| 【発明の名称】 |
チャネルの割当方法およびそれを利用した基地局装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】甲村 真裕美
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| 【要約】 |
【課題】通信されるデータに対して要求される許容遅延時間に適合するように、チャネルを割り当てたい。
【構成】信号処理部22等は、時間分割多重における複数のチャネルのうちの少なくともひとつを使用しながら、端末装置との無線通信を実行する。制御部30は、実行される無線通信に対する許容遅延時間を取得し、これがしきい値よりも小さければ、少なくともふたつのチャネルに同一のデータが配置されるように、端末装置にチャネルを割り当てる。また、制御部30は、端末装置に対して空間分割多重を実行できるか否かを特定する。さらに、制御部30は、取得した許容遅延時間がしきい値以上であり、かつ空間分割多重が実行できる場合、空間分割多重におけるチャネルを前記端末装置に割り当てる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 時間分割多重における複数のチャネルのうちの少なくともひとつを使用しながら、端末装置との無線通信を実行する通信部と、 前記通信部において実行される無線通信に対する許容遅延時間を取得する取得部と、 前記取得部において取得した許容遅延時間がしきい値よりも小さければ、少なくともふたつのチャネルに同一のデータが配置されるように、前記端末装置にチャネルを割り当てる制御部とを備え、 前記通信部は、前記端末装置に対して空間分割多重を実行できるか否かを特定し、 前記制御部は、前記取得部において取得した許容遅延時間がしきい値以上であり、かつ空間分割多重が実行できる場合、空間分割多重におけるチャネルを前記端末装置に割り当てることを特徴とする基地局装置。 【請求項2】 所定の多重化要素にて規定される複数のチャネルのうちの少なくともひとつを使用しながら、端末装置との無線通信を実行する通信部と、 前記通信部において実行される無線通信に対する許容遅延時間を取得する取得部と、 前記取得部において取得した許容遅延時間がしきい値よりも小さければ、少なくともふたつのチャネルに同一のデータが配置されるように、前記端末装置にチャネルを割り当てる制御部とを備え、 前記通信部は、前記多重化要素とは別の多重化要素として、空間分割多重を前記端末装置に対して実行できるか否かを特定し、 前記制御部は、前記取得部において取得した許容遅延時間がしきい値以上であり、かつ空間分割多重が実行できる場合、空間分割多重におけるチャネルを前記端末装置に割り当てることを特徴とする基地局装置。 【請求項3】 複数のアンテナと、 前記複数のアンテナを介して、所定の多重化要素にて規定される複数のチャネルのうちの少なくともひとつを使用しながら、端末装置との無線通信を実行する通信部と、 前記通信部において実行される無線通信に対する許容遅延時間を取得する取得部と、 前記取得部において取得した許容遅延時間がしきい値よりも小さければ、少なくともふたつのチャネルに同一のデータが配置されるように、前記端末装置にチャネルを割り当てる制御部とを備え、 前記通信部は、前記多重化要素とは別の多重化要素として、空間分割多重を前記端末装置に対して実行できるか否かを特定し、 前記制御部は、前記取得部において取得した許容遅延時間がしきい値以上であり、かつ空間分割多重が実行できる場合、空間分割多重におけるチャネルを前記端末装置に割り当てることを特徴とする基地局装置。 【請求項4】 前記取得部は、無線通信の対象となるデータの量も取得し、 前記制御部は、前記取得部において取得した許容遅延時間がしきい値よりも小さくても、データの量が別のしきい値よりも大きければ、少なくともふたつのチャネルに同一のデータが配置されるようなチャネルの割当を中止することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の基地局装置。 【請求項5】 端末装置との無線通信に対する許容遅延時間を取得するステップと、 取得した許容遅延時間がしきい値よりも小さければ、所定の多重化要素にて規定される複数のチャネルのうちの少なくともふたつのチャネルに同一のデータが配置されるように、前記端末装置にチャネルを割り当てるステップとを備え、 前記割り当てるステップは、前記多重化要素とは別の多重化要素として、空間分割多重を前記端末装置に対して実行できるか否かを特定した後、取得した許容遅延時間がしきい値以上であり、かつ空間分割多重が実行できる場合、空間分割多重におけるチャネルを前記端末装置に割り当てることを特徴とするチャネルの割当方法。 【請求項6】 端末装置との無線通信に対する許容遅延時間を取得するステップと、 取得した許容遅延時間がしきい値よりも小さければ、所定の多重化要素にて規定される複数のチャネルのうちの少なくともふたつのチャネルに同一のデータが配置されるように、前記端末装置にチャネルを割り当てるステップとを備え、 前記割り当てるステップは、前記多重化要素とは別の多重化要素として、空間分割多重を前記端末装置に対して実行できるか否かを特定した後、取得した許容遅延時間がしきい値以上であり、かつ空間分割多重が実行できる場合、空間分割多重におけるチャネルを前記端末装置に割り当てることをコンピュータに実行させるためのプログラム。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、チャネルの割当技術に関し、特に所定の多重化要素にて規定されるチャネルを割り当てるチャネルの割当方法およびそれを利用した基地局装置に関する。 【背景技術】 【0002】 基地局装置は、通信対象となる端末装置に対して、チャネルを割り当てる。時間分割多重(TDMA:Time Division Multiple Access)が実行される場合、ひとつのフレームの中に複数のタイムスロットが配置され、フレームが繰り返される。その際、タイムスロットがチャネルとして使用される。さらに、時間分割多重に対して、周波数分割多重(FDMA:Frequency Division Multiple Access)や空間分割多重(SDMA:Space Division Multiple Access)が組み合わされる場合、それらに応じたチャネルが割当可能になる。端末装置に対するチャネルの割当は、情報レートやエラーレート等の性能要求条件、信号対雑音比の信号受信状態をもとになされる。つまり、これらの通信規約にしたがって、チャネル、例えば、タイムスロット、拡散符号、周波数帯域の割当がなされる(例えば、特許文献1参照。)。 【特許文献1】特表2003−513588号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0003】 どのようにチャネルを割り当てるかによって、周波数利用効率や通信品質が変化する。例えば、SDMAを実行しているチャネルは、周波数利用効率を高くするが、互いの干渉によって通信品質が悪化しやすくなる。一方、スロットダイバーシチを実行しているチャネルは、再送を考慮しない場合に周波数利用効率を低くするが、通信品質が高くなる。このようなチャネルの割当は、無線回線の品質をもとになされてきた。その結果、所望の品質を満足するようなチャネルの使用が可能になる。 【0004】 しかしながら、無線回線の品質をもとにしたチャネルの割当では、多種多様なサービスの品質が必ずしも満足されない。例えば、音声通信には、ユーザの主観的な品質が要求されるが、SDMAを実行しているチャネルに音声通信が割り当てられると、将来的に音声通信に誤りが発生しやすくなる。また、誤りが発生した場合、再送制御がなされるが、再送制御が複数回なされると、遅延時間が増加することによって、音声通信のように許容遅延時間が短い場合に通信品質が悪化する。 【0005】 一方、ベストエフォート型の通信に対して、スロットダイバーシチを実行するようにチャネルが割り当てられると、許容遅延時間よりも大幅に短い遅延時間になることがある。このような状況は、当該通信に対して問題はないが、スロットダイバーシチによって付加的なタイムスロットの割当がなされているので、他に通信に対して影響が及ぼされる。そのため、実際に通信されるサービスに応じたチャネルの割当が必要になる。 【0006】 本発明はこうした状況を認識してなされたものであり、その目的は、通信されるデータに対して要求される許容遅延時間に適合するように、チャネルを割り当てるチャネルの割当技術を提供することにある。 【課題を解決するための手段】 【0007】 上記課題を解決するために、本発明のある態様の基地局装置は、時間分割多重における複数のチャネルのうちの少なくともひとつを使用しながら、端末装置との無線通信を実行する通信部と、通信部において実行される無線通信に対する許容遅延時間を取得する取得部と、取得部において取得した許容遅延時間がしきい値よりも小さければ、少なくともふたつのチャネルに同一のデータが配置されるように、前記端末装置にチャネルを割り当てる制御部とを備える。通信部は、前記端末装置に対して空間分割多重を実行できるか否かを特定し、制御部は、前記取得部において取得した許容遅延時間がしきい値以上であり、かつ空間分割多重が実行できる場合、空間分割多重におけるチャネルを前記端末装置に割り当ててもよい。 【0008】 この態様によると、許容遅延時間が短ければ、複数のチャネルを割り当てるので、データの誤り確率が低減され、許容遅延時間に適合でき、許容遅延時間が長ければ、空間分割多重におけるチャネルを割り当てるので、伝送効率を向上できる。 【0009】 本発明の別の態様もまた、基地局装置である。この基地局装置は、所定の多重化要素にて規定される複数のチャネルのうちの少なくともひとつを使用しながら、端末装置との無線通信を実行する通信部と、通信部において実行される無線通信に対する許容遅延時間を取得する取得部と、取得部において取得した許容遅延時間がしきい値よりも小さければ、少なくともふたつのチャネルに同一のデータが配置されるように、前記端末装置にチャネルを割り当てる制御部とを備える。通信部は、前記多重化要素とは別の多重化要素として、空間分割多重を前記端末装置に対して実行できるか否かを特定し、制御部は、前記取得部において取得した許容遅延時間がしきい値以上であり、かつ空間分割多重が実行できる場合、空間分割多重におけるチャネルを前記端末装置に割り当ててもよい。 【0010】 この態様によると、許容遅延時間が短ければ、複数のチャネルを割り当てるので、データの誤り確率が低減され、許容遅延時間に適合でき、許容遅延時間が長ければ、空間分割多重におけるチャネルを割り当てるので、伝送効率を向上できる。 【0011】 本発明のさらに別の態様もまた、基地局装置である。この基地局装置は、複数のアンテナと、複数のアンテナを介して、所定の多重化要素にて規定される複数のチャネルのうちの少なくともひとつを使用しながら、端末装置との無線通信を実行する通信部と、通信部において実行される無線通信に対する許容遅延時間を取得する取得部と、取得部において取得した許容遅延時間がしきい値よりも小さければ、少なくともふたつのチャネルに同一のデータが配置されるように、前記端末装置にチャネルを割り当てる制御部とを備える。通信部は、前記多重化要素とは別の多重化要素として、空間分割多重を前記端末装置に対して実行できるか否かを特定し、制御部は、前記取得部において取得した許容遅延時間がしきい値以上であり、かつ空間分割多重が実行できる場合、空間分割多重におけるチャネルを前記端末装置に割り当ててもよい。 【0012】 取得部は、無線通信の対象となるデータの量も取得し、制御部は、前記取得部において取得した許容遅延時間がしきい値よりも小さくても、データの量が別のしきい値よりも大きければ、少なくともふたつのチャネルに同一のデータが配置されるようなチャネルの割当を中止してもよい。この場合、データ量が大きければ、複数のチャネルを割り当てないので、伝送効率を向上できる。 【0013】 本発明のさらに別の態様は、チャネルの割当方法である。この方法は、端末装置との無線通信に対する許容遅延時間を取得するステップと、取得した許容遅延時間がしきい値よりも小さければ、所定の多重化要素にて規定される複数のチャネルのうちの少なくともふたつのチャネルに同一のデータが配置されるように、前記端末装置にチャネルを割り当てるステップとを備える。割り当てるステップは、前記多重化要素とは別の多重化要素として、空間分割多重を前記端末装置に対して実行できるか否かを特定した後、取得した許容遅延時間がしきい値以上であり、かつ空間分割多重が実行できる場合、空間分割多重におけるチャネルを前記端末装置に割り当ててもよい。 【0014】 本発明のさらに別の態様は、プログラムである。このプログラムは、端末装置との無線通信に対する許容遅延時間を取得するステップと、取得した許容遅延時間がしきい値よりも小さければ、所定の多重化要素にて規定される複数のチャネルのうちの少なくともふたつのチャネルに同一のデータが配置されるように、前記端末装置にチャネルを割り当てるステップとを備える。割り当てるステップは、前記多重化要素とは別の多重化要素として、空間分割多重を前記端末装置に対して実行できるか否かを特定した後、取得した許容遅延時間がしきい値以上であり、かつ空間分割多重が実行できる場合、空間分割多重におけるチャネルを前記端末装置に割り当てることをコンピュータに実行させる。 【0015】 取得するステップは、無線通信の対象となるデータの量も取得し、割り当てるステップは、取得した許容遅延時間がしきい値よりも小さくても、データの量が別のしきい値よりも大きければ、少なくともふたつのチャネルに同一のデータが配置されるようなチャネルの割当を中止してもよい。 【0016】 なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を、方法、装置、システムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。 【発明の効果】 【0017】 本発明によれば、通信されるデータに対して要求される許容遅延時間に適合するように、チャネルを割り当てることができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0018】 本発明を具体的に説明する前に、概要を述べる。本発明の実施例は、少なくともひとつの端末装置と、基地局装置によって構成される第二世代ディジタルコードレス電話システムに関する。基地局装置は、複数のタイムスロットにて形成されたフレームが繰り返されるように規定しており、通信対象となる端末装置に対してタイムスロットを割り当てる。つまり、基地局装置は、時間を多重化要素とした時分割多元接続(TDMA)によって複数の端末装置を接続する。さらに、基地局装置は、空間を多重化要素とした空間分割多元接続(SDMA)にも対応する。このように、基地局装置は、TDMAだけでなくSDMAにも対応するので、ここでは、タイムスロットもチャネルとして説明する。 【0019】 基地局装置と端末装置との通信の内容として、さまざまなアプリケーションが存在する。アプリケーションとして、音声通話、メール、ブラウジング、ダウンロード、TV会議等が挙げられる。このようなアプリケーションの種類に応じて、通信システムに要求される許容遅延時間が異なる。音声通話やTV会議などでは、即時性が要求されるので、許容遅延時間が短くなる。一方、メールやダウンロードなどでは、即時性が要求されないので、許容遅延時間が長くなる。アプリケーションに関係なく、基地局装置がチャネルを割り当てていれば、許容遅延時間に対する要求が満たされない場合がある。これに対して、実施例に係る基地局装置は、以下の処理を実行する。 【0020】 基地局装置は、端末装置にチャネルを割り当てる際に、通信すべきアプリケーションにて要求される許容遅延時間を特定する。許容遅延時間がしきい値よりも小さければ、基地局装置は、端末装置に対してスロットダイバーシチを実行できるようなチャネルを割り当てる。つまり、基地局装置は、ひとつの端末装置に対して、異なったタイムスロットを少なくともふたつ割り当て、これらのタイムスロットに同一のデータを配置させる。一方、許容遅延時間がしきい値以上であれば、基地局装置は、ひとつの端末装置と別の端末装置とに対して、SDMAを実行できるかを調査する。SDMAを実行できる場合、基地局装置は、当該ひとつの端末装置に対して、別の端末装置に割り当てたタイムスロットと同一のタイムスロットにおけるチャネルを割り当てる。 【0021】 許容遅延時間がしきい値よりも小さい場合、基地局装置は、スロットダイバーシチを実行することによって、通信品質を向上させて、当該許容遅延時間を満足させる。また、通信品質が向上することによって、再送による伝送効率の低下が抑制される。また、許容遅延時間がしきい値以上の場合、基地局装置は、可能であればSDMAを実行することによって、伝送効率を改善させる。 【0022】 図1は、本発明の実施例に係る通信システム100の構成を示す。通信システム100は、端末装置10と総称される第1端末装置10a、第2端末装置10b、基地局装置14、ネットワーク18を含む。また、第1端末装置10aは、第1端末用アンテナ12aを含み、第2端末装置10bは、第2端末用アンテナ12bを含む。ここで、第1端末用アンテナ12a、第2端末用アンテナ12bは、端末用アンテナ12と総称される。基地局装置14は、基地局用アンテナ16と総称される第1基地局用アンテナ16a、第2基地局用アンテナ16b、第N基地局用アンテナ16nを含む。 【0023】 基地局装置14は、複数の基地局用アンテナ16を備えることによって、無線伝送路を介して端末装置10を一端に接続とともに、ネットワーク18を他端に接続する。基地局装置14は、TDMAにて複数の端末装置10を接続できるように、フレームの繰り返しを規定する。フレームは、8つのタイムスロットにて構成されており、4つのタイムスロットが上り回線用に使用され、残りの4つのタイムスロットが下り回線用に使用される。なお、ひとつの端末装置に対して、ひとつの上り回線用のタイムスロットとひとつの下り回線用のタイムスロットとが割り当てられる。特に、4つの上り回線用のタイムスロットと4つの下り回線用のタイムスロットとは、対象的に使用される。 【0024】 そのため、説明を簡潔にするために、ここでは、フレームに含まれた複数のタイムスロットとして、4つの上り回線用のタイムスロットあるいは4つの下り回線用のタイムスロットを説明する。基地局装置14は、TDMAに加えてSDMAも実行するので、ひとつのタイムスロットに、複数のチャネルであって、かつSDMA用のチャネルが配置される。ここでは、前述のごとく、タイムスロットもチャネルとして説明する。なお、ひとつのタイムスロットに配置されるチャネルの数は、Mであるとする。また、通信は、チャネルに配置されたパケット信号によってなされる。パケット信号は、先頭部分に既知の信号、つまりプリアンブルを配置し、それに続いてデータ信号を配置する。 【0025】 端末装置10は、基地局装置14に対して通信を実行するが、通信にて使用されるアプリケーションとして、音声通話、メール、ブラウジング、ダウンロード、TV会議等がある。端末装置10は、通信を開始する際に、基地局装置14に対して接続要求を送信し、基地局装置14からチャネル割当の応答を受信する。受信したチャネル割当の応答には、使用すべき上り回線用のチャネルを識別するための情報と、使用すべき下り回線用のチャネルを識別するための情報とが含まれており、端末装置10は、これらの情報にしたがって、基地局装置14との通信を実行する。なお、チャネルを識別するための情報として、別のタイムスロットに対応したふたつのチャネルに関する情報が含まれている場合、端末装置10は、ふたつのチャネルに同一のデータを送信する。 【0026】 図2は、基地局装置14の構成を示す。基地局装置14は、基地局用アンテナ16と総称される第1基地局用アンテナ16a、第2基地局用アンテナ16b、第N基地局用アンテナ16n、無線部20と総称される第1無線部20a、第2無線部20b、第N無線部20n、信号処理部22と総称される第1信号処理部22a、第2信号処理部22b、第M信号処理部22m、モデム部24と総称される第1モデム部24a、第2モデム部24b、第Mモデム部24m、ベースバンド部26、制御部30を含む。 【0027】 また、信号として、デジタル受信信号300と総称される第1デジタル受信信号300a、第2デジタル受信信号300b、第Nデジタル受信信号300n、デジタル送信信号302と総称される第1デジタル送信信号302a、第2デジタル送信信号302b、第Nデジタル送信信号302n、合成信号304と総称される第1合成信号304a、第2合成信号304b、第M合成信号304m、分離前信号308と総称される第1分離前信号308a、第2分離前信号308b、第M分離前信号308mを含む。 【0028】 基地局用アンテナ16は、複数備えられている。ここでは、基地局用アンテナ16の数をNとする。無線部20は、受信動作として、基地局用アンテナ16によって受信した無線周波数の信号を周波数変換し、ベースバンドの信号を導出する。無線部20は、ベースバンドの信号をデジタル受信信号300として信号処理部22に出力する。一般的に、ベースバンドの信号は、同相成分と直交成分によって形成されるので、ふたつの信号線によって伝送されるべきであるが、ここでは、図を明瞭にするためにひとつの信号線だけを示すものとする。また、無線部20には、AGC(Automatic Gain Control)やA/D変換部も含まれる。 【0029】 無線部20は、送信動作として、信号処理部22からのベースバンドの信号を周波数変換し、無線周波数の信号を導出する。ここで、信号処理部22からのベースバンドの信号は、デジタル送信信号302として示される。無線部20は、無線周波数の信号を基地局用アンテナ16に出力する。つまり、無線部20は、無線周波数のパケット信号を基地局用アンテナ16から送信する。また、PA(Power Amplifier)、D/A変換部も含まれる。 【0030】 信号処理部22は、受信動作として、複数のデジタル受信信号300に対してアダプティブアレイ信号処理を実行する。信号処理部22は、アダプティブアレイ信号処理の結果を合成信号304としてモデム部24に出力する。ここで、信号処理部22は、第1信号処理部22aから第M信号処理部22mまで、M個含まれ、それぞれは、ひとつのタイムスロットに配置された複数のチャネルに対して処理を実行する。例えば、複数の端末装置10がTDMAによってのみ多重化される場合、これらのチャネルに対する処理は、第1信号処理部22aによって、時分割に実行される。 【0031】 また、ひとつのタイムスロットにおいて、ふたつのチャネルがSDMAによって多重化される場合、これらのチャネルに対する処理は、第1信号処理部22aと第2信号処理部22bとによって、並列に実行される。また、信号処理部22は、送信動作として、モデム部24から分離前信号308を入力し、複数の基地局用アンテナ16のそれぞれに対応づけながらデジタル送信信号302として出力する。 【0032】 信号処理部22における受信処理をさらに詳しく説明する。信号処理部22は、パケット信号のプリアンブル期間にわたって、複数のデジタル受信信号300に対して、受信ウエイトベクトルを導出する。受信ウエイトベクトルは、基地局用アンテナ16単位の成分を有する。なお、基地局用アンテナ16単位の基地局用アンテナ16とは、デジタル受信信号300を受信した基地局用アンテナ16に相当する。また、信号処理部22は、受信ウエイトベクトルとデジタル受信信号300とを対応づけながら乗算を実行する。また、複数の乗算結果は合成されるが、合成された結果が、前述の合成信号304に相当する。SDMAがなされている場合、複数の信号処理部22が以上の処理を並列に実行する。 【0033】 モデム部24は、受信処理として、信号処理部22からの合成信号304に対して、復調を実行し、復調した信号をベースバンド部26に出力する。また、モデム部24は、送信処理として変調を実行し、変調した信号を分離前信号308として信号処理部22に出力する。ベースバンド部26は、基地局装置14において処理すべき信号と、図示しないネットワーク18とのインタフェースである。 【0034】 制御部30は、無線部20、信号処理部22、モデム部24、ベースバンド部26を制御することによって、端末装置10との無線通信を実行する。具体的には、制御部30は、TDMAにおける複数のチャネルを規定しており、そのうちの少なくともひとつを端末装置10に対して割り当てる。無線部20、信号処理部22、モデム部24、ベースバンド部26は、制御部30によって割り当てられたチャネルを使用しながら、端末装置10との無線通信を実行する。無線通信に先立って、制御部30は、信号処理部22等において実行される無線通信に対する許容遅延時間を取得する。 【0035】 具体的に説明すると、下り回線の場合、ベースバンド部26が、図示しないネットワーク18から端末装置10に送信すべきデータ信号を受けつける。受けつけたデータ信号には、当該データ信号が対応しているアプリケーションを示した識別情報が含まれている。例えば、識別情報は、音声電話、TV会議、メール等を示しており、制御部30は、識別情報を受けつけることによって、データ信号に対応したアプリケーションの種類を取得する。制御部30は、内部に記憶したデータベースを参照しながら、取得したアプリケーションの種類に対応した許容遅延時間を特定する。 【0036】 図3は、制御部30に記憶されたアプリケーションに対する許容遅延時間の関係のデータベースのデータ構造を示す。データベースは、アプリケーション欄200、許容遅延時間欄202によって構成される。アプリケーション欄200には、「音声電話」、「TV会議」、「メール」等が含まれている。また、許容遅延時間欄202には、アプリケーション欄200でのアプリケーションに対応するように、許容遅延時間の値が「A」、「B」、「C」のごとく含まれている。なお、「A」等は、具体的な数値であるとする。図2に戻る。 【0037】 上り回線の場合も、制御部30は、無線通信に先立って許容遅延時間を取得する。例えば、端末装置10からのチャネル割当要求に、アプリケーションを示した識別情報が含まれており、制御部30は、識別情報を取得する。これに続く処理は、下り回線の場合と同様であるので、ここでは、説明を省略する。制御部30は、取得した許容遅延時間と、予め記憶しているしきい値とを比較する。許容遅延時間がしきい値よりも小さければ、制御部30は、上り回線および下り回線のそれぞれに対して、少なくともふたつのチャネルに同一のデータが配置されるように、端末装置10にチャネルを割り当てる。つまり、スロットダイバーシチが実現される。 【0038】 一方、許容遅延時間がしきい値以上である場合、制御部30は、信号処理部22から端末装置10に対する受信ウエイトベクトルを取得するとともに、他の端末装置10に対する受信ウエイトベクトルを取得する。他の端末装置10は、既にチャネルを割り当てている端末装置10である。なお、対象とするタイムスロットにおいて新たなチャネルが割当可能であるとする。また、制御部30は、端末装置10に対する受信ウエイトベクトルと他の端末装置10に対する受信ウエイトベクトルとの相関値を導出する。さらに、制御部30は、導出した相関値がしきい値よりも小さければ、端末装置10に対してSDMAを実行できると特定する。これは、端末装置10と他の端末装置10とが空間において分離可能な状態に相当する。その際、制御部30は、他の端末装置10に割り当てたチャネルが含まれたタイムスロットにおいて、SDMAにおけるチャネルを端末装置10に割り当てる。 【0039】 制御部30は、導出した相関値がしきい値以上であれば、端末装置10に対してSDMAを実行できないと特定する。制御部30は、他の端末装置10にチャネルを割り当てていないタイムスロットでのチャネルを端末装置10に割り当てる。なお、そのようなチャネルが存在しなければ、制御部30は、端末装置10へのチャネルの割当を拒否し、端末装置10にその旨を通知する。 【0040】 スロットダイバーシチでは、ひとつの端末装置10との通信に対して、一組のタイムスロットだけではなく、タイミングが少なくとも異なった複数組のタイムスロットを使用することによって、同一内容のデータが重複して送信される。このように重複して送信されることによって、最終的に信号が受信される可能性が向上する。さらに、受信側においては、複数のタイムスロットでのデータに対して、最大比合成を実行することによって、信号の品質を向上できる。 【0041】 また、SDMAでは、ひとつのタイムスロットを空間的に分割することによって、複数のチャネルを規定し、複数の端末装置10を多重化する。このように、空間分割することによって、多重化可能な端末装置10の数を増加できるので、周波数の利用効率を向上できる。なお、SDMAされているチャネル間の相関が高い場合、互いに影響を及ぼし合う。 【0042】 以上の処理によって割り当てられたチャネルの一例を説明する。図4は、通信システム100におけるフレームの構成を示す。横軸は、時間を示し、縦軸は、空間を示す。つまり、横方向の複数のチャネルは、TDMAによる多重化に相当し、縦方向の複数のチャネルは、SDMAによる多重化に相当する。また、横軸において、タイムスロットの番号が「1」から「4」と示されている。制御部30は、第1端末装置10aに対して、「1」番のタイムスロットと「2」番のタイムスロットでのチャネルを割り当てている。その結果、第1端末装置10aに対して、スロットダイバーシチがなされている。なお、第1端末装置10aとの通信におけるデータ信号の許容遅延時間は、しきい値よりも小さいものとする。 【0043】 また、制御部30は、第2端末装置10bに対して、「3」番のタイムスロットでのチャネルを割り当てている。なお、「3」番のタイムスロットには、第3端末装置10cに割り当てられたチャネルも存在するので、制御部30は、第2端末装置10bと第3端末装置10cに対して、SDMAを実行している。なお、第2端末装置10bとの通信におけるデータ信号の許容遅延時間は、しきい値以上であり、第2端末装置10bと第3端末装置10cとの間において、無線伝送路の相関が小さいものとする。 【0044】 この構成は、ハードウエア的には、任意のコンピュータのCPU、メモリ、その他のLSIで実現でき、ソフトウエア的にはメモリのロードされた通信機能のあるプログラムなどによって実現されるが、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウエアのみ、ソフトウエアのみ、またはそれらの組合せによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。 【0045】 図5は、第1信号処理部22aの構造を示す。第1信号処理部22aは、合成部40、受信ウエイトベクトル計算部42、参照信号生成部44、分離部46、送信ウエイトベクトル計算部48を含む。また、合成部40は、乗算部50と総称される第1乗算部50a、第2乗算部50b、第N乗算部50n、加算部54を含み、分離部46は、乗算部52と総称される第1乗算部52a、第2乗算部52b、第N乗算部52nを含む。また、信号として、受信ウエイトベクトル310と総称される第1受信ウエイトベクトル310a、第2受信ウエイトベクトル310b、第N受信ウエイトベクトル310n、受信ウエイトベクトル信号312、送信ウエイトベクトル信号314と総称される第1送信ウエイトベクトル信号314a、第2送信ウエイトベクトル信号314b、第N送信ウエイトベクトル信号314nを含む。なお、第2信号処理部22b等も同様に構成される。 【0046】 乗算部50は、受信ウエイトベクトル310によって、デジタル受信信号300を重みづけする。加算部54は、重みづけられた信号を加算し、第1合成信号304aを出力する。参照信号生成部44は、受信したパケット信号のプリアンブル期間中に、予め記憶したプリアンブルを参照信号として受信ウエイトベクトル計算部42に出力し、データ信号期間中に、第1合成信号304aの判定結果を参照信号として受信ウエイトベクトル計算部42に出力する。 【0047】 受信ウエイトベクトル計算部42は、デジタル受信信号300、第1合成信号304a、参照信号から、RLSアルゴリズムやLMSアルゴリズムなどの適応アルゴリズムによって受信ウエイトベクトル310を計算する。また、受信ウエイトベクトル310は、基地局用アンテナ16の数に応じた数の成分を有する。受信ウエイトベクトル計算部42は、受信ウエイトベクトル信号312を送信ウエイトベクトル計算部48に出力する。 【0048】 送信ウエイトベクトル計算部48は、受信ウエイトベクトル信号312をもとに、第1分離前信号308aの重みづけに必要な送信ウエイトベクトル信号314を導出する。処理を簡略化するために、受信ウエイトベクトル信号312と送信ウエイトベクトル信号314とが同一であってもよい。分離部46は、乗算部52において、送信ウエイトベクトル信号314によって第1分離前信号308aを重みづけし、デジタル送信信号302として出力する。 【0049】 以上の構成による基地局装置14の動作を説明する。図6は、基地局装置14におけるチャネル割当処理の手順を示すフローチャートである。制御部30は、通信対象となるデータ信号の種類を特定し(S10)、データ信号の種類から許容遅延時間を取得する(S12)。許容遅延時間がしきい値よりも小さく(S14のY)、スロットダイバーシチが可能であれば(S16のY)、制御部30は、ふたつのチャネルを端末装置10に割り当てる(S18)。ここで、スロットダイバーシチが可能であるとは、少なくともふたつのチャネル、あるいはタイムスロットが空いている状態に相当する。 【0050】 一方、スロットダイバーシチが可能でなければ(S16のN)、制御部30は、ひとつのチャネルを端末装置10に割り当てる(S20)。許容遅延時間がしきい値以上であり(S14のN)、SDMAが可能であれば(S22のY)、制御部30は、SDMAのチャネルを端末装置10に割り当てる(S24)。一方、SDMAが可能でなければ(S22のN)、制御部30は、SDMAを実行していない通常のチャネルを端末装置10に割り当てる(S26)。 【0051】 本発明の実施例によれば、許容遅延時間が短ければ、複数のチャネルを割り当てることによって、スロットダイバーシチを実行するので、データの誤り確率が低減されて、処理の遅延時間を許容遅延時間に適合できる。また、データの誤り確率が低減されるので、伝送効率の低下を抑制できる。また、遅延時間を短くできるので、リアルタイム性の高いアプリケーションを伝送できる。また、許容遅延時間が長ければ、SDMAにおけるチャネルを割り当てるので、周波数の利用効率を向上できる。また、空間の相関性が高い場合には、SDMAを実行しないので、SDMAによる特性の悪化を抑制できる。 【0052】 以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。 【0053】 本発明の実施例において、制御部30は、許容遅延時間がしきい値よりも短ければ、端末装置10に対してスロットダイバーシチを実行する。しかしながらこれに限らず例えば、許容遅延時間に加えるように別の評価基準を使用してもよい。制御部30は、無線通信の対象となるデータ信号のデータの量も取得する。そのため、データ信号には、アプリケーションを示した識別情報に加えて、データ量に関する情報も含まれる。制御部30は、取得した許容遅延時間がしきい値よりも小さくても、データの量が別のしきい値よりも大きければ、少なくともふたつのチャネルに同一のデータが配置されるようなチャネルの割当を中止する。つまりこの場合は、ひとつのチャネルが割り当てられる。本変形例によれば、データ量が大きければ、複数のチャネルを割り当てないので、伝送効率を向上できる。 【0054】 本発明の実施例において、所定の多重化要素を「時間」として、説明を行っている。しかしながらこれに限らず例えば、所定の多重化要素は、「時間」でなく、「周波数」や「符号」であってもよい。前者の場合は、FDMAとSDMAとの組合せに相当し、後者の場合は、CDMAとSDMAとの組合せに相当する。このような場合でも、実施例において説明した処理と同様の処理が実現されればよい。なお、「周波数」の場合、タイムスロットの代わりに、周波数チャネルが使用され、「符号」の場合、タイムスロットの代わりに、コードが使用される。信号処理部22等は、所定の多重化要素にて規定される複数のチャネルのうちの少なくともひとつを使用しながら、端末装置10との無線通信を実行する。制御部30は、無線通信に対する許容遅延時間を取得し、これがしきい値よりも小さければ、少なくともふたつのチャネルに同一のデータが配置されるように、端末装置10にチャネルを割り当てる。一方、許容遅延時間がしきい値以上であれば、制御部30は、多重化要素とは別の多重化要素として、SDMAを端末装置10に対して実行できるか否かを特定する。制御部30は、SDMAが実行できる場合、SDMAにおけるチャネルを端末装置10に割り当てる。本変形例によれば、本発明をさまざまな多重化技術に適用できる。 【0055】 本発明の実施例において、制御部30は、SDMAが実行できるかを決定するために、端末装置10の受信ウエイトベクトル310と、他の端末装置10の受信ウエイトベクトル310との相関値を使用している。これに限らず例えば、制御部30は、端末装置10からの信号の受信強度と、他の端末装置10からの信号の受信強度との差異を使用してもよい。この場合、差異が小さければ、制御部30は、SDMAが実行できると決定する。本変形例によれば、処理を簡易にできる。つまり、SDMAを実行することによって、通信品質が悪化することが防止できればよい。 【図面の簡単な説明】 【0056】 【図1】本発明の実施例に係る通信システムの構成を示す図である。 【図2】図1の基地局装置の構成を示す図である。 【図3】図2の制御部に記憶されたアプリケーションに対する許容遅延時間の関係のデータベースのデータ構造を示す図である。 【図4】図1の通信システムにおけるフレームの構成を示す図である。 【図5】図2の第1信号処理部の構造を示す図である。 【図6】図1の基地局装置におけるチャネル割当処理の手順を示すフローチャートである。 【符号の説明】 【0057】 10 端末装置、 12 端末用アンテナ、 14 基地局装置、 16 基地局用アンテナ、 18 ネットワーク、 20 無線部、 22 信号処理部、 24 モデム部、 26 ベースバンド部、 30 制御部、 100 通信システム。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001889 【氏名又は名称】三洋電機株式会社
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| 【出願日】 |
平成18年8月11日(2006.8.11) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100105924 【弁理士】 【氏名又は名称】森下 賢樹
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| 【公開番号】 |
特開2008−48072(P2008−48072A) |
| 【公開日】 |
平成20年2月28日(2008.2.28) |
| 【出願番号】 |
特願2006−220501(P2006−220501) |
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