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【発明の名称】 リモコン信号受信装置、及び該装置を備えた映像表示装置
【発明者】 【氏名】高野 裕之

【要約】 【課題】簡単な操作を行うだけでリモコン信号対する受信装置の反応を改善し、誤動作を防止する。

【構成】リモコン信号処理IC12は、受信したリモコン信号をデコードする際に、リモコン信号のパルス幅、パルス数、及びコードエンド期間のそれぞれの項目について所定の判定基準を設け、判定基準に合致するパルス波形に対してデコードを行う。そしてMCU13は、最初に設定した判定基準内で規定回数以上デコードが成功しなかった場合にはその判定基準を変化させる。すなわち各判定基準をそれぞれ順次広くしていきデコードの感度を上げる。判定基準の変化は、デコードが規定回数連続して成功するまで、段階的に複数回行うことができる。そしてデコードが規定回数連続して成功したときの判定基準を装置に設定し、以後のリモコン信号のデコード処理を行うようにする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リモコン装置から送信されたリモコン信号をデコードするリモコン信号受信装置において、受信したリモコン信号に対して所定の判定基準値を適用し、該判定基準に合致するパルス波形からコードデータを生成するデコード処理を行うデコード手段と、
該デコード手段によるリモコン信号のデコードが成功したかどうかを判定する判定手段とを有し、
該デコード手段は、前記リモコン信号のデコードが成功しなかった場合に、前記判定基準値の範囲を変化させることを特徴とするリモコン信号受信装置。
【請求項2】
請求項1に記載のリモコン信号受信装置において、該リモコン信号受信装置は、リモコン装置から送信された所定の調整専用のリモコン信号に従って所定の調整用モードに自動的に移行し、前記判定手段は、該調整用モードにおいて、前記調整専用のリモコン信号のデコードが成功したかどうかを判定することを特徴とするリモコン信号受信装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載のリモコン信号受信装置において、前記デコード手段は、前記リモコン信号を連続して繰り返しデコードし、
前記判定手段は、規定回数以上連続してデコードが成功した場合に、前記リモコン信号のデコードが成功したものと判定することを特徴とするリモコン信号受信装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか1に記載のリモコン信号受信装置において、
該判定手段により前記判定基準値の初期値によるデコードが成功しなかったものと判定した場合、
前記デコード手段は、前記判定基準値の範囲を広げて再度デコードを行い、前記デコードが成功したときの判定基準値を、デコードに使用する判定基準値として設定してデコードを行うことをリモコン信号受信装置。
【請求項5】
請求項4に記載のリモコン信号受信装置において、
前記判定基準値は、最大許容範囲が予め定められ、前記デコード手段は、前記初期値によるデコードが成功しなかった場合、前記初期値から段階的に前記判定基準値の範囲を広げていき、
前記最大許容値まで該範囲を広げても前記デコードが成功しなかった場合、該判定基準値を初期値に設定してデコードを行うことを特徴とするリモコン信号受信装置。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれか1に記載のリモコン信号受信装置において、
前記判定基準値は、リモコン信号のパルス幅、パルスの数、及びコードエンドの期間のそれぞれの項目について設定され、
前記デコード手段は、それぞれの前記判定基準値に該当するパルス波形に対してデコードを行うことを特徴とするリモコン信号受信装置。
【請求項7】
請求項6に記載のリモコン信号受信装置において、
前記判定基準値の初期値においてリモコン信号のデコードに成功しなかった場合、前記デコード手段は、前記判定基準値を設定した各項目のうちいずれかの項目について、前記判定基準値の範囲を変化させ、該判定基準値の範囲を変化させてもデコードが成功しない場合に他の項目の判定基準値を変化させることを特徴とするリモコン信号受信装置。
【請求項8】
請求項6に記載のリモコン信号受信装置において、
前記デコード手段は、前記判定基準値を設定した各項目のうちいずれかの項目について前記判定基準値の範囲を変化させ、該判定基準値の範囲を変化させた項目に関する該判定基準値の設定が終了した後に、他の項目の判定基準値を変化させることを特徴とするリモコン信号受信装置。
【請求項9】
請求項1ないし8のいずれか1に記載のリモコン信号受信装置と、該リモコン信号受信装置でデコードされたコードデータに従って所定の映像表示処理を行うことを特徴とする映像表示装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、リモコン受信装置及び該装置を備えた映像表示装置に関し、より詳細には、リモコン信号の受信状態に応じてデコード条件を変化させることにより、リモコンの操作性を改善させるようにしたリモコン信号受信装置と、そのリモコン信号受信装置を備えた映像表示装置とに関する。
【背景技術】
【0002】
家電製品等の電気機器をリモコンでコントロールできるようにしたシステムが一般的に提供されている。リモコンを使用した先行技術に関し、例えば特許文献1には、受信赤外線信号を検波する検波回路と、検波回路に対する入力信号レベルに応じて検波感度を調整する検波感度調整回路とを備えたリモートコントロール受信回路が開示されている。この検波感度調整回路は、検出すべき信号が連続して与えられる場合に調整動作を行う。
【0003】
また特許文献2には、それぞれ異なる複数方向からの光を受光する複数個の受光素子を備え、各受光素子毎に受光感度を調整して受信機の受光方向を選択する受光感度調整手段を設けたワイヤレスシステムが開示されている。
さらに特許文献3には、受信部の受信信号がリモコン装置からの送信によるものか否かを判定し、その判定結果が否のとき受信部の受信感度を下げるようにした空気調和機が開示されている。
【0004】
さらに特許文献4には、ワイヤレス受信機への電源投入後の所定時間の間、光ワイヤレス受信機の受信感度を一定レベルだけ低下させ、その所定時間経過後は、通常レベルの受信感度に復帰させるようにした感度調整方法が開示されている。
さらに特許文献5には、コマンド信号を受信する感度が異なる受光センサを複数個配設した受信部と、各受光センサから導出された受光出力信号のいずれか1つを選択し、これを次段に設けられているリモコン信号受信回路に供給する切換スイッチとを備えたリモコン装置が開示されている。
【0005】
さらに特許文献6には、受信装置のディスプレイに受信装置を移動させる方向を記号や文字パターンで表示したり、受信装置に具備された発光手段を点灯させたりすることにより、受信感度が良好となる位置に設置できるようにした受信装置が開示されている。
【特許文献1】特開昭60−153238号公報
【特許文献2】特開昭63−208395号公報
【特許文献3】特開平2−179096号公報
【特許文献4】特開平2−180496号公報
【特許文献5】実開平4−76744号公報
【特許文献6】特開2005−354343号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
リモコンを使用して電気機器をコントロールする場合、リモコンの操作性がその使用環境に影響を受けるという問題が従来よりあった。例えば、リモコンの受信信号の受信精度は、リモコンと受信装置との間の距離や角度、遮蔽物などにより影響を受け、また蛍光灯などが発するノイズからも影響を受ける。そして使用環境によっては、リモコン操作に応じた受信装置の反応が悪くなるという問題が生じていた。
【0007】
上記のようなリモコン装置による操作システムに関し、例えば特許文献1のリモートコントロール受信回路は、リモコン信号の入力信号レベルに応じて検波感度を調整しているだけであり、実際にその信号が正規の信号かなどを判定することができないという問題がる。また特許文献2のワイヤレスシステムでは、複数の受光部を必要とするため回路が複雑となる。
【0008】
また特許文献3では、受信部の受信感度を下げたときに、正規のリモコン信号が効かなくなるという問題が生じる。また特許文献4の感度調整方法は、受信器の電源を投入した時の一定期間のみ受信感度を低下させるものであり、通常動作中においてはリモコン信号の効きは改善されない。さらに特許文献5のリモコン装置は、複数の受光部を必要とするため回路が複雑となる。さらに特許文献6の受信装置は、受信装置の位置調整を行うための構成をもつものであり、実際のリモコン信号の効きが改善されるわけではない。
【0009】
また例えば既存のコードを使用してリモコンの感度調整を行う場合、その既存のコードで動作しないように、調整用のモードに切り換えたあとにそのコード入力を行う必要がある。このためモード切替の手間が増え、また適切な調整状態になるまでに煩雑な操作が必要になる、という問題がある。
【0010】
本発明は、上述のごとき実情に鑑みてなされたもので、リモコン信号の受信状態に応じてデコード基準を変化させることにより、簡単な操作によってリモコン信号に対する受信装置の反応を改善し、誤動作を防止できるようにしたリモコン受信装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明の第1の技術手段は、リモコン装置から送信されたリモコン信号をデコードするリモコン信号受信装置において、受信したリモコン信号に対して所定の判定基準値を適用し、判定基準に合致するパルス波形からコードデータを生成するデコード処理を行うデコード手段と、デコード手段によるリモコン信号のデコードが成功したかどうかを判定する判定手段とを有し、デコード手段は、リモコン信号のデコードが成功しなかった場合に、判定基準値の範囲を変化させることを特徴としたものである。
【0012】
第2の技術手段は、第1の技術手段において、リモコン信号受信装置は、リモコン装置から送信された所定の調整専用のリモコン信号に従って所定の調整用モードに自動的に移行し、判定手段は、調整用モードにおいて、調整専用のリモコン信号のデコードが成功したかどうかを判定することを特徴としたものである。
【0013】
第3の技術手段は、第1または第2の技術手段において、デコード手段は、リモコン信号を連続して繰り返しデコードし、判定手段は、規定回数以上連続してデコードが成功した場合に、リモコン信号のデコードが成功したものと判定することを特徴としたものである。
【0014】
第4の技術手段は、第1ないし第3のいずれか1の技術手段において、判定手段により判定基準値の初期値によるデコードが成功しなかったものと判定した場合、デコード手段は、判定基準値の範囲を広げて再度デコードを行い、デコードが成功したときの判定基準値を、デコードに使用する判定基準値として設定してデコードを行うことを特徴としたものである。
【0015】
第5の技術手段は、第4の技術手段において、判定基準値は、最大許容範囲が予め定められ、デコード手段は、初期値によるデコードが成功しなかった場合、初期値から段階的に判定基準値の範囲を広げていき、最大許容値まで範囲を広げてもデコードが成功しなかった場合、判定基準値を初期値に設定してデコードを行うことを特徴としたものである。
【0016】
第6の技術手段は、第1ないし第5のいずれか1の技術手段において、判定基準値は、リモコン信号のパルス幅、パルスの数、及びコードエンドの期間のそれぞれの項目について設定され、デコード手段は、それぞれの判定基準値に該当するパルス波形に対してデコードを行うことを特徴としたものである。
【0017】
第7の技術手段は、第6の技術手段において、判定基準値の初期値においてリモコン信号のデコードに成功しなかった場合、デコード手段は、判定基準値を設定した各項目のうちいずれかの項目について、判定基準値の範囲を変化させ、判定基準値の範囲を変化させてもデコードが成功しない場合に他の項目の判定基準値を変化させることを特徴としたものである。
【0018】
第8の技術手段は、第6の技術手段において、デコード手段は、判定基準値を設定した各項目のうちいずれかの項目について判定基準値の範囲を変化させ、判定基準値の範囲を変化させた項目に関する判定基準値の設定が終了した後に、他の項目の判定基準値を変化させることを特徴としたものである。
【0019】
第9の技術手段は、第1ないし第8のいずれか1の技術手段と、リモコン信号受信装置でデコードされたコードデータに従って所定の映像表示処理を行うことを特徴としたものである。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、リモコン信号の受信状態に応じてリモコン信号のデコード基準を変化させることにより、簡単な操作によってリモコン信号に対する受信装置の反応を改善し、誤動作を防止することができるようになる。
【0021】
特に本発明によれば、リモコンの使用環境に合わせてデコード処理の条件を補正することができるので、リモコンの操作性を改善できる。その結果、リモコン操作を何度も繰り返す等の無駄な操作を強いることもないため、内蔵電池を無駄に消費することも無い。
【0022】
また本発明を実施するときに従来の装置から回路を変更する必要がなく、コストがかからないという効果が得られる。
【0023】
さらに本発明によれば、調整専用のリモコン信号を入力するだけで、リモコン信号のデコード基準を自動調整するため、簡単な操作でリモコンの効き具合を調整することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
図1は、本発明によるリモコン信号受信装置の構成例を示すブロック図で、デジタルチューナを備えたテレビ装置に本発明のリモコン信号受信装置を適用した例を示すものである。また本例のテレビ装置は、本発明の映像表示装置の一例に該当する。
テレビ装置1は、ユーザが操作するリモコン装置2から送信されたリモコン信号を受信する受光部11を備えている。受光部11で受信されたリモコン信号は、リモコン信号処理IC12でリモコンコードにデコードされ、MCU(Micro Controller Unit)13に送られる。MCU13では、リモコン信号をデコードしたリモコンコードに対応付けられた所定の制御処理を実行する。
【0025】
チューナー17は、受信した放送信号をチューニングして復調する。また外部入力部18は、外部接続されたAV機器やPCからのビデオ信号/オーディオ信号を入力する端子などを有し、外部機器からの信号入力を可能とする。
映像処理IC19では、チューナー17で選局された放送信号から分離された映像信号、もしくは外部入力部18から入力された映像信号を処理し、ディスプレイ15に表示するための映像信号を出力する。ここでは入力された映像信号のフォーマットに応じて必要な映像処理(例えば、色空間変換処理、IP変換処理、スケーリング処理、FRC処理、γ補正処理、色補正処理、同期検出処理など)を施す。表示デバイスドライバ14は、映像処理IC19から出力された映像信号に基づいてディスプレイ15を駆動し、映像信号をディスプレイ15に表示させる。ディスプレイ15は、例えば液晶パネルを備えた表示デバイスである。
また音声処理IC20は、チューナー17で選局された放送信号から分離された音声信号、もしくは外部入力部18から入力された音声信号を増幅して出力信号に変換し、スピーカー21がその出力信号を音声出力する。
【0026】
本発明に関わるリモコン信号のデコード処理は、リモコン信号処理IC12及びMCU13によって実行される。すなわち、リモコン装置2から送信される調整専用のリモコン信号をリモコン信号処理IC12でデコードし、MCU13ではそのリモコン信号が正しくデコードされたかどうかを判定して、その判定結果に応じてリモコン信号処理IC12におけるデコード条件を変更する。従って本発明によるリモコン信号受信装置のデコード手段はリモコン信号処理IC12によって実現され、またデコードしたコードデータが正しくデコードされたかどうかを判定する本発明の判定手段はMCU13によって実現される。
【0027】
図2は、本発明によるリモコン信号受信装置の他の構成例を示すブロック図で、デジタルチューナを備えたテレビ装置に本発明のリモコン信号受信装置を適用した他の例を示すものである。
図2に示すテレビ装置1´は、図1に示すテレビ装置1と同様の機能を備えている。すなわちテレビ装置1´は、テレビ装置1(図1)が備えるリモコン信号処理IC12とMCU13との機能を兼ね備えたリモコンデコード処理内蔵MCU22を有している。従って、図2に示すテレビ装置1´は、上述したテレビ装置1と同様の機能を実現することができるため、ここではその繰り返しの説明は省略する。また図2の構成では、本発明のデコード手段及び判定手段は、リモコンデコード処理内蔵MCU22によって実現される。
【0028】
図3は、リモコン装置から送信されるリモコン信号の一例を示す図である。リモコン信号は、ヘッダー部と、そのヘッダー部に続くデータ部と、データ部の終了を示すコードエンド部(トレーラー部)とからなっている。データ部は、例えばリモコン装置2の操作ボタンに対応したデータのビット列を、リモコン信号のLOWの持続時間とHIGHの持続時間の組み合わせによって表現したものとなっている。
【0029】
本発明に関わるリモコン信号受信装置においては、調整専用のコード情報をもつリモコン信号をリモコン装置からリモコン信号受信装置(以下単に受信装置とする)に送信することにより、そのリモコン信号に基づくデコード条件の補正処理(デコードの判定基準の補正処理)を受信装置側で自動的に実行する。これにより、例えばリモコン装置の使用環境に応じてリモコン信号の状態が変動したとしても、その状態に合わせでデコード条件を補正することができ、リモコン装置の操作性を大きく改善することができる。
【0030】
調整専用コードは予め用意されているもので、ユーザがリモコン装置の所定のボタンを押すなどの操作を行うことにより、その調整専用のコード情報を持つリモコン信号がリモコン装置から送信される。この場合に、そのボタンを押し続けることにより、その調整専用のリモコン信号が連続して繰り返し発信されるようにしておく。またボタンを押し続ける必要なく、ボタンを押す一回の動作で、予め定めた所定時間の間、連続して繰り返しリモコン信号が送信されるようにしてもよい。
【0031】
またリモコン装置から調整専用のリモコン信号を送信する場合に、予め定められたボタンをユーザが押し続けることにより調整専用のリモコン信号が連続して繰り返し送信される構成のみならず、ユーザが他の目的の操作(例えばチャンネル変更操作など)を行ったときに、それに伴って調整専用のリモコン信号を送信するようにしてもよい。この場合、例えばチャンネル変更操作のためのコード信号に続いて、調整専用のリモコン信号を送信させるようにしてもよい。このとき予め定めた所定時間の間、調整用のリモコン信号を連続して繰り返し送信させることができる。このような構成では、ユーザは調整モードを意識することなく、また感度調整のための特別な操作を行う必要がなく、受信装置における感度の自動調整を行うことができる。
【0032】
受信装置側では、リモコン装置から送信された調整専用のリモコン信号を受信して調整モードに移行する。この場合、受信装置では調整専用のリモコン信号をデコードして、そのリモコン信号が調整専用のリモコン信号であることを認識する必要がある。そして調整専用のリモコン信号を認識すると、受信装置では調整モードに移行する。調整モードにおいては、受信するリモコン信号をデコードしたデータと、受信機側で持っているコードデータとが一致するかどうかを判別し、これによりリモコン装置から送信された調整専用のリモコン信号が正しくデコードされたかどうかを判定することができる。
【0033】
なおこのとき、リモコン装置からの受信状態が悪く、調整専用のリモコン信号であることを受信機側で全く認識することができない場合は調整モードに移行することができない。この場合は、例えばリモコン装置を持っているユーザが、受信状態がよくなるように受信装置に近づいて調整専用のリモコン信号を送信し、受信装置を調整モードに移行させてから通常使用する位置に移動するなどの動作を行う。
また受信装置本体のキースイッチやボタンなどにより所定の操作を行うことで、調整モードに移行できるように構成してもよい。
【0034】
次に調整専用のリモコン信号を受信した受信装置における感度調整処理の例を説明する。受信装置では、調整モードにおいてリモコン装置から送信された調整専用のリモコン信号を受信したとき、そのリモコン信号が正しくデコードされたかどうかを判別し、その判別結果に応じて、リモコン信号をデコードするときのデコード条件を変化させる。
【0035】
ここでは、受信したリモコン信号のパルスの状態からコードデータにデコードするときに、パルスの波形信号が正常であると判定するときの判定基準を予め定め、その判定基準を変化させる。
調整専用のリモコン信号をデコードする場合、この判定基準に合致するパルス波形信号をデコードし、そのデコード値が正しいデコード値であるかどうかを判別する。この判定基準のデコードがうまくいかない場合、判定規準の範囲を少しずつ広げて正常とみなす範囲を拡大する。これによりリモコン信号のパルスが通常より乱れた状態であっても、正しくデコードできる範囲まで判定規準が拡大され、そのリモコン信号の波形に応じた最適な規準でデコード処理を行うことができるようになる。そして本発明に関わるデコード時の判定規準範囲は、パルス(ビット)幅、パルス(ビット)数、コードエンド期間のそれぞれについて設定するものとする。以下にさらに具体的に説明する。
【0036】
まず調整専用のリモコン信号として図3に示すような信号を送信するものとする。
このとき論理0/1の規定値として、パルス(ビット)幅の場合には、論理0は2ms、論理1は3msであるものとする。またパルス(ビット)数の場合、その規定値は10個であるものとする。さらにコードエンド期間の場合、その規定値は10msであるものとする。すなわち、受信装置で受信したリモコン信号が上記の規定値に一致する場合に、そのリモコン信号がデコードされる。このときパルス幅については、各パルスのパルス幅が2msまたは3msのいずれかに一致したときに、そのいずれかに該当する値0または1をそれぞれのパルスに対するコードデータとする。
【0037】
受信装置では、上記のような規定値に基づいて受信したリモコン信号をデコードする際に、パルス幅、パルス数、及びコードエンド期間のそれぞれについて所定の判定基準を設け、その判定基準内にこれらパルス幅、パルス数、コードエンド期間があった場合には、それぞれ規定値に一致したものとみなしてデコードを行う。
そして本発明に関わる処理では、最初に設定した判定基準内でデコードが行われ、規定回数連続して正しくデコードされた場合、その判定基準を維持する。
【0038】
調整専用のリモコン信号は、連続して送信されているため、各リモコン信号(一連のパルス信号)を連続してデコードしてそのデコードの成功回数をカウントする。受信装置では、リモコン信号のデコード結果を記憶しているため、そのリモコン信号のデコード結果が正しいかどうかを判別することができる。
【0039】
そして最初に設定した判定基準内で規定回数以上デコードが成功しなかった場合には、その判定基準を変化させる。すなわちパルス幅、パルス数、コードエンド期間の各判定基準をそれぞれ順次広くしていく。つまり多少のパルス波形の乱れがあっても規定値に一致したものとみなすようにする。
【0040】
判定基準の変化は、デコードが規定回数連続して成功するまで、段階的に複数回行うことができる。そしてデコードが規定回数連続して成功したときの判定基準を受信装置に設定し、以後のリモコン信号のデコード処理を行うようにする。
【0041】
上記の例において、例えば、パルス幅に関する初期の判定基準として論理0が1.9〜2.1ms、論理1が2.9〜3.1msとしてパルス幅を判定する。またパルス幅の判定規準範囲の最大許容値は、論理0が1.6〜2.4mmで、論理1が2.6〜3.4mmであるものとする。
【0042】
このときに、パルス幅に対する初期判定基準を用いて規定回数連続してデコードが成功したならば、その初期判定基準を維持する。また規定回数連続してデコードが成功しなかった場合には、パルス幅の判定基準として論理0を1.8〜2.2ms、論理1を2.8〜3.2msに広げる。
【0043】
そして再度新たな判定基準でデコードを行い、規定回数連続してデコードが成功したならば、その判定基準を設定する。また規定回数連続してデコードが成功しなかった場合には、判定基準として論理0を1.7〜2.3ms、論理1を2.7〜3.3msに広げる。
そしてさらに新たな判定基準でデコードを行い、規定回数連続してデコードが成功したならば、その判定基準を設定する。また規定回数連続してデコードが成功しなかった場合には、判定基準として論理0を1.6〜2.4ms、論理1を2.6〜3.4msに広げる。この判定基準は予め定めた最大許容値である。
【0044】
そしてさらに新たな判定基準でデコードを行い、規定回数連続してデコードが成功したならばその判定基準を設定する。また規定回数連続してデコードが成功しなかった場合、今度はデコードが成功した回数が多かった判定基準に設定する。またデコードが一度も成功しなかった場合には、初期の判定基準、すなわち論理0が1.9〜2.1ms、論理1が2.9〜3.1msに設定する。この場合、パルス幅の補正はNGである。パルス幅の補正がNGの場合、次のパルス(ビット)数補正に移行する。
【0045】
パルス数に関する初期の判定基準として一回のリモコン信号に含まれるビット数を10個として判定する。またパルス数の最大許容範囲は8〜12個であるものとする。
そして初期判定基準を用いて規定回数連続してデコードが成功したならば、パルス数に関する判定基準を10回として設定する。また規定回数連続してデコードが成功しなかった場合には、パルス数の判定基準を9〜11個とする。
【0046】
そして再度新たな判定基準でデコードを行い、規定回数連続してデコードが成功したならば、その判定基準を設定する。また規定回数連続してデコードが成功しなかった場合には、パルス数の判定基準を8〜12個に広げる。
そしてさらに新たな判定基準でデコードを行い、規定回数連続してデコードが成功したならば、その判定基準を設定する。また規定回数連続してデコードが成功しなかった場合、今度はデコードが成功した回数が多かった判定基準に設定する。またデコードが一度も成功しなかった場合には、初期の判定基準である10個に設定する。この場合、パルス数の補正はNGである。そしてパルス幅の補正がNGの場合、次のコードエンド期間補正に移行する。
【0047】
コードエンド期間の初期の判定基準を9ms以上として判定する。またコードエンド期間の最大許容範囲は6ms以上である。そしてまず初期の判定基準で規定回数連続してデコードが成功したならば、コードエンド期間に関する判定基準を9ms以上として設定する。また規定回数連続してデコードが成功しなかった場合には、コードエンド期間の判定基準を8ms以上とする。
【0048】
そして再度新たな判定基準でデコードを行い、規定回数連続してデコードが成功したならば、その判定基準を設定する。また規定回数連続してデコードが成功しなかった場合には、コードエンド期間の判定基準を7ms以上に広げる。
そしてさらに新たな判定基準でデコードを行い、規定回数連続してデコードが成功したならば、その判定基準を設定する。また規定回数連続してデコードが成功しなかった場合には、コードエンド期間の判定基準をさらに6ms以上に広げる。
【0049】
そしてさらに新たな判定基準でデコードを行い、規定回数連続してデコードが成功したならば、その判定基準を設定する。また規定回数連続してデコードが成功しなかった場合、今度はデコードが成功した回数が多かった判定基準に設定する。またデコードが一度も成功しなかった場合には、初期の判定基準である9ms以上に設定する。
【0050】
上記のような処理により、各判定基準のデコードがうまくいかない場合に判定規準を少しずつ広げて正常とみなす範囲を拡大することで、正しくデコードできる範囲まで判定規準が拡大され、そのリモコン信号の波形に応じた最適な規準でデコード処理を行うことができるようになる。
【0051】
なお上記の例では、パルス幅、パルス数、コードエンド期間のうち特定の条件においてデコードの成功回数が規定回数に満たなかった場合に次の条件の判定に移行しているが、この他、全ての条件について順次デコードの判定を行い、このときに次の条件によるデコード判定を行うときの規定回数を、前の条件によるデコード判定の規定回数より多くするようにしてもよい。
【0052】
図4は、本発明によるリモコン信号受信装置における処理の一例を説明するためのフローチャートである。
まずリモコン装置から調整専用のリモコン信号が送信された場合、受信装置では調整モードに移行してそのリモコン信号のデコードを開始する(ステップS1)。この場合に調整専用のリモコン信号は、リモコン装置から連続して繰り返し送信されてくる。ここでそのリモコン信号のデコードが規定回数OKであったかどうかを判別する(ステップS2)。デコード成功回数が規定回数に達した場合には、その状態でデコードがうまくいっていることが判断できる。
【0053】
ステップS2で規定回数連続してデコードがOKでない場合には、連続してデコードが成功した回数を保存する(ステップS3)。そしてリモコン信号の全範囲の補正が完了したかどうかを判別する(ステップS4)。全範囲の補正とは、リモコン信号のパルス幅、パルス数、コードエンド期間のいずれかの項目について、デコード判定を行うための判定基準の初期値から最大許容値までの全範囲の補正を指す。またここでいう補正とは、リモコン信号を判別するための判定基準を補正することを意味する。
【0054】
そして全範囲の補正が完了していなければ、判定基準を広げる補正処理を行って(ステップS10)、ステップS1に戻る。またステップS4で全範囲の補正が完了していれば、さらにデコードがOKであった回数が0であるかどうかを判別する(ステップS5)。0であった場合、すなわち全範囲の判定基準でデコードを行ったにもかかわらず、デコード成功が一度もなかった場合には、その項目の判定基準を初期値に設定する(ステップS11)。またデコードがOKであった回数が0でなければ、OK回数が最大の判定基準を設定する(ステップS6)。
【0055】
また上記ステップS2で、規定回数連続してデコードがOKであれば、OK最大の判定基準、すなわちそのときの判定基準を設定する(ステップS6)。
そしてステップS6で判定基準を設定したならば、次に全種類の項目について補正が完了したどうかを判別する(ステップS7)。全種類の項目とは、上記のパルス幅、パルス数、エンドコード期間であり、これら全ての項目についてその判定基準の補正が完了したかどうかを判別する。
【0056】
そして全種類の項目の補正が完了していれば、さらに全種類の項目の補正がNGではないかどうかを判断する(ステップS8)。つまり全種類の項目についてデコードがNGでないかどうかを判断する。全種類の項目の補正がNGでなければ、デコード補正がOKであることを表示する(ステップS9)。
【0057】
また全種類の項目の補正がNGであれば、デコード補正がNGであることを示す表示を行う(ステップS13)。表示の方式としては、例えば図1,図2の構成でディスプレイ15にOSDによって表示したり、LED回路16を使用してLEDの点灯や点滅等によって表示したりすることができる。
また上記ステップS7で全種類の補正が完了していなければ、次の種類の項目の補正にセットして(ステップS12)、ステップS1に戻る。
【0058】
この場合に最初の項目で補正が完了し、規定回数の正しいデコードが可能であれば、次の項目の補正に移行することなく、そのときのデコード条件でデコードを行うようにしてもよい。また全ての項目の補正を行う場合に、上述のように次の条件によるデコード判定を行うときの規定回数を、前の条件によるデコード判定の規定回数より多くするように設定できる。
【0059】
図5は、デコードの判定基準の補正処理例を説明するためのフローチャートである。
まず判定基準の補正の種類を判別する。判定基準の補正の種類がパルス数であれば、パルス数の判定基準の補正を行う(ステップS22)。判定基準の補正処理は図4に示すフローによって実行される。
そして補正処理の結果、パルス数の判定基準が許容範囲内であれば(ステップS23−YES)、そのパルス数の判定基準の補正処理を終了する。またパルス数の判定基準が許容範囲内になければ、全範囲(初期値から最大許容値までの範囲)の補正を完了して判定基準をセットする(ステップS24)。
また、判定基準の補正の種類がパルス幅であれば、パルス幅の判定基準の補正を行う(ステップS25)。そしてパルス幅の判定基準が許容範囲内であれば(ステップS26−YES)、そのパルス幅の判定基準の補正処理を終了する。またパルス幅の判定基準が許容範囲内でなければ、全範囲の補正を完了して判定基準をセットする(ステップS24)。
【0060】
同様に判定基準の補正の種類がコードエンド期間であれば、コードエンド期間の判定基準の補正を行う(ステップS27)。そしてコードエンド期間の判定基準が許容範囲内であれば(ステップS28−YES)、そのコードエンド期間の判定基準の補正処理を終了する。またコードエンド期間の判定基準が許容範囲内でなければ、全範囲の補正を完了し判定基準をセットする(ステップS24)。
【0061】
なお上述のリモコン信号のデコード条件の補正処理は、調整専用のリモコン信号を受信したリモコン信号受信装置が自動的に実施することができるが、この他、上記の処理を手動で実施できるようにしてもよい。この場合、例えば表示画面のメニュー上から調整モードを選択できるようにする。そして調整モードにおいては、各調整条件の項目についてデコードの成功回数を表示し、その結果に応じてデコードの判定基準を手動で調整できるようにする。これにより上記の自動調整と同様の動作を手動によって実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明によるリモコン信号受信装置の構成例を示すブロック図である。
【図2】本発明によるリモコン信号受信装置の他の構成例を示すブロック図である。
【図3】リモコン装置から送信されるリモコン信号の一例を示す図である。
【図4】本発明によるリモコン信号受信装置における処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【図5】デコードの判定基準の補正処理例を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0063】
1…テレビ装置、2…リモコン装置、11…受光部、12…リモコン信号処理IC、13…MCU、14…表示デバイスドライバ、15…ディスプレイ、16…LED回路、17…チューナー、18…外部入力部、19…映像処理IC、20…音声処理IC、21…スピーカー、22…リモコンデコード処理内蔵MCU。
【出願人】 【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
【出願日】 平成18年9月15日(2006.9.15)
【代理人】 【識別番号】100079843
【弁理士】
【氏名又は名称】高野 明近


【公開番号】 特開2008−72546(P2008−72546A)
【公開日】 平成20年3月27日(2008.3.27)
【出願番号】 特願2006−250359(P2006−250359)