| 【発明の名称】 |
音響反射装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】畑 紀行
【氏名】小林 詠子
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| 【要約】 |
【課題】音声の放音方向を制御して効率的かつ品質を劣化させることなく音声を伝達することができる音響反射装置を提供する。
【構成】下向きに設置したスピーカをアレイ状に配置したスピーカアレイと、その両側にアレイ状にマイクアレイML、MRと、これを支えるフレーム16とを内蔵する音声信号送受信装置を備える。また、このスピーカの方向に対向して、峰線部911A、斜面912A、913Aが設けられた音響反射部91Aと脚92Aと93Aからなる音響反射装置9Aを備える。音響反射装置9Aは、放音された音声を±Y方向に反射させる。音響反射装置9Aの斜面912、913の内側の部分で、音響反射部91A内部が空洞になっており、ケーブルを通す。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 スピーカを所定の高さで支持する脚部と、 前記スピーカの放音方向に対向し、このスピーカの放音面に平行に配置された峰線部、およびこの峰線部の両側に設けた斜面を有する音響反射部と、 を備える音響反射装置。 【請求項2】 前記音響反射部は、前記峰線部の両側に設けられた斜面の内側に空洞部分を有することを特徴とする請求項1に記載の音響反射装置。 【請求項3】 前記音響反射部は、前記スピーカに接続されたケーブルが前記空洞部分に通されていることを特徴とする請求項2に記載の音響反射装置。 【請求項4】 前記音響反射部の峰線部と前記スピーカとの位置関係を位置決めする位置決め手段であって、前記音響反射部の峰線部と前記スピーカの振動板の中心部付近とが向かい合う第1の位置関係、または、前記音響反射部の峰線部と前記スピーカの振動板の両端部付近とが向かい合う第2、第3の位置関係のいずれかに位置決めする位置決め手段をさらに備える請求項1〜3のいずれかに記載の音響反射装置。 【請求項5】 前記スピーカは複数のスピーカユニットを直線状に配列したスピーカアレイからなり、前記峰線部は該スピーカアレイの配列の長軸方向に平行に配置されている、請求項1〜4のいずれかに記載の音響反射装置。 【請求項6】 前記音響反射部は、柔軟性のある平らなマットの略中央に固定されている請求項1〜5のいずれかに記載の音響反射装置。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 この発明は、スピーカの放音方向を制御することを目的とした音響反射装置に関する。 【背景技術】 【0002】 従来より、音声の放音方向を調整する提案がなされている。特許文献1には、音声を水平方向周囲に均等に放射する無指向性のスピーカを構成するため、上下のいずれかに向けたスピーカとこのスピーカの放音方向に対向する音響反射板が開示されている。 【0003】 また、ネットワークを介して遠隔地間で音声信号を送受信する音声信号送受信装置が実用化されている。この装置は、遠隔地間で音声信号を送受信することにより、電話のような音声通話や音声による遠隔会議を行うことができる。この音声信号送受信装置の構成として、音声信号送受信装置のスピーカを底面に向かって放音するように配置し、音声信号送受信装置を設置するテーブルの天板に音声を反射させるものが実用化されている。特許文献2には、本体天面に配置されたスピーカから、天井および水平方向の周囲に向けて放音する音声信号送受信装置が開示されている。 【特許文献1】特開昭60−199296号公報 【特許文献2】特開平8−298696号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0004】 しかしながら、特許文献1の構成は、無指向性の音声を放音することが解決課題であるから、この音声会議装置にそのまま適用しても、所定の方向に効率よく音声を話者に伝達するよう制御することは困難であった。 【0005】 また、音声会議装置のスピーカを下側に放音する従来の構成では、スピーカは、これと平行なテーブルに向けて音声を放音していたので、テーブル面の形状、材質等により音声の反射の状態が左右され、音質が使用環境により左右されやすい問題があった。 【0006】 また、特許文献2の構成では、音声が天井に向けて放音されるため、音声が音声信号送受信装置の周囲にいる話者に効率よく放音できない問題があった。例えば、音声信号送受信装置を設置するテーブルの片側にしか話者がいない場合でも、テーブルの両側に話者がいる場合と同じ音量で放音しなければならない、という問題があった。 【0007】 そこで、この発明は、上記課題に鑑み、音声の放音方向を制御して効率的かつ品質を劣化させることなく音声を伝達することができる音響反射装置を提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0008】 (1)本発明は、 スピーカを所定の高さで支持する脚部と、 前記スピーカの放音方向に対向し、このスピーカの放音面に平行に配置された峰線部、およびこの峰線部の両側に設けた斜面を有する音響反射部と、 を備える。 【0009】 この構成では、音響反射部が、スピーカの放音方向に対向している峰線部の両側に設けた斜面を有するから、2つの斜面により、スピーカから放音した音声が峰線部の両側に反射される。したがって、従来のようにスピーカをテーブルに向けて放音していたのと異なり、効率よく音声をスピーカの両側に放音できる。また、テーブル面の音声の反射の状態に左右されることがないから、設置面によらず、一定レベルの音質の音声を放音できる。以上より、本発明によれば、効率的かつ品質を劣化させることなく音声を話者に伝達することができる。 【0010】 (2)本発明は、 前記音響反射部は、前記峰線部の両側に設けられた斜面の内側に空洞部分を有することを特徴とする。 【0011】 この構成では、前記音響反射部が本来有している、音声を反射させる機能のみならず、ケーブルを目隠しして美観を保つ機能を兼ね備えている。この構成では、このように2つの機能を兼ね備えているので、音声信号送受信装置をコンパクトかつ合理的に配置することができる。 【0012】 (3)本発明は、 前記音響反射部は、前記スピーカに接続されたケーブルが前記空洞部分に通されていることを特徴とする。 【0013】 この構成では、前記スピーカに接続されたケーブルが前記空洞部分に通されているので、音声信号送受信装置をコンパクトかつ合理的に配置することができる。 【0014】 (4)本発明は、 前記音響反射部の峰線部と前記スピーカとの位置関係を位置決めする位置決め手段であって、前記音響反射部の峰線部と前記スピーカの振動板の中心部付近とが向かい合う第1の位置関係、または、前記音響反射部の峰線部と前記スピーカの振動板の両端部付近とが向かい合う第2、第3の位置関係のいずれかに位置決めする位置決め手段をさらに備える。 【0015】 この構成では、前記音響反射部の峰線部と前記スピーカの中心線との位置関係を位置決めする位置決め手段を備えており、第1の位置関係に位置決めされたときには、前記音響反射部は、峰線部の両側に音声を振り分けて反射させる。第2、第3の位置関係のいずれかに位置決めされたときには、前記音響反射部は、端部側への音声の反射を減衰させ、この端部の他方側へ音声の大半を反射させる。したがって、音声信号送受信装置の片側しか話者がいない場合には、音声を無駄なくその片側へ反射させて放音できる。以上のとおり、本発明の構成によれば、音声の放音方向を制御して効率的かつ品質を劣化させることなく音声を話者に伝達することができる。 【0016】 なお、この「スピーカアレイの中心部」は、スピーカが1つであれば、スピーカの中心点をいう。スピーカを一列に配列した場合には、このスピーカ各々の振動板の中心を結ぶ線をいう。複数列配列した場合には、スピーカアレイの短軸方向の中央部でスピーカアレイの長軸方向に引いた直線をいう。「前記スピーカの振動板の両端部」は、スピーカが1つまたはスピーカを一列に配列した場合には、スピーカのエッジ付近をいう。複数列配列した場合には、その複数列のうちの最も外側の部分のエッジ付近をいう。 【0017】 位置決め手段の位置決めの方法としては、例えば、スライド機構と、その第1〜第3の位置にロックさせる機構、位置合わせが可能になるような目印や溝を備える方法などにより実現できる。 【0018】 (5)本発明は、 前記スピーカは複数のスピーカユニットを直線状に配列したスピーカアレイからなり、前記峰線部は該スピーカアレイの配列の長軸方向に平行に配置されている。 【0019】 これにより、アレイ状に配置したスピーカの軸を結んだ直線に関してその両側の方向に音声を放音できる。 【0020】 (6)本発明は、 前記音響反射部は、柔軟性のある平らなマットの略中央に固定されていることを特徴とする。 【0021】 この構成では、柔軟性のあるマットに音響反射部が固定されているから、このマットにより音声信号送受信装置本体をくるむことでき、持ち運ぶことができる。また、前記音響反射部は、柔軟性のある平らなマットの略中央に固定されているから、前記マットは、音響反射部を兼ね備えている。 【発明の効果】 【0022】 この発明によれば、音質を劣化させることなく音声を伝えたい話者にスピーカの放音方向を制御することができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0023】 図1を用いて、第1の実施形態である音声信号送受信装置について説明する。図1において、音声信号送受信装置は、インターネットやLAN等のネットワークに接続されて使用される。なお、第1〜第4実施形態の音声信号送受信装置1は、通常の音声信号送受信装置と本発明の「音響反射装置」を一体化したものに相当している。音声信号送受信装置1は、ネットワークを介して相手装置であるもう1台の音声信号送受信装置との間で音声信号の送受信を行う。話者は、この音声信号送受信装置1の音声信号送受信機能を用いて、通話や音声会議等を行う。 【0024】 なお、以下では、音声信号送受信装置1を第1〜第4実施形態まで、単に「装置1」ということにする。 【0025】 図1は装置1の使用形態を表す図である。話者101A、Bは、テーブル100をはさんで向かい合わせて座っており、装置1は、テーブル100の上に置かれている。以下では、話者101Aがいる方を左側、話者101Bがいる方向を右側として説明する。 【0026】 装置1は、奥行き方向(図1の紙面に垂直な方向)にスピーカを並べて配置したスピーカアレイSPAと、このスピーカアレイSPAの左右に設けたマイクアレイML、MRを備えている。スピーカアレイSPAの各スピーカは、本体の下側(テーブル100に向かう方向)に振動板が設けられており、相手装置から伝送された音声信号を音声に変換してテーブル100に向けて放音する。この音声は音響反射装置(正確には、後述する音響反射部2)で反射して、テーブル100左右の斜め上方の範囲102、103の方向に放音される。マイクアレイML、MRは、スピーカアレイSPAの両側にそれぞれ設けられており、話者101A、Bの音声を収音して、相手装置に伝送する。 【0027】 図2を用いて、この発明の実施形態である音声信号送受信装置の外観図について説明する。図2(A)は、音声信号送受信装置の鳥瞰図、図2(B)は、図2(A)のA−A矢視図、図2(C)は、図2(A)のB−B断面図(スピーカアレイSPAのスピーカの中心の位置での断面図)、図2(D)は、音響反射部2の部品図である。 【0028】 図2(A)の外観図に示すように、装置1は、長尺の略直方体形状の装置である。図1で示した話者101A、101Bの左右方向は、それぞれ+Y方向、−Y方向に対応し、図1の奥行き方向は−X方向に対応し、図1の手前側が+X方向に対応する。装置1は、その外観に、上面パネル11、装置1の本体を支える脚121、131と、側面パネル12、13と、スピーカアレイSPAを保護するグリル14と、表示部150と、操作部151、152、153と、コネクタ群3を備える。 【0029】 上面パネル11、側面パネル12、13は、例えば樹脂で構成する。上面パネル11は、断面U字状の長尺の部材であり、スピーカアレイSPA、マイクアレイML、MR、信号処理部等を内蔵するフレーム16(図2(C)参照)を覆う。側面パネル12、13は、一面が開放した箱状部と脚が一体成形されており、この箱状部は、上面パネル11の±Y方向の側面を覆って固定する。 下面グリル14は、スピーカアレイSPAの保護部材であり、スピーカアレイSPAおよびマイクアレイML,MRの放音,収音を妨げないように、断面略U字状のパンチメッシュの鋼板で形成する。 【0030】 上面パネル11の上面のX側端部には表示部150、操作部151、152、153が埋め込まれている。表示部150は、上面パネル11の−X側に設けられており、設定状態等を表示するためのLCD(Liquid Crystal Display)である。操作部151、152、153は、テンキー等を備え、ボリュームのアップ、ダウン、ミュートの指示や、装置1の設定の指示を受け付ける。 【0031】 図2(B)に示すように、コネクタ群3は、X側の側面パネル12に埋め込まれており、コネクタ群3として、イーサネット(登録商標)等のLANやインターネット等のネットワークに接続するためのモジュラージャック31、オーディオ機器に接続するためのオーディオ入力端子32およびオーディオ出力端子33、電源に接続するための電源端子34を備える。なお、ケーブル25については後述する。 【0032】 モジュラージャック31にモジュラーケーブルのプラグ(図略)を挿入することで、装置1をネットワークに接続することが可能となる。これによって、装置1をネットワークに接続し、相手方の音声信号送受信装置1と通話が可能になり、装置1をIP電話機や音声会議装置として用いることができる。 【0033】 また、オーディオ入力端子32には、オーディオケーブルを介して外付けのオーディオ機器が接続されている。このオーディオ機器から入力された再生信号は、装置1に入力され、スピーカアレイSPAで放音される。 【0034】 図2(C)、(D)を用いて、装置1の内部の構造について説明する。図2(C)に示すように、装置1は、上面パネル11と下面グリル14の中に、スピーカアレイSPAと、マイクアレイML、MRと、これらSPA、ML、MRを内蔵するフレーム16と、スピーカアレイSPAの音声を±Y方向にいる話者側へ反射させる音響反射部2とを備える。 【0035】 なお、本実施形態では、音声信号送受信装置1は、本発明の「音響反射装置」の音響反射部2、脚121、131を一体として構成しているが、音響反射部2の機能は、本発明の「音響反射部」の機能に相当する。 【0036】 スピーカアレイSPAは、下方に振動板が設けられた複数のスピーカで構成され、それぞれ±X方向(図2(C)の紙面に垂直な方向)に、略等間隔に並べて設けられており、伝送された音声信号を音声に変換して放音する。 マイクアレイML、MRは、その±Y軸方向(図1の左右方向に対応)両側に配置され、話者101A、101Bの会話音声信号を収音する。この会話音声信号は、内部の信号処理部により信号処理され、相手装置に送信される。 【0037】 図2(D)に示すように、音響反射部2は、峰線部21、斜面22、23を有する長軸状の部材である。音響反射部2の長軸方向の側面は、側面パネル12、13に接しており、峰線部21は、図2(C)に示すようにスピーカアレイSPAを構成するスピーカそれぞれに対向して設けられている。 【0038】 音響反射部2の斜面22、23は、その断面が斜面22、23の内側に湾曲した曲線状に形成されている。音響反射部2は、スピーカアレイSPAから放音された音声を±Y方向に反射して、図1に示す範囲102、103へ音声を放音する。図2(C)の点線で示すように、斜面22、23の音声が反射した位置の接線方向に関して、音声の入射角と反射角が等しい方向に反射する。音響反射部2により、スピーカアレイSPAから放音された音声を±Y方向へ効率的に、かつ品質を劣化させることなく放音できる。 【0039】 また、図2(C)に示すように、音響反射部2の内側には、音響反射部2の斜面22、23の間であって、脚121から脚131までの深さの空洞部分24が形成されており、ケーブル25を通すことができる。これにより、例えば、装置1を±X方向に複数連結して接続した場合に、それぞれの音声信号送受信装置に音声信号のケーブルを通すことができる。 【0040】 図3を用いて、音声信号送受信装置を±X方向に多数連結して接続した場合の実施例について説明する。図3は、装置1を5つ連結した装置1A、1B、1C、1D、1Eを示している。なお、図3では、それぞれの装置1A、1B、1C、1D、1Eについて、左右の幅を破断して、中央を一部省略している。 【0041】 ケーブル25に相当するケーブル25A、25B、25C、25D、25Eのプラグを端子部3に挿入することにより、複数台の装置1がネットワークに接続して、相手装置と相互に通話を行うことができる。このケーブル25A、25B、25C、25D、25Eは、図2(B)で示したように、音響反射部2A、2B、2C、2D、2Eの内側の空洞部分(図2の24に相当する)に通されている。装置1Aの左に図示しないルータがあり、装置1Aには、ケーブル25Aを接続する。音響反射部2Aの内側には、ケーブル25B、25C、25D、25Eを通し、ケーブル25Bを装置1Bに接続する。音響反射部2Bの内側には、ケーブル25C、25D、25Eを通し、ケーブル25Cを装置1Cに接続する。音響反射部2Cの内側には、ケーブル25D、25Eを通し、ケーブル25Dを装置1Dに接続する。音響反射部2Dの内側には、ケーブル25Eを通し、ケーブル25Eを装置1Eに接続する。このように、音響反射部2は、ケーブル25B〜Eを隠す役割を兼ね備えている。 【0042】 次に、図4を用いて、装置1のブロックについて説明する。装置1の上面パネル11の内部には、図4に示す構成が内蔵されている。装置1は、相手装置と通信するためのネットワークインターフェース50、モジュラージャック31と、送受信する音声信号の処理を行う信号処理部51と、オーディオ機器6の出力信号を入力するオーディオ入力端子32と、信号処理部で処理したオーディオ信号を外部に出力するオーディオ出力端子33を備えている。 【0043】 また、装置1は、話者101A、Bの方向に指向性を持った収音信号と話者101A、Bの位置情報を他の装置1に送信し、他の装置1から話者位置情報と共に受信した音声信号を該話者位置の方向に放音する。そこで、装置1は、放音ビーム処理部52と、収音ビーム処理部55を備えている。 【0044】 ネットワークインターフェース50は、ネットワークを経由した相手装置との通信を制御する制御部であり、この端子部3にあるモジュラージャック31に接続されている。 【0045】 信号処理部51は、ネットワークインターフェース50に接続され、相手装置から音声信号をパケット単位で受信し、この音声信号をデコードしてビットストリームに変換し、放音ビーム処理部52に入力する。また、信号処理部51は、収音ビーム処理部55に接続され、信号処理部55で処理された音声信号をパケット化して、ネットワークインターフェース50を介してネットワークに送出する機能を有する。また、信号処理部51は、外付けのオーディオ機器6からオーディオ入力端子32を介して入力された音声信号を処理する。さらに、信号処理部51は、マイクアレイで収音した音声あるいはオーディオ入力端子から入力されたオーディオ信号を処理してオーディオ出力端子33を介して外部のオーディオ機器に出力する。 【0046】 放音ビーム処理部52は、相手装置から送られた位置情報が示す位置に指向性を持たせた放音ビームを生成する。この放音ビームは、スピーカアレイSPAの後方の焦点から広がった音声をスピーカアレイSPAの各スピーカで再現するものであり、音声信号の出力タイミングをスピーカアレイSPAの各スピーカごとに調整して出力する。これにより、あたかもこの焦点の位置に話者がいるかのように聞こえることになり、音声の臨場感を損なわずに相手装置との間で音声を伝送できる。 【0047】 収音ビーム処理部55は、話者101A、Bの位置を探索すると共に、この話者の位置に指向性を持たせた収音ビームを生成し、これを信号処理部51に入力する。この収音ビームの生成は、マイクアレイML、MRの各マイクで収音した音声信号を入力するタイミングを調整することにより行う。このタイミングを調整すると、指向した方向の音声信号は位相がそろって強調されて収音されると共に、他のエリアの音声信号は位相ずれで相殺されて弱められて収音される。話者100A,Bの位置を探索する方法は、収音ビーム処理部55が予め定めた複数の方向に指向性を持たせた音声ビームを各々生成し、その信号レベルの大きさが大きい収音ビームと、これに対応する方向を選択することにより行う。収音ビーム処理部55は、この探索した位置およびこの位置に対応する収音ビームを信号処理部51に入力する。 【0048】 以上の構成により、ユーザである会議出席者に対して、あたかも相手側の話者が仮想音源の位置にいるかのように音声を聞かせることができる。 【0049】 なお、第1の実施形態の装置1では、位置情報を伝送して、放音ビーム、収音ビームを生成したが、必ずしもこれらを生成する必要はなく、マイクアレイML、MRで得た多チャンネルの音声信号そのままを伝送しても良い。また、音響反射部2は、スピーカアレイSPAでなく1つのスピーカに対しても、±Y方向に効率よく音声を放音する効果を奏する。 【0050】 次に、図5の構成図を用いて、第1の実施形態の音声信号送受信装置の応用に係る第2の音声信号送受信装置の構成について説明する。第2の実施形態の音声信号送受信装置は、第1実施形態のそれとは異なり、話者101A、101Bに伝達する音声の方向を調整するための音響反射部2のスライド機構7を脚121、131の上に備える。これ以外は、第1実施形態と同様であり、以上の説明を準用する。図5(A)〜(C)は、第1実施形態の装置1のB〜B断面図である図2(C)と位置関係が対応している。 【0051】 スライド機構7は、土台20に設けられており、音響反射部2全体を支持して音響反射部2を±Y方向にスライドさせるガイドと、このガイド上で音響反射部2の位置を軽くロックするロック機構を備える。スピーカアレイSPAは、図5の紙面に垂直な方向に並んでおり、このスピーカアレイSPAが並んでいる方向に対して平行に音響反射部2の峰線部21が移動することになる。ロック機構がこの音響反射部2をロックする位置は、スピーカアレイSPAを構成するスピーカの中心軸105、このスピーカの振動板の端部106、107のいずれかと、音響反射部2の峰線部21が合う位置とする。 【0052】 図5(A)〜(C)は、この3点のうちのいずれかでロックした状態を表している。図5(A)の位置に音響反射部2がある場合には、音響反射部2は、±Y方向に音声を反射させ、±Y方向両側に音声を放音する。図5(B)の位置でロックしたときは、峰線部21とスピーカアレイSPAの端部106との間隔が狭くなっており、+Y方向の音声を減衰させると共に、スピーカアレイSPAの音声の大半を−Y側に放音する。これにより、話者101Aがいない場合に、話者101B側への音声の伝達効率を高めることができる。図5(C)の位置でロックしたときは、峰線部21とスピーカアレイSPAの端部107との間隔が狭くなっており、−Y方向の音声を減衰させると共に、スピーカアレイSPAの音声を+Y側に放音する。これにより、話者101Bがいない場合に、話者101A側への音声の伝達効率を高めることができる。 【0053】 次に、図6の構成図を用いて、第2の実施形態の音声信号送受信装置の応用に係る第3の音声信号送受信装置の構成について説明する。 【0054】 この実施形態では、第2実施形態と同様、スライド機構7に相当するスライド機構7Aを設けており、図6(A)〜(C)は、図5(A)〜(C)に対応している。以上の実施形態と異なり、下面グリル14を下面グリル141、142に分割し、底面のスライド機構7の位置まで設けており、音響反射部2の峰線部21をスピーカアレイSPAの近くまで近づけている。この相違点以外は、第2実施形態と同様であり、以上の説明を準用する。この実施形態では、音響反射部2の峰線部21の位置が高いので、音響反射部2を端部106、107に移動させたときに、端部側へ放音される音声を遮断する効果を、第2実施形態よりも高めることができ、その逆側への音声の伝達効率を高めることができる。 【0055】 次に、図7を用いて、第1〜第3の実施形態の音声信号送受信装置の応用に係る第4の実施形態の音声信号送受信装置について説明する。この実施形態の音声信号送受信装置は、柔軟性のあるマット8を備えている点が第1実施形態と異なる。マット8以外は、第1実施形態と同様なので、以上の説明を準用する。図7(A)に示すように、この実施形態では、音響反射部2は、脚121、131に固定されておらず、マット8の±Y軸方向中央部に土台20および音響反射部2が固定され、音響反射装置が構成されている。マット8は、音響反射部2の±X軸側に、フック81、82を備えており、脚121、131に設けたボタン(不図示)にフック81、82を引っ掛けて固定する。また、マット8の±Y軸方向両端には、吊孔83、84を備えている。図7(B)に示すように、装置1をくるんで吊孔83、84を合わせることができ、装置1を持ち運ぶことができる。このように、マット8、土台20、音響反射部2は、一体となっており、持ち運ぶケースとしての役割と、音声の放音方向を制御する役割と、ケーブル25を目隠しして通す役割を兼ね備えている。 【0056】 なお、脚121、131に、それぞれ3つのフックを設けて、第2実施形態と同様に±Y方向に音響反射部2の峰線部21を、中心線105、スピーカの端部106、107の位置に合わせて固定する構成も可能である。この構成によれば、音声の放音方向を調整することができる。また、マット8と音響反射部2の間にスライド機構7を設けても良い。この場合にも、第2実施形態と同様に音声の放音方向を調整することができる。 【0057】 また、以上の実施形態では、話者101A、101Bの音声信号送受信を用いて説明したが、装置1は話者の音声だけでなく、音楽や効果音などでも送受信可能である。 【0058】 次に、図8〜図10を用いて、以上の実施形態の応用に係る第5実施形態の音響反射装置の実施例1〜3について説明する。この実施形態の音声信号送受信装置1Gまたは1Hと、音響反射装置9A、9B、9Cとは別装置であり、音響反射装置9A、9B、9Cは、音声信号送受信装置1G、1Hに取り付けるオプションである。音声信号送受信装置1Gまたは1Hは、以上の実施形態の音声信号送受信装置から、音響反射部2、土台20を取り除いたものに相当し、音響反射装置9A〜9Cのいずれかの上に載せて固定されている。なお、音声信号送受信装置1Gまたは1Hは、音声信号送受信装置1と音響反射部2がない点が主な相違点であるから、以下では、音声信号送受信装置1Gの各構成にも同じ符号を用い、以上の説明を準用する。 【0059】 図8を用いて、第5実施形態の実施例1について説明する。図8(A)に示すように、この実施例1では、音響反射装置9Aの上に、音声信号送受信装置1Gを載せて固定している。図8(B)に示すように、音響反射装置9Aは、峰線部911、斜面912、913を有する音響反射部91A(以上の実施形態の音響反射部2に相当する)と、脚92A、93Aを備えている。 【0060】 音声信号送受信装置1は、音響反射装置9Aの脚92A、93Aの上に固定されている。この実施例1でも、音響反射装置9Aは、効率的かつ品質を劣化させることなく音声信号送受信装置1から放音された音声を±Y方向にいる話者に伝達することができる。 【0061】 また、この実施例1の音響反射部91Aの内部は、前述した実施形態の音響反射部2と同様に空洞部94Aが形成されており、ケーブル25を通すことができる。したがって、図3を用いて説明したように、音響反射装置9Aの上に、音声信号送受信装置(装置)1Gを載せたものを複数連結した場合に、それぞれの空洞部94Aに音声信号のケーブルを通すことができる。 【0062】 さらに、この実施例1を第4実施形態へ適用するには、音響反射部91Aの下にマット8に相当するものを接合すればよく、これによりその効果を発揮させることができる。 【0063】 なお、この実施例1では、第2、第3の実施形態のように、放音方向を±Y方向のいずれかに調整することはできない。音響反射装置9Aの上に音声信号送受信装置1Gを固定するので、以上の実施形態で述べたような音響反射部2のスピーカに対する位置合わせする位置は、峰線部911がスピーカの中心線105の真下に固定される。この点は次の実施例2も同様である。 【0064】 図9を用いて、第5実施形態の実施例2について説明する。図9(A)に示すように、この実施例2では、音響反射装置9Bの上に、実施例1と同じく音声信号送受信装置1Gを載せて固定している。図9(B)に示すように、この実施例2では、音響反射部91B(音響反射部91Aに相当する)が半円柱状になっている点が実施例1と異なり、この点以外は実施例1の説明を準用する。この実施例2でも、音響反射装置9Bは、効率的かつ品質を劣化させることなく音声を±Y方向にいる話者に伝達することができ、空洞部94Bにケーブル25を通すことができる。また、音響反射部91Bが半円柱状になっているので空洞部94Bにケーブル25を多数本通したり、または太いケーブルを通すことができる。 【0065】 図10を用いて、第5実施形態の実施例3について説明する。図10(A)に示すように、この実施例3では、音響反射装置9Cの段差部分95、96の上に音声信号送受信装置1Hを載せて、音声信号送受信装置1の長軸方向の両側を挟み込んで固定している。図10(B)に示すように、音響反射装置9CのX軸方向両端部には、それぞれ3つの孔971〜973、981〜983が開いている。これと同時に、音声信号送受信装置1Hの側面パネル12C、13Cには、突起部が、孔971〜973のいずれか、および孔981〜983のいずれかに合わせることができるよう、ケースの長軸方向の両側に1つずつ一体成形されている。これにより、この音声信号送受信装置1Hの突起部と、3つの孔971〜973、981〜983それぞれを合わせることで、スピーカと峰線部911の位置関係を合わせることができ、第2の実施形態のスライド機構7と同様の機能を有する。したがって、この実施例3では、音響反射装置9Cは、効率的かつ品質を劣化させることなく音声を±Y方向にいる話者に伝達することができるだけでなく、音声信号送受信装置1の放音方向を左右のいずれかに調整できる。 【0066】 なお、本実施形態の音響反射装置9A、9B、9Cは、いずれも本発明の「音響反射装置」に相当する。 【図面の簡単な説明】 【0067】 【図1】この発明の第1の実施形態である音声信号送受信装置の使用形態を表す図 【図2】この発明の第1の実施形態である音声信号送受信装置の構成図 【図3】同音声信号送受信装置を設置した音声信号送受信装置を複数配置した場合のケーブルの配線図 【図4】同音声信号送受信装置の処理部のブロック図 【図5】第1の実施形態の装置の応用に係る第2の実施形態の音声信号送受信装置の構成図 【図6】第2の実施形態の装置の応用に係る第3の実施形態の音声信号送受信装置の構成図 【図7】第1〜第3の実施形態の装置の応用に係る第4の実施形態の音声信号送受信装置の構成図 【図8】第1〜第4の実施形態の装置の応用に係る第5の実施形態の音響反射装置の実施例1の使用形態と構成図 【図9】第1〜第4の実施形態の装置の応用に係る第5の実施形態の音響反射装置の実施例2の使用形態と構成図 【図10】第1〜第4の実施形態の装置の応用に係る第5の実施形態の音響反射装置の実施例3の使用形態と構成図 【符号の説明】 【0068】 1,1A,1B,1C,1D,1E,1G,1H−音声信号送受信装置(装置) 11−上面パネル、 12−側部パネル、 121−脚、 13−側部パネル 131−脚 14−下面グリル、 150−表示部、 151−操作部、 152−操作部 153−操作部、 16−フレーム、 2−音響反射部 20−土台、 21−峰線部、 22−斜面、 23−斜面、24−空洞 25−ケーブル、 3−端子部、 31−モジュラージャック 32−オーディオ入力端子、 33−オーディオ出力端子 50−ネットワークインターフェース 51−信号処理部、 52−放音ビーム処理部 55−収音ビーム処理部、 6−オーディオ機器 7−スライド機構、 8−マット、 83−吊孔、 84−吊孔 9A−音響反射装置、 9B−音響反射装置、 9C−音響反射装置 91A−音響反射部、 91B−音響反射部、 91C−音響反射部 92A−脚、 93A−脚、 94A−空洞部、 97−孔、 98−孔 SPA−スピーカアレイ、 ML−マイクアレイ、 MR−マイクアレイ 100−テーブル、 101A−話者、 101B−話者 105−中心線、 106−端部、107−端部
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| 【出願人】 |
【識別番号】000004075 【氏名又は名称】ヤマハ株式会社
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| 【出願日】 |
平成18年6月23日(2006.6.23) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100084548 【弁理士】 【氏名又は名称】小森 久夫
【識別番号】100123940 【弁理士】 【氏名又は名称】村上 辰一
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| 【公開番号】 |
特開2008−5346(P2008−5346A) |
| 【公開日】 |
平成20年1月10日(2008.1.10) |
| 【出願番号】 |
特願2006−174499(P2006−174499) |
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