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【発明の名称】 移動通信システム及びその周波数割り当て方法並びにそれに用いる基地局
【発明者】 【氏名】九村 正行

【要約】 【課題】移動通信システムにおいて、隣接セル間の干渉を回避しつつ周波数利用効率を高めた周波数割り当て方式を提供する。

【構成】所定周波数帯域内の複数の周波数を、基地局が自セル内の複数の移動局に対してそれぞれ割り当てるようにした移動通信システムにおける周波数割り当て方法において、基地局において、自セル内における移動局の位置及び隣接基地局の周波数割り当て状況に基づいて周波数割り当てをなす。すなわち、移動局がセルの中央付近に位置する場合、隣接基地局における割り当て周波数と同一周波数を移動局に割り当て(ステップS3,S5)、移動局が隣接基地局とのセル境界付近に位置する場合、隣接基地局における割り当て周波数を回避して周波数割り当てをなす(ステップS3,S4)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定周波数帯域内の複数の周波数を、基地局が自セル内の複数の移動局に対してそれぞれ割り当てるようにした移動通信システムであって、
前記基地局において、
前記セル内における前記移動局の位置及び隣接基地局の周波数割り当て状況に基づいて周波数割り当てをなす手段を含むことを特徴とする移動通信システム。
【請求項2】
前記手段は、前記移動局が前記隣接基地局とのセル境界付近ではない位置に位置する場合、前記隣接基地局における割り当て周波数と同一周波数を、前記移動局に割り当てることを特徴とする請求項1記載の移動通信システム。
【請求項3】
前記手段は、前記移動局が前記隣接基地局とのセル境界付近に位置する場合、前記隣接基地局における割り当て周波数を回避して、前記移動局に周波数割り当てをなすことを特徴とする請求項1記載の移動通信システム。
【請求項4】
前記移動局の位置は、GPS(Global Positioning System )機能により取得されたものであることを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の移動通信システム。
【請求項5】
前記移動局の位置は、通信中の前記基地局及び前記隣接基地局からそれぞれ一定電力で送信される下り信号の受信信号レベルまたはパスタイミングに応じて取得されたものであることを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の移動通信システム。
【請求項6】
所定周波数帯域内の複数の周波数を、基地局が自セル内の複数の移動局に対してそれぞれ割り当てるようにした移動通信システムにおける周波数割り当て方法であって、
前記基地局において、
前記セル内における前記移動局の位置及び隣接基地局の周波数割り当て状況に基づいて周波数割り当てをなすステップを含むことを特徴とする周波数割り当て方法。
【請求項7】
前記ステップは、前記移動局が前記隣接基地局とのセル境界付近ではない位置に位置する場合、前記隣接基地局における割り当て周波数と同一周波数を、前記移動局に割り当てるステップを有することを特徴とする請求項6記載の周波数割り当て方法。
【請求項8】
前記ステップは、前記移動局が前記隣接基地局とのセル境界付近に位置する場合、前記隣接基地局における割り当て周波数を回避して、前記移動局に周波数割り当てをなすステップを有することを特徴とする請求項6記載の周波数割り当て方法。
【請求項9】
前記移動局の位置は、GPS(Global Positioning System )機能により取得されたものであることを特徴とする請求項6〜8いずれか記載の周波数割り当て方法。
【請求項10】
前記移動局の位置は、通信中の前記基地局及び前記隣接基地局からそれぞれ一定電力で送信される下り信号の受信信号レベルまたはパスタイミングに応じて取得されたものであることを特徴とする請求項6〜8いずれか記載の周波数割り当て方法。
【請求項11】
所定周波数帯域内の複数の周波数を、自セル内の複数の移動局に対してそれぞれ割り当てるようにした基地局であって、前記セル内における前記移動局の位置及び隣接基地局の周波数割り当て状況に基づいて周波数割り当てをなす手段を含むことを特徴とする基地局。
【請求項12】
前記手段は、前記移動局が前記隣接基地局とのセル境界付近ではない位置に位置する場合、前記隣接基地局における割り当て周波数と同一周波数を、前記移動局に割り当てることを特徴とする請求項11記載の基地局。
【請求項13】
前記手段は、前記移動局が前記隣接基地局とのセル境界付近に位置する場合、前記隣接基地局における割り当て周波数を回避して、前記移動局に周波数割り当てをなすことを特徴とする請求項11記載の基地局。
【請求項14】
所定周波数帯域内の複数の周波数を、自セル内の複数の移動局に対してそれぞれ割り当てるようにした基地局の動作をコンピュータにより実行させるためのプログラムであって、前記セル内における前記移動局の位置及び隣接基地局の周波数割り当て状況に基づいて周波数割り当てをなす処理を含むことを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は移動通信システム及びその周波数割り当て方法並びにそれに用いる基地局に関し、特に直交周波数分割多重(OFDM:Orthogonal Freqency Division Multiplexing )伝送方式の移動通信システムにおける周波数割り当て方式に関するものである。
【背景技術】
【0002】
無線帯域を複数の移動局で共有して通信を行うパケット通信方式には、3GPP(3rd Generation Partnership Project)にて標準化が行われているHSDPA(High Speed Downlink Packet Access )や、LTE(Long Term Evolution )といった方式のものがある。後者のLTEの下り回線のアクセス方式には、CDMA(Code Division Multiplexing Access :符号分割多重接続)方式ではないOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)方式が検討されている。
【0003】
このOFDM方式では、システムに割り当てられている無線帯域を複数の小さな無線帯域(Resource Block:RB)に分割しておき、基地局はRB毎に1つの移動局を割り当てることにより、周波数分割を実現するようになっている。以下では、このRBをキャリア(またはサブキャリアブロック)と称する。
【0004】
このようなOFDM方式の通信システムでは、隣接セルとの境界付近に位置する移動局は、受信するキャリア(またはサブキャリアブロック)が隣接セルの基地局で使用されているキャリア(またはサブキャリアブロック)と一致した場合に、隣接セルからの強力な干渉を受けることになる。この様な事態を避けるためには、隣接する基地局間で、使用するキャリア(またはサブキャリアブロック)の情報をやりとりして、互いに使用するキャリア(またはサブキャリアブロック)が重複しないように制御を行うことが考えられる。
【0005】
なお、特許文献1を参照すると、システムに割り当てられている無線帯域を、予め4つのグループに分割しておき、互いに隣接するセル間の境界付近の移動局には、4つのグループのうちの3つのグループの各々を、互いに干渉し合わないように予め固定的に割り当て、各セルの中央付近に位置する移動局には、4つのグループのうちの残りの一つのグループを割り当てるようにして、干渉を防止した技術が開示されている。
【0006】
【特許文献1】特開2004−159345号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前述したような、隣接する基地局間で、使用するキャリア(またはサブキャリアブロック)の情報をやりとりして、互いに使用するキャリア(またはサブキャリアブロック)が重複しないように制御する方式では、以下のような問題がある。すなわち、隣接セルからの強い干渉を受ける度合いが高いのは、同一キャリア(またはサブキャリアブロック)が割り当てられた隣接セルとの境界に位置する移動局であり、それ以外の場所に位置する移動局は、干渉隣接セルから遠い場所に位置する(セル中央付近に位置する)ものであるから、干渉の度合いは低いことになる。それにもかかわらず、一律に使用するキャリア(またはサブキャリアブロック)が重複しないように制御すると、使用しても差しつかえのないキャリア(またはサブキャリアブロック)が利用できないことになり、移動通信システム全体として、周波数の利用効率の低下を招来するという問題がある。
【0008】
また、特許文献1の技術では、セルの境界やセルの中央付近などに予め固定的に割り当てられているグループの周波数を、移動局の位置に応じて割り当てるようになっているので、柔軟な周波数の利用ができないという問題がある。
【0009】
本発明の目的は、隣接セル間の干渉を回避しつつ周波数利用効率を高く維持して柔軟な周波数割り当てが可能な移動通信システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明による通信システムは、所定周波数帯域内の複数の周波数を、基地局が自セル内の複数の移動局に対してそれぞれ割り当てるようにした移動通信システムであって、前記基地局において、前記セル内における前記移動局の位置及び隣接基地局の周波数割り当て状況に基づいて周波数割り当てをなす手段を含むことを特徴とする。
【0011】
本発明による周波数割り当て方法は、所定周波数帯域内の複数の周波数を、基地局が自セル内の複数の移動局に対してそれぞれ割り当てるようにした移動通信システムにおける周波数割り当て方法であって、前記基地局において、前記セル内における前記移動局の位置及び隣接基地局の周波数割り当て状況に基づいて周波数割り当てをなすステップを含むことを特徴とする。
【0012】
本発明による基地局は、所定周波数帯域内の複数の周波数を、自セル内の複数の移動局に対してそれぞれ割り当てるようにした基地局であって、前記セル内における前記移動局の位置及び隣接基地局の周波数割り当て状況に基づいて周波数割り当てをなす手段を含むことを特徴とする。
【0013】
本発明によるプログラムは、所定周波数帯域内の複数の周波数を、自セル内の複数の移動局に対してそれぞれ割り当てるようにした基地局の動作をコンピュータにより実行させるためのプログラムであって、前記セル内における前記移動局の位置及び隣接基地局の周波数割り当て状況に基づいて周波数割り当てをなす処理を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、隣接セル間の干渉の度合いが低い移動局に対しては、隣接セルと重なるキャリア(またはサブキャリアブロック)を割り当てるようにすることによって、移動通信システム全体として、周波数利用効率を高く維持することができ、また柔軟な周波数割り当てが可能になるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下に図面を用いて本発明の実施例について説明する。図1は本発明の一実施例の原理を説明する図である。図1において、基地局1と基地局2とはセルC1とセルC2とをそれぞれカバーしている。基地局1は隣接する基地局2との間で回線L1−2を介して情報のやりとりが可能であるものとする。移動局11及び12はセルC1内に位置しており、移動局11は隣接セルC2との境界付近に位置し、移動局12は隣接セルC2からは離れて位置している。そして、各移動局11,12には、内部に、それぞれGPS(Global Positioning System )機能G11,G12が搭載されているものとする。移動局21はセルC2内に位置しており、GPS機能G21を有している。
【0016】
基地局1は回線L1−2を介して基地局2のキャリア(以下、キャリアはサブキャリアブロックを意味することもある)割り当て及び使用状況の情報を常に得ているものとする。移動局11,12は内部にGPS機能G11,G12をそれぞれ有しているので、移動局自身の位置情報を得ることができ、この位置情報を、通信を行っている基地局1へ伝えるようになっている。
【0017】
基地局1では、基地局2からのキャリアの割り当て及び使用状況と、自セル配下に存在する各移動局の位置情報とに基づいて、各移動局に対して次のようにキャリアの割り当てを行う。例えば、移動局11のように、基地局2のセルC2との境界付近に位置する場合には、基地局2で使用されるキャリアは回避して割り当てを行い、移動局12のように、基地局2のセルC2から離れている場合には(基地局1のセルC1の中央付近に位置する場合には)、基地局2において使用されているキャリアであっても、割り当てを行う。こうすることにより、隣接セル間の干渉の度合いが低い移動局に対しては、隣接セルと重なるキャリアを割り当てることができるために、システム全体として、周波数の有効利用が図れるのである。
【0018】
図2は本発明の一実施例による基地局の機能ブロック図である。図2を参照すると、無線通信部101は自身のセル内に存在する移動局との通信をなすものであり、基地局間通信部102は隣接する基地局との通信をなすものである。移動局位置検出部103は自身のセル内に存在する移動局のGPS機能による位置情報を取得して、各移動局の位置検出をなすものである。キャリア割り当て部104は、移動局位置検出部103により検出された各移動局の位置に応じて、また基地局間通信部102により得られた隣接基地局のキャリア割り当て及び使用状況に応じて、各移動局に対するキャリア割り当てをなすものである。
【0019】
制御部105は各部101〜104の制御を行うものであり、CPU(コンピュータ)からなる。メモリ106はCPU105の作業用メモリであると共に、CPUの動作制御手順を予めプログラムとして格納したメモリでもある。
【0020】
図3は本発明の一実施例の動作を示すフローチャートであり、図2に示した基地局の動作フローである。図3を参照すると、隣接基地局のキャリアの割り当て及び使用状況を、基地局間通信部102より取得して把握する(ステップS1)。そして、自セル内に位置する移動局の位置を無線通信部101により取得して把握する(ステップS2)。キャリア割り当て部104において、隣接セルとのセル境界に位置する移動局に対しては、隣接基地局で使用されているキャリアを回避してキャリアの割り当てを行う。セル境界に位置しない移動局に対しては、隣接基地局で使用されているキャリアを割り当てる(ステップS5)。このキャリア割り当て状態やキャリア使用状況は、隣接基地局に対して通知されることになる(ステップS6)。そして、再び、ステップS1〜S6の動作が繰り返されるものである。
【0021】
本発明の他の実施例として、その基本構成は先の実施例のとおりであるが、移動局の位置情報を得る手段として、GPS機能を用いる代りに、移動局での基地局からの下り受信信号レベルやパスタイミングを用いることもできる。図4はこの場合のシステム構成図であり、図1と同等部分は同一符号により示している。
【0022】
本例においても、基地局1と基地局2とはセルC1とセルC2とをそれぞれカバーしており、基地局1は隣接基地局2との間において、回線L1−2を介して情報のやりとりが可能であり、基地局2におけるキャリア割り当て及び使用状況の情報を常に得ている。また、移動局11及び12はセルC1内に位置するが、移動局11は隣接セルC2との境界付近に位置し、移動局12は基地局1の近くに位置している。
【0023】
移動局11,12は、共に、基地局1及び基地局2から送出される下り信号のうち、一定電力で送出されるチャネルの受信信号レベルを基地局1へそれぞれ報告する。または、基地局1及び基地局2から送出される下り信号のパスタイミングの情報を基地局1にそれぞれ報告する。
【0024】
基地局1においては、これら各移動局からの報告によって、基地局1及び基地局2と移動局11,12との各距離を推定する。例えば、移動局11からの基地局1と基地局2との受信信号レベルに基づいて、両者の差を検出し、その差が小さければ、移動局11はセル境界付近に位置すると判断でき、逆にその差が大きければ、移動局11はセル中央、すなわち、基地局1の近くに位置すると判断できる。下り信号のパスタイミングを用いる場合には、パスタイミングの差が小さければ、移動局はセル境界付近に位置し、その差が大きければ、基地局の近くに位置すると判断できることになる。
【0025】
図4に示す如く、移動局11のように、基地局2のセルC2との境界付近に位置する場合には、基地局2で使用されるキャリアは回避してキャリア割り当てを行い、移動局12のように、基地局2のセルC2から離れている場合には、基地局2で使用されているキャリアであっても割り当てを行うことになる。
【0026】
上述した各実施例における基地局の動作は、その動作手順をプログラムとしてROMなどの記録媒体に格納しておき、これをコンピュータ(CPU)により読み取らせて実行させるように構成できることは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の一実施例の原理を説明するためのシステム図である。
【図2】本発明の一実施例の基地局のブロック図である。
【図3】本発明の一実施例の動作を示すフローチャートである。
【図4】本発明の他の実施例の原理を説明するためのシステム図である。
【符号の説明】
【0028】
1,2 基地局
11,12,21 移動局
101 無線通信部
102 基地局間通信部
103 移動局位置検出部
104 キャリア割り当て部
105 制御部(CPU)
106 メモリ
C1,C2 セル
G11,G12,G21 GPS機能
【出願人】 【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
【出願日】 平成18年8月16日(2006.8.16)
【代理人】 【識別番号】100088812
【弁理士】
【氏名又は名称】▲柳▼川 信


【公開番号】 特開2008−48148(P2008−48148A)
【公開日】 平成20年2月28日(2008.2.28)
【出願番号】 特願2006−221736(P2006−221736)