| 【発明の名称】 |
無線通信装置、通信方法およびプログラム |
| 【発明者】 |
【氏名】高橋 仁人
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| 【要約】 |
【課題】無線通信のデータ伝送レートのQoSを管理して通信する、無線通信装置、通信方法およびプログラムを提供すること。
【構成】本発明の無線通信装置(12、14)は送信データをワイヤレス・リンクに送出する送信部36と、ワイヤレス・リンクを介して送信データの通信結果を受信する受信部32と、無線通信装置(12、14)が設置された無線環境でのデータ伝送レートを与える送信電力レベルを登録し、指定されたデータ伝送レートを与えるように、送信電力レベルを選択して、送信部36の送信電力を制御する送信電力制御部38とを備えていて、実効スループットの計測に応じて指定されたデータ伝送レートを与える送信電力を選択し、送信する。また、本発明では、送信電力制御部38は、データ伝送レートを設定範囲内となるように送信電力を制御して、無線通信におけるQoSを確保している。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 無線通信を使用してデータ伝送を行う無線通信装置であって、 送信データをワイヤレス・リンクに送出する送信手段と、 前記ワイヤレス・リンクを介して前記送信データの通信結果を受信する受信手段と、 前記無線通信装置が設置された無線環境でのデータ伝送レートを与える送信電力レベルを登録した記憶手段と、 指定されたデータ伝送レートを与えるように、前記送信電力レベルを選択し、前記送信部の送信電力を制御する制御手段と を備える、無線通信装置。 【請求項2】 前記無線環境で指定された送信電力レベルで、データ長の規定されたダミー通信データを送信し、実効スループットを測定する、請求項1に記載の無線通信装置。 【請求項3】 前記制御手段は、前記送信データのスループットを実測し、前記スループットが指定された前記データ伝送レートについての設定範囲外となった場合に、前記送信電力を制御して前記データ伝送レートを前記設定範囲内とする、請求項1または2に記載の無線通信装置。 【請求項4】 UWB通信プロトコルを使用する前記ワイヤレス・リンクを含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の無線通信装置。 【請求項5】 送信データをワイヤレス・リンクに送出するステップと、 前記ワイヤレス・リンクを介して送信される前記送信データの通信結果を受信するステップと、 前記無線通信装置が設置された無線環境でのデータ伝送レートを与える送信電力レベルを選択するステップと、 指定されたデータ伝送レートを与えるように、選択した前記電力レベルを使用して前記送信部の送信電力を制御するステップと を含む、無線通信方法。 【請求項6】 前記無線環境で指定された前記送信電力レベルで、データ長の規定されたダミー通信データを送信し実効スループットを測定するステップを含む、請求項5に記載の無線通信方法。 【請求項7】 前記送信データのスループットを実測し、前記スループットが指定された前記データ伝送レートについての設定範囲外となった場合に、前記送信電力を制御して前記データ伝送レートを前記設定範囲内とするステップを含む、請求項5または6に記載の無線通信方法。 【請求項8】 UWB通信プロトコルを使用する前記ワイヤレス・リンクを使用する、請求項5〜7のいずれか1項に記載の無線通信方法。 【請求項9】 無線通信を使用してデータ伝送を行う無線通信装置が実行する装置実行可能なプログラムであって、前記プログラムは、前記無線通信装置に対し、 送信データをワイヤレス・リンクに送出する機能手段と 前記ワイヤレス・リンクを介して送信される前記無線通信装置へと前記送信データの通信結果を受信する機能手段と、 前記無線通信装置が設置された無線環境でのデータ伝送レートを与える送信電力レベルを登録した機能手段と、 指定されたデータ伝送レートを与えるように、前記送信電力レベルを選択し、前記送信部の送信電力を制御する機能手段と を実現する、装置実行可能なプログラム。 【請求項10】 前記無線環境で指定された送信電力レベルで、データ長の規定されたダミー通信データを送信し実効スループットを測定する機能手段を実現する、請求項9に記載のプログラム。 【請求項11】 前記送信データのスループットを実測し、前記スループットが指定された前記データ伝送レートについての設定範囲外となった場合に、前記送信電力を制御して前記データ伝送レートを前記設定範囲内とする機能手段を実現する、請求項9または10に記載のプログラム。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、無線通信のデータ伝送レートのQoSを管理して通信する、無線通信装置、通信方法およびプログラムに関する。 【背景技術】 【0002】 近年、ユビキタス対応で無線通信を使用する情報処理装置が広く使用されるようになっている。無線通信は、多くの場合、無線基地局またはアクセス・スポットとして参照される装置(以下、中継装置として参照する。)との間で近距離、または中・長距離の無線通信を行う。この他、特定の中継装置を使用することなく、ホスト装置またはデバイス装置を特定して直接データ伝送を行うUWBなどの無線通信も知られている。無線通信では、複数の妨害電波や他の無線装置からの電波が存在する中で、通信品質(QoS)を維持しながら相手方装置とハンドシェイクを行う必要がある。無線通信の品質(QoS)を確保するため、特開2006−165742号公報(特許文献1)および特開2005−328231号公報(特許文献2)などが知られている。 【0003】 特許文献1では、送信成功率(送信信号の送信回数と、送信信号に対応して送られるACK信号の受信回数に基づき算出される)を使用し、所定の通信品質を維持しつつ最低限の送信出力となるように制御し、消費電力の削減と通信品質の確保を両立させている。 【0004】 また、特許文献2では、アクセス・ポイントから受信したビーコン信号の電波強度に基づいてアクセス・ポイントとの距離を推定し、推定した距離に基づいて無線信号の送信電力の強度を決定する送信電力決定部と、送信電力の強度を低レベルから高レベルに徐々に上げて行く送信電力制御部とを備え、無線LANリンクを確立する際に、リンク確立完了を示す信号を受信し、その強度を検出し、検出された送信電力の強度を使用してデータ伝送を行うことにより、消費電力を低減する。 【特許文献1】特開2006−165742号公報 【特許文献2】特開2005−328231号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0005】 上述した従来技術が知られているものの、消費電力および通信品質は、送信電力だけでなく、データ伝送レート(単位:Mbps:Mega bits per second)にも依存することが知られている。また、データ送信レートが規格範囲内で大きく変動する可能性のある無線通信インフラ基盤も知られている。さらに、個々の無線通信装置についていえば、無線通信装置が設置された環境により、適切なQoSで通信するための送信電力が異なることもある。 【0006】 このため、データ伝送レートを含めてデータ伝送のQoSを管理しなければ、適切な通信品質を確保することができない場合も発生することが考えられる。すなわち、消費電力の削減と通信品質とをそれぞれ分離して管理する無線通信方法では、広い単位でデータ伝送レートが変化する場合に、消費電力およびQoSの両方を同時に管理するには充分ということはできない。 【0007】 本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みてされたものであり、本発明は、データ伝送の実効スループットを、送信出力の制御にフィードバック制御することによる、データ伝送品質(QoS)と電力消費性能とを最適化する、無線通信装置、通信方法およびプログラムを提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0008】 上記課題を解決するために、本発明では、受信部と送信部を搭載している無線通信装置の実効スループット(単位時間あたりの実効の転送データ量)を算出する制御手段を実装する。実測した実効スループットは、送信電力の制御にフィードバックされる。本発明では、無線通信装置が無線通信サービスを開始する前に、中継装置または相手側装置との間で通信リンクを確立し、所定のデータ長のダミー通信データを、送信電力の出力レベルを変えて送信するダミー通信を実行する。 【0009】 ダミー通信では、ダミー通信の開始から、ダミー通信データの送信を完了して、ACK信号を受領するまでの時間を計時する。ダミー通信データの伝送データ量は、ダミー通信が終了するまでの時間で除算され、実効スループットを計算する。 【0010】 無線通信サービスを開始する段階では、実測された実効スループットから選択され、指定されるデータ伝送レートを与える送信電力のレベルが選択され、設定された送信電力レベルで通信を行う。 【0011】 本発明では、通信制御部は、無線通信サービス中に、実効スループットに基づいて選択した送信電力レベルでのデータ送信のスループットを測定し、スループットが指定されたデータ伝送レートに対する設定範囲より大きい場合に送信電力レベルを減少させ、スループットが設定範囲より低い場合には、送信電力レベルを増加させることにより、所定のデータ伝送レートを提供するように送信電力レベルにフィードバック制御を行う。 【0012】 すなわち、本発明によれば、 無線通信を使用してデータ伝送を行う無線通信装置であって、 送信データをワイヤレス・リンクに送出する送信手段と、 前記ワイヤレス・リンクを介して前記送信データの通信結果を受信する受信手段と、 前記無線通信装置が設置された無線環境でのデータ伝送レートを与える送信電力レベルを登録した記憶手段と、 指定されたデータ伝送レートを与えるように、前記送信電力レベルを選択し、前記送信部の送信電力を制御する制御手段と を備える、無線通信装置が提供される。 【0013】 本発明では、前記無線環境で指定された送信電力レベルで、データ長の規定されたダミー通信データを送信し、実効スループットを測定することができる。本発明では、前記制御手段は、前記送信データのスループットを実測し、前記スループットが指定された前記データ伝送レートについての設定範囲外となった場合に、前記送信電力を制御して前記データ伝送レートを前記設定範囲内とすることができる。本発明では、UWB通信プロトコルを使用する前記ワイヤレス・リンクを含むことができる。 【0014】 本発明によれば、 送信データをワイヤレス・リンクに送出するステップと、 前記ワイヤレス・リンクを介して送信される前記送信データの通信結果を受信するステップと、 前記無線通信装置が設置された無線環境でのデータ伝送レートを与える送信電力レベルを選択するステップと、 指定されたデータ伝送レートを与えるように、選択した前記電力レベルを使用して前記送信部の送信電力を制御するステップと を含む、無線通信方法が提供できる。 【0015】 本発明では、前記無線環境で指定された前記送信電力レベルで、データ長の規定されたダミー通信データを送信し実効スループットを測定するステップを含むことができる。本発明では、前記送信データのスループットを実測し、前記スループットが指定された前記データ伝送レートについての設定範囲外となった場合に、前記送信電力を制御して前記データ伝送レートを前記設定範囲内とするステップを含むことができる。本発明では、UWB通信プロトコルを使用する前記ワイヤレス・リンクを使用することができる。 【0016】 本発明によれば、無線通信を使用してデータ伝送を行う無線通信装置が実行する装置実行可能なプログラムであって、前記プログラムは、前記無線通信装置に対し、 送信データをワイヤレス・リンクに送出する機能手段と 前記ワイヤレス・リンクを介して送信される前記無線通信装置へと前記送信データの通信結果を受信する機能手段と、 前記無線通信装置が設置された無線環境でのデータ伝送レートを与える送信電力レベルを登録した機能手段と、 指定されたデータ伝送レートを与えるように、前記送信電力レベルを選択し、前記送信部の送信電力を制御する機能手段と を実現する、装置実行可能なプログラムが提供できる。 【0017】 本発明では、前記無線環境で指定された送信電力レベルで、データ長の規定されたダミー通信データを送信し実効スループットを測定する機能手段を実現することができる。本発明では、前記送信データのスループットを実測し、前記スループットが指定された前記データ伝送レートについての設定範囲外となった場合に、前記送信電力を制御して前記データ伝送レートを前記設定範囲内とする機能手段を実現することができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0018】 以下、本発明を図面に示した実施の形態をもって説明するが、本発明は、後述する実施形態に限定されるものではない。 【0019】 図1は、本発明の無線通信装置を含むネットワーク10の概略図である。ネットワーク10には、複数のコンピュータ12および画像形成装置14などが、イーサネット(登録商標)などで構築されたローカルエリア・ネットワーク(LAN)18に接続されていて、それぞれのコンピュータ12は、LAN18を介して相互通信している。また、画像形成装置14は、LAN18を介してコンピュータ12からの各種要求を受付け、プリント・ジョブ、ファクシミリ・ジョブ、ストレージ・ジョブなどを実行する。コンピュータ12は、IEEE802.11x、Bluetooth(登録商標)、IrDA、またはIEEE802.15などに規定されるUWBなどによるワイヤレス・リンク20を介して、他のコンピュータまたは画像形成装置14にアクセスしている。 【0020】 図1に示した実施形態では、画像形成装置14およびコンピュータ12は、USB、PCIなどの適切なバスを介して接続された外付けまたは内蔵の無線通信部(図示せず)を備えており、それぞれの周波数帯域を使用してワイヤレス・リンク20を使用した相互通信を行っている。 【0021】 また、LAN18には、ワイヤレス・リンク20を形成するための中継装置16が接続されていて、IEEE802.11xなどのワイヤレス・リンク20を提供している。さらに、ワイヤレス・リンク20には、IEEE802.15TGa3などに準拠するUWBプロトコルを使用した、ワイヤレスバス・リンクも含まれている。UWBプロトコルを使用したワイヤレスバス・リンクは、中継装置16を介することなく、ホスト装置のHWA(Host Wire Adapter)から、関連づけられたデバイス装置のDWA(Device Wire Adapter)へと直接アクセスを行い、ホスト装置およびデバイス装置との間で相互通信を行っている。 【0022】 図2は、本無線通信装置の実施形態を示す。図2に示した実施形態は、USB、PCI、SCSIなどの適切なバスを介して接続されるカード、ボード、チップなどとして構成された無線通信部を実装するコンピュータ12として構成されている。なお、図2の実施形態では、コンピュータ12を例示的に説明するものであり、特定の実施形態では、画像形成装置14についても同様の無線通信部を実装することにより、無線通信装置の実施形態とすることができる。 【0023】 図2に示したコンピュータ12は、CPU、RAM、ROM、HDDなどを実装し、各種アプリケーションを実行するホスト装置22と、無線通信を行うための無線通信部24とを含んで構成されている。ホスト装置22は、例えば、USB、SCSI、PCIなどの適切なバス26を介してホスト装置に接続されて、無線通信機能を獲得する。 【0024】 無線通信部24は、より詳細には、ベースバンド処理部30と、ベースバンド処理部30の出力を周波数変調し、また受信したデータの復調のためのシンセサイザ34とを含んでいて、ホスト装置22からのデジタル・データを、アンテナ28を介して無線通信する。ベースバンド処理部30は、ホスト装置22からのデジタル・データに対し、畳み込み符号化、インターリーブ処理などを施してキャリアを発生し、アナログの中間周波数データを生成し、シンセサイザ34に渡す処理を行う。シンセサイザ34は、受取った中間周波数データに対して周波数変調を行うPLL(Phase Lock Loop)を含む回路とされている。シンセサイザ34の出力は、トランシーバを含む送信部36に送られ、増幅された後、アンテナ28から送出される。送信部36が送信を行う場合には、スイッチ40が送信部36をアンテナ28に接続し、受信を行う場合には、スイッチ40が受信部32側に接続され、外部無線通信装置(図示せず)との間で相互通信を可能としている。 【0025】 送信電力制御部38は、本発明においてデータ伝送のスループットに対応して送信電力を制御する処理を実行する、例えばASICなどとして構成することができる。送信電力制御部38は、ホスト装置22の起動時の初期設定シーケンスで無線通信部24の設定が終了した後、自動的に、またはユーザ指令により、本発明によるダミー通信を実行し、ホスト装置22が設置された環境下での実効スループットを取得する。送信電力制御部38は、ダミー通信で取得した実効スループットの値を参照し、ホスト装置22の置かれたワイヤレス・リンクの環境に対応するデータ・テーブルを作成し、RAMなどに格納する。 【0026】 図3は、本実施形態のベースバンド処理部30の詳細構成を示した図である。ホスト装置からの送信データ(デジタル)は、符号化処理部42に入力され、畳み込み符号化が実効された後、インターリーブ処理部44で符号化信号がインターリーブされ、キャリア発生部46に入力される。キャリア発生部46では、インターリーブされたデータがサブキャリア変調され、逆フーリエ変換を受けてマルチキャリア信号が生成されてシンボル整形を経た後、D/A変換部(Digital Analog Converter)48に入力される。生成したアナログ信号は、中間周波数発振器50に入力され、ベースバンド信号が中間周波数の無線信号(アナログ)に変調され、シンセサイザ34に伝送される。 【0027】 図4は、本発明で使用するシンセサイザ34および送信部36の実施形態である。本実施例のシンセサイザ34は、PLLとして構成される。シンセサイザ34には、基準周波数CLKが位相比較器60に入力される。位相比較器60の出力は、ループフィルタ62に入力され、ループフィルタ62の出力がVCO(Voltage Controlled Oscillator)64に入力されている。さらに、VCO64には、ベースバンド処理部30の出力である無線信号が入力され、CLKに対応した周波数に変調された無線通信が行われる。VCO64の出力は、分周器66に入力され、周波数ホッピングのために外部指令された周波数に分周され、位相比較器60にフィードバックされる。 【0028】 送信部36は、VGA(Voltage Gain Amplifier)68と、アンテナ28を含む送信回路を構成するトランシーバ70とを含む。VCO64の出力は、VGA68の一方の端子に入力され、他方の端子には、送信電力制御部38からの制御電圧が入力され、VGA68の出力を制御し、トランシーバ70を含む送信回路の送信電力を制御する。 【0029】 図5は、送信電力制御部38の実施形態を示す。図5に示す送信電力制御部38は、ASICなどとして構成され、例えば無線通信部24の組込み制御部とすることができる。また、送信電力制御部38は、ホスト装置22のモジュールとして構成されても良い。送信電力制御部38は、中央処理装置(CPU)80と、EEPROM、EPROM、フラッシュ・メモリなどのNVRAM82と、ROM84とを備えている。ROM84は、ダミー通信を行うために適切なデータ長のダミー送信データと、送信電力レベルについての設定値を登録する。なお、ダミー通信データは、CPU80が処理の必要に応じてROM84から読出すことができる。また、NVRAM82は、ダミー通信により得られた実効スループットを使用して作成されるデータ・テーブルを格納しており、ダミー通信以後の制御に使用することができる。なお、データ・テーブルは、無線通信部24が初期化されるごとに更新することもできるが、NVRAM82に保存しておき、コンピュータ12または画像形成装置14の設置環境などが変わったときに、ユーザ指令に応答してダミー通信による更新処理することもできる。CPU80は、決定された送信電力レベルをDAC86などによりアナログの制御電圧に変換した後、VGA68へと供給し、送信電力の制御に反映する。 【0030】 本実施形態では、ダミー通信処理では、CPU80は、データ長およびデータ内容が規定されたダミー通信データをベースバンド処理部30へと送り、複数の送信電力レベルを、低い方から順に選択し、選択した送信電力レベルでダミー通信データを伝送する。その後、通信相手となっているホスト装置から、ダミー通信データが完全に送信され、ダミー通信データの最終データが送信されたことに対応するACK信号を受信するまでの時間(以下、この時間を、Trttとして参照する。)を計測する。 【0031】 CPU80は、計測されたTrttで送信したダミー通信データのデータ量を、下記式(1)を使用して除算することにより、実効スループットSPTを計算する。 【0032】 【数1】
上述した測定を、コンピュータ12または画像形成装置14が使用するすべての送信電力レベルについて測定し、実効スループットと送信電力との間の測定値を、データ・テーブルとしてNVRAM82に格納する。なお、ダミー通信データの送信を行うためには、FTP(File Transfer Protocol)を使用することができ、ダミー通信データを使用して、所定のトランザクションを実行する方法を用いることができる。また、本発明では、FTPプロトコル以外にも中継装置または相手側装置に対して所定回数のPING/ICMPフレームを送信し、対応するACK信号の最後の応答を使用してTrttとすることもでき、所定量のデータを使用して実効スループットに相当する値を取得できる限り、使用するプロトコルやデータ内容には限定はない。 【0033】 実効スループットの値は、ダミー通信データがデータ長・データ内容が規定されているので、コンピュータ12または画像形成装置14が設置された無線環境を反映したものとなる。その後、ユーザがデータ伝送を開始する場合、CPU80は、指定される伝送レートを提供する送信電力レベルを、データ・テーブルをルックアップして決定し、設定した送信電力で送信を行う。 【0034】 なお、実効スループット−送信電力のデータ・テーブルを作成する場合には、送信電力を連続的に変化させて測定することもできるが、データ・テーブル作成に要する時間は、無線通信装置10のセットアップ時間にも関連するので、例えば、レベル1、2、...、8などのレベルごとに代表的な送信電力レベルの値を割当てておき、割当てられたレベルごとに実効スループットを測定し、データ・テーブルを作成することができる。 【0035】 データ・テーブルのルックアップ時は、指定されたデータ伝送レートに最も近いスループットを与える送信電力レベル値を決定し、送信電力として使用することができる。また、処理は増えるものの、送信電力レベル値についてディスクリートに取得された実効スループットを、スプライン関数などの補間手法を使用してレベル間の補間値を取得しておき、補間値から最適の送信電力を決定することができる。 【0036】 無線通信部24の通信は、まず、中継装置または無線通信の相手側装置によるキャリア・センスにより開始し、ハンドシェイクを行う。キャリア・センスに対して無線通信部24の応答の送信電力が小さ過ぎると、中継装置16または相手側装置との間でワイヤレス・リンクを確立できず、通信開始を指令した時点から通信終了までの間の時間が通信状態によって変化する。この他にも、無線環境を使用しているコンピュータ12や画像形成装置14の台数などによっても実効スループットは変動する。例えば、伝送データが衝突してしまうと伝送データが失われるが、このとき、失われた伝送データの送信をリトライするなどの処理を行う必要がある場合、実効スループットが低下する。 【0037】 図6は、本実施形態での実効スループット−送信電力レベルのデータの実施形態を示す。本実施形態では、データ・テーブルには、送信電力のレベル値ごとに取得された実効スループットが、送信レートごとに対応してマトリックスとしてエントリされている。図6に示した実施形態は、ディスクリートに取得された実効スループットを補間法により連結し、プロットとして示したものである。図6(a)は、無線端末間の距離が遠くもなく、近くもなく、送受信環境が適切な場合、図6(b)は、中継装置、または相手方の無線通信装置との間の距離が遠い場合であり、図6(c)は、図6(b)とは逆に、中継装置、または相手方の無線通信装置との間の距離が近い場合に、それぞれについて得られる実効スループット−送信出力レベルのデータである。 【0038】 図6に示されるように、図6(a)に比べて図6(b)では、同一のデータ伝送レートを得るために、より高い送信電力レベルを使用しなければならないことが示されている。また、一方で図6(c)の場合は、高すぎる送信電力レベルを使用してもデータ伝送レートの値が、送信電力レベルの増加に対応して飽和してしまい、電力の無駄遣いとなる。 【0039】 図6(a)の実施形態では、例えば、コンピュータ12または画像形成装置14が、480Mbpsでの通信を指令する場合は、送信出力レベルをレベル8に設定し、80Mbpsで通信する場合は、送信出力レベルをレベル2に設定する。また、図6(b)の実施形態では、480Mbpsでの通信を指令する場合は、通信可能な最大送信出力に設定するしかなく、この場合は、最大でも160Mbpsの伝送レートでの通信が行われる。また、図6(b)の実施形態で、80Mbpsの通信を指令する場合、送信出力レベルをレベル7に設定される。さらに、図6(c)の実施形態では、480Mbpsでの通信を指令する場合には、送信出力レベルをレベル3に設定すれば充分で、それ以上の送信電力は必要とされない。また、80Mbpsで通信したいときは、送信出力レベルをレベル1に設定する。 【0040】 また、他の実施形態では、無線通信装置の動作モード選択設定を、自動・手動で実行する機能を備えてもよい。例えば、手動設定モードとして、最大パフォーマンスモード(最大のスループットが出る領域での最小の電力設定)、QoSモード(通信品質が確保できる領域での最小の電力設定)、最小電力モード(スループットが最小の領域での電力設定)などを設定しておく。ユーザが動作モードを選択すると、ユーザ選択に応答して、データ・テーブルから適切な値を取得して送信電力レベルとして設定することができる。なお、図6に示したデータ・テーブルは、相手側装置においても特定の無線通信装置からのトランザクションの受信電界強度を判断するために使用することができるので、相手側装置も実装することができる。 【0041】 さらに、他の実施形態では、設定したデータ伝送レートに対してその時点で実効されているデータ伝送のスループットをモニタしておく。この実施形態の場合、スループットが設定範囲外に高くなった場合または低くなった場合を検出して、設定したデータ伝送レートに対応するスループットを与えるように、CPU80が制御電圧を生成して、VGA68に印加することで、一定のスループットを提供する。スループットは、伝送データの種類にも依存するので、スループットのモニタは、複数の送信データについてスループットを測定し、その平均値が設定範囲内にあるか否かを使用して、送信電力の修正に反映させることができる。また、スループットのモニタ結果を送信電力に反映させる処理は、当該モニタしているデータ伝送処理中に行うこともできるし、モニタしたデータ伝送処理が終了した後に実行し、次回のデータ伝送から反映させることもできる。なお、送信電力を制御して設定範囲内にスループットを保持する場合には、送信電力レベルの間でホッピングする送信電力レベルを使用した制御ではなく、図6に使用した補間データを使用して中間の送信電力を設定する処理を使用する。 【0042】 図7は、無線通信装置10が実行する処理の実施形態のフローチャートである。本実施形態の処理は、ステップS100から開始し、ステップS101で、ROM84からダミー通信データを読出す。ステップS102では、送信電力レベルを設定し、ステップS103で、読出したダミー通信データの送信を開始させる。同時にステップS103では、タイマ計時を開始する。ステップS104では全データ送信後にACK信号またはQoSを含む、データ伝送が終了したことを示すACK信号を受信したか否かを判断し、当該ACK信号を受信するまでACK信号を聴取する。 【0043】 ステップS104で、データ伝送が終了したことを示すACKを受信すると(yes)、ステップS105でタイマ計時を終了し、その時点でのタイマ値をTrttとして登録し、実効スループット(SPT)を、上記式(1)を使用して計算する。ステップS106では、すべての送信電力レベルでの測定を終了したかを判断し、終了した場合(yes)には、ステップS107でデータ・テーブルの作成を終了させる。一方、まだ測定するべき送信電力が残っている場合(no)には、ステップS108で次の送信電力のレベルを選択し、処理をステップS103に分岐させ、データ・テーブルが完成するまで処理を繰り返す。 【0044】 図8は、実効スループットを設定スループットから設定範囲に保持する処理の実施形態を示す。図8の処理は、ステップS200から開始し、ステップS201でその時点で実行されているデータ伝送のスループットを計測する。ステップS202では、その時のスループットが設定範囲内にあるか否かを判断し、設定範囲内であれば、処理をステップS201に分岐させてデータ伝送を継続させる。一方、設定範囲内にない場合(no)には、ステップS203で、実効スループットを適正値にするように送信出力を制御する。ステップS204では、データ伝送を終了し、ACK信号を受領したか否かを判断し、ACK信号を受領した場合(yes)には、ステップS205で処理を終了させる。また、データ伝送が終了しない場合(no)は、ステップS201へと処理を分岐させ、データ伝送が終了するまで処理を継続させる。図8に示した実施形態では、実効スループットが設定範囲外となった場合にでも、設定スループットを与えるように送信電力をフィードバックでき、データ伝送のQoSを維持させたまま、消費電力を最適化させることができる。 【0045】 なお、他の実施形態では、ステップS203の処理は、ステップS204の処理ステップの後に行うことができる。この場合には、直前まで実行していたデータ伝送の平均的な実効スループットを使用して、次回のデータ伝送以後に適用する送信電力レベル設定にフィードバックさせることができる。 【0046】 以上説明したように、本発明によれば、データ伝送サービスに対して大きな負荷をかけることなく、無線通信装置が設置された無線環境に応じた送信電力を設定して消費電力を最適化し、データ伝送におけるQoSも同時に保証することができる、無線通信装置、無線通信方法、およびプログラムを提供することができる。 【0047】 これまで本発明を図面に示した実施形態をもって説明してきたが、本発明は、図面に示した実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態、追加、変更、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。 【図面の簡単な説明】 【0048】 【図1】本発明による無線通信装置を含むネットワークの概略図。 【図2】無線通信装置の実施形態を示した図。 【図3】本実施形態のベースバンド処理部の詳細構成を示した図。 【図4】シンセサイザおよび送信部の詳細構成を示した図。 【図5】送信電力制御部の実施形態を示した図。 【図6】本実施形態での実効スループット−送信電力レベルのデータ構造の実施形態を示した図。 【図7】無線通信装置が実行する処理の実施形態のフローチャート。 【図8】実効スループットを設定スループットから設定範囲に保持する処理の実施形態を示した図。 【符号の説明】 【0049】 10…ネットワーク、12…コンピュータ、14…画像形成装置、16…中継装置、18…LAN、20…ワイヤレス・リンク、22…ホスト装置、24…無線通信部、26…バス、28…アンテナ、30…ベースバンド処理部、32…受信部、34…シンセサイザ、36…送信部、38…送信電力制御部、40…スイッチ、42…符号化処理部、44…インターリーブ処理部、46…キャリア発生部、48…D/A変換部、50…中間周波数発振器、60…位相比較器、62…ループフィルタ、64…VCO、66…分周器、68…VGA、70…トランシーバ、80…CPU、82…NVRAM、84…ROM、86…DAC
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| 【出願人】 |
【識別番号】000006747 【氏名又は名称】株式会社リコー
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| 【出願日】 |
平成18年9月14日(2006.9.14) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100110607 【弁理士】 【氏名又は名称】間山 進也
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| 【公開番号】 |
特開2008−72487(P2008−72487A) |
| 【公開日】 |
平成20年3月27日(2008.3.27) |
| 【出願番号】 |
特願2006−249676(P2006−249676) |
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