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【発明の名称】 測位サーバ、測位システム、測位方法およびプログラム
【発明者】 【氏名】千原 晋平

【要約】 【課題】接続中の無線基地局の設置位置に基づいて無線端末の位置を特定する測位システムにおいて、負荷分散処理によって接続先の無線基地局が切替えられることにより、無線端末が静止しているにもかかわらず負荷分散処理によって無線端末が移動したものと判断される。

【構成】接続中の無線基地局の設置位置情報に基づいて無線端末の位置情報を求める測位システムにおいて、無線端末の移動の有無を判断する移動検出手段と、無線端末が接続中の基地局情報に基づいて無線端末の位置を特定する位置検出手段を備え、移動検出手段によって無線端末が接続している無線基地局の変更を検出した場合に、無線端末の移動に伴う接続無線基地局の変更なのか、負荷分散制御に伴う接続無線基地局の変更なのかを確認し、無線端末の移動に伴う接続無線基地局の変更である場合に、無線端末が移動したと判断し、位置検出手段によって、無線端末の新たな位置情報を取得する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末が接続する基地局の変化の有無を検出する接続基地局変化検出手段と、
前記接続基地局変化検出手段によって端末が接続する基地局の変化を検出したときに、この変化が負荷分散処理に起因するか否かを判断し、負荷分散処理に起因しないと判断したときに、前記端末が移動したと判断する端末移動判断手段と、
前記端末移動判断手段によって、端末が移動したと判断したとき、移動後に接続した基地局の位置に基づいて端末の位置情報を求める位置情報更新処理手段と、
を有することを特徴とする測位サーバ。
【請求項2】
前記端末移動判断手段における負荷分散に起因するか否かの判断が、端末または基地局からの情報によって負荷分散処理の有無を確認し、負荷分散処理が実施されていないときには、前記変化は負荷分散処理に起因しないと判断することを特徴とする請求項1に記載の測位サーバ。
【請求項3】
前記接続基地局変化検出手段が、端末が接続する基地局の変化の有無の検出に加え、端末がセンシング可能な周辺基地局の変化の有無を検出し、
前記端末移動判断手段における負荷分散に起因するか否かの判断が、前記接続基地局変化検出手段によって、接続する基地局の変化またはセンシング可能な周辺基地局の変化を検出したとき、移動前の端末に接続された基地局が変化後の周辺基地局に含まれない場合にこの変化が負荷分散処理に起因しないと判断することを特徴とする請求項1に記載の測位サーバ。
【請求項4】
前記端末移動判断手段における負荷分散に起因するか否かの判断が、変化後の端末に接続された基地局が変化前の端末がハンドオーバ可能な基地局に含まれない場合にこの変化が負荷分散処理に起因しないと判断することを特徴とする請求項1に記載の測位サーバ。
【請求項5】
前記端末移動判断手段における負荷分散に起因するか否かの判断が、変化前の端末に接続された基地局からの電波強度が変化後の前記基地局からの電波強度より低い場合にこの変化が負荷分散処理に起因しないと判断することを特徴とする請求項1に記載の測位サーバ。
【請求項6】
端末と、端末と接続する基地局と、基地局を介して端末と接続する測位サーバとからなる測位システムであって、
前記測位サーバが、
端末が接続する基地局の変化の有無を検出する接続基地局変化検出手段と、
前記接続基地局変化検出手段によって端末が接続する基地局の変化を検出したときに、この変化が負荷分散処理に起因するか否かを判断し、負荷分散処理に起因しないと判断したときに、前記端末が移動したと判断する端末移動判断手段と、
前記端末移動判断手段によって、端末が移動したと判断したとき、移動後に接続した基地局の位置に基づいて端末の位置情報を求める位置情報更新処理手段と、
を有することを特徴とする測位システム。
【請求項7】
前記端末移動判断手段における負荷分散に起因するか否かの判断が、端末または基地局からの情報によって負荷分散処理の有無を確認し、負荷分散処理が実施されていないときには、前記変化は負荷分散処理に起因しないと判断することを特徴とする請求項6に記載の測位システム。
【請求項8】
前記接続基地局変化検出手段が、端末が接続する基地局の変化の有無の検出に加え、端末がセンシング可能な周辺基地局の変化の有無を検出し、
前記端末移動判断手段における負荷分散に起因するか否かの判断が、前記接続基地局変化検出手段によって、接続する基地局の変化またはセンシング可能な周辺基地局の変化を検出したとき、移動前の端末に接続された基地局が変化後の周辺基地局に含まれない場合にこの変化が負荷分散処理に起因しないと判断することを特徴とする請求項6に記載の測位システム。
【請求項9】
前記端末移動判断手段における負荷分散に起因するか否かの判断が、変化後の端末に接続された基地局が変化前の端末がハンドオーバ可能な基地局に含まれない場合にこの変化が負荷分散処理に起因しないと判断することを特徴とする請求項6に記載の測位システム。
【請求項10】
前記端末移動判断手段における負荷分散に起因するか否かの判断が、変化前の端末に接続された基地局からの電波強度が変化後の前記基地局からの電波強度より低い場合にこの変化が負荷分散処理に起因しないと判断することを特徴とする請求項6に記載の測位システム。
【請求項11】
端末が接続する基地局の変化の有無を検出する接続基地局変化検出ステップと、
前記接続基地局変化検出ステップによって端末が接続する基地局の変化を検出したときに、この変化が負荷分散処理に起因するか否かを判断し、負荷分散処理に起因しないと判断したときに、前記端末が移動したと判断する端末移動判断ステップと、
前記端末移動判断ステップによって、端末が移動したと判断したとき、移動後に接続した基地局の位置に基づいて端末の位置情報を求める位置情報更新処理ステップと、
を有することを特徴とする測位方法。
【請求項12】
前記端末移動判断ステップにおける負荷分散に起因するか否かの判断が、端末または基地局からの情報によって負荷分散処理の有無を確認し、負荷分散処理が実施されていないときには、前記変化は負荷分散処理に起因しないと判断することを特徴とする請求項11に記載の測位方法。
【請求項13】
前記接続基地局変化検出ステップが、端末が接続する基地局の変化の有無の検出に加え、端末がセンシング可能な周辺基地局の変化の有無を検出し、
前記端末移動判断ステップにおける負荷分散に起因するか否かの判断が、前記接続基地局変化検出ステップによって、接続する基地局の変化またはセンシング可能な周辺基地局の変化を検出したとき、移動前の端末に接続された基地局が変化後の周辺基地局に含まれない場合にこの変化が負荷分散処理に起因しないと判断することを特徴とする請求項11に記載の測位方法。
【請求項14】
前記端末移動判断ステップにおける負荷分散に起因するか否かの判断が、変化後の端末に接続された基地局が変化前の端末がハンドオーバ可能な基地局に含まれない場合にこの変化が負荷分散処理に起因しないと判断することを特徴とする請求項11に記載の測位方法。
【請求項15】
前記端末移動判断ステップにおける負荷分散に起因するか否かの判断が、変化前の端末に接続された基地局からの電波強度が変化後の前記基地局からの電波強度より低い場合にこの変化が負荷分散処理に起因しないと判断することを特徴とする請求項11に記載の測位方法。
【請求項16】
端末が接続する基地局の変化の有無を検出する接続基地局変化検出処理と、
前記接続基地局変化検出処理によって端末が接続する基地局の変化を検出したときに、この変化が負荷分散処理に起因するか否かを判断し、負荷分散処理に起因しないと判断したときに、前記端末が移動したと判断する端末移動判断処理と、
前記端末移動判断処理によって、端末が移動したと判断したとき、移動後に接続した基地局の位置に基づいて端末の位置情報を求める位置情報更新処理ステップと、
を有することを特徴とするプログラム。
【請求項17】
前記端末移動判断処理における負荷分散に起因するか否かの判断が、端末または基地局からの情報によって負荷分散処理の有無を確認し、負荷分散処理が実施されていないときには、前記変化は負荷分散処理に起因しないと判断することを特徴とする請求項16に記載のプログラム。
【請求項18】
前記接続基地局変化検出処理が、端末が接続する基地局の変化の有無の検出に加え、端末がセンシング可能な周辺基地局の変化の有無を検出し、
前記端末移動判断処理における負荷分散に起因するか否かの判断が、前記接続基地局変化検出手段によって、接続する基地局の変化またはセンシング可能な周辺基地局の変化を検出したとき、移動前の端末に接続された基地局が変化後の周辺基地局に含まれない場合にこの変化が負荷分散処理に起因しないと判断することを特徴とする請求項16に記載のプログラム。
【請求項19】
前記端末移動判断処理における負荷分散に起因するか否かの判断が、変化後の端末に接続された基地局が変化前の端末がハンドオーバ可能な基地局に含まれない場合にこの変化が負荷分散処理に起因しないと判断することを特徴とする請求項16に記載のプログラム。
【請求項20】
前記端末移動判断処理における負荷分散に起因するか否かの判断が、変化前の端末に接続された基地局からの電波強度が変化後の前記基地局からの電波強度より低い場合にこの変化が負荷分散処理に起因しないと判断することを特徴とする請求項16に記載のプログラム。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は測位サーバ、測位システム、測位方法およびプログラムに関し、特に、無線端末の移動に関わらず、負荷分散制御などによって自動的に無線端末の接続基地局が切り替えられる無線ネットワーク下においても、無線端末の移動の有無を検出することを可能とする測位サーバ、測位システム、測位方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、無線端末が接続中の無線基地局の設置位置情報に基づいて、無線端末の位置を特定する測位システムが、低コストで容易に実現可能な測位システムとして、携帯電話ネットワークから無線LAN、Bluetoothといった近距離無線ネットワークまで幅広く利用されている。
【0003】
しかし、近年、無線ネットワーク下における通信の安定性を確保する為に、特定の無線基地局に負荷が偏っているような場合には無線ネットワーク側から強制的に無線端末の接続基地局を切り替えるといった特許文献1に記載されているような負荷分散機能を備えた無線ネットワークシステムが利用されている。
【0004】
【特許文献1】特開2004−320274
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、このような負荷分散機能を備えた無線ネットワーク下において、無線端末が接続中の無線基地局に基づいて、無線端末の位置特定を行う測位システムを適用した場合に、負荷分散機能によって無線端末の接続基地局が強制的に切り替えられると、無線端末が移動していないにもかかわらず、無線端末の接続基地局が変更されてしまったことにより、測位システムにおいて無線端末が移動したものと判断されてしまう。
そのため、このような無線ネットワークに、無線端末の位置情報を用いて機能する外部アプリケーションを適用するにあたって、無線端末の正確な位置を提供することができないといった問題が生じる。これは、測位システムの存在とは無関係に負荷分散処理のみを主眼において無線基地局を変更する制御を行うためである。
【0006】
そこで、本発明は、負荷分散機能などの無線ネットワーク側の制御によって、無線端末の接続基地局が切り替わったのか、それとも無線端末の移動に伴って接続基地局が切り替わったのかを判別することによって、無線端末の移動の有無を検出することが可能な測位システムを実現することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の測位サーバは、端末が接続する基地局の変化の有無を検出する接続基地局変化検出手段と、前記接続基地局変化検出手段によって端末が接続する基地局の変化を検出したときに、この変化が負荷分散処理に起因するか否かを判断し、負荷分散処理に起因しないと判断したときに、前記端末が移動したと判断する端末移動判断手段と、前記端末移動判断手段によって、端末が移動したと判断したとき、移動後に接続した基地局の位置に基づいて端末の位置情報を求める位置情報更新処理手段と、を有することを特徴とする。
【0008】
また、本発明の第2の測位サーバは、第1の測位サーバにおいて、前記端末移動判断手段における負荷分散に起因するか否かの判断が、端末または基地局からの情報によって負荷分散処理の有無を確認し、負荷分散処理が実施されていないときには、前記変化は負荷分散処理に起因しないと判断することを特徴とする。
【0009】
また、本発明の第3の測位サーバは、第1の測位サーバにおいて、前記接続基地局変化検出手段が、端末が接続する基地局の変化の有無の検出に加え、端末がセンシング可能な周辺基地局の変化の有無を検出し、前記端末移動判断手段における負荷分散に起因するか否かの判断が、前記接続基地局変化検出手段によって、接続する基地局の変化またはセンシング可能な周辺基地局の変化を検出したとき、移動前の端末に接続された基地局が変化後の周辺基地局に含まれない場合にこの変化が負荷分散処理に起因しないと判断することを特徴とする。
【0010】
また、本発明の第4の測位サーバは、第1の測位サーバにおいて、前記端末移動判断手段における負荷分散に起因するか否かの判断が、変化後の端末に接続された基地局が変化前の端末がハンドオーバ可能な基地局に含まれない場合にこの変化が負荷分散処理に起因しないと判断することを特徴とする。
【0011】
また、本発明の第5の測位サーバは、第1の測位サーバにおいて、前記端末移動判断手段における負荷分散に起因するか否かの判断が、変化前の端末に接続された基地局からの電波強度が変化後の前記基地局からの電波強度より低い場合にこの変化が負荷分散処理に起因しないと判断することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
以上説明したように本発明では、無線端末が静止している状態において、負荷分散機能などの無線ネットワークの制御によって接続基地局が切り替えられるような無線ネットワークにおいても、無線端末の移動に伴う接続基地局の変更か、無線ネットワーク側の制御に伴う基地局の変更かを確認することによって、無線端末の位置の変化の有無を検出することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
次に、発明を実施するための第1の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0014】
図1は、第1の実施形態における全体構成図である。
【0015】
図1に示すように、無線ネットワークシステムは、複数の無線端末500−1、500−2、500−3と、複数の無線基地局400−1、400−2と、ひとつまたは複数の測位サーバ100と、ひとつまたは複数のアプリケーションサーバ200から構成されるシステムである。尚、測位サーバとアプリケーションサーバとは同一の装置であってもよい。
【0016】
また、図1の例では、無線基地局400−1及び、400−2は、それぞれ401-1及び401−2のカバーエリアを保有するものとし、測位サーバ100、アプリケーションサーバ200及び無線基地局400−1、及び400−2はネットワーク300に接続される。また、図1には図示していないが、必要に応じて他のネットワーク装置もしくはサーバ装置を用いてシステムは構成される。
【0017】
まず、各部の構成について説明する。
【0018】
図2は無線端末500−1、500−2、500−3の構成例である。ホスト通信インタフェース部510は、無線基地局400−1、400−2と接続して、他の無線端末や測位サーバ100、アプリケーションサーバ200と通信を行う為のネットワークインタフェース機能を有する。
【0019】
接続基地局管理部520は、無線端末が接続中の無線基地局のMACアドレスなど、接続中の無線基地局を識別する為の情報を取得し、測位サーバ100に通知する為の機能を有する。
【0020】
負荷分散制御部530は、無線端末が接続中の無線基地局の負荷状況や、他の無線基地局の負荷状況を把握し、負荷分散処理が必要な場合に、無線基地局や他の無線端末からの要求や、自らの判断に基づいて、接続する無線基地局を切り替える機能を有する。
【0021】
図3は無線基地局400−1、400−2の構成例である。ネットワーク通信インタフェース部410は、バックボーンとなるネットワーク300側との通信を行う為のネットワークインタフェース機能を有する。
【0022】
一方、ホスト通信インタフェース部430は、無線端末との通信を行う為のネットワークインタフェース機能を有する。
【0023】
また、負荷分散制御部420は、自らの無線基地局の負荷状況や、他の無線基地局の負荷状況を把握し、負荷分散処理が必要な場合に、自らの無線基地局に接続中の無線端末や、場合によっては他の無線基地局に接続中の無線端末に対して、接続する無線基地局を切り替える機能を有する。
【0024】
また、負荷分散の制御に関しては、専用の管理装置をネットワーク300に設置して集中的に負荷状況の把握や無線端末の接続基地局の切り替えを制御してもよい。
【0025】
なお、上述した負荷分散制御(処理)は、一の無線基地局配下の無線端末の数が他の基地局配下の無線端末の数と比較して多くなり、一の無線基地局の負荷が過剰となっている場合等に実施される。一例としては、過負荷となっている無線基地局から発信する電波強度を弱めてカバーエリアを狭めることで配下の無線端末数を減らし、エリア外となった無線端末は他の無線基地局に収容することによって、一の無線基地局の負荷を低減し、ネットワーク全体として負荷分散を図ることができる。
【0026】
また、このような負荷分散処理を行ったか否か、また、行った場合はその時刻等の情報について、無線基地局内の記憶領域等に保持しておく。また、この情報は、ネットワーク上に存在する複数の無線基地局または無線端末で共有することもできる。そして、後述する測位サーバ100からの負荷分散処理の実施の有無に関する問い合わせに対し回答できるようにしておく。
【0027】
図4は測位サーバ100の構成例である。アプリケーションインタフェース部110は、アプリケーションサーバ200などにある位置情報を利用する外部アプリケーションに対して、測位サーバ100で取得した無線端末の位置情報を提供するための機能を有する。
【0028】
無線基地局設置位置データベース部120は、無線基地局の設置位置情報を管理するデータベースであり、無線基地局と、その基地局に接続している無線端末の位置情報を算出する際に用いられる。
【0029】
位置検出処理部130は、無線端末が接続中の無線基地局を端末情報記憶部150から得て、無線基地局設置位置データベース部120を参照することにより、無線端末の位置情報を算出する機能を有する。このときの位置精度は、無線基地局のセルの大きさ程度である。
【0030】
図5に無線基地局設置位置データベース部120の構成例を示す。図5の例では、無線基地局を識別する固有情報120−1として、無線基地局のMACアドレスを用いている。
また、論理情報120−2、座標情報120−3、エリア情報120−4は、個々の無線基地局の位置に関する情報をいくつかの表記形式(フォーマット)で記憶したものである。
【0031】
このように、無線基地局の位置情報の記憶形式(フォーマット)を複数用意する目的は以下の通りである。
【0032】
本実施形態の測位方法は、上述の通り、無線端末が接続されている無線基地局の位置情報を用いて測位するというものである。図5では一つの無線基地局に関する位置情報を複数の表記形式(フォーマット)で予め用意しておく。これにより、外部アプリケーションが無線基地局に接続した無線端末の位置情報を必要としたときに、その必要とされた位置情報の表記形式に対応した無線端末の位置情報が応答可能となる。
【0033】
例えば、外部アプリケーションがある無線端末の位置情報を論理情報フォーマットで要求した場合、本実施形態では図5の無線基地局設置位置データベース部に登録されている「第一会議室」などの論理情報フォーマットで、要求対象の無線端末が接続された無線基地局の位置情報を応答する。また、座標情報フォーマットで要求された場合は、同じエントリの「X=10,Y=0,Z=20」の座標情報フォーマットで応答するなど、各アプリケーションが取り扱いやすい位置情報の表記形式で応答することが可能となる。
【0034】
図4の端末移動検出部140は、無線端末が接続基地局を切り替えた場合に、それが負荷分散機能に伴うものなのかどうかを識別することにより、無線端末が移動したかどうかを判断する機能を有する。即ち、無線基地局の切り替えが負荷分散に伴って行われた場合は、無線端末は移動しなかったものと判断する。
【0035】
図4の端末情報記憶部150は、どの無線端末がどの無線基地局に接続しているのかといった無線端末が接続中の無線基地局の情報を管理する機能を有する。図6に端末情報記憶部150の構成例を示す。図6の例では、端末ID150−1に無線端末のMACアドレスを、接続基地局情報150−2に無線端末が接続中の無線基地局のMACアドレスを用いて、各無線端末がどの無線基地局にいつ接続したのかといった接続基地局情報を無線端末の接続を確認した接続時刻150−3とともに管理している。
【0036】
また、図4の端末情報取得部160は、無線端末から接続中の基地局情報を取得するとともに、端末情報記憶部150を検索し、無線端末の接続基地局が変更された場合に端末移動検出部140に、接続基地局が変更されたことを通知する機能を有する。
【0037】
次に本システム全体の動作フローについて、図7を参照して詳細に説明する。尚、以下の説明では、図1の例で複数構成されている無線基地局、無線端末は、無線基地局400−1及び無線端末500−1を用いて説明する。
【0038】
まず、ステップA0では、無線端末の移動によるハンドオーバ処理または負荷分散処理に伴う接続無線基地局の変更処理が行われた結果、無線端末500−1と無線基地局400−1とが接続された様子を示している。負荷分散処理が行われた場合、無線基地局400−1は、負荷分散処理が実施される前に接続されていた無線基地局から、負荷分散処理が行われたか否かの情報を得て、この情報を保持しているものとする。尚、図示しないが負荷分散処理のための接続基地局の変更処理は、新たに無線端末500−1が接続する無線基地局400−1や、同一ネットワーク上に存在するその他の無線端末500−2等及び無線基地局400−2等と連携して行われる場合も考えられる。
【0039】
次に、無線端末500−1は接続基地局管理部520において接続中の基地局情報を取得し、端末識別情報と共に測位サーバ100に通知する(ステップA1)。尚、このステップA1の処理は、ステップA0の処理とは関係なく周期的に行われる場合もあれば、無線基地局への接続を開始した場合や、接続中の基地局が変化した場合に行われる場合もある。
【0040】
そして測位サーバ100側では、無線端末500−1からの接続基地局情報を受信すると、端末情報取得部160において後述する図8の動作フローに示す手順で端末情報記憶部150を検索し、既に登録されている接続基地局情報150−2を取得すると共に、新たに受信した接続基地局情報に更新する(ステップA2、A3)。
【0041】
既に登録済みの接続基地局情報150−2とステップA1で新たに受信した接続基地局情報が異なる場合には、接続基地局変化と判断し、新たに受信した接続基地局情報を端末識別情報と共に端末移動検出部140に通知する(ステップA4)。但し、ステップA1で新たに受信した接続基地局情報と既に登録済みの接続基地局情報150−2とが同一のものである場合には、ステップA3で処理は終了し、ステップA4の処理は行わない。
【0042】
接続無線基地局が変化した場合、端末移動検出部140では、端末情報取得部160から通知された接続基地局の変化が、負荷分散処理に伴うものか否かを、負荷分散処理が行われたか否かの情報を保持している無線基地局400−1の負荷分散制御部420に問い合わせる(ステップA5)。そして、負荷分散処理実施の有無をステップA6で確認する。
【0043】
尚、図7の例では、負荷分散処理に伴うものか否かの情報を無線基地局400−1の負荷分散制御部420に問い合わせる例を示している。しかし、負荷分散処理が実施されたか否かの情報を無線端末500−1が保持している場合、すなわち、無線端末500−1が主導的に負荷分散処理を実施した場合は無線端末500−1側の負荷分散制御部530に問い合わせても良い。また、負荷分散が実施されたか否かの情報を同一ネットワーク上の他の無線端末および無線基地局と共有している場合には、同一ネットワーク上に存在するその他の無線端末及び無線基地局に問い合わせてもよい。
【0044】
次に端末移動検出部140は、後述する図9の動作フローに示す手順で、ステップA6で負荷分散処理実施の有無を確認し、負荷分散処理が行われていないことを確認した場合に端末移動と判断し、無線端末500−1が移動したことを端末識別情報と共に位置検出処理部130に通知する(ステップA7,A8)。
【0045】
一方、負荷分散処理が行われていることを確認した場合には、端末移動とは判断しないで、ここで処理を終了する。
【0046】
端末移動の通知を受信した位置検出処理部130は、移動後に接続した無線基地局の情報を用いて、無線基地局設置位置データベース部120を検索し、移動後に接続した無線基地局の位置から、無線端末500−1の移動後の位置情報を取得する。そして、位置情報更新処理、すなわち、外部アプリケーションに対して、無線端末500−1が移動したことと、新たな無線端末500−1の位置情報を通知する処理を行う(ステップA9、A10、A11)。
【0047】
続いて、本実施の形態における端末情報取得部160の処理に関して、図8のフローチャートを参照して詳細に説明する。
【0048】
端末情報取得部160は、無線端末500−1からの接続基地局情報と、無線端末500−1の識別情報の通知を取得することにより、その処理が開始される(ステップA1601)。
【0049】
ステップA1601で無線端末500−1からの通知を取得すると、次に端末情報取得部160は、端末情報記憶部150を検索し、既に登録されている接続基地局情報150−2を取得すると共に、端末情報記憶部150の無線端末500−1のエントリを、ステップA1601で新たに受信した接続基地局情報に更新する(ステップA1602)。
【0050】
そして、ステップA1601とステップA1602で取得した接続基地局情報を比較する(ステップA1603)。ここで、それぞれの接続基地局情報が同一と判断できる場合には、接続基地局は変更されていないと判断し、処理を終了する。
【0051】
一方、それぞれの端末接続基地局情報が異なる場合には、接続基地局が変更されたものと判断し、ステップA1604に進む。ステップA1604では、ステップA1601で新たに取得した接続基地局情報と、端末識別情報を、接続基地局の変化通知として端末移動検出部140に通知する。
【0052】
続いて、本実施の形態における端末移動検出部140の処理に関して、図9のフローチャートを参照して詳細に説明する。
【0053】
端末移動検出部140は、端末情報取得部160からの接続基地局の変化通知を取得することにより、その処理が開始される(ステップA1401)。
【0054】
端末情報取得部160からの接続基地局の変化通知を取得すると、次にステップA1402において、この接続基地局の変化が、負荷分散処理に伴うものか否かを、無線基地局400−1や、無線端末500−1又は、同一ネットワーク上に存在するその他の無線基地局又は無線端末のいずれかに問い合わせる(ステップA1402)。
【0055】
そして、ステップA1403において、無線端末500−1に関して負荷分散処理が行われていることを確認した場合には、無線端末500−1は移動していないと判断し、ここで処理を終了する。一方、負荷分散処理が行われていないことを確認した場合には、無線端末500−1が移動したものと判断し、ステップA1404の処理を実行する。
【0056】
ステップA1404では、無線端末500−1が移動したことを、端末識別情報と共に位置検出処理部130に通知する。
【0057】
上述の通り、第1の実施形態では、無線端末が接続する無線基地局が変化した場合に、この変化が、無線端末の移動によるハンドオーバ処理に起因するものか、負荷分散処理に起因するものかを確認する。そして、この変化が負荷分散処理に起因しない場合、無線端末が移動したと判断する。
【0058】
次に、本発明の第2の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。本実施形態における無線ネットワークシステムの構成例も図1と同様である。
【0059】
本発明の第2の実施形態は、無線端末500−1が接続基地局を変更した場合に、元々接続していた無線基地局からの信号を、接続変更後に無線端末500−1で取得できるかどうかを確認することによって、無線端末500−1の移動の有無を判断することを特徴とする。
【0060】
まず、本実施の形態における測位サーバ100の中の端末情報記憶部150の構成例を図10に示す。第1の実施形態(図6)おける端末情報記憶部150の構成に加え、本実施の形態では、無線端末が移動した場合に現在接続中の無線基地局に接続される前に接続していた無線基地局、すなわち、無線端末が前回位置情報取得に用いた無線基地局の情報である位置取得基地局情報151−4を記憶している。
【0061】
また、本実施の形態では、無線端末が接続中の基地局情報のみならず無線端末が通信(センシング)可能な範囲にある周辺の無線基地局についての情報についても周辺基地局情報151−5,151−6、151−7といったように、その無線基地局の数だけ記録するようになっている。
【0062】
次に本実施の形態における全体の動作フローについて、図11を参照して詳細に説明する。まず、ステップB0において、第1の実施形態のステップA0と同様に、負荷分散処理または端末の移動に伴うハンドオーバ処理に伴う接続基地局の変更処理が行われ、無線端末500−1と無線基地局400−1とが接続される。次に、無線端末500−1は接続基地局管理部520において、接続中の基地局情報と、接続中の基地局以外で、現在の位置から無線端末500−1が通信(センシング)可能な全ての基地局情報(周辺基地局情報)を取得し、端末識別情報と共に測位サーバ100に通知する(ステップB1)。尚、このステップB1の処理は、ステップB0の処理とは関係なく周期的に行われる場合もあれば、無線基地局への接続を開始した場合や、接続基地局が変化した場合、または周辺基地局情報が変化した場合に行われる場合もある。
【0063】
測位サーバ100側では、端末情報取得部160において、後述する図12の動作フローに示す手順で無線端末500−1からの無線端末の識別情報、接続基地局情報および周辺基地局情報を受信すると、端末情報記憶部150を検索し、無線端末500−1のエントリを、新たに受信した接続基地局情報及び周辺基地局情報に更新する(ステップB2,B3)。
【0064】
ここで、接続基地局または周辺基地局情報のどちらかが変化している場合には、新たに無線端末500−1から通知された接続基地局情報を、無線端末500−1の端末識別情報と共に端末移動検出部140に送信する(ステップB4)。
【0065】
但し、接続基地局及び周辺基地局情報のどちらも変化していない場合には、ステップB3で処理を終了し、ステップB4の処理は行わない。
【0066】
次に端末移動検出部140では、後述する図13の動作フローに示す手順で端末情報取得部160から通知された端末識別情報を元に端末情報記憶部150を検索し、既に記憶されている位置取得基地局情報とステップB2で新たに更新された周辺基地局情報を取得する(ステップB5,B6)。
【0067】
そして、端末移動検出部140はステップB6で取得した位置取得基地局情報と周辺基地局情報を比較し、周辺基地局情報の何れにも位置取得基地局情報が含まれない場合に、端末移動と判断する。理由は、以下の通りである。位置取得基地局(無線端末が移動する前に接続していた基地局)が、現在の周辺基地局の何れとも異なるということは、現在の無線端末は位置取得基地局とは通信できないこととなる。すなわち、元々接続していた(移動前の)無線基地局からの信号を無線端末は現在取得できない(通信できない)状態となる。よって、この場合は、本実施の形態における無線端末が移動したことの定義と合致する。すなわち、元々接続していた基地局からの信号を無線端末が取得できない状態になったことになるので、無線端末が移動したと判断するからである。
【0068】
一方、周辺基地局情報の中に位置取得基地局情報と同一のものがある場合には、端末移動とは判断せずに処理を終了する(ステップB7)。換言すると、接続基地局または周辺基地局情報のどちらかが変化していても、変化後の無線端末が元々接続していた基地局からの信号を取得できる場合には、端末移動とは判断せず、負荷分散処理等の結果、接続基地局または周辺基地局情報のどちらかが変化したものと判断する。
【0069】
ステップB7で端末移動と判断した場合には、位置検出処理部130に通知を行うと共に、端末情報記憶部150の該当エントリの位置取得基地局情報151−4を、ステップB4で取得した接続基地局情報に更新する(ステップB8、B9)。次に無線端末が移動したときに備えるためである。尚、ステップB8において端末移動通知を受信した後に位置検出処理部130が行う処理は、第1の実施形態におけるステップA9、A10、A11の処理と同一となる。すなわち、位置検出処理部130は、移動後に接続した無線基地局の情報を用いて、移動後の無線端末の位置を求め、外部アプリケーションに対して位置情報等を提供する。詳細な説明は省略する。
【0070】
続いて、本実施の形態における端末情報取得部160の処理に関して、図12のフローチャートを参照して詳細に説明する。
【0071】
本実施の形態における端末情報取得部160は、無線端末500−1からの接続基地局情報、周辺基地局情報および無線端末500−1の識別情報の通知を取得することにより、その処理が開始される(ステップB1601)。
【0072】
ステップB1601で無線端末500−1からの通知を取得すると、次に端末情報取得部160は、端末情報記憶部150を検索し、既に登録されている無線端末500−1の接続基地局情報151−2と、周辺基地局情報151−5等を取得すると共に、該当エントリの情報をステップB1601で受信した接続基地局情報と周辺基地局情報に更新する(ステップB1602)。
【0073】
そして、ステップB1601とステップB1602で取得したそれぞれの接続基地局情報を比較する。また、ステップB1601とステップB1602で取得した周辺基地局情報の比較も行う(ステップB1603)。ここで、これらの接続基地局情報および周辺基地局情報が同一と判断できる場合には、接続基地局は変更されていないものと判断し、処理を終了する。一方、接続基地局情報又は周辺基地局情報が変化している場合には、ステップB1604の処理に進む。
【0074】
ステップB1604では、ステップB1601で新たに無線端末500−1から通知された接続基地局情報を、無線端末500−1の端末識別情報と共に端末移動検出部140に送信する。
【0075】
続いて、本実施の形態における端末移動検出部140の処理に関して、図13のフローチャートを参照して詳細に説明する。
【0076】
本実施の形態における端末移動検出部140は、端末情報取得部160からの通知を取得することにより、その処理が開始される(ステップB1401)。
【0077】
ステップB140で端末情報取得部160からの通知を取得すると、次に端末情報記憶部150を検索し、ステップB1401で取得した無線端末500−1のエントリに登録されている位置取得基地局情報151−4と更新された周辺基地局情報151−5等を取得する。
【0078】
次にステップB1403において、取得した更新後の周辺基地局情報の中に、位置取得基地局情報と同一の基地局情報が含まれているかどうかを確認する(ステップB1403)。ここで、端末情報記憶部150から取得した更新後の周辺基地局情報の中に通知された位置取得基地局情報と同一のものが含まれている場合には、端末移動とは判断せずに処理を終了する。
【0079】
一方、含まれていない場合には、端末移動と判断し、ステップB1404に進み、無線端末500−1が移動したことを、端末識別情報と共に位置検出処理部130に通知する。また、端末情報記憶部150の無線端末500−1の位置取得基地局情報151−4を、ステップB4で取得した変化後の接続基地局情報に更新する。
【0080】
尚、以上の説明においては、無線端末500−1が接続基地局を変更した際に、変更(変化)後の無線端末が元々接続していた無線基地局と通信(センシング)不可能になったかどうかの判断を、全て測位サーバ100側で行う例について示したが、本実施形態では、この判断を無線端末500−1側で行う方法でもよい。具体的には、無線端末が、元々接続していた無線基地局と、接続変更後に通信(センシング)不可能になったかどうかの判断を無線端末500−1側で行い、元々接続していた無線基地局と通信できずに端末移動と判断できる場合に、新規の接続基地局情報と共に無線端末500−1が移動したことを示す通知を測位サーバ100に通知し、それを受信した測位サーバ100は、端末移動と判断し、位置情報更新処理を行うといった方法も適用可能である。
【0081】
上述の通り、第2の実施形態では、無線端末が接続基地局を変更した場合に、元々接続していた無線基地局からの信号を、接続変更後にこの無線端末で取得できるかどうかを確認することによって、無線端末の移動の有無を判断する。接続変更後にこの無線端末が元々接続していた無線基地局からの信号を取得できない場合、この無線端末が移動したと判断することとしている。
【0082】
また、上記処理を測位サーバ側で行った場合は、端末移動に関わる処理を測位サーバ側で集中して行う為、端末側の処理を単純化できるという効果と、端末側で保持する情報量を少なく出来るという効果を奏する。逆に端末側で上記処理を行った場合は、処理負荷の分散化が図れるので、測位サーバ側での処理が単純化できるという効果と、端末の情報記憶部で保持する情報量が少なくて済むという効果を奏する。
【0083】
また、本実施形態では、無線基地局や無線端末の負荷分散制御部が、外部に対して負荷分散実施の有無の情報を提供するためのインタフェースを保有していない無線システムの場合でも、適用できる。
【0084】
次に、本発明の第3の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0085】
本発明の第3の実施形態は、個々の無線基地局について、カバーエリアが重なる他の無線基地局を隣接基地局として予め登録しておき、この隣接基地局以外に無線端末の接続基地局が変化した場合に、端末移動と判断することを特徴とする。
【0086】
まず、図14に本実施例における端末情報記憶部150の構成例を示す。第1の実施形態で示した図6の端末情報記憶部150の構成例に加え、図14の端末情報記憶部150の構成例では、無線端末が移動した場合に現在接続中の無線基地局に接続される前に接続していた無線基地局、すなわち、無線端末が前回位置情報取得に用いた無線基地局の情報である位置取得基地局情報152−4が追加されている。
【0087】
図15に本実施形態における無線基地局設置位置データベース部120の構成例を示す。本発明の第1の実施形態で示した図5の無線基地局設置位置データベース部120の構成例に加え、図15の無線基地局設置位置データベース部120の構成例では隣接基地局情報122−5A、122−5B、122−5Cが追加されている。この隣接基地局情報とは、無線端末が、ある特定の無線基地局のカバーエリア内に存在する場合に、そこからハンドオーバ可能な他の無線基地局を、この無線基地局の隣接基地局情報として予め登録するものである。図15の例において122-Bのエントリに関して説明すると、無線基地局“AABBCCDDEE11”に接続している無線端末が、無線基地局“AABBCCDDEE11”のカバーエリア内からハンドオーバ可能な無線基地局情報は、隣接基地局情報1,2より、“AABBCCDDEE03”及び、“AABBCCDDEEFF”で示される無線基地局であることが分かる。
【0088】
次に本実施の形態における全体の動作フローについて、図16を参照して詳細に説明する。図16で示した全体動作フローにおいて、ステップC0からC2までの処理は、第1の実施形態におけるステップA0からA2までの処理と同一である。
【0089】
測位サーバ100の端末情報取得部160は、ステップC2で端末情報記憶部150を検索/更新し、端末情報記憶部150に登録済みの無線端末500−1の接続基地局情報と位置取得基地局情報を取得する(ステップC3)。即ち、ステップC1で無線端末から測位サーバの端末情報取得部160へ接続基地局情報が端末識別情報と共に通知されると、端末情報取得部160はステップC2で端末識別情報を元に端末情報記憶部150を検索し、この無線端末の「接続基地局情報」と「位置取得基地局情報」とを取得する。また、この後に端末情報記憶部150に登録されていた「接続基地局情報」をステップC1で取得した接続基地局情報に更新する。
【0090】
次に端末情報取得部160は、新規に取得した無線端末500−1の接続基地局情報と、既に端末情報記憶部150に登録済みの接続基地局情報とを比較し、同一であれば、ここで処理を終了する。異なっていれば、接続基地局変更と判断し、ステップC1で取得した新規の接続基地局情報と、ステップC3で取得した元々端末情報記憶部150に登録されていた位置取得基地局情報を、無線端末500−1の識別情報と共に端末移動検出部140に通知する(ステップC4)。
【0091】
ステップC4でこれらの基地局情報の通知を受けた端末移動検出部140は、次に無線基地局設置位置データベース部120から、ステップC4で取得した位置取得基地局情報の隣接基地局情報を検索する(ステップC5、C6)。具体的には、位置取得基地局情報(MACアドレス等)をキーとして、無線基地局設置位置データベース120の「固有情報」122−1の中に一致するMACアドレス等があったときに、そのエントリの「隣接基地局情報」を抽出する。
【0092】
そして、ステップC6で取得した隣接基地局情報に、ステップC4で取得した接続基地局情報が含まれていない場合に、端末移動と判断する。理由は以下の通りである。現在の接続基地局が、位置取得基地局(移動前に接続していた基地局)の隣接基地局の何れとも異なるということは、無線端末が位置取得基地局の隣接基地局を超えて他の基地局と接続したこととなる。よって、この場合は、本実施形態における無線端末が移動したことの定義と合致する。すなわち、元々接続していた無線基地局の隣接基地局以外に無線端末が接続したことになるので、無線端末が移動したと判断する。
【0093】
一方、ステップC6で取得した隣接基地局情報に、ステップC4で取得した新規の接続基地局情報が含まれている場合には、端末移動とは判断せずにここで処理を終了する(ステップC7)。換言すると、接続基地局が変更されていても、変化後の無線端末が元々接続していた基地局の隣接基地局と接続している場合には、端末移動とは判断せず、負荷分散処理等の結果、接続する無線基地局が変更されたものと判断する。
【0094】
ステップC7で端末移動と判断した場合、次に端末移動検出部140は、ステップC8で無線端末500−1が移動したことを端末識別情報と共に位置検出処理部130に通知する(ステップC8)。また、端末移動検出部140は、端末情報記憶部150における無線端末500−1の位置取得基地局情報152−4を、ステップC4で取得した新規に接続した接続基地局情報に更新する(ステップC9)。
【0095】
尚、ステップC8において端末移動通知を受信した後に位置検出処理部130が行う処理は、第1の実施形態におけるステップA9、A10、A11の処理と同一となるため、その説明を省略する。
【0096】
続いて、本実施の形態における端末情報取得部160の処理に関して、図17のフローチャートを参照して詳細に説明する。
【0097】
本実施の形態における端末情報取得部160は、図16のステップC1で無線端末500−1からの新規の接続基地局情報と、端末識別情報の通知を取得することにより、その処理が開始される(ステップC1601)。
【0098】
ステップC1601で無線端末500−1からの通知を取得すると、次に端末情報取得部160は、端末情報記憶部150を検索/更新し、端末情報記憶部150に登録済みの無線端末500−1の接続基地局情報と位置取得基地局情報を取得する(ステップC1602)。
【0099】
次に端末情報取得部160は、ステップC1603において、新規に取得した無線端末500−1の接続基地局情報と、既に端末情報取記憶部150に登録済みの接続基地局情報とを比較する。ここで、これらの基地局情報が同一であれば、ここで処理を終了する。異なっていれば接続基地局変更と判断し、ステップC1604の処理に進む。
【0100】
ステップC1604では、ステップC1601で取得した新規の接続基地局情報と、ステップC1602で取得した元々端末情報記憶部150に登録されていた位置取得基地局情報を、無線端末500−1の端末識別情報と共に端末移動検出部140に通知する。
【0101】
続いて、本実施の形態における端末移動検出部140の処理に関して、図18のフローチャートを参照して詳細に説明する。
【0102】
本実施の形態における端末移動検出部140は、図16のステップC4における端末情報取得部160からの通知を取得することにより、その処理が開始される(ステップC1401)。
【0103】
ステップC4でこれらの基地局情報の通知を受けた端末移動検出部140は、次に無線基地局設置位置データベース部120から、ステップC1401で取得した位置取得基地局情報の隣接基地局情報を検索する(ステップC1402)。
【0104】
そして、このステップC1402で取得した隣接基地局情報に、ステップC1401で取得した新規の基地局情報が含まれているかどうかを確認する(ステップC1403)。ここで、ステップC1402で取得した隣接基地局情報に、ステップC1401で取得した新規接続の基地局情報が含まれている場合には、端末移動とは判断せずにここで処理を終了する。一方、含まれていない場合には、端末移動と判断し、次のステップC1404の処理に進む。
【0105】
ステップ1404では、無線端末500−1が移動したことを端末識別情報と共に位置検出処理部130に通知すると共に、端末情報記憶部150における無線端末500−1の位置取得基地局情報を、ステップC1401で取得した、新規接続の基地局情報に更新する。
【0106】
上述の通り、第3の実施形態では、無線端末が接続基地局を変更した場合に、変更後の無線端末が、元々接続していた無線基地局からハンドオーバ可能な無線基地局(隣接基地局)を超えて隣接基地局以外の無線基地局に接続した場合に無線端末が移動したと判断することとしている。
【0107】
本実施形態は、無線基地局や無線端末の負荷分散制御部が、外部に対して負荷分散実施の有無の情報を提供するためのインタフェースを保有していない無線システムの場合でも、適用できる。
【0108】
また、無線端末が元々接続していた無線基地局と完全に通信できなくなる距離まで移動しなくても、ある程度離れた位置(隣接基地局より離れた状態)まで移動してしまえば、端末が移動したと判断するので、端末移動の判断をより速く行うことが可能となる。
【0109】
次に、本発明の第4の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0110】
本実施形態は、無線端末の接続基地局が変化した場合に、元々接続していた基地局の電波強度の変化を見ることにより、負荷分散制御による接続基地局の変化か、無線端末が移動したことによる接続基地局の変化かを判断することを特徴とする。
【0111】
まず、図19に本実施の形態における端末情報記憶部150の構成例を示す。図19に示すように接続基地局情報とともに、接続基地局の電波強度を記録するパラメータが追加された点が、図6で示した第1の実施形態における端末情報記憶部150の構成例と異なる部分である。
【0112】
次に本実施の形態における全体の動作フローについて、図20を参照して詳細に説明する。
【0113】
まず、図20のステップD0において、第1の実施形態のステップA0と同様に、無線端末500−1と無線基地局400−1の間で、負荷分散処理か、端末の移動に伴うハンドオーバ処理に伴う接続基地局の変更処理が行われる。
【0114】
次に、無線端末500−1は接続基地局管理部520において、現在接続中の基地局情報である接続基地局情報と、接続基地局を変更する前に接続していた基地局情報である前接続基地局情報及び、現在接続中の基地局からの電波強度と、接続基地局変更後の前接続基地局からの電波強度を、端末識別情報と共に測位サーバ100に通知する(ステップD1)。尚、このステップD1の処理は、ステップD0の処理とは関係なく周期的に行われる場合もあれば、無線基地局への接続を開始した場合や接続基地局が変化した場合に行われる場合もある。
【0115】
また、それぞれの電波強度の測定時は、例えば、測位サーバ100への通知時点とすることができる。
【0116】
次に、測位サーバ100側では、端末情報取得部160において無線端末500−1からの無線端末500−1の識別情報と、接続基地局情報、前接続基地局情報及びこれらの基地局からの電波強度を受信する。そして、端末情報記憶部150を検索し、無線端末500−1のエントリに登録されている接続基地局情報および電波強度を取得する(ステップD2,D3)。
【0117】
次に、接続基地局の変更の有無を判断し、接続基地局が変化している場合には、無線端末500−1の端末識別情報と、ステップD3で端末情報記憶部150から取得した接続基地局情報の電波強度と、ステップD1で無線端末500−1から通知された前接続基地局情報の電波強度を端末移動検出部140に送信する(ステップD4)。但し、接続基地局が変化していないと判断される場合にはステップD4の処理は行わない。
【0118】
そして端末情報取得部160は、端末情報記憶部150における無線端末500−1のエントリの接続基地局情報および電波強度を、ステップD1で無線端末500−1から通知された現在接続中の接続基地局情報とその電波強度に更新する(ステップD5)。
【0119】
ステップD4で接続基地局の変化を検出し、端末情報取得部160からの通知を受信した端末移動検出部140では、ステップD1で無線端末500−1から通知された前接続基地局情報の電波強度と、ステップD3で端末情報記憶部150から取得した接続基地局情報の電波強度を比較し、ステップD3で取得した(接続基地局変更前の)電波強度よりステップD1で取得した(接続基地局変更後の)同一基地局からの最新の電波強度が低下していた場合に、無線端末500−1が移動したものと判断し、位置検出処理部140に端末移動通知を送信する。但し、電波強度が低下していない場合には端末移動とは判断しないで、端末移動通知も行わない(ステップD6、D7)。
【0120】
また、この端末移動の判断方法については、電波強度の低下幅が一定値以上の場合に無線端末500−1が移動したものと判断するように、電波強度の変化の大きさに一定の幅をもうけても良い。
【0121】
このような移動判断が可能な理由は以下の通りである。
【0122】
端末情報記憶部150に記憶されている無線端末500−1のエントリに対応する接続基地局情報の電波強度は、基地局変化を認識して端末移動検出部140に端末移動判断処理を移した後に更新されるので、端末移動検出部140における端末移動判断処理で使用する端末情報記憶部150の情報は更新前の情報である。つまり、端末情報記憶部150に記憶されている電波強度は、基地局変更前の時点における変更前の接続基地局からの電波強度である。
【0123】
それに対して、無線端末500−1から通知された前接続基地局の電波強度は、その同じ基地局の基地局変更後の時点における電波強度である。
【0124】
そのため、無線端末500−1が移動していないにもかかわらず、接続する基地局が負荷分散処理等によって変更された場合には、両電波強度に変化はなく、一方、無線端末500−1の移動に起因して接続する基地局が変更された場合には、両電波強度には差が出てくるからである。
【0125】
尚、ステップD7において端末移動通知を受信した後に位置検出処理部130が行う処理は、第1の実施形態におけるステップA9、A10、A11の処理と同一となるため、その説明を省略する。
【0126】
続いて、本実施形態における端末情報取得部160の処理に関して、図21のフローチャートを参照して詳細に説明する。
【0127】
本実施形態における端末情報取得部160は、図20のステップD1において、無線端末500−1からの端末識別情報と、接続基地局情報、前接続基地局情報及びこれらの基地局からの電波強度を受信することにより、その処理が開始される(ステップD1601)。
【0128】
次に、ステップD1602において、端末情報記憶部150を検索し、無線端末500−1のエントリに登録されている接続基地局情報および電波強度を取得する(ステップD1602)。
【0129】
そして、ステップD1603において、接続基地局が変化していないかどうかを確認する。変化していない場合にはステップD1604の処理を省略し、ステップD1605に進む。
【0130】
一方、接続基地局が変化している場合には、ステップD1604に進み、無線端末500−1の端末識別情報と、ステップD1602で端末情報記憶部150から取得した接続基地局情報の電波強度と、ステップD1601で無線端末500−1から通知された前接続基地局情報の電波強度を端末移動検出部140に送信する。
【0131】
次にステップD1605では端末情報記憶部150における無線端末500−1の該当エントリの接続基地局情報153−2および電波強度153−3を、ステップD1601で取得した新規の接続基地局情報およびその電波強度に更新する。
【0132】
続いて、本実施の形態における端末移動検出部140の処理に関して、図22のフローチャートを参照して詳細に説明する。
【0133】
本実施の形態における端末移動検出部140は、図20のステップD4において、端末情報取得部160からの通知を受信することによって、その処理が開始される(ステップD1401)。
【0134】
次に、ステップD1402において、ステップD1401で取得した無線端末500−1の前接続基地局の電波強度と、端末情報記憶部150から取得した接続基地局情報の電波強度を比較する。ここで、無線端末500−1から取得した前接続基地局の電波強度が、端末情報記憶部150から取得した接続基地局情報の電波強度より低下しているかどうかを確認する(ステップD1402)。ここで比較する電波強度は、同一の無線基地局に対し、その接続変更前と変更後における電波強度となる。したがって、電波強度が低下していることを確認した場合には、無線端末500−1が移動したものと判断し、ステップD1403の処理に進む。また、この端末移動の判断方法については、電波強度の低下幅が一定値以上の場合に無線端末500−1が移動したものと判断するように、電波強度の変化の大きさに一定の幅をもうけても良い。
【0135】
ステップD1403では、位置検出処理部130に端末移動通知を送信し、処理を終了する。一方、ステップD1402で、電波強度の(一定値以上の)低下が確認できない場合には、端末移動とは判断しないで、ステップD1403の処理を省略し、処理を終了する。
【0136】
上述の通り、第4の実施形態では、無線端末が接続基地局を変更した場合に、変更前の無線基地局からの変更前の時点における電波強度と変更後の時点における電波強度とを比較する。そして、変更後の時点における電波強度が変更前の時点における電波強度より低下している場合に、無線端末が移動したと判断することとしている。
【0137】
尚、上述の説明においては、無線端末が接続基地局を変更した際に、元々接続していた無線基地局の電波強度の変化を見る処理を、全て測位サーバ側で行う例について示したが、この処理を無線端末側で行う方法も適用可能である。
【0138】
以上説明したとおり、本発明では、第1〜第4の実施形態に記載した各種手法を用いて、無線端末が接続する無線基地局が変更した場合に、その変更が、無線端末の移動に起因するものであるのか又は負荷分散処理等に起因するものであるかを判断する、すなわち、接続基地局の変更の要因を求めるものである。
【0139】
また、上述の説明では、無線端末および測位サーバでの処理はハードウェア的に実現されるように記載したが、これらの処理はプログラムによって実現しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0140】
【図1】本発明のシステム構成例を示す図である。
【図2】本発明の無線端末の構成例を示す図である。
【図3】本発明の無線基地局の構成例を示す図である。
【図4】本発明の測位サーバの構成例を示す図である。
【図5】本発明の第1の実施形態の無線基地局設置位置データベース部の構成例を示す図である。
【図6】本発明の第1の実施形態の端末情報記憶部の構成例を示す図である。
【図7】本発明の第1の実施形態における全体動作を示すシーケンスチャートである。
【図8】本発明の第1の実施形態の端末情報取得部の動作フローを示す図である。
【図9】本発明の第1の実施形態の端末移動検出部の動作フローを示す図である。
【図10】本発明の第2の実施形態の端末情報記憶部の構成例を示す図である。
【図11】本発明の第2の実施形態における全体動作を示すシーケンスチャートである。
【図12】本発明の第2の実施形態の端末情報取得部の動作フローを示す図である。
【図13】本発明の第2の実施形態の端末移動検出部の動作フローを示す図である。
【図14】本発明の第3の実施形態の端末情報記憶部の構成例を示す図である。
【図15】本発明の第3の実施形態の無線基地局設置位置データベース部の構成例を示す図である。
【図16】本発明の第3の実施形態における全体動作を示すシーケンスチャートである。
【図17】本発明の第3の実施形態の端末情報取得部の動作フローを示す図である。
【図18】本発明の第3の実施形態の端末移動検出部の動作フローを示す図である。
【図19】本発明の第4の実施形態の端末情報記憶部の構成例を示す図である。
【図20】本発明の第4の実施形態における全体動作を示すシーケンスチャートである。
【図21】本発明の第4の実施形態の端末情報記憶部の構成例を示す図である。
【図22】本発明の第4の実施形態の端末移動検出部の動作フローを示す図である。
【符号の説明】
【0141】
100 測位サーバ
200 アプリケーションサーバ
300 ネットワーク
400−1、400−2 無線基地局
500−1、500−2、500−3 無線端末
【出願人】 【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
【出願日】 平成18年9月4日(2006.9.4)
【代理人】 【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦

【識別番号】100124154
【弁理士】
【氏名又は名称】下坂 直樹

【識別番号】100111637
【弁理士】
【氏名又は名称】谷澤 靖久


【公開番号】 特開2008−61199(P2008−61199A)
【公開日】 平成20年3月13日(2008.3.13)
【出願番号】 特願2006−239001(P2006−239001)