含み、それはポート124として形成されてもよい。特許文献1には、ヘッドフォン機器内における平行反応性および抵抗性ポートの使用が記載されており、それは参照することでここに含まれている。我々はポートを反応性または抵抗性として参照しているが、実際のところは、あらゆるポートは反応性または抵抗性の両方の効果を備えている。与えられたポートの記載に使用された用語は、効果が優勢であることを示している。図3Bの例において、反応性ポートは内部スペーサ117、シェル113および外部カバー111内の空間によって形成されている。ポート122のような反応性ポートは、例えば、管状型開口部であり、その内部は他の密封された音響チャンバで有ってもよく、この場合は後部チャンバ112である。ポート124のような抵抗性ポートは、例えば音響チャンバの壁内の小さな開口部であり、そのチャンバは、例えばチャンバの壁を幾分かの空気および音響エネルギーが通過可能なワイヤまたは布スクリーンのような音響抵抗性を示す材料によって覆われている。 【0015】 それぞれのクッション106、空洞112および114、駆動部116、ダンパ118、穴120およびポート122および124は音響特性を有しており、その特性はイヤフォン100の性能に影響を与えている。これらの特性は、イヤフォンの所望の周波数応答を達成するために調整されてもよい。動的または受動的平衡回路のような付加的な要素が、周波数応答を調整するために使用されてもよい。 【0016】 空洞112および114並びにポート122および124の効果は、図4A内のグラフ400に示されている。従来のインナーイヤー型ヘッドフォンの周波数応答(すなわち、耳孔内まで伸びておらず、耳孔を密封していない)は、図4A内の曲線404として示されている。従来のインナーイヤー型は、所望するよりも低い周波数応答を示しており、セクション404aに示されているように、およそ200Hzよりも下で減少した応答を示している。低周波数応答および感度を増加させるために、構造126は時々ノズルとして参照されるが、耳孔内の前部空洞112を伸ばしてもよく、クッション106と耳孔との間で密封を形成することを容易にしている。耳孔に前部空洞114を密封することは、低周波カットオフ(low frequency cutoff)を減少し、ポート122および124を含んだ小さな空洞112と共にトランス116の後部を取り囲んでいる。クッションの下部110と共に、ノズル126は単に耳甲介に留まっているだけのイヤフォンよりもより良い密封を耳孔に提供しており、同様に使用者の耳により一致してつながり、使用者間の応答における変化を減少させている。クッションのテーパ付形状と柔軟性とは、多様な形状およびサイズの耳の内部において密封を形成することを可能にしている。ノズルおよびクッションのデザインは、以下により詳細に記載されている。 【0017】 いくつかの例において、後部チャンバ112は0.28cm3の容積であり、それは駆動部116の体積を含んでいる。駆動部を除くと、後部チャンバ112は0.08cm3の容積である。より小さな後部チャンバは、駆動部116の後部面を単純に密封することで形成されていてもよい。(例えば、典型的な駆動部のバスケットを密封するようなものでよい。図7Aのカバー702参照。)他のインナーイヤーデザインは、しばしば駆動部の0.2cm3を含んだすくなくとも0.7cm3の後部空洞を備えている。 【0018】 反応性ポート122は後部チャンバの容積に反響する。いくつかの例において、そのポートは約1.0〜1.5mmの範囲の直径と、約10〜20mmの範囲の長さとを有している。いくつかの実施形態において、反応性ポートは、イヤフォンの低周波カットオフ(low frequency cutoff)近傍で空洞の容積と共振するように調整されている。いくつかの実施形態において、これは30〜100Hzの低周波数範囲において生じる共振である。いくつかの例において、反応性ポート122と抵抗性ポート124とは、音響反応および音響抵抗を並列に提供しており、このことは、音響反応および音響抵抗のそれぞれが、独立的に後部チャンバ112を自由空間に連結していることを意味している。その一方で、反応性と抵抗性とは、単一の経路において直列に提供されることも可能であり、例えば、反応性ポート内にワイヤメッシュスクリーンのような抵抗性要素を配置することによって提供される。いくつかの例において、並列な抵抗性ポートは、70x088のダッチワイヤ織布(70x088 Dutch twill wire cloth)から造られており、その布は例えばクリーブランドのクリーブランドワイヤから入手でき、約3mmの直径である。並列な反応性および抵抗性要素は、並列な反応性ポートおよび抵抗性要素として具体化されているが、直列の反応性および抵抗性要素を使用した実施形態と比較して、低周波数反応の増加を提供している。並列な抵抗性は低周波数出力を実質的に減衰せず、その一方で直列な抵抗性は減衰させる。並列な反応性および抵抗性ポートを備えた小さい後部チャンバとノズルを備えた前部チャンバとの結合を有するイヤフォンの周波数応答は、図4Aの曲線416によって示されている。並列なポートを備えた小さい後部チャンバを使用することは、イヤフォンが、低周波数出力および低周波数と高周波数との間の出力の所望のバランスを改善することを可能にしている。ポートのための様々なデザインオプションが以下に論じられている。 【0019】 前部チャンバ構造における高周波数共鳴は、例えばピーク416aによって表されているが、図3Aおよび3Bの音響抵抗性要素118(時々ダンパまたは音響ダンパとして参照される)を配置することによって減衰されることが可能であり、図3Aにおいてノズル126の出力に直列に示されている。いくつかの例において、70x800のダッチワイヤ織布(70x800 Dutch twill wire cloth)のステンレスワイヤメッシュスクリーンが使用されている。いくつかの例において、小穴128はスクリーン118の中心に形成されている。いくつかの例において、そのスクリーン118は約4mmの直径で、穴は約1mmである。他のサイズが他のノズルの形状または他の所望の周波数応答のために適用されてもよい。スクリーン118の中心の穴128はスクリーン118の音響抵抗よりもわずかに小さいが、曲線422の領域422aに見られるように、低周波数体積速度を著しく妨げない。曲線416は図4Aからの複写であり、非減衰ノズルと、並列な反応性および抵抗性ポートを伴った小さい後部チャンバとの効果を示している。曲線422は、穴のないダンパ118の効果を示している曲線418aよりも、より低周波数出力を実質的に有している。その中の穴を伴ったスクリーンは、(ピーク422bをピーク416aと比較して)高周波数共鳴の減衰を提供しているが、(ピーク422bをピーク418bと比較して)穴のないスクリーンと同程度ではなく、実質的に低周波数出力を増加させており、ダンパがないレベルに近いところまで戻っている。 【0020】 PEQ穴120は、使用時に塞がれないように配置されている。例えば、PEQ穴120は、耳に直接接触するクッション106内には配置されておらず、前部チャンバ114内の耳から離れたところにある。その穴の初期の目的は、イヤフォン100が使用者の耳に挿入された場合の、過圧力状態を避けることである。さらに、その穴は、存在するかもしれない他の音漏れと同時に作用している音漏れの量を一定にするために使用されることが可能である。このことは個々の応答を標準化する補助となる。いくつかの例において、PEQ穴120は約0.50mmの直径である。他のサイズを使用しても良く、それは前部チャンバ114の容積とイヤフォンの所望の周波数応答とによる。PEQ穴120を通る既知の音漏れの周波数応答の効果は、図4Cのグラフ424に示されている。曲線422は図4Bからの複写であり、他の要素(並列な反応性および抵抗性ポートを伴った小さい後部チャンバと、ノズルを伴った前部チャンバと、ノズル開口部の中心の小穴を伴ったスクリーンダンパとの)を伴った応答を示しているが、PEQ穴120を伴っていない。一方で曲線428は既知の音漏れの量を提供するPEQ穴を伴った応答を示している。さらに、PEQ穴は低周波数出力における損失間で交互に使用され、全体的な性能をより再現可能にしている。 【0021】 上述のいくつかのまたは全ての要素は、結合して使用されて、(電気的でない)特別な周波数応答を達成することが可能である。いくつかの例において、付加的な周波数応答形態が、イヤフォンの音響再生のさらなる調整に使用されてもよい。このことを達成するための1つの方法は、図5に示しているような回路を使用した受動的な電気的均等化である。例えば、イヤフォンの音響要素を調整後に、共鳴が1.55kHz残っている場合、図のように接続された抵抗502および504とコンデンサ506および508とを含んでいる受動的な均等化回路(passive equalization circuit)500が使用されてもよい。回路500において、出力抵抗510は、標準のイヤフォンの公称32オームの電気抵抗を示しており、入力電源512は、例えばCDプレーヤーからのヘッドフォンに入力するための音響信号を示している。図6のグラフ514は回路500からの結果である電気的周波数応答曲線516を示しており、0.75のQファクターに相当する1.55kHzの応答における落ち込み516aを表し、低周波数での応答と比較した落ち込み周波数における出力電圧において、8db減少している。実際の抵抗およびコンデンサの値と結果の曲線とは、イヤフォンの音響構成の詳細に基づく固有の均等化の必要性に依存するであろう。そのような回路構成はイヤフォンと線でつながって、例えば回路ハウジング204内部(図2A)に格納されることが可能である。 【0022】 ポート122および124のデザインのオプションは、図7A〜7Dに示されている。図7Aに示されているように、反応性ポート122aは後部チャンバ112の後部カバー702から外側に伸びている。抵抗性ポート124aはカバー702の反対側に配置されている。そのような反応性ポートは曲げられまたは湾曲されてより小さなパッケージとして提供されてもよく、湾曲ポートとして示された122bは図7において内部スペーサ117内に形成されている。いくつかの例において、図3B7Cおよび7Dに示しているように、ポートの完全なチューブは外部シェル113を伴った内部スペーサ117の組み立てによって形成され、それは後部チャンバ112の外壁に形成されてもよい。図7Cおよび7Dの例において、内部スペーサ117内の開口部704は、ポート122から始まっている。そのポートはイヤフォンの外周に沿って湾曲し、外部シェル113の開口部706で終端となっている。シェル113の一部は図7Dにおいて切除されており、開口部704の開始部が見られる。図7Cも抵抗性ポート124のための開口部708を示している。いくつかの例において、図7Aに示されているような後部チャンバ112の周囲へのポートの対称的な配置は有利な点があり、例えば、後部チャンバ112の全域の(図7Bで駆動部116の隔壁の後ろ側全域に発生する)圧力差を平衡にすることを補助しており、他の効果もある。駆動部隔壁全域の圧力勾配は、振動モードを誘発する。いくつかの例は1つ以上の反応性ポートまたは抵抗性ポート若しくは両方のタイプのポートを使用しても良く、後部チャンバ112の周囲に均等に径方向に分散される。単一の抵抗性ポート(または単一の反応性ポート)は中心に配置されてもよく、その周囲に均等に分散された、いくつかの反応性(または抵抗性)ポートを伴っていてもよい。 【0023】 クッション106はイヤフォンの音響要素を、装着者の耳の身体構造に心地よく連結するように設計されている。図8A〜8Dに示しているように、クッション106は(図1および図2Aに見られる)、上述のように、耳の耳珠16および対珠18に接触するように形成された形状を持った上部802と、耳孔12に入るための形状を持った下部110とを有している。いくつかの例において、下部110は耳孔12の肌上に、大きな圧力を与えることなく適応するように形成されている。下部110は耳の中でイヤフォンの保持力を提供することを期待されており、最小の圧力で耳孔を密封することを可能にしている。上部802の空間806は、下部110内の空間808に伸びタノズル126(図3)とともに、イヤフォンの音響要素を受容している(図示略)。いくつかの例において、クッション106はイヤフォン100から取り外され、様々な外部サイズのクッションが提供されて、異なった耳のサイズに適合するように装着されてもよい。 【0024】 いくつかの例において、クッション106は、領域810と812とによって図示されたように、異なった硬さの材料で形成されている。外部領域810は軟らかい材料で形成されており、例えば、ショアAの8の硬度を持つようなものであり、その軟らかさによって心地良さを提供している。この領域の代表的な固さの範囲は、ショアAの3〜ショアAの12である。内部領域812はより硬い材料で形成されており、例えば、ショアAの40の硬度を持つようなものである。この領域は適当な場所にクッションを保持するために必要な合成を提供している。この領域の代表的な固さの範囲は、ショアAの30〜ショアAの90である。いくつかの例において、内部領域812はOリング型の保持カラー809を含み、音響部品上にクッションを保持している。より硬い内部領域812も外部セクションに伸び、そのセクションの剛性を増加させている。いくつかの例において、多様な硬さが単一の材料に適用可能である。 【0025】 いくつかの例において、クッションの両方の領域はシリコーンで形成されている。シリコーンは1つの部分において軟らかい特性およびより硬さ剛性のある特性との両方において加工されることが可能である。2段製造工程において、2つのセクションがそれらの間に強固な接着力を伴って製造される。シリコーンは広い温度範囲において特性を維持する利点を有し、人肌に接触する部分にとどまって、アプリケーションにうまく使用されていることが知られている。シリコーンは異なった色で製造することも可能であり、例えば、異なったサイズのクッションの表示またはカスタマイズすることを可能にするためである。いくつかの例において、熱可塑性エラストマ(TPE:thermoplastic elastomer)のような、他の材料が使用されてもよい。TPEはシリコーンに類似しており、より安価であるが、熱抵抗がより低い。組み合わせた材料が使用されてもよく、ソフトシリコーンまたはTPEが外部領域810に使用されてもよく、ABS、ポリカーボネイトまたはナイロンで製造された硬い内部領域812としてもよい。いくつかの例において、全体のクッションは単一の硬さを持ったシリコーンまたはTPEから加工されてもよく、外部領域810に要求される軟らかさと内部領域812に必要とされる硬さとの間の妥協点を示している。 【0026】 他の実施形態は請求項の範囲内に含まれる。 【図面の簡単な説明】 【0027】 【図1】人間の耳を示している。 【図2A】耳の中に配置されたイヤフォンの斜視図を示している。 【図2B】イヤフォンの等角図を示している。 【図3A】イヤフォンの概略断面図を示している。 【図3B】イヤフォンの分解等角図を示している。 【図4A】グラフを示している。 【図4B】グラフを示している。 【図4C】グラフを示している。 【図5】回路図を示している。 【図6】グラフを示している。 【図7A】イヤフォンの一部の等角図を示している。 【図7B】イヤフォンの一部の等角図を示している。 【図7C】イヤフォンの一部の等角図を示している。 【図7D】イヤフォンの一部の等角図を示している。 【図8A】クッションの側面図を示している。 【図8B】クッションの上面図を示している。 【図8C】クッションの等角図を示している。 【図8D】クッションの等角図を示している。 【符号の説明】 【0028】 10 耳 12 耳孔 14 耳甲介 16 耳珠 18 対珠 100 イヤフォン 102 第1領域 104 第2領域 106 クッション 111 外部カバー 112 後部チャンバ 113、115 シェル 114 前部チャンバ 116 駆動部 117 内部スペーサ 118 音響抵抗要素 120 圧力平衡穴(PEQ) 122 (反応性)ポート 124 (抵抗性)ポート 126 延伸部 202 プラグ 204 回路ハウジング 206 コード 500 均等化回路 510 出力抵抗 512 入力電源 702 後部カバー 810 外部領域 812 内部領域
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| 【出願人】 |
【識別番号】591009509 【氏名又は名称】ボーズ・コーポレーション 【氏名又は名称原語表記】BOSE CORPORATION
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| 【出願日】 |
平成19年6月29日(2007.6.29) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100106909 【弁理士】 【氏名又は名称】棚井 澄雄
【識別番号】100089037 【弁理士】 【氏名又は名称】渡邊 隆
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| 【公開番号】 |
特開2008−17473(P2008−17473A) |
| 【公開日】 |
平成20年1月24日(2008.1.24) |
| 【出願番号】 |
特願2007−172828(P2007−172828) |
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