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【発明の名称】 通信装置及びその制御方法、プログラム、記憶媒体
【発明者】 【氏名】青木 紀人

【要約】 【課題】通信予約帯域を予約して通信を行う通信装置において、通信装置が省電力モードへ移行した場合など通信予約帯域を指定するビーコン情報の送出を停止する状態に移行する場合に、通常の動作モードへの復帰時に短時間でチャネルを利用することを可能にする技術を提供する。

【構成】無線通信を行う通信装置は、外部装置と無線通信を行う無線通信手段と、通信予約帯域を指定する情報を含むビーコン情報を前記無線通信手段に送出させる制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記ビーコン情報の送出を停止する場合に、当該通信装置が予約していた前記通信予約帯域を指定するビーコン情報の送出を前記外部装置に要求する要求情報を、前記無線通信手段に送出させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信を行う通信装置であって、
外部装置と無線通信を行う無線通信手段と、
通信予約帯域を指定する情報を含むビーコン情報を前記無線通信手段に送出させる制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、
前記ビーコン情報の送出を停止する場合に、当該通信装置が予約していた前記通信予約帯域を指定するビーコン情報の送出を前記外部装置に要求する要求情報を、前記無線通信手段に送出させる
ことを特徴とする通信装置。
【請求項2】
前記外部装置が、前記通信帯域を指定するビーコン情報を送出しているか否かを判定する判定手段を更に備え、
前記制御手段は、
前記判定手段において前記外部装置が前記ビーコン情報を送出していると判定された場合は、前記要求情報を前記無線通信手段に送出させない
ことを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記制御手段は、
省電力モードに移行する場合に、前記通信予約帯域を指定するビーコン情報の送出を前記外部装置に要求する要求情報を、前記無線通信手段に送出させる
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の通信装置。
【請求項4】
前記通信装置は、ワイヤレスUSBのホスト装置であり、
前記外部装置は、ワイヤレスUSBのデバイス装置である
ことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の通信装置。
【請求項5】
通信装置の制御方法であって、
通信予約帯域を指定する情報を含むビーコン情報を送信する送信工程と、
前記ビーコン情報の送信を停止する場合に、前記ビーコン情報により前記通信装置が予約していた通信予約帯域を指定するビーコン情報の送出を外部装置に要求する要求工程と、
を有することを特徴とする通信装置の制御方法。
【請求項6】
前記外部装置が、前記通信帯域を指定するビーコン情報を送出しているか否かを判定する判定工程を更に備え、
前記判定工程における判定結果に応じて、前記外部装置に前記通信予約帯域を指定するビーコン情報の送出を要求する
ことを特徴とする請求項5に記載の通信装置の制御方法。
【請求項7】
前記要求工程では、省電力モードに移行する場合に、前記通信予約帯域を指定するビーコン情報の送出を前記外部装置に要求する
ことを特徴とする請求項5又は6に記載の通信装置の制御方法。
【請求項8】
前記通信装置は、ワイヤレスUSBのホスト装置であり、
前記外部装置は、ワイヤレスUSBのデバイス装置である
ことを特徴とする請求項5乃至7の何れかに記載の通信装置の制御方法。
【請求項9】
コンピュータを請求項1乃至4のいずれかに記載の通信装置として機能させるためのプログラム。
【請求項10】
請求項9に記載のプログラムを格納したコンピュータで読み取り可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、通信装置及びその制御方法、プログラム、記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
無線ネットワークを形成する無線通信システムにおいて、種々の規格で省電力モードが定義されている。Wireless USB(WUSB、ワイヤレスUSB)規格(非特許文献1)においては、ホスト及びデバイスの両者に対してそれぞれ省電力モードが定義されている。
【0003】
同規格による通信システムおいては、ホストとデバイスはWUSBクラスタを形成し、Time Division Multiple Access(TDMA)ベースのスーパーフレームを用いて通信が行われる。スーパーフレームは1つあたり256μsの256個のMedia Access Slot(MAS)から構成され、先頭16MASはBeacon Period(BP)としてビーコンのみが送信される。残りの期間はクラスタ毎に通信予約帯域(通信可能帯域)であるDistributed Reservation Protocol(DRP)として予約される。DRPはホストあるいはデバイスから送信されるビーコン内のDRP Information Element(DRP IE)によってその期間が示される。
【0004】
ホストとデバイスの同期管理は自立分散型で行われ、ホストはスーパーフレームの同期管理を行う機能を持つ。ホストまたはデバイスはスーパーフレームの同期調整を自分以外のビーコンを傍受することによって行う。デバイスは大別してスーパーフレームの同期管理を自分自身で行うSelf-beaconing Device(SBD)とスーパーフレームの同期管理を自分自身行わないDirected Beaconing Device(DBD)が存在する。DBDはホストからの指示によってスーパーフレームの同期管理を行うことができる。このために、DBDは、以下の三つの機能、即ち、DBD自身が受信するパケットをカウントするカウントパケット機能、特定のパケットを補足するキャプチャパケット機能、及び特定フレームを送信するトランスミットパケット機能を持つ。
【0005】
WUSB規格ではWUSBクラスタが複数存在することができ、それらが互いに重複することが許されている。複数のホスト及びデバイスは互いにスーパーフレーム内の同期及びDRP予約を行う。ホストとSBDのみが存在する場合には、同期確立にホストはWUSB層での動作は必要ない。
【0006】
DBDがWUSBクラスタ内に存在する場合、ホストはWUSB層でDBDにトランスミットパケット機能を用いてビーコンを送信させることによって周囲のホスト/デバイスとの同期確立を行う。
【非特許文献1】Wireless USB Specifications 1.0
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
WUSB規格に従った通信システムにおいて、WUSBクラスタ内にDBDが存在し、WUSBホストが省電力モードに入る状況を考える。このような場合、他にもWUSBクラスタが存在すると、以前に予約され、WUSBホストが使用していたDRPが、他のWUSBクラスタに占有されてしまう可能性がある。以前使用していたDRPが他のWUSBクラスタに占有されると、WUSBホストが省電力モードから復帰した場合に、そのWUSBホストはDRPの再予約を初期状態から行わなければならず、素早くチャネルを利用することができない。
【0008】
本発明は上記問題に鑑みなされたものであり、通信予約帯域を予約して通信を行う通信装置において、通信装置が省電力モードへ移行した場合など通信予約帯域を指定するビーコン情報の送出を停止する状態に移行する場合に、通常の動作モードへの復帰時に短時間でチャネルを利用することを可能にする技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明による通信装置は以下の構成を備える。即ち、
無線通信を行う通信装置であって、
外部装置と無線通信を行う無線通信手段と、
通信予約帯域を指定する情報を含むビーコン情報を前記無線通信手段に送出させる制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、
前記ビーコン情報の送出を停止する場合に、当該通信装置が予約していた前記通信予約帯域を指定するビーコン情報の送出を前記外部装置に要求する要求情報を、前記無線通信手段に送出させる。
【0010】
また、本発明による通信装置の制御方法は、以下の構成を備える。即ち、
通信装置の制御方法であって、
通信予約帯域を指定する情報を含むビーコン情報を送信する送信工程と、
前記ビーコン情報の送信を停止する場合に、前記ビーコン情報により前記通信装置が予約していた通信予約帯域を指定するビーコン情報の送出を外部装置に要求する要求工程と、
を有する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、通信予約帯域を予約して通信を行う通信装置において、通信装置が省電力モードへ移行した場合など通信予約帯域を指定するビーコン情報の送出を停止する状態に移行する場合に、通常の動作モードへの復帰時に短時間でチャネルを利用することを可能にする技術を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、添付図面を参照して本発明に係る実施の形態を詳細に説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成要素はあくまでも例示であり、本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0013】
<<実施形態1>>
本実施形態に係る構成をWUSB規格に従って説明する。本実施形態の通信装置と通信システムの構成を、図1と図2を参照して説明する。通信装置は単一の通信装置で実現しても良いし、必要に応じた複数の機能を追加した形態で実現しても良い。
【0014】
(システム構成)
図1は、本実施形態における通信装置の構成を示すブロック図である。図1において、110は通信装置全体を制御する処理するCentral Processing Unit(CPU)である。120は外部装置などから供給されるプログラムやデータを一時記憶するRandom Access Memory(RAM)である。130は変更を必要としないプログラムやパラメータを格納するRead Only Memory(ROM)である。140は無線通信機能を実現する無線通信インターフェイスである。150は無線通信インターフェイス140に使用するアンテナである。無線通信装置100は上記の構成で実現しても良いし、必要に応じて記憶装置、表示装置などの機能を追加した形態で実現しても良い。
【0015】
尚、以上の各装置と同等の機能を実現するソフトウェアにより、ハードウェア装置の代替として構成することもできる。
【0016】
本実施形態では、ROM130から本実施形態に係るプログラム及び関連データをRAM120にロードして実行させる例を示すが、これに限られない。例えば、本実施形態に係るプログラムを動作させる度に、既にプログラムがインストールされているハードディスク装置やメモリ装置等からRAM120にロードするようにしてもよい。或いは、本実施形態に係るプログラムをROM130に記録しておき、これをメモリマップの一部をなすように構成し、直接CPU110で実行することも可能である。
【0017】
また、本実施形態では、説明の便宜のため、本実施形態に係る通信装置を1つの装置で実現した構成について述べるが、複数の装置にリソースを分散した構成によって実現してもよい。例えば、記憶や演算のリソースを複数の装置に分散した形に構成してもよい。或いは、通信装置上で仮想的に実現される構成要素毎にリソースを分散し、並列処理を行うようにしてもよい。
【0018】
図2は、本実施形態における通信システムの構成を示す図である。図2において、210はWUSBクラスタ200においてホストとしての機能を持つWUSBホストである。220はデバイスとしての機能を持つWUSBデバイスである。図2では、WUSBホストが制御するWUSBデバイスが一台だけ存在するが、必要に応じてWUSBデバイスが複数存在しても良い。図2に例示する本実施形態の通信システムにおいては、WUSBホストとWUSBデバイスで構成されるWUSBクラスタが2つ存在する。図2においては、別のWUSBホスト211がWUSBクラスタ201を形成し、WUSBデバイス220はWUSBクラスタ200及び201の通信可能範囲に位置している。本図におけるWUSBデバイス220はDBDであるが、DBDとSBDが混在するWUSBクラスタであっても構わない。また、DBD220の通信範囲にあるWUSBホスト211の代わりにSBDが存在する構成であっても構わない。
【0019】
(MAC層のフレーム構成)
次に、WUSB規格が利用するMedia Access Control(MAC)層のフレーム構成について、図3を参照して説明する。図3は、WUSB規格のスーパーフレームのフォーマットを模式的に示した図である。
【0020】
WUSB規格はスーパーフレーム300と呼ばれるフレーム単位で通信時間が管理される。スーパーフレームは256μs単位の256個のMAS350から構成され、1スーパーフレーム長は65536μsである。スーパーフレームの先頭16MASはBP400として割り当てられ、WUSBホスト、SBDはBP400中にビーコンを送信することで、スーパーフレーム中の帯域をDRPとして予約する。例えば、ビーコン410はビーコングループパラメータ411、DRP IE(412)とその他のInformation Element(IE)413から構成され、DRP IE412で予約したMASの配置を通知する。WUSBホストがWUSBクラスタ内にDBDを持つ場合、周囲のデバイスとのスーパーフレームの同期管理はDBDを介してDBDの周囲で傍受できるパケットを解析およびパケットを送信させることによって行う。
【0021】
(WUSBチャネルとMAC層の関係)
次に、WUSB規格のWUSBチャネルとMAC層の関係について、図4を参照して説明する。図4は、WUSBチャネルからMAC層チャネル予約へのマッピングを示した模式図である。
【0022】
図4において、各DRP(420、430、440、450、460、470)は、あるWUSBクラスタ内の通信予約時間に相当する。これらのDRPではデータの入出力方向等を制御するMicro-scheduled Management Command(MMC)がWUSBホストによってブロードキャストされる。ここで、MMCはヘッダと複数のIEから構成される。MMCから次のMMCの前までの区間はTransaction Group(TG)と呼ばれ、例えば、MMC443に対してのTGは444である。
【0023】
(スーパーフレームの同期調整)
次に、WUSBホスト同士がDBDを介してスーパーフレームの同期調整を行う処理について、図5を参照して説明する。図5は、WUSBホスト210がDBD220を介してWUSBホスト211とスーパーフレームの同期調整を行う際の処理の流れを示すシーケンスチャートである。ここで、WUSBホスト210は、DBD220が傍受できるパケットを知るためにカウントパケット機能を有効にする。
【0024】
まず、S110において、WUSBホスト210は、SetWUSBData(Receive Params)リクエストを送出して、DBD220にカウントパケット初期化要求を行う。SetWUSBData(Receive Params)リクエストには、受信パケットフィルタ、受信チャネル、受信開始時間、及び受信終了時間から構成される受信パラメータの設定が含まれる。
【0025】
カウントパケット初期化要求を受信すると、S120において、DBD220は、カウントパケット機能を初期化する。
【0026】
次に、S130において、WUSBホスト210はSetFeature(COUNT_PACKETS)リクエストでDBD220にカウントパケット有効化要求を行う。SetFeature(COUNT_PACKETS)リクエストには、受信するパケット数、期間、MACヘッダ情報等のパラメータの設定が含まれる。DBD220は、カウントパケット有効化要求を受信すると、S140において、カウントパケットを有効化し、S101のように、WUSBホスト211が送信しているパケットを受信し保存する。
【0027】
次に、S150において、DBD220が受信したパケットを知るために、WUSBホスト210は、GetStatus(Received Data)リクエストを送信する。DBD220は、GetStatus(Received Data)リクエストを受信すると、S160において、受信パケットをWUSBホスト210へ送信する。
【0028】
S170において、WUSBホスト210は所望のパケットが何時受信できるかを解析する。図5においてWUSBホスト210が所望のパケットはWUSBクラスタ間のスーパーフレームの同期調整を行うためのものであるので、ビーコンである。S170の受信パケット解析により所望のビーコンの受信タイミングがわかると、次に、WUSBホスト210はキャプチャパケット機能を有効化し、所望パケットを解析するための処理を行う。
【0029】
S180において、WUSBホスト210は、カウントパケット機能を無効化するためにDBD220にClearFeature(COUNT_PACKETS)リクエストを送信する。DBD220は、ClearFeature(COUNT_PACKETS)リクエストの受信に応じて、S190において、カウントパケット機能を無効化する。
【0030】
S200において、WUSBホスト210は、SetWUSBData(Receive Params)リクエストをDBD220に送信してキャプチャパケット機能の初期化を要求する。SetWUSBData(Receive Params)リクエストには、受信パケットフィルタ、受信チャネル、受信開始時間、及び受信終了時間から構成される受信パラメータの設定が含まれる。DBD220は、SetWUSBData(Receive Params)リクエストの受信に応じて、S210において、キャプチャパケット機能を初期化する。
【0031】
S220において、WUSBホスト210はSetFeature(CAPTURE_PACKET)リクエストでキャプチャパケット機能の有効化要求をDBD220に行う。SetFeature(CAPTURE_PACKET)リクエストを受信すると、DBD220は、S230において、パケットキャプチャ機能を有効化する。
【0032】
ここで、S240において、WUSBホスト211が送信したビーコンをDBD220は受信し保存したとする。
【0033】
S250において、DBD220が受信したビーコンの内容を解析するために、WUSBホスト210は、GetStatus(Received Data)リクエストを送信する。GetStatus(Received Data)リクエストを受信すると、DBD220は、S260において、受信パケットをWUSBホスト210へ送信する。
【0034】
S270において、WUSBホスト210は、DBD220が受信したビーコンを解析することでBP中に送信することができるビーコンスロットを知ることができる。
【0035】
S280において、WUSBホスト210は、キャプチャパケット機能を無効化するためにDBD220にClearFeature(CAPTURE_PACKET)リクエストを送信する。ClearFeature(CAPTURE_PACKET)リクエストを受信すると、DBD220は、S290において、キャプチャパケット機能を無効化する。
【0036】
S300において、WUSBホスト210は、SetWUSBData(Transmit Params)リクエストを送信することでDBD220に送信してトランスミットパケット機能の初期化を要求する。SetWUSBData(Transmit Params)リクエストには、送信時間、及び送信時間調整値から構成される送信パラメータの設定が含まれる。SetWUSBData(Transmit Params)リクエストを受信すると、DBD220は、S310において、トランスミットパケット機能を初期化する。
【0037】
S320において、WUSBホスト210は、MACヘッダ及びペイロードから構成される送信データを設定するSetWUSBData(Transmit Data)リクエストをDBD220に送信する。SetWUSBData(Transmit Data)リクエストを受信すると、DBD220は、受信したデータを保存するように制御する。
【0038】
S330において、WUSBホスト210はDBD220にSetFeature(DEV_XMIT_PACKET)リクエストを送信することで、保存した送信データの送信開始を要求する。S340において、DBD220はS320で受信して保存したビーコンデータを送信し、WUSBホスト211はそのビーコンを傍受することができる。S350において、WUSBホスト211はS340で傍受したビーコンを参照してスーパーフレームの同期調整を行う。
【0039】
S360において、WUSBホスト210は、必要に応じてトランスミットパケット機能を無効化するためにDBD220に、ClearFeature(DEV_XMIT_PACKET)リクエストを送信する。ClearFeature(DEV_XMIT_PACKET)リクエストを受信すると、S370において、DBD220は、トランスミットパケット機能を無効化する。
【0040】
(スリープ時の通常動作)
次に、WUSBホストがスリープする際の通常の構成における動作について、図6を参照して説明する。図6は、互いにスーパーフレーム間の同期を確立したWUSBクラスタ200とWUSBクラスタ201において、WUSBホスト210がスリープする際の通常動作を示すタイミングチャートである。図6において、横軸は時間軸を表す。
【0041】
スーパーフレームN(300)において、WUSBホスト210は、DBD220にS330でトランスミットパケットリクエストを行って、ビーコンの送出を要求している。このスーパーフレーム内ではWUSBホスト210及びDBD200が使用するDRP500とWUSBホスト211が使用するDRP510は予約帯域が重なることは無い。
【0042】
スーパーフレームN+1(301)において、WUSBホスト210がスリープすると決定する際に、そのスーパーフレーム内においてS360でトランスミットパケット停止リクエストを送信している。このフレームにおいてもDRP520とDRP530が重なることは無い。
【0043】
スーパーフレームN+2(302)において、WUSBホスト210とDBD220はビーコンを送信しないが、WUB211は一つ前のスーパーフレームN+1(301)の情報を用いてDRP550を生成している。
【0044】
スーパーフレームN+3(303)において、WUSBホスト211が生成するDRP570は可能な限り多くのMASを予約しようと試みる。以降のスーパーフレームで、WUSBホスト210がWUSBチャネルを回復する際には、以前に使用していたDRP(例えば520)を用いるとWUSBホスト211が使用しているDRPと衝突する可能性がある。従って、このような従来の構成においては、WUSBホスト210はDRPの予約を図5に示されるシーケンスチャートの手順を用いて初めからやり直さなければならず、WUSBチャネル復帰に時間がかかると言う課題があった。
【0045】
(本実施形態に係るスリープ時の動作)
次に、図7を参照して本実施形態に係る構成におけるスリープ時の動作について説明する。図7は、本実施形態に係る構成におけるスリープ時の動作を示すタイミングチャートである。なお、図6同様、横軸は時間軸を表す。
【0046】
スーパーフレームN(300)において、WUSBホスト210は、DBD220と通信するためのDRP500を持ち、WUSBホスト211が通信するためのDRP510とは予約帯域が重なっていない。このフレームでDBD220はトランスミットパケット機能によってビーコンを送信していないが、していても構わない。
【0047】
図7では、スーパーフレームN+1(301)でWUSBホスト210がスリープしようとしている。このとき、DBD220がトランスミットパケット機能を用いてビーコンを送信していない場合、トランスミットパケットリクエスト(S300、S320、S330)を用いてDBD220にビーコン送信要求を行う。このスーパーフレーム中もDRP520とDRP530の予約帯域は重ならない。このスーパーフレームより前にDBD220がトランスミットパケット機能を用いてビーコンを送信している場合、トランスミットパケットリクエストの工程を省略することもできる。
【0048】
スーパーフレームN+2(302)において、WUSBホスト210はビーコン送信を停止するが、DBD220はトランスミットパケット機能によってビーコンをBP402の期間で送信する。DBD220のビーコンによってDRP540が予約され、DRP550との予約帯域は重ならない。このスーパーフレーム以降、任意の時点でホストがアウェイクしても、DRPは既に予約されているのでWUSBチャネルを素早く復帰することができる。
【0049】
(WUSBホストの動作)
次に、WUSBホスト210の動作について図8を参照して説明する。図8は、WUSBホスト210の動作の流れを示すフローチャートである。
【0050】
ステップS500において、WUSBホスト210は、自身がスリープするかを判定する。スリープしない場合(ステップS500でNO)にはステップS510に進み、WUSBホスト210はビーコンを送信し、再びステップS500に戻る。
【0051】
ステップS500でスリープする場合(ステップS500でYES)には、ステップS520において、WUSBホスト210は自身のメモリに蓄積されたコマンド履歴を参照してDBD220にビーコン送信を指示したかを判定する。ビーコン送信を指示していた場合(ステップS500でYES)には、再びステップS500に戻る。WUSBホスト210がDBD220にビーコン送信を指示していなかった場合(ステップS500でNO)には、ステップS530へ進む。
【0052】
ステップS530においては、WUSBホスト210は、一連のビーコン送信リクエストをDBD220に要求する。即ち、これまで使用してきたWUSBクラスタ200のDRP(図7の例ではDRP540、560)の使用を継続するためのビーコンを送出し続けるように、DBD220に要求する。その後再びステップS500に戻る。
【0053】
なお、図8はWUSBホストの動作の一例を示したものであり、その他の手順でも同様の動作が実現できることは言うまでも無い。
【0054】
(DBDの動作)
次に、DBD220の動作について図9を参照して説明する。図9はDBD220の動作の流れを示すフローチャートである。
【0055】
ステップS600において、DBD220は、WUSBホスト210からパケット送信リクエストを受信したかを判定する。受信していない場合(ステップS600でNO)にはステップS600に再び戻り、受信している場合(ステップS600でYES)にはステップS610へ進む。
【0056】
ステップS610において、DBD220はWUSBホスト210からトランスミットパケット無効化要求であるClearFeature(DEV_XMIT_PACKET)リクエストを受信したかを判定する。受信した場合(ステップS610でYES)にはステップS600に再び戻り、受信していない場合(ステップS610でNO)にはステップS620に進む。
【0057】
ステップS620においては、DBD220が既にビーコンを送信しているかどうかを判定する。送信している場合(ステップS620でYES)には再びステップS610に戻り、送信していない場合(ステップS620でNO)にはステップS630へ進む。
【0058】
ステップS630においては、DBD220はトランスミットパケット機能を用いてビーコンを送信する。このビーコンによって、WUSBクラスタ200の通信に用いられてきたDRP(図7の例ではDRP540、560)が継続して確保される。その後、再びステップS610に戻る。
【0059】
なお、図9はDBDの動作の一例を示したものであり、その他の手順でも同様の動作が実現できることは言うまでも無い。
【0060】
上記のように、本実施形態に係る構成においては、WUSBホストがビーコンを送信しない省電力モードへ移行する時に、WUSBホストは、WUSBデバイスにホストの代わりにDRPを確保するためのビーコンを送信させるための要求情報を送出する。当該要求情報を受信したWUSBデバイスは、その内容に基づいてこれまで使用してきたDRPを確保するためのビーコンの送出を開始する。これにより、WUSBデバイスから送信されるビーコンによって、WUSBホストがスリープしているときにも通信予約帯域が保持され、WUSBホストがアウェイクする際に通信を素早く復帰させることができる。
【0061】
なお、本実施形態では、無線通信としてWUSBを想定して説明を行ったが、通信予約帯域を予約して通信を行う通信ならば、本実施形態の手法を用いることで、スリープ時からの復帰時に素早く通信を開始することができる。
【0062】
<<実施形態2>>
第1実施形態では、スリープからの復帰後、WUSBホストが通信するWUSBデバイスが1つである場合について例示的に説明したが、スリープからの復帰後に通信するWUSBデバイスは2つ以上存在してもよい。本実施形態では、そのような一例として、スリープからの復帰後に通信するWUSBデバイスが2つ存在する場合について説明する。
【0063】
(システム構成)
本実施形態で用いられる通信装置は実施形態1と同様、図1に示される。本実施形態で用いられる通信システムの構成は、図10に示される。図10は、本実施形態における通信システムの構成を示す図である。
【0064】
図10において、210はWUSBクラスタ200においてホストとしての機能を持つWUSBホストである。220及び221はデバイスとしての機能を持つWUSBデバイスである。図10では、WUSBホストが制御するWUSBデバイスが二台だけであるが、必要に応じてWUSBデバイスが複数存在しても良い。
【0065】
図10に例示する通信システムにおいては、WUSBホストとWUSBデバイスで構成されるWUSBクラスタが3つ存在する。図10においては、別のWUSBホスト211がWUSBクラスタ201を形成し、WUSBデバイス220はWUSBクラスタ200及び201の通信可能範囲に位置している。更に、別のWUSBホスト212がWUSBクラスタ202を形成し、WUSBデバイス221はWUSBクラスタ200及び202の通信可能範囲に位置している。なお、WUSBクラスタ201と202の通信可能範囲は重複していない。
【0066】
図10におけるWUSBデバイス220及び221はDBDであるが、DBDとSBDが混在するWUSBクラスタであっても構わない。また、DBD220の通信範囲にあるWUSBホスト211、及びDBD221の通信範囲にあるWUSBホスト212の代わりに、SBDが存在する構成であっても構わない。WUSBホスト210がWUSBクラスタ202に対してDBD221を介してトランスミットパケット機能を利用する手順は、図5と同様の手順を用いて実現することができる。また、本実施形態におけるWUSBホスト210、DBD220、及びDBD221の動作フローは図8及び図9で示したフローと同様である。
【0067】
(本実施形態に係るスリープ時の動作)
次に、本実施形態に係る構成におけるスリープ時の動作について、図11を参照して説明する。図11は、本実施形態に係る構成におけるスリープ時の動作を示すタイミングチャートである。図11において、横軸は時間軸を表す。
【0068】
スーパーフレームN(300)において、WUSBホスト210はDBD220及びDBD221と通信するためのDRP500を有している。DRP500は、WUSBホスト211が通信するためのDRP510及びWUSBホスト212が通信するためのDRP511とは予約帯域が重なっていない。DRP510とDRP511は図10の例では互いの通信範囲が重なっていないので予約帯域が重なることができるが、DRP予約帯域は重なっていなくても構わない。このフレームでDBD220またはDBD221はトランスミットパケット機能によってビーコンを送信していないが、していても構わない。
【0069】
スーパーフレームN+1(301)でWUSBホスト210がスリープしようとする状況を考える。この場合、DBD220及びDBD221がトランスミットパケット機能を用いてビーコンを送信していない場合、WUSBホスト210は、DBD220及びDBD221に対してそれぞれビーコン送信要求を行う。ただし、ビーコン送信要求は、DBDトランスミットパケットリクエスト(S300、S320、S330)を用いて行う。このスーパーフレーム中もDRP520とDRP530/DRP531の予約帯域は重ならない。このスーパーフレームより前にDBD220またはDBD221がトランスミットパケット機能を用いてビーコンを送信している場合、トランスミットパケットリクエストの工程を省略することもできる。
【0070】
スーパーフレームN+2(302)において、WUSBホスト210はビーコン送信を停止するが、DBD220及びDBD221はトランスミットパケット機能によってビーコンをBP402の期間で送信する。DBD220及びDBD221のビーコンによってDRP540が予約され、DRP550/DRP551との予約帯域は重ならない。従って、このスーパーフレーム以降、任意の時点でホストがアウェイクしても、DRPは既に予約されているのでWUSBチャネルを素早く復帰することができる。
【0071】
上記のように、本実施形態に係る構成においては、省電力モードへ移行する時に、WUSBホストは、WUSBデバイスのそれぞれに対してDRPを確保するためのビーコンを送信させるための要求情報を送出する。当該要求情報を受信したWUSBデバイスは、それぞれ、その内容に基づいてこれまで使用してきたDRPを確保するためのビーコンの送出を開始する。これにより、WUSBデバイスから送信されるビーコンによって、WUSBホストがスリープしているときにも通信予約帯域が保持され、WUSBホストがアウェイクする際に各通信を素早く復帰させることができる。
【0072】
<<その他の実施形態>>
以上、本発明の実施形態例について詳述したが、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記憶媒体等としての実施態様を取ることが可能である。具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用してもよいし、また、一つの機器からなる装置に適用してもよい。
【0073】
尚、本発明は、前述した実施形態の機能を実現するプログラムを、システムあるいは装置に直接あるいは遠隔から供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータが該供給されたプログラムコードを読み出して実行することによっても達成される場合を含む。
【0074】
従って、本発明の機能処理をコンピュータで実現するために、該コンピュータにインストールされるプログラムコード自体も本発明の技術的範囲に含まれる。つまり、本発明は、本発明の機能処理を実現するためのコンピュータプログラム自体も含む。
【0075】
その場合、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等の形態であってもよい。
【0076】
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、次のものが含まれる。即ち、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、DVD(DVD−ROM,DVD−R)等が含まれる。
【0077】
その他、プログラムの供給形態としては、次のようなものも考えられる。即ち、クライアント装置のブラウザを用いてインターネットのホームページに接続し、該ホームページから本発明に係るコンピュータプログラム、或いは、圧縮され自動インストール機能を含むファイルをHD等の記録媒体にダウンロードする形態も考えられる。また、本発明に係るプログラムを構成するプログラムコードを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるホームページからダウンロードすることによっても実現可能である。つまり、本発明の機能処理をコンピュータで実現するためのプログラムファイルを複数のユーザに対してダウンロードさせるWWWサーバも、本発明に含まれるものである。
【0078】
また、次のような供給形態も考えられる。即ち、まず、本発明に係るプログラムを暗号化してCD−ROM等の記憶媒体に格納してユーザに配布する。そして、所定の条件をクリアしたユーザに対し、インターネットを介してホームページから暗号化を解く鍵情報をダウンロードさせ、その鍵情報の使用により暗号化されたプログラムを実行してコンピュータにインストールさせて本発明に係る構成を実現する。このような供給形態も可能である。
【0079】
また、コンピュータが、読み出したプログラムを実行することによって、前述した実施形態の機能が実現される他、次のような実現形態も想定される。即ち、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOSなどが、実際の処理の一部または全部を行ない、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現され得る。
【0080】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムの指示に基づいても前述した実施形態の機能が実現される。即ち、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】通信装置の構成を示すブロック図である。
【図2】実施形態1における通信システムの構成を示す図である。
【図3】WUSB規格のスーパーフレームのフォーマットを模式的に示した図である。
【図4】WUSBチャネルからMAC層チャネル予約へのマッピングを示した模式図である。
【図5】スーパーフレームの同期調整を行う際の処理の流れを示すシーケンスチャートである。
【図6】WUSBホストがスリープする際の通常動作を示すタイミングチャートである。
【図7】実施形態1に係る構成におけるスリープ時の動作を示すタイミングチャートである。
【図8】WUSBホストの動作の流れを示すフローチャートである。
【図9】DBDの動作の流れを示すフローチャートである。
【図10】実施形態2における通信システムの構成を示す図である。
【図11】実施形態2に係る構成におけるスリープ時の動作を示すタイミングチャートである。
【出願人】 【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
【出願日】 平成18年9月12日(2006.9.12)
【代理人】 【識別番号】100076428
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康徳

【識別番号】100112508
【弁理士】
【氏名又は名称】高柳 司郎

【識別番号】100115071
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康弘

【識別番号】100116894
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 秀二


【公開番号】 特開2008−72251(P2008−72251A)
【公開日】 平成20年3月27日(2008.3.27)
【出願番号】 特願2006−247352(P2006−247352)