| 【発明の名称】 |
平衡出力マイクロホンおよび平衡出力マイクロホンの製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】佐藤 明善
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| 【要約】 |
【課題】外来ノイズに弱いコンデンサマイクロホンにおけるノイズ対策が不充分であった。
【構成】音波による第1のダイヤフラムの振動に応じた第1の電気信号を出力する第1のコンデンサマイクロホンと、前記音波による第2のダイヤフラムの振動に応じた電気信号であって前記第1の電気信号と逆位相の第2の電気信号を出力する第2のコンデンサマイクロホンとを構成し、各電気信号によって平衡出力を得る。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 音波による第1のダイヤフラムの振動に応じた第1の電気信号を出力する第1のコンデンサマイクロホンと、 前記音波による第2のダイヤフラムの振動に応じた電気信号であって前記第1の電気信号と逆位相の第2の電気信号を出力する第2のコンデンサマイクロホンと、 を備える平衡出力マイクロホン。 【請求項2】 前記第1のコンデンサマイクロホンと前記第2のコンデンサマイクロホンとは、同一の基板に形成されている、 請求項1に記載の平衡出力マイクロホン。 【請求項3】 前記第1のダイヤフラムと前記第2のダイヤフラムとは、同時に堆積した膜によって形成される、 請求項1または請求項2のいずれかに記載の平衡出力マイクロホン。 【請求項4】 前記第1のコンデンサマイクロホンは、 振動電極を備えるとともに前記音波によって振動する第1のダイヤフラムと、 静止電極を備えるとともに前記第1のダイヤフラムに対して相対的に固定された第1のプレートとを備え、 前記第2のコンデンサマイクロホンは、 振動電極を備えるとともに前記音波によって前記第1のダイヤフラムと逆位相で振動する第2のダイヤフラムと、 静止電極を備えるとともに前記第2のダイヤフラムに対して相対的に固定された第2のプレートとを備える、 請求項1〜請求項3のいずれかに記載の平衡出力マイクロホン。 【請求項5】 前記第1のコンデンサマイクロホンと前記第2のコンデンサマイクロホンとの距離は、抑制対象のノイズが同相で前記第1のコンデンサマイクロホンと前記第2のコンデンサマイクロホンとに入力する距離である、 請求項4に記載の平衡出力マイクロホン。 【請求項6】 前記第1のコンデンサマイクロホンと前記第2のコンデンサマイクロホンとは、静止電極が形成されているとともに前記音波を通過させる穴が形成されたプレートを備え、 前記プレートは、振動電極を備えた前記第1のダイヤフラムと振動電極を備えた前記第2のダイヤフラムとの間に形成されている、 請求項1〜請求項3のいずれかに記載の平衡出力マイクロホン。 【請求項7】 前記第1のダイヤフラムは前記平衡出力マイクロホンを構成するチップの表面に露出し、前記第2のダイヤフラムと前記プレートとは前記チップの内部において前記第1のダイヤフラムの内側に配置されており、 前記第1のダイヤフラムはグラウンド配線に対して接続されている、 請求項6に記載の平衡出力マイクロホン。 【請求項8】 前記第1のダイヤフラムを形成し、 前記第2のダイヤフラムを形成し、 前記第1のダイヤフラムと前記第2のダイヤフラムとの少なくとも一方の上方に前記プレートを形成し、 前記第1のダイヤフラムと前記第2のダイヤフラムと前記プレートとの少なくとも一つの上方にスペーサを形成し、 前記第1のダイヤフラムを含む構造体と前記第2のダイヤフラムを含む構造体とを、前記スペーサを介して張り合わせる、 ことを含む請求項6または請求項7のいずれかに記載の平衡出力マイクロホンの製造方法。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、平衡出力マイクロホンおよび平衡出力マイクロホンの製造方法に関する。 【背景技術】 【0002】 対向電極の一方が他方に対して振動できるように構成し、音波による対向電極の振動に基づいて電気信号を出力するコンデンサマイクロホンが知られている。また、マイクロホンなどの微弱な電気信号を伝達する際にノイズを抑える伝達手法として平衡接続が知られている。さらに、コンデンサマイクロホンによって生成した電気信号を平衡接続によって伝達する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。 【特許文献1】米国特許出願公開第2004/0202345号明細書 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0003】 上述した従来のコンデンサマイクロホンにおいては、外来ノイズに弱いコンデンサマイクロホンにおけるノイズ対策が不充分であった。 すなわち、コンデンサマイクロホンは外来ノイズに弱く、ノイズが混入しやすい部位であるが、上述の特許文献1においては、コンデンサマイクロホンに混入するノイズに対しては何ら対策がなされていない。従って、アンプの前段でノイズが混入した場合には、その後に平衡出力を行ったとしてもそのノイズをキャンセルすることはできない。 本発明は、前記課題に鑑みてなされたもので、コンデンサマイクロホンにおいて混入したノイズをキャンセルする平衡型の出力を行うことを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0004】 本発明にかかる平衡出力マイクロホンは、第1のコンデンサマイクロホンと第2のコンデンサマイクロホンとを備え、ある音波に対して各コンデンサマイクロホンから互いに逆位相の電気信号を出力する。従って、ハイインピーダンスとなっているコンデンサマイクロホンにおいて外来ノイズが混入したとしても、各コンデンサマイクロホンからの電気信号を平衡型の出力として利用することにより、同相成分の外来ノイズをキャンセルすることが可能である。 【0005】 ここで、第1のコンデンサマイクロホンにおいては音波によって振動する第1のダイヤフラムを備え、第2のコンデンサマイクロホンにおいてはその音波によって振動する第2のダイヤフラムを備え、これらのダイヤフラムの振動に応じた電気信号が互いに逆位相で出力されればよい。従って、音波によって対向電極の距離が互いに逆位相で変動するように構成してもよいし、互いに同位相で変動するように構成して一方の電気信号を逆位相に反転して出力する構成を採用してもよく、種々の構成を採用可能である。 【0006】 いずれにしても、本発明においては、コンデンサマイクロホンにおける対向電極が形成されるダイヤフラムを少なくとも2つ形成し、それぞれの振動に基づいて逆位相の電気信号を取り出している。このため、コンデンサマイクロホンの出力信号自体にノイズが混入していたとしても、そのノイズをキャンセルすることが可能な平衡型の出力を得ることができる。 【0007】 なお、第1の電気信号と第2の電気信号とでは、相互に逆位相であることによって一方を反転して加算することで同相のノイズを除去することができればよい。この意味で、逆位相の電気信号としては、厳密に位相が逆になっている信号に限定されることはなく、前記反転した加算によってノイズを除去するとともにノイズ以外の信号を残して利用できる範囲の位相であればよい。 【0008】 また、本発明においては、平衡型の出力によって同相のノイズをキャンセルすることができればよいので、その効果を大きくするため、できるだけ第1のコンデンサマイクロホンと第2のコンデンサマイクロホンとを近づける構成を採用可能である。このための構成例として、同一の基板に第1のコンデンサマイクロホンおよび第2のコンデンサマイクロホンとを形成する構成を採用可能である。 【0009】 すなわち、微細加工技術によって同一の基板に第1のコンデンサマイクロホンおよび第2のコンデンサマイクロホンを形成すれば、極めて近接した位置に2つのコンデンサマイクロホンを形成することが可能である。この結果、あるノイズがコンデンサマイクロホンに混入したとしても各コンデンサマイクロホンにおけるノイズは極めて同相に近く、容易に平衡出力されるコンデンサマイクロホンを提供することができる。 【0010】 さらに、より効果的にノイズを抑制するために、同時に堆積した膜によって前記第1のダイヤフラムと前記第2のダイヤフラムとを形成しても良い。すなわち、微細加工技術によって製造されるコンデンサマイクロホンにおいては、半導体製造プロセスと同様の技術を利用してダイヤフラムやプレート等の構成要素を形成することができ、この製造プロセスにおいては同じ膜から異なるコンデンサマイクロホンの異なる要素を形成することができる。 【0011】 そこで、同じ膜から前記第1のダイヤフラムと前記第2のダイヤフラムとを形成すれば、その性質が極めて類似したダイヤフラムを形成することができる。この結果、あるノイズに対する応答が極めて類似することとなり、効果的にノイズを抑制することが可能な平衡出力型のコンデンサマイクロホンを形成することができる。なお、半導体製造プロセスにおいて、特定の膜に特定の形状を形成するためにはマスクが多用されているが、このマスクによれば特定の大きさの形状を極めて正確に制御することができる。従って、第1のダイヤフラムと第2のダイヤフラムとを同時に堆積した膜で形成するとともにマスクによって大きさを規定することにより、性質が極めて似通った第1のダイヤフラムと第2のダイヤフラムとを形成することができる。 【0012】 さらに、コンデンサマイクロホンにおいて、第1のダイヤフラムと第2のダイヤフラムとのそれぞれに対応した第1のプレートと第2のプレートとを形成しても良い。このとき、ある音波に対し、第1のダイヤフラムと第2のダイヤフラムとが逆位相で振動するように構成する。この構成によれば、各コンデンサマイクロホンの出力を逆位相の電気信号として取り出すことができ、容易に平衡出力されるコンデンサマイクロホンを形成することができる。 【0013】 なお、第1のダイヤフラムと第2のダイヤフラムとが逆位相で振動するように構成するためには、ある音波によって第1のダイヤフラムと第2のダイヤフラムとが振動したときに、一方がプレートに近づき、他方がプレートから遠ざかるように配置すればよい。例えば、第1のコンデンサマイクロホンにおいて第1のプレートをマイクロホンのチップの表面に露出させるとともに第1のダイヤフラムを第1のプレートの内側に形成し、第2のコンデンサマイクロホンにおいて第2のダイヤフラムをマイクロホンのチップの表面に露出させるとともに第2のプレートを第2のダイヤフラムの内側に形成する構成等を採用可能である。 【0014】 なお、ここでは、抑制対象のノイズが同相で前記第1のコンデンサマイクロホンと前記第2のコンデンサマイクロホンとに入力するように両者の距離を調整することが好ましい。すなわち、本発明にかかる平衡出力マイクロホンは電子機器にて利用されるので、利用対象の電子機器を特定すれば、ノイズの解析、経験的な知見、計測したノイズの統計等に基づいて抑制すべきノイズの典型的な波長を導出することができる。 【0015】 抑制対象のノイズが特定されれば、その波長を特定することができるので、その波長のノイズが同相で混入する距離に第1のコンデンサマイクロホンと第2のコンデンサマイクロホンとを配置すればよい。ここで、ノイズが同相で混入する距離としては、例えば、波長の1/2以下の距離が挙げられるが、むろん、0〜波長の1/2の距離に波長の整数倍を加えた距離であっても良い。 【0016】 より具体的な例としては、第1のコンデンサマイクロホンと第2のコンデンサマイクロホンとの距離を数mm以下にしたとき、携帯電話にて問題となるノイズはコンデンサマイクロホンに同相で混入する。従って、効果的にノイズを低減するための配置とすることができる。また、ノイズ源から第1のコンデンサマイクロホンまでの距離とノイズ源から第2のコンデンサマイクロホンまでの距離とが近いほど各コンデンサマイクロホンに混入するノイズの強度が類似していることになるので、この意味でもマイク間の距離を数mm程度にすることが好ましい。 【0017】 さらに、コンデンサマイクロホンにおいて、静止電極が形成されるプレートが第1のダイヤフラムと第2のダイヤフラムの間に形成されている構成を採用しても良い。すなわち、第1のダイヤフラムと第2のダイヤフラムとによってプレートを挟むことによって第1のコンデンサマイクロホンと第2のコンデンサマイクロホンとを形成しても良い。この構成によれば、極めて微小な空間内に隣接して2つのコンデンサマイクロホンを形成することができるので、各マイクロホンに混入したノイズを効果的にキャンセルすることが可能である。 【0018】 なお、このとき、プレートに音波を通過させる穴を形成すれば、第1のダイヤフラムが音波によって振動し、その振動に応じて音波がプレートを通過して第2のダイヤフラムを振動させる構成とすることができる。この構成であれば、第1のダイヤフラムがプレートに近づいたときに第2のダイヤフラムがプレートから遠ざかる。従って、ある音波が平衡出力マイクロホンに到達したときに、第1のコンデンサマイクロホンと第2のコンデンサマイクロホンとから互いに逆位相の電気信号を取り出すことが可能である。むろん、プレートは第1のダイヤフラムと第2のダイヤフラムとで共有されていても良いし、第1のダイヤフラムと第2のダイヤフラムとのそれぞれに対向する第1のプレートと第2のプレートとを備える構成であっても良い。 【0019】 さらに、外来ノイズを抑制する構成として電磁シールドを加えても良い。すなわち、平衡出力マイクロホンをチップによって構成し、第1のダイヤフラムを前記チップの表面に露出させ、第2のダイヤフラムとプレートとは第1のダイヤフラムの内側に配置する。この構成において、第1のダイヤフラムをグラウンド配線に対して接続すれば、外来ノイズに弱く、チップの表面に露出している第1のダイヤフラムに対するノイズの混入を効果的に抑えることができる。 【0020】 さらに、音波を通過させる穴が形成されたプレートを第1のダイヤフラムと第2のダイヤフラムとの間に配置する平衡出力マイクロホンを容易に製造する方法として、2つの構造体を張り合わせる方法を採用しても良い。すなわち、第1のダイヤフラムと第2のダイヤフラムとを個別に形成しておき、第1のダイヤフラムと第2のダイヤフラムとの少なくとも一方の上方にプレートを形成して2つの構造体を形成すれば、平衡出力マイクロホンの主要な構成要素を個別に製造することができる。 【0021】 そこで、さらに、前記第1のダイヤフラムと前記第2のダイヤフラムと前記プレートとの少なくとも一つの上方にスペーサを形成すれば、前記2つの構造体を張り合わせることによって平衡出力マイクロホンを構成することができる。前記スペーサは、平衡出力マイクロホンを構成したときに、ダイヤフラムとプレートとの間に配置され、ダイヤフラムとプレートとの間の距離を規定することができればよい。従って、前記第1のダイヤフラムと前記第2のダイヤフラムと前記プレートとのいずれかに対して形成しても良いし、複数のスペーサを形成してスペーサ同士を合わせながら張り合わせる構成を採用しても良い。 【0022】 むろん、ここでも、プレートは第1のダイヤフラムと第2のダイヤフラムに共通のプレートであっても良いし、第1のダイヤフラムと第2のダイヤフラムとのそれぞれに対応した第1のプレートと第2のプレートとであっても良い。なお、本明細書において、平衡出力マイクロホンのある構造物を他の構造物の上方に形成するというとき、前記ある構造物が前記他の構造物の上方に形成されていればよく、前記他の構造物の直上に形成する構成と中間物を介して形成する構成とを含む。また、請求項に記載された製造方法の各工程の順序は、技術上の阻害要因がない限り、記載順に限定されるものではなく、どのような順番で行われてもよく、また同時に行われてもよい。 【発明を実施するための最良の形態】 【0023】 ここでは、下記の順序に従って本発明の実施の形態について説明する。 (1)第1実施形態の構成: (2)第1実施形態の製造方法: (3)第2実施形態の構成: (4)第2実施形態の製造方法: (5)第2の実施形態の変形例: (6)他の実施形態: 【0024】 (1)第1実施形態の構成: 図1は本発明にかかる平衡出力マイクロホンの第1実施形態を示す模式図であり、平衡出力マイクロホンを構成する膜を断面図によって示すとともにその回路図を示している。本実施形態において、平衡出力マイクロホン10は、第1のコンデンサマイクロホン20と第2のコンデンサマイクロホン30とを備えている。第1のコンデンサマイクロホン20は、第1のダイヤフラム21と第1のプレート22と支持部23とを備え、第1のダイヤフラム21と第1のプレート22とが支持部23に支持されている。 【0025】 第1のプレート22は音波を通過させる複数の穴22aを備えており、第1のダイヤフラム21は、第1のプレート22の下方に配置されている。従って、前記穴22aを通過した音波が第1のダイヤフラム21に到達したとき、第1のダイヤフラム21は当該音波によって振動する。また、第1のダイヤフラム21および第1のプレート22のそれぞれには互いに対向するように電極が形成されている。従って、両電極はコンデンサとして機能し、第1のダイヤフラム21の振動によってコンデンサの容量が変化する。 【0026】 第2のコンデンサマイクロホン30は、第2のダイヤフラム31と第2のプレート32と支持部33とを備え、第2のダイヤフラム31と第2のプレート32とが支持部に支持されている。第2のプレート32は音波を通過させる複数の穴32aを備えており、第2のダイヤフラム31は、第2のプレート32の上方に配置されている。従って、音波によって第2のダイヤフラムが振動したときに、その振動によって形成された音波は第2のプレート32の穴32aを通過してその下方の空間に到達する。このため、第2のダイヤフラム31は、この音波によって振動する。 【0027】 また、第2のダイヤフラム31および第2のプレート32のそれぞれには互いに対向するように電極が形成されている。従って、両電極はコンデンサとして機能し、第2のダイヤフラム31の振動によってコンデンサの容量が変化する。なお、本明細書における断面図では切断面の奥に現れる線を簡単のため省略している。また、本実施形態においては、プレートがダイヤフラムの振動に対して相対的に固定されており、この意味でダイヤフラムに形成されている電極が振動電極、プレートに形成されている電極が静止電極である。 【0028】 本実施形態において、第1のコンデンサマイクロホンと第2のコンデンサマイクロホンとはともに微細加工技術によって形成され、極めて近くに配置される。また、第1のコンデンサマイクロホン20においては第1のプレート22がコンデンサマイクロホンの表面に露出し、第2のコンデンサマイクロホン30においては第2のダイヤフラム31がコンデンサマイクロホンの表面に露出している。従って、ある音波に対して第1のダイヤフラム21が第1のプレート22から遠ざかったとき、第2のダイヤフラム31は第2のプレート32に近づく。すなわち、本実施形態において第1のダイヤフラム21と第2のダイヤフラム31との振動は逆位相になる。 【0029】 本実施形態においては、このような逆位相の振動を利用して平衡出力を行うように回路を構成してある。具体的には、第1のプレート22と第2のプレート32とはバイアス電圧Vbを供給する電圧配線に接続されている。一方、第1のダイヤフラム21には配線40aが接続され、この配線40aは抵抗41aおよびアンプ42aに接続されている。抵抗41aは配線40aの反対側でグラウンド配線に接続されており、本実施形態では、第1のダイヤフラム21の振動に伴う電荷の移動を抑えるため大きな抵抗(例えば、GΩオーダーの抵抗)を使用している。また、本実施形態において、アンプ42aはインピーダンス変換を行って配線40aの電圧変化を出力する回路である。 【0030】 さらに、第2のダイヤフラム31には配線40bが接続され、この配線40bは抵抗41bおよびアンプ42bに接続されている。抵抗41bは配線40bの反対側でグラウンド配線に接続されており、本実施形態では、第2のダイヤフラム31の振動に伴う電荷の移動を抑えるため大きな抵抗(例えば、GΩオーダーの抵抗)を使用している。また、本実施形態において、アンプ42bは上述のアンプ42aと同様の回路であり、インピーダンス変換を行って配線40bの電圧変化を出力する。 【0031】 以上の回路構成において、第1のダイヤフラム21が振動すると、その振動により第1のダイヤフラム21と第1のプレート22との間の距離が変化し、それぞれに形成された振動電極と静止電極との間における静電容量が変化する。上述のように抵抗41aの抵抗値は大きいので電流はほとんど抵抗41aを流れず、上述の静電容量の変化を配線40aの電圧変化(第1の電気信号に相当)として検出することができる。従って、アンプ42aは音波による第1のダイヤフラム21の振動に応じた電気信号を出力する。 【0032】 また、第2のダイヤフラム31が振動すると、その振動により第2のダイヤフラム31と第2のプレート32との間の距離が変化し、それぞれに形成された振動電極と静止電極との間における静電容量が変化する。上述のように抵抗41bの抵抗値は大きいので電流はほとんど抵抗41bを流れず、上述の静電容量の変化を配線40bの電圧変化(第2の電気信号に相当)として検出することができる。従って、アンプ42bは音波による第2のダイヤフラム31の振動に応じた電気信号を出力する。 【0033】 本実施形態において、第1のダイヤフラム21と第2のダイヤフラム31とにおける振動は上述のように逆位相であるため、アンプ42aとアンプ42bとによって出力される電気信号は逆位相となる。従って、アンプ42aの出力信号とアンプ42bの出力信号とを組で利用することにより、コンデンサマイクロホンの出力信号を平衡型の信号として利用することが可能になる。例えば、アンプ42bの出力信号を反転してアンプ42aの出力信号に加算することによって、第1のコンデンサマイクロホン20と第2のコンデンサマイクロホン30に対して同相で入力されるノイズはキャンセルされ、音波に対応した出力信号を抽出することが可能になる。 【0034】 (2)第1実施形態の製造方法: 本実施形態において、平衡出力マイクロホン10を構成する各部は微細加工技術(半導体素子の製造プロセスで使用される各種の製膜技術)によって形成され、第1のダイヤフラム21と第2のダイヤフラム31とは同時に堆積された膜によって構成する。以下、図2〜図4を参照して、平衡出力マイクロホン10を製造する工程をより具体的な構成について説明する。 【0035】 図2〜図4は、平衡出力マイクロホン10の製造方法例を示す模式図である。これらの図において、その右側には平衡出力マイクロホン10を構成するチップとなる部分の上面図を示し、左側には当該上面図のS−S断面図を示している。なお、これらの図の上面図においては、ダイヤフラムやプレートが上面に露出している場合に実線、膜の下に存在している場合に破線で示しており、他の膜については省略して示している。 【0036】 本実施形態においては、まず、膜を形成するための基部となる基板230上に絶縁膜231を形成し、絶縁膜231上に導電膜を形成する。そして、当該導電膜を、図2Bに示すようにパターニングすることによりプレート320(上記第2のプレート32に相当)と電極取り出し部321とを形成する。このとき、プレート320には、音波を通過させる穴320aを形成しておく。図2〜図4においては、簡単のために穴320aの数を実際より少なく記述しているが、むろん、この穴320aの数は適宜調整可能である。 【0037】 次に図2Cに示すように、絶縁膜231およびプレート320の上に絶縁膜232を形成し、さらに、絶縁膜232および絶縁膜231の上に導電膜310を形成する。そして、当該導電膜310を、図3Bに実線で示すようにパターニングすることによりダイヤフラム311(上記第2のダイヤフラム31に相当)と電極取り出し部312とダイヤフラム211(上記第1のダイヤフラム21に相当)と電極取り出し部212とを形成する。すなわち、本実施形態において、ダイヤフラム311とダイヤフラム211とは、双方とも導電膜310から形成されており、同時に堆積した膜によって形成されている。 【0038】 次に図3Cに示すように、絶縁膜231,232およびダイヤフラム311,211の上に絶縁膜233を形成し、絶縁膜233上に導電膜を形成する。そして、当該導電膜を図4Bに実線で示すようにパターニングすることによりプレート220(上記第1のプレート22に相当)と電極取り出し部221とを形成する。このとき、プレート220には、音波を通過させる穴220aを形成しておく。 【0039】 次に図4Cに示すように、基板230と絶縁膜231,232,233とをエッチングすることによってダイヤフラム211とプレート220とを備える第1のコンデンサマイクロホンを構成し、ダイヤフラム311とプレート320とを備える第2のコンデンサマイクロホンを構成する。以上のようにして構成した各マイクロホンにおいて電極取り出し部321,221にバイアス電圧配線を接続し、電極取り出し部312,212に図1に示す配線40b,40aを接続して図1に示す回路を構成することによって平衡出力マイクロホンを構成することができる。 【0040】 なお、本実施形態においては、図1に示すように各プレートに電圧配線を接続し、各ダイヤフラムに配線40a,40bを接続するため、プレート320,220の電極取り出し部321,221は同じ方向(図2〜図4では図の上方)に延びており、ダイヤフラム311,211の電極取り出し部312,212も同じ方向(図2〜図4では図の下方)に延びている。この結果、簡易な回路構成とすることができる。また、各電極取り出し部321,221,312,212に対して配線を接続するためにこれらの電極取り出し部に対して導電材料による膜を形成する工程は省略しているが、上述の工程内で適宜実施すればよい。 【0041】 上述のプロセスは、上記ダイヤフラム311,211を同時に堆積した膜によって構成することができる限りにおいて他にも種々の順序を採用可能であり、その材料やプロセスに関しても特に限定されない。例えば、基板230は単結晶シリコン基板等の半導体基板、各絶縁膜は二酸化シリコン等の絶縁材料、各導電膜はポリシリコン等の導電性材料で構成可能あり、各膜はCVD(Chemical Vapor Deposition)等による堆積によって形成可能である。 【0042】 また、パターニングにおいても種々の手法を採用可能であり、例えば、レジストをマスクによって露光してパターンを転写し、不要なレジストを除去した後にエッチングを行う工程を採用可能である。さらに、各膜においては、所望のエッチングを行うことができるように、予め材料や厚さを適宜選択可能である。さらに、上述の構成に付随するいかなる構成をも採用可能である。例えば、気圧変化のような時間に対する変化の小さい圧力変動は検出せず、検出対象の周波数域の音波に対しては音響抵抗が大きくなるように、ダイヤフラム311,211とその下方の空間とを繋ぐ通路を形成してもよい。 【0043】 以上の構成において、音波によって振動するダイヤフラム311,211は同時に堆積された導電膜310から形成されている。さらに、本実施形態においては、これらのダイヤフラム311,211をパターニングする際に、ダイヤフラム311,211(電極取り出し部312,212を除く)が同じ大きさ、同じ形状になるように予めマスクを形成しておく。従って、ダイヤフラム311,211の大きさおよび形状はほぼ同じとなるとともに、その内部の応力などの物理的性質も極めて類似した膜となる。 【0044】 このため、振動部材としてのダイヤフラム311,211の性質が極めて類似し、ある音波に対する振動特性およびあるノイズに対する振動特性が同様になる。従って、これらのダイヤフラム311,211の振動に応じた電気信号により、極めて効果的にノイズを除去し、音波に対応した電気信号を確実に抽出することが可能な平衡出力マイクロホン10を提供することができる。 【0045】 さらに、本実施形態においては、微細加工技術によって同一の基板230上に2つのコンデンサマイクロホンを形成することができるので、両者の距離(図4DのL)を極めて短い距離にすることができる。従って、両者に混入するノイズが同様のノイズになり、この意味でも極めて効果の高い平衡出力マイクロホン10を提供することができる。なお、両者の距離としては、平衡出力マイクロホン10が実装される電子機器内において典型的なノイズを特定し、そのノイズが平衡出力マイクロホン10に混入する場合に同相で混入するように調整することが好ましい。 【0046】 (3)第2実施形態の構成: 図5は本発明にかかる平衡出力マイクロホンの第2実施形態を示す模式図であり、平衡出力マイクロホンを構成する膜を断面図によって示すとともにその回路図を示している。本実施形態において、平衡出力マイクロホン50は、第1のコンデンサマイクロホン60と第2のコンデンサマイクロホン70とを備えている。 【0047】 第1のコンデンサマイクロホン60は、第1のダイヤフラム61とプレート62と支持部63と有しており、第1のダイヤフラム61とプレート62とが支持部に支持されている。第2のコンデンサマイクロホン70は、第2のダイヤフラム71とプレート62と支持部63と有しており、第2のダイヤフラム71とプレート62とが支持部に支持されている。すなわち、第1のコンデンサマイクロホン60と第2のコンデンサマイクロホン70とで、プレート62および支持部63は共有である。 【0048】 プレート62は音波を通過させる複数の穴62aを備えており、第1のダイヤフラム61は、プレート62の上方に配置されている。また、第2のダイヤフラム71はプレート62の下方に配置されている。従って、第1のダイヤフラム61が音波によって振動したとき、第1のダイヤフラム61の下方に発生する音波は穴62aを通過して第2のダイヤフラム71に到達し、第2のダイヤフラム71が振動する。 【0049】 ここで、ある音波に対して第1のダイヤフラム61がプレート62に近づいたとき、第2のダイヤフラム71はプレート62から遠ざかる。すなわち、本実施形態において第1のダイヤフラム61と第2のダイヤフラム71との振動は逆位相になる。 【0050】 本実施形態においても、第1のダイヤフラム61とプレート62には互いに対向するように電極が形成され、第2のダイヤフラム71とプレート62には互いに対向するように電極が形成されている。従って、両電極はコンデンサとして機能し、第1のダイヤフラム61および第2のダイヤフラム71の振動によってコンデンサの容量が変化する。 【0051】 平衡出力マイクロホン50においては、上述のような逆位相の振動を利用してコンデンサの出力信号を平衡出力とするように回路を構成してある。具体的には、プレート62には配線80aが接続され、この配線80aは抵抗81aおよびアンプ82aに接続されている。抵抗81aは配線80aの反対側でバイアス電圧Vbを供給する電圧配線に接続されている。また、第1のダイヤフラム61には、グラウンド配線が接続されている。 【0052】 一方、第2のダイヤフラム71には配線80bが接続され、この配線80bは抵抗81bおよびアンプ82bに接続されている。抵抗81bは配線80bの反対側でグラウンド配線に接続されている。本実施形態においても、抵抗81a,81bの抵抗値は大きく(例えば、GΩオーダーの抵抗)、第1のダイヤフラム61および第2のダイヤフラム71の振動に伴う電荷の移動を抑えるようになっている。また、アンプ82a,82bは同様の回路であり、インピーダンス変換を行って配線80a,80bのそれぞれにおける電圧変化を出力する。 【0053】 従って、音波によって第1のダイヤフラム61と第2のダイヤフラム71とが逆位相で振動すると、第1のダイヤフラム61とプレート62との間の静電容量の変化に応じた電気信号がアンプ82aから出力され、第2のダイヤフラム71とプレート62との間の静電容量の変化に応じた電気信号であって、アンプ82aの出力信号と逆相の信号がアンプ82bから出力される。この結果、コンデンサマイクロホンの出力信号を平衡型の信号として利用することが可能になる。 【0054】 なお、本実施形態において、平衡出力マイクロホン50の支持部63は、実装対象(パッケージや実装基板等)のグラウンド配線上に絶縁材(ダイボンド材等)を介して接続されている。また、第1のダイヤフラム61は上述のようにグラウンド配線に接続されている。従って、平衡出力マイクロホン50の表面に露出している第1のダイヤフラム61はグラウンド配線に接続され、第2のダイヤフラム71やプレート62はコンデンサマイクロホンを構成するチップの内部に存在している。 【0055】 このため、平衡出力マイクロホン50には電磁シールドが施されていることとなり、外来ノイズの混入を防止することができ、上述のように平衡型の出力を行う構成との組み合わせにより、極めて外来ノイズの影響を受けにくいコンデンサマイクロホンを提供することができる。また、図5においては、プレート62を第1のダイヤフラム61と第2のダイヤフラム71とで共有する構成を説明したが、むろん、第1のダイヤフラム61と第2のダイヤフラム71とのそれぞれに対応したプレートを第1のダイヤフラム61の内側に形成しても良い。 【0056】 (4)第2実施形態の製造方法: 本実施形態において、平衡出力マイクロホン50を構成する各部は微細加工技術によって形成され、以下、図6〜図10を参照して、平衡出力マイクロホン50を製造する工程をより具体的な構成について説明する。 【0057】 図6〜図10は、平衡出力マイクロホン50の製造方法例を示す模式図である。図6〜図9において、その右側には平衡出力マイクロホン50を構成する構成要素の上面図を示し、左側には当該上面図のS−S断面図を示している。なお、これらの図の上面図においては、ダイヤフラムやプレートが上面に露出している場合に実線、膜の下に存在している場合に破線で示しており、他の膜については省略して示している。 【0058】 本実施形態においては、まず、膜を形成するための基部となる基板630上に絶縁膜631を形成し、絶縁膜631上に導電膜を形成する。そして、当該導電膜を、図6Bに示すようにパターニングすることによりダイヤフラム710(上記第2のダイヤフラム71に相当)と電極取り出し部711とを形成する。 【0059】 次に図6Cに示すように、絶縁膜631およびダイヤフラム710の上に絶縁膜632を形成し、さらに、絶縁膜632の上に導電膜620を形成する。本実施形態においては、個別に形成した膜を張り合わせることによって平衡出力マイクロホン50を形成する製造方法を採用しており、緩衝膜を介して貼り合わせを行う。このため、絶縁膜をパターニングし、図7A,図7Bに示すように、緩衝膜621を形成する。 【0060】 そして、導電膜620を、図7Dに示すようにパターニングすることによりプレート622(上記プレート62に相当)と電極取り出し部623と電極取り出し部624とを形成する。なお、電極取り出し部624は後述する貼り合わせを行った後にダイヤフラム610に対する導通を確保するための電極取り出し部である。このとき、プレート622には、音波を通過させる穴620aを形成しておく。図7,図8においては、簡単のために穴720aの数を実際より少なく記述しているが、むろん、この穴720aの数は適宜調整可能である。 【0061】 次に、絶縁膜632をパターニングして、図8A,図8Bに示すように電極取り出し部711,624,623上にアルミ等で電極711a,623a,624a,624bを形成する。そして、図8Cに示すように、基板630と絶縁膜631,632とをエッチングすることによってダイヤフラム710とプレート622とを備える第2のコンデンサマイクロホンを構成する。 【0062】 一方、本実施形態において、第1のコンデンサマイクロホンの一部を構成する構造体を、第2のコンデンサマイクロホンと別に形成しておく。ここで、第2のコンデンサマイクロホンと共通のプロセスで形成可能な部材ついては共通のプロセスで作成することが好ましく、例えば、図9に示すように、基板630上に第1のコンデンサマイクロホンにおける構造を作成し、共通のウエハ上に第1のコンデンサマイクロホンと第2のコンデンサマイクロホンとを作成しても良い。 【0063】 すなわち、図9Aに示すように基板630上に絶縁膜631を形成し、絶縁膜631上に導電膜を形成する。そして、当該導電膜を、図9Bに示すようにパターニングすることによりダイヤフラム610(上記第1のダイヤフラム61に相当)と電極取り出し部611とを形成する。このダイヤフラム610は、ダイヤフラム710と類似の特性にするために、前記ダイヤフラム710を形成する際の導電膜と同時に堆積させた導電膜から形成される。むろん、このとき、マスクの形状を調整して、ダイヤフラム710の大きさおよび形状(円形の形状)を共通の形状とすることにより、ダイヤフラム610,710の特性を極めて類似した特性にすることができる。 【0064】 次に、上述の緩衝膜621に合わせて貼り合わせを行うため、絶縁膜をパターニングし、図9C,図9Dに示すように、緩衝膜625を形成し、さらに、基板630と絶縁膜631とをエッチングすることによってダイヤフラム610を備える構造体(第1のコンデンサマイクロホンの一部)を形成する。 【0065】 以上のように、図8C,8Dに示す構造体と図9C,9Dに示す構造体とを形成したら、基板630を切断して2つの構造体に分け、両者を張り合わせることによって図10に示すように平衡出力マイクロホン50を構成する。すなわち、緩衝膜621と緩衝膜625とを合わせ、電極624aと電極取り出し部611とを合わせながら両者を張り合わせる。なお、この貼り合わせのために位置決め用の金属膜を形成しても良い。例えば、図8Dに示す絶縁膜632の上面において、その外周の特定の位置に金属膜を形成し、図9Dに示す絶縁膜631の上面において、前記絶縁膜632上の金属膜に対応した位置に金属膜を形成しておく。この構成によれば、2つの構造体を張り合わせる際に張り合わせ面と平行な方向からカメラ等で撮影することによって金属膜を認識することが可能である。そこで、当該金属膜同士が合うように位置決めして半田等によって接続することで正確に貼り合わせを行うことが可能になる。 【0066】 実装に際しては、図10に示すように平衡出力マイクロホン50をポッティング剤801にて封止する。また、電極711aと電極632aと図示しない電極624bとに対してワイヤ800を接続し、電極711aには上記図5に示す配線80b、電極632aには上記図5に示す配線80a、図示しない電極624bにはグラウンド配線が接続されるように回路を構成する。さらに、平衡出力マイクロホン50は、実装対象に形成されたグラウンド配線G上に絶縁材を介して接続する。 【0067】 以上の構成によれば、平衡出力マイクロホン50自体が導電性のあるグラウンド配線に実装され、さらに、平衡出力マイクロホン50の表面に露出するダイヤフラム610がグラウンド配線に接続されているので、平衡出力マイクロホン50には電磁シールドが施されていることになる。従って、平衡出力マイクロホン50に対するノイズの混入を抑えることができる。 【0068】 なお、上述のプロセスとしても種々の順序を採用可能であり、その材料やプロセスに関しても特に限定されない。例えば、基板630は単結晶シリコン基板等の半導体基板、各絶縁膜は二酸化シリコン等の絶縁材料、各導電膜はポリシリコン等の導電性材料で構成可能あり、各膜はCVD(Chemical Vapor Deposition)等による堆積によって形成可能である。また、パターニングにおいても種々の手法を採用可能である。 【0069】 さらに、各膜においては、所望のエッチングを行うことができるように、予め材料や厚さを適宜選択可能である。さらに、上記平衡出力マイクロホン50においては、気圧変化のような時間に対する変化の小さい圧力変動は検出せず、検出対象の周波数域の音波に対しては音響抵抗が大きくなるように、図10に示す音響通路Cを形成しているが、むろん他の構成によって音響通路を確保しても良い。 【0070】 なお、本実施形態においては、第1のコンデンサマイクロホンと第2のコンデンサマイクロホンとを形成し、その間でプレート622を共有しているので、第1のコンデンサマイクロホンが形成された基板630と同一の基板に対して第2のコンデンサマイクロホンが形成されていると言える。また、第1のコンデンサマイクロホンと第2のコンデンサマイクロホンとを形成し、その間でプレート622を共有することにより、両者の距離が極めて近くなる。従って、両者に混入するノイズが同様のノイズになり、極めて効果の高い平衡出力マイクロホン50を提供することができる。また、上述の緩衝膜621、625は、張り合わせ対象となる2つの膜(本実施形態ではプレート622とダイヤフラム610)のスペーサとして機能すればよく、2つの膜のいずれかに形成されていても良いし、その位置や数も上述の例に限定されない。 【0071】 (5)第2の実施形態の変形例: 上記第2の実施形態においては、ダイヤフラム610,710でプレート622を共有していたが、むろん、それぞれのダイヤフラムに対応したプレートを構成してもよい。この構成によれば、ほぼ同じ2つの構造体を形成することによって平衡出力マイクロホンを構成することが可能になり、その作成工程が極めて単純になる。 【0072】 例えば、上述の第2の実施形態におけるダイヤフラム710とプレート622とを含む図8Cに示すような構造体を2カ所で同時に形成する。図11は、これらの2つの構造体を張り合わせた後の実装状態を示す断面図である。図11においては、2つのコンデンサマイクロホンにおいて、図6〜図8に示す構成と同様の構成を同じ符号で示している。この構成においては、図6〜図8に示す工程と同様の工程を2カ所で行い、図8C,8Dと同様の構造体を2つ形成し、張り合わせる。なお、電極取り出し部の位置、形状や緩衝膜の大きさは適宜調整可能である。 【0073】 以上のような張り合わせの後、各電極に対してワイヤ800を接続し、平衡出力マイクロホンをポッティング剤801にて封止して、図5に示す回路と同様の回路を構成する。なお、図11にて向かい合う2つのプレート622は共通の配線となるように電極取り出し部および電極を構成し、図5に示す配線80aに接続する。以上の構成においても、電磁シールドによってノイズの混入が少ない平衡出力マイクロホンを提供することができる。 【0074】 また、上記2つの構造体は、共通の基板630上にほぼ同様のプロセスで形成可能であり、ダイヤフラム610,710を同時に堆積した膜によって構成することができる。また、マスクの形状によってダイヤフラム610,710の大きさおよび形状を正確に制御することができる。従って、ダイヤフラム610,710の特性を極めて類似した特性にすることができる。 【0075】 (6)他の実施形態: 本発明においては、第1のコンデンサマイクロホンと第2のコンデンサマイクロホンとによって逆位相の電気信号を出力することができればよく、上述の実施形態以外にも種々の構成を採用可能である。例えば、上述の実施形態においては、平衡出力マイクロホンが第1のコンデンサマイクロホンを一つ備え、第2のコンデンサマイクロホンを一つ備える構成を説明したが、むろん、平衡出力マイクロホンにおいては、逆位相の電気信号を出力する少なくとも2つのコンデンサマイクロホンを備えていればよい。 【0076】 従って、平衡出力マイクロホンが第1のコンデンサマイクロホンを二つ備え、第2のコンデンサマイクロホンを二つ備えてもよいし、それ以上の個数のマイクロホンを備えていても良い。また、逆位相の信号出力によってノイズをキャンセルできるように構成する限り、コンデンサマイクロホンの合計が奇数個であってもよい。 【0077】 さらに、上述の音波は広義の音波であり、可聴域周波数の音に限定されず、可聴域周波数以上の音(狭義の超音波)、可聴域周波数以下の音(狭義の超低周波音)であってもよい。すなわち、本発明にかかる平衡出力マイクロホンは、ダイヤフラムの振動を電気信号に変換できる限りにおいて所望の周波数帯域の振動を検出する素子として利用可能である。さらに、上述の実施形態において、各膜や基板の大きさ、形状は上述の物に限定されず、例えば、ダイヤフラムやプレート等を矩形にて構成するなど、種々の変形を行うことが可能である。 【図面の簡単な説明】 【0078】 【図1】平衡出力マイクロホンの第1実施形態を示す模式図である。 【図2】平衡出力マイクロホンの製造工程を示す模式図である。 【図3】平衡出力マイクロホンの製造工程を示す模式図である。 【図4】平衡出力マイクロホンの製造工程を示す模式図である。 【図5】平衡出力マイクロホンの第2実施形態を示す模式図である。 【図6】平衡出力マイクロホンの製造工程を示す模式図である。 【図7】平衡出力マイクロホンの製造工程を示す模式図である。 【図8】平衡出力マイクロホンの製造工程を示す模式図である。 【図9】平衡出力マイクロホンの製造工程を示す模式図である。 【図10】平衡出力マイクロホンの製造工程を示す模式図である。 【図11】平衡出力マイクロホンの変形例を示す模式図である。 【符号の説明】 【0079】 10…平衡出力マイクロホン、20…第1のコンデンサマイクロホン、21…第1のダイヤフラム、22…第1のプレート、22a…穴、23…支持部、30…第2のコンデンサマイクロホン、31…第2のダイヤフラム、32…プレート、32a…穴、33…支持部、40a,40b…配線、41a,41b…抵抗、42a,42b…アンプ
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| 【出願人】 |
【識別番号】000004075 【氏名又は名称】ヤマハ株式会社
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| 【出願日】 |
平成18年6月26日(2006.6.26) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100117396 【弁理士】 【氏名又は名称】吉田 大
【識別番号】100117466 【弁理士】 【氏名又は名称】岩上 渉
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| 【公開番号】 |
特開2008−5439(P2008−5439A) |
| 【公開日】 |
平成20年1月10日(2008.1.10) |
| 【出願番号】 |
特願2006−175796(P2006−175796) |
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