| 【発明の名称】 |
コンデンサ型マイクロホン |
| 【発明者】 |
【氏名】鈴木 幸俊
【氏名】鈴木 民人
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| 【要約】 |
【課題】ダイヤフラム電極と固定電極との隙間を確実に一定に保持して、マイク感度を高めることができるコンデンサ型マイクロホンを提供する。
【構成】半導体基板2に空洞部1が形成されるとともに、該空洞部の周囲を囲むように半導体基板上に形成した絶縁層4に、その内側空間3に架け渡された状態の平板状の固定電極5と、該固定電極と相互間隔をおいて平行なダイヤフラム電極7とが支持され、ダイヤフラム電極は、絶縁層から内側に張り出す支持梁11の内方端部に、固定電極と平行な平板部14が吊下げ状態に支持されるとともに、該平板部の外周部に、その半径外方に突出する複数本の引き出しアーム部16Bが形成されてなり、これら引き出しアーム部は、平板部の周方向に等間隔をおいて配置されるとともに、先端部が絶縁層に固定され、そのうちの一つの引き出しアーム部の先端部に、絶縁層から露出した外部接続端子が設けられている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 半導体基板に空洞部が形成されるとともに、該空洞部の周囲を囲むように半導体基板上に形成した絶縁層に、その内側空間に架け渡された状態の平板状の固定電極と、該固定電極と相互間隔をおいて平行なダイヤフラム電極とが支持され、圧力変動に対応するダイヤフラム電極と固定電極との間の静電容量変化を検出するコンデンサ型マイクロホンであって、 前記ダイヤフラム電極は、前記絶縁層から内側に張り出す支持梁の内方端部に、前記固定電極と平行な平板部が吊下げ状態に支持されるとともに、該平板部の外周部に、その半径外方に突出する複数本の引き出しアーム部が形成されてなり、 これら引き出しアーム部は、前記平板部の周方向に等間隔をおいて配置されるとともに、先端部が前記絶縁層に固定され、そのうちの一つの引き出しアーム部の先端部に、前記絶縁層から露出した外部接続端子が設けられていることを特徴とするコンデンサ型マイクロホン。 【請求項2】 各引き出しアーム部における前記平板部と絶縁層への固定部分との間には、前記平板部に対する半径外方への引っ張り力を所定値に設定する応力調整部が形成されていることを特徴とする請求項1記載のコンデンサ型マイクロホン。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、半導体基板を加工して製造されるコンデンサ型マイクロホンに関する。 【背景技術】 【0002】 シリコン基板等の半導体基板を用いたコンデンサ型マイクロホンは、半導体基板上に形成した環状の絶縁層に平板状の固定電極の外周部が固定されることにより、該固定電極が絶縁層の内側に架け渡された状態に支持されるとともに、この固定電極との間に相互間隔をおいて平行にダイヤフラム電極が支持され、該ダイヤフラム電極が音響等によって振動する際の両電極間の相互間隔の変化を両電極間の静電容量変化として検出するものである(例えば特許文献1参照)。 【特許文献1】特表2004−506394号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0003】 この種のコンデンサ型マイクロホンにおいては、固定電極は絶縁層に固定状態に保持されるのに対して、ダイヤフラム電極は音響等によって容易に振動し得る構成であることが望まれる。この場合、絶縁層から支持梁を内方に張り出させ、その支持梁の内方端部にダイヤフラム電極を吊下げ状態に支持することにより、ダイヤフラム電極を絶縁層から離して、その変形を自由な状態としておくことが考えられる。 【0004】 ところで、この種のコンデンサ型マイクロホンにおいては、製造プロセスにおいて高温で成膜されるダイヤフラム電極(導電膜)に引っ張り応力が残留し、この引っ張り応力によってダイヤフラム電極が反るように変形して、ダイヤフラム電極と固定電極との間の間隙が小さくなる傾向が生じる。そして、これらが近づき過ぎる場合には、両電極間の静電引力によって両電極の接触が生じることになり、いわゆるプルイン電圧が低くなる問題が生じる。このため、このプルイン状態の発生を防止するため、印加されるバイアス電圧を小さくしておく必要が生じ、その制約上、高い感度のものを製作できないという問題があった。 【0005】 また、前述のようにダイヤフラム電極を吊下げ状態に支持して絶縁層から離したとしても、ダイヤフラム電極の外周の一部に、外部から電圧を印加するための端子部を引き出しておく必要があり、その引き出し端子部が絶縁層に固定されるため、ダイヤフラム電極は上方から支持梁で吊下げられかつ水平方向には一箇所の引き出し端子部によって支持されるというアンバランスな状態で支持されることになる。このため、ダイヤフラム電極と固定電極との空隙間隔が不均一になり易く、両電極の空隙間隔が部分的に小さくなり、この点でもバイアス電圧を高くすることには限界があった。 【0006】 本発明は、上記事情を鑑み、ダイヤフラム電極と固定電極との隙間を確実に一定に保持して、マイク感度を高めることができるコンデンサ型マイクロホンを提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0007】 本発明のコンデンサ型マイクロホンは、半導体基板に空洞部が形成されるとともに、該空洞部の周囲を囲むように半導体基板上に形成した絶縁層に、その内側空間に架け渡された状態の平板状の固定電極と、該固定電極と相互間隔をおいて平行なダイヤフラム電極とが支持され、圧力変動に対応するダイヤフラム電極と固定電極との間の静電容量変化を検出するコンデンサ型マイクロホンであって、前記ダイヤフラム電極は、前記絶縁層から内側に張り出す支持梁の内方端部に、前記固定電極と平行な平板部が吊下げ状態に支持されるとともに、該平板部の外周部に、その半径外方に突出する複数本の引き出しアーム部が形成されてなり、これら引き出しアーム部は、前記平板部の周方向に等間隔をおいて配置されるとともに、先端部が前記絶縁層に固定され、そのうちの一つの引き出しアーム部の先端部に、前記絶縁層から露出した外部接続端子が設けられていることを特徴とする。 【0008】 すなわち、ダイヤフラム電極の平板部は、支持梁によって上方から吊下げ状態に支持されるとともに各引き出しアーム部によって水平方向にも支持されることになるが、これら引き出しアーム部は平板部の周方向に等間隔をおいて配置されているから、製造プロセスにおいて引っ張り応力が発生した際に平板部が放射方向に均等に分散して引っ張られることになり、その結果、ダイヤフラム電極と固定電極との間隙が均一に保持されることになる。また、平板部に振動が生じる際にも、引き出しアーム部による抵抗が水平方向に均等に平板部に作用することになり、平板部が非対称に変形することがない。 【0009】 この発明の半導体装置において、各引き出しアーム部における前記平板部と絶縁層への固定部分との間には、前記平板部に対する半径外方への引っ張り力を所定値に設定する応力調整部が形成されている構成として、平板部が固定電極に近づき過ぎないように平板部に対する引っ張り力を調整すると好ましい。応力調整部としては、ダイヤフラム電極を多結晶シリコンによって成膜する際に部分的に不純物をドーピングすることにより残留応力を低減する方法、又は、複数の貫通孔を形成して断面積を低減する方法、等を採用することができる。 【発明の効果】 【0010】 本発明のコンデンサ型マイクロホンによれば、支持梁によって吊下げ状態とされているダイヤフラム電極の平板部が、複数本の引き出しアーム部によって放射方向に均等に引っ張られるように支持されることから、平板部が固定電極に近づき過ぎる状態となることを防止し、固定電極との間の間隙を均一に維持することができ、また、平板部を均等に変形させ得て両電極間の間隙が不均一になることが抑制されるので、いわゆるプルイン電圧を高めることができ、バイアス電圧を高め得て、マイク感度を向上させることができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0011】 この発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。 このコンデンサ型マイクロホンは、図1に示すように、中央部に空洞部1が形成されたブロック状の半導体基板2の上に、その空洞部1よりも大きい内側空間3を有する環状の絶縁層4が該空洞部1の周囲を囲むように設けられ、該絶縁層4の上面に平板状の固定電極5の外周部が固定され、該固定電極5との間に空隙層6を介して相互に平行にダイヤフラム電極7が支持された構成とされている。 【0012】 前記固定電極5は、全体としては、絶縁層4の内側空間3よりも大きい外径を有する円形の平板状に形成され、その外周部の一部、図2の例では、周方向に120°ずつ間隔をおいた3箇所に、その部分を切り欠くように凹部8が形成されるとともに、各凹部8内に固定電極5と若干間隙をあけて舌片状の支持梁11が配置されている。この支持梁11が固定電極5の凹部8内に配置されていることにより、支持梁11と固定電極5との間が屈曲状態のスリット12とされている。そして、前記絶縁層4には、この支持梁11を除く固定電極5の外周部と、支持梁11の外側端部とが固着され、該支持梁11の内方端部が絶縁層4からその内側空間3に半径内方に張り出した状態とされている。 【0013】 一方、各支持梁11の内方端部には、絶縁物質からなる連結柱13を介して前記ダイヤフラム電極7の外周部の3箇所が連結されている。このダイヤフラム電極7は全体として円形状に形成され、その円形平板部14の外周部の3箇所が前記支持梁11に各連結柱13を介して固定されることにより、該支持梁11から空洞部1に向けて吊下げられた状態に支持されている。この場合、ダイヤフラム電極7の平板部14は、絶縁層4の内側空間3よりも小さい内径の円板状に形成されており、この平板部14の外周縁と絶縁層4の内周面との間にはリング状空間15が形成される。 【0014】 そして、この平板部14における外周に、図2及び図3に示すように、半径外方に突出する3本の引き出しアーム部16A〜16Cが一体に形成され、これら引き出しアーム部16A〜16Cは、リング状空間15を横断して絶縁層4内に埋没され、そのうちの一つの引き出しアーム部16Aの先端の突出端部にランド部17が形成されている。 また、前記引き出しアーム部16A〜16Cは、図2及び図3に示す例では、各連結柱13が配置されている位置にそれぞれ形成されていることにより、周方向に120°ずつの等間隔をおいて配置されている。また、ランド部17を除き、各引き出しアーム部16A〜16Cは同じ幅に形成されている。 【0015】 なお、前記固定電極5、ダイヤフラム電極7は、多結晶シリコン(ポリシリコン)等の導電性の半導体膜によって構成されている。ダイヤフラム電極7は音波によって振動し得る薄膜に形成されるとともに、各引き出しアーム部16A〜16Cのうち、平板部14と絶縁層4への固定部分との間のブリッジ部分には、後述するように、燐(P)などの不純物がドーピングされており、その残留引っ張り応力が他の部分に比べて低減された応力調整部20とされている。一方、固定電極5には音波を通過させる複数の通孔21が外周部を除く中央側に均等に分散して形成されている。この場合、図1に示すように、固定電極5、ダイヤフラム電極7の平板部14は、同一の軸心X上に配置されている。 【0016】 前記絶縁層4は、半導体基板2の内周部側である空洞部1の周辺部付近を除く外周部側上に環状に積層されている。なお、この絶縁層4及び前記連結柱13は同じ絶縁物質として例えば酸化シリコンから構成される。 また、この絶縁層4には、図4に示すように、ダイヤフラム電極7の引き出し端子部16A先端のランド部17に接続状態に外部接続用入力端子22が上面に露出して形成され、ランド部17の裏面では、ランド部17と半導体基板2とを接続状態とする導通部23が形成されている。 なお、図示していないが、出力端子は固定電極5に設けられる。 【0017】 次に、このように構成されるコンデンサ型マイクロホンの製造方法について図5を参照しながら説明する。なお、この図5は、製造工程の各段階での断面構造の変遷を表しているが、図2のC−C線で示す引き出し端子部16Aの部分で断面にした状態の変遷を示している。 【0018】 (1)積層工程 まず、図5(a)に示すように、半導体基板2となる単結晶シリコン等の基板用平板31の表面にCVD(Chemical Vapor Deposition)等の薄膜形成技術により酸化シリコン(SiO2)等の絶縁物質を堆積して、第1絶縁物質層32を形成する。 次に、第1絶縁物質層32の上に、ダイヤフラム電極7とするためのポリシリコン等からなる導電層33をCVD法等により形成する。そして、この導電層33において、後にダイヤフラム電極7の各引き出しアーム部16A〜16Cにおけるブリッジ部分となる位置を残して全体に図5(a)の鎖線で示すようにレジスト層34を形成し、ブリッジ部分に燐(P)などの不純物をイオン注入によりドープする。 【0019】 次いで、レジスト層34を除去した後に、例えばRTA(Rapid Thermal Annealing)装置を用いて例えば800〜900℃でアニールする。 なお、この導電層33において、ダイヤフラム電極7の引き出しアーム部16A先端のランド部17となる位置では、第1絶縁物質層32に予めスルーホールを形成しておき、このスルーホールを埋めるように導電層33を形成することにより、導電層33を基板用平板31に接続状態とする導通部22を一体に形成しておく。 【0020】 そして、この導電層33上にレジストを塗布して露光現像処理を施すことにより、図5(b)で示すように、ダイヤフラム電極6となる部分を覆うレジスト層35を形成する。そして、RIE(Reactive Ion Etching)等でエッチング処理を施すことによりダイヤフラム電極7が形成され、しかる後、レジスト剥離液を用いてレジスト層35を除去して、図5(c)で示す状態とする。 【0021】 次いで、ダイヤフラム電極7の全体を覆うように酸化シリコン等からなる絶縁物質をCVD法等により堆積して、第2絶縁物質層36を形成する。 さらに、この第2絶縁物質層36の上にポリシリコン等からなる導電層をCVD法等により形成し、この導電層上に固定電極5及び支持梁11となる部分を覆うレジスト層を形成して、RIE等のエッチング処理により通孔20を有する固定電極5及び支持梁11を形成する。これら固定電極5及び支持梁11を形成した後、これらの上に積層されているレジスト層を除去すると図5(d)に示す状態となる。この状態で固定電極5と支持梁11とは、その間に屈曲したスリット12を介して分離された状態となる。 なお、ダイヤフラム電極7の引き出しアーム部16Aのランド部17上では、第2絶縁物質層36にスルーホールを形成し、その上からアルミニウム等のスルーホールメッキによる外部接続用入力端子22を形成する。 【0022】 (2)空洞部形成工程 次に、図5(d)に鎖線で示すように基板用平板31の裏面側に空洞部1となる中央部を残してレジスト層37を形成し、いわゆる深堀エッチング(Deep RIE)により、第1絶縁物質層32との界面に到達するまで基板用平板31の中央部を除去して、図5(e)に示すように空洞部1を有する半導体基板2を形成する。この空洞部1を形成した後、半導体基板2上のレジスト層37を除去する。 【0023】 (3)ウエットエッチング処理工程 次いで、図5(f)に示すように、固定電極5の通孔21が形成されている中央部分を除いて、固定電極5の外周部及び支持梁11の外側端部を覆うようにリング状にレジスト層38を形成し、全体をフッ酸等のエッチング液に浸漬してウェットエッチングを施す。 このエッチング処理により、半導体基板2の空洞部1でエッチング液に接触する第1絶縁物質層32が中央部から溶解され、ダイヤフラム電極7が露出してくると、該ダイヤフラム電極7の平板部14の周囲からエッチング液が回り込んで平板部14上の第2絶縁物質層36を溶解し、一方、固定電極5の通孔21及び支持梁11との間のスリット12を介してエッチング液に接触している部分の第2絶縁物質層36がこれら通孔21及びスリット12の部分から溶解する。これら絶縁物質層32、36の溶解は厚さ方向だけでなく、いわゆるサイドエッチングと称される面方向のエッチングも進行する。そして、このエッチング時間を適切に設定することにより、固定電極5とダイヤフラム電極7との間の絶縁物質が除去されて両電極5,7間に空隙層6が形成されるとともに、内側空間3を形成した絶縁層4と、各支持梁11とダイヤフラム電極7との間を連結する連結柱13とが形成されるものである。 【0024】 以上の一連の製造プロセスにおいて、ダイヤフラム電極7となる導電層33を第1絶縁物質層32上に成膜する際には、第1絶縁物質層32の酸化シリコンよりも大きな熱膨張係数を有するポリシリコンが高温で供給される。このため、第1絶縁物質層32及び第2絶縁物質層36に埋設されて常温まで低温化したときにはダイヤフラム電極7(導電層33)に引っ張り応力が発生しており、これら絶縁物質層32,36を溶解させて図5(f)に示すようにダイヤフラム電極7を吊下げ状態とした際には、ダイヤフラム電極7がこの引っ張り応力によって半径方向内方に縮むように変形しようとする。 【0025】 これを図6により説明すると、その(a)で示すように、ダイヤフラム電極7の平板部14が半径内方に縮もうとすることに伴って支持梁11との連結柱13の下端が矢印で示す半径内方に移動させられ、各連結柱13が傾斜変形し、平板部14の中央部が若干上方に持ち上がった状態で支持される。 このとき、平板部14から突出している引き出しアーム部16A〜16Cは、その先端部が絶縁層4内に埋没状態に固定されているから、平板部14が縮もうとする動きに対して水平方向の抵抗となるが、平板部14の周方向に均等に配置されているから、その抵抗も均等に分散され、平板部14の変形も均一になって両電極5,7間の間隙が均一なものとなる。また、上方に反ろうとする平板部14に対して、各引き出しアーム部16A〜16Cは平板部14の周縁を水平方向に引っ張ることになるから、平板部14が過度に撓むことを抑制することができる。 【0026】 この場合、前述したように引き出しアーム部16A〜16Cの平板部14と絶縁層4への固定部分の間に応力調整部20が形成されて、その引っ張り応力が他の部分に比べて小さい状態とされている。図7は、多結晶シリコンに不純物として燐(P)をドープした場合と、ドープなしの場合とでアニール後の残留応力がどのように影響されるかを示したもので、不純物をドープした場合をA、ドープなしの場合をBとして表示したように、ドープした場合は残留応力として引っ張り応力が発生する。 そして、そのドープ量とアニール温度を調整することにより、各引き出しアーム部16A〜16Cの応力調整部20の引っ張り応力を最適な応力値に設定することができ、その引き出しアーム部16A〜16Cの引っ張り力によって両電極5,7の間隙を適切な距離に維持することができる。この場合のアニール温度はシリコン酸化膜のガラス転移点以下の範囲で設定できる。このため、いわゆるプルイン電圧が大きくなり、その結果、バイアス電圧を高めておくことが可能になり、高い感度のマイクロホンとすることができる。 【0027】 因みに、引き出しアーム部がランド部17を有する一本のみで他は形成されていない場合には、図6(b)で示すように、引き出しアーム部16が配置されている部分では平板部14が縮もうとしても引き出しアーム部16に引っ張られることにより、この引き出しアーム部16に近い位置の連結柱(図の右側の連結柱)13が他の連結柱(左側の連結柱)13に比べて変形が妨げられて傾斜が小さくなり、したがって平板部14の変形が非対称になって固定電極5との間の間隙も不均一になる。 【0028】 これに対して、この実施形態のコンデンサ型マイクロホンでは、3本の引き出しアーム部16が平板部14の周囲に等間隔で配置されていることにより、平板部14は三方向に質量的にもバランスされて支持される。したがって、平板部14の変形が図6(a)に示すように対称になり、固定電極5との間の間隙が均一に保持され、かつ平板部14の引っ張り残留応力が各連結柱13の均等な傾斜変形によって分布も小さくかつその大きさも低減された状態となっている。 【0029】 そして、このように構成されたコンデンサ型マイクロホンは、固定電極5の通孔21を経由して伝達される音圧によりダイヤフラム電極7の平板部14に振動が生じると、固定電極5とダイヤフラム電極7の平板部14との間の距離が変化し、その変化に伴う両電極5,7間の静電容量の変化を検出するのであるが、このとき、ダイヤフラム電極7の平板部14は、引き出しアーム部16の応力調整部20により、均等に支持されて、その応力分布を均一に維持することができるとともに、振動時の抵抗も少ないので、音圧に対して高い感度で応答することができる。 【0030】 また、このようにこのコンデンサ型マイクロホンにおいては、平板部14の変形が均一になるとともに、振動に対する応答性が高められるため、適切な残留応力に設定することにより、いわゆるプルイン電圧を大きくすることができ、その結果、バイアス電圧を大きくしておくことが可能になり、より高い感度のマイクロホンとすることができる。 【0031】 なお、前記実施形態では、引き出しアーム部16をランド部17付近まで同一幅に形成し、平板部14と絶縁層4への固定部分との間のブリッジ部分に不純物をドープして、その部分の残留応力を低減させることにより、応力調整部20を構成したが、引き出しアーム部の幅の範囲で多数の貫通孔を形成したり、幅を部分的に小さくしたりすることにより、その部分の断面積を小さくした構成等によって応力調整部としてもよく、応力調整部としては、平板部が固定電極に近づき過ぎない程度の所定値の引っ張り力を平板部に作用させ得ればよい。 【0032】 なお、前記実施形態では平板部を吊下げ状態に支持している連結柱と同じ位置に引き出しアーム部を配置したが、各連結柱の間に配置させる構成としてもよい。また、このダイヤフラム電極を吊下げ状態に支持している支持梁及び連結柱は3箇所以上でもよく、引き出しアーム部も必要に応じて増やしてもよい。 【図面の簡単な説明】 【0033】 【図1】本発明の実施形態のコンデンサ型マイクロホンにおける縦断面図であり、図2のB−B線に沿う矢視図である。 【図2】図1における固定電極及び支持梁の平面図である。 【図3】図1のA−A線に沿う絶縁層部分の平断面図である。 【図4】図2のC−C線に沿う矢視図である。 【図5】この実施形態のコンデンサ型マイクロホンの製造工程を順に示す縦断面図である。 【図6】この種のコンデンサ型マイクロホンのダイヤフラム電極における引っ張り応力による変形状態を説明するもので、(a)がこの実施形態に係る縦断面図、(b)が引き出しアーム部が1本の場合の縦断面図である。 【図7】導電膜に燐をドープした場合とドープなしの場合とのアニール温度と残留応力との関係を示すグラフである。 【符号の説明】 【0034】 1…空洞部、2…半導体基板、3…内側空間、4…絶縁層、5…固定電極、6…空隙層、7…ダイヤフラム電極、11…支持梁、12…スリット、13…連結柱、14…平板部、15…リング状空間、16A〜16C…引き出しアーム部、17…ランド部、18…貫通孔、20…応力調整部、21…通孔、22…入力端子、23…導通部、31…半導体基板用平板、32…第1絶縁物質層、33…導電層、34…レジスト層、35…レジスト層、36…第2絶縁物質層、37…レジスト層、38…レジスト層。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000004075 【氏名又は名称】ヤマハ株式会社
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| 【出願日】 |
平成18年7月7日(2006.7.7) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100064908 【弁理士】 【氏名又は名称】志賀 正武
【識別番号】100089037 【弁理士】 【氏名又は名称】渡邊 隆
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| 【公開番号】 |
特開2008−17344(P2008−17344A) |
| 【公開日】 |
平成20年1月24日(2008.1.24) |
| 【出願番号】 |
特願2006−188459(P2006−188459) |
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