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【発明の名称】 チャネル割当方法およびそれを利用した基地局装置
【発明者】 【氏名】甲村 真裕美

【要約】 【課題】ハンドオーバ先でのチャネルの割当を迅速に実行したい。

【構成】無線部20等は、アンテナ12bを介して、チャネルが割り当てられた端末装置に対して、無線通信を実行する。制御部26は、無線通信を現在実行していない端末装置、および当該端末装置と無線通信を現在実行している基地局装置のいずれかから送信された信号であって、かつハンドオーバの開始要求が含まれた信号を取得する。制御部26は、信号を取得すると、無線通信に現在使用していないチャネルを予約する。制御部26は、チャネルを予約してから一定の期間以内に、チャネルの割当要求信号を新たな端末装置から受信した場合、当該端末装置に対して、予約したチャネルを割り当てる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
チャネルが割り当てられた端末装置に対して、無線通信を実行する通信部と、
前記通信部において無線通信を現在実行していない端末装置、および当該端末装置と無線通信を現在実行している基地局装置のいずれかから送信された信号であって、かつハンドオーバの開始要求が含まれた信号を取得する取得部と、
前記取得部が信号を取得すると、前記通信部が無線通信に現在使用していないチャネルを予約する制御部とを備え、
前記制御部は、チャネルを予約してから一定の期間以内に、前記通信部がチャネルの割当要求信号を新たな端末装置から受信した場合、当該端末装置に対して、予約したチャネルを割り当てることを特徴とする基地局装置。
【請求項2】
アンテナと、
前記アンテナを介して、チャネルが割り当てられた端末装置に対して、無線通信を実行する通信部と、
前記通信部において無線通信を現在実行していない端末装置、および当該端末装置と無線通信を現在実行している基地局装置のいずれかから送信された信号であって、かつハンドオーバの開始要求が含まれた信号を取得する取得部と、
前記取得部が信号を取得すると、前記通信部が無線通信に現在使用していないチャネルを予約する制御部とを備え、
前記制御部は、チャネルを予約してから一定の期間以内に、前記通信部がチャネルの割当要求信号を新たな端末装置から受信した場合、当該端末装置に対して、予約したチャネルを割り当てることを特徴とする基地局装置。
【請求項3】
前記制御部における一定の期間は、接続元の基地局装置から接続先の基地局装置へ端末装置が接続を切りかえるために要すべき期間をもとに予め規定されていることを特徴とする請求項1または2に記載の基地局装置。
【請求項4】
無線通信を現在実行していない端末装置、および当該端末装置と無線通信を現在実行している基地局装置のいずれかから送信された信号であって、かつハンドオーバの開始要求が含まれた信号を取得するステップと、
信号を取得すると、無線通信に現在使用していないチャネルを予約するステップと、
チャネルを予約してから一定の期間以内に、チャネルの割当要求信号を新たな端末装置から受信した場合、当該端末装置に対して、予約したチャネルを割り当てるステップと、
を備えることを特徴とするチャネル割当方法。
【請求項5】
無線通信を現在実行していない端末装置、および当該端末装置と無線通信を現在実行している基地局装置のいずれかから送信された信号であって、かつハンドオーバの開始要求が含まれた信号を取得するステップと、
信号を取得すると、無線通信に現在使用していないチャネルを予約するステップと、
チャネルを予約してから一定の期間以内に、チャネルの割当要求信号を新たな端末装置から受信した場合、当該端末装置に対して、予約したチャネルを割り当てるステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、チャネル割当技術に関し、特にハンドオーバの際にチャネルを割り当てるチャネル割当方法およびそれを利用した基地局装置に関する。
【背景技術】
【0002】
移動通信システムには、複数の基地局装置が設置され、基地局装置によって形成されるセルが面的な通信エリアとなる。ひとつのセル内の基地局装置と通信している端末装置が、別のセルに移動すると、別のセル内の基地局装置へのハンドオーバが実行される。端末装置が高速に移動している場合、ハンドオーバの処理が迅速になされることが好ましい。そのために、例えば、基地局装置に接続されたネットワーク上の機器に、認証に関する情報がハンドオーバ元の基地局装置から複写され、ハンドオーバ先の基地局装置が情報を利用する(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特表2002−528976号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
基地局装置は、チャネルを割り当てることによって、端末装置と通信する。ハンドオーバにおけるチャネルの割当は、以下のように説明される。最初、ハンドオーバ元の基地局装置が、端末装置にチャネルを割り当てる。ハンドオーバが起動されると、端末装置は、新たな基地局装置を探索するとともに、ハンドオーバ元の基地局装置との通信を切断する。その結果、ハンドオーバ元の基地局装置は、端末装置に割り当てていたチャネルを開放する。また、端末装置は、ハンドオーバ先の基地局装置に対して、チャネルの割当を要求する。ハンドオーバ先の基地局装置が、端末装置にチャネルを割り当てる。そのため、ハンドオーバを迅速に実行するためには、認証等の処理に先立って、ハンドオーバ先の基地局装置によるチャネル割当が迅速に実行されなければならない。
【0004】
本発明はこうした状況を認識してなされたものであり、その目的は、ハンドオーバを迅速に実行するチャネル割当技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明のある態様の基地局装置は、チャネルが割り当てられた端末装置に対して、無線通信を実行する通信部と、通信部において無線通信を現在実行していない端末装置、および当該端末装置と無線通信を現在実行している基地局装置のいずれかから送信された信号であって、かつハンドオーバの開始要求が含まれた信号を取得する取得部と、取得部が信号を取得すると、通信部が無線通信に現在使用していないチャネルを予約する制御部とを備える。制御部は、チャネルを予約してから一定の期間以内に、通信部がチャネルの割当要求信号を新たな端末装置から受信した場合、当該端末装置に対して、予約したチャネルを割り当てる。
【0006】
この態様によると、端末装置と別の基地局装置との間でのハンドオーバの開始要求が含まれた信号を取得したときに、チャネルを予約し、端末装置からチャネルの割当要求信号を受信したときに、予約したチャネルを割り当てるので、空きチャネルの確認処理を省略でき、チャネルの割当を迅速に実行できる。
【0007】
本発明の別の態様もまた、基地局装置である。この装置は、アンテナと、アンテナを介して、チャネルが割り当てられた端末装置に対して、無線通信を実行する通信部と、通信部において無線通信を現在実行していない端末装置、および当該端末装置と無線通信を現在実行している基地局装置のいずれかから送信された信号であって、かつハンドオーバの開始要求が含まれた信号を取得する取得部と、取得部が信号を取得すると、通信部が無線通信に現在使用していないチャネルを予約する制御部とを備える。制御部は、チャネルを予約してから一定の期間以内に、通信部がチャネルの割当要求信号を新たな端末装置から受信した場合、当該端末装置に対して、予約したチャネルを割り当てる。
【0008】
この態様によると、端末装置と別の基地局装置との間でのハンドオーバの開始要求が含まれた信号を取得したときに、チャネルを予約し、端末装置からチャネルの割当要求信号を受信したときに、予約したチャネルを割り当てるので、空きチャネルの確認処理を省略でき、チャネルの割当を迅速に実行できる。
【0009】
制御部における一定の期間は、接続元の基地局装置から接続先の基地局装置へ端末装置が接続を切りかえるために要すべき期間をもとに予め規定されていてもよい。この場合、接続元の基地局装置から接続先の基地局装置へ端末装置が接続を切りかえるために要すべき期間を一定の期間に設定するので、予約の期間を限定でき、他の端末装置に与える影響を小さくできる。
【0010】
本発明のさらに別の態様は、チャネル割当方法である。この方法は、無線通信を現在実行していない端末装置、および当該端末装置と無線通信を現在実行している基地局装置のいずれかから送信された信号であって、かつハンドオーバの開始要求が含まれた信号を取得するステップと、信号を取得すると、無線通信に現在使用していないチャネルを予約するステップと、チャネルを予約してから一定の期間以内に、チャネルの割当要求信号を新たな端末装置から受信した場合、当該端末装置に対して、予約したチャネルを割り当てるステップと、を備える。
【0011】
一定の期間は、接続元の基地局装置から接続先の基地局装置へ端末装置が接続を切りかえるために要すべき期間をもとに予め規定されていてもよい。
【0012】
本発明のさらに別の態様は、プログラムである。このプログラムは、無線通信を現在実行していない端末装置、および当該端末装置と無線通信を現在実行している基地局装置のいずれかから送信された信号であって、かつハンドオーバの開始要求が含まれた信号を取得するステップと、信号を取得すると、無線通信に現在使用していないチャネルを予約するステップと、チャネルを予約してから一定の期間以内に、チャネルの割当要求信号を新たな端末装置から受信した場合、当該端末装置に対して、予約したチャネルを割り当てるステップと、を備える。
【0013】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を、方法、装置、システムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、ハンドオーバを迅速に実行できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明を具体的に説明する前に、概要を述べる。本発明の実施例は、端末装置と、基地局装置によって構成される第二世代ディジタルコードレス電話システムに関する。基地局装置は、複数のタイムスロットにて形成されたフレームが繰り返されるように規定されており、通信対象となる端末装置に対してタイムスロットを割り当てる。つまり、基地局装置は、時間を多重化要素とした時分割多元接続(TDMA:Time Division Multiple Access)によって複数の端末装置を接続する。所定の端末装置は、ひとつの基地局装置(以下、「ハンドオーバ元の基地局装置」という)との間において通信を実行する。
【0016】
当該端末装置が、ハンドオーバ元の基地局装置との間の無線伝送路特性が悪化したことを検知すると、当該端末装置は、ハンドオーバ元の基地局装置に対して、ハンドオーバの開始要求が含まれた信号(以下、「開始要求信号」という)を送信する。ハンドオーバ元の基地局装置は、開始要求信号を受信すると、当該端末装置に割り当てていたタイムスロットを開放する。つまり、ハンドオーバ元の基地局装置は、当該端末装置との通信を切断する。端末装置は、ハンドオーバ元の基地局装置以外の基地局装置の存在を探索し、検出された基地局装置(以下、「ハンドオーバ先の基地局装置」という)に対して、タイムスロットの割当要求を送信する。ハンドオーバ先の基地局装置が、当該端末装置にタイムスロットを割り当てると、両者間の通信が開始され、ハンドオーバが完了する。
【0017】
しかしながら、ハンドオーバ先の基地局装置において、当該端末装置に割り当てるべきタイムスロットがない場合、両者間の通信は開始されない。また、端末装置がハンドオーバ元の基地局装置に開始要求信号を送信する際、ハンドオーバ先の基地局装置は、割り当てるべきタイムスロットを有していたが、端末装置が割当要求を送信するまでの間に、ハンドオーバ先の基地局装置が当該タイムスロットを別の端末装置に割り当ててしまう場合もある。このような場合、端末装置は、新たにハンドオーバ先の基地局装置を探索しなければならず、ハンドオーバのための期間が長くなる。これに対応するために、本実施例に係る基地局装置は、以下の処理を実行する。
【0018】
当該端末装置からハンドオーバ元の基地局装置へ送信された開始要求信号が、本来の送信先ではないハンドオーバ先の基地局装置に受信されることもある。ハンドオーバ先の基地局装置が、そのような開始要求信号を受信すると、割り当てていないタイムスロットのうちの少なくともひとつを一定の期間にわたって予約する。予約するとは、着信やチャネル切替のために、当該タイムスロットを使用しないことを意味する。ハンドオーバ先の基地局装置は、タイムスロットを予約している期間の間に、端末装置から割当要求を受信すると、予約したタイムスロットを当該端末装置に割り当てる。
【0019】
図1は、本発明の実施例に係る通信システム100の構成を示す。通信システム100は、基地局装置10と総称される第1基地局装置10a、第2基地局装置10b、端末装置14を含む。また、第1基地局装置10aは、第1基地局用アンテナ12aを含み、第2基地局装置10bは、第2基地局用アンテナ12bを含む。ここで、第1基地局用アンテナ12a、第2基地局用アンテナ12bは、基地局用アンテナ12と総称される。また、端末装置14は、端末用アンテナ16を含む。
【0020】
基地局装置10は、基地局用アンテナ12を備えることによって、無線伝送路を介して端末装置14を一端に接続とともに、図示しないネットワークを他端に接続する。ここで、第1基地局装置10aがハンドオーバ元の基地局装置10に相当し、第2基地局装置10bがハンドオーバ先の基地局装置10に相当する。つまり、初期状態において、第1基地局装置10aと端末装置14とが通信を行っており、ハンドオーバ処理によって、第2基地局装置10bと端末装置14とが通信を行うようになる。基地局装置10は、TDMAにて複数の端末装置14を接続できるように、フレームの繰り返しを規定する。
【0021】
図2は、通信システム100において使用されるフレームの構成を示す。図示のごとく、ひとつのフレームは、「第1スロット」から「第8スロット」までの8つのタイムスロットにて構成されている。また、「第1スロット」から「第4スロット」までの4つのタイムスロットが上り回線用に使用され、「第5スロット」から「第8スロット」までの残りの4つのタイムスロットが下り回線用に使用される。例えば、「第1スロット」と「第5スロット」のごとく、ひとつの端末装置14に対して、基地局装置10は、ひとつの上り回線用のタイムスロットとひとつの下り回線用のタイムスロットとを割り当てる。
【0022】
その結果、4つの上り回線用のタイムスロットと4つの下り回線用のタイムスロットとは、対象的に使用される。なお、基地局装置10によるタイムスロットの割当は、これに限定されるものではないが、ここでは、説明を明瞭にするために、上下回線においてタイムスロットが対称的に割り当てられるものとする。また、タイムスロットの中にパケット信号が配置されている。パケット信号は、前方に既知の信号、すなわちプリアンブルを配置し、その後段にデータ信号を配置しているものとする。図1に戻る。
【0023】
端末装置14は、基地局装置10に対して通信を実行する。前述のごとく、初期状態おいて端末装置14は、第1基地局装置10aと通信を実行しており、通信の間に第1基地局装置10aとの間の無線伝送路の品質を推定する。また、無線伝送路の品質が悪化すれば、端末装置14は、第1基地局装置10aに対して、開始要求信号を送信し、ハンドオーバ元になるべき基地局装置10を探索する。ここで、無線伝送路の品質の一例は、受信信号の強度であり、強度がしきい値よりも小さくなった場合に、端末装置14は、無線伝送路の品質の悪化を検出する。
【0024】
また、無線伝送路の品質は、これに限られず、ドップラー周波数、希望信号と干渉信号との強度比であってもよく、無線伝送路の品質の悪化は、受信した信号の品質が低くなる状態であればよい。さらに、ハンドオーバ元になるべき基地局装置10の探索として、端末装置14は、さまざまな基地局装置10から送信される報知信号を受信し、報知信号の内容を解析するとともに、報知信号の受信強度を測定する。その結果、端末装置14は、受信強度の大きい報知信号を送信した基地局装置10をハンドオーバ元の基地局装置10に決定する。ここでは、第2基地局装置10bが選択されたものとする。
【0025】
端末装置14は、第1基地局装置10aとの接続を切断し、第2基地局装置10bに対して割当要求を送信する。端末装置14は、第2基地局装置10bから、割り当てられたタイムスロットを知らされると、当該タイムスロットを使用することによって、第2基地局装置10bとの通信を実行する。
【0026】
図3は、第2基地局装置10bの構成を示す。第2基地局装置10bは、第2基地局用アンテナ12b、無線部20、モデム部22、ベースバンド部24、制御部26、記憶部28を含む。また、第2基地局装置10bは、ネットワーク30に接続される。なお、第1基地局装置10aも同様の構成を有する。
【0027】
無線部20は、受信動作として、第2基地局用アンテナ12bによって受信した無線周波数の信号に対して、周波数変換、直交検波を実行して、ベースバンドの信号を導出する。無線部20は、ベースバンドの信号をモデム部22に出力する。一般的に、ベースバンドの信号は、同相成分と直交成分によって形成されるので、ふたつの信号線によって伝送されるべきであるが、ここでは、図を明瞭にするためにひとつの信号線だけを示すものとする。また、無線部20には、AGC(Automatic Gain Control)やA/D変換部も含まれる。
【0028】
無線部20は、送信動作として、モデム部22からのベースバンドの信号に対して、直交変調、周波数変換を実行して、無線周波数の信号を導出する。無線部20は、無線周波数の信号を第2基地局用アンテナ12bに出力する。つまり、無線部20は、無線周波数のパケット信号を第2基地局用アンテナ12bから送信する。また、PA(Power Amplifier)、D/A変換部も含まれる。
【0029】
モデム部22は、受信処理として、無線部20からのベースバンド信号に対して、復調を実行し、復調した信号をベースバンド部24に出力する。モデム部22は、復調処理として、同期検波や遅延検波を実行するが、それらの構成は公知のものでよいので、ここでは、説明を省略する。また、モデム部22は、送信処理として変調を実行し、変調した信号を無線部20に出力する。ベースバンド部24は、第2基地局装置10bにおいて処理すべき信号と、ネットワーク30とのインタフェースである。
【0030】
制御部26は、無線部20、モデム部22、ベースバンド部24を制御することによって、図示しない端末装置14との無線通信を実行する。具体的には、制御部26は、TDMAにおける複数のタイムスロットを規定しており、そのうちの少なくともひとつを端末装置14に対して割り当てる。無線部20、モデム部22、ベースバンド部24は、制御部26によって割り当てられたタイムスロットを使用しながら、端末装置14との無線通信を実行する。制御部26は、無線部20、モデム部22、ベースバンド部24を介して、無線通信を現在実行していない、すなわちタイムスロットを割り当てていない端末装置14、および当該端末装置14と無線通信を現在実行している第1基地局装置10aのいずれかから送信された開始要求信号を取得する。
【0031】
第二世代ディジタルコードレス電話システムの場合、開始要求信号は、端末装置14からのTCH切替要求、あるいは第1基地局装置10aからのTCH切替指示に相当する。制御部26は、ベースバンド部24を介して受信したパケット信号の内容を監視し、そのパケット信号がTCH切替要求あるいはTCH切替指示に対応する場合に、開始要求信号を取得したとする。
【0032】
制御部26は、開始要求信号を取得すると、複数のタイムスロットのうち、無線通信に現在使用していないタイムスロットを予約する。以上の予約のために、制御部26は、記憶部28に記憶されたデータベースを参照する。図4は、記憶部28に記憶されたスロットの割当に関するデータベースのデータ構造を示す。データベースは、スロット名欄200と割当欄202とを含む。スロット名欄200には、フレームに配置されたスロットの名称が含まれている。フレームは、図2のごとく構成されているので、第1スロットから第8スロットまでの8つのタイムスロットがフレーム内に存在する。しかしながら、前述のごとく、上下回線のタイムスロットは、対称的に割り当てられているので、ここでは、第1スロットから第4スロットまでの4つのタイムスロットを説明の対象とする。
【0033】
割当欄202には、タイムスロットの状態が示されている。例えば、第1スロットには、第1端末装置14aが割り当てられている。また、第4スロットには、端末装置14が割り当てられていない。また、第3スロットは予約されている。図3に戻る。制御部26は、記憶部28に記憶されたデータベースを参照しながら、割り当てられていないタイムスロットを検索し、検知したタイムスロットを予約する。
【0034】
制御部26は、タイマを内蔵しており、タイムスロットを予約したときにタイマを開始させる。また、タイマを開始してから一定の期間以内に、無線部20、モデム部22、制御部26を介して、新たな端末装置14から割当要求を受信した場合、制御部26は、当該端末装置14に対して、予約したタイムスロットを割り当てる。図3の場合、第3スロットが割り当てられる。ここで、一定の期間は、ハンドオーバ元の基地局装置10からハンドオーバ先の基地局装置10へ端末装置14が接続を切りかえるために要すべき期間をもとに予め規定されており、その値は、シミュレーション等によって決定されればよい。
【0035】
なお、割当要求以外にも、タイムスロットの割当が発生することがある。例えば、端末装置14への着信や、既にタイムスロットを割り当てている端末装置14による別のタイムスロットへのチャネル切替である。制御部26は、タイマの動作中にこれらが発生しても、予約したタイムスロットを割り当てない。その結果、ハンドオーバを実行する端末装置14にタイムスロットを割り当てる可能性が高くなる。
【0036】
この構成は、ハードウエア的には、任意のコンピュータのCPU、メモリ、その他のLSIで実現でき、ソフトウエア的にはメモリのロードされた通信機能のあるプログラムなどによって実現されるが、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウエアのみ、ソフトウエアのみ、またはそれらの組合せによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
【0037】
以上の構成による基地局装置10の動作を説明する。図5は、通信システム100の比較対象となる従来の通信システムにおけるハンドオーバ手順を示すシーケンス図である。端末装置14と第1基地局装置10aとの間において、通信が実行される(S10)。端末装置14は、第1基地局装置10aとの間の伝送路特性の悪化を検出し、ハンドオーバを決定する。端末装置14は、第1基地局装置10aに対してTCH切替要求を送信する(S12)。第1基地局装置10aは、端末装置14に対してTCH切替指示を送信する(S14)。端末装置14は、他の基地局装置10を検索し、第2基地局装置10bを検知する。
【0038】
端末装置14は、第2基地局装置10bに対してリンクチャネル確立要求を送信する(S16)。第2基地局装置10bは、リンクチャネル確立要求を受信すると、空きタイムスロットを確認する(S18)。空きタイムスロットが検知されると、第2基地局装置10bは、端末装置14に対して、タイムスロットを割り当てるとともに、リンクチャネル割当を送信する(S20)。ここで、リンクチャネル割当が前述の割当要求に相当する。その後、端末装置14と第2基地局装置10bとの間において、無線リンク確立処理が実行される(S22)。最終的に、端末装置14と第2基地局装置10bとの間において、通信が実行される(S24)。
【0039】
図6は、通信システム100におけるハンドオーバ手順を示すシーケンス図である。端末装置14と第1基地局装置10aとの間において、通信が実行される(S50)。端末装置14は、第1基地局装置10aとの間の伝送路特性の悪化を検出し、ハンドオーバを決定する。端末装置14は、第1基地局装置10aに対してTCH切替要求を送信する(S52)。なお、TCH切替要求は、通信の対象でない第2基地局装置10bにも受信される。第1基地局装置10aは、端末装置14に対してTCH切替指示を送信する(S54)。また、第2基地局装置10bは、TCH切替要求を受信すると、タイムスロットを予約する(S56)。端末装置14は、他の基地局装置10を検索し、第2基地局装置10bを検知する。
【0040】
端末装置14は、第2基地局装置10bに対してリンクチャネル確立要求を送信する(S58)。第2基地局装置10bは、端末装置14に対して、予約していたタイムスロットを割り当てるとともに、リンクチャネル割当を送信する(S60)。その後、端末装置14と第2基地局装置10bとの間において、無線リンク確立処理が実行される(S62)。最終的に、端末装置14と第2基地局装置10bとの間において、通信が実行される(S64)。このように、第2基地局装置10bは、リンクチャネル確立要求を受信したときに、割り当てるべきタイムスロットを既に予約しているので、端末装置14に確実にタイムスロットを割り当てられる。また、第2基地局装置10bは、端末装置14に迅速にタイムスロットを割り当てられる。
【0041】
図7は、第2基地局装置10bにおけるタイムスロットの割当手順を示すフローチャートである。制御部26は、無線部20等を介して、ハンドオーバの開始要求を受信する(S100)。なお、当該ハンドオーバの開始要求は、端末装置14から送信された信号であるが、第2基地局装置10bに対して送信された信号ではなく、第1基地局装置10aに対して送信された信号である。制御部26は、記憶部28を参照しながら空きタイムスロットを検索する。空きタイムスロットがあれば(S102のY)、制御部26は、空きタイムスロットを予約し(S104)、タイマを開始する(S106)。
【0042】
また、既にタイムスロットを割り当てている端末装置14からチャネル切替の要求があり(S108のY)、空きタイムスロットがあれば(S110のY)、制御部26は、チャネル切替を実行する(S112)。また、空きタイムスロットがなければ(S110のN)、制御部26は、要求を破棄する(S114)。一方、既にタイムスロットを割り当てている端末装置14からチャネル切替の要求がなければ(S108のN)、ステップ110からステップ114の処理がスキップされる。
【0043】
端末装置14からのタイムスロットの割当要求があれば(S116のY)、制御部26は、予約したタイムスロットを端末装置14に割り当て(S122)、処理を終了する。端末装置14からのタイムスロットの割当要求がなく(S116のN)、タイマが一定期間内であれば(S118のY)、ステップ108に戻る。タイマが一定期間内でなければ(S118のN)、制御部26は、予約を解除し(S120)、処理を終了する。一方、空きタイムスロットがなければ(S102のN)、処理を終了する。
【0044】
本発明の実施例によれば、端末装置とハンドオーバ元の基地局装置との間での開始要求信号を取得したときに、タイムスロットを予約し、端末装置から割当要求信号を受信したときに、予約したタイムスロットを割り当てるので、空きタイムスロットの確認処理を省略できる。また、空きタイムスロットの確認処理を省略できるので、ハンドオーバ先の基地局装置での処理を迅速に実行できる。また、ハンドオーバ先の基地局装置での処理が迅速に実行されるので、タイムスロットの割当を迅速に実行できる。また、予約したタイムスロットに端末装置が割り当てられるので、端末装置が割当要求信号を送信した基地局装置からタイムスロットが割り当てられる可能性を向上できる。また、ハンドオーバ元の基地局装置からハンドオーバ先の基地局装置へ端末装置が接続を切りかえるために要すべき期間を一定の期間に設定するので、予約の期間を限定でき、他の端末装置に与える影響を小さくできる。
【0045】
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0046】
本発明の実施例において、多重化要素を「時間」として、説明を行っている。しかしながらこれに限らず例えば、多重化要素は、「時間」でなく、「周波数」や「符号」であってもよい。前者の場合は、FDMAに相当し、後者の場合は、CDMAに相当する。このような場合でも、実施例において説明した処理と同様の処理が実現されればよい。なお、「周波数」の場合、タイムスロットの代わりに、周波数チャネルが使用され、「符号」の場合、タイムスロットの代わりに、コードが使用される。そのため、実施例におけるタイムスロットは、チャネルとよばれてもよい。本変形例によれば、本発明をさまざまな多重化技術に適用できる。
【0047】
本発明の実施例において、開始要求信号が、TCH切替要求あるいはTCH切替指示であるとする。しかしながらこれに限らず例えば、開始要求信号として別の信号が規定されてもよい。そのような信号には、端末装置14を識別するための情報が含まれており、第2基地局装置10bは、当該情報と組合せながらタイムスロットを予約する。また、第2基地局装置10bは、端末装置14から割当要求を受信したときに、割当要求に含まれた端末装置14に関する情報を参照する。さらに、当該情報と、予約したタイムスロットに対応づけられた情報とが一致するときに、端末装置14に対して予約したタイムスロットを割り当てる。本変形例によれば、ハンドオーバを実行する端末装置14に、予約したタイムスロットを割り当てることができる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の実施例に係る通信システムの構成を示す図である。
【図2】図1の通信システムにおいて使用されるフレームの構成を示す図である。
【図3】図1の第2基地局装置の構成を示す図である。
【図4】図2の記憶部に記憶されたスロットの割当に関するデータベースのデータ構造を示す図である。
【図5】図1の通信システムの比較対象となる従来の通信システムにおけるハンドオーバ手順を示すシーケンス図である。
【図6】図1の通信システムにおけるハンドオーバ手順を示すシーケンス図である。
【図7】図2の第2基地局装置におけるタイムスロットの割当手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0049】
10 基地局装置、 12 基地局用アンテナ、 14 端末装置、 16 端末用アンテナ、 18 、 20 無線部、 22 モデム部、 24 ベースバンド部、 26 制御部、 28 記憶部、 30 ネットワーク、 100 通信システム。
【出願人】 【識別番号】000001889
【氏名又は名称】三洋電機株式会社
【出願日】 平成18年8月11日(2006.8.11)
【代理人】 【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹


【公開番号】 特開2008−48073(P2008−48073A)
【公開日】 平成20年2月28日(2008.2.28)
【出願番号】 特願2006−220502(P2006−220502)