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【発明の名称】 赤外線通信受信機及び赤外線ワイヤレスイヤホン
【発明者】 【氏名】井上 高広

【氏名】河辺 勇

【要約】 【課題】音声ノイズをオフにすることができる赤外線ワイヤレスイヤホンを実現する。

【構成】赤外線ワイヤレスイヤホン1は、音声データを表す音声信号を赤外線により受信する受信部7と、受信部7により受信した音声信号に基づいてスピーカ11を駆動するスピーカ駆動部10と、受信部7に供給される電源電圧の変化に応じて、受信部7に供給される電源をオフにする電源電圧監視回路2とを備え、電源電圧監視回路2は、電源電圧が第1電圧よりも低下すると、受信部7に供給される電源をオフにする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
音声データを表す音声信号を赤外線により受信する受信手段と、
前記受信手段により受信した前記音声信号に基づいてスピーカを駆動するスピーカ駆動手段と、
前記受信手段に供給される電源電圧の変化に応じて、前記受信手段に供給される電源をオフにする電源電圧監視回路とを備えたことを特徴とする赤外線通信受信機。
【請求項2】
前記電源電圧監視回路は、前記電源電圧が第1電圧よりも低下すると、前記受信手段に供給される電源をオフにする請求項1記載の赤外線通信受信機。
【請求項3】
前記電源電圧監視回路は、前記電源電圧が第2電圧よりも上昇すると、前記受信手段に供給される電源をオフにする請求項1記載の赤外線通信受信機。
【請求項4】
前記電源電圧監視回路は、前記電源電圧の変化に応じた信号を出力するための外部端子を有している請求項1記載の赤外線通信受信機。
【請求項5】
前記受信手段は、前記音声信号を受信する受信ブロックと、
前記受信ブロックにより受信した前記音声信号のパルス幅を、前記電源電圧の値に応じて伸縮させるパルス幅伸縮手段とを有する請求項1記載の赤外線通信受信機。
【請求項6】
前記パルス幅伸縮手段は、単安定マルチバイブレータにより構成されている請求項5記載の赤外線通信受信機。
【請求項7】
前記電源電圧監視回路は、ローパスフィルタを有している請求項1記載の赤外線通信受信機。
【請求項8】
前記電源電圧監視回路は、ヒステリシスコンパレータを有している請求項1記載の赤外線通信受信機。
【請求項9】
前記電源電圧監視回路は、前記電源電圧の変化を検出するための設定電圧を生成するバンドギャップ電圧源を有している請求項1記載の赤外線通信受信機。
【請求項10】
請求項1記載の赤外線通信受信機と、
前記スピーカ駆動手段によって駆動されるスピーカとを備えたことを特徴とする赤外線ワイヤレスイヤホン。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、赤外線通信受信機及び赤外線ワイヤレスイヤホンに関し、特に、音声データをワイヤレスで受信する赤外線通信受信機及び赤外線ワイヤレスイヤホンに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ディジタルの音声信号処理を行う機器の開発が活発に行われている。これに伴って、機器間の接続のためのディジタル音声信号技術もさかんに開発されている。
【0003】
赤外線通信の世界標準規格であるIrDA(Infra−red Data Association)に基づいた赤外線通信デバイスにより、音声データを通信する際に、PCM信号をPDM(Pulse Density Modulation)変調した1bitデータ列を転送する方式が提案されている(例えば特許文献1参照)。
【0004】
図13は、従来の赤外線ワイヤレスイヤホンの構成を示すブロック図である。赤外線ワイヤレスイヤホン91は、受信部97を備える。受信部97は、PDM変調された1bitデータ列により表される音声信号を赤外線により受信し、パルス幅拡張部90に与える。パルス幅拡張部90は、受信部97により与えられた音声信号のパルス幅を拡張してスピーカ駆動部80に与える。スピーカ駆動部80は、パルス幅拡張部90によってパルス幅が拡張された音声信号に基づいてスピーカ81を駆動する。
【0005】
受信部97としては、IrDA受信用デバイスおよび赤外線リモコン受信デバイスが考えられる。下記の(表1)及び(表2)に示す通信レートから考えてIrDA受信用デバイスの1.152Mbps(MIR),4Mbps(FIR)が好適である。
【0006】
【表1】


【0007】
【表2】


【0008】
図14はパルス幅拡張部90の構成を示す回路図であり、図15はその動作を示す波形図である。パルス幅拡張部90は、トランジスタTr94と抵抗R94と容量C94とインバータInv94とを備える。トランジスタTr94のドレインと抵抗R94の一端と容量C94の一端とインバータInv94の入力側とは、ポイントAにおいて互いに結合されている。抵抗R94の他端は電源電圧Vddを与える端子に接続されており、容量C94の他端及びトランジスタTr94のソースは接地されている。
【0009】
トランジスタTr94のゲートにパルス幅t_inを有する音声信号S94Aが入力されると、ポイントAにおいて発生する信号S94BとインバータInv94のしきい値電圧Vthとの交点に基づいて、パルス幅t_inよりも長いパルス幅t_outを伴う音声信号S94CがインバータInv94から出力される。
【0010】
この場合、パルス幅は下記の式に従って拡張される。
【0011】
パルス幅t_out = t_in + C×R×ln(Vdd/Vth)、
ここで、
t_in :入力音声信号S94Aのパルス幅、
Vth :インバータInv94のしきい値電圧、
である。
【0012】
このように、パルス幅拡張部90において音声信号のパルス幅を拡張してパルスの密度を大きくすることにより、より大きな音圧を得ることができる。
【特許文献1】特開2004−135321号公報(平成16年4月30日公開)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
音声データを赤外線で受信する場合、受信側の赤外線ワイヤレスイヤホン91は通常、電池駆動となる。一般的な小型ボタン電池電圧は、3Vである。ここで、通常のIrDAデバイスでは、動作電源電圧は2.4V〜3.6Vである。このため、小型ボタン電池電圧が2.4V以下になると、赤外線ワイヤレスイヤホン91は正常に動作せず、音声にノイズが発生する。また、電池は初期値が3Vであっても、使用するにしたがって電圧が低下するため、音圧が低下するという問題がある。
【0014】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、音声ノイズをオフにすることができる赤外線通信受信機及び赤外線ワイヤレスイヤホンを実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明に係る赤外線通信受信機は、上記課題を解決するために、音声データを表す音声信号を赤外線により受信する受信手段と、前記受信手段により受信した前記音声信号に基づいてスピーカを駆動するスピーカ駆動手段と、前記受信手段に供給される電源電圧の変化に応じて、前記受信手段に供給される電源をオフにする電源電圧監視回路とを備えたことを特徴としている。
【0016】
この特徴によれば、電源電圧監視回路により、受信手段に供給される電源電圧の変化に応じて、受信手段に供給される電源をオフにする。このため、電源電圧が、受信手段が動作可能な電圧範囲の外になるときに、受信手段に供給される電源をオフにして受信手段をシャットダウンすることができ、その結果、音声ノイズをオフにすることができる。
【0017】
本発明に係る赤外線通信受信機では、前記電源電圧監視回路は、前記電源電圧が第1電圧よりも低下すると、前記受信手段に供給される電源をオフにすることが好ましい。
【0018】
上記構成によれば、使用するに従って電源電圧が低下したときに、受信手段をシャットダウンして、音声ノイズをオフすることができる。
【0019】
本発明に係る赤外線通信受信機では、前記電源電圧監視回路は、前記電源電圧が第2電圧よりも上昇すると、前記受信手段に供給される電源をオフにすることが好ましい。
【0020】
上記構成によれば、電源電圧が異常に上昇したときに、受信手段をシャットダウンして、音声ノイズをオフすることができる。
【0021】
本発明に係る赤外線通信受信機では、前記電源電圧監視回路は、前記電源電圧の変化に応じた信号を出力するための外部端子を有していることが好ましい。
【0022】
上記構成によれば、外部端子から出力される信号に基づいて、受信手段に電源を供給する電池の交換時期を検知することが可能になる。
【0023】
本発明に係る赤外線通信受信機では、前記受信手段は、前記音声信号を受信する受信ブロックと、前記受信ブロックにより受信した前記音声信号のパルス幅を、前記電源電圧の値に応じて伸縮させるパルス幅伸縮手段とを有することが好ましい。
【0024】
上記構成によれば、電源電圧の変化に応じて音圧を調整することができ、使用するに従って電源電圧が低下して、音圧が低下することを防止することができる。
【0025】
本発明に係る赤外線通信受信機では、前記パルス幅伸縮手段は、単安定マルチバイブレータにより構成されていることが好ましい。
【0026】
上記構成によれば、可変抵抗と電流源と比較器という簡単な構成の調整用可変電圧供給回路を有する単安定マルチバイブレータにより、音声信号のパルス幅を伸縮させることができる。
【0027】
本発明に係る赤外線通信受信機では、前記電源電圧監視回路は、ローパスフィルタを有していることが好ましい。
【0028】
上記構成によれば、電源電圧に重畳した高周波ノイズをローパスフィルタによって除去することができる。
【0029】
本発明に係る赤外線通信受信機では、前記電源電圧監視回路は、ヒステリシスコンパレータを有していることが好ましい。
【0030】
上記構成によれば、電源電圧が急激に変動しても、チャタリングを防止することができる。
【0031】
本発明に係る赤外線通信受信機では、前記電源電圧監視回路は、前記電源電圧の変化を検出するための設定電圧を生成するバンドギャップ電圧源を有していることが好ましい。
【0032】
上記構成によれば、電源電圧の変化を検出するための設定電圧を、温度に依存することなく設定することができるため、電源電圧を高精度に監視することができる。
【0033】
本発明に係る赤外線ワイヤレスイヤホンは、本発明に係る赤外線通信受信機と、前記スピーカ駆動手段によって駆動されるスピーカとを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0034】
本発明に係る赤外線通信受信機は、以上のように、前記受信手段に供給される電源電圧の変化に応じて、前記受信手段に供給される電源をオフにする電源電圧監視回路を備えているので、音声ノイズをオフすることができるという効果を奏する。
【0035】
本発明に係る赤外線ワイヤレスイヤホンは、以上のように、本発明に係る赤外線通信受信機を備えているので、音声ノイズをオフすることができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
本発明の一実施形態について図1ないし図12に基づいて説明すると以下の通りである。
【0037】
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1に係る赤外線ワイヤレスイヤホン1の構成を示すブロック図である。赤外線ワイヤレスイヤホン1は、受信部7を備える。受信部7は、受信ブロック8を有している。受信ブロック8は、PDM変調された1bitデータ列により表される音声信号を赤外線により受信し、スピーカ駆動部10に与える。スピーカ駆動部10は、受信ブロック8によって受信された音声信号に基づいてスピーカ11を駆動する。
【0038】
赤外線ワイヤレスイヤホン1には、電源電圧監視回路2が設けられている。電源電圧監視回路2は、受信ブロック8に供給される電源電圧の変化に応じて、受信ブロック8に供給される電源をオフにする。
【0039】
図2は、電源電圧監視回路2の構成を説明するための回路図である。電源電圧監視回路2は、ローパスフィルタ回路4とSD用回路12とを有している。ローパスフィルタ回路4は、直列に接続された抵抗R1・R2を有している。抵抗R1の抵抗R2と反対側の一端は、受信ブロック8に供給される電源電圧Vddが印加される端子に接続されている。抵抗R2と並列に容量C1が設けられている。抵抗R2の抵抗R1と反対側は、接地されている。
【0040】
抵抗R1と抵抗R2との間から、下記の式で表される電圧V1が出力される。
【0041】
V1={R2/(R1+R2)}×{1/(1+s×C1×(R1//R2))}
×Vdd
このように、電源電圧Vddは、ローパスフィルタ回路4によって分圧される。
【0042】
ローパスフィルタ回路4は、下記の式によって表されるカットオフ周波数を有するローパスフィルタを構成している。
【0043】
カットオフ周波数=1/(2×π×C1×(R1//R2))
ローパスフィルタ回路4がローパスフィルタを構成することによって、電源電圧Vddに重畳した高周波ノイズの除去が可能である。電圧V1には、DC電圧として、
{R2/(R1+R2)}×Vdd
の電圧が得られる。
【0044】
SD用回路12は、コンパレータComp1を有している。コンパレータComp1の非反転入力端子には、ローパスフィルタ回路4から電圧V1が供給される。コンパレータComp1の反転入力端子には、基準電圧Vth01が供給される。コンパレータComp1は、電圧V1と基準電圧Vth01とを比較し、電源電圧Vddの低下を検出し、受信ブロック8に供給される電源をオフにして受信ブロック8をシャットダウンさせるための信号SDを、インバータInv1を介してシャットダウン回路13に供給する。
【0045】
すなわち、
V1<Vth01
の時、
SD=Hi (受信ブロック8 シャットダウン)
となり、
V1≧Vth01
の時、
SD=Lo (通常動作)
となる。
【0046】
このとき、信号SDを外部に出力するための外部端子をSD用回路12に設けると、赤外線ワイヤレスイヤホン1の電池の交換時期を検知することが可能である。
【0047】
図3は、シャットダウン回路13の構成を示す回路図である。シャットダウン回路13は、
V1<Vth01 の時、SD=Hi
になったことに応じて、受信ブロック8に電源を供給する電源回路をオフにしてシャットダウンする。
【0048】
シャットダウンは、赤外線ワイヤレスイヤホン1全体の電源をオフにするのとは異なり、赤外線ワイヤレスイヤホン1の必要な回路ブロックだけをオンのまま残し、他の回路ブロックをオフすることを意味する。例えば、電源監視用の回路ブロックは、シャットダウン時も動作する必要がある。また、受信デバイスに設けられた、送信信号の入力検出用回路、及び間欠動作のためのウォッチドックタイマー用回路などは、シャットダウン時も動作する必要がある。送信信号の入力検出用回路は、送信信号が入力された場合、すぐにシャットダウン状態から復帰するために必要な回路である。間欠動作のためのウォッチドックタイマー用回路は、送信信号が入力されない待機時に間欠動作(1secに1msecだけシャットダウン状態から、動作状態に戻る動作)の制御を行う回路である。
【0049】
シャットダウン回路13は、SD用カレントミラー回路15を有している。SD用カレントミラー回路15は、NPN型トランジスタQN3・QN4・QN5を有している。NPN型トランジスタQN3・QN4・QN5の各ベースは、互いに接続されており、各エミッタは、接地されている。NPN型トランジスタQN3のコレクタとベースとは、互いに接続されている。
【0050】
シャットダウン回路13には、MOSトランジスタMN1が設けられている。MOSトランジスタMN1のゲートには、SD用回路12からの信号SDが供給される。MOSトランジスタMN1のドレインは、NPN型トランジスタQN4のベースに接続されており、そのソースは接地されている。
【0051】
シャットダウン回路13は、PNP型トランジスタQP1・QP2・QP3・QP4を有している。PNP型トランジスタQP1・QP2・QP3・QP4の各ベースは、互いに接続されており、各エミッタには、電源電圧Vddが供給される。PNP型トランジスタQP4のコレクタは、NPN型トランジスタQN3のコレクタに接続されている。
【0052】
シャットダウン回路13には、動作用カレントミラー回路16が設けられている。動作用カレントミラー回路16は、NPN型トランジスタQN6・QN7・QN8が設けられている。NPN型トランジスタQN6・QN7・QN8の各ベースは互いに接続されており、各エミッタは接地されている。NPN型トランジスタQN6のコレクタとベースとは、互いに接続されている。
【0053】
シャットダウン回路13は、NPN型トランジスタQN1・QN2を有している。NPN型トランジスタQN1・QN2のベースは、互いに接続されている。NPN型トランジスタQN1のエミッタは、接地されており、そのコレクタとベースは、互いに接続されている。NPN型トランジスタQN2のエミッタは、抵抗R10を介して接地されている。
【0054】
通常、各回路ブロックは、基準電流源によって駆動され動作する。シャットダウン回路13は、この基準電流源をオフすることにより、シャットダウン時に必要のない回路ブロックをオフする。
【0055】
SD=Hiになると、MOSトランジスタMN1がオンとなり、MOSトランジスタMN1のドレイン電圧はLoとなり、SD用カレントミラー回路15がオフとなり、電流Iref_SDが、NPN型トランジスタQN5に流れなくなる。シャットダウン時においても動作が必要な回路ブロックは、動作用カレントミラー回路16によって駆動するため、シャットダウンされない。
【0056】
以上のように本実施の形態によれば、赤外線ワイヤレスイヤホン1に電源電圧監視回路2を設けたので、電源電圧が動作範囲外になったときに、受信ブロック8をシャットダウンし、動作電源電圧範囲外の異常動作を防止して、音声ノイズをオフすることができる。また、電源電圧変動に対して、音圧の変動を低減できる。
【0057】
また、SD信号を出力するための外部端子をSD用回路12に設けることにより、赤外線ワイヤレスイヤホン1の電池の交換時期を検知することが可能になる。
【0058】
また、電源電圧監視回路2のローパスフィルタ回路に構成したローパスフィルタにより、高周波ノイズの除去が可能になる。
【0059】
図4は、他の電源電圧監視回路2aの構成を説明するための回路図である。図2を参照して前述した構成要素と同一の構成要素には、同一の参照符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0060】
図2の電源電圧監視回路2と同様に、電圧V1としては、DC電圧として、
{R2/(R1+R2)}×Vdd
の電圧が得られる。
【0061】
コンパレータComp2は、電圧V1と基準電圧Vth02とを比較して、電源電圧Vddの上昇を検出し、受信ブロック8をシャットダウンさせるための信号SDをシャットダウン回路13に供給する。
【0062】
すなわち、
V1>Vth02 の時、
SD=Hi (ブロック8をシャットダウン)
V1≦Vth02 の時、
SD=Lo (通常動作)
となる。
【0063】
(実施の形態2)
図5は、実施の形態2に係る赤外線ワイヤレスイヤホン1aの構成を示すブロック図である。実施の形態1において前述した構成要素と同一の構成要素には、同一の参照符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0064】
赤外線ワイヤレスイヤホン1aは、受信部7aを備えている。受信部7aは、受信ブロック8とパルス幅伸縮部9とを有している。受信ブロック8は、PDM変調された1bitデータ列により表される音声信号を赤外線により受信して、パルス幅伸縮部9に与える。パルス幅伸縮部9は、受信ブロック8により受信した音声信号のパルス幅を、受信ブロック8に供給される電源電圧の値に応じて伸縮させる。
【0065】
赤外線ワイヤレスイヤホン1aには、電源電圧監視回路2bが設けられている。図6は、電源電圧監視回路2bの構成を説明するための回路図である。電源電圧監視回路2bは、ローパスフィルタ回路4とパルス幅伸縮用回路14とを有している。
【0066】
パルス幅伸縮用回路14は、互いに並列に配置された8個のコンパレータComp11・Comp12・…Comp17・Comp18を有している。コンパレータComp11は、ローパスフィルタ回路4から供給された電圧V1と基準電圧Vth11とを比較した比較結果をデコーダ17に出力する。コンパレータComp12は、電圧V1と基準電圧Vth12とを比較した比較結果をデコーダ17に出力する。コンパレータComp17は、電圧V1と基準電圧Vth17とを比較した比較結果をデコーダ17に出力する。コンパレータComp18は、電圧V1と基準電圧Vth18とを比較した比較結果をデコーダ17に出力する。デコーダ17は、下記の(表3)に示すように、8個のコンパレータComp11・Comp12・…Comp17・Comp18からの比較結果に基づいて、Do[0]、Do[1]、Do[2]の3bitの出力をパルス幅伸縮部9に供給する。
【0067】
【表3】


【0068】
図7は、パルス幅伸縮部9の構成を示す回路図である。パルス幅伸縮部9は、単安定マルチバイブレータ18によって構成されている。単安定マルチバイブレータ18は、音声信号が入力されるインバータInv2を備える。インバータInv2の出力側には、容量C2が接続されている。容量C2のインバータInv2と反対側にはインバータInv3と抵抗R3とが互いに並列に接続されている。抵抗R3の容量C2と反対側には電源電圧Vddを与える端子が接続されている。
【0069】
インバータInv3の出力側には、トランジスタTrと、可変電流供給回路19と、容量C3と、コンパレータComp21とが設けられている。トランジスタTrのドレインと可変電流供給回路19と容量C3とコンパレータComp21の非反転入力端子とは、ラインCによって互いに結合されている。
【0070】
可変電流供給回路19は、互いに並列に配置された電流源20a・20b・20c・20dと、電流源20bに直列に接続されたスイッチSW1と、電流源20cに直列に接続されたスイッチSW2と、電流源20dに直列に接続されたスイッチSW3とを有している。
【0071】
トランジスタTrのソースは接地されている。コンパレータComp21の反転入力端子には基準電圧Vref1が供給される。
【0072】
図8は、パルス幅伸縮部9の動作を示す波形図である。パルス幅t_inを有する音声信号S7inがインバータInv2に入力されると、容量C2と抵抗R3とにより構成されたハイパスフィルタにより、この音声信号S7inの入力パルスの立ち上がりエッジが検出されて、パルス信号S7AがラインAを通ってインバータInv3に出力される。インバータInv3は、パルス信号S7Aに基づいてゲートパルスS7Bを生成してトランジスタTrのゲートに出力する。そしてゲートパルスS7Bをスイッチとして、図8に示す信号S7CがラインCを通ってコンパレータComp21の非反転入力端子に入力され、コンパレータComp21は、信号S7Cを可変電圧Vref2と比較してパルス幅t_outを有する信号S7outを生成する。信号S7outのパルス幅t_outは、下記の式によって定まる。
【0073】
パルス幅t_out = tg + C3×Vref1/(I1+n×I2)、
ここで、
tg :ゲートパルスS7Bのパルス幅、
C3 :調整用容量、
Vref1 :調整用電圧、
I1 :調整用電流、
n :0〜7、Do[0]、Do[1]、Do[2]に応じたスイッチSW1・SW2
・SW3の開閉により調整する。
である。
【0074】
ここで、nの値に応じてパルス幅調整が可能であることが明らかである。
【0075】
電源電圧Vddが変化して、デコーダ17の出力Dout[0]、Dout[1]、Dout[2]が変化すると、信号S7Cとの交点が移動し、信号S7outのパルス幅t_outを調整することができる。
【0076】
パルス幅伸縮用回路14のコンパレータを増やし、出力Doutを4bit(n=0〜15),5bit(n=0〜31)・・・ とすることにより、高精度にパルス幅を調整することが可能である。
【0077】
また、第1項 tg は、第2項にくらべ小さく、通常無視できる。電源電圧の3.6Vから2.4Vへの変動に応じて、nを7から0へと調整することにより、パルス幅が大きくなり、音圧調整が可能である。
【0078】
以上のように本実施の形態によれば、電源電圧監視回路2bとパルス幅伸縮部9とを設けたので、電源電圧の変動に応じて音圧を調整することが可能である。
【0079】
図9は、他の電源電圧監視回路2cの構成を説明するための回路図である。前述した構成要素と同一の構成要素には同一の参照符号を付している。従って、これらの構成要素の詳細な説明は省略する。
【0080】
電源電圧監視回路2cは、ローパスフィルタ回路4とSD用回路12cとパルス幅伸縮用回路14とを有している。SD用回路12cは、互いに並列に配置されたコンパレータComp1・Comp2を有している。コンパレータComp1は、ローパスフィルタ回路4から供給された電圧V1を基準電圧Vth01と比較した結果を論理素子21に出力する。コンパレータComp2は、電圧V1を基準電圧Vth02と比較した結果を論理素子21に出力する。論理素子21は、コンパレータComp1の比較結果とコンパレータComp2の比較結果との排他的論理和を表す信号SDをシャットダウン回路13に供給する。
【0081】
図2の電源電圧監視回路2と同様に、電圧V1としては、DC電圧として、
{R2/(R1+R2)}×Vdd
の電圧が得られる。
【0082】
図10は、電源電圧監視回路2cの動作を示す波形図である。コンパレータComp1・Comp2・Comp11〜Comp18のそれぞれは、電圧V1と基準電圧Vth01・Vth02・Vth11〜Vth18とを比較する。下記の(表4)に示すように、SD用回路12cは、電圧V1の値に応じた信号SDをシャットダウン回路13に出力し、パルス幅伸縮用回路14は、電圧V1の値に応じた3bitの信号Do[0]、Do[1]、Do[2]をパルス幅伸縮部9に出力する。
【0083】
【表4】


【0084】
図11(a)は、ヒステリシスコンパレータ5の構成を示す回路図である。コンパレータComp1・Comp2・Comp11〜Comp18のそれぞれは、ヒステリシスコンパレータ5によって構成してもよい。
【0085】
ヒステリシスコンパレータ5は、MOSトランジスタM1・M2を備えている。MOSトランジスタM1・M2のソースは、互いに接続され、電流源Iに接続されている。MOSトランジスタM1のゲートには、電圧V1が入力され、MOSトランジスタM2のゲートには、基準電圧Vthが入力される。
【0086】
ヒステリシスコンパレータ5には、MOSトランジスタM3・M4が設けられている。MOSトランジスタM3・M4のゲートは、互いに接続されている。MOSトランジスタM3のドレインは、MOSトランジスタM1のドレインに接続されている。MOSトランジスタM3のドレインとゲートとは、互いに接続されている。MOSトランジスタM4のドレインは、MOSトランジスタM2のドレインに接続されている。MOSトランジスタM3・M4のソースは、電源電圧Vddを与えるラインに接続される。
【0087】
ヒステリシスコンパレータ5は、MOSトランジスタM5・M6を備えている。MOSトランジスタM5・M6のゲートは、互いに接続されている。MOSトランジスタM5のドレインは、MOSトランジスタM1のドレインに接続されている。MOSトランジスタM6のドレインとゲートとは、互いに接続されている。MOSトランジスタM6のドレインは、MOSトランジスタM2のドレインに接続されている。MOSトランジスタM5・M6のソースは、電源電圧Vddを与えるラインに接続される。
【0088】
ヒステリシスコンパレータ5には、MOSトランジスタM7・M8が設けられている。MOSトランジスタM7・M8のゲートは、互いに接続されている。MOSトランジスタM7・M8のソースは、GNDに接続される。MOSトランジスタM7のゲートとドレインとは互いに接続されている。
【0089】
ヒステリシスコンパレータ5は、MOSトランジスタM9を備えている。MOSトランジスタM9のドレインは、MOSトランジスタM7のドレインに接続されている。MOSトランジスタM9のゲートは、MOSトランジスタM4のゲートに接続されている。MOSトランジスタM9のソースは、電源電圧Vddを与えるラインに接続される。
【0090】
ヒステリシスコンパレータ5には、MOSトランジスタM10が設けられている。MOSトランジスタM10のドレインは、MOSトランジスタM8のドレインに接続されている。MOSトランジスタM10のゲートは、MOSトランジスタM6のゲートに接続されている。MOSトランジスタM10のソースは、電源電圧Vddを与えるラインに接続される。
【0091】
ヒステリシスコンパレータ5は、MOSトランジスタM11・M12を備えている。MOSトランジスタM11のソースには、電源電圧Vddが供給される。MOSトランジスタM11のドレインは、MOSトランジスタM12のドレインに接続されている。MOSトランジスタM11・M12のゲートは、互いに接続されて、MOSトランジスタM8のドレインに結合されている。MOSトランジスタM12のソースは、接地されている。MOSトランジスタM11・M12の間に出力端子が接続されている。
【0092】
図11(b)(c)は、ヒステリシスコンパレータ5の動作を説明するための回路図である。
【0093】
電圧V1が、
V1 > Vth−ΔV
という関係を満足するとき、図11(b)に示す状態となり、破線部の回路はオフする。
【0094】
したがって、矢印A1で示す電流が流れ、出力はハイ(H)となる。
V1 = Vth−ΔV
のとき、回路が平衡になるとすると、MOSトランジスタM1・M2を流れる電流は、
M1: {1/(N+1)}×Itail
M2: {N/(N+1)}×Itail
となり、このときのゲート−ソース電圧Vgsの差が、ΔVとなる。
MOSトランジスタM1・M2のW/L比が同じであるとすると、
Vth − Vgs2 = V1 − Vgs1
より、
ΔV = Vgs2−Vgs1
= (√2)×Vov×{√(N/(N+1))−√(1/(N+1))}
(Vov = √(Itail/(μ0×Cox×W/L))
ここで、
Vov:ヒステリシスがない場合(N=1)の、M1・M2のオーバードライブ電圧
である。
V1 < Vth−ΔV
となると、正帰還のためMOSトランジスタM1側に電流が全て流れることになり、出力がロー(L)になる。
【0095】
電圧V1が、
V1 < Vth+ΔV
となると、図11(c)に示す状態となり、破線部の回路はオフする。したがって、矢印A2で示す電流が流れ、出力はロー(L)となる。図11(b)の説明と同様に考えると、
V1 = Vth+ΔV
のとき、回路が平衡になるとすると、MOSトランジスタM1・M2を流れる電流は、
M1: {N/(N+1)}×Itail
M2: {1/(N+1)}×Itail
となり、このときのゲート−ソース電圧Vgsの差が、ΔVとなる。
MOSトランジスタM1・M2のW/L比が同じであるとすると、
Vth − Vgs2 = V1 − Vgs1
より、
ΔV = Vgs1−Vgs2
= (√2)*Vov*{√(N/(N+1))−√(1/(N+1))}
(Vov = √(Itail/(μ0×Cox×W/L))
ここで
Vov:ヒステリシスがない場合(N=1)の、MOSトランジスタM1・M2のオーバードライブ電圧
である。
V1 > Vth+ΔV
となると、正帰還のためMOSトランジスタM2側に電流が全て流れることになり、出力がハイ(H)になる。
【0096】
図11(b)(c)に示す動作により、図11(a)に示すヒステリシスコンパレータ5は、±ΔVのヒステリシス電圧を持つ。基準電圧Vth01・Vth02・Vth11〜Vth18のコンパレータComp1・Comp2・Comp11〜Comp18にヒステリシス特性を備えることにより、電源電圧の急な変動に対し、SD、Do[0−2]のチャタリングを防止することができる。
【0097】
図12は、電源電圧監視回路2cに設けられたバンドギャップ電圧源6の構成を示す回路図である。バンドギャップ電圧源6は、PNP型トランジスタQP11・QP12・QP13を有している。PNP型トランジスタQP11・QP12・QP13の各ベースは、互いに接続されており、各エミッタには、電源電圧Vddが供給される。
【0098】
バンドギャップ電圧源6は、NPN型トランジスタQN11・QN12を有している。N型MOSトランジスタQN11・QN12のベースは、互いに接続されている。N型MOSトランジスタQN11のエミッタは、接地されており、そのコレクタとベースは、互いに接続されている。NPN型トランジスタQN12のエミッタは、抵抗R10を介して接地されている。
【0099】
バンドギャップ電圧源6には、NPN型トランジスタQN13が設けられている。NPN型トランジスタQN13のコレクタは、PNP型トランジスタQP13のコレクタに接続されている。NPN型トランジスタQN13のコレクタとベースとは、互いに接続されている。NPN型トランジスタQN13のエミッタは、抵抗R11を介して接地されている。
【0100】
PNP型トランジスタQP13のコレクタは、オペアンプOPamp21の非反転入力端子に接続されている。オペアンプOPamp21の反転入力端子は、抵抗R12を介して接地されている。オペアンプOPamp21の出力と反転入力端子は抵抗を介して接続される。オペアンプOPamp21の出力は、抵抗分割されて、基準電圧Vth01・Vth02・Vth11〜Vth18が生成される。
【0101】
一般的にモノリシックICでPTAT(proportional to absolute temperature)電流を発生することは容易である。PTAT電流Irefは、下記の式によって表される。
Iref = Vt × (ln K) / R0
Vt = k×T/q
ここで
k:ボルツマン定数
T:絶対温度
q:電子の素電荷
N:トランジスタQ1、Q2のサイズ比
である。
【0102】
VrefをR1×Iref+Vbeによって構成すると、
Vref=R1×Vt×(ln N)/Ro+Vbe
となる。
【0103】
温度係数は、
(∂Vref/∂T)={R1×Vt×(ln N)/Ro}/T+(∂Vbe/∂T)
(∂Vref/∂T)/Vref
=A×(1/T)+B×(∂Vbe/∂T)/Vbe
ここで、
A={R1×Vt×(ln N)/Ro}/Vref
B=Vbe/Vref
となる。
【0104】
1/Tは、正であり、(∂Vbe/∂T)/Vbeは通常、負である。このため、A,Bの値を調整することにより、温度係数を0に近づけることが可能である。このとき、一般的にVref=1.25V付近となる。このVrefを用いて、Vth01、Vth02、Vth11〜Vth18を設定する。
【0105】
このバンドギャップ電圧源6を基準電圧Vth01・Vth02・Vth11〜Vth18の生成に用いることにより、温度に依存することなく基準電圧Vth01・Vth02・Vth11〜Vth18を設定できるため、高精度に電源電圧を監視することができる。
【0106】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0107】
本発明は、音声データをワイヤレスで受信する赤外線通信受信機及び赤外線ワイヤレスイヤホンに適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0108】
【図1】実施の形態1に係る赤外線ワイヤレスイヤホンの構成を示すブロック図である。
【図2】上記赤外線ワイヤレスイヤホンに設けられた電源電圧監視回路の構成を説明するための回路図である。
【図3】上記赤外線ワイヤレスイヤホンに設けられたシャットダウン回路の構成を示す回路図である。
【図4】上記赤外線ワイヤレスイヤホンに設けられた他の電源電圧監視回路の構成を説明するための回路図である。
【図5】実施の形態2に係る赤外線ワイヤレスイヤホンの構成を示すブロック図である。
【図6】上記赤外線ワイヤレスイヤホンに設けられた電源電圧監視回路の構成を説明するための回路図である。
【図7】上記赤外線ワイヤレスイヤホンの受信部に設けられたパルス幅伸縮部の構成を示す回路図である。
【図8】上記パルス幅伸縮部の動作を示す波形図である。
【図9】上記赤外線ワイヤレスイヤホンに設けられた他の電源電圧監視回路の構成を説明するための回路図である。
【図10】上記他の電源電圧監視回路の動作を示す波形図である。
【図11】(a)は、上記他の電源電圧監視回路に設けられたヒステリシスコンパレータの構成を示す回路図であり、(b)(c)は、上記ヒステリシスコンパレータの動作を説明するための回路図である。
【図12】上記他の電源電圧監視回路に設けられたバンドギャップ電圧源の構成を示す回路図である。
【図13】従来の赤外線ワイヤレスイヤホンの構成を示すブロック図である。
【図14】上記赤外線ワイヤレスイヤホンに設けられたパルス幅拡張部の構成を示す回路図である。
【図15】上記パルス幅拡張部の動作を示す波形図である。
【符号の説明】
【0109】
1 赤外線ワイヤレスイヤホン
2 電源電圧監視回路
3 外部端子
4 ローパスフィルタ回路(ローパスフィルタ)
5 ヒステリシスコンパレータ
6 バンドギャップ電圧源
7 受信部(受信手段)
8 受信ブロック
9 パルス幅伸縮部(パルス幅伸縮手段)
10 スピーカ駆動部(スピーカ駆動手段)
11 スピーカ
12 SD用回路
13 シャットダウン回路
14 パルス幅伸縮用回路(パルス幅伸縮手段)
【出願人】 【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
【出願日】 平成18年6月27日(2006.6.27)
【代理人】 【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人原謙三国際特許事務所


【公開番号】 特開2008−10974(P2008−10974A)
【公開日】 平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願番号】 特願2006−177070(P2006−177070)