| 【発明の名称】 |
超音波装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】古河 憲一
【氏名】松田 浩史
|
| 【要約】 |
【課題】超音波センサにおいて、安定した特性を示すように製造することが可能である構造を実現することを課題とする。
【構成】ケース(111)の底面上に配置された圧電素子(112)を覆って配置してあるシリコーンシート(117)をその上面に反射膜(117a)を有する構成とし、このシリコーンシート(117)の上側に、紫外線の照射によって硬化された硬化済み紫外線照射硬化性樹脂部(170A)を有する。紫外線は反射膜(117a)で反射され、充填紫外線照射硬化性樹脂部(170)の紫外線硬化が促進される。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ケースと、該ケースの底面上に配置された圧電素子と、該圧電素子を覆って配置してある樹脂シートと、該ケース内に充填されて硬化してあり前記樹脂シートの上側に配してある樹脂部とを有し、超音波を送信及び/又は受信する超音波装置において、 前記樹脂シートは、その上面が紫外線を反射する反射面である構成であり、 且つ、前記樹脂部は、前記樹脂シート上に、紫外線の照射によって硬化された硬化済み紫外線照射硬化性樹脂部を有する構成としたことを特徴とする超音波装置。 【請求項2】 請求項1に記載の超音波装置において、 前記反射面は、前記樹脂シートの上面に形成してある反射膜である構成としたことを特徴とする超音波装置。 【請求項3】 請求項1に記載の超音波装置において、 前記反射面は、前記樹脂シートの上側に重ねて設けられた反射シート部材の上面である構成としたことを特徴とする超音波装置。
|
【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は超音波装置に係り、特に、超音波を送信すると共に対象物で反射して戻ってきた超音波を受信する超音波センサであって、防滴型の超音波センサに関する。 【背景技術】 【0002】 従来の超音波センサは、超音波を発生し、発生した超音波を受信する。超音波センサは、例えば、対象物までの距離を測定する測距システムに用いられている。測距システムでは、超音波センサの信号を検出して、超音波を送信してから受信するまでの時間を計測し、計測した時間から対象物までの距離を測定する。 【0003】 図10は従来の防滴型の超音波センサの一例の構成図を示す。 【0004】 超音波センサ1は、主に、ケース11と、ケース11の底面上に配置された圧電素子12と、圧電素子12をケース11の外部に引き出す端子板13と、端子板13と圧電素子12とを接続するワイヤ14と、ケース11に充填されて硬化されている硬化済み樹脂部15とから構成されている(特許文献1、2参照)。ケース11の内部を占める硬化済み樹脂部15が緩衝材として且つ防滴部材として機能する。硬化済み樹脂部15の密度が超音波センサ1の特性と関係する。 【特許文献1】特開平11−266498号公報 【特許文献2】特開平10−257595号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0005】 超音波センサについては、特性の改善が求められており、且つ、超音波センサを大量に生産するに当たっては、特性のばらつきが少なくて歩留まりが高いことが求められている。 【0006】 本発明は上記の点に鑑みてなされた超音波装置を提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0007】 本発明は、ケース(111)と、該ケースの底面(127)上に配置された圧電素子(112)と、該圧電素子を覆って配置してある樹脂シートと、該ケース内に充填されて硬化してあり前記樹脂シートの上側に配してある樹脂部とを有し、超音波を送信及び/又は受信する超音波装置において、 前記樹脂シート(117)は、その上面が紫外線を反射する反射面(117a)である構成であり、 且つ、前記樹脂部は、前記樹脂シート上に、紫外線の照射によって硬化された硬化済み紫外線照射硬化性樹脂部(170A)を有する構成としたことを特徴とする。 【0008】 なお、上記参照符号はあくまでも参考であり、これによって、特許請求の範囲が限定されるものではない。 【発明の効果】 【0009】 本発明によれば、硬化用の紫外線が樹脂シートの上面の反射面で反射されるため、紫外線硬化樹脂部の硬化が促進され、硬化済み紫外線照射硬化性樹脂部のうち硬化し難い部分である樹脂シートとの境界面の部分も確実に硬化させることが出来、よって、超音波装置を大量生産する場合に、超音波装置を特性のばらつきを少なくして製造することが出来、歩留まりを上げることが出来る。 【発明を実施するための最良の形態】 【0010】 次に本発明の実施例について説明する。 【実施例1】 【0011】 [全体構成] 図1は本発明の実施例1になる超音波センサ100の分解斜視図、図2はこの超音波センサ100の断面図である。 【0012】 超音波センサ100は、超音波を発生し、外部に出力するとともに、外部からの反射波を受信する送受信型であり、且つ、防滴型である。超音波センサ100は、ケース111、圧電素子112、リッツ線113、接続部材114、リード線115、116、シリコーンシート117、硬化済み紫外線照射硬化性樹脂部170A、硬化済み二液硬化性樹脂部180A等から構成されている。 【0013】 ケース111は、アルミニウム材を切削加工などによって、有底の略円筒状に形成し、防錆処理を施したものである。ケース111の内周部のうちケース111の高さ方向の略中間に、段部121が形成されている。段部121よりボス122がZ1方向に突き出て形成してある。 【0014】 126はケース111の底板部、127は底面、128は底側の周囲の筒部、129は段部121よりZ1側の筒部である。底板部126は十分に薄く、筒部128は十分に厚い。 【0015】 圧電素子112は、円形状に成形されたセラミックス基板131の上下面に電極132、133が形成してある構成であり、電極132、133に印加される電圧変化に応じて厚さ方向に繰り返し歪み、また、厚さ方向に歪んで電極132、133間に電圧を発生させる。圧電素子112は、熱硬化済みエポキシ系接着剤160Aによって、底板部126の底面127に接着してあり、底面127上に配置してある。電極133は底板部126と電気的に接続されている。 【0016】 樹脂シートとしてのシリコーンシート117は、密度が0.5程度の発泡性シリコーン樹脂から構成されており、上面に蒸着によって銀色の反射膜117aが形成してある。反射膜117aは後述する紫外線硬化をより確実にする機能を有する。このシリコーンシート117は、その下面に貼付してある両面接着テープ117bでもって、圧電素子112の上面に貼り付けてあり圧電素子112の上面を覆っている。 【0017】 リッツ線113は、一端が半田付けや導電ペーストなどにより圧電素子112の接続してあり、シリコーンシート117の切込部141を通して矢印Z1方向に延出され、リード線115に半田付け或いは導電ペーストなどにより接続してある。 【0018】 接続部材114は、その開口114aをボス122に嵌合した状態で、段部121上に熱硬化済みエポキシ系接着剤161によって接着してある。リード線116の一端が接続部材114に接続してある。リード線115とリード線116とが紫外線硬化済みエポキシ系接着剤162Aによって接着してある。 【0019】 硬化済み紫外線照射硬化性樹脂部170Aと硬化済み二液硬化性樹脂部180Aとは共にケース111の内部にあって、シリコーンシート117の上側に配してある。 【0020】 硬化済み紫外線照射硬化性樹脂部170Aは、ケース111の内部のうち、シリコーンシート117と段部121との間の空間を占めている。この硬化済み紫外線照射硬化性樹脂部170Aは、充填された紫外線硬化性樹脂に紫外線を照射することのよって硬化させたものである。 【0021】 硬化済み二液硬化性樹脂部180Aは、ケース111の内部のうち、硬化済み紫外線照射硬化性樹脂部170Aの上側の空間を占めている。この硬化済み二液硬化性樹脂部180Aは、二液硬化性樹脂を充填して放置しておくことによって硬化させたものである。 【0022】 シリコーンシート117、硬化済み紫外線照射硬化性樹脂部170A、及び硬化済み二液硬化性樹脂部180Aの全部が、ダンパーとして機能する。 【0023】 [製造工程] 図3は超音波センサ100の製造工程図である。図4乃至図7は各工程の状態を示す。各図において、接着剤及び樹脂に関して、硬化前のものは、梨地パターン無しで示し、硬化済みのものは、梨地パターンを付して示す。 【0024】 1.圧電素子・接続部材接着工程190 図4に示すように、圧電素子112の電極132を熱硬化性接着剤であるエポキシ接着剤160を使用してケース111の底板部126の底面127に接着する。また、接続部材114の開口114をボス122に嵌合させて段部121上に支持し、熱硬化性接着剤であるエポキシ接着剤161を使用して接続部材114を段部121上に接着する。また、リード線115とリード線116とを紫外線硬化性エポキシ接着剤162使用して接着する。 【0025】 なお、圧電素子112の電極132にはリッツ線113の一端が接続してあり、リッツ線113の他端がリード線115に接続してある。また、接続部材114にリード線116の一端が接続してある。 【0026】 2.エポキシ接着剤硬化工程191 全体を加熱して、図5(A)に示すように、エポキシ接着剤160,161を硬化させる。圧電素子112は、硬化済みエポキシ接着剤160Aによって底板部126の底面127に接着固定され、電極132が底板部126と電気的に接続された状態となる。接続部材114は硬化済みエポキシ接着剤161Aによって段部121上に接着固定される。 【0027】 リード線115とリード線116とは硬化済みエポキシ接着剤162Aによって接着固定される。 【0028】 3.シリコーンシート接着工程192 図1に示すように、シリコーンシート117の切込部141内にリッツ線113に嵌合させ、シリコーンシート117を圧電素子112上に載せ、押し付け、図5(B)に示すように、シリコーンシート117を両面接着テープ117bによって圧電素子112の電極133及び圧電素子112の周辺の底板部126の底面127に接着する。これによって、圧電素子112はシリコーンシート117によって覆われた状態となる。 【0029】 4.紫外線硬化性樹脂充填工程193 図6(A)に示すように、ケース111内に紫外線硬化性樹脂を段部121のレベルまで充填して、充填紫外線硬化性樹脂部170を形成する。 【0030】 5.紫外線照射工程194 充填紫外線硬化性樹脂部170が形成されたケース111を紫外線硬化装置の内部に入れて、図6(B)に示すように、ケース111の上方の紫外線ランプ200を点燈させ、紫外線201を充填紫外線硬化性樹脂部170に照射させる。 【0031】 シリコーンシートが通常のものである場合には、充填紫外線硬化性樹脂部170を透過した紫外線201はシリコーンシートに吸収されてしまい、充填紫外線硬化性樹脂部170の硬化の進行は遅く、特に充填紫外線硬化性樹脂部170のうち最も深い部分であるシリコーンシートとの境界面の部分の硬化の進行は遅く、十分に硬化しない虞れもある。このため、紫外線の照射時間を長くするとか、出力の高い紫外線硬化装置を使用することが必要となる。 【0032】 しかし、本実施例のシリコーンシート117は、上面が反射膜117aであるため、充填紫外線硬化性樹脂部170を透過してシリコーンシート117に至った紫外線201は反射膜117aで符号202で示すように反射され、反射紫外線202は充填紫外線硬化性樹脂部170をシリコーンシート117の側から充填紫外線硬化性樹脂部170を照射し、特に充填紫外線硬化性樹脂部170のうち最も深い部分、即ち、充填紫外線硬化性樹脂部170のうちシリコーンシート117との境界部分を照射する。 【0033】 よって、充填紫外線硬化性樹脂部170の紫外線硬化が促進されて、充填紫外線硬化性樹脂部170は、通常は硬化し難いシリコーンシート117との境界部分も確実に硬化された状態となって、硬化済み紫外線照射硬化性樹脂部170Aとなる。 【0034】 紫外線ランプ200はその出力が例えば250Wと低いもので足り、照射時間は約1分と短くて足りる。よって、紫外線照射工程194は、出力が高くない紫外線硬化装置を使用して、且つ、短時間で終了する。 【0035】 また、前記の紫外線201の照射によって、エポキシ系接着剤162が硬化されて、リード線115とリード線116とは硬化済みエポキシ接着剤162Aによって接着固定される。 【0036】 6.二液硬化性樹脂充填工程195 図7(A)に示すように、ケース111内に、直前に硬化促進剤が混合された二液硬化性樹脂を充填し、硬化済み紫外線照射硬化性樹脂部170Aの上側に、充填二液硬化性樹脂部180を形成する。 【0037】 7.硬化工程196 約48時間放置しておく。この間に、充填二液硬化性樹脂部180が完全に硬化して、硬化済み二液硬化性樹脂部180Aとなる。 【0038】 以上によって、図2に示す超音波センサ100が完成する。硬化済み紫外線照射硬化性樹脂部170Aは通常は硬化し難いシリコーンシート117との境界部分も確実に硬化された状態となっているため、大量に生産された超音波センサ100は特性が安定してばらつきが小さくなり、歩留まり良く生産される。 【0039】 シリコーンシート117の密度をρ1、硬化済み紫外線照射硬化性樹脂部170Aの密度をρ2、硬化済み二液硬化性樹脂部180Aの密度をρ3とすると、ρ1<ρ2<ρ3の関係にある。圧電素子112に近い側の密度が低く、圧電素子112から離れるにつれて、密度が順に高くなっている。この構成は、超音波センサ100の特性の改善に効果がある。 【0040】 なお、紫外線硬化性エポキシ接着剤162に代えて、紫外線硬化性アクリル接着剤を使用してもよい。 【0041】 [超音波センサ100の動作] 図2において、高周波の電圧がリード線115,116間に印加されると、これが、圧電素子112の電極132、133間に印加されて、圧電素子112が厚さ方向に繰り返し歪み、ケース111の底板部126が撓まされて、底板部126から超音波が発射される。対象物で反射して戻ってきた超音波によって底板部126を介して圧電素子112が厚さ方向に繰り返し歪まされ、圧電素子112が高周波の電圧を発生し、これがリード線115,116を通して送り出される。 【0042】 シリコーンシート117と接触している硬化済み紫外線照射硬化性樹脂部170Aは通常は硬化し難いシリコーンシート117との境界部分も確実に硬化された状態となっているため、超音波センサ100は良好な特性を有する。 【実施例2】 【0043】 図8は本発明の実施例2になる超音波センサ100Aの分解斜視図、図9はこの超音波センサ100Aの断面図である。 【0044】 この超音波センサ100Aは、シリコーンシート117に形成してある反射膜117aに代えて、反射シート部材210を使用し、これを通常のシリコーンシート211の上側に重ねて設けた構成である。シリコーンシート211自身の上面は反射面ではない。 【0045】 反射シート部材210が前記実施例における反射膜117aと同様に機能して紫外線を反射させ、硬化済み紫外線照射硬化性樹脂部170Aが効率良く且つ確実に硬化される。 【0046】 また、本発明の構造は、超音波を送信するだけの超音波装置及び超音波を受信するだけの超音波装置にも適用が可能であり、本発明の超音波装置は、超音波を送信するだけの超音波装置及び超音波を受信するだけの超音波装置も包含するものである。 【0047】 以上、本発明の好ましい実施の形態について詳述したが、本発明はかかる特定の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。 【図面の簡単な説明】 【0048】 【図1】本発明の実施例1になる超音波センサの分解斜視図である。 【図2】図1の超音波センサの断面図である。 【図3】超音波センサの製造工程図である。 【図4】圧電素子及び接続部材の接着を説明する図である。 【図5】(A)は接着剤硬化、(B)はシリコーンシート接着を説明する図である。 【図6】(A)は紫外線照射硬化性樹脂の充填、(B)は充填紫外線照射硬化性樹脂部の紫外線硬化を説明する図である。 【図7】(A)は二液硬化性樹脂の充填、(B)は充填二液硬化性樹脂部の硬化を説明する図である。 【図8】本発明の実施例2になる超音波センサの分解斜視図である。 【図9】図8の超音波センサの断面図である。 【図10】従来の超音波センサの断面図である。 【符号の説明】 【0049】 100,100A 超音波センサ 111 ケース 112 圧電素子 117 シリコーンシート 117a 反射膜 170A 硬化済み紫外線照射硬化性樹脂部 180A 硬化済み二液硬化性樹脂部 201 紫外線 202 反射紫外線 210 反射シート部材
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000006220 【氏名又は名称】ミツミ電機株式会社
|
| 【出願日】 |
平成18年6月23日(2006.6.23) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100070150 【弁理士】 【氏名又は名称】伊東 忠彦
|
| 【公開番号】 |
特開2008−5334(P2008−5334A) |
| 【公開日】 |
平成20年1月10日(2008.1.10) |
| 【出願番号】 |
特願2006−174333(P2006−174333) |
|