| 【発明の名称】 |
移動通信システム及びその通信方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】木村 文
【氏名】池田 栄次
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| 【要約】 |
【課題】Iub回線に大きな負荷がかからないようにし、かつ、送信時間を短縮することである。
【構成】移動局より複数の基地局を介して無線網制御装置に到る複数の経路のそれぞれに、送信順序番号が付加されたデータを送出する通信方法であり、無線網制御装置は各経路の通信状態を監視し、各経路の通信状態に基づいて、複数の経路のすべてにデータを送出するか、所定の2以上の経路にデータを送出するか、所定の1本の経路にデータを送出するかを決定し、該決定した経路を移動局に通知し、移動局は通知された経路にそれぞれ異なるデータを送信順序番号を付して送出し、無線網制御装置は各経路より受信したデータを、送信順序番号を参照して並び替えてコアネットワークに送信する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 移動局より複数の基地局を介して無線網制御装置に到る複数の経路のそれぞれに、異なるデータを送信順序番号を付与して送出する通信方法において、 無線網制御装置において各経路の通信状態を監視するステップ、 各経路の通信状態に基づいて、複数の経路のすべてにデータを送出するか、所定の2以上の経路にデータを送出するか、所定の1本の経路にデータを送出するかを決定するステップ、 該決定した経路を移動局に通知するステップ、 移動局において前記通知された経路にそれぞれ異なるデータを、送信順序番号を付して送出するステップ、 を有することを特徴とする通信方法。 【請求項2】 無線網制御装置において、各経路より受信した前記データを、前記送信順序番号を参照して並び替えてコアネットワークに送信するステップ、 を有することを特徴とする請求項1記載の通信方法。 【請求項3】 データをどの経路に送信するかを示す経路情報と該経路情報を特定する識別子との対応リストを無線網制御装置より移動局に通知するステップ、 無線網制御装置は該識別子を用いて前記決定された経路を移動局に通知するステップ、 を有することを特徴とする請求項1記載の通信方法。 【請求項4】 無線網制御装置は、 前記通信状態監視ステップにおいて、各経路の基地局と無線網制御装置間の回線使用率を前記通信状態として監視し、 前記経路決定ステップにおいて、前記回線使用率が設定値より小さい経路にデータを送出するものと決定する、 ことを特徴とする請求項1記載の通信方法。 【請求項5】 移動局より複数の基地局を介して無線網制御装置に到る複数の経路のそれぞれに、異なるデータを送信順序番号を付与して送出する通信システムにおける無線網制御装置において、 各経路の通信状態を監視する通信状態監視部、 各経路の通信状態に基づいて、複数の経路のすべてにデータを送出するか、所定の2以上の経路にデータを送出するか、所定の1本の経路にデータを送出するかを決定し、該決定した経路を移動局に通知するデータ送出経路通知部、 前記決定した経路より受信したデータを、前記送信順序番号を参照して並び替えてコアネットワークに送信する処理部、 を備えたことを特徴とする無線網制御装置。 【請求項6】 無線網制御装置は更に、 データをどの経路に送信するかを示す経路情報と該経路情報を特定する識別子との対応リストを記憶するリスト記憶部、 を備え、前記データ送出経路通知部は前記対応リストを移動局に通知し、該識別子を用いて前記決定された経路を移動局に通知する、 ことを特徴とする請求項5記載の無線網制御装置。 【請求項7】 前記通信状態監視部は、 各経路の基地局と無線網制御装置間の回線使用率を前記通信状態として監視する回線使用率監視部を備え、 前記データ送出経路通知部は、前記回線使用率が設定値より小さい経路に前記データを送出するものと決定する、 ことを特徴とする請求項5記載の無線網制御装置。 【請求項8】 移動局より複数の基地局を介して無線網制御装置に到る複数の経路のそれぞれに、送信順序番号が付加されたデータを送出する通信システムにおける移動局において、 データをどの経路に送信するかを示す経路情報と該経路情報を特定する識別子との対応リストを無線網制御装置より受信して記憶するリスト記憶部、 無線網制御装置よりデータをどの経路に送出するかを示す識別子を受信し、該識別子に応じた経路を、前記対応リストを参照して取得するデータ送出経路受信部、 前記識別子に応じた経路にそれぞれ異なるデータを、送信順序番号を付して送出する処理部、 を備えたことを特徴とする移動局。 【請求項9】 移動局より複数の基地局を介して無線網制御装置に到る複数の経路のそれぞれに、送信順序番号が付加されたデータを送出する通信システムにおいて、 前記無線網制御装置は、 各経路の通信状態を監視する通信状態監視部、 各経路の通信状態に基づいて、複数の経路のすべてにデータを送出するか、所定の2以上の経路にデータを送出するか、所定の1本の経路にデータを送出するかを決定し、該決定した経路を移動局に通知するデータ送出経路通知部、 前記決定した経路より受信した前記データを、前記送信順序番号を参照して並び替えてコアネットワークに送信する処理部、 を備え、前記移動局は、 無線網制御装置よりデータをどの経路に送出するかを指示する送出経路指示情報を受信する受信部、 指示された経路に異なるデータを送信順序番号を付して送出する処理部、 を備えたことを特徴とする通信システム。 【請求項10】 前記無線網制御装置は、データをどの経路に送信するかを示す経路情報と該経路情報を特定する識別子との対応リストを記憶するリスト記憶部を備え、 移動局は前記対応リストを無線網制御装置より受信して記憶するリスト記憶部を備え、 前記データ送出経路通知部は、該識別子を用いて前記決定された経路を移動局に通知し、前記受信部は無線網制御装置より受信した識別子に応じた経路を、前記対応リストを参照して取得して処理部に入力する、 ことを特徴とする請求項9記載の通信システム。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は移動通信システム及びその通信方法に係わり、特に、ハンドオーバ時、移動局より複数の基地局を介して無線網制御装置に到る複数の経路のそれぞれに、異なるデータを送信順序番号を付与して送出する移動通信システム及びその通信方法に関する。 【背景技術】 【0002】 W-CDMA移動通信システムは回線を複数ユーザで共有する無線通信システムであり、図14に示すようにコアネットワーク(CN)1、無線網制御装置(RNC:Radio Network Controller)2、3、無線基地局(Node B)41〜43、51〜53、移動局(UE:User equipment)61〜63で構成される。無線網制御装置RNCと無線基地局Node間はATM網あるいはIP網により有線で接続され、無線基地局(Node B)と移動局UE間は無線で接続される。 コアネットワーク1は、移動通信システム内においてルーティングを行うためのネットワークであり,ATM交換網、パケット交換網、ルーター網等によりコアネットワークを構成することができる。コアネットワーク1は、他の公衆網(PSTN)等とも接続され、移動局61〜63が固定電話機等との間で通信を行うことを可能としている。 無線網制御装置(RNC)2、3は、無線基地局(以後基地局という)41〜43、51〜53の上位装置として位置付けられ、これらの基地局の制御(使用する無線リソースの管理等)を行う。また、RNCはハンドオーバ時において、1つの移動局6iからの信号を配下の複数の基地局から受信し、品質が良い方のデータを選択してコアネットワーク1側へ送出するハンドオーバ制御機能も備えている。基地局41〜43はRNC 2により、基地局51〜53はRNC 3により無線リソースを管理されつつ、移動局6iと無線通信を行う。移動局6iは基地局の無線エリア内に在圏することで、該基地局との間で無線回線を確立し、コアネットワーク1を介して他の通信装置との間で通信を行う。 【0003】 コアネットワーク1とRNC 2、3との間のインタフェースとしてIuが規定され、RNC2、3と各基地局41〜43、51〜53間のインタフェースとしてIubが、基地局41〜43、51〜53と移動局RNC 2、3間のインタフェースとしてUuが規定されている。 かかる移動通信システムにおいて、高速の下り方向データ伝送を可能とするためにHSDPA(High Speed Downlink Packet Access)方式が採用され、また、高速の上り方向データ伝送を可能とするためにHSUPA(High Speed Uplink Packet Access)方式が提案されている。HSUPA方式は、移動局が上り方向にデータ伝送するとき、個別チャネル(dedicated channel)のパフォーマンスを上げることを目的とする広帯域のデータ伝送機能で、特に、移動局がハンドオーバ状態になったときの上り方向のデータ伝送機能である。 【0004】 図15はハンドオーバ時におけるHSUPA方式の論理接続説明図である。移動局6と無線網制御装置2間は、基地局41〜43、IP網7を介して複数の経路で接続され、移動局6は送信対象データを経路数分複製し、各々の経路より送信対象データを無線制御装置2に送信する。この際、移動局6はデータ送信順序を示すTSN(Transmission Sequence Number)を各データに付与する。すなわち、移動局6は図16に示すように、コアネットワーク1にデータXnを送信する際、該データXnを経路数分(図では3個)複製すると共に、各データXnに同一の送信順序番号TSNを付加し、各経路を介してRCN 2に送信する。 RNC 2は、各経路を介してデータXnを受信し、TSNを参照して並び替え、かつ選択合成し、選択合成後のデータをコアネットワークCNに送信する。HSUPA においてRNCが複数の経路を介して受信した複数のデータXnの使用法は規定されておらず、TSNに基づいてデータ送信順序を保証すれば十分であり、複数の受信データXnを任意に取り扱うことができる。 【0005】 図17はHSUPAにおける各部のレイヤ構成図(プロトコルスタック)であり、移動局(UE)は、レイヤL1の物理レイヤ(PHY)とレイヤL2のMACサブレイヤ(MAC-d、MAC-es/MAC-e)を備えている。MACサブレイヤは、MAC-d(MAC dedicated)レイヤと、MAC-e(MAC-enhanced) レイヤと、MAC-esレイヤ(MAC-enhanced sub layer)で構成されている。基地局(Nodee B)は、Uuインターフェースに従って移動局と通信するための物理レイヤ(PHY)、Iubインターフェースに従って無線網制御装置(RNC)とパケット通信するためのTNLレイヤ(Transport Network Layer)を備え、更に、MAC-eレイヤ、EDCH FP(Enhanced DCH Frame Protocol)レイヤを備えている。無線網制御装置はTNLレイヤ、EDCH FPレイヤ、MAC-esレイヤ、MAC-dレイヤを備えている。 【0006】 図18は移動局のデータ(トランスポートブロック)TRBの作成手順の説明図である。最初、移動局6は、DTCH(Dedicated Traffic Channel)やDCCH(Dedicated Control Channel)などの個別チャネルDCH(dedicated channel)で送信するデータを用いてMAC-dレイヤのデータパケット(MAC-d PDUデータ)を作成する。このMAC-d PDUデータは、RLCサブレイヤのデータパケット(RLC PDUデータ)と同じである。ついで、移動局は幾つかのMAC-d PDUデータを多重し、先頭に送信順序番号TSNを付加してMAC-esレイヤのデータ(MAC-es PDU)を作成する。しかる後、移動局はこれらMAC-es PDUデータを複数個多重し、先頭にMAC-eヘッダを付加してMAC-e レイヤのデータ(MAC-e PDU)を作成し、これをトランスポートブロックTRBとしてUuインターフェースに従って基地局に送信する。MAC-eヘッダは、各MAC-es PDUデータのDDI(Data Description Identifier)とNを特定するもので、NはMAC-es PDUデータに含まれるMAC-d PDUデータの数を特定し、DDIは各MAC-d PDUデータのサイズとIDを特定する。 【0007】 図19はMAC-d PDUとMAC-es PDUとMAC-e PDUの多重関係の説明図であり、N1個のMAC-d PDUが多重されて1つのMAC-es PDUが形成され、n個のMAC-es PDUが多重されて1つのMAC-e PDUが形成されている。 基地局は移動局からトランスポートブロック(MAC-e PDU)を受信すると、EDCH FPプロトコルにしたがって図20に示すEDCH 1ub FPフレームを作成してTNLレイヤでRNCに送信する。すなわち、基地局は、先頭5バイトのデータ(ヘッダCRC, FSN(Frame Sequence Number)、CFN(Connection Frame Sequence)、MAC-es PDUの数(サブフレーム数)など)をMAC-e PDU のヘッダに追加すると共に、各MAC-es PDUの再送回数(N of HARQ Retransm)をMAC-e PDU のヘッダに追加してEDCH 1ub FPフレームを作成する。 無線網制御装置RNCは論理チャネル毎にEDCH 1ub FPフレームを受信すれば、図21に示すように、再送制御(HARQ制御)すると共に移動局と逆の動作でMAC-eヘッダを参照してMAC-e PDUをMAC-es PDUに分離し、更にMAC-es PDU をMAC-d PDU に分離する。ついで、無線網制御装置RNCはRNC−UE間に複数のパスが存在するから、移動局がデータ送信時に付与する送信順序番号TSNを参照して並び替えと選択合成を実施し、並び替え後のMAC-d PDUをRLCサブプレーヤ(上位プロトコル)に渡し、該RLCサブプレーヤを介して個別チャネルのデータをコアネットワークに送信する。 【0008】 上記の従来のHSPUA機能には、以下に記載する問題点がある。 ・第1の問題点 第1の問題点は、複製データを送信する経路数をmとすれば、RNCと基地局間のIub回線の総使用帯域がm倍となってしまい、Iub回線に多大な負荷がかかる点である。 図16に示すように移動局6とRNC 2間では3つの経路(ブランチ)を介してデータを送信する。すなわち、移動局6は、同じデータを#0,1,2の3つの経路に送信し、RNC 2は各経路から取得したデータに対して選択合成処理を施し、1つのデータの流れを抽出してコアネットワーク1に送信する。したがって、移動局6が10MBのデータをコアネットワークに送信するものとすれば、移動局は3つのIub回線に各々10MBのデータ、トータル30MBのデータを送信するが、RNCはそのうち10MBのデータのみを選択してコアネットワークに送信する。総合的に見ると、10MB×3=30MBのうち、20MBは無駄なデータである。 Iub回線が一般IP網に収容されることを想定すると、該Iub回線の多大な負荷は、他の通信サービスに対して悪影響(パケットの欠落、遅延)を与え、結果的に信頼性の高い通信を行うために通信コストが高くなる問題が生じる。 【0009】 ・第2の問題点 第2の問題点は、RNC 2のMAC-es処理部での処理対象データが増大する点である。 第1の問題点と同様に、MAC-es処理部において入力データ量が増大し、入力データ量と出力データ量の比は3:1となる。選択合成するために、入力データをバッファリングしなければならないが、移動局6から送信されるデータ量が大きいと、バッファ量が非常に大きくなり、かつ、大処理能力が要求される。この結果、RNC 2のコストアップおよび、装置サイズが大きくなる問題がある。 ・第3の問題点 第3の問題点は、データ送信に消費する移動局6の電力が増大することである。HSUPAは大量のデータ送信を目的とする機能であり、移動局は経路数分のデータを複製して送信する必要がある。このため、移動局6がデータ送信するには多くの電力を必要とする問題がある。 従来技術としてHSDPAおよびHSUPAのためのフロー制御技術が提案されている(特許文献1参照)。この従来技術はRNCと基地局間でIubインターフェースによりデータフレームを送受する際、該データフレームのサイズをスケジューリング間隔に応じたサイズ以下にするものである。しかし、従来技術は複数の経路を介してデータを送受信する際の上記各問題点を解決するものではない。 【特許文献1】特開2004−312739号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0010】 以上から、本発明の目的は、回線使用率の大きな回線にデータを送信しないようにしてIub回線に大きな負荷がかからないようにすることである。 本発明の別の目的は、回線使用率の小さな各経路に異なるデータを送信することにより送信時間を短縮することである。 本発明の別の目的は、RNCのMAC-es処理部での処理対象データ量を軽減することである。 本発明の別の目的は、移動局の消費電力を低減することである。 【課題を解決するための手段】 【0011】 ・通信方法 本発明の第1の態様は、移動局より複数の基地局を介して無線網制御装置に到る複数の経路のそれぞれに、異なるデータを送信順序番号を付与して送出する通信方法であり、無線網制御装置において各経路の通信状態を監視するステップ、各経路の通信状態に基づいて、複数の経路のすべてにデータを送出するか、所定の2以上の経路にデータを送出するか、所定の1本の経路にデータを送出するかを決定するステップ、該決定した経路を移動局に通知するステップ、移動局において前記通知された経路にそれぞれ異なるデータを送信順序番号を付して送出するステップを有している。 上記通信方法は、更に、各経路より受信した前記データを、前記送信順序番号を参照して並び替えてコアネットワークに送信するステップを有している。 上記通信方法は、更に、データをどの経路に送信するかを示す経路情報と該経路情報を特定する識別子との対応リストを無線網制御装置より移動局に通知するステップ、無線網制御装置は該識別子を用いて前記決定された経路を移動局に通知するステップを有している。 無線網制御装置は、前記通信状態監視ステップにおいて、各経路の基地局と無線網制御装置間の回線使用率を前記通信状態として監視し、前記経路決定ステップにおいて、前記回線使用率が設定値より小さい経路にデータを送出するものと決定する。 【0012】 ・無線網制御装置 本発明の第2の態様は、移動局より複数の基地局を介して無線網制御装置に到る複数の経路のそれぞれに、異なるデータを送信順序番号を付与して送出する通信システムにおける無線網制御装置であり、各経路の通信状態を監視する通信状態監視部、各経路の通信状態に基づいて、複数の経路のすべてにデータを送出するか、所定の2以上の経路にデータを送出するか、所定の1本の経路にデータを送出するかを決定し、該決定した経路を移動局に通知するデータ送出経路通知部、前記決定した経路より受信したデータを、前記送信順序番号を参照して並び替えてコアネットワークに送信する処理部を備えている。 無線網制御装置は更に、データをどの経路に送信するかを示す経路情報と該経路情報を特定する識別子との対応リストを記憶するリスト記憶部を備え、前記データ送出経路通知部は前記対応リストを移動局に通知し、該識別子を用いて前記決定された経路を移動局に通知する。 前記通信状態監視部は、各経路の基地局と無線網制御装置間の回線使用率を前記通信状態として監視する回線使用率監視部を備え、前記データ送出経路通知部は、前記回線使用率が設定値より小さい経路に前記データを送出するものと決定する。 【0013】 ・移動局 本発明の第3の態様は、移動局より複数の基地局を介して無線網制御装置に到る複数の経路のそれぞれに、異なるデータを送信順序番号を付与して送出する通信システムにおける移動局であり、データをどの経路に送信するかを示す経路情報と該経路情報を特定する識別子との対応リストを無線網制御装置より受信して記憶するリスト記憶部、無線網制御装置よりデータをどの経路に送出するかを示す識別子を受信し、該識別子に応じた経路を、前記対応リストを参照して取得するデータ送出経路受信部、前記識別子に応じた経路にそれぞれ異なるデータを、送信順序番号を付して送出する処理部を備えている。 【0014】 ・移動通信システム 本発明の第4の態様は、移動局より複数の基地局を介して無線網制御装置に到る複数の経路のそれぞれに、異なるデータを送信順序番号を付与して送出する通信システムであり、前記無線網制御装置は、各経路の通信状態を監視する通信状態監視部、各経路の通信状態に基づいて、複数の経路のすべてにデータを送出するか、所定の2以上の経路にデータを送出するか、所定の1本の経路にデータを送出するかを決定し、該決定した経路を移動局に通知するデータ送出経路通知部、前記決定した経路より受信した前記データを、前記送信順序番号を参照して並び替えてコアネットワークに送信する処理部を備え、前記移動局は、無線網制御装置よりデータをどの経路に送出するかを指示する送出経路指示情報を受信する受信部、指示された経路に異なるデータを送信順序番号を付して送出する処理部を備えている。 前記無線網制御装置は、データをどの経路に送信するかを示す経路情報と該経路情報を特定する識別子との対応リストを記憶するリスト記憶部を備え、移動局は前記対応リストを無線網制御装置より受信して記憶するリスト記憶部を備え、前記データ送出経路通知部は、該識別子を用いて前記決定された経路を移動局に通知し、前記受信部は無線網制御装置より受信した識別子に応じた経路を、前記対応リストを参照して取得して処理部に入力する。 【発明の効果】 【0015】 本発明によれば、経路の通信状態に応じて移動局はデータ送出経路の数を変えて送出データ量を制御することができる。たとえば、各経路の基地局と無線網制御装置間の回線使用率を監視し、該回線使用率が設定値より小さい経路にデータを送出し、回線使用率が設定値より大きい経路にデータを送出しないようにする。この結果、本発明によれば、Iub回線に大きな負荷がかからないようにでき、他の通信サービスに対する悪影響(パケットの欠落、遅延)をなくすことができる。 また、本発明によれば、移動局は回線使用率の小さな複数の経路に異なるデータを、送信順序番号を付して無線網制御装置に送信するようにしたからデータ送信時間を短縮することができる。 また、本発明によれば、網環境に応じてダイナミックに使用回線を変更することで、データ品質の向上と通信の効率化を図ることができる。 また、本発明によれば、各経路に異なるデータを、送信順序番号を付して無線網制御装置に送信するようにしたから、無線網制御装置は選択合成するためのバッファが不要になり、装置のコストアップ及び装置サイズが大きくなるのを防止することができる。 また、本発明によれば、データをどの経路に送信するかを示す経路情報と該経路情報を特定する識別子との対応リストを無線網制御装置より移動局に通知しておき、無線網制御装置は該識別子を用いてデータを送出する経路を移動局に通知するようにしたから、トラヒックに影響を与えずにデータを送出する経路を移動局に通知することができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0016】 (A)移動通信システムの構成 図1は本発明の移動通信システムの一部構成図であり、コアネットワーク(CN:Core Network)11、1台の無線網制御装置(RNC:Radio Network Controller)12、3台の無線基地局(Node B)131〜133、1つの移動局(UE:User equipment)14が示されており、移動局14がセル境界に移動してソフトハンドオーバ状態になり3つの経路PT0〜PT2を介してRNC 12と接続されているものとしている。各経路PT0〜PT2には無線基地局(Node B)131〜133が存在し、移動局と各基地局間はUuインターフェースにより通信が行われ、各基地局131〜133と無線網制御装置12間はIubインターフェースにしたがって通信が行われる。データの流れは実線で、制御信号の流れは点線で示している。 【0017】 ・無線網制御装置 無線網制御装置12は基地局から受信したフレームに対する処理を行なう処理部12aと移動局がどの経路にデータを送出するか決定する制御を行う経路制御部12bを備えている。処理部12aは、Iubインターフェース210,211,212、MAC-e処理部220,221,222、MAC-es処理部23、MAC-d処理部24、RLC処理部25を備えている。 各Iubインターフェース210,211,212は基地局との間の通信を制御すると共にIub回線使用率を測定して保持する。MAC-e処理部220,221,222は各基地局から受信したIub FPフレーム(図20参照)を用いてMAC-e処理を行ない、MAC-es PDUデータを分離してMAC-es処理部23に入力する。MAC-es処理部23は各MAC-e処理により分離されたMAC-es PDUデータよりMAC-d PDUデータを更に分離すると共に、送信順序番号TSNを参照して並び替えを行ってMAC-d処理部24に入力する。MAC-d処理部24はMAC-d PDUデータをRLC-PDUデータとしてそのままRLC処理部25に渡し、RLC処理部25はRLC-PDUデータよりヘッダを除いて個別データにしてコアネットワーク11に送信する。 経路制御部12bは、Iub回線使用率監視部27、経路リスト保持部28、データ送出経路決定/通知部29を備えている。Iub回線使用率監視部27は、各Iubインターフェース210,211,212にIub回線の使用率を問い合わせ、各基地局(Node B)131〜133と無線網制御装置12間のIub回線使用率を監視する。経路リスト保持部28は、移動局がどの経路にデータを送信するかを示す経路情報と該経路情報を特定する識別子(データ送信パターンID)との対応を特定する経路リストPLTを記憶する。 【0018】 図2は経路リストPLTの説明図であり、ハンドオーバにより移動局と無線網制御装置間に3本の経路が接続された場合である。識別子ID=1はデータを1つの経路PT0に送出することを指示し、ID=2はデータを1つの経路PT1に送出することを指示し、ID=3はデータを1つの経路PT2に送出することを指示し、ID=4は異なる2つのデータをそれぞれ経路PT0,PT1に送出することを指示し、ID=5は異なる2つのデータをそれぞれ経路PT1,PT2に送出することを指示し、ID=6は異なる2つのデータをそれぞれ経路PT2,PT0に送出することを指示し、ID=7は異なる3つのデータをそれぞれ経路PT2,PT0に送出することを指示する。図中、orgはoriginal dataを意味する。 例えば、識別子ID=1が指示されると、移動局14のMAC-es処理部(後述する)はタイムスロット毎に1つのMAC-es PDUデータを作成し、送信順序番号TSNを付与して1つのMAC-e処理部に入力し、該MAC-e処理部は複数個のMAC-es PDUデータを多重してMAC-eデータを作成して1つの経路PT0に送信する。 また、識別子ID=4が指示されると、移動局14のMAC-es処理部はタイムスロット毎に2つの異なるMAC-es PDUデータを作成し、それぞれに異なる送信順序番号TSN(X1,X2)を付与して2つのMAC-e処理部に入力し、各MAC-e処理部はそれぞれ複数個のMAC-es PDUデータを多重してMAC-eデータを作成して2つの経路PT0、PT1に送信する。 また、識別子ID=7が指示されると、移動局14のMAC-es処理部はタイムスロット毎に3つの異なるMAC-es PDUデータを作成し、それぞれに異なる送信順序番号TSN(X1,X2,X3)を付与して3つのMAC-e処理部に入力し、各MAC-e処理部はそれぞれ複数個のMAC-es PDUデータを多重してMAC-eデータを作成して3つの経路PT0、PT1、PT2に送信する。 図1に戻って、データ送出経路決定/通知部29は、ハンドオーバ制御により移動局と無線網制御装置間に複数の経路(図では3本の経路)が接続されたとき、経路リストPLTを移動局に送信すると共に、各経路のIub回線使用率に基づいて、3つの経路PT0〜PT2にデータを送出するか、所定の2つの経路にデータを送出するか、所定の1本の経路にデータを送出するかを決定し、該決定した経路を識別子で移動局に通知する制御を行う。 【0019】 ・移動局 移動局は送信データ(トランスポートブロックデータ)を作成して経路に送出す処理を行なう処理部14aと、どの経路にデータを送出するか決定する制御を行う経路制御部14bを備えている。処理部14aはRLC処理部31、MAC-d処理部32、MAC-es処理部33、MAC-e処理部340〜342を備えている。RLC処理部31は個別チャネル(DTCH,DCCH)データからRLC PDUデータを作成し(図18参照)、MAC-d処理部32は該RLC PDUデータをMAC-d PDUデータとして受信してそのままMAC-es処理部33に送出する。MAC-es処理部33はMAC-d PDUデータを多重して送信順序番号TSNを付加してMAC-es PDUデータを作成する。なお、MAC-es処理部33は経路制御部14bからの指示に従ってタイムスロット毎に所定数の異なるMAC-es PDUデータを作成し、それらに送信順序番号TSNを付与して対応するMAC-e処理部340〜342に入力する。各MAC-e処理部340〜342は複数のMAC-es PDUデータを多重してMAC-e PDUデータを作成し、トランスポートブロックデータとして対応する経路に送出する。 経路制御部14bは経路リスト保持部36とデータ送出経路識別部37を備えている。データ送出経路識別部37は、無線網制御装置12からデータ送出経路決定/通知部29の制御で送信されてくる経路リストPLT(図2)を受信して経路リスト保持部36に格納し、かつ、データ送出経路決定/通知部29からデータ送出経路を特定する識別子を受信し、該識別子に応じた経路情報を、前記経路リストPLTを参照して取得してMAC-es処理部33に設定する。 【0020】 (B)経路リストの初期設定と識別子の通知制御 図3は経路リストの初期設定と識別子の通知制御を説明するためのシーケンス説明図である。ハンドオーバ制御により移動局と無線網制御装置間に複数の経路、たとえば3本の経路が接続されたとき、無線網制御装置12のデータ送出経路決定/通知部29は、経路リスト保持部28から経路リストPLTを受け取って(S01)、移動局14に通知する(S02)。移動局14のデータ送出経路識別部37は、無線網制御装置12から送られてきた経路リストPLTを経路リスト保持部36に通知し、経路リスト保持部36は該経路リストを保持する(S03)。 ついで、データ送出経路決定/通知部29は、Iub回線使用率監視部27に対してIub回線使用状況を問い合わせ(S04)、各Iub回線Iub #0〜Iub #2の回線使用率に基づいて最適なデータ送信経路を算出する(S05)。ついで、データ送出経路決定/通知部29は、算出したデータ送信経路に対応する識別子を経路リスト保持部28で保持している経路リストPLSを参照して求め(S06)、該識別子を移動局14に通知する(S07) 移動局14のデータ送出経路識別部37は、経路リスト保持部36で保持している経路リストPLSを参照して、識別子が指示するデータ送出経路を求め(S08)、該データ送出経路をMAC-es処理部33に設定する(S09)。 HSUPAサービス提供時、上記ステップS04〜S09の処理を回線状況に応じて、リアルタイムに実施することで、移動局のデータ送出経路が変更され、効率的なデータ転送が可能となる。 【0021】 図4は、ステップS05〜S06の送出経路決定処理フローである。 データ送出経路決定/通知部29は、Iub #0、Iub #1、Iub #2の回線使用率ηが設定値、例えば80%以下であるかチェックする。回線使用率ηは、最大許容帯域Bmaxと回線に実際に割り当てている帯域(使用帯域)Buseの割合であり、次式 η=(Buse/Bmax)×100 (%) により計算できる。 データ送出経路決定/通知部29は、すべての回線Iub #0、Iub #1、Iub #2の回線使用率が80%以下であれば(ステップ101〜103)、全回線Iub #0、Iub #1、Iub #2は使用可能であると判断し(ステップ104)、識別子ID=7(図2参照)を移動局に送信する(ステップ105)。 データ送出経路決定/通知部29は、2つの回線Iub #0、Iub #1の回線使用率が80%以下であり、回線Iub #2の回線使用率が80%以上であれば(ステップ101〜103)、回線Iub #0、Iub #1は使用可能、回線Iub #2は使用不可能であると判断し(ステップ106)、識別子ID=4を移動局に送信する(ステップ107)。 データ送出経路決定/通知部29は、2つの回線Iub #0、Iub #2の回線使用率が80%以下であり、回線Iub #1の回線使用率が80%以上であれば(ステップ101〜102,108)、回線Iub #0、Iub #2は使用可能、回線Iub #1は使用不可能であると判断し(ステップ109)、識別子ID=6を移動局に送信する(ステップ110)。 データ送出経路決定/通知部29は、1つの回線Iub #0の回線使用率が80%以下であり、2つの回線Iub #1、Iub #2の回線使用率が80%以上であれば(ステップ101〜102,108)、回線Iub #0は使用可能、回線Iub #1、Iub #2は使用不可能であると判断し(ステップ111)、識別子ID=1を移動局に送信する(ステップ112)。 データ送出経路決定/通知部29は、2つの回線Iub #1、Iub #2の回線使用率が80%以下であり、回線Iub #0の回線使用率が80%以上であれば(ステップ101、113〜114)、回線Iub #1、Iub #2は使用可能、回線Iub #0は使用不可能であると判断し(ステップ115)、識別子ID=5を移動局に送信する(ステップ116)。 データ送出経路決定/通知部29は、1つの回線Iub #1の回線使用率が80%以下であり、2つの回線Iub #0、Iub #2の回線使用率が80%以上であれば(ステップ101、113〜114)、回線Iub #1は使用可能、回線Iub #0、Iub #2は使用不可能であると判断し(ステップ117)、識別子ID=2を移動局に送信する(ステップ118)。 データ送出経路決定/通知部29は、1つの回線Iub #2の回線使用率が80%以下であり、2つの回線Iub #0、Iub #1の回線使用率が80%以上であれば(ステップ101、113、119)、回線Iub #2は使用可能、回線Iub #0、Iub #1は使用不可能であると判断し(ステップ120)、識別子ID=3を移動局に送信する(ステップ121)。 また、データ送出経路決定/通知部29は、すべての回線Iub #0、Iub #1、Iub #2の回線使用率が80%以上で使用不可能であれば(ステップ122)、通信不可能と判定する(ステップ123)。 【0022】 (C)データ送信イメージ 図5は移動局14が無線網制御装置12よりデータ送出経路を指定する識別子としてID=7を受信した場合のデータ送信動作説明図である。 移動局14のデータ送出経路識別部37は識別子ID=7に応じたデータ送出経路を、経路リストPLSを参照して求めてMAC-es処理部33に設定する。MAC-es処理部33はデータ送出経路識別部37からの指示に従って、第1タイムスロットの3つの異なるMAC-es PDUデータを作成し、それぞれに送信順序番号TSN=1,2,3を付与してMAC-e処理部340〜342に入力する。ついで、MAC-es処理部33は第2タイムスロットの3つの異なるMAC-es PDUデータを作成し、それぞれに送信順序番号TSN=4,5,6を付与してMAC-e処理部340〜342に入力する。以後、同様に、MAC-es処理部33は各タイムスロットの3つの異なるMAC-es PDUデータを作成し、それぞれに送信順序番号TSN=X,Y,Zを付与してMAC-e処理部340〜342に入力する。 図6は移動局14のMAC-es処理部33がタイムスロット毎に行うTSN付与とMAC-eへの送信データイメージ説明図である。送信順序番号TSNはタイムスロット毎に3づつ増加している。また、識別子ID=7の場合、タイムスロット毎に3つのMAC-es PDUデータA1〜A3、A4〜A6、・・・・A13〜A15がMAC-e処理部340〜342に送出される。 MAC-e処理部340〜342は複数個のMAC-es PDUデータを多重してMAC-e PDUデータを作成し、トランスポートブロックデータとして対応する経路PT0〜PT2に送出する。以後、MAC-e処理部340〜342は各タイムスロットにおいて同様の処理を行なって異なる3つのデータを経路PT0〜PT2に送出する。 【0023】 一方、無線網制御装置12のMAC-es処理部23は各MAC-e処理により分離されたMAC-es PDUデータよりMAC-d PDUデータを更に分離すると共に、送信順序番号TSNを参照して並び替えを行ってMAC-d処理部24に入力する。MAC-d処理部24はMAC-d PDUデータをRLC-PDUデータとしてそのままRLC処理部25に渡し、RLC処理部25はRLC-PDUデータよりヘッダを除いて個別データにしてコアネットワーク11に送信する。 【0024】 図7は移動局14が無線網制御装置12よりデータ送出経路を指定する識別子としてID=4を受信した場合のデータ送信動作説明図である。 移動局14のデータ送出経路識別部37は識別子ID=4に応じたデータ送出経路(PT0,PT1)を、経路リストPLSを参照して求めてMAC-es処理部33に設定する。MAC-es処理部33はデータ送出経路識別部37からの指示に従って、第1タイムスロットの2つの異なるMAC-es PDUデータを作成し、それぞれに送信順序番号TSN=1,2を付与してMAC-e処理部340〜341に入力する。ついで、MAC-es処理部33は第2タイムスロットの2つの異なるMAC-es PDUデータを作成し、それぞれに送信順序番号TSN=4,3を付与してMAC-e処理部340〜341に入力する。以後、同様に、MAC-es処理部33は各タイムスロットの2つの異なるMAC-es PDUデータを作成し、それぞれに送信順序番号TSN=X,Yを付与してMAC-e処理部340〜341に入力する。 図8は移動局14のMAC-es処理部33がタイムスロット毎に行うTSN付与とMAC-eへの送信データイメージ説明図である。送信順序番号TSNはタイムスロット毎に2づつ増加している。また、識別子ID=4の場合、タイムスロット毎に2つのMAC-es PDUデータA1〜A2、A3〜A4、・・・・Ax〜AyがMAC-e処理部340〜341に送出される。 MAC-e処理部340〜341は複数個のMAC-es PDUデータを多重してMAC-e PDUデータを作成し、トランスポートブロックデータとして対応する経路PT0〜PT2に送出する。以後、MAC-e処理部340〜341は各タイムスロットにおいて同様の処理を行なって異なる3つのデータを経路PT0〜PT2に送出する。 一方、無線網制御装置12のMAC-es処理部23は各MAC-e処理により分離されたMAC-es PDUデータよりMAC-d PDUデータを更に分離すると共に、送信順序番号TSNを参照して並び替えを行ってMAC-d処理部24に入力する。MAC-d処理部24はMAC-d PDUデータをRLC-PDUデータとしてそのままRLC処理部25に渡し、RLC処理部25はRLC-PDUデータよりヘッダを除いて個別データにしてコアネットワーク11に送信する。 【0025】 (D)データ送出経路の決定制御の変形例 以上の実施例では、回線使用率に基づいて図4の処理によりデータ送出経路を決定したが、回線使用率でなく別の網環境を示す特性を測定してデータ送出経路を決定することができる。網環境の変化は、(1)無線品質、(2)RNC-Node-B間の通信遅延時間、(3)E-DCHのスループット情況、(4)Iubの品質などにより測定できる。したがって、これら特性を測定してデータ送出経路を決定するように制御することができる。また、2以上の特性を測定してデータ送出経路を決定するように制御することもできる。 図9は上記特性を測定してデータ送出経路を決定する無線網制御装置12の構成図であり、図1の構成と同一部分には同一符号を付している。異なる点は、RNC-Node-B間の通信遅延状況を測定する遅延測定部51、移動局と基地局間の無線品質を監視する無線品質監視部52、E-DCHのスループット情報あるいはIubの品質を監視するE-DCH通信品質監視部53が設けられている点である。 遅延測定部51はRNC-Node-B間の通信遅延状況を従来機能により取得する。すなわち、遅延測定部51は定期的に遅延測定用のパケットを各基地局に送信して応答が返ってくるまでの時間を測定し、該時間をIub回線の遅延時間としてデータ送出経路決定/通知部29に入力する。データ送出経路決定/通知部29は遅延時間が短いIub回線を通信品質が良いと判定する。 無線品質監視部52は、図20で示したE-DCH Iub FPフレーム内のN of HARQ Retransm(無線区間での再送回数)に基づいて無線品質を監視し、再送回数をデータ送出経路決定/通知部29に入力する。データ送出経路決定/通知部29は再送回数が設定回数より大きければ品質が悪く、小さければ品質が良いと判定する。 E-DCH通信品質監視部53は、MAC-e処理部220〜222が一定時間に受信したE-DCH Iub FP(図20)のフレーム量をE-DCHのスループット情報として監視し、該フレーム量をデータ送出経路決定/通知部29に入力する。データ送出経路決定/通知部29はフレーム量が設定値より大きい回線は通信品質が良いと判断する。また、E-DCH通信品質監視部53は、E-DCH Iub FP(図20)内のFSNの連続性をチェックし、連続性/非連続性を示す情報をデータ送出経路決定/通知部29に入力する。データ送出経路決定/通知部29はFSNの連続性が保たれていれば品質が良いと判断する。 【0026】 図10は通信遅延時間によりデータ送出経路を決定するデータ送出経路決定/通知部29の処理フローであり、回線の通信遅延時間が設定時間より小さい場合には該回線にデータを送出するものとし、大きい場合にはデータを送出しないものとして、データ送出経路の組み合わせを決定し、該組み合わせを特定する識別子IDを求めて移動局に通知する。図10は図4と同様の論理に従った処理フローになっている。 図11は再送回数によりデータ送出経路を決定するデータ送出経路決定/通知部29の処理フローであり、再送回数が設定回数より小さい場合には該回線にデータを送出するものとし、大きい場合にはデータを送出しないものとして、データ送出経路の組み合わせを決定し、該組み合わせを特定する識別子IDを求めて移動局に通知する。 図12はデータスループット量によりデータ送出経路を決定するデータ送出経路決定/通知部29の処理フローであり、データスループット量が設定回数より大きい場合には該回線にデータを送出するものとし、小さい場合にはデータを送出しないものとして、データ送出経路の組み合わせを決定し、該組み合わせを特定する識別子IDを求めて移動局に通知する。 図13はFSNの連続性によりデータ送出経路を決定するデータ送出経路決定/通知部29の処理フローであり、FSNの連続性が保持されている場合には該回線にデータを送出するものとし、連続性が保持されていない場合にはデータを送出しないものとして、データ送出経路の組み合わせを決定し、該組み合わせを特定する識別子IDを求めて移動局に通知する。 【0027】 (付記) (付記1) 移動局より複数の基地局を介して無線網制御装置に到る複数の経路のそれぞれに、異なるデータを送信順序番号を付与して送出する通信方法において、 無線網制御装置において各経路の通信状態を監視するステップ、 各経路の通信状態に基づいて、複数の経路のすべてにデータを送出するか、所定の2以上の経路にデータを送出するか、所定の1本の経路にデータを送出するかを決定するステップ、 該決定した経路を移動局に通知するステップ、 移動局において前記通知された経路にそれぞれ異なるデータを送信順序番号を付して送出するステップ、 を有することを特徴とする通信方法。 (付記2) 無線網制御装置において、各経路より受信した前記データを、前記送信順序番号を参照して並び替えてコアネットワークに送信するステップ、 を有することを特徴とする付記1記載の通信方法。 (付記3) データをどの経路に送信するかを示す経路情報と該経路情報を特定する識別子との対応リストを無線網制御装置より移動局に通知するステップ、 無線網制御装置は該識別子を用いて前記決定された経路を移動局に通知するステップ、 を有することを特徴とする付記1記載の通信方法。 (付記4) 無線網制御装置は、 前記通信状態監視ステップにおいて、各経路の基地局と無線網制御装置間の回線使用率を前記通信状態として監視し、 前記経路決定ステップにおいて、前記回線使用率が設定値より小さい経路にデータを送出するものと決定する、 ことを特徴とする付記1記載の通信方法。 (付記5) 無線網制御装置は、 前記通信状態監視ステップにおいて、各経路の基地局と無線網制御装置間の通信遅延時間を前記通信状態として監視し、 前記経路決定ステップにおいて、前記通信遅延時間が設定値より小さい経路にデータを送出するものと決定する、 ことを特徴とする付記1記載の通信方法。 (付記6) 無線網制御装置は、 前記通信状態監視ステップにおいて、各経路の基地局と無線網制御装置間のデータスループット量を前記通信状態として監視し、 前記経路決定ステップにおいて、前記データスループット量が設定値より大きい経路にデータを送出するものと決定する、 ことを特徴とする付記1記載の通信方法。 (付記7) 無線網制御装置は、 前記通信状態監視ステップにおいて、各経路の基地局から無線網制御装置に送出されるフレームのシーケンス番号FSNの連続性が保持されているか監視し、 前記経路決定ステップにおいて、前記連続性が保持されている経路に前記データを送出するものと決定する、 ことを特徴とする付記1記載の通信方法。 (付記8) 前記通信状態監視ステップにおいて、各経路の無線区間における再送回数を前記通信状態として監視し、 前記経路決定ステップにおいて、前記再送回数が設定値より小さい経路にデータを送出するものと決定する、 ことを特徴とする付記1記載の通信方法。 (付記9) 移動局より複数の基地局を介して無線網制御装置に到る複数の経路のそれぞれに、異なるデータを送信順序番号を付与して送出する通信システムにおける無線網制御装置において、 各経路の通信状態を監視する通信状態監視部、 各経路の通信状態に基づいて、複数の経路のすべてにデータを送出するか、所定の2以上の経路にデータを送出するか、所定の1本の経路にデータを送出するかを決定し、該決定した経路を移動局に通知するデータ送出経路通知部、 前記決定した経路より受信したデータを、前記送信順序番号を参照して並び替えてコアネットワークに送信する処理部、 を備えたことを特徴とする無線網制御装置。 (付記10) 前記無線網制御装置は更に、 データをどの経路に送信するかを示す経路情報と該経路情報を特定する識別子との対応リストを記憶するリスト記憶部、 を備え、前記データ送出経路通知部は前記対応リストを移動局に通知し、該識別子を用いて前記決定された経路を移動局に通知する、 ことを特徴とする付記9記載の無線網制御装置。 (付記11) 前記通信状態監視部は、 各経路の基地局と無線網制御装置間の回線使用率を前記通信状態として監視する回線使用率監視部を備え、 前記データ送出経路通知部は、前記回線使用率が設定値より小さい経路に前記データを送出するものと決定する、 ことを特徴とする付記9記載の無線網制御装置。 (付記12) 前記通信状態監視部は、 各経路の基地局と無線網制御装置間の通信遅延時間を前記通信状態として測定する通信遅延時間測定部を備え、 前記データ送出経路通知部は、前記通信遅延時間が設定値より小さい経路に前記データを送出するものと決定する、 ことを特徴とする付記9記載の無線網制御装置。 (付記13) 前記通信状態監視部は、 各経路の基地局と無線網制御装置間のデータスループット量を前記通信状態として監視するデータスループット量監視部を備え、 前記データ送出経路通知部は、前記データスループット量が設定値より大きい経路に前記データを送出するものと決定する、 ことを特徴とする付記9記載の無線網制御装置。 (付記14) 前記通信状態監視部は、 各経路の基地局から無線網制御装置へ送信されるフレームのシーケンス番号FSNの連続性が保持されているか監視するフレーム連続性監視部を備え、 前記データ送出経路通知部は、前記連続性が保持されている経路に前記データを送出するものと決定する、 ことを特徴とする付記9記載の無線網制御装置。 (付記15) 前記通信状態監視部は、 各経路の無線区間における再送回数を前記通信状態として監視する再送回数監視部を備え、 前記データ送出経路通知部は、前記再送回数が設定値より小さい経路に前記データを送出するものと決定する、 ことを特徴とする付記9記載の無線網制御装置。 (付記16) 移動局より複数の基地局を介して無線網制御装置に到る複数の経路のそれぞれに、異なるデータを送信順序番号を付与して送出する通信システムにおける移動局において、 データをどの経路に送信するかを示す経路情報と該経路情報を特定する識別子との対応リストを無線網制御装置より受信して記憶するリスト記憶部、 無線網制御装置よりデータをどの経路に送出するかを示す識別子を受信し、該識別子に応じた経路を、前記対応リストを参照して取得するデータ送出経路受信部、 前記識別子に応じた経路にそれぞれ異なるデータを送信順序番号を付して送出する処理部、 を備えたことを特徴とする移動局。 (付記17) 移動局より複数の基地局を介して無線網制御装置に到る複数の経路のそれぞれに、異なるデータを送信順序番号を付与して送出する通信システムにおいて、 前記無線網制御装置は、 各経路の通信状態を監視する通信状態監視部、 各経路の通信状態に基づいて、複数の経路のすべてにデータを送出するか、所定の2以上の経路にデータを送出するか、所定の1本の経路にデータを送出するかを決定し、該決定した経路を移動局に通知するデータ送出経路通知部、 前記決定した経路より受信した前記データを、前記送信順序番号を参照して並び替えてコアネットワークに送信する処理部、 を備え、前記移動局は、 無線網制御装置よりデータをどの経路に送出するかを指示する送出経路指示情報を受信する受信部、 指示された経路に異なるデータを送信順序番号を付して送出する処理部、 を備えたことを特徴とする通信システム。 (付記18) 前記無線網制御装置は、データをどの経路に送信するかを示す経路情報と該経路情報を特定する識別子との対応リストを記憶するリスト記憶部を備え、 移動局は前記対応リストを無線網制御装置より受信して記憶するリスト記憶部を備え、 前記データ送出経路通知部は、該識別子を用いて前記決定された経路を移動局に通知し、前記受信部は無線網制御装置より受信した識別子に応じた経路を、前記対応リストを参照して取得して処理部に入力する、 ことを特徴とする付記17記載の通信システム。 【図面の簡単な説明】 【0028】 【図1】本発明の移動通信システムの一部構成図である。 【図2】経路リストPLTの説明図である。 【図3】経路リストの初期設定と識別子の通知制御を説明するためのシーケンス説明図である。 【図4】最適な送出経路決定処理フローである。 【図5】移動局が無線網制御装置よりデータ送出経路を指定する識別子としてID=0を指定された場合のデータ送信動作説明図である。 【図6】移動局のMAC-es処理部がタイムスロット毎に行うTSN付与とMAC-eへの送信データイメージ説明図である。 【図7】移動局が無線網制御装置よりデータ送出経路を指定する識別子としてID=1を指定された場合のデータ送信動作説明図である。 【図8】移動局のMAC-es処理部がタイムスロット毎に行うTSN付与とMAC-eへの送信データイメージ説明図である。 【図9】網環境の特性を測定してデータ送出経路を決定する無線網制御装置の構成図である。 【図10】通信遅延時間によりデータ送出経路を決定するデータ送出経路決定/通知部の処理フローである。 【図11】再送回数によりデータ送出経路を決定するデータ送出経路決定/通知部の処理フローである。 【図12】データスループット量によりデータ送出経路を決定するデータ送出経路決定/通知部の処理フローである。 【図13】FSNの連続性によりデータ送出経路を決定するデータ送出経路決定/通知部の処理フローである。 【図14】W-CDMA移動通信システム。 【図15】ハンドオーバ時におけるHSUPA方式の論理接続説明図である。 【図16】ハンドオーバ時におけるHSUPA方式の論理接続の別の説明図である。 【図17】HSUPAにおける各部のレイヤ構成図(プロトコルスタック)である。 【図18】移動局のデータ(トランスポートブロック)TRBの作成手順の説明図である。 【図19】MAC-d PDUとMAC-es PDUとMAC-e PDUの多重関係の説明図である。 【図20】EDCH 1ub FPフレームの説明図である。 【図21】無線網制御装置の処理説明図である。 【符号の説明】 【0029】 11 コアネットワーク(CN:Core Network) 12 無線網制御装置(RNC:Radio Network Controller) 131〜133 無線基地局(Node B) 14 移動局(UE:User equipment) 210,211,212 Iubインターフェース 220,221,222 MAC-e処理部 23 MAC-es処理部 24 MAC-d処理部 25 RLC処理部 27 Iub回線使用率監視部 28 経路リスト保持部 29 データ送出経路決定/通知部 31 RLC処理部 32 MAC-d処理部 33 MAC-es処理部 33 MAC-e処理部 340〜342 MAC-e処理部 36 経路リスト保持部 37 データ送出経路識別部
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005223 【氏名又は名称】富士通株式会社
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| 【出願日】 |
平成18年9月14日(2006.9.14) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100084711 【弁理士】 【氏名又は名称】斉藤 千幹
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| 【公開番号】 |
特開2008−72452(P2008−72452A) |
| 【公開日】 |
平成20年3月27日(2008.3.27) |
| 【出願番号】 |
特願2006−249289(P2006−249289) |
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