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【発明の名称】 通話端末機
【発明者】 【氏名】佐藤 洋

【要約】 【課題】スピーカユニットの振動板に鉄粉が付着するのを容易に防止可能な通話端末機を提供する。

【構成】本願の通話端末機2は、放音のための開口7aを有するケース本体2aと、前記開口7aと対向し且つ前記ケース本体2aの内部に配置される磁気部17を含むスピーカユニット5と、前記ケース本体2aの開口7a側であって前記磁気部17に向かう磁束が通過する範囲に設けられる遮蔽部20と、を具備する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
放音のための開口を有するケース本体と、
前記開口と対向し且つ前記ケース本体の内部に配置される磁気部を含むスピーカユニットと、
前記ケース本体の開口側であって前記磁気部に向かう磁束が通過する範囲に設けられる遮蔽部と、
を具備することを特徴とする通話端末機。
【請求項2】
前記遮蔽部は、前記磁気部に対して前記磁束により前記通話端末機の外部から引き寄せられる金属粉が通過する前記範囲に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の通話端末機。
【請求項3】
前記遮蔽部は、前記ケース本体に形成され、前記遮蔽部の周りに前記開口が形成されていることを特徴とする請求項1、又は2に記載の通話端末機。
【請求項4】
前記磁気部は、前記スピーカユニットにおける前記ケース本体の開口側に配されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の通話端末機。
【請求項5】
前記スピーカユニットと前記ケース本体の開口側との間には、前記スピーカユニットの振動板に金属粉が付着するのを防止する通気可能なカバー部材が設けられていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の通話端末機。
【請求項6】
前記ケース本体の前記スピーカユニットにおける前記開口側と反対の位置に開口部が更に形成されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の通話端末機。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本願は、通話端末機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、親機端末と子機端末とを含んで構成される家庭用電話機が一般的に知られている。一般的に当該子機端末は、正面に相手の音声を再生(放音)する受話部と、利用者の音声を電気信号に変換するマイクを含む通話部と、利用者が操作する操作部と、を備えているが、図1に示すように、子機端末70の背面側に、電話の着信を知らせる着信音を鳴動させる鳴動部71(上記受話部を兼ねてもよい)が備えられているものも存在する。
【0003】
そして、当該子機端末70の鳴動部71の内部には、ケース本体70aの内部にスピーカユニット73が配置されており、ケース本体70aには、当該スピーカユニット73から再生される音を外部に放出するための開口74が形成されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
子機端末は、親機端末と無線によって送受信可能となっており、親機端末と離れて使用することが可能となっている。
【0005】
そのため、子機端末は親機端末と送受信可能な範囲で使用可能となっている。
【0006】
このような子機端末は、例えば、鉄工所等の作業場で使用される場合、子機端末が載置される作業台に、図1に示すような姿勢で子機端末70が置かれると、鉄の切粉などの金属粉75が、ケース本体70aに形成された開口74からケース本体70aの内部に侵入するとともに、スピーカユニット73の振動板73aに付着し、その重量によりスピーカユニット73から出力される音圧が低下するなどの問題が生じる場合がある。
【0007】
そこで、このような課題の一例を解消するために、本願は、スピーカユニットの振動板に金属粉が付着するのを容易に防止可能な通話端末機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決するため、本願請求項1に記載の通話端末機(2)は、放音のための開口(7a)を有するケース本体(2a)と、前記開口と対向し且つ前記ケース本体の内部に配置される磁気部(17)を含むスピーカユニット(5)と、前記ケース本体の開口側であって前記磁気部に向かう磁束が通過する範囲に設けられる遮蔽部(20)と、を具備することを特徴とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本願を実施するための最良の形態について、図面を用いて説明する。以下に説明する実施の形態は、いわゆる、親機端末と子機端末とを含んで構成される家庭用電話機の子機端末2に本願を適用したものである。なお、本願は子機端末2に限定されるものではなく、一般に、他の端末機と通信回線を介して通話可能な通話端末機、例えば、携帯電話などにも適用することが可能である。また、子機端末2に内蔵されるスピーカユニット5は、いわゆる、コーン型スピーカと称されるものであるが、この形式に限定されるものではなく、例えばドーム型や平面振動板型スピーカのような形式のスピーカであっても構わない。また、内磁型や外磁型の動電型スピーカの他に、静電型や圧電型スピーカ(それらに使われるトランスによる鉄粉付着)などの他の駆動形式のスピーカであってもよい。
【0010】
また、以下の説明において、便宜上、図2(a)を子機端末の正面、図2(b)を子機端末の背面として、図3におけるスピーカユニットの振動板側をスピーカユニットの正面、マグネット側をスピーカユニットの背面として説明する。
【0011】
図2は子機端末の外観図を示し、図2(a)は子機端末の正面図、図2(b)は子機端末の背面図、図3は本願の子機端末の受話部におけるスピーカの取付状態及び内部構造を示す断面図、図4は子機端末に対して鉄粉が吸着される状態を示す図である。
【0012】
本実施形態の子機端末2は、図2に示すように、例えば、着信した音声を再生するスピーカユニット5を含む受話部6、7(当該受話部7が上記鳴動部を兼ねてもよい)と、利用者の音声を受信するためのマイクを含む通話部8と、数字キーなどを含み利用者が操作する操作部9と、所定の情報を表示する表示部10と、を含んで構成される。
【0013】
この子機端末2は、図2に示すように、ケース本体として機能する筐体2aを有して構成されており、当該筐体2aの正面及び背面には、受話部6、7及び通話部8に対応する部分に開口6a、7a、8aが形成されている。
【0014】
この子機端末2において、筐体2aの背面に形成された受話部7に対応する筐体2aの内部には、図3に示すように、当該開口7aと対向するようにスピーカユニット5が固定して取り付けられている。スピーカユニット5は、その外周部が支持体2bとバッフル板として機能するスピーカ保持体15とにより挟持され、当該スピーカユニット5の正面が筐体2aの内部に向くように取り付けられている。よって、スピーカユニット5の背面が前記筐体2aの開口側に配されている。
【0015】
支持体2b、2cは、スピーカユニット5及びスピーカ保持体15を位置決めするためのものであって、筐体2aから内側に突出して形成されている。一方、スピーカ保持体15は、筐体2aの背面と対向するように支持体2cによって位置決めされて配置されるとともに、当該筐体2aの側面に係合し、固定して取り付けられている。また、このスピーカ保持体15には、スピーカユニット5と対向する部分に、当該スピーカユニット5から放音される音が籠もってその音質や音圧が低下すること等を防止等するための貫通孔15aが形成されている。
【0016】
スピーカユニット5は、コーン紙16aを含む振動系16と、この振動系16を中心軸の上下方向に振動させる円筒状のマグネット17を含む磁気回路部18と、振動系16及び磁気回路部18を支持するフレーム19と、を備えて構成されている。なお、マグネット17は、直流電源により励磁されるものであってもよいし、永久磁石を用いたものであってもよい。
【0017】
そして、スピーカユニット5は、音声信号を示す電流(駆動信号)が供給されたときに、図3中の矢印に示すように、振動板として機能するコーン紙16aがスピーカユニット5の中心軸の上下方向に振動し、駆動信号に応じた音響エネルギが放射されるようになっている。
【0018】
一方、筐体2aには、当該マグネット17と対向して当該マグネット17と同形状の遮蔽部20が形成されており、その周りにはスピーカユニット5から放出される音を外部に放音するための貫通孔21が複数形成されている。なお、この貫通孔21は、受話部7の開口7aとして機能するものである。
【0019】
ここで、例えば、鉄工所などの作業台に無造作に子機端末が置かれている場合について図4を用いて考察してみると、当該鉄工所の作業によって生じる金属粉(以下、鉄粉50と称する。)などが筐体2aの背面に形成された貫通孔21を介して筐体2aの内部に侵入し、スピーカユニット5の振動板に付着して、スピーカユニット5から放出される音圧が低下することが考えられる。また、スピーカユニット5には、周囲から中央部(磁気回路部18)に向かって磁界が発生するため、鉄粉もその磁界に沿って移動すると考えられる。
【0020】
本実施形態の子機端末2の筐体2aには、マグネット17と対向して遮蔽部20が形成されている。当該遮蔽部20は、外部から磁気回路部18に向かう磁束が通過する範囲に設けられている。ここで、鉄粉50は、磁気回路部18に向けられた上記磁束に沿って前記マグネット17に向かって吸着されるため、当該鉄粉50は筐体2aに形成された遮蔽部20の外面に吸着されることとなる。また、たとえ、遮蔽部20の外周部に形成された貫通孔21を介して鉄粉50が筐体2aの内部に侵入しても、筐体2aに近接した位置にマグネット17が配置されている関係上、鉄粉50は当該マグネット17の表面に付着することとなり、振動板に付着することはない。
【0021】
それでもなお、遮蔽部20から離れた個所に形成されている貫通孔21から鉄粉50が筐体2aの内部に侵入し振動板に鉄粉が付着されることも考えられるため、振動板の背面に設けられているフレーム19には、当該スピーカユニットの振動板に鉄粉50が付着するのを防止する通気可能なメッシュ状のカバー部材51を取り付けるようにしても構わない。このようにすれば、筐体2aの内部へ開口から微量ながら貫通孔21から鉄粉50が侵入したとしても、振動板への付着を容易且つ確実に防止することができる。
【0022】
次に、子機端末の他の実施形態について図5を用いて説明する。図5は本願の子機端末の受話部におけるスピーカユニットの他の取付状態及び内部構造を示す断面図である。なお、図5において、図3と共通する部分には同一符号を付し、それらの説明は省略する。
【0023】
図3において説明した実施形態はスピーカユニット5の正面が筐体2aの内部に向けて取り付けられているのに対して、本実施形態では、図5に示すように、スピーカユニット5の正面が筐体2aに形成された開口7a(貫通孔21)側に向けて取り付けられている。
【0024】
この場合においても、筐体2aには、当該マグネット17と対向して遮蔽部20が形成され、その周りにスピーカユニット5から放出される音を外部に放音するための開口21が複数形成されている。
【0025】
本実施形態において、図5に示すように、鉄工所などの作業台に無造作に子機端末2が置かれている状態を仮定して鉄粉の付着状態を検証したところ、鉄粉は、マグネット17に向かって吸着され、その中心方向(遮蔽部20上)に密に堆積されることが確認できた。また、鉄粉は、遮蔽部20の周辺に形成されている貫通孔21からはほとんど侵入しないことが確認できた。
【0026】
以上に説明したように、本実施形態の子機端末2は、放音のための開口7aを有するケース本体2aと、前記開口7aと対向し且つ前記ケース本体2aの内部に配置されるマグネット17を含むスピーカユニット5と、前記開口7a側であって前記マグネット17に向かう磁束が通過する範囲に設けられる遮蔽部20と、を備えている。当該遮蔽部20は、言い換えれば、マグネット17に対して生じる磁束により前記子機端末2の外部から引き寄せられる鉄粉50が通過する範囲に設けられている。また、この遮蔽部20はケース本体2aに形成され、前記遮蔽部20の周りに前記開口7aが形成されている。また、マグネット17は前記ケース本体2aの開口7a側に配されている。さらに、前記スピーカユニット5とケース本体2aとの間には、前記スピーカユニット5の振動板16aに鉄粉50が付着するのを防止する通気可能なカバー部材51が設けられている。
【0027】
このように構成された本実施形態の子機端末2によれば、マグネット17に対して外部から引き寄せられる鉄粉50は、磁気部17の周囲に形成される磁界に沿って移動することにより遮蔽部20上に堆積される。よって、遮蔽部20が設けられていることにより、ケース本体2aの内部への鉄粉50の侵入を有効に阻止できるとともに、開口7aから鉄粉50がケース本体2aの内部に侵入し、スピーカユニット5の振動板16aに付着して当該スピーカユニット5から出力される音圧が低下するのを防止できる。
【0028】
また、マグネット17はケース本体2aの開口7a側に配されているので、たとえ、開口7aから鉄粉50がケース本体の内部へ侵入しても、鉄粉50は、当該マグネット17の表面に付着することとなり、振動板16aに付着することはない。
【0029】
さらに、カバー部材51が設けられているので、鉄粉50がマグネット17に付着されず、ケース本体2aの内部に侵入したとしても、振動板16aへの付着を容易且つ確実に防止することができる。
【0030】
なお、本実施形態は一形態であって、この形態に限定されるものではない。例えば、図3又は図5において、スピーカユニット5の外周面は、支持体2aとスピーカ保持体15とにより挟持されているが、スピーカユニット5の外周面をスピーカ保持体15に貼り付けて固定しても構わない。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】従来の子機端末の内部構造を示す断面図である。
【図2】子機端末の外観図を示し、図1(a)は子機端末の正面図、図1(b)は子機端末の背面図である。
【図3】本願の子機端末の受話部におけるスピーカの取付状態及び内部構造を示す断面図である。
【図4】子機端末に対して鉄粉が吸着される状態を示す図である。
【図5】本願の子機端末の受話部におけるスピーカユニットの他の取付状態及び内部構造を示す断面図である。
【符号の説明】
【0032】
2 子機端末
2a 筐体
5 スピーカユニット
7a 開口
15a 貫通孔
17 マグネット
20 遮蔽部
51 カバー部材
【出願人】 【識別番号】000005016
【氏名又は名称】パイオニア株式会社
【識別番号】000111878
【氏名又は名称】パイオニアコミュニケーションズ株式会社
【出願日】 平成18年6月26日(2006.6.26)
【代理人】 【識別番号】100083839
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 泰男


【公開番号】 特開2008−5423(P2008−5423A)
【公開日】 平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願番号】 特願2006−175556(P2006−175556)